JP4173822B2 - 透過型砂防堰堤 - Google Patents

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Description

本発明は、山岳地の渓流・沢等において急激に流出する土砂を捕捉するための透過型砂防堰堤に関するものである。
一般に、急激な土砂の流出による山間地の荒廃や滞砂による貯水機能の低下等を防止する手段として、砂防堰堤が数多く設置されている。この砂防堰堤は、梅雨、台風等の集中豪雨で発生する土石流の被害から民家・施設・道路等を守るためにもその設置が望まれているところである。
従来、このような砂防堰堤としてはコンクリート製のものが多用されていたが、かかる砂防堰堤は小さな礫や泥水まで堰き止めてしまうため、急速に土砂が堆積して砂防堰堤としての機能を短期間のうちに失うという欠点がある。そこで近年は、通常状態で流れる小さな礫や泥水は下流に通過させる一方、土石流発生時にはこれに先行して流下する巨礫や流木を捕獲して下流側での被害を食い止める透過型砂防堰堤の開発が進められている。
例えば、特許文献1には、鋼管からなる縦方向の棒状部材と横方向の棒状部材を組み合わせて格子状壁を構成し、この格子状壁を水路中に立設することにより、土石流発生時には前記格子の格子目よりも大きな巨礫を捕獲する一方、通常使用時には前記格子目よりも小さな中小礫や泥水のみを透過するものが開示されている。
また、特許文献2には、多数のリング部材を縦横につなぎ合わせたリングネットで水路を塞ぎ、当該リングネットの網目よりも小さな粒径の礫や泥水のみを透過してそれ以外の礫を捕獲するようにしたものが開示されている。
特開平7−82725号公報 特開2003−3449号公報
特許文献1記載の砂防堰堤において、礫の小さい土石流も捕獲し得るようにするためには、その格子目を縮小する必要がある。特に近年、対象とする最大礫径の定義に関し、従来は大きいものから5%の径のものとしていたのを、より小さい礫で定義することにより、捕捉性能を向上しようとするのが趨勢となっており、小さい礫に対応できる透過型砂防堰堤の実現が望まれている。
しかしながら、単純に格子目を縮小したのでは小さい礫を捕獲できるものの、土石流の発生時において土石流が堰堤に到来する前にこれに先行する泥流によって堰上げが発生してしまい、その湛水によって、土石流先端に集まっている巨礫をばらしてしまうために、これらを捕獲できなくなるおそれがある。
一方、特許文献2記載のリングネットを用いた砂防堰堤では、透過率を著しく低下させることなく比較的小さな礫も捕獲でできる利点があるが、その取付部を構成する主策やアンカーに荷重が集中するため、リングネットのみによる砂防堰堤では、土石流の荷重が大きい場合や渓流の規模が大きい場合には捕獲した礫等を保持する強度を十分に確保するのが困難となるおそれがある。
そこで、格子状壁の格子目を所定の大きさに確保しつつ、この格子目をリングネットで塞ぐこととすれば、砂防堰堤全体の透過率が維持されて堰上げの発生を防止でき且つ最大礫径の小さな土石流にも適応が可能となるが、この場合においてリングネットを格子状壁の全体に張り巡らす構成とすると、土石流の発生時に捕獲した礫等を保持する強度を十分に確保するのが困難となる。一方、リングネットを格子状壁の最下部を残して架設することとすると、土石流先端に集まって流下してくる礫、流木等を安定して捕獲できないという問題が生ずる虞がある。
本発明は、このような事情に鑑み創案されたものであり、その目的は、透過型砂防堰堤において、最大礫径の比較的小さな土石流でも安定して堰き止め且つ土石流に対して十分な保持強度を確保することにある。
前記課題を解決するための手段として、本発明は、特定の幅をもった水路に設置される透過型砂防堰堤を前提とし、複数本の棒状部材が縦横に交差するように組み合わされた格子状壁が前記水路中に当該水路をその幅方向に横切るように立設され、かつ、この格子状壁の最下部を残してそれよりも上側の領域に、その格子の目の最大寸法よりも小さな間隙を形成する間隙形成部材が当該格子の目を覆うように取り付けられるとともに、前記格子状壁の最下部における格子の目には礫捕捉用部材がその隣の前記棒状部材との間に、前記上側の領域において互いに隣接する棒状部材間の間隙よりも幅の小さな間隙を残しつつ設けられている。
この透過型砂防堰堤では、土石流が発生した場合には、格子状壁の最下部に設けられた礫捕捉用部材が土石流の先端に集まって流下してくる礫、流木等を捕捉する。すなわち、土石流が発生したときには、この土石流の先端に大きな礫等が集まってくる性質があるので、格子状壁の最下部に礫捕捉用部材を設けることにより比較的径の大きな礫等を捕獲できる。このとき、礫捕捉用部材が、格子状壁を構成する棒状部材との間に、前記上側の領域において互いに隣接する棒状部材間の間隙よりも幅の小さな間隙を残しつつ設けられるで、格子状壁の最下部では、それよりも上側の格子の目より間隙が小さくなっており、格子状壁のみでは捕捉できないような比較的径の小さな礫を捕捉することができる。また、格子状壁及び礫捕捉用部材によって土石流を安定して堰き止めることができる。そして、後続のさらに径の小さな礫等については、間隙形成部材によって捕捉することができる。また、この砂防堰堤の施工時において、格子状壁の格子目をある程度粗くすることができるので、施工作業が煩雑になるのを抑制することができる。さらに格子状壁の最下部にのみ礫捕捉用部材を設ける構成であるので、格子状壁の上部において比較的目を粗くすることで透過率を確保することができ、堰堤全体としての透過率が低減するのを抑制できる。
前記礫捕捉用部材は、前記格子状壁の縦棒状部材との間に間隙を残し且つ上端部が前記間隙形成部材の下端部若しくはその近傍に位置する柱状体により構成するのが好ましい。このような構成とすることで、土石流先端に集まって流下する比較的径の大きな礫を礫捕捉用部材によって確実に捕獲する一方、後続の比較的小さな礫を間隙形成部材によって確実に捕獲することができる。
そして、この柱状体は、下端部が水路の底壁に埋め込まれた構成とすることができる。このような構成とすると、礫捕捉用部材の支持剛性を高めることができ、土石流の発生時に礫や流木をより安定して捕捉できるようになる。
前記礫捕捉用部材は、前記水路の流れ方向に見て前記間隙形成部材との間に間隙を残した形態に設けるようにしてもよく、また前記礫捕捉用部材は、前記水路の流れ方向に見て前記間隙形成部材の下端部と重なる部位を有する形態に設けるようにしてもよい。この場合、礫捕捉用部材と間隙形成部材との間に間隙を形成することで、格子状壁全体としての透過率が低下するのを抑制することができる。一方、流れ方向に見て礫捕捉用部材と間隙形成部材とが重なる部位が存する構成としたときには、間隙形成部材よりも高強度の礫捕捉用部材により礫等から受ける荷重を支持することができるので、間隙形成部材による礫等の保持剛性を向上することができる。
前記格子状壁は、前記水路の流れ方向に並ぶ複数列にわたって設置される場合には、前記礫捕捉用部材は、最上流側に位置する前記格子状壁の最下部に設けられるのが好ましい。
前記柱状体は、その下端部が上端部よりも幅広に形成される構成としてもよい。このような構成とすれば、下端部が幅広に形成されることで礫捕捉用部材の強度を十分に確保することができ、また上端部において格子状壁との間隙幅が広くなるために、上側ほど透過優先の構造とすることができる。
前記間隙形成部材は、環状体同士を縦横に繋ぎ合わせた構成のリングネットにより構成され、前記柱状体には、前記リングネットの環状体を引っ掛けるための横方向に突出する突出部が設けられている構成としてもよい。このような構成とすれば、礫等から受ける衝撃をリングネットによって吸収することができるとともに、礫等による衝撃を受けてもリングネットが突出部に引っ掛かることによりめくれあがってしまうのを防止することができ、良好な捕獲性能を発揮することができる。
前記間隙形成部材は、前記格子状壁の上流側の面に架設されている構成とするのが好ましい。このように間隙形成部材を格子状壁の上流側の面に設ける構成とすれば、土石流から受ける荷重を格子状壁側に有効に分散させることができるので、間隙形成部材の支持強度を容易に確保することができる。
また、前記間隙形成部材は、リングネット、エキスパンドメタル、互いに並設された複数のH型鋼又は多数の貫通孔が形成された鋼板により構成することができる。間隙形成部材をこれらのもので構成することで、前記作用効果を有効に発揮させることができる。
以上説明したように、本発明によれば、格子状壁の最下部を残して間隙形成部材を取り付けると共に礫捕捉用部材を格子状壁との間に間隙を残しつつ設けるようにしているので、格子状壁の格子目は粗くして十分な透過率を確保しながら、格子状壁のみでは捕獲できない程度の比較的最大礫径の小さな土石流を安定して堰き止めることができるとともに、土石流に対して十分な保持強度を確保することができる。
本発明の好ましい実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図4において、非越流部10の所定箇所に特定の幅をもった水路12が形成されており、この水路12中に透過型砂防堰堤14が設置されている。
この透過型砂防堰堤14は、上流側格子状壁16A及び下流側格子状壁16Bを備え、これらの格子状壁16A,16Bは水路12の流れ方向(図3及び図4では左右方向)に並んで2列に立設されている。
各格子状壁16A,16Bは、図2に示すように、複数本の縦棒状部材18と複数本の横棒状部材20とが格子状に組み合わされたものであって、各縦棒状部材18が水路12の幅方向に並ぶ複数の位置に適宜間隔をおいて立設され、これら縦棒状部材18同士の間に掛け渡されるように横棒状部材20が上下複数段にわたって配列されている。
また、この透過型砂防堰堤14は、補強材として、上流側格子状壁16Aと下流側格子状壁16Bとを前後方向に連結する棒状の連結材22や、下流側格子状壁16Bをさらにその下流側からサポートする棒状の斜材24等を具備している。
さらに、この透過型砂防堰堤14では、両格子状壁16A,16Bのうちの上流側格子状壁16Aに間隙形成部材としてのリングネット26が被着されている。このリングネット26は、前記特許文献2にも示されるように、環状体28同士を縦横につなぎ合わされて構成されたもので、各環状体28は例えば高強度の硬鋼線を複数回リング状に巻回して周方向に並ぶ複数の箇所で結束することにより形成が可能であり、その環状体28の形成の際に隣接する各環状体28同士をつなぎ合わせることにより所望の全体面積及び全体形状をもつリングネット26を製造することが可能である。
ここで、前記各環状体28は格子状壁16A,16Bにおいて形成される格子の目よりも細かい目を有している。従って、リングネット26のない砂防堰堤(例えば前記特許文献1に記載される砂防堰堤)に比べてより小さな径の礫を捕獲することが可能になっている。これらの目の大きさの比率は、要求される捕獲性能に応じて適宜設定すればよい。一般的な目安として、前記格子状壁16A,16Bの棒状部材18,20に鋼管を用いる場合には、当該鋼管として直径200mm以上のもの(好ましくは500mm程度のもの)を用いることにより十分な強度を確保でき、当該直径よりも格子目を大きくすることによって十分な透過率も確保できる。この場合、リングネット26の環状体28の直径としては100mm〜500mm程度が好適である。
リングネット26の具体的な取付構造は、特に問わないが、図1〜図4に示す例では、リングネット26の外周部を構成する環状体28Aを縦棒状部材18及び横棒状部材20がそれぞれ貫通する形態でリングネット26が取り付けられており、特別な取付具が不要な構造となっている。
リングネット26を配設する領域は、格子状壁16Aの最下部に間隙17を残してそれよりも上側の領域とされている。この間隙17の高さ寸法は、堰止めの対象となる土石流等の特性(特に最大礫径)等に応じて適宜設定すればよいが、一般には前記環状体28の直径よりも大きくて当該直径の2倍以下の寸法に設定することが好ましい。このような範囲内で適宜間隙17を残すことにより、通常使用時における透過率と土石流発生時における礫捕獲性能とのバランスをより良好に保つことが可能になる。
格子状壁16A(16B)に対してリングネット26を設ける面は、上流側の面、下流側の面のいずれでもよいが、図示のように上流側の面に設けられていれば、土石流からリングネット26が受ける荷重を格子状壁16A(16B)側に有効に分散して支持することができ、十分な支持強度をより容易に確保することが可能になる。また、上流側、下流側の両面にリングネット26を設けるようにしてもよい。
上流側格子状壁16Aの最下部における各格子の目には、礫捕獲用部材としての柱状体30がそれぞれ設けられている。各柱状体30は、上流側格子状壁16Aの最下部を構成する互いに隣り合う縦棒状部材18間に配置された状態で水路12の底壁12aに立設されており、これらは互いに水路12の幅方向に並んでいる。つまり、上流側格子状壁16Aの最下部における縦棒状部材18間に柱状体30が配設されることで、格子状壁16Aの最下部の縦棒状部材18,18間の間隙幅が、それよりも上側の領域における縦棒状部材18,18間の間隙幅よりも狭く形成されている。これにより、格子状壁16Aのみでは捕捉できない程度の大きさの礫等を捕捉可能となっている。
ここで、各柱状体30の高さは、堰き止め対象となる土石流の最大礫径の2倍以下とすることが好ましく、また柱状体30とこの隣の縦棒状部材18との間隙幅は最大礫径と同程度に設定することが好ましい。尚、さらに小さな礫に対応する場合には柱状体30の高さ及び前記間隙幅を適宜変更することも可能である。
各柱状体30は、縦棒状部材18と同等の径を有する鋼管により構成されるものであり、図2に示すように、その下端部が水路12のコンクリート製底壁12aに埋め込まれており、水路12の底壁12aから縦方向に延びるように立設されている。そして、各柱状体30は、その上端部が横棒状部材20に連結されていて、各柱状体30は上端部及び下端部が固定された状態に設置されている。このことで、各柱状体30は支持剛性が非常に高いものとなっている。
本透過型砂防堰堤14では、土石流が発生した場合には、上流側格子状壁16Aの最下部における格子の目に設けられた柱状体30が土石流の先端に集まって流下してくる礫等を捕捉する。このとき、柱状体30が、上流側格子状壁16Aを構成する縦棒状部材18との間に間隙を残しつつ設けられることで、格子状壁16Aの最下部では、それよりも上側の格子の目より間隙が小さくなっている。また、図5に示す柱状体の設けられない比較例と比較し、最下部における格子目の間隙幅を小さくできている。これにより、上流側格子状壁16Aのみでは捕捉できないような比較的径の小さな礫を捕捉することができる。また、上流側格子状壁16A及び柱状体30によって土石流を安定して堰き止めることができる。そして、後続のさらに径の小さな礫等については、リングネット26によって捕捉することができる。また、この砂防堰堤の施工時において、格子状壁16A,16Bの格子目をある程度粗くすることができるので、施工作業が煩雑になるのを抑制することができる。さらに、格子状壁16Aの最下部にのみ柱状体30を設ける構成であるので、格子状壁16Aの上部において格子の目を比較的粗くすることで透過率を確保することができ、堰堤全体としての透過率が低減するのを抑制できる。また、間隙形成部材としてリングネット26を用いるようにしているので、このことでも透過率が低減するのを抑制できている。
したがって、本透過型砂防堰堤14によれば、格子状壁16A,16Bの格子目は粗くして十分な透過率(例えば50%)を確保しながら、格子状壁16A,16Bのみでは捕獲できない程度の比較的最大礫径の小さな土石流を安定して堰き止めることができるとともに、土石流に対して十分な保持強度を確保することができる。
ここで、上流側格子状壁16Aは、図6に示すように、その最下部に設けられている横棒状部材20を省略する構成とし、柱状体30をその上端部が格子状壁16Aに連結されない形態に構成することも可能である。このような構成とすると、格子状壁16A及び柱状体30が周囲の温度変化により熱膨張又は熱収縮したとしても横棒状部材20と柱状体30とが接合されていないので、これらの部材18,20,30を異なる材料で構成することが可能となる。これにより、より最適な強度設計をすることが可能となる。
このとき、柱状体30が、その上端部において水路12の流れ方向に見てリングネット26と重なる部位を有するような高さに形成される構成とすれば、リングネット26によって透過率を確保しつつ、礫等から受ける荷重を柱状体30によって支持できるようになり、礫等の保持剛性を向上することができる。
この場合において、リングネット26の下端部を、図7に示すようにワイヤ32で柱状体30及び縦棒状部材18に連結する構成とすることができる。具体的に、柱状体30の周面には環状部を有する取付部材(図示省略)が固定され、また縦棒状部材18の周面に突起状の取付部材(図示省略)が固定されている。そして、柱状体30に固定された取付部材の環状部と前記リングネット26の下端部を構成する所定の環状体28とにワイヤ32が挿通され、このワイヤ32の端部が折り曲げられて環状に形成されるとともに、このワイヤ32の端部を縦棒状部材18の取付部材に引っ掛けることにより、リングネット26の下端部がワイヤ32で柱状体30及び縦棒状部材18に連結することができる。このようにリングネット26の下端部をワイヤ32で柱状体30及び縦棒状部材18に連結することにより、リングネット26が礫等の衝撃を受けてめくれ上がるのを確実に防止することができ、このリングネット26による礫等の捕獲を確実なものとすることができる。なお、図6及び図7では、リングネット26は図示省略した取付具によって縦棒状部材18及び横棒状部材20に取り付けられている。
リングネット26をワイヤ32で柱状体30等に連結するのに代え、図8に示すように、柱状体30の上端部に突出部34を設け、この突出部34にリングネット26を引っ掛ける構成とすることも可能である。この突出部34は、柱状体30の上端部から水路12の幅方向で且つ横方向に縦棒状部材18に向かって突出しており、その先端部と縦棒状部材18との間に僅かな間隙が形成されている。そして、この間隙を利用してリングネット26の環状体28を突出部34に引っ掛けることにより、リングネット26の下端部を柱状体30の突出部34に連結することができる。このような構成とすることにより、礫等から受ける衝撃をリングネット26によって吸収することができるとともに、礫等による衝撃を受けてもリングネット26が突出部34に引っ掛かることによりめくれあがってしまうのを防止することができ、良好な捕獲性能を発揮することができる。尚、突出部34は、柱状体30の上端部に設ける構成に限られるものではなく、要はリングネット26を引っ掛けることができればよい。
柱状体30は、図9に示すように、その下端部が上端部よりも幅広に形成されている構成としてもよい。この柱状体30の下端部は水路12の底壁12aに埋め込まれており、柱状体30は、この下端部から上方に向かうほど次第に細径となる構成とされている。そして、柱状体30の上端部は縦棒状部材18と同等の径に構成されている。この図例の上流側格子状壁16Aでは水路12の幅方向中央に位置する縦棒状部材18が最下部を除いて設けられており、この縦棒状部材18の下端部に柱状体30の上端部が連結されている。このように柱状体30の下端部が幅広に形成されることで柱状体30の強度を十分に確保することができ、また上端部において格子状壁16Aとの間隙幅が広くなるために、上側ほど透過優先の構造とすることができる。
本実施形態では、礫捕捉用部材として水路12の底壁12aに立設された柱状体30により構成された例を示したが、礫捕捉用部材はこれに限られるものではなく、例えば横方向に延びる棒状体(図示省略)により構成してもよい。この場合において、棒状体はその両端で縦棒状部材18に固定する構成としてもよく、あるいは水路12の側壁に固定する構成としてもよい。
また、本実施形態において、間隙形成部材をリングネット26により構成したものを示しているが、この構成に限られるものではない。間隙形成部材は、例えば図10及び図11に示すように互いに並設された複数のH型鋼41により構成してもよく、また図12に示すようにエキスパンドメタル43により構成してもよく、さらにまた図13に示すように多数の貫通孔45aが形成された鋼板45により構成してもよい。
この場合において、H型鋼41は前記リングネット26と同等の強度を有するものを使用すればよく、このH型鋼41を水平配置するとともにこれらを上下方向に多数並べて上流側格子状壁16Aに固定するようにすればよい。このとき、H型鋼41は格子状壁16Aの上流側面に取り付ける構成とするのが好ましい。そして、これらH型鋼41同士の間隔は、所定(例えば50%以上)の透過率を得られるように調整することができる。このとき、最下端に位置するH型鋼41が上流側から見て柱状体30の上端部と重なる部位を有する形態に構成すれば(図10)、H型鋼41よりも高強度の柱状体30により礫等から受ける荷重を支持することができるので、H型鋼41による礫等の保持剛性を向上することができる。一方、上流側から見てH型鋼41と柱状体30の上端部との間に間隙を形成する構成とすれば(図11)、格子状壁16A全体としての透過率が低下するのを抑制することができる。また、これらH型鋼41を格子状壁16Aの上流側の面に架設する構成とすれば、土石流から受ける荷重を格子状壁16Aに有効に分散させることができるので、H型鋼41の支持強度を容易に確保することができる。
一方、エキスパンドメタル43(図12)を用いる場合には、互いに所定の間隔を置いて並設される複数枚のエキスパンドメタル43により間隙形成部材を構成してもよく、或いは1枚のエキスパンドメタル43により間隙形成部材を構成してもよい。またエキスパンドメタル43を柱状体30に連結した構成としてもよく、或いは連結しない構成としてもよい。また、鋼板45(図13)を用いる場合には、互いに所定の間隔を置いて並設される複数枚の鋼板45により間隙形成部材を構成してもよく、或いは1枚の鋼板45により間隙形成部材を構成してもよい。このとき、鋼板45同士の間隙又は貫通孔45aにより透過率を調整すればよい。また、これらエキスパンドメタル43又は鋼板45を格子状壁16Aの上流側の面に架設する構成とすれば、土石流から受ける荷重を格子状壁16Aに有効に分散させることができるので、エキスパンドメタル43又は鋼板45の支持強度を容易に確保することができる。
上流側格子状壁にリングネットが取付けられた本発明の実施形態に係る透過型砂防堰堤の斜視図である。 図1に示す透過型砂防堰堤を上流側から見た正面図である。 図1に示す透過型砂防堰堤の側面図である。 図1に示す透過型砂防堰堤の平面図である。 本発明の比較例に係る透過型砂防堰堤の正面図である。 柱状体が横棒状部材に連結されていない形態の透過型砂防堰堤を上流側から見た正面図である。 リングネットをワイヤで柱状体及び縦棒状部材に連結した透過型砂防堰堤を上流側から見た正面図である。 柱状体の上端部に突出部が設けられている透過型砂防堰堤を上流側から見た正面図である。 柱状体の下端部が幅広に構成されている透過型砂防堰堤を上流側から見た正面図である。 間隙形成部材がH型鋼により構成され、このH型鋼が上流側から見て柱状体と重なる部位を有する透過型砂防堰堤の正面図である。 間隙形成部材がH型鋼により構成され、上流側から見てH型鋼と柱状体の上端部との間に間隙が形成されている透過型砂防堰堤の正面図である。 間隙形成部材がエキスパンドメタルにより構成されている透過型砂防堰堤を上流側から見た正面図である。 間隙形成部材が貫通孔を有する鋼板により構成されている透過型砂防堰堤を上流側から見た正面図である。
符号の説明
10 ダム
12 水路
12a 底壁
14 透過型砂防堰堤
16A 上流側格子状壁
16B 下流側格子状壁
18 縦棒状部材
20 横棒状部材
26 リングネット(間隙形成部材)
28 環状体
30 柱状体(礫捕捉用部材)
32 ワイヤ
34 突出部
41 H型鋼(間隙形成部材)
43 エキスパンドメタル(間隙形成部材)
45 鋼板(間隙形成部材)
45a 貫通孔

Claims (10)

  1. 特定の幅をもった水路に設置される透過型砂防堰堤であって、複数本の棒状部材が縦横に交差するように組み合わされた格子状壁が前記水路中に当該水路をその幅方向に横切るように立設され、かつ、この格子状壁の最下部を残してそれよりも上側の領域に、その格子の目の最大寸法よりも小さな間隙を形成する間隙形成部材が当該格子の目を覆うように取り付けられるとともに、前記格子状壁の最下部における格子の目には礫捕捉用部材がその隣の前記棒状部材との間に、前記上側の領域において互いに隣接する棒状部材間の間隙よりも幅の小さな間隙を残しつつ設けられていることを特徴とする透過型砂防堰堤。
  2. 前記礫捕捉用部材は、前記格子状壁の縦棒状部材との間に間隙を残し且つ上端部が前記間隙形成部材の下端部若しくはその近傍に位置する柱状体により構成されている請求項1に記載の透過型砂防堰堤。
  3. 前記柱状体は、下端部が水路の底壁に埋め込まれていることを特徴とする請求項2に記載の透過型砂防堰堤。
  4. 前記礫捕捉用部材は、前記水路の流れ方向に見て前記間隙形成部材との間に間隙を残した形態に設けられていることを特徴とする請求項2又は3に記載の透過型砂防堰堤。
  5. 前記礫捕捉用部材は、前記水路の流れ方向に見て前記間隙形成部材の下端部と重なる部位を有する形態に設けられていることを特徴とする請求項2又は3に記載の透過型砂防堰堤。
  6. 前記格子状壁は、前記水路の流れ方向に並ぶ複数列にわたって設置され、
    前記礫捕捉用部材は、最上流側に位置する前記格子状壁の最下部に設けられていることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の透過型砂防堰堤。
  7. 前記柱状体は、その下端部が上端部よりも幅広に形成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の透過型砂防堰堤。
  8. 前記間隙形成部材は、環状体同士を縦横に繋ぎ合わせた構成のリングネットにより構成され、
    前記柱状体には、前記リングネットの環状体を引っ掛けるための横方向に突出する突出部が設けられていることを特徴とする請求項2又は3に記載の透過型砂防堰堤。
  9. 前記間隙形成部材は、前記格子状壁の上流側の面に架設されていることを特徴とする請求項1から8の何れか1項に記載の透過型砂防堰堤。
  10. 前記間隙形成部材は、リングネット、エキスパンドメタル、互いに並設された複数のH型鋼又は多数の貫通孔が形成された鋼板により構成されていることを特徴とする請求項1からの何れか1項に記載の透過型砂防堰堤。
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