JP2019167685A - 積雪用防護柵、及び積雪用防護柵の組立方法 - Google Patents

積雪用防護柵、及び積雪用防護柵の組立方法 Download PDF

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Abstract

【課題】傾倒又は立設を容易に実施することができる積雪用防護柵、及び積雪用防護柵の組立方法を提供する。【解決手段】地面9に設置して人や動物の進入抑止に用いる積雪用防護柵1であって、複数の支持部2と、複数の前記支持部2に架設される線材3と、前記線材3の端部側に接続された緊張部材と、複数の前記支持部2の間に設けられて前記線材3に取り付けられた複数の網体4とを備える。前記緊張部材は、前記線材3の緊張状態を制御するものであり、複数の前記支持部2は、前記線材3を支持し、前記線材3の架設される幅方向Yと交わる方向に延在する支柱と、前記地面9と、前記支柱との間に設けられた固定部材とをそれぞれ有し、複数の前記固定部材は、前記支柱における前記地面9に対する角度を、それぞれ独立して制御するものであることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、地面に設置して人や動物の進入抑止に用いる積雪用防護柵、及び積雪用防護柵の組立方法に関する。
従来、地面に設置して人や動物の進入抑止に用いる防護柵として、例えば特許文献1に記載の動物進入抑止柵が提案されている。また、落石等の落下物や洪水時における漂流物等の防護を目的として、例えば特許文献2〜4に記載の可倒式落下物防護装置等が提案されている。
特許文献1に開示された動物侵入抑止柵は、保護地と保護地の外側とを隔てるように間隔をあけて立設された複数の支柱と、支柱間に取り付けられる侵入抑止部材と、を備える。侵入抑止部材は、高さ方向に間隔を空けて隣接する支柱間に緊張して架け渡されるワイヤと、最下段のワイヤ及びワイヤにコイル部材を用いて取り付けられ、最下段のワイヤから保護地の外側の地面に沿い延長する亀甲金網と、を備え、最下段のワイヤは、地面からの高さが100mm以上300mm以下の位置で支柱間に架け渡されている。
特許文献2では、擁壁上の防護柵をワイヤで係留したアンカーで斜面と反対する側へ傾倒可能に立設状態を保持し、雪崩の堆積量が防護柵の高さを超える前か又は防護柵の耐荷重を超える前にワイヤが切断して保持が解除されるようにし、立設状態の保持が解除されて傾倒した防護柵を略水平以上に傾倒しないように支持するストッパーを台座に設けた可倒式落下物防護装置が開示されている。
特許文献3に開示された可倒式フェンスは、支柱と、支柱間に取り付けられたフェンス本体と、支柱をフェンス本体と共に可倒可能にベースプレート上に固定する連結金具とからなる。連結金具は、ベースプレート上に支柱の外径寸法と同間隔をあけて平行に固定された2枚の平板と、2本の転倒防止ボルトと、1本の上部支持ボルトと、1本の下部支持ボルトとからなり、支柱を軸ボルトを中心として倒したときに、支柱の上面に上部支持ボルトが当接すると共に、支柱の下面に下部支持ボルトが当接し、かくして、支柱は、フェンス本体と共に水平に倒れ、水平状態を維持する。
特許文献4に開示された落石用防護柵の格納構造は、斜面に立設した傾動可能な複数の支柱と、それら支柱間に張設した網とを備える、また、斜面に略沿って傾倒した複数の支柱と、これら複数の支柱の上を覆うシートとを備え、積雪期間は、支柱を倒してシートで覆うことにより、格納する。
特開2016−111969号公報 特開2008−019594号公報 特開2012−246694号公報 特開2013−057236号公報
ここで、人や動物の進入抑止に用いる防護柵は、例えば特許文献1に開示された動物侵入抑止柵のように、設置した後に可動させることを想定していない。このため、例えば積雪地域等に防護柵が設置された場合、積雪による荷重、又はグライドによって防護柵の劣化や倒壊を引き起こす恐れがある。これにより、積雪の度に防護柵の大幅な補修が必要となり、補修に伴う費用及び補修時間の浪費が懸念として挙げられる。また、積雪の度に防護柵を傾倒する場合、各支柱を基礎杭等から取り外す必要がある。このため、設置数の増加に伴い、膨大な作業時間を費やす必要がある。
また、特許文献2では、積雪に伴いワイヤが切断され、防護柵が傾倒することで、防護柵の劣化を抑制する旨が開示されている。しかしながら、特許文献2の開示技術では、防護柵を傾倒させる度にワイヤを切断する必要がある。このため、防護柵を再び立設させるときに、新たなワイヤの設置等が必要である。このため、設置数の増加に伴い、膨大な作業時間を費やす必要がある。また、予め傾倒させておけないため、グライドのような急激に荷重が作用する場合や、ワイヤが適切に切断されない場合等の予期せぬ事態に対応することが難しいため、積雪の度に防護柵の大幅な補修が必要となる恐れがある。
また、特許文献3では、一対の支柱と、その間に取りつけられたフェンス本体とを共に傾倒させることができる旨が開示されている。しかしながら、一対の支柱、及びフェンス本体を一度に傾倒させる必要がある。このため、1人で傾倒及び立設させることが困難であることに加え、設置数の増加に伴い、膨大な作業時間を費やす必要がある。また、一対の支柱及びフェンス本体は、立設状態から垂直の位置に傾倒することを想定している。このため、斜面等の多い積雪地域に設置した場合、傾倒する角度を制御できないため、積雪による荷重等に伴う劣化や倒壊を防ぐことができない恐れがある。
また、特許文献4では、各支柱が、連結部に設けられたロープ装置により支持される。このため、防護柵を傾倒又は立設させるとき、各ロープ装置を制御する必要がある。このため、設置数の増加に伴い、膨大な作業時間を費やす必要がある。
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであって、その目的とするところは、傾倒又は立設を容易に実施することができる積雪用防護柵、及び積雪用防護柵の組立方法を提供することにある。
第1発明に係る積雪用防護柵は、地面に設置して人や動物の進入抑止に用いる積雪用防護柵であって、複数の支持部と、複数の前記支持部に架設される線材と、前記線材の端部側に接続された緊張部材と、複数の前記支持部の間に設けられて前記線材に取り付けられた複数の網体とを備え、前記緊張部材は、前記線材の緊張状態を制御するものであり、複数の前記支持部は、前記線材を支持し、前記線材の架設される幅方向と交わる方向に延在する支柱と、前記地面と、前記支柱との間に設けられた固定部材とをそれぞれ有し、複数の前記固定部材は、前記支柱における前記地面に対する角度を、それぞれ独立して制御するものであることを特徴とする。
第2発明に係る積雪用防護柵は、第1発明において、複数の前記固定部材は、前記幅方向に延在して前記支柱に挿通し、前記支柱の回動軸である軸部材を有し、前記線材の緊張状態で、前記支柱の立設状態を維持し、前記線材の弛緩状態で、前記支柱の傾倒状態を維持するものであることを特徴とする。
第3発明に係る積雪用防護柵は、第2発明において、前記支柱は、前記固定部材と隣接し、前記幅方向と交わる面に形成された支柱孔を有し、前記固定部材は、前記幅方向と交わる面に形成された第1孔を有し、前記支柱の前記立設状態で、前記支柱孔は、前記第1孔と重なる位置に形成されることを特徴とする。
第4発明に係る積雪用防護柵は、第3発明において、前記固定部材は、前記幅方向と交わる面に形成された第2孔を有し、前記支柱の前記傾倒状態で、前記支柱孔は、前記第2孔と重なる位置に形成されることを特徴とする。
第5発明に係る積雪用防護柵は、第4発明において、前記第1孔は、前記支柱孔と同径の丸孔であり、前記第2孔は、前記第1孔よりも大きく形成され、長孔であることを特徴とする。
第6発明に係る積雪用防護柵は、第1発明〜第5発明の何れかにおいて、前記線材は、複数の前記支持部の上端側に架設された第1線材と、前記第1線材と、前記地面との間における複数の前記支持部に架設された第2線材とを有することを特徴とする。
第7発明に係る積雪用防護柵は、第2発明において、前記支柱は、前記幅方向と交わる方向に延在し、前記軸部材を挿通する軸孔を有し、前記固定部材は、前記地面内に設けられ、前記支柱の下端部を固定する凹部を有し、前記下端部は、前記支柱の前記立設状態で、前記凹部に固定され、前記支柱の前記傾倒状態で、前記凹部の上方に配置されることを特徴とする。
第8発明に係る積雪用防護柵は、第2発明において、前記支持部は、前記幅方向に延在して前記支柱に挿通する係止部材を有し、前記固定部材は、前記幅方向と交わる面に設けられたガイド部材と、前記ガイド部材に形成され、前記幅方向と交わる方向に延在する第1凹部と、前記ガイド部材に形成され、前記幅方向と交わり前記第1凹部とは異なる方向に延在する第2凹部とを有し、前記係止部材は、前記支柱の前記立設状態で、前記第1凹部に係止され、前記支柱の前記傾倒状態で、前記第2凹部に係止されることを特徴とする。
第9発明に係る積雪用防護柵の組立方法は、第1発明〜第8発明の何れかにおける積雪用防護柵の組立方法であって、前記緊張部材を介して、前記線材の緊張状態を制御する線材制御工程と、複数の前記固定部材を介して、それぞれ独立して前記支柱における前記地面に対する角度を制御する支柱制御工程とを備えることを特徴とする。
第1発明〜第8発明によれば、線材は、複数の支持部に架設される。すなわち、線材を支持する支柱間の距離が変動した場合においても、線材を追従させることができる。また、複数の固定部材は、支柱における地面に対する角度を、それぞれ独立して制御するものである。このため、例えば各支柱の傾倒作業又は立設作業を、1人でも容易に行える。これにより、積雪用防護柵の傾倒又は立設を容易に実施することができる。
また、第1発明〜第8発明によれば、複数の固定部材は、支柱における地面に対する角度を、それぞれ独立して制御するものである。このため、傾斜部や段差部等の地面に支持部を設置した場合においても、支持部毎に任意の角度に制御することで、地面に沿って傾倒させることができる。これにより、積雪による荷重、又はグライドに起因する劣化や倒壊を抑制することができる。従って、積雪の度に大幅な補修を抑制でき、補修に伴う費用及び補修時間の大幅な削減を実現することが可能となる。
特に、第2発明によれば、固定部材は、支柱の回動軸である軸部材を有する。また、固定部材は、線材の緊張状態で、支柱の立設状態を維持し、線材の弛緩状態で、支柱の傾倒状態を維持するものである。このため、線材の緊張状態を制御した上で、各支柱の傾倒作業又は立設作業を容易に行うことができる。これにより、傾倒作業又は立設作業に費やす時間を削減することが可能となる。
特に、第3発明によれば、支柱の立設状態で、支柱孔は、第1孔と重なる位置に形成される。このため、支柱孔及び第1孔を挿通する挿通部材等を用いることで、容易に支柱の立設状態を維持することができる。また、挿通部材等を引き抜くことで、容易に支柱の立設状態を解除することができる。これにより、傾倒作業又は立設作業に費やす時間を削減することが可能となる。
特に、第4発明によれば、支柱の傾倒状態で、支柱孔は、第2孔と重なる位置に形成される。このため、支柱孔及び第2孔を挿通する挿通部材等を用いることで、容易に支柱の傾倒状態を維持することができる。また、挿通部材等を引き抜くことで、容易に支柱の傾倒状態を解除することができる。これにより、傾倒作業又は立設作業に費やす時間をさらに削減することが可能となる。上記に加え、グライド等に伴う支柱の起き上がりを防ぐことができる。これにより、早期劣化を抑制することが可能となる。
特に、第5発明によれば、第2孔は、長孔である。このため、支柱孔と第2孔との重なる範囲を広げることができる。これにより、支柱の傾倒状態を維持する角度の自由度を高めることが可能となる。
特に、第6発明によれば、線材は、第1線材と、第2線材とを有する。このため、線材毎に異なる緊張状態を与えることで、各支柱の急激な回動等を抑制することができる。これにより、傾倒作業に伴う事故を防止することが可能となる。
特に、第7発明によれば、支柱の立設状態で、下端部は凹部に固定され、支柱の傾倒状態で、下端部は凹部の上方に配置される。このため、支柱の傾倒状態又は立設状態を維持するときに、挿通部材等の特別な部材や、孔の形成を必要としない。これにより、製造工程における工程削減を実現することが可能となる。
特に、第8発明によれば、係止部材は、支柱の立設状態で、第1凹部に係止され、支柱の傾倒状態で、第2凹部に係止される。このため、係止部材が係止される場所(第1凹部又は第2凹部)を変更することで、支柱の傾倒状態又は立設状態を容易に変更できる。これにより、傾倒作業又は立設作業に費やす時間をさらに削減することが可能となる。
特に、第9発明によれば、線材制御工程は、緊張部材を介して、線材の緊張状態を制御する。このため、複数の支持部に架設された線材の緊張状態を制御することで、支柱制御工程を1人でも容易に行うことができる。これにより、積雪用防護柵の組立(傾倒又は立設)の作業を容易に実施することができる。
また、第9発明によれば、支柱制御工程は、複数の固定部材を介して、それぞれ独立して支柱における地面に対する角度を制御する。このため、傾斜部や段差部等の地面に支持部を設置した場合においても、支持部毎に任意の角度に制御することで、地面に沿って傾倒させることができる。これにより、積雪による荷重、又はグライドに起因する劣化や倒壊を抑制することができる。従って、積雪の度に大幅な補修を抑制でき、補修に伴う費用及び補修時間の大幅な削減を実現することが可能となる。
本発明を適用した積雪用防護柵の一例を示す斜視図である。 緊張部材の一例を示す側面図である。 支持部における立設状態の一例を示す斜視図である。 (a)は、支持部における立設状態の一例を示す側面図であり、(b)は、(a)の4B枠における拡大図であり、(c)は、支柱及び固定部材の一例を示す側面図である。 (a)は、支持部における傾倒状態の一例を示す側面図であり、(b)は、(a)の5B枠における拡大図である。 本発明を適用した積雪用防護柵の組立方法の一例を示す斜視図である。 本発明を適用した積雪用防護柵の組立方法の一例を示す斜視図である。 本発明を適用した積雪用防護柵における傾倒状態の一例を示す斜視図である。 (a)は、支持部の第1変形例における立設状態を示す側面図であり、(b)は、支持部の第1変形例における傾倒状態を示す側面図である。 (a)は、支持部の第2変形例における立設状態を示す側面図であり、(b)は、支持部の第2変形例における傾倒状態を示す側面図であり、(c)は、支柱内部を示す断面図である。
(積雪用防護柵1)
以下、本発明を適用した積雪用防護柵1を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下において、積雪用防護柵1が設けられる方向を幅方向Y、積雪用防護柵1により隔てられた各敷地91、92を跨ぐ方向を奥行方向X、地面9に対して垂直方向を高さ方向Zとする。
積雪用防護柵1は、図1に示すように、地面9に設置して人や動物の進入抑止に用いられる。積雪用防護柵1は、例えば人や動物の進入から保護する対象となる鉄道や道路、農地や林地等が設けられる保護地91と、保護地91以外の敷地92とを奥行方向Xに隔てるために用いられる。
積雪用防護柵1は、特に積雪地域に設置され、積雪前に傾倒され、積雪後に立設される。このため、積雪による荷重、又はグライドに起因する劣化や倒壊を抑制することができる。
積雪用防護柵1は、傾倒する角度を任意に設定することができる。このため、地面9が平地部のほか、例えば傾斜部に積雪用防護柵1を設置した場合においても、積雪等の影響を最小限に抑えることができる。
積雪用防護柵1は、図1及び図2に示すように、複数の支持部2と、線材3と、複数の網体4と、緊張部材5とを備える。積雪用防護柵1は、必要な距離に応じて任意の数の支持部2及び網体4を備えることができる。
<支持部2>
複数の支持部2は、図1に示すように、幅方向Yに沿って任意の間隔で配置される。なお、各支持部2は、幅方向Yに沿って平行に配置されるほか、例えば奥行方向Xにずれて配置されてもよい。
<線材3>
線材3は、複数の支持部2に架設される。線材3は、例えば配置された全ての支持部2に対して連続して架設されるほか、例えば3つ以上の支持部2に対して連続して架設される。線材3として、例えばワイヤやロープ等が用いられる。
線材3は、例えば第1線材31と、第2線材32とを有する。第1線材31は、複数の支持部2における高さ方向Zの上端側に架設される。第2線材32は、第1線材31と、地面9との間における複数の支持部2に架設される。線材3は、例えば第1線材31に隣接して複数の支持部2に架設された第3線材33を有してもよい。
<網体4>
複数の網体4は、それぞれ一対の支持部2の間に設けられて線材3に取り付けられる。網体4は、例えば第1線材31から第2線材32に向けて延在し、一端を敷地92に接して設けられてもよい。
網体4として、例えば亀甲金網が用いられる。このため、線材3への負荷を抑制した状態で、人や動物の進入を抑止することができる。また、一対の支持部2の間に設けられた各網体4は、高さ方向Zに延在する切り込みを有してもよいほか、幅方向Yに別体で設けられてもよい。この場合、保護地91に入る必要のある作業者等が、容易に敷地92と保護地91との間を行き来することができる。
<緊張部材5>
緊張部材5は、図2に示すように、線材3の端部側に接続される。緊張部材5は、線材3の緊張状態を制御するものである。ここで、「緊張状態を制御」とは、線材3に作用する張力を制御することを示し、線材3に作用する張力を大きくすることで緊張状態を維持し、線材3に作用する張力を小さくすることで弛緩状態を維持する。
緊張部材5は、例えば線材3の両端に接続され、地面9に打設された固定具6等を介して、地面9に固定される。緊張部材5は、例えば幅方向Yに沿って最も外側に設けられた支柱部2eの外側に設けられる。線材3が第1線材31、第2線材32、及び第3線材33を有するとき、緊張部材5は、各線材31、32、33の両端にそれぞれ接続され、合計6つ用いられる。
緊張部材5は、例えば一端に設けられた第1接続部51と、他端に設けられた第2接続部52とを有する。第1接続部51は、線材3の端部に固定される。第2接続部52は、例えばリング状又はフック状に形成され、固定具6の固定具本体61に設けられた環状部62に固定される。緊張部材5として、例えばターンバックルが用いられる。
(支持部2の一例)
支持部2は、図3に示すように、支柱21と、固定部材22とを有する。支持部2は、例えば架橋部23と、固設部材24とを有してもよい。
<支柱21>
支柱21は、線材3を支持し、幅方向Yと交わる方向(奥行方向X又は高さ方向Z)に延在する。支柱21は、例えば架橋部23を介して線材3を支持する。支柱21は、例えば線材3を挿通する孔を有し、孔を介して線材3を支持してもよい。支柱21として、例えば50mm角程度の角形鋼管が用いられる。支柱21の延在する長さは、例えば500mm〜2000mm程度であり、用途に応じて設定できる。
支柱21は、例えば図4(c)に示すように、支柱孔21aと、軸孔21hとを有する。支柱孔21a及び軸孔21hは、支柱21の下端部21eに形成される。支柱孔21aは、固定部材22と隣接し、幅方向Yと交わる面に形成される。軸孔21hは、支柱孔21aと同一面に形成される。軸孔21hは、例えば支柱孔21aよりも基端側に形成される。軸孔21hは、例えば支柱孔21aの径よりも大きい径を有し、例えば10mm〜30mm程度の径を有する。
支柱21は、図4(a)に示すように、立設状態のときに高さ方向Zに延在する。支柱21は、図5(a)に示すように、傾倒状態のときに奥行方向Xに延在する。なお、傾倒状態における支柱21は、奥行方向Xに対して平行に延在するほか、立設状態に比べて地面9に対する角度が小さければよい。なお、ここで「角度」とは、支柱21の延在する方向が、地面9と平行な奥行方向Xの場合に0°とし、地面9に対して垂直な高さ方向Zの場合に90°とする。このため、「角度」のうち最も大きい値は90°を示す。他方、支持部2が地面9の段差部等に設けられる場合には、「角度」のうち最も小さい値は0°以下を示すこともあり得る。例えば立設状態における支柱21の地面9に対する角度が90°の場合、傾倒状態における支柱21の地面9に対する角度は、90°未満であり、好ましくは0°以下、さらに好ましくは−10°以下である。
<固定部材22>
固定部材22は、図4に示すように、地面9と、支柱21との間に設けられる。固定部材22は、例えば2枚の平板により形成され、支柱21の下端部21eを幅方向Yに沿って挟む。固定部材22は、例えば軸孔22hと、軸部材22rとを有する。軸孔22hは、支柱21の軸孔21hと重なる位置に形成される。軸孔22hは、例えば軸孔21hと同径の丸孔である。軸部材22rは、幅方向Yに延在して各軸孔21h、22hに挿通する。軸部材22rは、支柱21の回動軸である。
固定部材22は、例えば第1孔22aと、第2孔22bとを有する。第1孔22aは、例えば支柱孔21aと同径の丸孔である。第2孔22bは、第1孔22aよりも大きく形成され、例えば長孔である。
固定部材22は、支柱21における地面9に対する角度を制御するものであり、他の支持部2の有する固定部材22とは独立して制御する。固定部材22は、線材3の緊張状態で、支柱21の立設状態を維持するものである。また、固定部材22は、線材3の弛緩状態で、支柱21の傾倒状態を維持するものである。
支柱21の立設状態で、支柱孔21aは、第1孔22aと重なる位置に形成される(図4(b))。このとき、支柱孔21a及び第1孔22aには、挿通部材25が挿通される。これにより、支柱21の立設状態が維持される。挿通部材25として、例えばボルトやピンが用いられる。
支柱21の傾倒状態で、支柱孔21aは、第2孔22bと重なる位置に形成される(図5(b))。このとき、支柱孔21a及び第2孔22bには、挿通部材25が挿通される。これにより、支柱21の傾倒状態が維持される。
<架橋部23>
架橋部23は、支柱21に取り付けられ、線材3と接する。架橋部23の数は、線材3の数に依存する。例えば線材3が第1線材31、第2線材32、及び第3線材33を有する場合、架橋部23は、各支柱21の上端側、下端側、及びその中間に3つ取り付けられる。架橋部23は、例えば2枚の接合された平板を有し、各平板の間に線材3を挟むように形成される。なお、架橋部23は、例えば線材3を挿通する孔を有してもよく、線材3が完全に固定されずに滑動できる構成であれば任意である。
<固設部材24>
固設部材24は、例えば基礎7を介して地面9に固設される。固設部材24は、例えば固定部材22と溶接接合等を用いて接合される。固設部材24は、固定部材22を固定できる構成であれば任意である。固設部材24として、例えば厚さ350mm程度の3角形状の板が用いられ、各頂点付近の部分が基礎7と接合されることで地面9に固設される。
(積雪用防護柵1の組立方法)
次に、本発明を適用した積雪用防護柵1の組立方法の一例について説明する。
本発明を適用した積雪用防護柵1の組立方法は、線材制御工程と、支柱制御工程とを備える。線材制御工程は、緊張部材5を介して、線材3の緊張状態を制御する。支柱制御工程は、複数の固定部材22を介して、それぞれ独立して支柱21における地面9に対する角度を制御する。線材制御工程及び支柱制御工程を行うことで、各支柱21の傾倒作業又は立設作業を、1人でも容易に行える。以下、傾倒作業及び立設作業について説明する。
<傾倒作業>
傾倒作業は、例えば、積雪前に行われると良い。傾倒作業は、例えば図1に示すように、各支持部2における支柱21の立設状態から実施する。傾倒作業では、線材制御工程の有する弛緩工程を実施したあと、支柱制御工程の有する傾倒工程を実施する。傾倒工程は、以下に説明する第1工程、第2工程、及び第3工程を複数の支持部2のそれぞれに対して順番に実施する。
弛緩工程は、緊張部材5を介して、線材3を弛緩させる。このとき線材3は、弛んだ状態で、各支柱21に架設される。なお、例えば第1線材31と、第2線材32との弛緩させる度合い(作用する張力)を異ならせてもよい。
次に、第1工程を実施する。第1工程は、複数の支持部2のうち、1つの支持部2の有する支柱孔21a及び第1孔22aに挿通された挿通部材25を引き抜く。例えば図4(b)に示す挿通部材25を引き抜くことで、支柱21は、軸部材22rを回動軸として回動可能な状態となる。
次に、第2工程を実施する。第2工程は、支柱21を傾倒させる。第2工程では、例えば図5(b)に示す矢印の方向に支柱21を回動し、保護地91側に傾倒する。このとき、支柱21に支持される線材3が弛んだ状態のため、立設状態の支柱21と、傾倒状態の支柱21との間における線材3の長さは、容易に変更させることができる。これにより、第2工程では、例えば図6に示すように、1つの支柱21のみを傾倒させることができる。
次に、第3工程を実施する。第3工程は、支柱孔21a及び第2孔22bに挿通部材25を挿通する。これにより、支柱21の傾倒状態を維持することができる。例えば図5(b)に示すように、第2孔22bが長孔の場合、支柱孔21aが第2孔22bと重なる範囲を広げることができる。なお、第3工程は、省略してもよい。この場合、挿通部材25は、支柱孔21a及び第2孔22bに挿通せずに回収するほか、例えば支持部2等に挿通部材25の保管部を設けてもよい。
その後、例えば図7に示すように、第1工程、第2工程、及び第3工程を複数の支持部2のそれぞれに対して順番に実施することで、傾倒作業が完了する。
なお、上記では支柱21を保護地91側に傾倒する場合について説明したが、例えば敷地92側に傾倒してもよい。この場合、例えば図1に示した積雪用防護柵1は、奥行方向Xに沿って反対向きに配置される。以降の説明においても同様である。
<立設作業>
立設作業は、例えば、融雪後に行うと良い。立設作業は、例えば図8に示すように、各支持部2における支柱21の傾倒状態から実施する。立設作業では、支柱制御工程の有する立設工程を実施する。立設工程は、以下に説明する第4工程、第5工程、及び第6工程を複数の支持部2のそれぞれに対して順番に実施する。その後、線材制御工程の有する緊張工程を実施する。
第4工程は、複数の支持部2のうち、1つの支持部2の有する支柱孔21a及び第2孔22bに挿通された挿通部材25を引き抜く。例えば図5(b)に示す挿通部材25を引き抜くことで、支柱21は、軸部材22rを回動軸として回動可能な状態となる。
次に、第5工程を実施する。第5工程は、支柱21を立設させる。第5工程では、例えば図5(b)に示す矢印の反対方向に支柱21を回動する。これにより、支柱21が立設状態となる。
次に、第6工程を実施する。第6工程は、支柱孔21a及び第1孔22aに挿通部材25を挿通する。これにより、支柱21の立設状態を維持することができる。
その後、第4工程、第5工程、及び第6工程を複数の支持部2のそれぞれに対して順番に実施する。
次に、緊張工程を実施する。緊張工程は、緊張部材5を介して、線材3を緊張させる。このとき、線材3は、緊張状態で各支柱21に架設される。これにより、立設作業が完了する。
本発明を適用した積雪用防護柵1によれば、線材3は、複数の支持部2に架設される。すなわち、線材3を支持する支柱21間の距離が変動した場合においても、線材3を追従させることができる。また、複数の固定部材22は、支柱21における地面9に対する角度を、それぞれ独立して制御するものである。このため、例えば各支柱21の傾倒作業又は立設作業を、1人でも容易に行える。これにより、積雪用防護柵1の傾倒又は立設を容易に実施することができる。
また、本発明を適用した積雪用防護柵1によれば、複数の固定部材22は、支柱21における地面9に対する角度を、それぞれ独立して制御するものである。このため、傾斜部や段差部等の地面9に支持部2を設置した場合においても、支持部2毎に任意の角度に制御することで、地面9に沿って傾倒させることができる。これにより、積雪による荷重、又はグライドに起因する劣化や倒壊を抑制することができる。従って、積雪の度に大幅な補修を抑制でき、補修に伴う費用及び補修時間の大幅な削減を実現することが可能となる。
また、本発明を適用した積雪用防護柵1によれば、固定部材22は、支柱21の回動軸である軸部材22rを有する。また、固定部材22は、線材3の緊張状態で、支柱21の立設状態を維持し、線材3の弛緩状態で、支柱21の傾倒状態を維持するものである。このため、線材3の緊張状態を制御した上で、各支柱21の傾倒作業又は立設作業を容易に行うことができる。これにより、傾倒作業又は立設作業に費やす時間を削減することが可能となる。
また、本発明を適用した積雪用防護柵1によれば、支柱21の立設状態で、支柱孔21aは、第1孔22aと重なる位置に形成される。このため、支柱孔21a及び第1孔22aを挿通する挿通部材25等を用いることで、容易に支柱21の立設状態を維持することができる。また、挿通部材25等を引き抜くことで、容易に支柱21の立設状態を解除することができる。これにより、傾倒作業又は立設作業に費やす時間を削減することが可能となる。
また、本発明を適用した積雪用防護柵1によれば、支柱21の傾倒状態で、支柱孔21aは、第2孔22bと重なる位置に形成される。このため、支柱孔21a及び第2孔22bを挿通する挿通部材25等を用いることで、容易に支柱21の傾倒状態を維持することができる。また、挿通部材25等を引き抜くことで、容易に支柱21の傾倒状態を解除することができる。これにより、傾倒作業又は立設作業に費やす時間をさらに削減することが可能となる。上記に加え、グライド等に伴う支柱21の起き上がりを防ぐことができる。これにより、早期劣化を抑制することが可能となる。
また、本発明を適用した積雪用防護柵1によれば、第2孔22bは、長孔である。このため、支柱孔21aと第2孔22bとの重なる範囲を広げることができる。これにより、支柱21の傾倒状態を維持する角度の自由度を高めることが可能となる。別の言い方をすれば、様々な傾斜においても傾倒状態を維持することを可能とする。
また、本発明を適用した積雪用防護柵1によれば、線材3は、第1線材31と、第2線材32とを有する。このため、線材3毎に異なる緊張状態を与えることで、各支柱21の急激な回動等を抑制することができる。これにより、傾倒作業に伴う事故を防止することが可能となる。
また、本発明を適用した積雪用防護柵1の組立方法によれば、線材制御工程は、緊張部材5を介して、線材3の緊張状態を制御する。このため、複数の支持部2に架設された線材3の緊張状態を制御することで、支柱制御工程を1人でも容易に行うことができる。これにより、積雪用防護柵1の組立(傾倒又は立設)の作業を容易に実施することができる。
また、本発明を適用した積雪用防護柵1の組立方法によれば、支柱制御工程は、複数の固定部材22を、それぞれ独立して支柱21における地面9に対する角度を制御する。このため、傾斜部や段差部等の地面9に支持部2を設置した場合においても、支持部2毎に任意の角度に制御することで、地面9に沿って傾倒させることができる。これにより、積雪による荷重、又はグライドに起因する劣化や倒壊を抑制することができる。従って、積雪の度に大幅な補修を抑制でき、補修に伴う費用及び補修時間の大幅な削減を実現することが可能となる。
また、本発明を適用した積雪用防護柵1の組立方法によれば、例えば第3工程として、支柱21及び第2孔22bに挿通部材25を挿通してもよい。このとき、容易に支柱21の傾倒状態を維持することができる。また、挿通部材25を引き抜くことで、容易に支柱21の傾倒状態を解除することができる。これにより、積雪用防護柵1の組立の作業に費やす時間をさらに削減することが可能となる。
また、本発明を適用した積雪用防護柵1の組立方法によれば、例えば第6工程として、支柱21及び第1孔22aに挿通部材25を挿通してもよい。このとき、容易に支柱21の立設状態を維持することができる。また、挿通部材25を引き抜くことで、容易に支柱21の立設状態を解除することができる。これにより、積雪用防護柵1の組立の作業に費やす時間をさらに削減することが可能となる。
(支持部2の第1変形例)
次に、支持部2の第1変形例について説明する。上述した支持部2の一例と、第1変形例との違いは、軸孔21hが長孔である点、固定部材22が凹部22cを有する点、及び、固定部材22が第1孔22aと第2孔22bとを有しない点、である。なお、上述した各構成と同様の場合は、適宜説明を省略する。
支柱21の有する軸孔21hは、例えば図9に示すように、幅方向Yと交わる方向(支柱21の延在する方向)に延在し、軸部材22rを挿通する。固定部材22の有する凹部22cは、地面9内に設けられる。
例えば支柱21が立設状態のとき、支柱21の下端部21eは、凹部22c内に設けられる。このとき、凹部22cは、下端部21eを固定する。これにより、支柱21の立設状態が維持される。支柱21の傾倒状態で、下端部21eは、凹部22cの上方に配置される。
例えば図9(a)に示すように、支柱21を矢印の方向(高さ方向Z)に引き上げることで、下端部21eは、凹部22cから引き上げられる。これにより、支柱21は、軸部材22rを回動軸として回動可能な状態となる。この状態で、例えば図9(b)に示す矢印の方向に支柱21を回動することで、支柱21を傾倒させることができる。
本発明を適用した積雪用防護柵1の備える支持部2の第1変形例によれば、上記と同様に、線材3は、複数の支持部2に架設される。すなわち、線材3を支持する支柱21間の距離が変動した場合においても、線材3を追従させることができる。また、複数の固定部材22は、支柱21における地面9に対する角度を、それぞれ独立して制御するものである。このため、例えば各支柱21の傾倒作業又は立設作業を、1人でも容易に行える。これにより、積雪用防護柵1の傾倒又は立設を容易に実施することができる。
本発明を適用した積雪用防護柵1の備える支持部2の第1変形例によれば、上記と同様に、複数の固定部材22は、支柱21における地面9に対する角度を、それぞれ独立して制御するものである。このため、傾斜部や段差部等の地面9に支持部2を設置した場合においても、支持部2毎に任意の角度に制御することで、地面9に沿って傾倒させることができる。これにより、積雪による荷重、又はグライドに起因する劣化や倒壊を抑制することができる。従って、積雪の度に大幅な補修を抑制でき、補修に伴う費用及び補修時間の大幅な削減を実現することが可能となる。
また、本発明を適用した積雪用防護柵1の備える支持部2の第1変形例によれば、支柱21の立設状態で、下端部21eは凹部22cに固定され、支柱21の傾倒状態で、下端部21eは凹部22cの上方に配置される。このため、支柱21の立設状態又は傾倒状態を維持するときに、挿通部材25等の特別な部材や、孔の形成を必要としない。これにより、製造工程における工程削減を実現することが可能となる。
(支持部2の第2変形例)
次に、支持部2の第2変形例について説明する。上述した支持部2の一例と、第2変形例との違いは、支柱21が係止部材21sと、係止孔21tとを有する点、及び、固定部材22がガイド部材22dと、第1凹部22fと、第2凹部22sとを有する点、及び、固定部材22が第1孔22aと第2孔22bとを有しない点、である。なお、上述した各構成と同様の場合は、適宜説明を省略する。
支柱21の有する係止部材21sは、例えば図10に示すように、係止孔21tに挿通し、幅方向Yに延在する。係止部材21sは、例えば図10(c)に示すように、支柱21内に設けられた弾性部材21uと接続される。弾性部材21uは、例えば軸部材22rと接続される。このため、軸部材22rと離間する方向(図10(a)の矢印方向)に係止部材21sを移動させた場合、係止部材21sには、軸部材22r側に引き戻す力が作用する。
固定部材22の有するガイド部材22dは、幅方向Yと交わる面に設けられ、例えば円盤状を有する。第1凹部22fは、ガイド部材22dに形成され、幅方向Yと交わる方向に延在する。第2凹部22sは、ガイド部材22dに形成され、幅方向Yと交わり第1凹部22fとは異なる方向に延在する。図10(a)では、第1凹部22fは高さ方向Zに延在し、第2凹部22sは奥行方向Xに延在する。すなわち、第1凹部22fは、支柱21の立設する方向に延在し、第2凹部22sは、支柱21の傾倒する方向に延在する。
例えば支柱21が立設状態のとき、係止部材21sは第1凹部22fに係止される。これにより、支柱21の立設状態が維持される。
例えば図10(a)に示すように、係止部材21sを矢印の方向(高さ方向Z)に引き上げることで、支柱21は、軸部材22rを回動軸として回動可能な状態となる。この状態で、例えば図10(b)に示す矢印の方向に支柱21を回動することで、支柱21を傾倒させることができる。また、係止部材21sが第2凹部22sの方向に引き戻されることで、支柱21の傾倒状態が維持される。
本発明を適用した積雪用防護柵1の備える支持部2の第2変形例によれば、上記と同様に、線材3は、複数の支持部2に架設される。すなわち、線材3を支持する支柱21間の距離が変動した場合においても、線材3を追従させることができる。また、複数の固定部材22は、支柱21における地面9に対する角度を、それぞれ独立して制御するものである。このため、例えば各支柱21の傾倒作業又は立設作業を、1人でも容易に行える。これにより、積雪用防護柵1の傾倒又は立設を容易に実施することができる。
本発明を適用した積雪用防護柵1の備える支持部2の第2変形例によれば、上記と同様に、複数の固定部材22は、支柱21における地面9に対する角度を、それぞれ独立して制御するものである。このため、傾斜部や段差部等の地面9に支持部2を設置した場合においても、支持部2毎に任意の角度に制御することで、地面9に沿って傾倒させることができる。これにより、積雪による荷重、又はグライドに起因する劣化や倒壊を抑制することができる。従って、積雪の度に大幅な補修を抑制でき、補修に伴う費用及び補修時間の大幅な削減を実現することが可能となる。
また、本発明を適用した積雪用防護柵1の備える支持部2の第2変形例によれば、係止部材21sは、支柱21の立設状態で、第1凹部22fに係止され、支柱21の傾倒状態で、第2凹部22sに係止される。このため、係止部材21sが係止される場所(第1凹部22f又は第2凹部22s)を変更することで、支柱21の立設状態又は傾倒状態を容易に変更できる。これにより、傾倒作業又は立設作業に費やす時間をさらに削減することが可能となる。
以上、本発明の実施形態の例について詳細に説明したが、上述した実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならない。
1 :積雪用防護柵
2、2e:支持部
21 :支柱
21a :支柱孔
21e :下端部
21h :軸孔
21s :係止部材
21t :係止孔
21u :弾性部材
22 :固定部材
22a :第1孔
22b :第2孔
22c :凹部
22d :ガイド部材
22f :第1凹部
22h :軸孔
22r :軸部材
22s :第2凹部
23 :架橋部
24 :固設部材
25 :挿通部材
3 :線材
31 :第1線材
32 :第2線材
33 :第3線材
4 :網体
5 :緊張部材
51 :第1接続部
52 :第2接続部
6 :固定具
61 :固定具本体
62 :環状部
7 :基礎
9 :地面
91 :保護地
92 :敷地
X :奥行方向
Y :幅方向
Z :高さ方向

Claims (9)

  1. 地面に設置して人や動物の進入抑止に用いる積雪用防護柵であって、
    複数の支持部と、複数の前記支持部に架設される線材と、前記線材の端部側に接続された緊張部材と、複数の前記支持部の間に設けられて前記線材に取り付けられた複数の網体とを備え、
    前記緊張部材は、前記線材の緊張状態を制御するものであり、
    複数の前記支持部は、
    前記線材を支持し、前記線材の架設される幅方向と交わる方向に延在する支柱と、
    前記地面と、前記支柱との間に設けられた固定部材と
    をそれぞれ有し、
    複数の前記固定部材は、前記支柱における前記地面に対する角度を、それぞれ独立して制御するものであること
    を特徴とする積雪用防護柵。
  2. 複数の前記固定部材は、
    前記幅方向に延在して前記支柱に挿通し、前記支柱の回動軸である軸部材を有し、
    前記線材の緊張状態で、前記支柱の立設状態を維持し、
    前記線材の弛緩状態で、前記支柱の傾倒状態を維持するものであること
    を特徴とする請求項1記載の積雪用防護柵。
  3. 前記支柱は、前記固定部材と隣接し、前記幅方向と交わる面に形成された支柱孔を有し、
    前記固定部材は、前記幅方向と交わる面に形成された第1孔を有し、
    前記支柱の前記立設状態で、前記支柱孔は、前記第1孔と重なる位置に形成されること
    を特徴とする請求項2記載の積雪用防護柵。
  4. 前記固定部材は、前記幅方向と交わる面に形成された第2孔を有し、
    前記支柱の前記傾倒状態で、前記支柱孔は、前記第2孔と重なる位置に形成されること
    を特徴とする請求項3記載の積雪用防護柵。
  5. 前記第1孔は、前記支柱孔と同径の丸孔であり、
    前記第2孔は、前記第1孔よりも大きく形成され、長孔であること
    を特徴とする請求項4記載の積雪用防護柵。
  6. 前記線材は、
    複数の前記支持部の上端側に架設された第1線材と、
    前記第1線材と、前記地面との間における複数の前記支持部に架設された第2線材と
    を有することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項記載の積雪用防護柵。
  7. 前記支柱は、前記幅方向と交わる方向に延在し、前記軸部材を挿通する軸孔を有し、
    前記固定部材は、前記地面内に設けられ、前記支柱の下端部を固定する凹部を有し、
    前記下端部は、
    前記支柱の前記立設状態で、前記凹部に固定され、
    前記支柱の前記傾倒状態で、前記凹部の上方に配置されること
    を特徴とする請求項2記載の積雪用防護柵。
  8. 前記支持部は、前記幅方向に延在して前記支柱に挿通する係止部材を有し、
    前記固定部材は、
    前記幅方向と交わる面に設けられたガイド部材と、
    前記ガイド部材に形成され、前記幅方向と交わる方向に延在する第1凹部と、
    前記ガイド部材に形成され、前記幅方向と交わり前記第1凹部とは異なる方向に延在する第2凹部と
    を有し、
    前記係止部材は、
    前記支柱の前記立設状態で、前記第1凹部に係止され、
    前記支柱の前記傾倒状態で、前記第2凹部に係止されること
    を特徴とする請求項2記載の積雪用防護柵。
  9. 請求項1〜8の何れか1項記載の積雪用防護柵の組立方法であって、
    前記緊張部材を介して、前記線材の緊張状態を制御する線材制御工程と、
    複数の前記固定部材を介して、それぞれ独立して前記支柱における前記地面に対する角度を制御する支柱制御工程と
    を備えることを特徴とする積雪用防護柵の組立方法。
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