JP4133517B2 - 透過型砂防堰堤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、山岳地の渓流・沢等において急激な土砂の流出を規制しながら泥水等は透過する透過型砂防堰堤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、急激な土砂の流出による山間地の荒廃や滞砂による貯水機能の低下等を防止する手段として、砂防堰堤が数多く設置されている。この砂防堰堤は、梅雨、台風等の集中豪雨で発生する土石流の被害から民家・施設・道路等を守るためにもその設置が望まれているところである。
【0003】
従来、このような砂防堰堤としてはコンクリート製のものが多用されていたが、かかる砂防堰堤は小さな礫や泥水まで堰き止めてしまうため、急速に土砂が堆積して砂防堰堤としての機能を短期間のうちに失うという欠点がある。そこで近年は、通常状態で流れる小さな礫や泥水は下流に通過させる一方、土石流発生時にはこれに先行して流下する巨礫や流木を捕獲して下流側での被害を食い止める透過型砂防堰堤の開発が進められている。
【0004】
例えば、特許文献1には、鋼管からなる縦方向の棒状部材と横方向の棒状部材を組み合わせて格子状壁を構成し、この格子状壁を水路中に立設することにより、土石流発生時には前記格子の格子目よりも大きな巨礫を捕獲する一方、通常使用時には前記格子目よりも小さな中小礫や泥水のみを透過するものが開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、多数のリング部材を縦横につなぎ合わせたリングネットで水路を塞ぎ、当該リングネットの網目よりも小さな粒径の礫や泥水のみを透過してそれ以外の礫を捕獲するようにしたものが開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−82725号公報
【特許文献2】
特開2003−3449号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1記載の砂防堰堤において、礫の小さい土石流も捕獲し得るようにするためには、その格子目を縮小する必要がある。しかしながら、その一方で、格子状壁に十分な強度や耐衝撃性をもたせるためにはその構成要素である棒状部材に太径の鋼管等を用いることが好ましいという事情があり、このような太径の棒状部材を用いると、それにより形成される格子目の面積を縮小するのに伴って砂防堰堤全体の透過率が著しく低下してしまう不都合がある。
【0008】
例えば、前記棒状部材に直径600mmの鋼管を用いて格子目が500mmの格子状壁を構築した場合、その透過面積は格子状壁全体の面積の50%以下となり、格子状壁の透過率は著しく低下する。このように透過率が低いと、土石流が堰堤に到来する前にこれに先行する泥流によって堰上げが発生してしまい、その湛水によって、土石流先端に集まっている巨礫をばらしてしまい、捕獲できなくなるおそれがある。従って、この砂防堰堤は、格子目の縮小に限界があって最大礫径の小さな土石流には適応し難いという課題がある。
【0009】
一方、特許文献2記載のリングネットを用いた砂防堰堤では、透過率を著しく低下させることなく比較的小さな礫も捕獲できる利点があるが、その取付部を構成する主索やアンカーに荷重が集中するため、規模が大きくなるほど設置作業が難しくなり、また、捕獲した礫等を保持する強度を十分に確保するのが困難となる。従って、特にダム高や水路幅の大きい場所への適用は難しい。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑み、水路の規模にかかわらず設置が可能であり、かつ、最大礫径の小さな土石流でも安定して捕獲することができる透過型砂防堰堤を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための手段として、本発明は、特定の幅をもった水路に設置される透過型砂防堰堤であって、複数本の棒状部材が縦横に交差するように組み合わされた格子状壁が前記水路中に当該水路をその幅方向に横切るように立設され、かつ、この格子状壁に、その格子の目よりも細かい目をもつ環状体が縦横に多数つなぎ合されてなるリングネットが当該格子の目を覆うように取付けられており、このリングネットは、前記格子状壁の最下部に当該リングネットを構成する環状体の直径よりも大きな間隙を残してそれよりも上側の領域にのみ設けられているものである。また本発明では、前記リングネットが互いに直径の異なる複数種の環状体により構成され、これらの環状体が下方に向かうに従って当該環状体の直径が大きくなるように並べられたものでもよい。
【0012】
この透過型砂防堰堤によれば、格子状壁の格子目は粗くして十分な透過率を確保しながら、当該格子状壁に取付けられるリングネットによって比較的径の小さな礫等も捕獲することができる。しかも、このリングネットは、多数の環状体が相互つなぎ合わされて形成されたものであるため、礫等から受ける衝撃を吸収する機能を発揮する。
【0013】
また、前記特許文献2に記載されるようにリングネットを単独で設置した場合には、当該リングネットの受ける荷重が当該リングネットの取付部分における主索とアンカーに集中するため、特に水路の規模が大きくなるほど前記取付部分の強度を確保することが困難となるのに対し、本発明にかかる透過型砂防堰堤では、比較的規模の大きな水路であっても、格子状壁によって十分な支持強度を確保しながらこれに取付けられるリングネットによって良好な捕獲性能を維持することができる。
【0014】
特に、前記格子状壁の上流側の面に前記リングネットを張った場合には、当該リングネットが受ける荷重がそのすぐ後方の前記格子状壁に有効に分散されるため、必要な支持強度を容易に確保することが可能になる。
【0015】
前記リングネットを構成する各環状体としては、例えば線材を環状に巻回したものが好適である。かかるリングネットでは、各環状体自体が弾性変形しやすく、衝撃吸収効果がさらに高くなる。
【0016】
本発明のうち、前記格子状壁の最下部に間隙を残してそれよりも上側の領域にのみ前記リングネットが設けられている構成では、その間隙の高さ寸法の設定によって透過率と捕獲性能のバランスを任意に調節することができる。具体的には、前記間隙の高さ寸法が前記リングネットを構成する環状体の直径よりも大きい。また、当該間隙は当該直径の2倍以下であるものが、より好適である。
【0017】
前記格子状壁は単数でもよいし複数でもよい。前記格子状壁が前記水路の流れ方向に並ぶ複数列にわたって設置されているものでは、これらの格子状壁の少なくとも一つに前記リングネットが取付けられることにより、前記効果が得られる。
【0018】
その場合、前記格子状壁のうち少なくとも前記水路の最上流側に位置する格子状壁に前記リングネットが取付けられていれば、当該リングネットの衝撃吸収性能を十分に発揮させることができる。
【0019】
その一方、前記格子状壁のうち前記水路の上流側から数えて2番目以降の格子状壁の少なくとも一つに前記リングネットが取付けられている構成とすれば、当該リングネットに巨礫が直接当たることがそれよりも上流側の格子状壁によって阻止され、これにより当該リングネットが有効に保護される。
【0020】
本発明において、格子状壁に対するリングネットの取付構造は適宜設定可能であるが、前記リングネットにおける特定の環状体を前記格子状壁を構成する棒状部材が貫通する形態で当該格子状壁に前記リングネットが取付けられている構成とすれば、特別な取付具を用いることなく、格子状壁の骨構造を利用して当該格子状壁にリングネットを確実に取付けることが可能になる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
図1〜図4において、ダム10の所定箇所に特定の幅をもった水路12が形成されており、この水路12中に透過型砂防堰堤14が設置されている。
【0023】
この透過型砂防堰堤14は、上流側格子状壁16A及び下流側格子状壁16Bを備え、これらの格子状壁16A,16Bは水路12の流れ方向(図3及び図4では左右方向)に並んで2列に立設されている。
【0024】
各格子状壁16A,16Bは、図2に示すように、複数本の縦棒状部材18と複数本の横棒状部材20とが格子状に組み合わされたものであって、各縦棒状部材18が水路12の幅方向に並ぶ複数の位置に適宜間隔をおいて立設され、これら縦棒状部材18同士の間に掛け渡されるように横棒状部材20が上下複数段にわたって配列されている。
【0025】
また、この透過型砂防堰堤14は、補強材として、上流側格子状壁16Aと下流側格子状壁16Bとを前後方向に連結する棒状の連結材22や、下流側格子状壁16Bをさらにその下流側からサポートする棒状の斜材24等を具備している。
【0026】
さらに、この透過型砂防堰堤14では、両格子状壁16A,16Bのうちの上流側格子状壁16Aにリングネット26が被着されている。このリングネット26は、前記特許文献2にも示されるように、環状体28同士を縦横につなぎ合わされて構成されたもので、各環状体28は例えば高強度の硬鋼線を複数回リング状に巻回して周方向に並ぶ複数の箇所で結束することにより形成が可能であり、その環状体28の形成の際に隣接する各環状体28同士をつなぎ合わせることにより所望の全体面積及び全体形状をもつリングネット26を製造することが可能である。
【0027】
ここで、前記各環状体28は格子状壁16A,16Bにおいて形成される格子の目よりも細かい目を有している。従って、リングネット26のない砂防堰堤(例えば前記特許文献1に記載される砂防堰堤)に比べてより小さな径の礫を捕獲することが可能になっている。これらの目の大きさの比率は、要求される捕獲性能に応じて適宜設定すればよい。一般的な目安として、前記格子状壁16A,16Bの棒状部材18,20に鋼管を用いる場合には、当該鋼管として直径200mm以上のもの(好ましくは500mm程度のもの)を用いることにより十分な強度を確保でき、当該直径よりも格子目を大きくすることによって十分な透過率も確保できる。この場合、リングネット26の環状体28の直径としては10mm〜150mm程度が好適である。
【0028】
リングネット26を配設する領域も適宜設定可能であり、図例では、格子状壁16Aの最下部に間隙17を残してそれよりも上側の領域のみにリングネット26が設けられている。この間隙17の高さ寸法は、堰止めの対象となる土石流等の特性(特に最大礫径)等に応じて適宜設定すればよいが、一般には前記環状体28の直径よりも大きくて当該直径の2倍以下の寸法に設定することが好ましい。このような範囲内で適宜間隙17を残すことにより、通常使用時における透過率と土石流発生時における礫捕獲性能とのバランスをより良好に保つことが可能になる。
【0029】
格子状壁16A(16B)に対してリングネット26を設ける面は、上流側の面、下流側の面のいずれでもよいが、図示のように上流側の面に設けられていれば、土石流からリングネット26が受ける荷重を格子状壁16A(16B)側に有効に分散して支持することができ、十分な支持強度をより容易に確保することが可能になる。また、上流側、下流側の両面にリングネット26を設けるようにしてもよい。
【0030】
リングネット26の具体的な取付構造も特に問わないが、図1〜図4に示す例では、リングネット26の外周部を構成する環状体28Aを縦棒状部材18及び横棒状部材20がそれぞれ貫通する形態でリングネット26の取付けられており、特別な取付具が不要な構造となっている。
【0031】
このような取付形態を得るには、例えば、格子状壁16Aを構成する鋼管を所定の環状体28Aに挿通してから当該鋼管をつなぎあわせて格子状壁16Aを構築するようにしてもよいし、既に構築されている格子状壁16Aの縦棒状部材18や横棒状部材20に鋼線等を巻回して環状体28を形成するようにしてもよい。すなわち、環状体28を形成する工程と格子状壁16Aを構築する工程との順序は問わない。
【0032】
その他、リングネット26の取付構造としては、例えば図5〜図8に示すように、格子状壁16Aの最外周を構成する縦棒状部材18及び横棒状部材20から側方に突起30を突出させて当該突起22にリングネット外周の環状体28Aを引っ掛けるようにしてもよいし、図9(a)(b)に示すように特別な取付具を用いるようにしてもよい。
【0033】
図9(a)に示す例では、横棒状部材20(縦棒状部材18も同様)にこれを水平方向に貫通するように支軸32が固定され、この支軸32の端部にリングネット26の環状体28Aを吊下げるための吊下げ具34が固定されている。同図(b)に示す例では、横棒状部材20(縦棒状部材18も同様)から側方にブラケット36が突設され、さらにこのブラケット36から当該横棒状部材20と平行な方向に支軸38が突設されていて、この支軸38に取付けシャックル40を介してリングネット26の環状体28Aが吊下げられた構造となっている。
【0034】
あるいは、図10〜図13に示すように、リングネット26と略同等の大きさで枠状に張り巡らされたワイヤ42と格子状壁16Aとの間にリングネット26を挟み込むようにしてもよい。
【0035】
以上示したような透過型砂防堰堤14によれば、格子状壁16A,16Bの格子目は粗く設定して十分な透過率を稼ぎながら、それよりも細かい目をもつリングネット26によって比較的径の小さな礫も捕獲することが可能となる。しかも、リングネット26は多数の環状体28をつなぎ合わせて構成されたものであって、例えば単純な網状の鋼板と比較して可撓性及び柔軟性の高いものとなっているので、前方から到来する礫から受ける衝撃を有効に吸収する機能を果たすことになる。
【0036】
前記リングネット26の保護を図る手段として、前記図1〜図13に示す透過型砂防堰堤14において、その上流側格子状壁16Aに代え、もしくはこれに加えて、図14〜図17に示すように下流側格子状壁16Bにリングネット26を取付けることが有効である。この構造によれば、下流側格子状壁16Bに取付けられたリングネット26に対して大きな礫が直接当たることが上流側格子状壁16Aによって阻止されるため、当該下流側格子状壁16Bにおけるリングネット26の寿命を延ばすことができる。
【0037】
なお、前記特許文献2に記載されるように、リングネット26のみが単独で設置されたものでも土石流の捕獲は可能であるが、その場合には当該リングネット26の取付部分に荷重が集中するため、特に水路12の規模が大きい場合、リングネット26全体が受ける荷重を支持するのに十分な強度を確保することは難しくなるが、図示の透過型砂防堰堤14は、強度の高い格子状壁16A,16Bを含む枠体を設置した上で、これにリングネット26を取付けるようにしているので、砂防堰堤を十分な強度を保ちながら特別な困難を伴うことなく設置することが可能である。
【0038】
図18(a)(b)及び図19は、水路12の幅方向中央に流路として他の部分よりも低い部分が設けられた箇所への適用例を示したものである。図示の構造では、前記の低い部分に土石流捕捉用の格子状壁16A,16Bのみが設置され、その両脇の部分に、土石流の横漏れ防止や谷の侵食を防ぐことを目的としてリングネット26付き格子状壁が設けられたものとなっている。
【0039】
より具体的に、図18(a)に示す例では、格子状壁16Aの最下部及び左右方向の中央部に間隙17を残してそれ以外の領域(左右両翼の領域)にのみリングネット26が取付けられており、同図(b)に示す例では左右両翼の最下部には間隙を残さずに中央部のみに間隙17を残して当該左右両翼部にリングネット26が取付けられている。また、図19に示す例では、左右両翼部では間隙を残さず、中央部分の最下部にのみ間隙17を残してそれ以外の領域にリングネット26が配設されたものとなっている。
【0040】
このように、本発明においてリングネット26を配設する領域は仕様に応じて適宜設定すればよい。具体的に、前記図18(a)(b)や図19に示すような間隙17の比率を大きくすれば、平常時に土砂を下流側に供給する機能がより高くなり、施工期間も短くなる。また、耐環境性や景観性も良くなる。その一方、前記間隙17の比率を小さくすれば、その分礫の捕獲性能は向上することになる。
【0041】
本発明において、格子状壁の配列数は1列でもよいし3列以上でもよい。3列以上の場合でも、その少なくとも最上流側の格子状壁にリングネットを取付けることにより、当該リングネットによる衝撃吸収効果を十分に享受することが可能である。その一方、上流側から数えて2列目以降の格子状壁の少なくとも一つにリングネットを取付けることにより、当該リングネットを最上流側の格子状壁によって有効に保護することが可能になる。
【0042】
また、本発明にかかる格子状壁は水路の幅方向全域にわたって配設されていてもよいし、前記図1等に示すように水路12の幅方向両端を残してその内側部分にのみ配設してもよい。後者の場合、格子状壁の左右両外側に間隙が残ることになるが、この間隙が小さい場合にはそのまま残してもよいし、当該間隙からの礫の流出が懸念される場合には当該間隙を積極的に塞ぐようにしてもよい。例えば、図20(a)(b)に示すように格子状壁16Aの両翼に補助柱44を立てたり、図21(a)(b)に示すように格子状壁16Aから左右両外側にはみ出すようにリングネット26を張って当該リングネット26の左右両端部を取付部材46を介してダム10側に固定したりすることにより、前記間隙を有効に覆うことが可能である。
【0043】
また、本発明は複数種のリングネットを組み合わせて使用することも妨げない。例えば図22に示すように、格子状壁16A(または16B)の上側領域には前記図1に示したものと同様に目の細かいリングネット26を設ける一方、最下段には前記リングネット26よりも目の粗い(すなわち環状体28の直径が大きい)リングネット26′を設けるようにしてもよい。あるいは、構成要素となる環状体28の直径が均一でないリングネットを用いてもよく、例えば下方に向かうに従って環状体28の直径が大きくなるようなリングネットを格子状壁に取付けるようにしてもよい。
【0044】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、強度が高くかつ格子目の粗い格子状壁に柔軟性及び可撓性を有して目の細かいリングネットを取付けることにより、水路の規模にかかわらず、十分な強度を確保しながら容易に設置可能であり、かつ、十分な透過率を保ちながら比較的径の小さな礫等も捕獲することができ、また、当該礫から受ける衝撃を緩和することができる透過型砂防堰堤を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】リングネットの環状体を上流側格子状壁の棒状部材が貫通する形態で当該リングネットが当該上流側格子状壁に取付けられた透過型砂防堰堤の斜視図である。
【図2】図1に示す透過型砂防堰堤の正面図である。
【図3】図1に示す透過型砂防堰堤の側面図である。
【図4】図1に示す透過型砂防堰堤の平面図である。
【図5】上流側格子状壁に設けられた突起にリングネットの環状体を引っ掛けることにより当該リングネットが取付けられた透過型砂防堰堤の斜視図である。
【図6】図5に示す透過型砂防堰堤の正面図である。
【図7】図5に示す透過型砂防堰堤の側面図である。
【図8】図5に示す透過型砂防堰堤の平面図である。
【図9】(a)(b)は棒状部材にリングネットの環状体を取付ける取付具の例を示す斜視図である。
【図10】上流側格子状壁とワイヤとの間にリングネットを挟みこむようにして当該リングネットが取付けられた透過型砂防堰堤の斜視図である。
【図11】図10に示す透過型砂防堰堤の正面図である。
【図12】図10に示す透過型砂防堰堤の側面図である。
【図13】図10に示す透過型砂防堰堤の平面図である。
【図14】下流側格子状壁にリングネットが取付けられた透過型砂防堰堤の斜視図である。
【図15】図14に示す透過型砂防堰堤の正面図である。
【図16】図14に示す透過型砂防堰堤の側面図である。
【図17】図14に示す透過型砂防堰堤の平面図である。
【図18】(a)(b)は幅広の水路に設置される透過型砂防堰堤の例を示す斜視図である。
【図19】幅広の水路に設置される透過型砂防堰堤の例を示す斜視図である。
【図20】(a)は格子状壁の左右両翼に補助柱が立設された透過型砂防堰堤の平面図、(b)は同透過型砂防堰堤の正面図である。
【図21】(a)は格子状壁の左右両外側からはみ出してリングネットが張られた透過型砂防堰堤の平面図、(b)は同透過型砂防堰堤の正面図である。
【図22】互いに目の粗さが異なる複数種のリングネットが組み合わせて使用された透過型砂防堰堤の例を示す正面図である。
【符号の説明】
10 ダム
12 水路
14 透過型砂防堰堤
16A 上流側格子状壁
16B 下流側格子状壁
17 間隙
18 縦棒状部材
20 横棒状部材
26,26′ リングネット
28,28A 環状体

Claims (9)

  1. 特定の幅をもった水路に設置される透過型砂防堰堤であって、複数本の棒状部材が縦横に交差するように組み合わされた格子状壁が前記水路中に当該水路をその幅方向に横切るように立設され、かつ、この格子状壁に、その格子の目よりも細かい目をもつ環状体が縦横に多数つなぎ合されてなるリングネットが当該格子の目を覆うように取付けられており、このリングネットは、前記格子状壁の最下部に当該リングネットを構成する環状体の直径よりも大きな間隙を残してそれよりも上側の領域にのみ設けられていることを特徴とする透過型砂防堰堤。
  2. 特定の幅をもった水路に設置される透過型砂防堰堤であって、複数本の棒状部材が縦横に交差するように組み合わされた格子状壁が前記水路中に当該水路をその幅方向に横切るように立設され、かつ、この格子状壁に、その格子の目よりも細かい目をもつ環状体が縦横に多数つなぎ合されてなるリングネットが当該格子の目を覆うように取付けられており、このリングネットは、互いに直径の異なる複数種の環状体により構成され、これらの環状体が下方に向かうに従って当該環状体の直径が大きくなるように並べられたものであることを特徴とする透過型砂防堰堤。
  3. 請求項1または2記載の透過型砂防堰堤において、前記リングネットが前記格子状壁の上流側の面に張られていることを特徴とする透過型砂防堰堤。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の透過型砂防堰堤において、前記リングネットを構成する各環状体は線材を環状に巻回したものであることを特徴とする透過型砂防堰堤。
  5. 請求項記載の透過型砂防堰堤において、前記間隙の高さ寸法が前記リングネットを構成する環状体の直径の2倍以下であることを特徴とする透過型砂防堰堤。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の透過型砂防堰堤において、前記格子状壁が前記水路の流れ方向に並ぶ複数列にわたって設置されるとともに、これらの格子状壁の少なくとも一つに前記リングネットが取付けられていることを特徴とする透過型砂防堰堤。
  7. 請求項6記載の透過型砂防堰堤において、前記格子状壁のうち少なく
    とも前記水路の最上流側に位置する格子状壁に前記リングネットが取付けられていることを特徴とする透過型砂防堰堤。
  8. 請求項6記載の透過型砂防堰堤において、前記格子状壁のうち前記水路の上流側から数えて2番目以降の格子状壁の少なくとも一つに前記リングネットが取付けられていることを特徴とする透過型砂防堰堤。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の透過型砂防堰堤において、前記リングネットにおける特定の環状体を前記格子状壁を構成する棒状部材が貫通する形態で当該格子状壁に前記リングネットが取付けられていることを特徴とする透過型砂防堰堤。
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