JP2015025305A - 落石防止柵 - Google Patents

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Abstract

【課題】支柱を山側へ引っ張るケーブルに対して下向きの力が作用しても支柱が山側へ倒れ込むことを防ぐことが可能な落石防止柵を提供する。【解決手段】落石防止柵は、斜面に固定された複数のベースプレート1と、各々のベースプレート1の上において斜面の谷側へ重心を傾けて立てられた状態で配置された支柱2と、支柱2の下端部分2bをベースプレート1に対して斜面に直交する等高線の方向に延びる回転軸回りに回動自在に連結する連結部材11と、支柱2の上端部分2aに連結され、当該支柱2を山側から引っ張る山側ケーブル9と、支柱2間を覆うように配置された金網7と、支柱2が谷側へ回動することを許容する一方、支柱2と斜面の山側の部分とのなす角度が所定の角度以下になったときに支柱2が山側へ回動することを規制するように、支柱2と当該支柱2よりも山側の斜面との間に介在する支柱支持部10とを備えている。【選択図】図3

Description

本発明は、道路などへの落石を防止する落石防止柵に関する。
従来より、山間部における斜面から道路などへの落石を防止するために、道路沿いの斜面などに特許文献1に記載されているような落石防止柵が設置されている。
従来の落石防止柵は、図7に示されるように、斜面Gにおいて水平方向(すなわち、図7の紙面垂直方向)に離間して当該斜面Gに固定された複数のベースプレート31と、各ベースプレート31に立設された支柱32と、支柱32の上端部分32aに連結され、当該支柱32を山側Mへ引っ張る山側ケーブル33と、支柱32の上端部分32aの間に張り渡された複数の上部ワイヤ34と、ベースプレート31の間に張り渡された複数の下部ワイヤ35と、支柱32間を覆うように配置され、上部ワイヤ34および下部ワイヤ35に対してそれぞれ固定された金網36とを備えている。上部ワイヤ34は、ブラケット38を介して、支柱32の上端部分32aに支持されている。下部ワイヤ35は、ブラケット39を介して、ベースプレート31の台座31aに支持されている。
この落石防止柵では、支柱32の下端部分32bは、ベースプレート31に対してボルト37によって山側Mおよび谷側Vへ回動可能となるように連結されるとともに、支柱32が谷側Vへ角度θ0傾斜した姿勢(すなわち、支柱32の重心がボルト37よりも谷側Vに位置する状態)を維持するように、支柱32の上端部分32aが、山側ケーブル33によって山側Mへ引っ張られている。この構造は、落石の衝撃によって支柱32とベースプレート31との連結部分を防ぐためのものである。例えば、支柱32とベースプレート31とが回動不能に連結されている場合、落石の衝撃によって前記連結部分に大きなモーメントが集中し、当該連結部分が破損するおそれがあるが、前記の構造によれば、当該モーメントを山側ケーブル33の張力によって受けることができる。
特開2012−002014号公報
上記の落石防止柵では、支柱32がベースプレート31に対して山側Mおよび谷側Vへ回動可能となるように連結されているが、この支柱32が谷側Vへ傾いた状態で支柱32の上端部分32aが山側ケーブル33によって山側Mへ引っ張られていることにより、当該支柱32の自重と山側ケーブル33の張力とのバランスで前記の傾斜姿勢を維持することができる。しかし、何らかの理由によって山側ケーブル33に対して下向きの力が作用した場合、例えば、山側ケーブル33の上に雪が積もり、積雪時の雪の荷重によって、ワイヤ33に対して下向きの力が作用した場合、支柱32の上端部分32aは、山側ケーブル33によって山側Mへ過度に引っ張られ、それによって、支柱32は山側Mへ回動する可能性がある。そして、支柱32の重心が回動中心であるボルト37を通る垂線L1を山側Mへ越えるまで移動すると、支柱32が山側Mへ倒れて落石防止柵として機能しなくなる。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、支柱を山側へ引っ張るケーブルに対して下向きの力が作用しても支柱が山側へ倒れ込むことを防ぐことが可能な落石防止柵を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためのものとして、本発明の落石防止柵は、斜面に固定された複数の基台と、各々の前記基台の上において前記斜面の谷側へ重心を傾けて立てられた状態で配置された支柱と、前記支柱の下端部分を前記基台に対して前記斜面に直交する等高線の方向に延びる回転軸回りに回動自在に連結する連結部材と、前記支柱の上端部分に連結され、当該支柱を山側から引っ張る山側ケーブルと、前記支柱間を覆うように配置された金網と、前記支柱が前記谷側へ回動することを許容する一方、前記支柱と前記斜面の山側の部分とのなす角度が所定の角度以下になったときに前記支柱が前記山側へ回動することを規制するように、前記支柱と当該支柱よりも山側の斜面との間に介在する支柱支持部と
を備えている。
この落石防止柵では、支柱は、連結部材によって、山側および谷側へ向かう方向へ回動を許容された状態で基台に対して連結されている。また、支柱は、斜面の谷側へ重心を傾けた状態で立てられ、かつ、山側ケーブルによって山側へ引っ張られていることにより、静止状態を維持している。この山側ケーブルに雪が積もるなどの理由によって下向きの力が作用するとともに、当該山側ケーブルから支柱の上端部分に対して支柱を山側へ回動させる力が作用した場合、支柱と斜面の山側の部分とのなす角度が所定の角度以下になったときに、支柱支持部は、支柱が山側へ回動することを規制する。これにより、支柱が山側へ倒れ込むことを防止することが可能である。一方、支柱支持部は、支柱が谷側へ回動することを許容するので、金網で受けた落石の衝撃により、当該支柱が谷側へ回動する方向へモーメントを受けても、支柱が谷側へ回動しながら山側ケーブルによって当該モーメントを受けることができる。
前記支柱支持部は、前記支柱に連結され、さらに、当該支柱支持部は、前記支柱と前記斜面の山側の部分とのなす角度が所定の角度以下になったときに、前記斜面において前記支柱よりも前記山側に位置する部分に当接する斜面当接部を有しているのが好ましい。
かかる構成により、支柱支持部は、支柱に連結された状態で、支柱よりも山側に配置される。山側ケーブルに雪が積もるなどの理由により下向きの力が作用し、山側ケーブルに引っ張られた支柱が山側へ回動して倒れ込もうとしても、支柱と斜面の山側の部分とのなす角度が所定の角度以下になったときに、斜面当接部が斜面に当接することにより、支柱支持部は、支柱が山側へ回動することを規制する。これにより、支柱が山側へ倒れ込むことを確実に防止することが可能である。逆に、斜面当接部が斜面から離間することによって、支柱支持部は、支柱が谷側へ回動することを許容する。
前記支柱支持部は、前記支柱の高さ方向に互いに離間する複数の箇所で当該支柱に連結されているのが好ましい。
かかる構成によれば、支柱支持部によって複数の個所で支柱を確実に支持することが可能である。また、支柱が斜面の山側へ回動するときに支柱から支柱支持部へ伝達される力は、複数の箇所を介して分散して支柱支持部へ伝達されるので、支柱支持部が局部的に力を受けて局部的な曲げや座屈が生じるおそれが低減する。
また、前記支柱支持部は、前記支柱に接触する接触面を有するとともに当該接触面に直交する向きに延びる腕部分をさらに有するのが好ましい。
かかる構成により、支柱が斜面の山側へ回動したときに、支柱支持部の腕部分が支柱に接触する接触面に直交する向きから支柱を支持するので、支柱から腕部に対して当該腕部を曲げる方向への荷重が低減されるので、腕部の曲げや座屈のおそれが低減する。
前記支柱支持部は、前記斜面当接部から前記支柱へ向けて斜めに延びる脚部をさらに有しているのが好ましい。
これにより、支柱が山側へ回動する際に支柱支持部の脚部に作用する力の向きが支柱支持部の脚部を圧縮する方向に一致または近づくので、当該脚部の曲げや座屈のおそれが低減する。
以上説明したように、本発明の落石防止柵によれば、支柱を山側へ引っ張るワイヤに雪が積もるなどの理由によって当該ワイヤに下向きの力が作用しても支柱が山側へ倒れ込むことを防ぐことができる。
本発明の落石防止柵の実施形態に係わる正面図である。 図1の落石防止柵の平面図である。 図1の支柱がベースプレート上に立設されている状態を示す左側面図である。 図3の支柱の下端部分およびベースプレートの付近を拡大した左側面図である。 図3の支柱の下端部分およびベースプレートの付近を拡大して山側から見た図である。 図3の支柱の上端部分付近を拡大した左側面図である。 従来の落石防止柵の構成を示す側面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態に係る落石防止柵について説明する。
図1〜3に示される落石防止柵は、主要な構成として、傾斜θ1度の斜面Gに固定された複数のベースプレート1と、複数の支柱2と、支柱2をベースプレート1に対して山側Mおよび谷側Vへ向けて回動できるように連結する連結部材11(図4〜5参照)と、支柱2の間に張り渡された金網7と、各支柱2を山側Mへ引っ張る山側ケーブル9と、各支柱2が山側Mへ倒れこまないように山側Mから支持する支柱支持部10とを備えている。そして、落石防止柵は、金網7を支持するためのケーブルとして、支柱2の上端部分2aの間に張り渡された1本の上部ケーブル3と、各ベースプレート1の間に張り渡された1本の下部ケーブル4と、互いに交叉する複数の第1補強ケーブル5および第2補強ケーブル6とをさらに備えている。さらに、これらのケーブル3〜6の少なくとも一方の端部には、当該ケーブル3〜6に作用する衝撃を吸収するブレーキエレメント8がそれぞれ設けられている。
複数のベースプレート1は、図1に示されるように、斜面Gにおいて、山側を向く方向(以下、山側方向と呼ぶ)Mとは直交する方向(すなわち、図1の落石防止柵の幅方向W)に、間隔をあけて配置されている基台である。ベースプレート1は、図3〜5に示されるように、台座部1aと、一対の支柱取付板1bと、下部ケーブル取付部1cとを有する。台座部1aは、斜面Gに埋め込まれた複数のアンカーボルト33の頭部に対してナット34によって締結されている。アンカーボルト33は、斜面Gの表面に対して直交する方向だけでなく、略水平方向にも当該斜面Gに埋め込まれている。一対の支柱取付板1bは、台座部1aの上に間隔をあけて立設されている。一対の支柱取付板1bは、支柱2の下端部分2bが挿入可能な間隔をあけて離間している。
一対の支柱取付板1bには、それぞれ、後述する3本のボルト(シェアボルト11a、インストールボルト12、リテンションボルト13)が挿入可能な貫通孔H1〜H3が形成されている。
下部ケーブル取付部1cは、支柱取付板1bよりも谷側方向Vにずれた位置で台座部1aに固定されている。下部ケーブル取付部1cは、下部ケーブル4を所定の高さに支持する。また、下部ケーブル取付部1cには、第1補強ケーブル5または第2補強ケーブル6の一端が連結されている。
支柱2は、上端部分2aおよび下端部分2bを有する長尺(例えば2〜4m)の棒状部材であり、H型鋼などによって製造される。
支柱2は、各々のベースプレート1の上において斜面Gの谷側Vへ重心を傾けて立てられた状態で配置される。具体的には、以下のようにして配置される。
支柱2の下端部分2bは、一対の支柱取付板1bの間に挟み込まれ、連結部材11によって山側Mおよび谷側Vへ向けて回動できるように連結されている。
この連結部材11は、支柱2の下端部分2bをベースプレート1に対して斜面Gに直交する等高線の方向(すなわち、図1の落石防止柵の幅方向Wおよび図3〜4の紙面垂直方向)に延びる回転軸回りに回動自在に連結するものである。連結部材11は、具体的には、図5に示されるように、シェアボルト11aと、それに螺合するナット11bとによって構成される。シェアボルト11aは、図4に示されるように、ベースプレート1の支柱取付板1bの貫通孔H1および支柱2の下端部分2bに形成された貫通孔(図示せず)にそれぞれ挿入される。これにより、支柱2は、連結部材11のシェアボルト11aを回転軸として、ベースプレート1に対して回動自在に連結される。
一方、支柱2の上端部分2aには、山側ケーブル9の一端が連結されている。支柱2の上端部分2aは、山側ケーブル9によって山側Mへ引っ張られ、これにより、支柱2は、斜面Gの谷側Vへ重心を傾けて立てられた状態(すなわち、支柱2の上端部分2が支柱2の回転軸である連結部材11よりも谷側Vに位置する状態)を維持することが可能である。具体的には、図6に示されるように、支柱2の上端部分2aは、山側Mを向く側面2dにおいて、当該側面2dから山側Mに突出する山側ケーブル取付部2cを有している。山側ケーブル取付部2cには、山側ケーブル9の一端が連結される。なお、山側ケーブル9の他端は、図2に示されるように、斜面Gにおいて支柱2よりも山側Mの位置に埋め込まれたアンカーボルト33に連結される。
また、図6に示されるように、支柱の上端部分2aには、上部ケーブル取付部2eが設けられている。上部ケーブル取付部2eは、上部ケーブル3を所定の高さに支持する。また、上部ケーブル取付部2eには、第1補強ケーブル5または第2補強ケーブル6の一端が連結されている。
図3に示されるように、支柱支持部10は、支柱2が山側Mへ回動することを規制するように、支柱2を山側Mから支持するために、各支柱2の山側Mを向く側面2dに固定されている。支柱支持部10は、支柱2が谷側Vへ回動することを許容する一方、支柱2と斜面Gの山側Mの部分とのなす角度が所定の角度θ2以下になったときに支柱2が山側Mへ回動することを規制するように、支柱2と当該支柱2よりも山側Mの斜面Gとの間に介在する。
ここで、支柱支持部10が支柱2の回動を規制するための条件である支柱2と斜面Gとのなす所定の角度θ2は、支柱2の重心が連結部材11よりも谷側Vに位置する角度であることを前提として、様々な施工条件を考慮して設定され、例えば65〜85度程度に設定される。
支柱支持部10は、具体的には、支柱支持部10は、斜面当接部10aと、脚部10bと、2本の腕部10cとを有している。
斜面当接部10aは、斜面Gに当接可能な下面を有し、例えば平板状の部材からなる。
脚部10bは、棒状の部材からなり、斜面当接部10aの上面から支柱2へ向けて斜めに延びている。脚部10bは、H型鋼などによって製造される。
2本の腕部10cは、それぞれ、基端部が脚部10bに連結され、先端部が支柱2の山側Mを向く側面2dに連結されている。2本の腕部10cは、支柱2の高さ方向に離間して配置されている。
それぞれの腕部10cは、支柱2の側面2dに接触して連結する接触面10dを有する。腕部10cは、接触面10dに直交する方向A(図3参照)に延びる。腕部10cは、接触面10dを支柱2の側面2dに接触させた状態で、ボルトによる締結または溶接などの方法によって、支柱2に対して連結されている。なお、腕部10cおよびそれを含む支柱支持部10は、支柱2に対して取り外しできるようにしてもよい。
上記の支柱支持部10では、支柱2と斜面Gの山側Mの部分G1とのなす角度が所定の角度θ2以下になったときに、斜面当接部10aが斜面Gにおいて支柱2よりも山側Mに位置する部分G1に当接するように、斜面当接部10aの位置が設定されている。なお、支柱2が角度θ2よりも大きい角度で傾斜して立てられた状態では、斜面当接部10aは斜面Gから離間する。
ここで、山側ケーブル9および支柱支持部10は、以下のような手順で支柱2に取り付けられる。
まず、支柱の下端部分2bを連結部材11によって回動自在に連結する。具体的には、連結部材11のシェアボルト11aをベースプレート1の支柱取付部1bの貫通孔H1に挿入して、ボルト11bをシェアボルト11aに締結する。
つぎに、図4〜5に示されるように、支柱2を谷側Vへ傾けた状態で維持するために、インストールボルト12を上記の支柱取付部1bの貫通孔H2に挿入し、リテンションボルト13を貫通孔H3に挿入する。貫通孔H2は、貫通孔H1よりも谷側Vに位置し、貫通孔H3は、貫通孔H1よりも山側Mに位置する。貫通孔H2に挿入されたインストールボルト12が支柱2の下端部分2bの下端に対してシェアボルト11aよりも谷側Vの位置で当接することにより、支柱2が谷側Vへ回動することを規制する。一方、貫通孔H3に挿入されたリテンションボルト13が支柱2の下端部分2bの下端に対してシェアボルト11aよりも山側Mの位置で当接することにより、支柱2が山側Mへ回動することを規制する。
その後、山側ケーブル9を支柱2の上端部分2aの山側ケーブル取付部2cに取り付けるとともに、支柱2の山側Mを向く側面2dに支柱支持部10を取り付ける。このとき、支柱2は、2本のボルト、すなわち、インストールボルト12およびリテンションボルト13によって山側Mおよび谷側Vへの回動が両方とも規制されているので、山側ケーブル9を配索するときに支柱2が山側Mおよび谷側Vへ倒れ込むおそれがない。
支柱2に対して山側ケーブル9および支柱支持部10の取付けが完了した後、インストールボルト12およびリテンションボルト13がベースプレート1から取り外されることにより、支柱2は、山側ケーブル9によって山側Mへ引っ張られることにより、谷側Vへ傾斜して立てられた状態を維持される。この状態では、支柱2が斜面Gの山側Mの部分G1に対して角度θ2で傾斜して立てられている場合には、支柱支持部10の斜面当接部10aは斜面Gに当接し、一方、支柱2が角度θ2よりも大きい角度で傾斜して立てられている場合には、当該斜面当接部10aは斜面Gから離れている。
落石防止柵のその他の構成は以下の通りである。
図1〜2に示されるように、金網7は、支柱2間を覆うように、落石防止柵の幅方向Wに延設されている。
上部ケーブル3は、金網7の上部を支持するケーブルであり、図1〜3に示されるように、各支柱2の上端部分2aに設けられた上部ケーブル取付部2eによって支持され、複数の支柱2のすべての上端部分2aに保持されて連続して配索されている。上部ケーブル3の両端部3a、3bは、ブレーキエレメント8を介して斜面Gに埋め込まれたアンカーボルト33に固定される。金網10の上部は、上部ケーブル3に対して金属製のコイルなどからなる結合部材14によって連結されている。
下部ケーブル4は、金網7の下部を支持するケーブルであり、図1〜3に示されるように、ベースプレート21の下部ケーブル取付部1cに支持され、各ベースプレート1に保持されて連続して配索されている。下部ケーブル4の両端部4a、4bは、ブレーキエレメント8を介して斜面Gに埋め込まれたアンカーボルト33に固定される。金網10の下部は、下部ケーブル4に対して結合部材14によって連結されている。
第1補強ケーブル5および第2補強ケーブル6は、図1に示されるように、互いに交叉するように支柱2の間に配索されている。これらの補強ケーブル5〜6の上端部は、各支柱2の上端部分2aの上部ケーブル取付部2eに連結され、一方、これらの下端部は、ブレーキエレメント8を介してベースプレート21の下部ケーブル取付部1cに連結されている。金網10は、第1補強ケーブル5および第2補強ケーブル6に対して結合部材14によって連結されている。
ブレーキエレメント8は、当該ブレーキエレメントに連結された上記のケーブル3〜6に衝撃が作用したときに、当該衝撃を吸収するものである。ブレーキエレメント8は、例えば、ケーブルと、当該ケーブルが嵌合可能な貫通孔を有する板状部材とを備えており、これらのケーブルと板状部材の貫通孔内面との間の摩擦などを利用して衝撃を吸収する。
上記のように構成された落石防止柵では、落石があったときには、まず、金網7で落石を受ける。このとき、金網7が受ける衝撃は、当該金網7が結合部材14を介して連結された上部ケーブル3、下部ケーブル4、第1補強ケーブル5および第2補強ケーブル6に伝達される。さらに、これらのケーブル3〜6に伝達された衝撃は、当該ケーブル3〜6に連結されたブレーキエレメント8によって吸収される。
一方、支柱2の上端部分2aは、上部ケーブル3、第1補強ケーブル5および第2補強ケーブル6から谷側Vへ倒れ込む方向へ向かう力が作用する。このとき、支柱2は、連結部材11のシェアボルト11aを回転軸として谷側Vへ回動させようとするモーメントを受けるが、支柱2の上端部分2aが山側ケーブル9の張力を受けることによって、支柱2は、谷側Vへ回動せずに、斜面Gの谷側Vへ重心を傾けた立設状態を維持することが可能である。また、支柱支持部10は、支柱2の谷側Vへの回動を許容しているので、落石によって支柱2に作用する衝撃荷重は、支柱2が谷側Vへ回動しながら山側ケーブル9で受けることが可能である。このとき、支柱支持部10に対しては衝撃荷重が作用しないので、当該支柱支持部10の破損のおそれがない。
また、山側ケーブル9に雪S(図3参照)が積もるなどの理由によって下向きの力が作用するとともに、当該山側ケーブル9から支柱2の上端部分2aに対して支柱2を山側Mへ回動させる力が作用した場合、支柱2と斜面Gの山側Mの部分とのなす角度が所定の角度θ2以下になったときには、支柱支持部10の斜面当接部10aが斜面Gに当接して支柱2の山側Mへの回動を阻止し、これにより、支柱2の重心が連結部材11よりも山側Mへ移動することを阻止する。その結果、支柱2が山側Mへ倒れ込むことを防止することが可能である。
(特徴)
(1)
本実施形態の落石防止柵では、支柱2は、連結部材11によって、山側Mおよび谷側Vへ向かう方向へ回動を許容された状態でベースプレート1に対して連結されている。また、支柱2は、斜面Gの谷側へ重心を傾けた状態で立てられ、かつ、山側ケーブル9によって山側Mへ引っ張られていることにより、静止状態を維持している。この山側ケーブル9に雪が積もるなどの理由によって下向きの力が作用するとともに、当該山側ケーブル9から支柱2の上端部分2aに対して支柱2を山側Mへ回動させる力が作用した場合、支柱2と斜面Gの山側Mの部分とのなす角度が所定の角度θ2以下になったときに、支柱支持部10は、支柱2が山側Mへ回動することを規制する。これにより、支柱2が山側Mへ倒れ込むことを防止することが可能である。一方、支柱支持部10は、支柱2が谷側Vへ回動することを許容するので、金網7で受けた落石の衝撃により、当該支柱2が谷側Vへ回動する方向へモーメントを受けても、支柱2が谷側Vへ回動しながら山側ケーブル9によって当該モーメントを受けることができる。
(2)
本実施形態の落石防止柵では、支柱支持部10は、支柱2に連結された状態で、支柱2よりも山側Mに配置される。山側ケーブル9に雪Sが積もるなどの理由により下向きの力が作用し、山側ケーブル9に引っ張られた支柱2が山側Mへ回動して倒れ込もうとしても、支柱2と斜面Gの山側Mの部分とのなす角度が所定の角度θ2以下になったときに、斜面当接部10aが斜面Gに当接することにより、支柱支持部10は、支柱2が山側Mへ回動することを規制する。これにより、支柱2が山側Mへ倒れ込むことを確実に防止することが可能である。逆に、斜面当接部10aが斜面Gから離間することによって、支柱支持部10は、支柱2が谷側Vへ回動することを許容する。
(3)
本実施形態の落石防止柵では、支柱支持部10の腕部10cによって、複数の個所(上記実施形態では2箇所)で支柱2を確実に支持することが可能である。また、支柱2が斜面Gの山側Mへ回動するときに支柱2から支柱支持部10へ伝達される力は、複数の箇所を介して分散して支柱支持部10へ伝達されるので、支柱支持部10が局部的に力を受けて局部的な曲げや座屈が生じるおそれが低減する。
(4)
本実施形態の落石防止柵では、支柱支持部10の腕部10cが支柱2に接触する接触面10dに直交する向きから支柱2を支持するので、支柱2から腕部10cに対して当該腕部10cを曲げる方向への荷重が低減されるので、腕部10cの曲げや座屈のおそれが低減する。
(5)
本実施形態の落石防止柵では、支柱2が山側Mへ回動する際に支柱支持部10の脚部10bに作用する力の向きが脚部10bを圧縮する方向に一致または近づくので、当該脚部10bの曲げや座屈のおそれが低減する。
(変形例)
(A)
上記実施形態では、金網7が上部ケーブル3および下部ケーブル4などの支柱2間に配索されたケーブルを介して支柱2に連結されているが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明の変形例として、例えば、小型の落石防止柵の場合には、支柱2間に延びるケーブルを省略して、金網7を直接それぞれの支柱2に固定してもよい。
(B)
上記の実施形態では、支柱支持部10の腕部10cが、上下に離間して2箇所配置されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、1箇所または3箇所以上の腕部10cを備えた支柱支持部10を採用してもよい。
1 ベースプレート(基台)
2 支柱
2a 上端部分
2b 下端部分
7 金網
9 山側ケーブル
10 支柱支持部
10a 斜面当接部
10b 脚部
10c 腕部
10d 接触面
11 連結部材

Claims (5)

  1. 斜面に固定された複数の基台と、
    各々の前記基台の上において前記斜面の谷側へ重心を傾けて立てられた状態で配置された支柱と、
    前記支柱の下端部分を前記基台に対して前記斜面に直交する等高線の方向に延びる回転軸回りに回動自在に連結する連結部材と、
    前記支柱の上端部分に連結され、当該支柱を前記山側から引っ張る山側ケーブルと、
    前記支柱間を覆うように配置された金網と、
    前記支柱が前記谷側へ回動することを許容する一方、前記支柱と前記斜面の山側の部分とのなす角度が所定の角度以下になったときに前記支柱が前記山側へ回動することを規制するように、前記支柱と当該支柱よりも山側の前記斜面との間に介在する支柱支持部と
    を備える落石防止柵。
  2. 前記支柱支持部は、前記支柱に連結され、
    さらに、当該支柱支持部は、前記支柱と前記斜面の山側の部分とのなす角度が所定の角度以下になったときに、前記斜面において前記支柱よりも前記山側に位置する部分に当接する斜面当接部を有している、
    請求項1に記載の落石防止柵。
  3. 前記支柱支持部は、前記支柱の高さ方向に互いに離間する複数の箇所で当該支柱に連結されている、
    請求項2に記載の落石防止柵。
  4. 前記支柱支持部は、前記支柱に接触する接触面を有するとともに当該接触面に直交する向きに延びる腕部分をさらに有する
    請求項2または3に記載の落石防止柵。
  5. 前記支柱支持部は、前記斜面当接部から前記支柱へ向けて斜めに延びる脚部をさらに有している、
    請求項2から4のいずれかに記載の落石防止柵。
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