JP2012036576A - 落石防止柵と、落石防止柵を使用した落石防止方法 - Google Patents
落石防止柵と、落石防止柵を使用した落石防止方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】雪崩による破壊を防止することのできる落石防止柵と、該落石防止柵を使用した落石防止方法の提供。
【解決手段】下端部に接地プレート2を備え、後側の側面に転倒防止用の脚部12を設けている左右一対の支柱1と、一対の支柱に掛け渡すように固定した複数の梁材5と、梁材側に固定した防護ネット6から構成される落石防止柵Pにおいて、一対の支柱の前面に取り付けて、落石防止柵を法面の上方から支持する基礎ロープ部材Aを備え、該基礎ロープ部材は先端部がアンカーにより法面に固定される所定の長さの支持ロープ10と、支持ロープの基端部にジョイント金具9を介して接続した水平ロープと斜行ロープ7から構成され、水平ロープ8と斜行ロープの基端部に接続片を設ける一方、両支柱の前面に上部ヒンジ枠部13Aと下部ヒンジ枠部13Bを設け、斜行ロープの接続片を上部ヒンジ枠部に、水平ロープの接続片を下部ヒンジ枠部に取り付ける。
【選択図】図7
【解決手段】下端部に接地プレート2を備え、後側の側面に転倒防止用の脚部12を設けている左右一対の支柱1と、一対の支柱に掛け渡すように固定した複数の梁材5と、梁材側に固定した防護ネット6から構成される落石防止柵Pにおいて、一対の支柱の前面に取り付けて、落石防止柵を法面の上方から支持する基礎ロープ部材Aを備え、該基礎ロープ部材は先端部がアンカーにより法面に固定される所定の長さの支持ロープ10と、支持ロープの基端部にジョイント金具9を介して接続した水平ロープと斜行ロープ7から構成され、水平ロープ8と斜行ロープの基端部に接続片を設ける一方、両支柱の前面に上部ヒンジ枠部13Aと下部ヒンジ枠部13Bを設け、斜行ロープの接続片を上部ヒンジ枠部に、水平ロープの接続片を下部ヒンジ枠部に取り付ける。
【選択図】図7
Description
本発明は、落石等の虞のある山岳地帯の傾斜面(以後、法面と称す)等に設置して、当該設置個所における落石を有効に防止すると共に、冬期には、落石防止柵を法面に沿うように傾倒させて、雪崩による落石防止柵の破壊を防止している、落石防止柵と、落石防止柵を使用した落石防止方法に関するものである。
落石防止柵は、一般的に、法面に対して落石防止柵が起立した状態を維持することにより、当該個所における落石を防止するものである。
また、従来における落石防止柵としては、例えば、特許文献1に開示されているように、法面にコンクリート基礎を設け、このコンクリート基礎に所定の間隔で複数の支柱を立設し、各支柱間に水平主線材である支持ロープ材と、各支柱間を支持ロープ材に掛止した網体であるワイヤネットを配置している構成のものが存在する。
更に、特許文献2に開示されているように、支柱の下端部に、傾斜面の上方に向けられたベースプレートを固着し、支柱中間部とベースプレートの間に、傾斜面の上方に向けてサポート支柱を連設して補強し、支柱の上部及び下部に、支持ロープのジョイント金具を設けた構成のものが存在する。
しかしながら、従来の一般的な落石防止柵は、法面に対して落石防止柵が起立した状態を維持することにより、当該個所における落石を防止していることから、例えば、落石防止柵が、冬季に雪崩が発生し易い場所に設置されているときには、起立している落石防止柵が、雪崩による衝撃荷重に耐え切れずに、破壊されてしまう事態が頻繁に生じていた。
この様な、落石防止柵が、雪崩による衝撃荷重により破壊されてしまう事態を回避するには、雪崩が発生する時期に、落石防止対策を実施する必要のない箇所において、厳冬期に人の立ち入りを禁止する措置を施すことを前提条件として、当該個所に設置している落石防止柵を撤去せざるを得ない。
しかし、法面に設置している落石防止柵を撤去する場合には、当該法面において落石防止柵を解体し、重機等を使用して解体した部材を所定の管理小屋に搬入しなければならず、多大な作業労力と、作業時間・作業費用を要していた。
また、落石防止柵を撤去した後、雪崩が発生しない時期が到来したときに、再度、重機等を使用して解体した部材を現場に移動させ、法面に落石防止柵を組み上げるのも非常に面倒である。
さらに、落石防止柵の撤去作業と、再度の組み上げ作業が、いずれも山岳地帯の傾斜面である法面において実施されることから、作業員が誤って転落してしまう危険性を常に伴っている。
加えて、当該個所は、そもそも落石が頻発に発生する箇所であることから、極めて短時間の内に作業を終えて、作業員の安全を確保しなければならない。
以上のことを考慮して、落石防止柵が雪崩による衝撃荷重により破壊されてしまう事態を回避するには、冬期に限定して、落石防止柵を法面に沿うように一時的に傾倒させる措置を施すことが強く望まれるようになった。
しかし、特許文献1に示す構成の柵では、法面に設けたコンクリート基礎に所定の間隔で複数の支柱を立設させていることから、落石防止柵を法面に沿うように一時的に傾倒させる措置を施すことがそもそも困難である。加えて、法面に設けたコンクリート基礎に支柱を固定していることから、ある程度の強度を有するものの、大規模な雪崩が発生したときには、雪崩による衝撃荷重により柵が破壊されてしまう危険性が依然として残る。
また、特許文献2に示す構成の柵では、支柱中間部とベースプレートの間に連接されたサポート支柱が、傾斜面の上方に向けられていることから、当該サポート支柱が邪魔となって、支柱自体を法面の上方に向けて傾倒させることが困難である。加えて、雪崩が発生したときには、その衝撃荷重により柵が破壊されてしまう虞がある。
そこで、本発明は如上のような従来存した諸事情に鑑み創出されたもので、冬期以外の時期には、法面に対して、落石防止柵が起立した状態を維持して落石を防止する一方、冬期には、落石防止柵を法面に沿うように傾倒させて、雪崩による落石防止柵の破壊を防止することのできる、落石防止柵と、落石防止柵を使用した落石防止方法を提供することを目的とする。
本発明に係る落石防止柵においては、下端部に接地プレートを備え、後側の側面に転倒防止用の脚部を設けている左右一対の支柱と、一対の支柱に掛け渡すように固定した複数の梁材と、梁材側に固定した防護ネットから構成される落石防止柵において、一対の支柱の前側の側面に取り付けて、落石防止柵を法面の上方から支持する基礎ロープ部材を備え、該基礎ロープ部材は、先端部がアンカーにより法面に固定される所定の長さの支持ロープと、支持ロープの基端部に、ジョイント金具を介して接続した水平ロープと斜行ロープから構成され、水平ロープと斜行ロープの基端部に接続片を設ける一方、一対の支柱の前側の側面に、上部ヒンジ枠部と下部ヒンジ枠部を設け、斜行ロープの接続片を上部ヒンジ枠部に取り付け、水平ロープの接続片を下部ヒンジ枠部に取り付けていることで、上述した課題を解決した。
また、落石防止柵を構成する一対の支柱が、法面に沿うように傾倒可能であることで、同じく上述した課題を解決した。
さらに、複数の落石防止柵が、所定の間隔を開けて横方向に配置され、複数の落石防止柵Pの梁材側に、長尺な防護ネットを固定していることで、同じく上述した課題を解決した。
また、落石防止柵は、補助ロープ部材を備え、該補助ロープ部材は、各支柱の前側の側面に設けているU字片に貫装した状態で、補助ロープ部材の両端部が、アンカーによって法面に固定されていることで、同じく上述した課題を解決した。
この他、本発明に係る落石防止柵の使用方法においては、請求項1乃至4のいずれかに記載の落石防止柵を使用することにより、同じく上述した課題を解決した。
また、請求項1乃至4に記載された落石防止柵を使用した落石防止方法において、冬期以外の時期には、法面に対して、落石防止柵が起立した状態を維持して落石を防止する一方、冬期には、落石防止柵を法面に沿うように傾倒させ、雪崩による落石防止柵の破壊を防止していることで、同じく上述した課題を解決した。
本発明に係る落石防止柵においては、下端部に接地プレートを備え、後側の側面に転倒防止用の脚部を設けている左右一対の支柱と、一対の支柱に掛け渡すように固定した複数の梁材と、梁材側に固定した防護ネットから構成される落石防止柵において、一対の支柱の前側の側面に取り付けて、落石防止柵を法面の上方から支持する基礎ロープ部材を備え、該基礎ロープ部材は、先端部がアンカーにより法面に固定される所定の長さの支持ロープと、支持ロープの基端部に、ジョイント金具を介して接続した水平ロープと斜行ロープから構成され、水平ロープと斜行ロープの基端部に接続片を設ける一方、両支柱の前側の側面に、上部ヒンジ枠部と下部ヒンジ枠部を設け、斜行ロープの接続片を上部ヒンジ枠部に取り付け、水平ロープの接続片を下部ヒンジ枠部に取り付けていることから、雪崩の多い冬期において、一対の支柱(落石防止柵)を、法面の上方に向けて傾倒させることができる。
その為、落石防止柵を傾倒させている場所において、雪崩が発生したとき、当該雪崩は、傾倒している落石防止柵の上を通過するだけであるので、落石防止柵が破壊されることが無い。
また、落石防止柵は、下部ヒンジ枠部を介して、支持ロープと水平ロープにより、法面に沿って吊り下げられた様な状態で傾倒することから、雪崩が発生したとき、落石防止柵が法面の下方に向けて落下することも無い。
さらに、雪崩が発生しない時期が到来したときには、その場において、比較的に簡単な作業により、落石防止柵が法面に対して起立している状態を再現して、当該場所における落石を有効に防止することができる。
また、落石防止柵を構成する一対の支柱が、法面に沿うように傾倒可能であるので、作業員は、労力を要することなく、比較的に簡単な作業により、一対の支柱を法面に沿うように傾倒させることができる。さらに、作業員は、この支柱の傾倒作業を、極めて短時間の内に実施できる。
加えて、複数の落石防止柵が、所定の間隔を開けて横方向に配置され、複数の落石防止柵の梁材側に長尺な防護ネットを固定していることから、所定の法面において、比較的に広範囲に渡る場所における落石を有効に防止することができる。
また、落石防止柵は、補助ロープ部材を備え、該補助ロープ部材は、各支柱の前側の側面に設けているU字片に貫装した状態で、補助ロープ部材の両端部が、アンカーによって法面に固定されているので、法面において、落石防止柵が起立している状態を堅牢に維持することができる。
この他、本発明に係る落石防止柵を使用した落石防止方法においては、雪崩が発生しない時期において、落石防止柵が法面に対して起立している状態を維持して、当該場所における落石を有効に防止することができる。
また、落石防止柵を使用した落石防止方法において、冬期以外の時期には、法面に対して、落石防止柵が起立した状態を維持して落石を防止する一方、冬期には、落石防止柵を法面に沿うように傾倒させることにより、雪崩による落石防止柵の破壊を防止している。
以上に述べたように、本発明によれば、落石防止柵を法面に沿うように傾倒させて、雪崩による落石防止柵の破壊を防止していることから、従来のように、雪崩が発生する時期に、当該個所に設置している落石防止柵を撤去するという面倒な作業を排除できる。
また、雪崩による落石防止柵の破壊を防止するために、落石防止柵を法面に沿うように傾倒させるという比較的に簡単な作業を実施することから、作業時間・作業費用も大幅に削減できる。
さらに、雪崩が発生しない時期が到来したときには、法面に沿うように傾倒している落石防止柵を起立させるという比較的に簡単な作業により、当該場所における落石を有効に防止することができる。
また、落石防止柵を法面に沿うように傾倒させたり、落石防止柵を起立させるという比較的に簡単な作業を、極めて短時間の内に実施できるので、作業員が誤って転落したり、落石の被害に会う機会を極力回避して、作業員の安全を確保している。
以下に、図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。
本発明に係る落石防止柵Pは、図1乃至図3に示すように、下端部に接地プレート2を備え、後側の側面に転倒防止用の脚部12を設けている左右一対の支柱1と、一対の支柱1に掛け渡すように固定した複数の梁材5と、梁材5側に固定した防護ネット6から構成されている。
支柱1は、所定の長さのH型鋼により形成されている。また、接地プレート2は、図3に示すように、支柱1の下端部に固着された矩形板材2aと、矩形板材2aの後端縁から斜め上方向に延設された短尺な斜行板材2bにより形成されている。さらに、支柱1の後側の側面における下端部と、接地プレート2(矩形板材2a及び斜行板材2b)に接するようにして、板状の補強片2cを垂設状に固定している。
一対の支柱1は、図3に示すように、後側の側面が、互いに筋交い3により接続されている。この筋交い3により接続されている状態において、図1・図2に示すように、両支柱1の前側の側面に掛け渡すように、鋼管材である複数の梁材5を固定して、一対の支柱1を連結している。
具体的には、一対の支柱1の前側の側面における上下5箇所に、左右一対のU字ボルト4を設置し、支柱1の前側の側面とU字ボルト4により梁材5を強く挟み込んで、支柱1に梁材5を固定している。落石防止柵Pは、これらの筋交い3と梁材5の構成により、落石を受け止めた時の衝撃荷重に耐え得る堅牢性を有している。
また、支柱1に設けている転倒防止用の脚部12は、図4に示すように、支柱1の後側の側面において、法面Qの下方を向くように形成され、支柱1の上端部が法面Qの下方側に向けて倒れてしまう事態の発生を防止している。
この転倒防止用の脚部12は、支柱1の後側の側面に固定された斜行材12aと水平材12bにより形成されている。この斜行材12aと水平材12bは、共にH型鋼によって形成されている。
斜行材12aは、支柱1の後側の側面に固定された水平短尺部材121と、水平短尺部材121の端部から斜め下方に延設された長尺斜行部材122により形成されている。
また、長尺斜行部材122の下端部には、接地プレート12cが固定されている。この接地プレート12cは、矩形板材123と、矩形板材123の前端縁から斜め上方向に延設した短尺な斜行板材124により形成されている。さらに、長尺斜行部材122の下端部と、接地プレート12c(矩形板材123及び斜行板材124)に接するようにして、板状の補強片を垂設状に固定している。
加えて、水平材12bは、支柱1の後側の側面と、長尺斜行部材122の中間部分を連設している。
この他、一対の支柱1には、図1・図4に示すように、支柱1の前側の側面に取り付けて、落石防止柵Pを法面Qの上方から支持するための基礎ロープ部材Aが接続されている。
この基礎ロープ部材Aは、先端部がアンカー11により法面Qに固定される所定の長さの支持ロープ10と、支持ロープ10の基端部に、ジョイント金具9を介して接続した水平ロープ8と斜行ロープ7から構成されている。
アンカー11は、図4に示すように、アンカーボルト11aと、中央にボルト孔が開穿された矩形板材11bにより形成されている。また、矩形板材11bの一端縁には、U字型フック11cが回動可能に取り付けられており、このU字型フック11cに支持ロープ10の先端部が接続されている。
そして、支持ロープ10が接続されているU字型フック11cが法面Qの下側を向くように矩形板材11bを法面Qの所定の位置に設置し、ボルト孔に固定しているアンカーボルト11aを地中に打ち込んで、矩形板材11bを法面Qに固定している。
また、支持ロープ10の基端部に、水平ロープ8と斜行ロープ7を接続しているジョイント金具9は、図2・図3に示すように、長円形の板状である左右一対の板材9aと、板材9aの両端部において、両板材9aに挟み込まれるように配置されている前後一対の軸部9bにより形成されている。そして、一方の軸部9bに、支持ロープ10の基端部に形成されたジョイント輪部が接続される。また、他方の軸部9bに、水平ロープ8と斜行ロープ7の各先端部に形成されたジョイント輪部が接続される。
この水平ロープ8と斜行ロープ7の基端部には、いずれも接続片13bを設けている。この接続片13bは、図7に示すように、矩形板材13cの中央にネジ孔13dを設けて形成され、端部に、水平ロープ8(斜行ロープ7)の基端部を強固に固定した環状の保持部13eを備えている。
水平ロープ8と斜行ロープ7の基端部に設けている接続片13bは、支柱1の前側の側面に取り付けられる。
具体的には、一対の支柱1に、図2に示すように、上部ヒンジ枠部13Aと下部ヒンジ枠部13Bを設けている。上部ヒンジ枠部13Aと下部ヒンジ枠部13Bは、共に支柱1の前側の側面から突出した左右一対の矩形枠材13fと、両矩形枠材13fの中央のボルト孔に挿入されてナットで締め付けて固定されるボルト状のヒンジ軸13aにより形成されている。
そして、落石防止柵Pが法面Qに起立している状態において、図2に示すように、上部ヒンジ枠部13Aを形成する両矩形枠材13f間に、斜行ロープ7の基端部に設けているネジ孔13d付の接続片13bを挿入し、両矩形枠材13fのボルト孔と、接続片13bのネジ孔13dを貫通するようにヒンジ軸13aを挿入し、ヒンジ軸13aの端部にナットを螺合させて、上部ヒンジ枠部13に、斜行ロープ7の接続片13bを回動可能に取り付けている。
また、下部ヒンジ枠部13Bを形成する両矩形枠材13f間に、水平ロープ8と基端部に設けているネジ孔13d付の接続片13bを挿入し、両矩形枠材13fのボルト孔と、接続片13bのネジ孔13dを貫通するようにヒンジ軸13aを挿入し、ヒンジ軸13aの端部にナットを螺合させて、上部ヒンジ枠部13に、斜行ロープ7の接続片13bを回動可能に取り付けている。
このとき、図4に示すように、落石防止柵Pにおいて、法面Qに対して垂直に起立している支柱1と、法面Qに沿うように配置されている水平ロープ8により、直角となる2辺を形成し、斜行ロープ7が直角に対向する斜辺を形成するように、斜行ロープ7の長さが設定されている。
そして、図7・図8に示すように、落石防止柵Pを構成する一対の支柱1は、法面Qに沿うように傾倒可能となっているが、この落石防止柵Pの傾倒時には、斜行ロープ7が若干弛んだような状態となっている。
この他、落石防止柵Pは、図1・図2に示すように、補助ロープ部材Bを備えている。この補助ロープ部材Bは、各支柱1の前側の側面に設けているU字片16に貫装した状態で、補助ロープ部材Bの両端部が、アンカー15によって法面Qに固定されている。
アンカー15は、図2に示すように、アンカーボルト15aと、中央にボルト孔が開穿された矩形板材15bから形成されている。そして、矩形板材15bを法面Qの所定の位置に設置し、補助ロープ部材Bの端部に形成された輪部分をアンカーボルト15aの頭部に引っ掛けた状態で、ボルト孔に固定しているアンカーボルト15aを地中に打ち込んで、矩形板材15bを補助ロープ部材Bと共に法面Qに固定している。
支柱1の前側の側面には、上下の2箇所に、U字片16が設けられており、2本の補助ロープ部材Bが各支柱1に取り付けられるように構成されている。
具体的には、U字片16は、図2に示すように、支柱1の前側の側面において、上側から2本目と3本目の梁材5の間と、4本目と5本目の梁材5の間に設けられている。
そして、図1・図2に示すように、それぞれのU字片16に、補助ロープ部材Bが貫装した状態となり、補助ロープ部材Bの両端が、アンカー15によって法面Qの若干上方寄りに固定される。その結果、落石防止柵Pに、2本の補助ロープ部材Bが配置されることとなる。
この様にして構成された落石防止柵Pは、梁材5側に、防護ネット6が固定されている。一対の支柱1の前側の側面には、複数のU字ボルト4を設置し、支柱1の前側の側面とU字ボルト4により梁材5を強く挟み込んで、支柱1に梁材5を固定しているが、このとき、U字ボルト4が防護ネット6も挟み込んで、梁材5側に防護ネット6が固定されているのである。尚、防護ネット6の固定に、所定の番線を使用しても良い。
また、落石防止柵Pは、図1に示すように、複数の落石防止柵Pが所定の間隔を開けて横方向に配置され、当該複数の落石防止柵Pの梁材5側に、長尺な防護ネット6が固定されている。この長尺な防護ネット6は、落石防止柵Pが存在していない空間を含んだ、個々の落石防止柵Pの全体に配置されることとなる。
さらに、図5に示すように、複数の落石防止柵Pを所定の間隔を開けて横方向に配置したものを、複数段となるように法面Qに設置すると、落石を防止する措置として、より好ましいものとなる。
このとき、法面Qの下方に設置されている複数の落石防止柵Pは、法面Qの上方に設置されている複数の落石防止柵Pにおいて、落石防止柵Pが存在していない空間部分に、落石防止柵Pを設置するようにする。これにより、法面Qに複数段となるように設置している落石防止柵P全体の堅牢性を維持できることとなる。
また、個々の落石防止柵Pにおいては、図4に示すように、支柱1の後側の側面に、転倒防止用の脚部12を設けていることから、石防止柵Pの全体が法面Qの下方に向けて転倒してしまうような事態の発生を阻止している。
加えて、図4に示すように、支柱1の前側の側面に、落石防止柵Pを法面Qの上方から支持する基礎ロープ部材Aが接続されていることから、落石防止柵Pが法面Qの下方に向けて落下してしまうような事態の発生を阻止している。
また、基礎ロープ部材Aに接続している斜行ロープ7の基端部が、支柱1の上部ヒンジ枠部13Aに取り付けられ、同じく基礎ロープ部材Aに接続している水平ロープ8が、支柱1の下部ヒンジ枠部13Bに取り付けられていることから、落石防止柵Pが法面Qの下方に向けて落下してしまう事態の発生を阻止すると共に、石防止柵Pの全体が法面Qの下方に向けて転倒してしまうような事態の発生も阻止している。
さらに、各支柱1のU字片16を介して、複数の補助ロープ部材Bを配置していることから、落石防止柵Pの落下・転倒を確実に防止している。
この様にして、落石防止柵Pは、法面Qにおいて、起立した固定状態が確実に維持され、当該個所における落石を有効に防止することができる。
一方、雪崩が発生し易い時期においては、図6・図7に示すように、落石防止柵Pを構成する各支柱1の前側の側面を、法面Qの上方に向けて傾倒させ、各支柱1の前側の側面を法面Qに沿うように倒すことができる。
その為、落石防止柵Pを傾倒させている場所において、雪崩が発生したとき、当該雪崩は、傾倒している落石防止柵Pの上を通過するだけであるので、落石防止柵Pが破壊されることが無い。
また、傾倒している落石防止柵Pにおいては、図7・図8に示すように、斜行ロープ7が、若干弛んだような状態となっているものの、落石防止柵Pは、支持ロープ10と水平ロープ8により、法面Qに沿って吊り下げられた様な状態となっている。その為、法面Qの下方に向けて落石防止柵Pが落下することも無い。
尚、本発明は、前記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での改良・変形等は、本発明に全て包含されるものである。
本発明は、落石等の虞のある山岳地帯の法面に設置されるものであるが、これ以外に、落石や雪崩等の虞のある様々な法面に、幅広く利用することができる。
P…落石防止柵
Q…法面
A…基礎ロープ部材
B…補助ロープ部材
1…支柱
2…接地プレート
2a…矩形板材
2b…斜行板材
2c…補強片
3…筋交い
4…Uボルト
5…梁材
6…防護ネット
7…斜行ロープ
8…水平ロープ
9…ジョイント金具
9a…板材
9b…軸部
10…支持ロープ
11…アンカー
11a…アンカーボルト
11b…矩形板材
11c…U字型フック
12…転倒防止用の脚部
12a…斜行材
12b…水平材
12c…接地プレート
121…水平短尺部材
122…長尺斜行部材
123…矩形板材
124…斜行板材
13A…上部ヒンジ枠部
13B…下部ヒンジ枠部
13a…ヒンジ軸
13b…接続片
13c…矩形板材
13d…ネジ孔
13e…保持部
13f…矩形枠材
15…アンカー
15a…アンカーボルト
15b…矩形板材
16…U字片
Q…法面
A…基礎ロープ部材
B…補助ロープ部材
1…支柱
2…接地プレート
2a…矩形板材
2b…斜行板材
2c…補強片
3…筋交い
4…Uボルト
5…梁材
6…防護ネット
7…斜行ロープ
8…水平ロープ
9…ジョイント金具
9a…板材
9b…軸部
10…支持ロープ
11…アンカー
11a…アンカーボルト
11b…矩形板材
11c…U字型フック
12…転倒防止用の脚部
12a…斜行材
12b…水平材
12c…接地プレート
121…水平短尺部材
122…長尺斜行部材
123…矩形板材
124…斜行板材
13A…上部ヒンジ枠部
13B…下部ヒンジ枠部
13a…ヒンジ軸
13b…接続片
13c…矩形板材
13d…ネジ孔
13e…保持部
13f…矩形枠材
15…アンカー
15a…アンカーボルト
15b…矩形板材
16…U字片
Claims (6)
- 下端部に接地プレートを備え、後側の側面に転倒防止用の脚部を設けている左右一対の支柱と、一対の支柱に掛け渡すように固定した複数の梁材と、梁材側に固定した防護ネットから構成される落石防止柵において、
一対の支柱の前側の側面に取り付けて、落石防止柵を法面の上方から支持する基礎ロープ部材を備え、
該基礎ロープ部材は、先端部がアンカーにより法面に固定される所定の長さの支持ロープと、支持ロープの基端部に、ジョイント金具を介して接続した水平ロープと斜行ロープから構成され、水平ロープと斜行ロープの基端部に接続片を設ける一方、
一対の支柱の前側の側面に、上部ヒンジ枠部と下部ヒンジ枠部を設け、斜行ロープの接続片を上部ヒンジ枠部に取り付け、水平ロープの接続片を下部ヒンジ枠部に取り付けていることを特徴とする落石防止柵。 - 落石防止柵を構成する一対の支柱が、法面に沿うように傾倒可能である請求項1に記載の落石防止柵。
- 複数の落石防止柵が、所定の間隔を開けて横方向に配置され、複数の落石防止柵の梁材側に、長尺な防護ネットを固定している請求項1または2に記載の落石防止柵。
- 落石防止柵は、補助ロープ部材を備え、該補助ロープ部材は、各支柱の前側の側面に設けているU字片に貫装した状態で、補助ロープ部材の両端部が、アンカーによって法面に固定されている請求項1乃至3のいずれかに記載の落石防止柵。
- 請求項1乃至4に記載された落石防止柵を使用した落石防止方法。
- 請求項1乃至4に記載された落石防止柵を使用した落石防止方法において、冬期以外の時期には、法面に対して、落石防止柵が起立した状態を維持して落石を防止する一方、冬期には、落石防止柵を法面に沿うように傾倒させ、雪崩による落石防止柵の破壊を防止している、落石防止柵を使用した落石防止方法。
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