JP7393094B1 - 砂防ダム及び導流堤 - Google Patents

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Abstract

【課題】土石流や火山泥流、流木に対して谷または河川に設置される耐土石流性の高い構造物が得られるものであり、現地において簡易にかつ急速施工が可能な砂防ダム及び導流堤を提供すること。また、軟弱な地盤上において構築する場合においても、地盤の変形に追従する性能を有した土砂等の捕捉機能の高い砂防ダムを提供すること。【解決手段】コンクリート・ブロック間の噛み合わせ強度及び透水性能が期待できる方塊コンクリート(11)を積み上げた堰堤工(10)と、その堰堤工(10)の上流側に波消ブロック(21)を積み上げた消波工(20)と、を備えている砂防ダム(100)又は導流堤。なお、この2種類のブロックの組み合わせた構造により、土石流(1)に対する安定性能を高めることができる。また、堰堤工(10)の透水性能により、満砂した砂防ダム(100)においても、土石流(1)や火山泥流、流木の捕捉率を高めることができる。【選択図】図1

Description

本発明は、土石流や火山泥流、流木を阻止する砂防ダム及び導流堤に関するものである。
火山噴火直後の状況下で土石流や火山泥流、流木の対策施設を緊急に施工する必要がある場合、コンクリート・ブロック等の工場製品を予め製作することにより、この工場製品を緊急時に施工箇所へ運搬して砂防ダムや導流堤を施工することができる。
このような状況下の場合、通常のコンクリート・ブロックで構築された砂防ダムや導流堤では、土石流や火山泥流、流木の流下時、その流体力により個々が運搬され、ブロックが変位して流出する可能性がある。そこで、緊急施工が可能であるとともに、土石流や火山泥流に対する耐土石流性の高い砂防ダムの対策工法が提案されている。ただし、導流堤については、従来、確立したものはなかった。
なお、コンクリート充填鋼管を軸として立設し、鋼管の貫通孔を形成した方塊ブロックを、このコンクリート充填鋼管に串刺し状に積み上げて形成した砂防ダムまたは導流堤が提案されている(特許文献1参照)。
特開2000-290969(土石流等の対策構造物及びその施工法)
しかしながら、これらは、次のような欠点があった。
緊急の施工を要すため、予め鋼管材料の備蓄を行っておく必要があるが、土石流や火山泥流、流木の規模が変化するに伴って積み上げる高さが異なるため、その高さや作用する外力に対応するための様々な長さや板厚みの鋼管を事前に備蓄しておくことは困難である。その結果として、ダム形状の変更が不可となる。また、鋼管を現地にて掘削等により立設するためには、大規模な掘削や据え付けのための施工機械を確保するとともに、前記施工機械の現地への搬入及び据え付けが困難であることが懸念される。また、前記鋼管内に充填打設するコンクリート材料の確保やその現地での打設に時間を要すため、緊急施工が困難な場合が想定される。さらに、火山等の影響を受けて変形する地盤においては、前記コンクリート・ブロック間の噛み合わせにおいて期待される屈僥性能が期待出来ないため、対策構造物の規模が多大となるおそれがある。一方、土砂等の捕捉効果の高い対策構造物の構築が求められる。
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、事前に備蓄出来る材料を主とするため、前記鋼管は不要であるとともに、簡易な施工によって緊急施工が可能で耐土石流性の高い構造により、土石流や火山泥流、流木の流出と、それに伴う被害を抑えることができる砂防ダム及び導流堤を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明は、谷または河川を横切る方向に沿って積み上げられた方塊ブロックと、 前記方塊ブロックの上流側に前記谷または前記河川を横切る方向に沿って積み上げられた消波根固めブロックと、を備えることを特徴とする砂防ダムである。
また、前記方塊ブロックの鉛直方向に対する上下間の水平接合部において、直方体のコンクリートで構成されるブロックの上下面に設けられた突起により、前記方塊ブロックの水平方向における変位の抑制が図られた特徴を有する砂防ダムであることが好ましい。
また、前記方塊ブロックの鉛直方向に対する上下間の水平接合部において、直方体のコンクリートで構成されるブロックの上下面に設けられた突起により、前記方塊ブロック間の透水性能を有する砂防ダムであることが好ましい。
また、前記方塊ブロックの鉛直方向に対する上下間の水平接合部及び水平方向に対する側面接合部において、直方体のコンクリートで構成されるブロックの上下面に設けられた突起及び側面の前記方塊ブロックの平面形状により、前記方塊ブロックの地盤の変形に追従する屈僥性と最上段に位置する方塊ブロックの鉛直下方向への変位を抑制する性能を有する砂防ダムであることが好ましい。
また、前記方塊ブロックと前記消波根固めブロックとの組み合わせ方法または積み上げ方法の変更により、ダム形状を変更が可能な特徴を有する砂防ダムであることが好ましい。
また、河川を交差する方向に沿って積み上げられた方塊ブロックと、前記方塊ブロックの上流側に前記河川を交差する方向に沿って積み上げられた消波根固めブロックと、を備えることを特徴とする導流堤である。
本発明によれば、谷または河川を横切る方向に沿って積み上げられた方塊ブロックと、前記方塊ブロックの上流側に前記谷または前記河川を横切る方向に沿って積み上げられた消波根固めブロックと、を備えることを特徴とする砂防ダム又は導流堤により、土石流や火山泥流、流木による被害を抑えることができる。なお、耐土石流性の高い対策構造物で備蓄が容易な部材での組み合わせにより、安定した対策構造物を急速な施工で提供することが可能である。また、前記方塊ブロックで構成された堰堤工の透水性能により、満砂した砂防ダムにおいても、土石流や火山泥流、流木の捕捉率を高めることができる。さらに、変形する地盤上においても、地盤の変形に追従する屈僥性と最上段に位置する前記方塊ブロックの鉛直下方向への変位を抑制する性能を有する砂防ダム及び導流堤を構築できる。

本発明で構築する砂防ダムの側面を示す模式図である。 本発明で構築する砂防ダムが設置された谷を示す斜視図である。 本発明で構築する方塊ブロックによる堰堤工を示す側面図である。 本発明で構築する消波根固めブロックによる消波工を示す側面図である。 本発明で使用する方塊ブロックを示す斜視図である。 本発明で使用する消波根固めブロックを示す斜視図である。 (a)は、本発明で使用する方塊ブロックを示す平面図であり、(b)は、(a)のA-A断面図であり、(c)は、(a)のB-B断面図である。 (a)は、本発明で使用する消波根固めブロックを示す平面図であり、(b)は、(a)のA-A断面図であり、(c)は、(a)のB-B断面図である。 本発明で期待される水平方向における変位の抑制機構を示す堰堤工の拡大模式図である。 本発明で期待される変形中の地盤上における堰堤工の挙動を把握する実験を示す模式図であり、(a)は、正面図であり、(b)は、堰堤工の鉛直下より外側の位置において土砂を流出させるための穴を設けた場合を示す側面図であり、(c)は、堰堤工の鉛直下での内側の位置において土砂を流出させるための穴を設けた場合を示す側面図である。 実験により得られた、本発明で期待する変形する地盤上における堰堤工の挙動を示す模式図である。 (a)は、本発明で構築される砂防ダムとその上流側に飽和していない土砂が堆砂している状況断面を示す模式図であり、(b)は、従来のコンクリートで構築される砂防ダムとその上流側に飽和した土砂が堆砂している状況断面を示す模式図である。 (a)は、実験より得られた本発明で構築される砂防ダムとその上流側に堆砂している土砂の上部で土石流が停止した場合の状況断面を示す模式図であり、(b)は、実験より得られた従来のコンクリートで構築される砂防ダムとその上流側に堆砂している土砂の上部を土石流が通過した場合の状況断面を示す模式図である。 本発明で構築する導流堤が設置された河川を示す斜視図である。
本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す実施の形態は一つの例示であり、本発明の範囲において、種々の形態を取り得る。
<砂防ダムの構成>
図1は、本発明で構築する砂防ダム100の側面を示す模式図である。図2は、前記砂防ダム100が設置された谷Vを示す斜視図である。図3は、本発明で構築する方塊ブロック11による堰堤工10を示す側面図である。図4は、本発明で構築する消波根固めブロック21による消波工20を示す側面図である。図5は、前記方塊ブロック11を示す斜視図である。図6は、前記消波根固めブロック21を示す斜視図である。図7(a)は、前記方塊ブロック11を示す平面図であり、(b)は、(a)のA-A断面図であり、(c)は、(a)のB-B断面図である。図8(a)は、前記消波根固めブロック21を示す平面図であり、(b)は、(a)のA-A断面図であり、(c)は、(a)のB-B断面図である。図9は、本発明で期待する水平方向における変位の抑制機構を示す前記堰堤工10の拡大模式図である。
図2に示すように、前記砂防ダム100は、例えば、土石流1や火山泥流、流木の堆積、氾濫の可能性がある前記谷Vを横切るように構築される。なお、前記砂防ダム100は、前記谷Vの上流側から流下していく前記土石流1等を捕捉して、居住地域の土砂災害を防ぐ。
図1に示すように、前記土石流1が流下してくる前記砂防ダム100の内、上流側を構成する前記消波根固めブロック21を乱積みにより積み上げて構築した前記消波工20と、前記消波工20の下流側に前記方塊ブロック11を層積みにより積み上げられて構築された前記堰堤工10とを備えている。なお、前記土石流1の流体力に対しては、上流側に構築される前記消波工20より、その作用力や流速を低減させて前記砂防ダム100の安定化を図る。また、前記消波工20の下流側に構築される前記堰堤工10により、前記土石流1で運搬される土砂や流木等を受け止めて堆積させて捕捉し、下流側への流出防止を行うことにより下流側の人家等をこれらの前記土石流1による被害から防止させる。
<堰堤工の構成>
図3に示すように、前記堰堤工10は、前記方塊ブロック11を平面的に整列させて下から積み上げる層積みにより、必要な高さまで順に積み上げて構築する。このため、前記堰堤工10の形状を自由に変更することが可能である。なお、図5及び図7に示すように、前記方塊ブロック11は直方体のコンクリートで構成されるブロックの上下面に突起111が設けられた構造である。また、前記方塊ブロック11の側面112と隣り合う別の前記方塊ブロック11の前記側面112とが接合することにより、構成される構造である。ここで、図3に示すように、前記方塊ブロック11を下から積み上げていく際には、前記方塊ブロック11に設けられている前記突起111の平面位置における配置の違いにより、前記方塊ブロック11間の水平方向における噛み合わせにおいてこれらの前記突起111同士を接合させる。具体的には、前記方塊ブロック11を積み上げる段毎に前記方塊ブロック11を直角(90度)に回転させて、段毎に水平方向の前記突起111同士により噛み合わせさせる。これにより、図9に示すように、この前記突起111での噛み合わせにより前記方塊ブロック11間の水平方向における変位の抑制を図る。
<消波工の構成>
図4に示すように、前記消波工20は、前記消波根固めブロック21を整列させることなく下から積み上げる乱積みにより、必要な高さまで順に積み上げて構築する。このため、前記消波工20の形状を自由に変更することが可能である。なお、図6及び図8に示すように、前記消波根固めブロック21は、例えば、4つの脚211が設けられている。前記脚211より、前記消波根固めブロック21間の隙間は、前記方塊ブロック11間の隙間と異なって、顕著に広い噛み合わせの接合となり隙間が広くなる。そのため、この広い隙間の間を、前記土石流1が通過する際に、前記消波根固ブロック21表面の粗度に影響を受けた摩擦より、前記土石流1の流体力により作用する外力を低減させることが期待される。また、前記脚211同士の強固な噛み合わせ構造により、前記土石流1や火山泥流、流木の流下に伴って作用する外力に対する安定性能(耐土石流性能)が確保され、前記消波根固めブロック21間の水平方向における強固な変位の抑制を図れる。これにより、前記消波工20及び前記堰堤工10の安定性が確保される。
<堰堤工の透水性能>
図3に示すように、前記方塊ブロック11を層積みにより前記堰堤工10を構築した場合、前記堰堤工10により細粒土砂も含めた土砂を堰き止めて通過させず、水のみを通過させて前記堰堤工10の下流側へ排水させることが可能である。これにより、土砂と水とを分離させて捕捉できるため、前記堰堤10が捕捉する上流側の捕捉容量を軽減できるため、結果として、前記堰堤工10の高さを低くするなどの小規模化が図れる。また、前記堰堤工10より水を通過させる効果により、前記堰堤工10に作用する水圧が軽減できるため、更に安定性の高い前記砂防ダム100の構築が可能となる。さらに、前記砂防ダム100の上流側において土砂が満砂状体で堆積している場合においても、その堆積している土砂の上部において、上流側より通過する前記土石流1を停止させて捕捉することが可能となる。
ここで、前記堰堤工10及び前記消波工20における排水性能を確認するため、図1の状態を示す実験を直線水路により行って把握した。なお、スケールは1/25であり、水路幅(前記砂防ダム100の横断方向)は、前記方塊ブロック11の3列分とした。実験は、水のみの場合と土砂を混入させた前記土石流1の場合の2ケースに対して、それぞれ流量や水路勾配を変化させて、水のみの場合の前記砂防ダム100(前記堰堤工10及び前記消波工20)からの流水量による透水性能と、土砂を混入させた場合の前記砂防ダム100からの流出量の捕捉性能について把握した。実験結果によると、排水性能は概ね、流量に対して40%程度以上であり、捕捉性能(土砂非流出量)は投入土砂量に対して、95%以上の土砂を前記砂防ダム100により捕捉することがわかった。
これらの実験結果により、前記方塊ブロック11の上下間の水平接合部において、直方体のコンクリートで構成される前記方塊ブロック11の上下面に設けられた前記突起111により、前記方塊ブロック11間の透水性能を有する性能が確認された。
<堰堤工の屈僥性能>
図10は、本発明で期待される変形中の地盤上における前記堰堤工10の挙動を把握する実験を示す模式図であり、(a)は、正面図であり、(b)は、前記堰堤工10の鉛直下より外側の位置において、水槽4に敷き詰めた砂41を下から流出させるための穴42を設けた場合を示す側面図であり、(c)は、前記堰堤工10の鉛直下での内側の位置において、前記砂41を下から流出させるための前記穴42を設けた場合を示す側面図である。図11は、実験より得られた、本発明で期待する変形する地盤上における前記堰堤工10の挙動を示す模式図である。
地盤沈下や液状化などの変形する地盤上における前記堰堤工10の変形に対する追従性能を把握するため、図10に示すように、前記水槽4内に前記砂41を敷き詰めて仮定した地盤上に、1/25スケールで製作した前記方塊ブロック11を4段積み上げて前記堰堤工10を構築した。そして、図10(a)の正面図に示すように、前記堰堤工10の正面中央の鉛直下部に前記水槽4内の前記砂41を下から排出させて地盤を変形させ、その際の前記堰堤工10の挙動について把握した。なお、図10(b)に示すように、一般的に前記堰堤工10の上部からの落水等により影響を受けると想定される鉛直下より外側(3分の1)の位置において前記砂41を排出する場合と、図10(c)に示すように、一般的に前記堰堤工10に図右側から水平外力が作用して転倒により地盤へ作用すると考えられる上流側から前記堰堤工10幅の3分の2の位置において前記砂41を流出させる場合の2箇所で実験した。なお、評価としては、前記砂防ダム100や導流堤200の捕捉機能として最上段の前記方塊ブロック11の変位を抑制することが重要であるため、実験前後の最上段に位置する前記方塊ブロック11の天端高差Δδを計測して比較した。また、前記砂41の流出は、前記砂41の特性である内部摩擦角(剪断抵抗)の影響を受けて、一定のところで自然的に流出が停止した。実験結果によると、図10(b)及び図10(c)の場合、最終的なΔδは前記堰堤工10の全高の1割未満であることが新たに分かった。
また、図11に示すように、実験中の観察によると、前記砂41の流出とともに中央最下段の前記方塊ブロック11は前記砂41とともに鉛直下方向へ落下したが、その他の前記方塊ブロック11は、前記方塊ブロック11に設けられた前記突起111と、前記方塊ブロック11の前記側面112の形状による接合部での圧縮及び噛み合わせにより、前記堰堤工10の両端下部を支点とした梁構造で安定する現象(インターロック・ビーム効果)が新たに確認された。
これにより、前記方塊ブロック11の上下間の水平接合部及び前記側面112接合部において、直方体のコンクリートで構成される前記方塊ブロック11の上下面に設けられた前記突起111と、前記方塊ブロック11の前記側面112の平面形状により、前記方塊ブロック11の地盤の変形に追従する屈僥性と最上段の前記方塊ブロック11の鉛直下方向への変位を抑制する性能を有することが分かった。
以上のように、前記砂防ダム100によれば、前記谷Vの上流から前記土石流1や火山泥流、流木が流出してきた場合は、前記谷Vを横切る方向に設置された前記消波工20及び前記堰堤工10の機能により、耐土石流性を確保して安全に堰き止めて捕捉することができる。一方、前記堰堤工10及び前記消波工20の透水性能より、従来の不透水性の砂防ダムと比較して、前記砂防ダム100の直上流側で水と土砂とを分離させて水を前記砂防ダム100のブロック(前記方塊ブロック11及び前記消波根固めブロック21)間の隙間からの下流への排水により、大幅に捕捉容量を軽減できるため、前記砂防ダム100の規模(高さ)の規模の縮小化が図ることが可能となる。
なお、本発明は、上記の形状に限られるものではなく、本発明の本質的な部分を変更しない範囲内で、自由に変更可能である。
次に、前記砂防ダム100の変形例について示す。なお、上記の実施と同じ構成については、同一符号を付して説明を省略する。図14は、本発明で構築する導流堤200が設置された河川Rを示す斜視図である。図14に示すように、山Mに挟まれた平地に流れる前記河川Rにおいて、前記土石流1や火山泥流、流木が周囲へ氾濫する可能性のある箇所において、日常の土地利用を考慮して、周辺への氾濫被害を防ぐ前記導流堤200を、同様に前記消波工20と前記堰堤工10により、前記河川Rを交差する斜め方向に沿って配置させる。
これにより、前記土石流1による外力に対しても安全な前記導流堤200が、予め備蓄されたブロック(前記方塊ブロック11及び前記消波根固めブロック21)により、自由な形状で急速に施工が可能となる。
<実施例>
次に、上記の構成を有する前記砂防ダム100の実施例について説明する。従来のコンクリートで構築される砂防ダム101とコンクリート・ブロックで構成された前記砂防ダム100の1/25スケールの模型をそれぞれ作成し、直線水路の下流端に設置した。そして、その上流側より水と土砂を混入させた前記土石流1を流下させて、それらの各砂防ダムにおける捕捉形態の把握に関して実験した。なお、前記谷Vを想定して用いた直線水路は、幅200mm、長さ2,000mm、高さ100mmとした。また、水路条件は、底部に砂礫(直径7mm、4mm、0.6mmをそれぞれ同配分で混合)を敷き詰めて15度に傾斜させた水路に上流から水を供給させて前記土石流1を発生させ、水路下流部に設置された各砂防ダムで捕捉されずに通過して下流へ流出した土砂の重量を計測した。図12(a)は、本発明で構築される前記砂防ダム100とその上流側に飽和していない土砂による堆砂30の状況断面の模式図であり、(b)は従来のコンクリートで構築される前記砂防ダム101とその上流側に飽和した土砂による前記堆砂30の状況断面を示す模式図である。図12(b)に示すように、従来の前記砂防ダム101では、前記砂防ダム101を通過して排水されないため、上流側に堆積している前記堆砂30は上流から供給された水により飽和している状況である。一方、図12(a)に示すように、前記砂防ダム100で期待される透水性より、上流側の前記堆砂30の水は前記砂防ダム100より排水され、飽和していない状況である。なお、前記土石流1の供給時間は30秒間とし、その間における挙動について把握した。実験より得られた本発明で構築される砂前記防ダム100とその上流側の前記堆砂30の上部で前記土石流1が停止した場合の状況断面を示す模式図を図13(a)に、実験より得られた従来のコンクリートで構築される前記砂防ダム101とその上流側の前記堆砂30の上部を前記土石流1が通過した場合の状況断面を示す模式図を(b)に示す。図13(b)に示すように、従来の前記砂防ダム101では多くの前記土石流1が捕捉されることなく、前記堆砂30の上部をそのまま通過した。一方で、図13(a)に示すように、前記砂防ダム100の上流側の前記堆砂30の上部を通過する際に、前記土石流1から下の前記堆砂30へ水が浸透することにより、前記土石流1が通過途中で停止し、最終的に捕捉されることが分かった。
以上のように、提案する前記砂防ダム100は、従来の砂防ダム101よりも前記土石流1を捕捉する効果が大きく、有用な構造物であることが確認できた。
1 土石流
4 水槽
10 堰堤工
11 方塊ブロック
20 消波工
21 波消根固めブロック
30 堆砂
41 砂
42 穴
100 砂防ダム
101 従来までの現地で打設されたコンクリートによる砂防ダム
111 突起
112 側面
200 導流堤
211 脚
M 山
V 谷
R 河川

Claims (6)

  1. 谷または河川を横切る方向に沿って積み上げられた方塊ブロックと、
    前記方塊ブロックの上流側に前記谷または前記河川を横切る方向に沿って積み上げられた消波根固めブロックと、
    を備えることを特徴とする砂防ダム。
  2. 前記方塊ブロックの鉛直方向に対する上下間の水平接合部において、直方体のコンクリートで構成されるブロックの上下面に設けられた突起により、前記方塊ブロックの水平方向における変位の抑制が図られた特徴を有する請求項1に記載の砂防ダム。
  3. 前記方塊ブロックの鉛直方向に対する上下間の水平接合部において、直方体のコンクリートで構成されるブロックの上下面に設けられた突起により、前記方塊ブロック間の透水性能を有する請求項1に記載の砂防ダム。
  4. 前記方塊ブロックの鉛直方向に対する上下間の水平接合部及び水平方向に対する側面接合部において、直方体のコンクリートで構成されるブロックの上下面に設けられた突起及び側面の前記方塊ブロックの平面形状により、前記方塊ブロックの地盤の変形に追従する屈僥性と最上段に位置する前記方塊ブロックの鉛直下方向への変位を抑制する性能を有する請求項1に記載の砂防ダム。
  5. 前記方塊ブロックと前記消波根固めブロックとの組み合わせ方法または積み上げ方法の変更により、ダム形状を変更が可能な特徴を有する請求項1に記載の砂防ダム。
  6. 河川を交差する方向に沿って積み上げられた方塊ブロックと、
    前記方塊ブロックの上流側に前記河川を交差する方向に沿って積み上げられた消波根固めブロックと、
    を備えることを特徴とする導流堤。
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