JP3143816U - 落石防護ネット構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】現場状況に応じて材料コストや構築費用の合理性を確保するとともに、万一の想定外の落石や荷重に対しても対応することのできるより高いレベルでの安全性との双方を実現した落石防護ネット構造を提供する。
【解決手段】所定間隔で斜面に立設された左右一対の支柱3と、吊りロープ7,横主ロープ9,荷重支持用横ロープ10又は荷重支持用横主ロープ11と、縦主ロープ8及び横主ロープ9上に敷設された金網とを有して、該荷重支持用横ロープ10からカーテン状に垂下したハンガーロープ13を用いて荷重支持用横主ロープ11を吊支固定した落石防護ネット構造において、前記吊りロープ7,横主ロープ9,荷重支持用横ロープ10又は荷重支持用横主ロープ11から選択された一種又は複数のロープにおける所定の部位にエネルギー吸収装置30を装備した。
【選択図】図1

Description

本考案は落石防護ネット構造に関し、特には道路等に近接して落石の恐れがある沢状部等に構築して好適な落石防護ネット構造に関するものである。
従来から斜面の表層土砂が雨等の自然現象によって流出したり、落石や雪崩等によって斜面が崩壊することを防止するため、種々の斜面安定工法が採用されている。特に道路等に近接して落石の恐れがある沢状部に吊りロープ等により防護ネットや防護柵等を取付け、落石や雪崩を受け止めて防護する手段が一般に用いられている。
従来の落石防護ネットは覆い式とポケット式とに大別される。覆い式の落石防護ネットは、広い面積の金網に多数の縦ロープと複数の横ロープを相互間隔をおいて組み込み、各縦ロープと横ロープの端部を斜面にアンカーして、このロープ付き金網を斜面になじむように敷設することによって、浮石等を支持して跳石や落石を防止する構造である。ポケット式の落石防護ネットは、沢状部の両側に3メートル〜4メートルの間隔毎に多数のポケット形成用の支柱を上下方向傾動可能に建て込み、各支柱の上部にそれぞれ縦ロープを連結して垂下し、両端がアンカーにより支持された複数の横ロープを斜面に一定の上下間隔で配置して、この縦横ロープに金網を張設して防護網とし、吊りロープで緩衝して支持された支柱で防護網の上部を支柱の高さに吊持して、各支柱によりロープ付き金網をカーテン状に垂設し、ロープ付き金網の全幅に開口されたポケット部を形成し、落石等を収納することにより落石エネルギーを緩衝して吸収する構造になっている。
上記に関して特許文献1には、金網に多数の縦・横補強ロープとともに左・右縦ロープと上端部横ロープ及び複数の下半部横ロープを組み込み補強して、沢状部等の両側斜面に設けたアンカーに左右の支柱をヒンジ連結して沢状部等の上下方向の傾動を可能に建て込み、両側斜面にアンカーした吊ロープ及びサイドロープの端部を各支柱の上部に連結して支保し、左・右縦ロープの上端部を各支柱の上部に連結するとともに、両側斜面に両端部をアンカーした上端部横ロープを各支柱の上部でスライド可能に支持し、各下半部横ロープの各両端部を両側斜面にアンカーして、金網の上半部分を落石エネルギーを緩衝して吸収するポケット部に構成し、金網の下半部分を沢状部等の地上に敷設して落石等を受け止める敷設部に構成して構築するようにした落石防護ネットの工法が記載されている。
また、考案者は先に、ポケットの機能を維持するとともに1スパンの広い支柱間隔で沢状部上に落石防護ネットを構築するために、特許文献2に示すように、上部間に固定された上部掛け横ロープと吊りロープにより斜面に支持固定された左右一対の支柱と、一端が上部掛け横ロープに固定された縦主ロープと、左右両端部がアンカーにより斜面に支持固定された横主ロープと、縦主ロープ及び横主ロープ上に敷設された金網と、左右両端部が斜面に支持固定された荷重支持用横ロープと、中間部が縦主ロープに交叉して固定された荷重支持用横主ロープとを備え、該荷重支持用横ロープから垂下したハンガーロープを用いて荷重支持用横主ロープを吊支固定した落石防護ネット構造を提供している。
特許第2916633号 特許第3874769号
しかしながら、従来から用いられているポケット式の落石防護ネットは、落石等の恐れがある沢状部の両側にポケット形成用の支柱を3メートル〜4メートルという短い間隔で建て込んでいるため、落石等が支柱に衝突して衝撃力により該支柱が損傷または転倒してしまい、落石等が道路上へ落下してしまうことがあるという課題がある。特に支柱の機械的強度が不足している場合には、落石等の衝撃力によって支柱の基礎部が崩壊することがあり、支柱の倒壊によってカーテン状に垂設したロープ付き金網も崩壊するため、落石等を収納するポケットの機能は完全に失われてしまうことになる。
前記特許文献1に記載された落石防護ネットの工法は、斜面に両端部をアンカーした上端部横ロープを各支柱の上部でスライド可能に支持しているため、大きな落石等の衝撃力を上端部横ロープで支えることができず、金網及び縦・横補強ロープや左・右縦ロープの崩壊とともに落石防護ネット自体の機械的強度が不足して落石等が道路上へ落下してしまうという問題がある。
また、前記特許文献2に記載された落石防護ネット構造によれば、沢状部の両側に広い間隙で支柱を建て込むことによって落石等が支柱に衝突することを極力防止して衝撃力により該支柱が損傷または転倒することをなくし、ポケットの機能を維持するとともに1スパンの広い支柱間隔で沢状部上に落石防護ネットを構築することが可能である。しかしながら、想定された荷重以上の落石等があった場合には、各部材に過度の荷重がかかって損傷することがある。このような想定外の荷重に耐えるためには過度に設計荷重を増加させなければならず、材料コストや構築費用が必要以上に増加してしまう。
また、落石等が発生した場合には、その荷重を受ける各ロープは降伏してしまうため、再使用することかできず、交換しなければならない。更に、金網とワイヤロープによる吸収できる荷重には自ずと限界がある。そのため、従来の落石防護ネット構造では、より高いレベルでの安全性の実現と、材料コストや構築費用の合理性の確保という両者を高いレベルで維持することは困難であった。
そこで、本考案は、両側に広い間隙で支柱を建て込むことによって落石等が支柱に衝突することを極力防止して衝撃力により該支柱が損傷または転倒することをなくし、ポケットの機能を維持するとともに1スパンの広い支柱間隔で構築した落石防護ネット構造をベースとし、この金網とロープによって構築された落石防護ネット構造に新たにエネルギー吸収装置を装備することにより、現場状況に応じて材料コストや構築費用の合理性を確保するとともに、万一の想定外の落石や荷重に対しても対応することのできるより高いレベルでの安全性の双方を実現した落石防護ネット構造を提供することを目的とするものである。
本考案は上記目的を達成するために、所定間隔で斜面に立設された左右一対の支柱と、該支柱の上部間に固定された上部掛け横ロープと、一端が支柱の上部に固定されるとともに他端部が上方の斜面にアンカーを用いて支持固定された吊りロープと、一端が支柱の上部又は上部掛け横ロープに所定間隔で固定された複数の縦主ロープと、左右両端部がアンカーにより斜面に支持固定されて縦主ロープと交差して配置された複数の横主ロープと、縦主ロープ及び横主ロープ上に敷設された金網と、左右両端部がアンカーにより斜面に支持固定された荷重支持用横ロープと、両端部がアンカーにより斜面に支持固定され、中間部が縦主ロープに交叉して固定された荷重支持用横主ロープとを備え、該荷重支持用横ロープからカーテン状に垂下したハンガーロープを用いて荷重支持用横主ロープを吊支固定した落石防護ネット構造において、前記吊りロープ,横主ロープ,荷重支持用横ロープ又は荷重支持用横主ロープから選択された一種又は複数のロープにおける所定の部位にエネルギー吸収装置を装備した落石防護ネット構造を提供する。
また、エネルギー吸収装置を吊りロープ,横主ロープ,荷重支持用横ロープ又は荷重支持用横主ロープから選択された一種又は複数のロープのアンカー近傍に配置し、左右一対の支柱を上下方向に傾動可能に立設し、エネルギー吸収装置として、ロープに一定以上の張力が加わった際にロープを摺動させてロープを繰り出す緩衝金具を装備し、沢状部を挟んで支柱間の間隔を12〜30メートルとする。
本考案によって得られた落石防護ネット構造によれば、落石等の恐れがある沢状部の両側にポケット形成用の支柱を12〜30メートルという長大な間隔で建て込んでも、荷重支持用横ロープから垂下したハンガーロープを用いて荷重支持用横主ロープを吊支固定したことにより、落石防護ネット自体の機械的強度を高めてカーテン状に垂設した縦主ロープ及び横主ロープの崩壊現象が発生しない。しかも支柱間の間隔が長いことによって落石等が支柱に衝突する惧れは極めて低くなり、それに伴う衝撃によって支柱が損傷または転倒することを防止して落石等が道路上へ落下するという問題を解消することができる。
従って本考案によれば、沢状部における落石エネルギーを落石防護ネットにより効果的に緩衝して吸収するとともに落石等を受け止めて支持する優れた強度と耐力を有し、沢状部の両側に広い間隙で支柱を建て込むことによって落石等が支柱に衝突することを極力防止し、衝撃力により該支柱が損傷または転倒することをなくして防護性能及び信頼性を著しく高めることができる。更に1スパンの広い支柱間隔で沢状部上に落石防護ネットを構築することによって施工性を高めて工期短縮をはかることができる。
更に、落石等があった場合には、その荷重を金網とロープによって支持して吸収するとともに、荷重が金網やロープの支持力を超える場合は、エネルギー吸収装置によってロープが摺動して繰り出すことにより、そのエネルギーを吸収することができるので、ロープや金網が破壊されることがない。よって、想定外の荷重が発生する落石等があったとしても、安全に防護することができる。このようにエネルギー吸収装置によって、想定外の荷重を吸収することができるため、より高いレベルでの安全性を実現できるとともに、現場状況に応じて材料コストや構築費用を合理的な範囲に留めることができる。
以下図面に基づいて本考案にかかる落石防護ネット構造の最良の実施形態を説明する。図1は本考案を適用した落石防護ネット構造を示す斜視概要図、図2は同正面図であり、図中の1は例えば道路等に近接して落石の恐れがある沢状部、2,2は沢状部1の両側に位置する斜面であり、この斜面2に左右一対の支柱3,3が上下方向に傾動可能に立設されている。4は支柱3,3の上部間に固定された上部掛け横ロープ、5,5は支柱サイドロープであり、各支柱サイドロープ5,5はアンカー6により斜面2に支持固定されている。
左右一対の支柱3,3は落石防護ネットに落石を受け入れる開口されたポケット部を形成するのに必須の構成要素であり、本実施形態では従来の防護ネットと比較して支柱3,3間の間隔は広く取って建て込まれている。例えば本実施例では支柱3,3間の間隔は沢状部1を挟んで12〜30メートル程度の距離であり、支柱3,3間の間隔を広く取ることによって1スパンで沢状部1上に落石防護ネットを構築することができる。よって、支柱3,3を多数立設する必要はなく、一対の支柱のみで必要な落石防護ネットを構築することが可能となる。
7,7は支柱3の吊りロープであり、この吊りロープ7,7の一端は支柱3,3の上部に固定され、他端部は夫々上方の斜面2にアンカー6,6を用いて支持固定されている。8,8は縦主ロープ、9,9は横主ロープであり、縦主ロープ8,8の一端は支柱3,3の上部又は上部掛け横ロープ4に固定され、両端部に位置する縦主ロープ8,8の他端部はアンカー6により下方の斜面2に支持固定されている。両端部に位置する縦主ロープ8,8以外の縦主ロープ8の下端部は下方の斜面2に支持固定されておらず、フリーとなっており、最下方の横主ロープ9に連結されている。
横主ロープ9,9の左右両端部は夫々アンカー6,6により斜面2に支持固定されている。更に図2に示すように縦主ロープ8,8間には補強のために縦補助ロープ8aを配設してもよい。なお、縦補助ロープ8aとしては縦主ロープ8よりも耐荷重の小さいロープを使用できる。そして、これらの横主ロープ9,9と縦主ロープ8,8上に金網15が適宜の手段で固定されて敷設されている。
吊りロープ7,7と横主ロープ9,9には落石等により大きな荷重がかかるので、両ロープは強度が大きくて柔軟なケーブルを用いて構成される。縦主ロープ8,8間の長さ間隔は3メートル、縦主ロープ8と縦補助ロープ8a間の長さ間隔は1.5メートルとし、横主ロープ9,9間の長さは5メートル程度にするのが適当である。また、落石等が集中しやすい個所の金網15の線径を変えて強度を高めたり、落石等が金網15の網目からこぼれるのを防止するため、部分的に金網15の目合を小さくすることも可能である。
10は荷重支持用横ロープであり、この荷重支持用横ロープ10の左右両端部はアンカー6により斜面2に支持固定され、中途部が支柱3,3の上部に固定された状態に支持されている。11は荷重支持用横主ロープであり、この荷重支持用横主ロープ11の左右両端部はアンカー6により斜面2に支持固定され、中間部の縦主ロープ8,8との交差点の全部又は一部が十字グリップ12,12を用いて縦主ロープ8,8に交叉して固定されている。図1では両端部の縦主ロープ8,8との交差点を固定している例を示している。図3(A)は荷重支持用横主ロープ11と縦主ロープ8,8を固定している十字グリップ12,12を示す正面図、図3(B)は同平面図である。そして荷重支持用横ロープ10と荷重支持用横主ロープ11とが該荷重支持用横ロープ10からカーテン状に垂下したハンガーロープ13,13を用いて固定されている。
図4は各ロープの配設状態を明示する側面図であり、この荷重支持用横ロープ10を支柱3,3の上部に固定するとともに、荷重支持用横ロープ10から垂下したハンガーロープ13,13で荷重支持用横主ロープ11を固定して吊支することにより、強度を高めたことが本考案の特徴の一つである。
図5は支柱3のみ取り出して示す正面図、図6は同側面図であり、斜面2内に打ち込まれる基板20にヒンジ21を介在して角柱状の支柱本体22が斜面2の傾斜方向に沿って上下方向に傾動自在に立設され、この支柱本体22の上部に、平面視(図5に示す状態)において左右方向に張り出すように一対のブラケット23,23を設け、このブラケット23,23にはそれぞれUボルト孔24が穿孔され、このUボルト孔24にUボルト25を挿通して荷重支持用横ロープ10を固定する。即ち荷重支持用横ロープ10はアンカー6により左右両端部が斜面2に支持固定されるとともに、その中途部が図8に示すようにそれぞれの支柱3,3の上部のブラケット23,23にUボルト25,25によって圧接されて締め付け固定されている。
図7は図5にUボルト25を装着した状態を示す平面図、図8,図9,図10は、各ロープの連結状態を示す要部説明図であり、これらの同図に示すようにブラケット23と同一面の支柱本体22の上部に支柱サイドロープ5を固定するための支柱サイドロープ固定用ブラケット26,26がそれぞれ一対設けられている。これらのブラケット26,26にはそれぞれ支柱サイドロープ5を固定するための固定孔26aが穿設されており、支柱サイドロープ5の端部を環状に形成してブラケット26間に挿通して固定ピン、シャックルその他の適宜手段を固定孔26aに挿通して固定する。
支柱本体22の背面側の上部(図7の平面視における上方)には、吊りロープ7を固定するための一対のブラケット27が設けられている。次に支柱本体22の正面側の上部(図7の平面視における下方)には、縦主ロープ8を固定するための一対のブラケット28が設けられている。更に、支柱本体22の上端面には上部掛け横ロープ4を固定するための一対のブラケット29が設けられている。そして、これらのブラケット27,28,29にはそれぞれ吊りロープ7,縦主ロープ8,上部掛け横ロープ4を固定するための固定孔27a,28a,29aが穿設されており、吊りロープ7,縦主ロープ8,上部掛け横ロープ4の端部をそれぞれ環状に形成してブラケット27,28,29間に挿通して固定ピン、シャックルその他の適宜手段を固定孔27a,28a,29aに挿通して固定する。
上記の構成によれば、荷重支持用横主ロープ11を荷重支持用横ロープ10からカーテン状に垂下したハンガーロープ13,13を使用して吊り橋の要領で吊支したことが特徴となっており、横主ロープ9,9にかかる荷重を支柱3,3に固定された上部掛け横ロープ4と荷重支持用横ロープ10で受け止めてポケット部を形成する横主ロープ9,9の垂れ込みを防止するとともに、沢状部1を挟む支柱3,3間の間隙を広く取ることが可能となる。更に荷重支持用横主ロープ11自体がハンガーロープ13,13を介して荷重支持用横ロープ10に吊支されていることで金網15の開口部が容易に開放することが防止されるという作用が得られる。
上記した落石防護ネット構造は出願人の提供した特許文献2に示す落石防護ネット構造と共通であり、本考案では、この落石防護ネット構造において、図1,図2,図4に示すように、吊りロープ7,横主ロープ9,荷重支持用横ロープ10又は荷重支持用横主ロープ11から選択された一種又は複数のロープにおけるアンカー6の近傍に所定数のエネルギー吸収装置30を装備している。なお、エネルギー吸収装置30の設置箇所は、アンカー6の近傍ではなくてもよく、任意の箇所でよい。また、その数にも限定はなく、複数のロープが配置される横主ロープ9については、設計目標に応じてその中の所定の本数のロープに装備すればよい。
エネルギー吸収装置30としては、吊りロープ7,横主ロープ9,荷重支持用横ロープ10又は荷重支持用横主ロープ11から選択された一種又は複数のロープに、落石等による荷重によって一定以上の張力が加わった際に、該ロープを摺動させてロープを繰り出す構造であればよく、その構造は任意のものを選択することができる。
図11は、エネルギー吸収装置30として、緩衝金具31を採用した例を示すものである。緩衝金具31は、中空円筒状の金具本体32と、金具本体32に螺合された経大の中空円筒状の鍔部33とからなり、金具本体32から鍔部33を取り外した後、吊りロープ7,横主ロープ9,荷重支持用横ロープ10又は荷重支持用横主ロープ11(以下、横主ロープ9を例として説明する)のアンカー6方向の端部を金具本体32の中空部に挿通し、その外周に図示しない楔材を巻回させて、金具本体32の中空部内に位置させ、その後、鍔部33の中空部に挿通し、鍔部33を金具本体32に螺合して固着する。よって、横主ロープ9のアンカー6方向の端部9aは固定されることなく、開放されている。そして、金具本体32の中空部は楔材と同一の傾斜で、アンカー6方向が経大のテーパ面に形成されており、横主ロープ9に装備された楔材は金具本体32の中空部の内壁に密接して、横主ロープ9を固定している。
そのため、横主ロープ9は所定の締付力によって緩衝金具31によって支持されていることとなり、アンカー6の反対方向に落石等によって張力が掛かった場合は、緩衝金具31の支持力の範囲内であれば、横主ロープ9はこの張力に抗してその状態を維持する。一方、落石等による張力が緩衝金具31の支持力を超える場合は、横主ロープ9は緩衝金具31内を摺動して、緩衝金具31から繰り出されてゆく。
なお、エネルギー吸収装置30としては、横主ロープ9に一定以上の張力が加わった際に、横主ロープ9を損傷させることなく、吸収できる構成であればどのようなものでもよく、又緩衝金具31も横主ロープ9に一定以上の張力が加わった際に横主ロープ9を摺動させることにより、横主ロープ9を緩衝金具31から繰り出すことのできる構成であればよい。そのため、エネルギー吸収装置30として前記した構成以外に、例えば一対の固定爪と可動爪によって横主ロープ9を所定の締付力でクランプし、締付力の張力が働くとクランプしている横主ロープ9を摺動させるクランプ機構等も採用することができる。
図11に示す34は緩衝金具31を固定するための固定金具であり、2分割された固定金具34aと34bから構成されている。固定金具34a,34bの一端部にはそれぞれ凹部35a,35bが穿設されるとともに、凹部35a,35bの開放端の外周には中心方向に向けて係合突起36a,36bが突設されている。そして、固定金具34a,34bの他端部にはボルト挿通孔37a,37bが穿設されている。この固定金具34a,34bの凹部35a,35bを緩衝金具31の鍔部33に嵌合し、係合突起36a,36bを鍔部33における金具本体32方向の端部に係合させて、固定金具34a,34bで緩衝金具31を包囲する。その後固定金具34a,34bのボルト挿通孔37a,37bにボルト38を挿通し、ナット39で締結することにより、固定金具34a,34bと緩衝金具31は一体に固定される。
次に緩衝金具31を装着した横主ロープ9をアンカー6にて固定する。図13,図14に示すように、固定金具34a,34bを連結したボルト38にシャックル40を装着し、該シャックル40を斜面2に固定されているアンカー6に装着したターンバックル41に連結する。よって、横主ロープ9の端部9aはアンカー6に固定されることなく、緩衝金具31の鍔部33から一定長さで延長されて開放されている。
横主ロープ9以外の吊りロープ7,荷重支持用横ロープ10又は荷重支持用横主ロープ11についても同様にアンカー6方向の端部に緩衝金具31を装着し、緩衝金具31を固定金具34で固定し、固定金具34をシャックル40を介してアンカー6に装着されたターンバックル41に連結する。よって、それぞれのロープの端部は、横主ロープ9の端部9aと同様にアンカー6に固定されることなく、緩衝金具31の鍔部33から一定長さで延長されて開放されている。
緩衝金具31によって構成されたエネルギー吸収装置30の作用は次の通りである。吊りロープ7,横主ロープ9,荷重支持用横ロープ10又は荷重支持用横主ロープ11は、緩衝金具31によって所定の締付力で支持されているため、通常予想される範囲の落石等によって横主ロープ9等の各ロープにかかる荷重が緩衝金具31の支持力の範囲内であれば、その荷重を金網15と横主ロープ9等の各ロープによって支持して吸収する。更に、図12の緩衝金具31の作用説明図に示すように、予期しない大規模な落石S等の発生によって、荷重が横主ロープ9等の各ロープの支持力を超える場合は、横主ロープ9等の各ロープが緩衝金具31から摺動して繰り出されることにより、そのエネルギーを吸収することができるので、横主ロープ9等の各ロープや金網15が破壊されることがない。
例えば、図12に示す例において、50kNの張力が横主ロープ9に作用し、横主ロープ9が1m摺動して緩衝金具31から繰り出されたとすれば、50kN×1m=50kJのエネルギーを緩衝金具31が吸収したこととなる。よって、緩衝金具31からなるエネルギー吸収装置30を装備することによって、横主ロープ9等の各ロープやアンカー6には、緩衝金具31から横主ロープ9等の各ロープが摺動を始めるスリップ張力以上の荷重が作用することがないため、不測の事態を想定して過度に設計荷重を高める必要がなく、安全性を確保した上で、材料コストや構築費用を合理的に削減することができる。しかも、過度の荷重はエネルギー吸収装置30によって吸収されるため、金網15や横主ロープ9等の各ロープの各部材には、想定以上の荷重が作用しないため安全性が向上する。そのため、従来の落石防護ネット構造に比較して、より高いレベルでの安全性の実現と、材料コストや構築費用の合理性の確保という両者を高いレベルで維持することが可能となった。
即ち、従来の金網15と横主ロープ9等の各ロープだけでは、吸収可能なエネルギーに限界がある。これに対して、エネルギー吸収装置30は、横主ロープ9等の各ロープの締付力,繰り出し長さ、あるいはエネルギー吸収装置30の取付個数を自由に選択できるため、落石エネルギーに応じた最適な設計が行える。
更に、従来は一定荷重以上の落石が発生した場合には、横主ロープ9等の各ロープが降伏するため、その都度、メンテナンスとして各ロープの交換が必要であった。本考案によれば、エネルギー吸収装置30の作用によって、各ロープが摺動を始めるスリップ張力以上の荷重が作用することがないため各ロープが降伏することがなく、メンテナンスはエネルギー吸収装置30を再設置するだけで、横主ロープ9等の各ロープの交換は不要である。
以上詳細に説明したように、本考案によれば沢状部における落石エネルギーを効果的に緩衝して吸収するとともに落石等を受け止めて支持する優れた強度と耐力を有し、広い間隙で支柱を建て込むことによって落石等が支柱に衝突することをなくして衝撃力により支柱が損傷または転倒することがないので、防護性能及び信頼性を著しく高めることができる。従って沢状部のみならず、岩盤等の安定地盤が表土層で覆われて表土層の表面が傾斜している斜面における表土層の一部または全部が流出するのを未然に防止するための斜面安定工法にも利用することができる。
更に、落石等があった場合には、その荷重を金網とロープによって支持して吸収するとともに、荷重が金網やロープの支持力を超える場合は、エネルギー吸収装置によってロープが摺動して繰り出すことにより、そのエネルギーを吸収することができるので、ロープや金網が破壊されることがない。よって、想定外の荷重が発生する落石等があったとしても、安全に防護することができる。このようにエネルギー吸収装置によって、想定外の荷重を吸収することができるため、より高いレベルでの安全性を実現できるとともに、現場状況に応じて材料コストや構築費用を合理的な範囲に留めることができる。
本考案を適用した落石防護ネット構造を示す斜視概要図。 図1の正面図。 (A)は本考案で用いた荷重支持用横主ロープと縦主ロープを固定している十字グリップを示す正面図、(B)は同平面図。 本考案で用いた各ロープの配設状態を示す側面図。 本考案で用いた支柱のみ取り出して示す正面図。 図5の側面図。 図5にUボルトを装置した状態を示す平面図。 ブラケットへの各ロープの連結状態を示す要部説明図。 ブラケットへの各ロープの連結状態を示す要部説明図。 ブラケットへの各ロープの連結状態を示す要部説明図。 緩衝金具と固定金具の側面図。 緩衝金具の作用説明図。 緩衝金具の装着状態を示す要部説明図。 緩衝金具の装着状態を示す要部説明図。
符号の説明
1…沢状部
2…斜面
3…支柱
4…上部掛け横ロープ
5…支柱サイドロープ
6…アンカー
7…吊りロープ
8…縦主ロープ
8a…縦補助ロープ
9…横主ロープ
10…荷重支持用横ロープ
11…荷重支持用横主ロープ
12…十字グリップ
13…ハンガーロープ
15…金網
20…基板
21…ヒンジ
22…支柱本体
23,26,27,28,29…ブラケット
30…エネルギー吸収装置
31…緩衝金具
32…金具本体
33…鍔部
34,34a,34b…固定金具
35a,35b…凹部
36a,36b…係合突起
37a,37b…ボルト挿通孔
38…ボルト
39…ナット
40…シャックル
41…ターンバックル

Claims (5)

  1. 所定間隔で斜面に立設された左右一対の支柱と、該支柱の上部間に固定された上部掛け横ロープと、一端が支柱の上部に固定されるとともに他端部が上方の斜面にアンカーを用いて支持固定された吊りロープと、一端が支柱の上部又は上部掛け横ロープに所定間隔で固定された複数の縦主ロープと、左右両端部がアンカーにより斜面に支持固定されて縦主ロープと交差して配置された複数の横主ロープと、縦主ロープ及び横主ロープ上に敷設された金網と、左右両端部がアンカーにより斜面に支持固定された荷重支持用横ロープと、両端部がアンカーにより斜面に支持固定され、中間部が縦主ロープに交叉して固定された荷重支持用横主ロープとを備え、該荷重支持用横ロープからカーテン状に垂下したハンガーロープを用いて荷重支持用横主ロープを吊支固定した落石防護ネット構造において、
    前記吊りロープ,横主ロープ,荷重支持用横ロープ又は荷重支持用横主ロープから選択された一種又は複数のロープにおける所定の部位にエネルギー吸収装置を装備したことを特徴とする落石防護ネット構造。
  2. エネルギー吸収装置を吊りロープ,横主ロープ,荷重支持用横ロープ又は荷重支持用横主ロープから選択された一種又は複数のロープのアンカー近傍に配置した請求項1記載の落石防護ネット構造。
  3. 左右一対の支柱を上下方向に傾動可能に立設した請求項1又は2記載の落石防護ネット構造。
  4. エネルギー吸収装置として、ロープに一定以上の張力が加わった際にロープを摺動させてロープを繰り出す緩衝金具を装備した請求項1,2又は3記載の落石防護ネット構造。
  5. 沢状部を挟んで支柱間の間隔を12〜30メートルとした請求項1,2,3又は4に記載の落石防護ネット構造。
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