JP5236104B1 - 防護柵 - Google Patents

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Abstract

【課題】防護柵のコストの低減と、斜面の起伏の影響を受けずに設置でき、荷重バランスが自然に取れる防護柵を提供すること。
【解決手段】半球ベースを介して旋回自在に立設した支柱と、防護ネットとを具備する防護柵であって、防護ネットは方形を呈する複数のフリーネットからなり、前記フリーネットは方形を呈する網体と、前記網体の底辺、および左右の側辺に連続して設けた開放枠ロープとを具備した半完成品のフリーネットと、前記網体の上辺に後付して設けする上辺枠ロープとからなり、前記開放枠ロープを山側アンカーに摺動自在に係留したことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は雪崩等の静的荷重や落石等の動的荷重を支持吸収する防護柵に関する。
図12,13に示すように、所定の間隔を隔てて立設した支柱80間に、平面形状が三角形を呈する三角ネット91を正逆交互に組み合わせて連結した帯状の防護ネット90を張り巡らし、防護ネット90の一方側を支柱80の上部に接続し、その他方側を山側アンカー81に接続し、支柱80と谷側アンカー82の間を控えロープ83で接続した防護柵が特許文献1〜3に開示されている。
この防護柵は、三角形を呈する枠ロープ92の内側にワイヤロープ93をネット状に編み込んで製作した三角ネット91そのものの荷重伝達範囲が広く、さらに各三角ネット91の隅部3点が固定されるため、荷重が作用したときに防護ネット60の高さ方向の変位を小さく抑えられるといった利点がある。
特開2002−322615号公報 特開2002−348817号公報 特開2003−3425号公報
従来の防護柵にはつぎのような問題点がある。
<1>防護ネット90を構成する各三角ネット91は、現場の測量データに基づき防護ネット90を構成する各三角ネット91を区割りし、区割りした各三角ネット91の三辺の長さと各頂点角度を個別に算出し、算出したサイズに合わせて個別に製作している。
したがって、三角ネット91の製作に高い精度が求められ、製造コストが非常に高くつく。
<2>寸法が異なる三角ネット91を多数使用するので、三角ネット91の区別管理が煩雑である。
<3>従来の支柱80は山腹の起伏変化の影響を受け易く、隣り合う支柱80の上部間距離を設計通りに立設することが困難である。
殊に尾根や沢を横断して防護柵を設置する場合には、支柱80の上部間距離の広狭が大きく変化するため、防護柵の施工性が極端に悪くなる。
<4>三角ネット91の三辺に位置する枠ロープ92は辺単位でロープが分離しているため、アンカー81や支柱80の設置位置に誤差を生じると、三角ネット91の頂点三箇所の取り付けが困難となり、三角ネット91の組付けに多くの時間と労力を要する
<5>従来の防護柵は各三角ネット91の頂点三箇所を支柱80の上部と山側アンカー81に摺動不能に固定してあるため、荷重の伝達範囲が一つの辺の範囲にかぎられ、荷重が均等となるように枠ロープ92の全長に亘って荷重を伝達できない。
そのため、枠ロープ92の一部や一部のアンカー81に過大な応力(偏荷重)が作用して、三角ネット91の破断やアンカー81の破壊を引き起こす危険がある。
<6>荷重バランスがとれるように防護柵を設計するが、三角ネット91の製造公差や施工誤差等は避けられない。
そのため、防護ネット90を構成する各支柱80と各三角ネット91との間で荷重バランスが崩れて、防護柵の性能を十分に発揮することができない。
本発明はつぎの防護柵を提供することを目的とする。
<1>山腹の起伏の影響を受けずに施工できる防護柵を提供すること。
<2>防護ネットの製作費を低減しつつ、防護ネットの取付性を改善すること。
<3>防護柵の荷重バランスが自然に取れること。
<4>柵全体としての衝撃吸収性能を十分に発揮できること。
本発明は、所定の間隔を隔てて旋回(回動)自在に立設した支柱と、隣り合う支柱の上部と斜面山側との間に架け渡した防護ネットとを具備する防護柵であって、前記支柱は支柱本体と、該支柱本体の下部に設けた半球ベースとを有し、谷側控えロープと下部ロープを介して位置決めされ、前記防護ネットは方形を呈する複数のフリーネットからなり、前記フリーネットは方形を呈する網体と、前記網体の底辺、および左右の側辺に連続して設けた開放枠ロープとを具備した半完成品のフリーネットと、前記網体の上辺に後付して設け、その両端を隣り合う支柱の上部に係留する上辺枠ロープとからなり、前記開放枠ロープの両端を隣り合う支柱の上部に係留するとともに、網体の底辺の区間に位置する前記開放枠ロープを山側アンカーに摺動自在に係留したことを特徴とする。
前記支柱は柱本体が半球ベースの中心をとおる垂線に対して傾斜している。
前記開放枠ロープに係留ガイドを外装し、該係留ガイドを介して、前記網体の底辺の区間に位置する前記開放枠ロープを山側アンカーに摺動自在に係留している。
複数のフリーネットを隣り合う支柱の上部間に横架する場合は、支柱を共有してフリーネットを横架する。
本発明は少なくとも次のひとつの効果を奏する。
<1>連続性を有する開放枠ロープを山側アンカーに対して摺動自在に係留することで、開放枠ロープの全長に亘って荷重を均等にすることができる。
したがって、偏荷重に起因した開放枠ロープの破断や山側アンカーの破壊を効果的に防止できる。
<2>斜面の起伏によって支柱上部のフリーネットの取付位置が多少ずれたとしても、現場における支柱上部の間隔に合せて半完成品のフリーネットを伸縮変形させて取り付けできるので、斜面の起伏が大きな尾根や沢等であっても、起伏の影響を受けずに効率よく施工することができる。
<3>フリーネットの幅寸法を現場に合せて調整して設置できるので、防護ネットを構成するフリーネットの製作費を大幅に低減できるとともに、現場での設置が容易である。
<4>支柱は半球ベースに対して傾いて取り付けてあり、さらに支柱が自由な旋回を許容する状態で立設してあるため、支柱に軸力が作用すると、支柱が旋回して防護柵全体の荷重バランスを自動的に調整することができる。
連続性を有する開放枠ロープが山側アンカーに対して摺動自在に係留してあるので、支柱の傾斜する旋回に伴い支柱上部と山側アンカーとの距離が変化したときに、開放枠ロープが摺動して網体の左右の側辺の長さの変動に追従して開放枠ロープの辺長を自動的に調整する。
前記した支柱による自動調整作用と、フリーネットによる自動調整作用の協働により、これまで困難とされてきた防護柵の荷重バランスを自然にとることが可能となって、防護柵としての性能を十分に発揮することができる。
<5>開放枠ロープに外装した係留ガイドは、滑車機能を果たして開放枠ロープの摺動を円滑にする。
本発明に係る防護柵の斜視図 防護柵の横断面図 一部を省略した支柱の斜視図 山側アンカーと開放枠ロープの係留部の拡大図 防護柵の施工法の説明図で、斜面山側から見た支柱を立設する工程の説明図 防護柵の施工法の説明図で、支柱を立設した斜面の縦断面 防護柵の施工法の説明図で、支柱間に半完成品のフリーネットを設置した説明図 防護柵の施工法の説明図で、支柱間にフリーネットを設置した説明図 間隔の相違する支柱間に複数のフリーネットを設置した防護柵のモデル図 支柱の下部に設けた半球ベースの拡大断面図 支柱の旋回を説明するためのモデル図 従来の防護柵の平面図 従来の防護柵の断面図
図1〜図11を参照しながら本発明に係る実施例について説明する。
<1>防護柵の概要
図1,2に示すように本発明に係る防護柵は、所定の間隔を隔てて旋回自在に立設した傾倒角度自動調整機能を有する支柱10と、支柱10の上部と斜面山側との間に架け渡した防護ネット30とを具備する。
防護ネット30は半完成品のフリーネット25と、半完成品のフリーネット25の上辺に後付けする上辺枠ロープ23とを具備する。
半完成品のフリーネット25は、方形を呈する網体21と、網体21の底辺、および左右の側辺に連続して設けた略U字形を呈する開放枠ロープ22とを具備する。
本発明の防護柵は、傾倒角度自動調整機能を有する支柱10と、各フリーネット20の上方側を支柱10の上部に摺動自在に係留し、その下方側を斜面の山側アンカー41に摺動自在に係留して荷重分散可能に組み立てた防護ネット30との組み合わせにより、自然に防護柵の荷重バランスがとれるように構成したものである。
<2>支柱
図2,3を参照して説明すると、支柱10は鋼管や形鋼等の柱本体11と、柱本体11の下部に一体に設けた半球ベース15とを有し、柱本体11は半球ベース15の中心をとおる垂線に対して所定の傾斜角θで傾斜している。
この傾斜角θは斜面の勾配等により適宜選択するが、実用上は15°前後が望ましい。
半球ベース15に対して柱本体11を傾斜させたのは、支柱10に傾倒角度自動調整機能を付与するためである。
<2.1>柱本体
柱本体11の上下部には上ピン12と下ピン13が突設してある。
本例では柱本体11の上部に軸方向に沿って複数のピン穴14を設け、上ピン12を任意のピン穴14に差し込んで取付位置を調整可能にした形態を示すが、上ピン12の形成位置は一定であってもよい。
<2.2>半球ベース
半球ベース15は柱本体11を旋回可能に支承する支圧体で、その外周面が球面に形成してある。球面には曲率が一定な真円の他に曲率が異なる曲面を含む。
本例では半球ベース15を一枚の板材を碗状に成形した形態を示すが、内部が密実な半球体であってもよい。
半球ベース15の外周面を球面に形成したのはつぎの理由による。
(理由1)平面と比べて受圧面積を拡張して支柱10の受圧性能を高めるため。
(理由2)斜面の起伏の影響を受けずに支柱10を立設するため。
(理由3)支柱10の受圧方向を全方向(360°)にするため。
(理由4)支柱10に作用する軸力を球面全面を通じて広範囲に分散して支持させるため。
(理由5)支柱10の下部を中心とした旋回を許容するため。
(理由6)半球ベース15を斜面に埋没させて支柱10の下端の横滑りを抑制して支柱10の定点支承をし易くするため。
(理由7)ヒンジを用いずに、支柱10の全方向へ向けた傾倒を許容するため。
<2.3>接続手段
柱本体11の下部と半球ベース15の接続手段としては、例えば溶接、ボルト止め、または嵌合構造等を適用できる。
要は柱本体11の一定の傾斜角θを維持したまま柱本体11と半球ベース15との相互間で荷重を伝達可能に接続してあればよい。
<3>フリーネット
フリーネット20は方形を呈する網体21と、網体21の底辺、および左右の側辺に連続して設けた略U字形を呈する開放枠ロープ22と、網体21の上辺に後付する上辺枠ロープ23とを具備する。
開放枠ロープ22と網体21の交錯箇所は係留したままでもよいが、交錯箇所をグリップ類で固定しておくと網体21の取り扱い性がよくなる。
本発明では、防護柵の施工性をよくするため、網体21の周囲に設ける閉鎖形状の枠ロープを、開放枠ロープ22と上辺枠ロープ23の二つに分け、開放枠ロープ22を網体21に取着した半完成品のフリーネット25を予め製作しておき、半完成品のフリーネット25を隣り合う支柱10の上部間に横架した後に、網体21の上辺に上辺枠ロープ23を後付けするようにした。
網体21の上辺を開放したのは、網体21に横方向へ向けた伸縮変形を許容するためである。
<3.1>網体
網体21はロープ製のネットで、ロープ材を網状に形成したネット、ロープ製の複数のリングを連鎖して形成したリングネット等の公知のものを適用できる。
さらに図示を省略するが、網体21の目合いより小さな網目の金網を併用する場合もある。
<3.2>開放枠ロープ
開放枠ロープ22は網体21の底辺および左右の側辺に沿って配置可能な一本のロープ材で、その両端部に支柱10に係留可能なリング部22a,22aを形成している。
網体21の底辺および左右の側辺に開放枠ロープ22を設けて上辺を開放した構造としたのは、支柱10の設置間隔の拡狭変化に追従して半完成品のフリーネット25を取り付けるためである。
開放枠ロープ22の底辺側にはL字形を呈する係留ガイド24,24が外装してあり、開放枠ロープ22は係留ガイド24に対して摺動可能である。
係留ガイド24は開放枠ロープ22の底辺側を山側アンカー41に摺動自在に係留するための筒体であり、図4に示すようなシャックル等の連結具40を介して隣り合う二本の開放枠ロープ22,22の係留ガイド24,24を山側アンカー41に係留する。
係留ガイド24は必須ではなく、要は開放枠ロープ22の底辺側が山側アンカー41に摺動自在に係留してあればよい。
図示を省略するが、支柱10の立設間隔が広いときは、開放枠ロープ22の底辺側の三箇所以上を複数の山側アンカー41に摺動自在に係留する。
<3.3>上辺枠ロープ
上辺枠ロープ23は網体21の上辺を支持して隣り合う支柱10,10の上部間に垂下するためのロープであり、開放枠ロープ22を取り付けた後に網体21の上辺の網目に差し込む等して後付けする。
上辺枠ロープ23の一端は支柱10に係留可能なリング部23aを予め形成しておき、他端は防護柵の組立時に現場で支柱10に直接係留してリング部23bを形成する(図8参照)。
[防護柵の組立方法]
つぎに防護柵の組立方法について説明する。
<1>アンカー工
図5,6に示すように、予め斜面の所定の位置に山側アンカー41と谷側アンカー42を形成する。両アンカー41,42は地盤の性状やアンカー耐力等を考慮してグラウンドアンカーやロックボルト等の公知のアンカーを適宜選択する。
<2>支柱の立設
所定の間隔を隔てて斜面に支柱10を立設する。
支柱10の立設に際し、斜面に着地させた半球ベース15を中心に旋回することで、支柱10の向き(傾斜方向)と傾斜角度を任意に調整することが可能である。
したがって、支柱10の設置現場に多少の起伏があっても、斜面の起伏の影響を受けずに支柱10を所望の向きと角度で立設することができる。
なお、斜面の地質が軟質である場合は支柱10の自重によって半球ベース15の下部が地盤にめり込むが、硬質地盤のときは、着地地盤に浅い穴を形成して半球ベース15を着地するとよい。
支柱10の下部を位置決めするため、支柱10の下部と山側アンカー41との間を下部ロープ43で接続し、さらに隣り合う支柱10の下部間を図1に示す下部横ロープ44で接続する。
<3>フリーネットの取付け
図7,8を参照してフリーネット20の取付け方法を説明する。
<3.1>網体の垂下
予め網体21の底辺、および左右の側辺に開放枠ロープ22を設けた半完成品のフリーネット25を現場に搬入する。
フリーネット25は、従来の三角ネットのような高精度さは不要である。
開放枠ロープ22の両端に形成したリング部22a,22aを隣り合う支柱10の上部にそれぞれ係留して、網体21の上辺側を垂下する。
半完成品のフリーネット25は網体21の上辺の長さを規制する上辺枠ロープ23が存在しないので、支柱10の上部の間隔に合せて半完成品のフリーネット25を伸縮変形させて取り付けできるので、半完成品のフリーネット25の取り付け作業を簡単に短時間で行える。
<3.2>網体の下辺の取付け
開放枠ロープ22の一部に設けた係留ガイド24を、連結具40を介して山側アンカー41に取り付けて、網体21の下辺側を斜面山側に固定する。
なお、網体21の下辺側を斜面山側に先行して固定した後に、網体21の上辺側を支柱20の上部に取り付けてもよい。
<3.3>上辺枠ロープの取付け
最後に、網体21の上辺の全長に亘って上辺枠ロープ23を後付し、上辺枠ロープ23の両端を隣り合う支柱10の上部に係留して固定する。
上辺枠ロープ23の全長は、隣り合う支柱10の上部間距離に応じて現場で調整する。
網体21の上辺に上辺枠ロープ23を取り付けることで、フリーネット20が完成する。
<4>控えロープの取付け
図2に示すように、支柱10の斜面傾斜方向に沿った傾倒を防止するため、支柱10の上部と谷側アンカー42との間に谷側控えロープ45を張設するとともに、支柱10の上部と山側アンカー41との間に山側控えロープ46を張設する。
支柱10の上下に複数のロープ43〜46を接続するにあたり、支柱10の旋回を許容するようにループ状にして係留する。
なお、図1に示すように端末の支柱10の側方に端末アンカー47を設け、端末の支柱10の上部と端末アンカー47との間に端末控えロープ48を接続することは従来と同様である。
支柱10に突設した上ピン12および下ピン13は支柱10に係留したリング部22aおよびロープ43〜46の位置決め材として機能するが、ピン以外の突起体を形成したり、支柱10の周面に溝を凹設したりして係留してもよい。
<5>施工の繰り返し
支柱10を共有しながら隣り合う支柱10,10の上部間にフリーネット20を横架して所定の長さの防護ネット30を組み立てる。
隣り合うフリーネット20の側辺間は、ロープを巻付ける等して連結する。
<6>支柱間隔が変化した場合
図9は斜面の起伏が大きな尾根や沢等に設置した防護柵のモデル図を示す。
一般に起伏が大きい斜面に対して、支柱10を等間隔で、かつ、すべての向きを揃えた状態で立設することは難しく、隣り合う支柱10の上部間隔が変化し易い。
支柱10は設計通りに立設することが好ましいが、斜面の起伏の影響で設計から多少ずれていてもかまわない。
半球ベース15を中心に傾斜する支柱10をわずかに旋回することで、隣り合う支柱10の上部間隔を設計間隔に近づけて立設することができる。
さらに、網体21の底辺、および左右の側辺に開放枠ロープ22を設け、横方向へ向けて伸縮変形が可能な半完成品のフリーネット25を使用することで、隣り合う支柱10の上部間隔が不均一であっても、隣り合う支柱10の上部間隔に合せてフリーネット20を簡単に横架することができる。
したがって、防護柵の設置現場が、斜面の起伏が大きな尾根や沢等であっても、効率よく施工することができる。
[防護柵の作用]
<1>防護柵の捕捉作用
図2において、複数のフリーネット20で構成した防護ネット30に雪圧や落石等の衝撃が作用すると、防護ネット30が撓んで雪や落石等を包み込むようにして捕捉する。
防護ネット30に作用した荷重は、フリーネット20を構成する開放枠ロープ21を通じて山側アンカー41と支柱10の上部へ伝達して支持される。
防護ネット30への受撃に伴い、支柱10が斜面山側へ向けて傾倒しようとするが、谷側控えロープ45と下部ロープ43が協働して支柱10の過大な傾倒を阻止する。
<2>半球ベースの受圧性能
支柱10は防護ネット30、谷側控えロープ45、下部ロープ43等で定点で支持されているため、支柱10に生じた軸力により、柱本体11の下部に設けた半球ベース15が地山に圧入する。
殊に半球ベース15が球面形状を呈することで、従来の平板状を呈するベースと比較して、支柱10の横滑り抑制効果が大きくなるだけでなく、受圧面積が増え、さらに支柱10の受圧方向が全方向(360°)となるため、支柱10の受圧性能が向上する(図10参照)。
<3>支柱の傾倒角度自動調整機能
図11に防護柵に組み付けた支柱10の平面モデル図を示す。
支柱10は半球ベース15に対して傾けて取り付けてあり、さらに支柱10は自由な旋回(回動)を許容する状態で立設してある。
したがって、防護ネット30に荷重が作用するとともに、支柱10に軸力が作用すると、防護柵が荷重バランスをとるため、支柱10が半球ベース15を中心に自然に旋回する。
すなわち、各支柱10の上部には左右のフリーネット20,20および谷側控えロープ45を通じて異方向へ向けて引張力が作用しているため、これら複数の荷重要素がバランスするように支柱10が旋回する。
複数のロープ22,23,43〜46は、支柱10の旋回を許容するように接続してあるため、支柱10の旋回に巻き込まれることはない。
また、隣り合う支柱10,10の上部間には上辺枠ロープ23が多少弛みを有して横架してあるため、上辺枠ロープ23の弛み分だけ支柱10の上部の変位(首振り)を許容する。
このように、半球ベース15を介して旋回自在に立設した支柱10は、ヒンジを用いずに、全方向へ向けた傾倒と旋回が可能である。
<4>フリーネットによる荷重分散作用
図8において、網体21に作用した荷重はふたつの枠ロープ22,23へ伝えられる。
隣り合う支柱10の上部間に係留した上辺枠ロープ23はその全長に亘って均等に荷重が作用する。
また、網体21の左右の側辺、および底辺に配置した開放枠ロープ21は連続性を有するだけでなく、山側アンカー41に対して開放枠ロープ21が摺動可能に係留してあるので、開放枠ロープ21はその全長に亘って荷重が均等になる。
支柱10が旋回や傾倒したとき、或いはフリーネット20が変形した時においては、山側アンカー41に対して開放枠ロープ21が摺動するので、網体21の左右の側辺の長さが自動的に調整される。
すなわち、網体21の左右の側辺の区間(支柱10の上部と山側アンカー41の区間)は、網体21の変形に追従して開放枠ロープ21が摺動することで、網体21の左右の側辺の長さが調整される。
摺動した後においても開放枠ロープ21の全長に亘る荷重伝達作用は維持される。
開放枠ロープ21に外装した係留ガイド24は、滑車機能を果たして開放枠ロープ21の摺動を円滑にする。
このように、連続性を有する開放枠ロープ21を山側アンカー41に対して摺動自在に係留することで、偏荷重に起因した開放枠ロープ21の破断や山側アンカー41の破壊を効果的に防止できる。
<5>防護柵の荷重バランス調整作用
前記したように、本発明に係る防護柵は、傾倒角度自動調整機能を有する支柱10と、各フリーネット20の上方側を支柱10の上部に摺動自在に係留し、その下方側を斜面の山側アンカー41に摺動自在に係留して荷重分散可能に組み立てた防護ネット30との協働により、積雪や落石等の受撃時において自然に防護柵の荷重バランスをとることが可能である。
10・・・・・支柱
11・・・・・柱本体
12・・・・・上ピン
13・・・・・下ピン
15・・・・・半球ベース
20・・・・・フリーネット
21・・・・・網体
22・・・・・開放枠ロープ
22a・・・・リング部
23・・・・・上辺枠ロープ
24・・・・・係留ガイド
25・・・・・半完成品のフリーネット
30・・・・・防護ネット
40・・・・・連結具
41・・・・・山側アンカー
42・・・・・谷側アンカー
43・・・・・下部ロープ
44・・・・・下部横ロープ
45・・・・・谷側控えロープ
46・・・・・山側控えロープ

Claims (4)

  1. 所定の間隔を隔てて旋回自在に立設した支柱と、隣り合う支柱の上部と斜面山側との間に架け渡した防護ネットとを具備する防護柵であって、
    前記支柱は支柱本体と、該支柱本体の下部に設けた半球ベースとを有し、谷側控えロープと下部ロープを介して位置決めされ、
    前記防護ネットは方形を呈する複数のフリーネットからなり、
    前記フリーネットは方形を呈する網体と、前記網体の底辺、および左右の側辺に連続して設けた開放枠ロープとを具備した半完成品のフリーネットと、
    前記網体の上辺に後付して設け、その両端を隣り合う支柱の上部に係留する上辺枠ロープとからなり、
    前記開放枠ロープの両端を隣り合う支柱の上部に係留するとともに、網体の底辺の区間に位置する前記開放枠ロープを山側アンカーに摺動自在に係留したことを特徴とする、
    防護柵。
  2. 請求項1において、前記支柱は柱本体が半球ベースの中心をとおる垂線に対して傾斜していることを特徴とする、防護柵。
  3. 請求項1または請求項2において、前記開放枠ロープに係留ガイドを外装し、該係留ガイドを介して、前記網体の底辺の区間に位置する前記開放枠ロープを山側アンカーに摺動自在に係留したことを特徴とする、防護柵。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れか一項において、前記防護ネットが支柱を共有しながら隣り合う支柱の上部間に横架した複数のフリーネットで構成することを特徴とする、防護柵。
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