JP3087260B2 - 土石流止め工 - Google Patents
土石流止め工Info
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Description
り、詳しくは、コンクリート基礎を採用することなく河
床を自然のまま機能させることができる土石流捕捉工の
技術分野で利用されるものであって、鋼管の下端に上載
土砂の重みを利用して動きを抑止する底面板と土中埋設
部分の周囲に受働土圧を増大させて滑り抵抗を付加する
受圧フィンとを備える鋼管製櫓形式の土石流止め工に関
するものである。
下し、また、倒木が流出する。これらは河川の氾濫を招
いたり家屋の倒壊や橋梁の流失の原因になることが多
く、従来から土石流捕捉工や土石流止め工等が河川内に
設置される。これらは土石流の流体力に耐える必要があ
るが、河床ががれき層である場合には鋼管杭の打ち込み
作業に困難をきわめる。従って、河床を掘り、コンクリ
ート基礎を設けて固定するようにしているのが一般的で
ある。
には山間の工事現場に多量の資材を運搬しなければなら
ないこと、流水のある場所でのコンクリート打設作業が
容易でないこと、コンクリートによる自然河床の破壊が
進むことを考慮すると、土石流捕捉工等のためにコンク
リート基礎を築くことは好ましくない。
基礎に代わるものとして、実開平4−65831号公報
には、鋼管杭を用いた土石流止め工等の固定構造が提案
されている。これは、土石流止め工等を構成する鋼管を
櫓状に組み上げ、河床に埋設する脚の下部分に底面板と
受圧フィンとを備えたものとなっている。
板であり、その上載土砂を自重として土石流止め工等の
安定を図るものである。後者は底面板の上方部位にあっ
て埋設脚から放射状に伸び、土圧に対して抵抗力を発生
させ、土石流止め工等の滑りを抑制するように機能する
ものである。
礎の採用は回避され、土石流止め工等を河床に固定して
おくという効果をある程度発揮させることができ、施工
の容易化や工期の短縮化等とあいまってその成果を見て
いる。しかし、鋼管製櫓の脚部のみの固定であるがゆえ
に、大きい礫石や流水に伴われた流木による力によって
鋼管製櫓が設置位置からずれたり甚だしくは転倒すると
いったことも起こりかねない。
っていると、当該櫓の上流側の脚部が河水の流れを少し
は阻害するため淀みが発生したり、分岐流れが生じて局
部的に加速流や攪乱流れが発生し、受圧フィンの近傍の
河床が浸食され、底面板による土石流止め工の固定効果
や受圧フィンによる上載土砂効果を損なうような事態が
起こる。
で、その目的は、櫓状に組み上げた土石流止め工の河床
に埋設する脚の下部分に底面板と受圧フィンとを備える
構造を採用してコンクリート基礎による河床破壊を防止
すること、土石流に伴われた土砂が鋼管製櫓に堆積する
点に着目し、その堆積土砂の重みを利用して櫓を河床に
安定的に固定しておくことができるようにした土石流止
め工を提供することである。
上載土砂の重みを利用して動きを抑止する底面板が取り
つけられると共に、土中埋設部分の周囲に受働土圧を増
大させて滑り抵抗を付加する受圧フィンが固定されてい
る土石流止め工に適用される。その特徴とするところ
は、図1を参照して、底面板6と受圧フィン7とを備え
る幾本かの鋼管杭5を下面に備え、河床面に略平行とな
るように埋設されて土石流の方向へ延びる鋼管製ベッド
2と、この鋼管製ベッド2の下流部分に乗載固定され、
下部分を鋼管製ベッド2と共に埋設した状態で土石流に
対面するように設置される鋼管製櫓3とを備えて土石流
止め工1が形成される。鋼管製櫓3の柱は鋼管製ベッド
2の左右側材2L,2Rをなす長尺鋼管に立設され、そ
の鋼管製櫓3の下流側部分には透水させると共に土石等
10(図3を参照)をせき止める鋼管格子3Aが形成さ
れる。一方、上流側部分は土石流が鋼管製ベッド2上を
移動して鋼管格子3Aへ到るのを可能とする門形構造3
Bとなっている。鋼管製ベッド2は鋼管格子3Aの高さ
まで土石等10が堆積しても土石流止め工1を流失・転
倒させることのない量の土砂を乗載することができる長
さL(図3を参照)となっている。
される流入礫石10の最大径Dの少なくとも3倍の幅W
に選定しておくとよい。また、土石流止め工1を河幅方
向に複数配置するとき、隣りあう土石流止め工1,1の
間隔Sを、予想される流入礫石10の最大径Dの1.5
倍以内となっていることが好ましい。
いるか(図4を参照)、三角形をなしているものとすれ
ばよい(図3を参照)。
櫓3の上流側部分の門形構造3Bの脚部の直下及び下流
側部分の鋼管格子3Aの脚部の直下に鋼管杭5を配置し
ておく(図1を参照)。
に、補強のため及び堆積土砂・礫石10の流失を抑制す
る鋼管製梁3mや鋼管製斜材3nが取りつけられる。
を備える幾本かの鋼管杭を下面に備える鋼管製ベッドが
河床面に略平行となるように埋設されるので、土石流の
ない場合には底面板に作用する上載土砂の重みを利用し
て鋼管製ベッドの動きを抑止しておくことができる。河
水流が増大した場合には、鋼管製櫓に作用する流体力に
抗して受圧フィンが受働土圧を増大させて滑り抵抗を付
加させる。それのみならず、鋼管製櫓の上流側柱等の基
部において河床の流水浸食が発生したとしても、鋼管製
櫓を固定している鋼管製ベッドの全体が土中にあって、
局部的な浸食作用の影響がほとんど及ばなくなる。土石
流が発生した場合には、鋼管製櫓によってせき止められ
た土砂が鋼管製ベッドに堆積するので、その土砂量が多
くなるほどその重みによって土石流止め工の全体の固定
力が増強され、河床における安定を自然作用を利用して
図ることができるようになる。
最大径の少なくとも3倍に選定しておけば、鋼管製ベッ
ド上で大小の土石の干渉があっても、河水に伴われて鋼
管製櫓の上流側の門形構造部分から下流側部分の鋼管格
子まで土石等を到達させることができ、鋼管製櫓を土石
流止め工として十分に機能させることができるようにな
る。
き、隣りあう土石流止め工の間隔を予想される流入礫石
の最大径の1.5倍以内としておけば、土石の干渉作用
によって隣りあう土石流止め工の間から流出する土石や
土砂の量を可及的に抑制することができる。上記の間隔
は礫石の捕捉に寄与するだけでなく、スリットダムとし
ても機能させることができる。従って土石流止め工を接
触するように配置する必要がなくなり、土石流止め工の
使用数の低減も図られる。
うに形成しておくと、上流側部分の門形構造と下流側部
分の鋼管格子とで囲まれる鋼管製櫓の容積を大きくして
おくことができ、土石の収容量の拡大が図られる。
ば、鋼管製櫓に使用される鋼管使用量が少なくなり、従
って、櫓を形成しておくための左右の三角形の連結部材
を構成する鋼管量も節減された土石流止め工としておく
ことができる。また、鋼管製櫓の上流側部分の門形構造
を形成する鋼管が河水流に対して矢尻状となるので、下
方向への分岐流を少なくして門形構造の基部における鋼
管製ベッド上の河床浸食を抑制することもできる。
櫓の上流側部分の門形構造の脚部の直下及び下流側部分
の鋼管格子の脚部の直下に鋼管杭を配置しておくと、河
水流圧や土石流の圧力が鋼管製ベッドに伝達されても、
その直接的に荷重の作用する箇所が鋼管杭によって対抗
力を発揮し、鋼管製ベッドの河床に対する固定の安定が
図られやすくなる。
取りつけておけば、鋼管製櫓の補強が図られるだけでな
く、鋼管製櫓内の堆積土砂や礫石の流失を抑制すること
ができる。
工を、その実施の形態を示した図面に基づいて詳細に説
明する。図1は河床11に設置される透過型ダムなどと
しての土石流止め工1の単体構造の斜視図であり、鋼管
を接合することによって組み立てられた鋼管製ベッド2
と鋼管製櫓3とからなっている。図の右が河水流の上流
側であり、河水流や土石流は矢印4のように移動する。
このような土石流止め工1の鋼管製ベッド2には鋼管杭
5が設けられ、その鋼管杭5の下端に上載土砂の重みを
利用して動きを抑止する底面板6が取りつけられると共
に、土中埋設部分の周囲に受働土圧を増大させて滑り抵
抗を付加する受圧フィン7が固定されている。
うに河水や土砂・土石の流れの方向へ延びて埋設される
ものであり、図示の例では長手方向に延びる長尺な鋼管
製の左右側材2L,2Rと、これらを接続する前後の連
結材2M,2Nと、左右側材2L,2Rに中間にあって
平行な中央縦材2Cとからなっている。これらの部材は
一本の鋼管であってもよいし、図示したようにフランジ
2a,2aを使用して接続したものであってもよい。も
ちろん、中央縦材2Cは二本以上あってもよいし、連結
材2M,2Nに平行もしくは傾斜する破線で示した連結
補助材2m,2nを左右側材2L,2Rや中央縦材2C
に接続するようにしてもよいことは言うまでもない。
右側材2Rの下面もしくは左右側材2L,2Rと連結材
2M,2Nとの交差部分の近傍の下部に鋼管杭5,5が
固定されている。その鋼管杭5の下端部に底面板6が溶
接等によって取りつけられ、底面板6の上方にあって鋼
管杭5から放射状に張り出すように受圧フィン7が何枚
か固定されている。底面板6は鋼板を円板状もしくは矩
形状としたものであればよく、受圧フィン7,7は短冊
状の鋼板を図2に示すように平面的には十字形となるよ
うに配置される。
管製ベッド2の滑り抵抗を増大させるものであるので、
一般的には、一直線状に配置された少なくとも一対の受
圧フィン7,7の面が河水流4に対して垂直とされる。
もちろん、受圧フィン7は四枚にかぎらず120度間隔
の三枚としてもよいし、受圧フィン7の幅をその高さに
近づけたりそれより大きい矩形状してもよい。受圧フィ
ン7の外縁7aは図2のように底面板6の周縁6aと一
致していなければならないというものでない。しかし、
図1のように、受圧フィン7の下縁を底面板6の上面に
一致させ、その交差部位に隅肉溶接等を施せば、受圧フ
ィン7の変形を抑制しておくことができる。
先端部分と下流側先端部分に設けられることは言うまで
もないが、必要に応じて河水流方向の中間部位や中央縦
材2Cなどの下面にも取りつけられる(図示せず)。こ
のような鋼管杭5,5を備えた鋼管製ベッド2の下流部
分に鋼管製櫓3が乗載固定され、鋼管製ベッド2を河床
11に埋設させた状態で土石流に対面するように配置さ
れる。
ら見て三角形をなしているが、図4のように側面から見
て略台形等をなした恰好でもよい。いずれにしても、下
流側部分には鋼管格子3Aが形成され上流側部分は門形
構造3Bとなっており、土石流がある場合に、河水に伴
われた土石や土砂が鋼管製櫓3内に堆積しやすい形とな
るように配慮されている。
a,3aを介して接続することによって組み立てられる
が、各側面を形成する面組3L,3Rは鋼管製ベッド2
の左右側材2L,2Rの上面等にフランジ3a等を介し
て固定される。鋼管格子3Aは河水流を透過させると共
に土石流をせき止める透水型構造とされており、図1の
ように、鋼管製ベッド2の連結材2Nに平行な水平材3
Cが複数本取りつけられている。なお、図示しないが、
鋼管格子3Aを形成させるために、水平材3Cに交差す
る上下に延びる鋼管を介在させ、格子の数を増やしても
よい。
される流入礫石10(図3を参照)の最大径Dに略等し
いかそれより少し大きい程度にしておけばよい。左右の
柱間に水平材3Cに交差した鋼管を介在させる場合に
は、形成された格子の左右幅も最大径Dに略等しいかそ
れより少し大きい程度とされることになる。一方、上流
側部分は土石流が鋼管製ベッド2上を移動して鋼管格子
3Aへ到るのを可能とするように開放された門形構造3
Bとなっているので、原則的には水平材等が配置されな
いが、補強の意味で細い鋼管(図示せず)を配置してお
いてもよい。
部分の鋼管格子3Aの柱の基部直下及び上流側部分の門
形構造3Bの柱の基部直下にも配置される。もちろん、
鋼管製櫓3の下方のいずれかの箇所に必要に応じて鋼管
杭5を追加してもよい。これらの鋼管杭5,5は原則的
には鋼管製ベッド2に取りつけられるが、鋼管製ベッド
2は鋼管格子3Aの高さまで土石等10が堆積しても土
石流止め工1を流失・転倒させることのない量の土砂を
乗載することができる長さに選定される。すなわち、上
載土砂量を予測しておき、その重みを利用して土石流止
め工1の安定を図るようにしている。
により異なるので大小いろいろあるが、例えば3ないし
7メートル程度であり、図3のように鋼管製ベッド2は
鋼管製櫓3の高さHの1.5倍ないし3倍程度の長さL
に選定しておけば十分であることが多い。鋼管杭5の深
さは例えば2メートル程度である。鋼管自体の直径は6
0センチメートル程度でよいが、中央縦材2C等(図1
を参照)の採用本数によって異なることは述べるまでも
ない。
ば、次のようにして河床11に対する安定を図ることが
できる。まず、工場において鋼管製ベッド2や鋼管製櫓
3を構成する鋼管を所定の長さに切断し端部にフランジ
2a,3bを取りつけた鋼管体8を製作すると共に、底
面板6と受圧フィン7を取りつけた鋼管杭5も製作して
おき、鋼管杭5は所定の鋼管体8に溶接等により予め一
体化しておく。鋼管製櫓3の面組3L,3Rも予め組み
立てておく。これらを工事現場に搬入するのは嵩張らな
いので、車両による輸送や現場での荷卸しも容易なもの
となる。
5のついた鋼管製ベッド2を組み立てる。そして、鋼管
杭5が河床11に埋設されるように鋼管製ベッド2を河
床に配置したり鋼管製ベッド2も埋没するように設置さ
れる(図3を参照)。その鋼管製ベッド2の所定の位置
に鋼管製櫓3をボルトによって接合しながら組み上げ
る。通常は図3のように、鋼管製櫓3の基部を覆うよう
に河床11に略平行に埋設される。実際は図のごとく河
床11が僅かに傾斜しているので、鋼管製ベッド2自体
は水平に設置されることが多い。
一体化させた後に河床に降ろし、所望する深さに鋼管製
ベッド2を河床に埋設したり、場合によっては鋼管杭5
のみを埋設するといったようにしてもよい。設置後の時
間の経過に伴い鋼管製ベッド2が川砂で覆われるが、重
りになるような手ごろな石を予め載せておいても、ま
た、その石や岩でもって自然穿掘の発生を抑制するよう
に配慮しておくこともできる。
一部が河水に浸る程度であり、増水すると鋼管製櫓3の
頭部分が流水から僅かに出るか少し没する程度となる。
その場合、底面板6と受圧フィン7とを備える幾本かの
鋼管杭5を下面に備える鋼管製ベッド2が河床11に少
し傾斜して埋設されるか鋼管杭5が埋没した状態にあ
り、底面板6に作用する上載土砂の重みを利用して鋼管
製ベッド2の動きが抑止される。増水時には鋼管製櫓3
の門形構造3Bや透過型構造の鋼管格子3Aの柱部に作
用する流体力に抗して受圧フィン7が受働土圧を増大さ
せ、土石流止め工1が滑らないように抵抗力を発生させ
る。すなわち、土石流の流体力や堆砂圧等の水平力は受
圧フィン7と土石流止め工1上の上載土砂の重みとよっ
て対抗されることになる。
の流水浸食が日頃から少しずつ発生したとしても、鋼管
杭5が河床内にあって、また、鋼管製櫓3の上流側脚等
において河床の浸食が発生しても、鋼管製櫓3を固定し
ている鋼管製ベッド2の全体が土中等にあって、局部的
な浸食の影響はほとんどない。
よって土砂や礫石10がせき止められ、図3のように鋼
管製ベッド2に順次堆積する。鋼管製櫓3の上流側は門
形構造3Bであり、そこを通過して鋼管格子3Aまで移
動する。鋼管製櫓3の面組3L,3Rに鋼管製梁3mや
鋼管製斜材3nが取りつけられており、鋼管製櫓3の補
強が図られるだけでなく、鋼管製櫓3内の堆積土砂や礫
石10の流失も抑制される。
状態のように多くなると鋼管製ベッド2上にも大量の土
砂や礫石10が溜まり、その重みによって鋼管製ベッド
2に掛かる重みが増大し、土石流止め工1の全体の固定
力が増強され、河床11における安定が自然作用を利用
して図られる。これによって、土石流止め工1の滑りや
転倒は回避され、鋼管製櫓3によって土石や流木の流失
は可及的に抑止され、河川の氾濫、家屋の倒壊や橋梁の
流失が防止される。
けば、鋼管製櫓3に使用される鋼管使用量が次に述べる
略台形状の場合より少なくなり、従って、櫓を形成する
左右の三角形の連結部材3m,3nとしての鋼管量も節
減された土石流止め工1となる。鋼管製櫓3の上流側部
分の門形構造3Bを形成する脚部分の鋼管が河水流に対
して矢尻状となるので、上向き流れ12(図3を参照)
が助長され、下方向への分岐流を少なくして門形構造3
Bの基部における鋼管製ベッド2上の河床浸食も抑制さ
れる。
図4のようであれば、土石流止め工1自体がやや長いも
のとなり、下流側部分の鋼管格子3Aと上流側部分の門
形構造3Bとで囲まれる鋼管製櫓3の容積が大きくな
り、土石の収容量の拡大が図られる。
くとも鋼管製櫓3の上流側部分の門形構造3Bの脚部の
直下及び下流側部分の鋼管格子3Aの脚部の直下に鋼管
杭5を配置しておく場合には、河水流圧や土石流圧力が
各柱部を介して鋼管製ベッド2に伝達されても、直接的
に荷重の作用する箇所が鋼管杭5によって対抗されるこ
とになる。すなわち、鋼管杭5に作用するモーメントを
可及的に小さくして、鋼管製ベッド2の河床11に対す
る固定の安定性を増強させることができる。
ド2の上流側部分から順次鋼管製櫓3の中まで取り除く
ようにすれば、次の土石流の発生に備えることができ
る。鋼管製ベッド2上の土石等10の除去作業は容易で
あり、鋼管製櫓3内の除去は鋼管製ベッド2を足場とし
て安定した状態で行うことができる。
向に並べた場合の概略平面矢視図であり、土石流止め工
1の河幅方向の長さWは、予想される流入礫石10の最
大径Dの少なくとも3倍に選定される。そして、土石流
止め工1,1の隣りあう間隔Sは、予想される流入礫石
10の最大径Dの1.5倍以内しておくことが好まし
い。
ておくと、鋼管製ベッド2上で大小の土石の干渉があっ
ても河水に伴われて鋼管製櫓3の上流側の門形構造3B
の部分から下流側部分の鋼管格子3Aまで土石等10を
到達させることができ、鋼管製櫓3を土石流止め工1と
して十分に機能させることができるようになる。
礫石10の最大径Dの1.5倍以内であれば、土石10
の干渉作用によって隣りあう土石流止め工1,1の間か
ら流出する土石や土砂の量を可及的に抑制して捕捉して
おくことができる。これによって土石流止め工1に多量
の土石が堆積しても各土石流止め工間の隙間を利してス
リットダムとしても機能させることができるようにな
る。従って、土石流止め工1を接触するようにして配置
する必要もなくなり、土石流止め工の使用数の低減すな
わち使用鋼管量の節減も図られる。
概略図。
土石流止め工の側面図。
概略平面図。
右側材、3…鋼管製櫓、3A…鋼管格子、3B…門形構
造、3m…鋼管製梁(連結部材)、3n…鋼管製斜材
(連結部材)、5…鋼管杭、6…底面板、7…受圧フィ
ン、10…流入礫石、D…流入礫石の最大径、S…土石
流止め工の間隔、W…土石流止め工の河幅方向の長さ。
Claims (7)
- 【請求項1】 鋼管の下端に上載土砂の重みを利用して
動きを抑止する底面板が取りつけられると共に、土中埋
設部分の周囲に受働土圧を増大させて滑り抵抗を付加す
る受圧フィンが固定されている土石流止め工において、 前記底面板と受圧フィンとを備える幾本かの鋼管杭を下
面に備え、河床面に略平行となるように埋設されて土石
流の方向へ延びる鋼管製ベッドと、 該鋼管製ベッドの下流部分に乗載固定され、下部分を前
記鋼管製ベッドと共に埋設した状態で土石流に対面する
ように設置される鋼管製櫓と、 を備えて土石流止め工を形成し、該鋼管製櫓の柱は前記
鋼管製ベッドの左右側材をなす長尺鋼管に立設され、そ
の鋼管製櫓の下流側部分には透水させると共に土石流を
せき止める鋼管格子が形成される一方、上流側部分は土
石流が鋼管製ベッド上を移動して前記鋼管格子へ到るの
を可能とする門形構造となっており、前記鋼管製ベッド
は前記鋼管格子の高さまで土石等が堆積しても土石流止
め工を流失・転倒させることのない量の土砂を乗載する
ことができる長さに選定されていることを特徴とする土
石流止め工。 - 【請求項2】 前記土石流止め工は、予想される流入礫
石の最大径の少なくとも3倍の幅に選定されていること
を特徴とする請求項1に記載された土石流止め工。 - 【請求項3】 前記土石流止め工を河幅方向に複数配置
するとき、隣りあう土石流止め工の間隔は、予想される
流入礫石の最大径の1.5倍以内となっていることを特
徴とする請求項1又は請求項2に記載された土石流止め
工。 - 【請求項4】 前記鋼管製櫓は側面から見て略台形をな
していることを特徴とする請求項1ないし請求項3のい
ずれかに記載された土石流止め工。 - 【請求項5】 前記鋼管製櫓は側面から見て三角形をな
していることを特徴とする請求項1ないし請求項3のい
ずれかに記載された土石流止め工。 - 【請求項6】 前記鋼管杭は前記鋼管製ベッドの上流側
先端部分、前記鋼管製櫓の上流側部分の前記門形構造の
脚部の直下及び下流側部分の前記鋼管格子の脚部の直下
に配置されていることを特徴とする請求項1ないし請求
項5のいずれかに記載された土石流止め工。 - 【請求項7】 前記鋼管製櫓の側面に補強のため及び堆
積土砂・礫石の流失を抑制する鋼管製梁や鋼管製斜材が
取りつけられていることを特徴とする請求項1ないし請
求項6のいずれかに記載された土石流止め工。
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