JP6062724B2 - 雪崩減勢工 - Google Patents

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Description

本発明は、谷間に沿って流れる雪崩の勢いを減少させる雪崩減勢工に関する。
従来、山の法面に沿って流れる雪崩を防ぐために種々の防止柵が提案されている。例えば、特許文献1に記載されている雪崩・落石防止柵は、雪崩をくい止めるために、コンクリートブロックからなる大型で大重量の擁壁を備えている。
特開2008−255632号公報
雪崩は、山の法面全体のうち、下流に向けて線状に延びる谷間に沿って流れるものがある。しかし、このような谷間に沿って流れる雪崩の勢いを減少させるために、上記のような大型かつ大重量のコンクリートブロックからなる防止柵を谷間を横断するように設置する場合、製造コストの低減が難しいという問題がある。
また、複数の支柱または杭を地面に立設した群杭などの雪崩減勢工も従来から提案されているが、このような構造では、雪崩の進行方向における圧力が支柱に対して横向きに作用すると当該支柱の根元部分に大きなモーメントがかかり、当該支柱が転倒または破損するおそれがある。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、製造コストの低減が可能であり、かつ、転倒または破損が生じることなく雪崩の衝撃を緩和することが可能な雪崩減勢工を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためのものとして、本発明の雪崩減勢工は、谷間に設置され、雪崩の勢いを減少させる雪崩減勢工であって、前記谷間の向かい合う斜面にそれぞれ設置されたケーブル固定部と、前記谷間を横断する方向に延びるように互いに異なる高さに並んで配索され、両端部が前記ケーブル固定部に固定された複数本のケーブルと、前記谷間を横断するように設置され、前記ケーブルに支持されたネットと、前記谷間に設置された少なくとも1つの支柱支持部と、前記谷間に沿って流れる雪崩の進行方向の下流側に揺動できるように前記支柱支持部に支持された支柱であって、各々の前記ケーブルを、当該ケーブルの高さを維持し、かつ、当該ケーブルに対して上方からかかる雪崩の沈降荷重を受けるように、保持する保持部を備えた少なくとも1本の支柱とを備えていることを特徴とする。
かかる構成によれば、谷間に沿って流れる雪崩をネットおよびそのネットを支持するケーブルによって受ける構造であるので、大重量のコンクリート製の擁壁を設置する場合と比較して製造コストを大幅に低減することが可能である。しかも、ケーブルの両端部は谷間に設置されたケーブル固定部に固定されているので、雪崩の進行方向における圧力をケーブルの張力によって弾力的に受けることができるので、従来のように支柱や杭などの雪崩減勢工を構成する部材が転倒したり破損したりするおそれがない。
また、上記の構成によれば、支柱の保持部によってケーブルを保持することにより、当該ケーブルの高さを維持し、かつ、ケーブルに対して上方からかかる雪崩の沈降荷重を受けることが可能である。これにより、ケーブルにかかる沈降荷重を支柱へ分散させ、雪の沈降荷重によってケーブルが下方へ押し下げられて歪曲することを抑止することが可能である。
しかも、この支柱は、谷間に沿って流れる雪崩の進行方向の下流側に揺動できるように支柱支持部に支持されているので、雪崩の進行方向における衝撃および圧力を支柱が受けたときに下流側に揺動しながらケーブルへその衝撃および圧力を分散させることが可能であり、その結果、支柱が転倒や破損することを抑止することが可能である。
前記支柱支持部は、前記谷間の向かい合う斜面にそれぞれ設置され、かつ、当該支柱支持部には、それぞれ前記支柱が支持されているのが好ましい。
かかる構成によれば、雪崩の沈降荷重をケーブルが受けたときに谷間の両側の斜面に配置された支柱によって受けることが可能になる。その結果、ケーブルにかかる雪崩の沈降荷重を大きい場合でも、ケーブルが雪崩の沈降荷重によって押し下げられて歪曲するおそれが低減する。
前記支柱支持部は、前記支柱は、その先端が谷間の中央を向くように垂線に対して傾斜した状態で、前記支柱支持部にそれぞれ支持されているのが好ましい。
谷間の中央では、積雪量が多く、その付近にではケーブルにかかる雪崩の沈降荷重が大きくなり、ケーブルが押し下げられて歪曲しやすい傾向がある。そこで、上記の構成では、支柱の先端が谷間の中央を向くように垂線に対して傾斜するように、支柱が谷間の向かい合う斜面に設置された支柱支持部に支持されているので、谷間の中央付近では、支柱の先端同士の間隔が狭くなるので、谷間の幅が広い場合でも、雪崩の沈降荷重をケーブルが受けたときに両側の支柱に確実に分散して受けることが可能になる。その結果、谷間の幅が広くてケーブルにかかる雪崩の沈降荷重を大きい場合でも、ケーブルが雪崩の沈降荷重によって押し下げられて歪曲するおそれが低減する。
前記保持部は、前記ケーブルの谷間を横断する方向への移動を許すように、当該ケーブルを保持するのが好ましい。
かかる構成によれば、ケーブルが雪崩から当該雪崩の進行方向における圧力を受けたときに、ケーブルは支柱の保持部によって拘束されることなく谷間を横断する方向に移動しながら当該進行方向へたわむことが可能であり、ケーブルの張力をケーブル固定部に確実に伝達することが可能である。
以上説明したように、本発明の雪崩減勢工によれば、製造コストの低減ができ、かつ、当該減勢工の構成部材が転倒または破損が生じることなく雪崩の衝撃を緩和することができる。
本発明の実施形態に係る雪崩減勢工の一実施形態に係わる正面図である。 図1のケーブル固定部とケーブルとの連結部分の拡大断面図である。 図1のケーブル固定部のアンカーボルト頭部付近の部分の拡大図である。 図1のIV−IV線断面図である。 図4のUボルト付近の拡大図である。 図1の支柱と支柱支持部との連結部分の拡大図である。 図4の支柱用ベースプレートの平面図である。 図4の支柱用ベースプレートの側面図である。
つぎに、図面を参照しながら、本発明の雪崩減勢工1についてさらに詳細に説明する。
図1に示される雪崩減勢工1は、谷間Vに設置され、谷間Vに沿って流れる雪崩Sの勢いを減少させるものである。
雪崩減勢工1は、一対のケーブル固定部2と、一対のケーブル固定部2にそれぞれ両端固定された複数本(図1の例では5本)のケーブル3と、各ケーブル3に支持されたネット4と、複数本のケーブル3を支持する支柱5と、支柱5の根元側端部を揺動自在に支持する支柱支持部6とを備えている。図1の例では、支柱5は、最下段を除く4本のケーブル3を支持している。最下段のケーブル3は、雪崩Sの沈降荷重F(図4〜5参照)の影響が小さいので、支柱5によって支持されていなくても当該沈降荷重によって下方へ大きく歪曲するおそれが低い。なお、本発明でいう雪崩Sの沈降荷重Fとは、雪崩Sが堆積した状態で雪が締め固まるかまたは融雪などの原因によって雪が下方へ沈降することにより発生する下向きの荷重のことをいう。
ケーブル固定部2は、谷間Vの向かい合う斜面Gにそれぞれ設置されている。ケーブル固定部2は、図1〜3に示されるように、斜面Gの地中に埋設された法枠11と、当該法枠11を貫通して斜面Gの地中に埋め込まれたアンカーボルト12と、アンカーボルト12の頭部12aに固定された固定ブラケット13と、固定ブラケット13を法枠11表面に締結するナット14と、固定ブラケット13とケーブル3との間を連結するリンク16とを備えている。
法枠11は、コンクリート製の細長い台座であり、斜面Gの延びる方向にほぼ沿う向きで斜面Gの地中に全体的または部分的に埋設されている。
図2〜3に示されるように、アンカーボルト12は、その頭部12aを法枠11の上側に突出するように、法枠11の長手方向に沿って間隔をあけて当該法枠11を貫通して斜面Gの地中に埋め込まれている。頭部12aには、おねじ部12bが形成されている。
固定ブラケット13は、図2〜3に示されるように、アンカーボルト12の頭部12aを挟んで両側に立てられた一対の立て板部13aと、当該一対の立て板部13aを連結する座金部13bと、一対の立て板部13aに両端固定され、リンク16が係合される軸部材13cとを備えている。座金部13bは、貫通孔13b1を有している。貫通孔13b1にアンカーボルト12の頭部12aを挿入し、座金部13bの上方からナット14を締め付けることにより、固定ブラケット13は、法枠11の上面に押圧される。それとともに、ナット14の締め付ける反力によってアンカーボルト12が地表へ向けて引っ張られる。
なお、ナット14は、固定ブラケット13の座金部13bにあらかじめ固定されていてもよく、その場合、固定ブラケット13およびナット14を同時に回転させることにより、ナット14をアンカーブラケット12の頭部12aのおねじ部12bに螺合することが可能である。
軸部材13cは、図3に示されるように、ボルト13c1と、それに螺合するナット13c2と、ボルト13c1のおねじ部の一部を覆う筒部13c3とを備えている。筒部13c3は、図2に示されるようにリンク16と係合した状態で、一対の立て板部13aの間に配置される。ボルト13c1は、一対の立て板部13aを貫通しながら筒部13c3に挿入されている。ナット13c2は、一対の立て板部13aの外側からボルト13cの先端部に螺合されている。
リンク16は、楕円状の金属製リングからなり、雪崩Sの衝撃荷重に耐えられる引張強度を有する。リンク16は、図2に示されるように、固定ブラケット13の一対の立て板部12aの間で軸部材13cの筒部13c3に係合している。
複数本のケーブル3は、図1に示されるように、谷間Vを横断する方向Aに延びるように互いに異なる高さに並んで配索されている。各ケーブル3の両端部は、前述のようにケーブル固定部2の固定ブラケット13に連結されたリンク16にそれぞれ固定されている。ケーブル3の端部は、リンク16に連結する場合、例えば、図2に示されるように、シャックル17を介して連結することにより、容易に連結することが可能である。シャックル17は、一端が開放されたリング状の本体17aと、当該本体17aの開放された部分を閉じる閉鎖ピン17bとを備えている。本体17aは、円弧状の部分17a1と、一対の向かい合う部分17a2とを有する。シャックル17の本体17aにケーブル5の端部を固定した後、当該本体17aの円弧状の部分17a1の内側にリンク16の一部を挿入し、その後、本体17aの一対の向かい合う部分17a2の隙間を閉鎖ピン17bによって閉じることにより、ケーブル5とリンク16とを連結することが可能である。
なお、ケーブル3の端部をリンク16に直接連結してもよい。
ネット4は、図1に示されるように、谷間Vを横断するように設置され、各ケーブル3に支持されている。ネット4は、図示されていない細い鋼線などからなる継ぎロープなどの従来公知の連結手段によって、各ケーブル3に対して連結されている。ネット4は、例えば、落石にも耐えられる高強度の金網などからなる。
ネット4は、最上段のケーブル3から最下段のケーブル3の間の高さを有し、かつ、各ケーブル3の両端部まで覆うことが可能な台形形状を有する。これにより、ネット4は、谷間Vを横断するように覆うことが可能である。
支柱支持部6は、谷間Vの向かい合う斜面Gにそれぞれ設置されている。
支柱支持部6は、斜面Gの地面に設置された基部26と、基部26の上に設置された角度調整部材27と、ベースプレート28とを有する。
基部26は、図6に示されるように、法枠11の上面側に配置された上側部分26aと、当該法枠11の下面側に配置された下側部分26bとを備えている。上側部分26aおよび下側部分26bは、それぞれコンクリートからなり、法枠11と一体形成されている。なお、基部26は、法枠11と別個の部材であってもよい。また、基部26の形状は、支柱5およびそれにかかる雪崩Sの沈降荷重を受けることが可能な形状であればよい。
上側部分26aは、水平面26a1を有する。水平面26a1の上には、角度調整部材27が設置されている。
図6に示されるように、角度調整部材27は、その上面側において、支柱5の傾斜角を設定するための基準面となる傾斜面27aを有している。傾斜面27aは、基部26の水平面26a1に対して谷間Vの中央を向くように傾斜している。
ベースプレート28は、図5〜7に示されるように、角度調整部材27の傾斜面27aの上に水平面26a1から傾斜した状態で固定されている。ベースプレート28は、底板部28aと、当該底板部28aから立設された一対の立て板部28bとを備えている。一対の立て板部28bは、谷間Vを横断する方向A(図6参照)に離間して配置されている。
底板部28aは、斜面Gの地中に埋設されたアンカーボルト18の頭部18aに上下から一対のナット19によって挟み込まれることにより、角度調整部材27の傾斜面27aの上に固定される。
支柱5は、谷間Vに沿って流れる雪崩Sの進行方向B(図4参照)の下流側に揺動できるように支柱支持部6に支持され、ケーブル3を当該ケーブル3の高さを維持し、かつ、当該ケーブル3に対して上方からかかる雪崩Sの沈降荷重F(図4〜5参照)を受けるように、保持するように保持する。
具体的には、支柱5は、図4〜6に示されるように、支柱支持部6のベースプレート28に揺動自在に支持された支柱本体21と、当該支柱本体21に長手方向に間隔をあけて設置されたケーブル3を保持するUボルト22とを備えている。Uボルト22は、本発明の保持部に対応する。
支柱本体21は、長尺の棒状体、例えばH型鋼からなる。支柱本体21の下端には、一対の連結板21aが下方に突出するように設けられている。一対の連結板21aは、谷間Vを横断する方向A(図6参照)に離間して配置されている。一対の連結板21aは、それぞれベースプレート6cの一対の立て板部6c2に対して軸部材25によって回転自在に支持されている。これにより、支柱5は、図4に示されるように、谷間Vに沿って流れる雪崩Sの進行方向Bの下流側に軸部材25を回転中心として揺動できるように支柱支持部6に支持される。
また、支柱本体21を揺動自在に支持するベースプレート28は、角度調整部材27の傾斜面27aの上に水平面26a1から谷間Vの中央を向くように傾斜した状態で固定されているので、図1に示されるように、支柱5は、その先端5aが谷間Vの中央を向くように傾斜して配置される。
Uボルト22は、図4〜5に示されるように、支柱本体21のうち、雪崩Sの進行方向Bの上流側を向く側面21bにおいて、あらかじめ設定されたケーブル3の高さにケーブル3を支持できる位置にナット23によって固定されている。
ケーブル3は、図5に示されるように、Uボルト22と支柱本体21の側面21bとによって形成された谷間Vを横断する方向に開口する貫通孔24に挿入される。これにより、Uボルト22は、各々のケーブル3を下方から受けて当該ケーブル3の高さを維持するように保持する。しかも、Uボルト22は、ケーブル3にかかる雪崩の沈降荷重F(図4〜5参照)を受けることが可能である。
しかも、図5に示されるように、貫通孔24は、ケーブル3の外径より大きい幅を有するように設定されているので、貫通孔24に挿入されたケーブル3は、谷間Vを横断する方向A(図1参照)への移動が可能になっている。
支柱5は、図1に示されるように、その先端5aが谷間Vの中央を向くように垂線VLに対して角度θだけ傾斜した状態で、前述の支柱支持部6にそれぞれ支持されている。この傾斜角θは、最上段のケーブル3を一対の支柱5のそれぞれの最上段のUボルト22によってほぼ3分割に分割されるように、谷間Vの幅および支柱5の長さなどの条件を考慮して適宜設定される。これにより、最上段のケーブル3にかかる雪崩Sの沈降荷重Fを谷間Vにおける両側のケーブル固定部2および一対の支柱5にほぼ均等に分散させることが可能である。
上記のように構成された雪崩減勢工1では、図1および図4に示されるように、雪崩Sが谷間Vを進行方向Bに沿って進行してきたときに、雪崩Sの進行方向Bにおける衝撃および圧力をネット4およびそのネット4を支持するケーブル3によって受ける。ケーブル3に伝達された衝撃および圧力は、ケーブル3の両端部から谷間Vに埋設されたケーブル固定部2へ伝達され、当該ケーブル固定部2によって受けることが可能である。
さらに、ケーブル3は、支柱5のUボルト22によって、当該ケーブル3の高さを維持するように保持されている。しかも、雪崩Sが融けるなどして雪崩Sの下向きの沈降荷重Fがケーブル3に作用したときには、当該沈降荷重Fを支柱5で受けることが可能である。これにより、ケーブル3にかかる沈降荷重Fを支柱5へ分散させ、雪崩Sの沈降荷重Fによってケーブル3が下方へ押し下げられて歪曲することを防止することが可能である。
とくに、本実施形態では、支柱5の先端が谷間Vの中央を向くように垂線VLに対して傾斜するように、支柱5が谷間Vの向かい合う斜面Gに設置された支柱支持部6に支持されているので、谷間Vの中央付近では、支柱5の先端同士の間隔が狭くなるので、谷間Vの幅が広い場合でも、雪崩Sの沈降荷重Fをケーブル3が受けたときに両側の支柱5に確実に分散して受けることが可能になる。
また、支柱5は、谷間Vに沿って流れる雪崩Sの進行方向Bの下流側に揺動できるように支柱支持部6に対して軸部材25回りに回転できるように支持されているので、雪崩Sの進行方向Bにおける衝撃および圧力を支柱5が受けたときに、支柱5は、軸部材25を回転中心として、当該進行方向B下流側に図4において反時計方向Cへ揺動しながらケーブル3へその衝撃および圧力を分散させることが可能であり、その結果、支柱5が転倒や破損するおそれを防止することが可能である。
(特徴)
(1)
上記のように構成された本実施形態の雪崩減勢工1は、谷間Vに沿って流れる雪崩Sをネット4およびそのネット4を支持するケーブル3によって受ける構造であるので、大重量のコンクリート製の擁壁を設置する場合と比較して製造コストを大幅に低減することが可能である。しかも、ケーブル3の両端部は谷間Vに設置されたケーブル固定部2に固定されているので、雪崩Sの進行方向Bにおける圧力をケーブル3の張力によって弾力的に受けることができる。その結果、従来のように支柱や杭などの雪崩減勢工を構成する部材が転倒したり破損したりするおそれがない。
(2)
しかも、本実施形態の雪崩減勢工1では、支柱5における支柱本体21の長さ方向に離間して配置されたUボルト22がケーブル3を保持することにより、当該ケーブル3の高さを維持するように保持し、かつ、ケーブル3に対して上方からかかる雪崩の沈降荷重Fを受けることが可能である。これにより、ケーブル3にかかる沈降荷重Fを支柱5へ分散させ、雪崩Sの沈降荷重Fによってケーブル3が下方へ押し下げられて歪曲することを抑止することが可能である。
しかも、この支柱5は、谷間Vに沿って流れる雪崩Sの進行方向の下流側に揺動できるように支柱支持部6に支持されているので、雪崩Sの進行方向Bにおける衝撃および圧力を支柱5が受けたときに下流側に揺動しながらケーブル3へその衝撃および圧力を分散させることが可能であり、その結果、支柱5が転倒や破損することを抑止することが可能である。
(3)
本実施形態の雪崩減勢工1では、支柱5が谷間Vの向かい合う斜面Gにそれぞれ配置されているので、雪崩Sの沈降荷重Fをケーブル3が受けたときに谷間Vの両側の斜面Gに配置された支柱5によって受けることが可能になる。その結果、ケーブル3にかかる雪崩Sの沈降荷重Fが大きい場合でも、ケーブル3が雪崩Sの沈降荷重Fによって押し下げられて歪曲するおそれが低減する。
また、支柱5および支柱固定部6を谷間Vの向かい合う斜面Gにそれぞれ設置すれば、谷間Vの底に溜まる水や雪の影響を受けにくくなり、設置作業が容易になるなどの利点を有する。
(4)
本実施形態の雪崩減勢工1では、支柱5の先端が谷間Vの中央を向くように垂線VLに対して傾斜するように、支柱5が谷間Vの向かい合う斜面Gに設置された支柱支持部6に支持されているので、谷間Vの中央付近では、支柱5の先端同士の間隔が狭くなるので、谷間Vの幅が広い場合でも、雪崩Sの沈降荷重Fをケーブル3が受けたときに両側の支柱5に確実に分散して受けることが可能になる。その結果、谷間Vの幅が広くてケーブル3にかかる雪崩の沈降荷重Fが大きい場合でも、ケーブル3が雪崩Sの沈降荷重Fによって押し下げられて歪曲するおそれが低減する。
(5)
本実施形態の雪崩減勢工1では、ケーブル3が雪崩Sから当該雪崩Sの進行方向Cにおける圧力を受けたときに、ケーブル3は支柱5のUボルト22によって拘束されることなく谷間Vを横断する方向に移動しながら当該進行方向Cたわむことが可能であり、ケーブル3の張力をケーブル固定部2に確実に伝達することが可能である。
(変形例)
(A)
なお、上記実施形態では、支柱5および支柱固定部6が谷間Vの向かい合う斜面Gにそれぞれ設置された例が示されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、谷間Vにおいて少なくとも1つの支柱5および支柱固定部6が設置されていてもよい。したがって、谷間Vの一方の斜面Gのみに支柱5および支柱固定部6を設置したり、または谷間Vの底の位置に支柱5および支柱固定部6を設置してもよい。これらの場合においても、上記実施形態と同様に、雪崩Sの沈降荷重Fによってケーブル3が下方へ押し下げられて歪曲するおそれを防止するとともに、支柱5が転倒や破損することを抑止することが可能である。
(B)
さらに、上記実施形態の雪崩減勢工1は、支柱5および支柱固定部6を備えているが、これらの支柱5および支柱固定部6を省略してもよく、その場合も、谷間Vに沿って流れる雪崩Sをネット4およびそのネット4を支持するケーブル3によって受けることにより、大重量のコンクリート製の擁壁を設置する場合と比較して製造コストを大幅に低減することが可能であり、かつ、雪崩減勢工を構成する部材が転倒や破損するおそれを抑止することが可能である。
(C)
また、上記実施形態では、各ケーブル3を保持する支柱5の保持部として、Uボルト22を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各々のケーブル3を当該ケーブル3の高さを維持し、かつ、当該ケーブル3に対して上方からかかる雪崩の沈降荷重Fを受けるように保持するものであれば、種々の形態の保持部を採用することが可能である。したがって、上記のUボルトの他にも、上方が開放された溝を有する部材であってもよく、その場合も、その溝にケーブルを挿入することにより、各々のケーブル3を下方から受けて当該ケーブル3の高さを維持、かつ、当該ケーブル3に対して上方からかかる雪崩の沈降荷重Fを受けるように保持することが可能になる。
1 雪崩減勢工
2 ケーブル固定部
3 ケーブル
4 ネット
5 支柱
6 支柱支持部
21 支柱本体
22 Uボルト(保持部)
B 進行方向
G 斜面
S 雪崩
V 谷間

Claims (4)

  1. 谷間に設置され、雪崩の勢いを減少させる雪崩減勢工であって、
    前記谷間の向かい合う斜面にそれぞれ設置されたケーブル固定部と、
    前記谷間を横断する方向に延びるように互いに異なる高さに並んで配索され、両端部が前記ケーブル固定部に固定された複数本のケーブルと、
    前記谷間を横断するように設置され、前記ケーブルに支持されたネットと、
    前記谷間に設置された少なくとも1つの支柱支持部と、
    前記谷間に沿って流れる雪崩の進行方向の下流側に揺動できるように前記支柱支持部に支持された支柱であって、各々の前記ケーブルを、当該ケーブルの高さを維持し、かつ、当該ケーブルに対して上方からかかる雪崩の沈降荷重を受けるように、保持する保持部を備えた少なくとも1本の支柱と
    を備えていることを特徴とする雪崩減勢工。
  2. 前記支柱支持部は、前記谷間の向かい合う斜面にそれぞれ設置され、かつ、当該支柱支持部には、それぞれ前記支柱が支持されている、
    請求項に記載の雪崩減勢工。
  3. 前記支柱は、その先端が谷間の中央を向くように垂線に対して傾斜した状態で、前記支柱支持部にそれぞれ支持されている、
    請求項に記載の雪崩減勢工。
  4. 前記保持部は、前記ケーブルの谷間を横断する方向への移動を許すように、当該ケーブルを保持する、
    請求項に記載の雪崩減勢工。
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