JP6710057B2 - 防護柵 - Google Patents

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Description

本発明は、主に、居住地域に近接する比較的小さな渓流に設置され、落石や土石流による居住地域の災害を抑える防護柵に関する。
山間部等においては、宅地造成や道路の新設によって、谷地形が山の裾に進出している場合があり、その進出している領域が小渓谷となっている。この小渓谷は、周囲が山の急斜面に囲まれていることから、降雨等によって斜面が崩壊した際に落石や流木等を含んだ土石流が小渓谷に流れ込み、小渓谷から住宅地や道路に広がって大きな土砂災害が発生する。
このような小渓谷においては、斜面の崩壊による落石の発生と、水や流木を含んだ土石流の発生とが想定されるが、それぞれの対策が異なっている。
落石への対策としては、支柱に金網やワイヤーロープを張ったフェンスを設けて落石のエネルギーを吸収し、落石が居住地域に転がっていくことを防止している(例えば、特許文献1参照)。
一方、土石流への対策としては、コンクリート等で砂防堰堤を構築して流木や土砂を堰き止め、流木や土砂が居住地域に流れ込むことを防止している(例えば、特許文献2参照)。
特開2006−057442号公報 特開2007−056488号公報
しかし、小渓谷においては、落石と土石流のどちらが発生するかについて、事前に予測することは困難であり、対策が遅れているのが現状である。
仮に、落石を想定してフェンスを設ける場合、落石しか防ぐことができず、土石流が発生した場合には、土砂の大部分を通過させてしまい、居住地域に甚大な被害を及ぼすおそれがある。
一方、土石流を想定して砂防堰堤を設ける場合、落石も土石流も防ぐことができるが、そもそも居住地域と小渓流とが近接しているため、施工領域の確保が困難であり、周囲に作業スペース等を作る工事も必要となるため、コストが増大し、工期が長くなる。また、砂防堰堤を構築したとしても、砂防堰堤が大きな壁体であるため、景観を悪化させてしまう。
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、比較的簡易な構造でコスト低減や工期短縮を図り、落石及び土石流による被害を抑えることができる防護柵を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明は、谷に設けられる防護柵であって、谷を横切る方向に沿って配置され、それぞれが地盤に立設された複数の柱部と、前記柱部の延在方向に沿って互いに所定間隔をあけて前記柱部に設けられた複数の梁部と、を備えることを特徴とする。
また、隣接する前記梁部の純間隔が30cm以下であることが好ましい。
また、隣接する前記柱部の純間隔が160cm以下であることが好ましい。
また、前記梁部は肉厚が9.0mm〜16.0mmの鋼管であり、前記梁部の外径が300mm以上であることが好ましい。
また、隣接する前記柱部間に土砂を捕捉する網材を設けたことが好ましい。
また、前記網材は、前記柱部に対して着脱自在であることが好ましい。
また、前記柱部は、上流側に面し、上端に向かうにつれて下流側に傾斜するように地盤に立設された第1の脚部と、下流側に面し、上端に向かうにつれて上流側に傾斜するように地盤に立設された第2の脚部と、を備え、前記第1の脚部と前記第2の脚部とが上端近傍で連結されていることが好ましい。
また、前記梁部は、前記第1の脚部に固定されていることが好ましい。
また、前記第1の脚部はH形鋼から形成されており、土砂を捕捉する網材は、隣接する前記H形鋼のフランジ間に挿入されていることが好ましい。
また、前記梁部の一部が分断されて、前記梁部の他の部分に連結部材を介して連結されており、前記梁部の一部は、前記連結部材に回転自在に連結されていることが好ましい。
また、前記柱部を支持し、地盤に埋設される基礎部を備えることが好ましい。
また、前記基礎部に設けられ、地盤内に向けて下方に延びる杭部を備えることが好ましい。
また、0次谷又は1次谷に設けられていることが好ましい。
本発明によれば、比較的簡易な構造でコスト低減や工期短縮を図り、落石及び土石流による被害を抑えることができる。
防護柵が設置された谷を示す斜視図である。 (a)は、防護柵の正面図であり、(b)は、防護柵の側面図である。 防護柵の一部を示す斜視図である。 (a)は、間隔の小さな柱部間に挿入される網材を示す正面図であり、(b)は、間隔の大きな柱部間に挿入される網材を示す正面図である。 (a)は、柱部間に網材が挿入された防護柵の一部を示す平面図であり、(b)は、柱部間に網材が挿入された防護柵の一部を示す斜視図である。 一部が回転自在とされた梁部の構成を示す図であり、(a)は下流側から見た図、(b)及び(c)は上方から見た図である。 (a)は、防護柵の他の例を示す側面図、(b)は、(a)におけるA−A平面図である。 (a)は、防護柵の他の例を示す側面図、(b)は、(a)におけるB−B平面図である。
本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す実施の形態は一つの例示であり、本発明の範囲において、種々の形態をとり得る。
<防護柵の構成>
図1は、防護柵が設置された谷を示す斜視図である。図2(a)は、防護柵の正面図であり、図2(b)は、防護柵の側面図である。図3は、防護柵の一部を示す斜視図である。図4(a)は、間隔の小さな柱部間に挿入される網材を示す正面図であり、図4(b)は、間隔の大きな柱部間に挿入される網材を示す正面図である。図5(a)は、柱部間に網材が挿入された防護柵の一部を示す平面図であり、図5(b)は、柱部間に網材が挿入された防護柵の一部を示す斜視図である。
図1に示すように、防護柵100は、例えば、山間部の居住地域に近接する谷Vに設置されている。より具体的には、防護柵100は、宅地造成や道路の新設によって谷Vが山Mの裾に進出した小渓谷(0次谷、1次谷)に設置されている。防護柵100は、谷Vと居住地域とを分断するよう、谷Vを横切るように構築されている。防護柵100は、降雨等による落石や土石流を捕捉して居住地域の土砂災害を防ぐ。防護柵100が設けられている谷Vの両岸には、鋼製のふとん篭工9が設けられている。
防護柵100は、谷Vの地盤Gに立設された複数の柱部1と、柱部1に設けられた複数の梁部2と、梁部2を柱部1に保持させる保持具3と、柱部1に着脱自在に取り付けられる網材4a,4bとを備えている。
(柱部)
柱部1は、例えば、二本で一組となるように設けられており、この組が谷Vの幅方向に沿って複数組並んで設けられている。組となる柱部1は、隣接する柱部1同士の純間隔(表面間の間隔)が160cm以下となるように地盤Gに設けられている。
柱部1は、上流側に設けられた脚部11と下流側に設けられた脚部12とを備えている。脚部11と脚部12は、例えば、H形鋼から形成されている。
脚部11は、上方に向かうにつれて下流側に傾斜するように地盤Gに立設され、脚部12は、上方に向かうにつれて上流側に傾斜するように地盤Gに立設されている。脚部11と脚部12は、それぞれ上方に向かうにつれて互いに近づいていき、脚部12の上端が脚部11の上端近傍において、脚部11に連結されている。
脚部11は、H形鋼を形成するフランジの一方が上流側に面するように設けられており、脚部12は、H形鋼を形成するフランジの一方が下流側に面するように設けられている。上流側に面する脚部11のフランジ11aには、保持具3が所定間隔をあけて取り付けられている。
脚部11,12の下端部は、土台6に埋設され、固定されている。土台6は、地盤Gに打設されたコンクリートが固化することによって構築される。土台6は、脚部11,12を固定すると共に、自身の重量で落石や土石流に対する抵抗力を強化する。
(梁部)
梁部2は、上流側の脚部11において、上流側に面するフランジ11aに保持具3によって取り付けられている。梁部2は、例えば、鋼管から形成されている。
梁部2は、一般的に想定される落石や土石流を考慮すると、肉厚が9.0mm〜16.0mmで、外径が300mm以上、好ましくは、300mm〜400mmであることが好ましい。梁部2は、柱部1の延在方向(長手方向)に沿って、隣接する梁部2同士の純間隔(表面間の間隔)が30cm以下となるように柱部1に複数固定されている。梁部2は、その延在方向が谷Vの幅方向に沿うように柱部1に互いにほぼ平行に設けられている。梁部2は、二本の柱部1に対して架け渡されており、梁部2の両端部がそれぞれの柱部1から突出するように設けられている。
(保持具)
保持具3は、脚部11のフランジ11aに締結具(例えば、ボルトとナット)によって取り付けられている。
図3に示すように、保持具3は、フランジ11aに固定される底板部31と、この底板部31に立設され、梁部2を保持する保持部32とを備えている。
底板部31は、フランジ11aからはみ出さない程度に形成されており、締結具によって脚部11に固定されている。
保持部32は、底板部31の表面に溶接等によって接合された板材であり、梁部2を挿通する円形状の孔が形成されている。この孔に梁部2を挿通することにより、梁部2は柱部1に保持される。
(網材)
網材4a,4bは、梁部2だけでは捕捉できないより粒径の小さい土砂を捕捉するものである。図4(a)に示す網材4aは、梁部2が架け渡される一組の柱部1間に挿入されるものであり、図4(b)に示す網材4bは、隣接する一組の柱部1間に挿入されるものである。
網材4aは、柱部1の長さ及び間隔に合わせて矩形状に組まれた枠部41aと、この枠体41aに張られるメッシュ部42aと、を備えている。メッシュ部42aの網目間隔は、30mm程度が好ましい。
網材4bは、柱部1の長さ及び間隔に合わせて矩形状に組まれた枠部41bと、この枠体41bに張られるメッシュ部42bと、を備えている。メッシュ部42bの網目間隔は、30mm程度が好ましい。
図5に示すように、網材4a,4bは、ともに、脚部11を形成するH形鋼のフランジ間に着脱自在に挿入され、フランジによって土石流等の流れ方向への離脱を防いでいる。このとき、枠部41a,41bは、柱部1間に挿入した際に梁部2と重なるように構成しておき、梁部2間の隙間をメッシュ部42a,42bで覆うようにすることが好ましい。
<作用、効果>
以上のように、防護柵100によれば、落石が発生した場合には、落石が有するエネルギーを梁部2の変形によって吸収することができるので、簡易な構造で居住地域の落石被害を抑えることができる。一方、土石流が発生した場合にも、流木や岩石を防護柵100で止めつつ、勢いを弱めた細粒分や水を防護柵100の隙間から透過させ、道路上又は道路側方の排水溝等に流すことができるので、簡易な構造で居住地域の土石流被害を抑えることができる。さらに、隣接する柱部1の間に網材4a,4bを設けることで、土砂を止める量を増やすことができるので、防護柵100としての機能をより強化することができる。また、砂防堰堤のように大規模な工事を必要としないので、コスト削減及び工期短縮を図ることができる。また、砂防堰堤のように大きな構造物になることはないので、周囲の景観を阻害することがない。
また、隣接する梁部2の純間隔を30cm以下とすることで、一般的に想定されるほとんどの落石、土石流に含まれる巨礫、流木を止めることができる。
また、隣接する柱部1の純間隔を160cm以下とすることで、小型流木や枝などが梁部2をすり抜けることを防止できる。また、梁部2が鋼管で、肉厚が9.0mm〜16.0mmで、外径が300mm以上である剛体であるので、柱部1の純間隔を160cm以下することによって、落石、土石流に含まれる巨礫、流木等による偏心荷重を梁部2が効果的に柱材に分配することができる。
また、梁部2は、肉厚が9.0mm〜16.0mmで、外径が300mm以上の鋼管で構成することにより、一般的に想定されるほとんどの落石の衝突に耐えることができる防護柵100を構築することができる。
また、柱部1の構成である脚部11,12をH形鋼で構成することにより、H形鋼のフランジを網材4a,4bの位置決め用のストッパとして利用することができるので、簡易な構造で網材4a,4bを隣接する柱部1間に着脱自在に設けることができる。
<変形例1>
次に、防護柵の変形例1について説明する。なお、上記の実施の形態と同じ構成については、同一符号を付して説明を省略する。図6は、一部が回転自在とされた梁部の構成を示す図であり、(a)は下流側から見た図、(b)及び(c)は上方から見た図である。
図6に示すように、梁部2は、その一部が分断されており、例えば、3本の梁部2a,2b,2cから構成されている。
梁部2aは、上流側に位置する脚部11に溶接等によって接合された接合板30の一方の面に、その一端面が溶接等によって接合されており、他の箇所は、上記の実施の形態と同様、保持具3によって保持されている。
梁部2aに隣接する梁部2bは、隣接する梁部2cと連結部材20を介して連結されている。梁部2cは、連結部材20の対向する面にその一端面が溶接等によって接合されており、他の箇所は、上記の実施の形態と同様、保持具3によって保持されている。
梁部2bの一端部は、ピン21を介して連結部材20に回転自在に連結されている。すなわち、梁部2bは、ピン21を回転軸とした回転により、梁部の一部を上下流方向に開閉することができるように梁部2cに連結されている。ここで、梁部2bの他端部は、閉じた際に接合板30の他方の面に対向するようになっており、梁部2bの下流側への回転が脚部11のフランジ11aによって規制されている。
このような防護柵においては、梁部2bを回転させることにより、梁部間に詰まった岩石や流木を除去することができるので、防護柵のメンテナンスが容易となる。また、作業員が防護柵を通り抜けるための通路として利用することもできる。
<変形例2>
次に、防護柵の変形例2について説明する。なお、上記の実施の形態と同じ構成については、同一符号を付して説明を省略する。図7(a)は、防護柵の他の例を示す側面図、図7(b)は、(a)におけるA−A平面図である。
図7に示すように、防護柵100Aは、上記の実施の形態と同様の構成を有する柱部1、梁部2、保持具3及び網材4a,4bに加え、柱部1をその下端側から支持し、地盤Gに埋設される基礎部5をさらに備えている。
基礎部5は、各柱部1の下端部に連結されて柱部1を支持し、防護柵100Aの土台となるものである。基礎部5は、例えば、H形鋼を枠状に組み立てて構成したものであり、フランジ面が水平方向に沿うように地盤G内に埋設されている。基礎部5は、土石流の流れ方向に沿った一対の横材51と、この横材51同士を連結する縦材52とを備えている。基礎部5は、柱部1との連結部位を中心としてみた場合に、上流側に長く延在するように形成されている。これは、防護柵100Aに作用する土砂の重量を増やして防護柵100Aに鉛直下方向に押す力を発生させ、防護柵100Aを安定させるためである。
防護柵100Aにおいては、地盤Gを掘削して形成した凹部に基礎部5を収容し、凹部にコンクリート(モルタル、ソイルセメントでもよい)を流し込むことによって土台6内に基礎部5を埋設した状態とし、基礎部5と土台6を一体化している。
このような防護柵においては、基礎部5を備えることで土砂への抵抗力をさらに強化することができる。
<変形例3>
次に、防護柵の変形例3について説明する。なお、上記の実施の形態と同じ構成については、同一符号を付して説明を省略する。図8(a)は、防護柵の他の例を示す側面図、図8(b)は、(a)におけるB−B平面図である。
図8に示すように、防護柵100Bは、上記の実施の形態と同様の構成を有する柱部1、梁部2、保持具3及び網材4a,4bに加え、柱部1をその下端側から支持し、地盤Gに埋設される基礎部7をさらに備えている。
基礎部7は、各柱部1の下端部に連結されて柱部1を支持し、防護柵100Bの土台となるものである。基礎部7は、例えば、H形鋼を枠状に組み立てて構成したものであり、フランジ面が水平方向に沿うように地盤G内に埋設されている。基礎部7は、土石流の流れ方向に沿った一対の横材71と、この横材71同士を連結する縦材72と、横材71又は縦材72に連結され、横材71又は縦材72から地盤Gの内部に向けて下方に延びる杭部73と、を備えている。基礎部7は、柱部1との連結部位を中心としてみた場合に、上流側に長く延在するように形成されている。これは、防護柵100Bに作用する土砂の重量を増やして防護柵100Bに鉛直下方向に押す力を発生させ、防護柵100Bを安定させるためである。
杭部73は、地盤Gの表面に対して直交する方向に延びるように地盤G内に埋設されており、土石流に対する抵抗力を増やしている。
防護柵100Bは、地盤Gを掘削してコンクリートを打設して土台6を構築できない場合に有効な防護柵であり、基礎部7を地盤Gに埋設するだけで土石流等に対して十分な抵抗力を有する構造となっている。なお、防護柵100Bを地盤Gに埋設する際に、地盤改良しながら基礎部7を埋設してもよい。
なお、本発明は、上記の実施の形態に限られるものではなく、本発明の本質的な部分を変更しない範囲内で自由に変更可能である。
次に、上記の構成を有する防護柵の実施例について説明する。防護柵100の1/30スケールの模型を作成し、実験を行った。具体的には、隣接する梁部2の間隔を10mmとし、梁部2を支持する一対の柱部1の間隔を53.3mmとし、網材4a,4bのメッシュ部42a,42bの網目間隔を1mmとした。
実験は、0次谷の形状を模した模型を作成し、谷の下流側に圧力センサを取り付けた住宅模型を複数設置すると共に、住宅と0次谷との間に防護柵100の模型を設置して土砂を含んだ水を流した。また、防護柵100の比較対象として、不透過型堰堤の模型を作成し、防護柵100と同じ条件で実験を行った。
実験に用いる土砂としては、上記の模型に合わせて、二種類の実験土砂A,Bを準備した。実験土砂Aは、土砂及び流木模型を含み、粒度試験で粒径10mm以下の土砂の通過質量百分率が95%となるものであり、実験土砂Bは、土砂及び流木模型を含み、粒度試験で粒径1mm以下の土砂の通過質量百分率が95%となるものである。
表1は、柱部1間に網材4a,4bを設けないで実験土砂Aを土石流に模して流した場合の土砂、巨石、流木の各捕捉率を測定した結果をまとめたものである。
表1に示すように、防護柵100や不透過型堰堤を設けない場合には、各捕捉率は、0%である。不透過型堰堤を設けた場合、土砂の捕捉率は87.9%、巨石の捕捉率は94.0%であり、流木の捕捉率は60.5%であった。防護柵100を設けた場合、土砂の捕捉率は93.6%、巨石の捕捉率は100%であり、流木の捕捉率は100%であり、不透過型堰堤よりも良好な結果が得られた。
Figure 0006710057
表2は、柱部1間に網材4a,4bを設けて実験土砂Bを土石流に模して流した場合の土砂、巨石、流木の各捕捉率を測定した結果をまとめたものである。
表2に示すように、防護柵100や不透過型堰堤を設けない場合には、各捕捉率は、0%である。不透過型堰堤を設けた場合、土砂の捕捉率は48.1%、巨石の捕捉率は84.0%であり、流木の捕捉率は57.5%であった。防護柵100を設けた場合、土砂の捕捉率は48.3%、巨石の捕捉率は98.0%であり、流木の捕捉率は83.5%であった。この場合においても不透過型堰堤よりも良好な結果が得られた。また、実験土砂Bのように細粒分が多い土砂であっても、網材4a,4bを設けることによって多くの土砂(半分程度)を捕捉できることが確認できた。
Figure 0006710057
表3は、実験土砂Bを土石流に模して流した場合の左岸側及び右岸側の住宅模型に作用する衝撃力を測定した結果をまとめたものである。
表3に示すように、防護柵100や不透過型堰堤を設けない場合には、左岸側の住宅で154.5kPa、右岸側の住宅で143.6kPaを計測した。不透過型堰堤を設けた場合、左岸側の住宅で64.1kPa、右岸側の住宅で22.7kPaであった。網材4a,4bのない防護柵100を設けた場合、左岸側の住宅で71.3kPa、右岸側の住宅で47.0kPaであった。網材4a,4bのある防護柵100を設けた場合、左岸側の住宅で43.3kPa、右岸側の住宅で29.4kPaであった。この結果、不透過型堰堤よりも防護柵100、中でも網材4a,4bを設けた場合が最も土石流の衝撃を緩和していることが確認できた。
Figure 0006710057
以上のように、防護柵100は、不透過型堰堤よりも簡易な構造でありながら、不透過型堰堤よりも落石や土石流を堰き止める効果が大きく、落石と土石流の双方への対策として非常に有用な構造物であることが確認できた。
1 柱部
2 梁部
3 保持具
4a 網材
4b 網材
5 基礎部
7 基礎部
11 脚部
11a フランジ
12 脚部
20 連結部材
73 杭部
100 防護柵
V 谷

Claims (14)

  1. 0次谷又は1次谷に設けられ、落石及び土石流に含まれる流木や岩石を止めて細粒分や水を透過させる防護柵であって、
    前記0次谷又は前記1次谷を横切る方向に沿って配置され、それぞれが地盤に立設された複数の柱部と、
    前記柱部の延在方向に沿って互いに所定間隔をあけて前記柱部に設けられた複数の梁部と、を備え
    前記梁部は肉厚が9.0mm〜16.0mmの鋼管であり、前記梁部の外
    が300mm以上である
    ことを特徴とする防護柵。
  2. 隣接する前記梁部の純間隔が30cm以下であることを特徴とする請求項1に記載の防護柵。
  3. 隣接する前記柱部の純間隔が160cm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の防護柵。
  4. 隣接する前記柱部間に土砂を捕捉する網材を設けたことを特徴とする請求項1からまでのいずれか一項に記載の防護柵。
  5. 前記網材は、前記柱部に対して着脱自在であることを特徴とする請求項に記載の防護柵。
  6. 前記柱部は、
    上流側に面し、上端に向かうにつれて下流側に傾斜するように地盤に立設された第1の脚部と、
    下流側に面し、上端に向かうにつれて上流側に傾斜するように地盤に立設された第2の脚部と、を備え、
    前記第1の脚部と前記第2の脚部とが上端近傍で連結されていることを特徴とする請求項1からまでのいずれか一項に記載の防護柵。
  7. 前記梁部は、前記第1の脚部に固定されていることを特徴とする請求項に記載の防護柵。
  8. 前記第1の脚部はH形鋼から形成されており、
    土砂を捕捉する網材は、隣接する前記H形鋼のフランジ間に挿入されていることを特徴とする請求項又はに記載の防護柵。
  9. 前記梁部の一部が分断されて、前記梁部の他の部分に連結部材を介して連結されており、
    前記梁部の一部は、前記連結部材に回転自在に連結されていることを特徴とする請求項1からまでのいずれか一項に記載の防護柵。
  10. 前記柱部を支持し、地盤に埋設される基礎部を備えることを特徴とする請求項1からまでのいずれか一項に記載の防護柵。
  11. 前記基礎部に設けられ、地盤内に向けて下方に延びる杭部を備えることを特徴とする請求項10に記載の防護柵。
  12. 谷に設けられる防護柵であって、
    谷を横切る方向に沿って配置され、それぞれが地盤に立設された複数の柱部と、
    前記柱部の延在方向に沿って互いに所定間隔をあけて前記柱部に設けられた複数の梁部と、を備え、
    前記梁部は肉厚が9.0mm〜16.0mmの鋼管であり、
    前記梁部の外径が300mm以上であることを特徴とする防護柵。
  13. 谷に設けられる防護柵であって、
    谷を横切る方向に沿って配置され、それぞれが地盤に立設された複数の柱部と、
    前記柱部の延在方向に沿って互いに所定間隔をあけて前記柱部に設けられた複数の梁部と、を備え、
    前記柱部は、
    上流側に面し、上端に向かうにつれて下流側に傾斜するように地盤に立設された第1の脚部と、
    下流側に面し、上端に向かうにつれて上流側に傾斜するように地盤に立設された第2の脚部と、を備え、
    前記第1の脚部と前記第2の脚部とが上端近傍で連結されており、
    前記第1の脚部はH形鋼から形成されており、
    土砂を捕捉する網材は、隣接する前記H形鋼のフランジ間に挿入されていることを特徴とする防護柵。
  14. 谷に設けられる防護柵であって、
    谷を横切る方向に沿って配置され、それぞれが地盤に立設された複数の柱部と、
    前記柱部の延在方向に沿って互いに所定間隔をあけて前記柱部に設けられた複数の梁部と、を備え、
    前記梁部の一部が分断されて、前記梁部の他の部分に連結部材を介して連結されており、
    前記梁部の一部は、前記連結部材に回転自在に連結されていることを特徴とする防護柵。
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