JP2007177467A - 土石流止め工及びその施工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】河川に設置の際の床堀り穴及び杭穴の掘削量が少なく水処理が容易で、掘削作業の工数を減らして工費の低減することのできる土石流止め工及びその施工方法を提供すること。
【解決手段】鋼材からなる四角形の鋼製枠2、及びこの鋼製枠2の下面に設けられた複数の鋼製枠10からなる鋼製ベッド1に、2本の鋼製柱22a,22bを有する門型状の上流側部材21と、2本の鋼製柱26a,26bの上下方向に複数の横梁材27が設けられた梯子状の下流側部材25の上端部が接合され、上流側部材21の下端部が鋼製ベッド1の上流側に接合され、下流側部材25の下端部が鋼製ベッド1の下流側端部に接合された側面ほぼ三角形状又は台形状の鋼製櫓20とを有し、鋼製ベッド1の鋼製枠2の空間部に、床材11により簀の子状又は格子状の床面を設けた。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば山間の河川などに設置され、豪雨により土砂が流下し、倒木が流出するのを防止するための土石流止め工及びその施工方法に関するものである。
山間の河川などでは、豪雨によって土砂が流下し、また倒木が流出する。これらにより河川の氾濫を招いたり家屋の倒壊や橋梁の流出の原因になることが多く、このような災害を防止するために、従来から土石流止め工が河川に設置されている。
従来の土石流止め工に、底面板と受圧フィンとを備える幾本かの鋼管杭を下面に備え、河床面に略平行となるように埋設されて土石流の方向へ延びる鋼管製ベッドと、この鋼管製ベッドの下流部分に乗載固定され、下部分を鋼管製ベッドと共に埋設した状態で土石流に対面するように設置される鋼管製櫓と、を備えて土石流止め工を形成し、鋼管製櫓の柱は鋼管製ベッドの左右側材をなす長尺鋼管に立設され、その鋼管製櫓の下流側部分には透水させると共に土石流をせき止める鋼管格子が形成される一方、上流側部分は土石流が鋼管製ベッド上を移動して鋼管格子へ到るのを可能とする門形構造となっており、鋼管製ベッドは鋼管格子の高さまで土石等が堆積しても土石流止め工を流失・転倒させることのない量の土砂を乗載することができる長さに選定したものがある(例えば、特許文献1参照)。
特許第3087260号公報(第3−5頁、図1−4)
特許文献1の土石流止め工によれば、豪雨により土石流が発生した場合、鋼管製櫓によってせき止められた土砂が鋼管製ベッドに堆積するので、その土砂が多くなるほどその重みによって土石流止め工の全体の固定力が増強され、河川における安定を自然作用を利用して図ることができるという効果が得られる。
しかしながら、受圧フィン、底板付きの長い(例えば、3m程度)の鋼管杭を備えた長い鋼管製ベッド(例えば、長さ10.4m、幅7.5m程度)を備えているため、河床への設置にあたっては、深く広い面積に掘削しなければならないので、水処理が困難であるばかりでなく、掘削量が大となって土砂の処理が面倒であり、このため掘削作業に多くの工数を必要とし、工費の増嵩を来たすという問題があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、河川に設置の際の床掘り穴及び杭穴の掘削量が少なく水処理も容易で、掘削作業の工数を減らして工費を低減することのできる土石流止め工及びその施工方法を提供することを目的としたものである。
本発明に係る土石流止め工は、鋼材からなる四角形の鋼製枠、及び該鋼製枠の下面に設けられた複数の鋼製杭からなる鋼製ベッドと、2本の鋼製柱を有する門型状の上流側部材に、2本の鋼製柱の上下方向に複数の横梁材が設けられた梯子状の下流側部材の上端部が接合され、前記上流側部材の下端部が前記鋼製ベッドの上流側に接合され、前記下流側部材の下端部が前記鋼製ベッドの下流側端部に接合された側面ほぼ三角形状又は台形状の鋼製櫓とを有し、前記鋼製ベッドの鋼製枠の空間部に、床材により簀の子状又は格子状の床面を設けたものである。
上記の鋼製ベッドの鋼製枠を構成する鋼材に、形鋼又は鋼管を用いた。
また、上記の鋼製櫓の鋼製柱及び横梁材に鋼管又は形鋼を用いた。
また、上記鋼製ベッドの床面を構成する床材に、形鋼若しくは鋼管又は穴明き鋼板を用い、あるいは、床材を鉄筋コンクリートで形成した。
上記の鋼製ベッド及び鋼製櫓を構成する部材を複数に分割し、プレート又はフランジによりボルト接合するようにした。
本発明に係る土石流止め工の施工方法は、工場等で製造された請求項1〜6のいずれかの土石流止め工を分解して設置現場に輸送する工程と、前記設置現場の河床に鋼製ベッドの外形より若干大きい床掘り穴及び杭穴を掘削する工程と、前記床掘り穴に前記分解した土石流止め工を搬入して組立てる工程と、前記杭穴及び床掘り穴を組立てられた土石流止め工の鋼製ベッドの下まで埋戻す工程と、前記鋼製ベッドに床材を取付ける工程と、前記床掘り穴を河床の位置まで埋戻す工程とを有するものである。
本発明に係る土石流止め工及びその施工方法によれば、鋼製ベッドの空間部を床材により簀の子状等に構成することにより、流入礫石の堆積が促進されてその重みにより固定力が増強されるので、鋼製ベッドの長さを短くできると共に、鋼製杭の長さを短くかつ簡単な構造とすることができ、これにより設置の際の床掘り穴及び杭穴の掘削量が少なく水処理も容易になるため、掘削作業の工数が減って工期を短縮し、工費を低減することができる。
図1は本発明の一実施の形態に係る土石流止め工の概要を示す斜視図(フランジや床材の配置は他と異なる部分がある)、図2は図1の側面図、図3は図2の鋼製ベッドの平面図、図4は図2の上流側からみた正面図、図5は図2の下流側からみた背面図である。なお、図2以下は詳細図なので、一部に図1と異なる部分がある。
本発明に係る土石流止め具Aは、基礎部を構成する鋼製ベッド1と、その上面に立設されてスリット部を構成する鋼製櫓20とからなっている。なお、以下の説明では、図の右側を上流側、左側を下流側という。
鋼製ベッド1は、例えば、H形鋼や溝形鋼の如き形鋼(実施例では、高さ及びフランジ幅が400〜500mmのH形鋼を用いた)からなる左右の側材3a,3bと、この側材3a,3bの両端部に接合された上記と同様のH形鋼からなる連結材4a,4bと、長手方向の中央部より上流側において連結材4aと平行に両端部が側材3a,3bに接合された横材5と、両側材3a,3bの間において、側材3a,3bと平行に両端部が連結材4a,4bと横材5に接合された縦材6とにより、四角形(図には河川の流れ方向に長い平面長方形状の場合が示してある)の鋼製枠2が形成される。
上記の鋼製枠2を形成する側材3a,3b、連結材4a,4b、横材5及び縦材6は、それぞれ1本のH形鋼を用いてもよいが、実施例では、輸送や荷積み、荷卸し等に便利なように、角部はL字状に形成し、また、直線部は適宜長さに分割し、角部と直線部及び直線部どうしをプレート7を用いてボルトで接合し、一体化した(以下、このプレート7で接合した部分を、接合部7と記すことがある)なお、横材5及び縦材6を各1本設けた場合を示したが、これらは省略してもよく、あるいはそれぞれ複数本設けてもよい。
10は丸形鋼管若しくは角形鋼管又はH形鋼の如き形鋼(図には、外径600mmの丸形鋼管の場合が示してある)からなり、鋼製枠2の下部に設けられた鋼製杭で、鋼製枠2の各角部及び側材3a,3bと横材5との突合部に、溶接又はボルトにより接合されている。また、鋼製ベッド1の上面には、側材3a,3bと横材5との突合部(ここには、鋼製杭10が設けられている)、下流側の側材3a,3bと連結材4bとの角部(ここにも鋼製杭10が設けられている)、及び両者の間の側材3a,3b上には、鋼材(図には外径600mmの丸形鋼管が示してある)からなり、上端部にフランジ31を有する継手口10aがそれぞれ溶接又はボルトにより接合されている。なお、上流側の継手口10aは下流側に、下流側の継手口10aは上流側に向って傾斜している。
11は例えば、鋼製枠2を構成するH形鋼より小形の鋼材(実施例では、高さ及びフランジ幅が150〜200mmのH形鋼を使用した)からなり、鋼製枠2の空間部に設けられて床面を形成する床材で、接合部7のない領域では、側材3a,3bと縦材6との間において、連結材4a,4bと平行に、かつ所定の間隔で(実施例では、床材11であるH形鋼のフランジ幅とほぼ等しい間隔としたが、これより広くてもよく、また狭くてもよい)両端部を側材3a,3bと縦材6のフランジの間に挿入し、ボルトにより固定する(以下、この床材11を横床材11aという)。
また、接合部7が設けられている領域では、横床材11aの間において、側材3a,3bと平行に、かつ横床材11aと同じ間隔で両端部を横床材11aのフランジの間に挿入し、ボルトで固定する(以下、この床材11を縦床材11bという)。
上記の説明では、鋼製枠2をH形鋼又は溝形鋼で構成した場合を示したが、これに限定するものではなく、例えば山形鋼やC形鋼の如き他の形鋼を用いてもよく、さらには丸形鋼管や角形鋼管を用いてもよい。
また、床材11を横、縦方向に配設して簀の子状の床面を構成した場合を示したが、床材11を横方向又は縦方向の一方向のみに配設して簀の子状に形成してもよく、あるいは、格子状に構成してもよい。
さらに、図6(a)に示すように、床材11を鉄筋コンクリートで構成し、両端部に設けたボルト挿通穴12を利用して鋼製枠2等にボルトで固定するようにしてもよく、あるいは、図6(b)に示すように、多数の貫通穴14を有する穴あき鋼板13を用いてもよい。
本実施の形態においては、床面の床材11間のすき間の合計面積を、鋼製枠2の内のり面積の50%〜60%程度とした。
鋼製ベッド1の大きさは、設置する河川の状態によって異なるが、実施例では、長さLを8.75m、幅Wを予想される流入礫石の最大径の3倍程度で、7.4mとし、鋼製杭10の鋼製ベッド1の下面からの長さ(高さ)hを2mとした。なお、特許文献1の土石流止め工を同じ条件の河川に設置する場合、鋼製ベッドの長さは10.35m、幅は7.4m、鋼管杭の長さは2.9mであった。
鋼管櫓20は、例えば丸形鋼管(実施例では、外径600mmの丸形鋼管を使用した。以下、単に鋼管という)からなる2本の柱材22a,22bの上端部を連結材24で連結して門型に形成して上流側に配設する上流側部材21と、同様の鋼管からなる2本の柱材26a,26b、及びこの柱材26a,26bを上下方向に所定の間隔で連結する複数の横梁材27により、梯子状に形成されて下流側に配設される下流側部材25とからなり、両者は上端部が接合されて側面ほぼ三角形状に構成されている。なお、上流側部材21は、図4に破線で示すように、上下方向に所定の間隔で補強のために横梁材23を設けてもよく、また、上流側部材21又は下流側部材25の上端部を下流側又は上流側に延設して、鋼製櫓20を側面ほぼ台形状に構成してもよい。
このようにして、側面ほぼ三角形状又は台形状に構成された鋼製櫓20の柱材22aと26a、22bと26bの間には、補強のためにそれぞれ複数本の連結梁28が接合され、下部の連結梁28には、鋼製ベッド1の鋼製枠2に接合される連結縦梁29が設けられている。
鋼製櫓20を構成する上流側部材21の柱材22a,22bは、それぞれ1本の鋼管を用いてもよいが、実施例では、輸送等に便利なように、図4に示すように適当な長さに分割した鋼管の上下にフランジ31を溶接してボルト接合し、柱材22a,22bを構成した。なお、最上部の鋼管は上端部に継手口30を設けてフランジ31を取付け、両端部にフランジ31を有する横梁材24を接合して門型に形成される。また、横梁材23を設ける場合は、当該鋼管に継手口30を設けてフランジ30を取付け、両端部にフランジ30を有する横梁材23をボルト接合すればよい。
また、下流側部材25は、図5に示すように、柱材26a,26bを適当な長さに分割して1個又は2個の継手口30を設け、それぞれの端部にフランジ31を取付ける。そして、上下の鋼管のフランジどうしをボルト接合して柱材26a,26bを構成し、両柱材26a,26bの継手口30に、両端部にフランジ31を有する横梁材27を接合し、梯子状に形成する。
この場合、下流側部材25の横梁材27の上下の間隔D1は、予想される流入礫石の最大径とほぼ等しいか又はこれより若干小さく設定され、上流側部材21に横梁材23を設けた場合は、その上下の間隔D2は下流側部材25の横梁材27の上下間隔D1より大きく、D1<D2に設定される。なお、鋼製櫓20の高さHは、河川の状態によって異なり、15m程度まで高くすることができるが、実施例では7.5mであった。
上記のような鋼製櫓20は、上流側部材21はその柱材22a,22bの下端部に設けたフランジ31を、鋼製ベッド1の側材3a,3bと横材5との突合部に設けた継手口10aに、また、下流側部材25はその柱材26a,26bの下端部に設けたフランジ31を、下流側の側材3a,3bと連結材4bとの角部に設けた継手口10aに、それぞれフランジ31を介してボルトにより傾斜して接合される。なお、両者の間に設けた連結縦梁29は、下端部に設けたフランジ31により、鋼製ベッド1の側材3a,3b上に設けた継手口10aにフランジ31を介してボルト接合される。
なお、上記の説明では、土石流止め工Aの各部の寸法などを数値で示したが、これらはその一例を示すもので、設置する河川の状態などにより適宜変更することができる。
次に、上記のように構成した土石流止め工Aの河川現場への施工手段の一例について説明する。
土石流止め工Aは、あらかじめ工場等で製造され、前述のように輸送や荷積み、荷卸しに便利なように、プレート7及びフランジ31による接合部で分解され、車輌等により現場へ輸送される。
一方、現場では、図7に示すように、河床40に鋼製ベッド1の外形より若干大きく、その厚みtより若干深い(例えば、t+400〜500mm)床掘り穴41を掘削し、その底部の鋼製杭10に対応する位置に、鋼製杭10の外径より大きく、その長さより若干深いほぼ逆台形状の穴掘り又は溝掘り42(以下、杭穴という)を掘削する。
河川は一般に下流側に向って傾斜しているが、鋼製ベッド1は水平に設置することが望ましいので、杭穴42の底部に均しコンクリート43を打設し、又はプレートを設置するなどして、レベル調整を行う。
次に、分解した鋼製ベッド1の鋼製杭10を有する角部、側材3a,3b、連結材4a,4b、横材5及び縦材6の直線部をクレーン車等により順次床掘り穴41内に搬入し、上流側から角部の鋼製杭10を杭穴42に挿入して配置し、各部材を順次配置してプレート7を介してボルトで仮止めして組立てる。そして、レベル調整等を行ったのち、ボルトを本締めして固定する。
次に、分解した鋼製櫓20の各部材を搬入して、鋼製ベッド1上に、下流側部材25及び上流側部材21の柱材26a,26b、22a,22bの下部をフランジ31を介してボルトにより接合し、以後、柱材26a,26b、22a,22bの上部及び横梁材27をフランジ31により順次ボルト接合して、両者の上端部をフランジ31を介してボルト接合する。そして、上流側部材21と下流側部材25の柱材22aと26a、22bと26bの間に連結梁28をフランジ31を介してボルト接合し、連結縦梁29の下端部をフランジ31を介して鋼製ベッド1の側材3a,3b上に設けた継手口10aにボルトで接合する。
次に、鋼製ベッド1の底部まで杭穴42及び床掘り穴41を埋戻して締固めを行う。締固めにあたっては、まきだし厚を300mm程度とし、タンパ等を用いて十分に転圧することが望ましい(以下、同様)。
ついで、鋼製ベッド1の鋼製枠2の側材3a,3b、連結材4a,4b、横材5及び縦材6の間に床材11を配置し、ボルトによりそれぞれ固定する。最後に、元の河床40の位置まで埋戻して締固めを行い、整地する。
締固め、整地にあたっては、鋼製櫓20の柱材22a,22b、26a,26bの周辺や下流側の前庭部など、局所的な洗堀りが予想される箇所には、あらかじめ巨石などで寄せ石を行い、また、表層部(鋼製ベッド1の上部及びその前後)は、できるだけ大きな石で覆うことが望ましい。
土石流止め工Aを設置した河床の表層を大きな石で覆うのは、河川、特に急勾配の河川では、表層部を大きな石で覆うことにより、細かい砂礫が常時流水により床材11の間から流出しても、大きな石は床材11上に残値されて鋼製ベッド1に安定した重量が加わるようにするためである。
これにより、土石流止め工Aの河川への設置が完了する。なお、上述の施工手順はその一例を示すもので、場合によっては埋戻しを最後にまとめて行うなど、土石流止め工Aの大きさや設置する河川の状態などにより適宜変更することができる。
上記のようにして河川に設置された土石流止め工Aは、河川が常水量のときは、一般に、鋼製櫓20の下部が河水に浸る程度であり、増水すると、鋼製櫓20の頂部が流水から露出するか、あるいは没する程度となる。
この場合、鋼製ベッド1は複数本の鋼製杭10が河床40の深部に埋設されており、また、床材11の上には大きな石や砂礫などが堆積されて締固めされているので、鋼製櫓20に作用する流体力に対して鋼製ベッド1及びその上に堆積した石や砂礫の重みによって抵抗するため、土石流止め工Aが滑ったり移動したりすることはない。
土石流が発生すると、鋼製櫓20の上流側部材21を通過した石や砂礫、流木などは、下流側部材25の狭い間隔の横梁材27によってせき止められて捕捉され、図8に示すように、鋼製ベッド1上に堆積する。
前述のように、鋼製ベッド1には比較的狭い間隔で床材11が設けられているため、鋼製ベッド1上を覆う大きな石の上にさらに石や土石流が堆積し、遂には、図8に示すように、鋼製櫓20の上部近傍に達するので、鋼製ベッド1にかかる重量が大幅に増大して土石流止め工A全体の固定力が増強され、自然力を利用して河川における土石流止め工Aが安定して固定される。
これにより、土石流止め工Aの滑りや転倒が防止され、鋼製櫓20によって土石や流木の下流側への流出が阻止されるので、河川の氾濫、家屋の倒壊や橋梁の流出を防止することができる。
常水量に戻ったときは、鋼製ベッド1及びその上流側に堆積した石や土砂、流木などを上流側から河床40の位置まで取除いて元の状態に戻し、次の土石流の発生に備える。堆積した石や土砂、流木などは、鋼製ベッド1を足場とすることにより容易かつ安定した状態で除去することができる。
ところで、河川の幅が広い場合は、複数基の土石流止め工Aを横方向(河川の流れ方向と直交する方向)に設置することがある。このような場合は、隣接する土石流止め工Aの間隔を、予想される流入礫石の最大径の1.5倍以内とすることが望ましい。
このように設置することにより、隣接する土石流止め工Aの間から流出する土石や土砂の量を抑制して捕捉することができる。
上記のように構成した本発明に係る土石流止め工Aによれば、鋼製ベッド1の空間部に簀の子状等の床材11を設けたことにより、河川に設置したときに鋼製ベッド1の上に石や砂礫が堆積されるので、その重量により常水時は勿論、土石流が発生しても滑ったり転倒したりすることがなく、安定して設置することができる。
また、このように構成したことにより、鋼製ベッド1の河川の流れ方向の長さを短くすることができ、さらに、従来鋼製杭に設けていた底面板や受圧フィンを省略することができてその長さを短くできるので、土石流止め工A全体を小型化することができる。実施例によれば、特許文献1の従来の土石流止め具に比べて、鋼製ベッド1の長さを15〜20%程度短くすることができた。
このように鋼製ベッド1が小さくなり鋼製杭10も短くなったため、施工にあたって、河床40の床掘り穴41の掘削量が少なくなって水処理が簡単になるばかりでなく、掘削した土砂の処理も容易になり、このため、掘削や埋戻しに要する作業工数が大幅に減って、工期を短縮し工費を低減することができる。
本発明の一実施の形態に係る土石流止め工の概要を示す斜視図である。 図1の側面図である。 図2の鋼製ベッドの上面図である。 図2の上流側からみた正面図である。 図2の下流側からみた背面図である。 図3の床材の他の例の斜視図である。 本発明に係る土石流止め具の施工例の説明図である。 河川の土石流が発生した場合の説明図である。
符号の説明
A 土石流止め工、1 鋼製ベッド、2 鋼製枠、3a,3b 側材、4a,4b 連結材、5 横材、6 縦材、7 プレート(接合部)、10 鋼製杭、11 床材、20 鋼製櫓、21 上流側部材、22a,22b、26a,26b 柱材、23,27 横梁材、25 下流側部材、30 継手口、31 フランジ、40 河床、41 床掘り穴、42 杭穴。

Claims (7)

  1. 鋼材からなる四角形の鋼製枠、及び該鋼製枠の下面に設けられた複数の鋼製杭からなる鋼製ベッドと、
    2本の鋼製柱を有する門型状の上流側部材に、2本の鋼製柱の上下方向に複数の横梁材が設けられた梯子状の下流側部材の上端部が接合され、前記上流側部材の下端部が前記鋼製ベッドの上流側に接合され、前記下流側部材の下端部が前記鋼製ベッドの下流側端部に接合された側面ほぼ三角形状又は台形状の鋼製櫓とを有し、
    前記鋼製ベッドの鋼製枠の空間部に、床材により簀の子状又は格子状の床面を設けたことを特徴とする土石流止め工。
  2. 前記鋼製ベッドの鋼製枠を構成する鋼材に、形鋼又は鋼管を用いたことを特徴とする請求項1記載の土石流止め工。
  3. 前記鋼製櫓の鋼製柱及び横梁材に、鋼管又は形鋼を用いたことを特徴とする請求項1記載の土石流止め工。
  4. 前記鋼製ベッドの床面を構成する床材に、形鋼若しくは鋼管又は穴明き鋼板を用いたことを特徴とする請求項1記載の土石流止め工。
  5. 前記構成ベッドの床面を構成する床材を、鉄筋コンクリートで形成したことを特徴とする請求項1記載の土石流止め工。
  6. 前記構成ベッド及び構成櫓を構成する部材を複数に分割し、プレート又はフランジによりボルト接合することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の土石流止め工。
  7. 工場等で製造された請求項1〜6のいずれかの土石流止め工を分解して設置現場に輸送する工程と、
    前記設置現場の河床に鋼製ベッドの外形より若干大きい床掘り穴及び杭穴を掘削する工程と、
    前記床掘り穴に前記分解した土石流止め工を搬入して組立てる工程と、
    前記杭穴及び床掘り穴を組立てられた土石流止め工の鋼製ベッドの下まで埋戻す工程と、
    前記鋼製ベッドに床材を取付ける工程と、
    前記床掘り穴を河床の位置まで埋戻す工程とを有することを特徴とする土石流止め工の施工方法。
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