JP4912346B2 - 鋼製スリットダム - Google Patents

鋼製スリットダム Download PDF

Info

Publication number
JP4912346B2
JP4912346B2 JP2008090589A JP2008090589A JP4912346B2 JP 4912346 B2 JP4912346 B2 JP 4912346B2 JP 2008090589 A JP2008090589 A JP 2008090589A JP 2008090589 A JP2008090589 A JP 2008090589A JP 4912346 B2 JP4912346 B2 JP 4912346B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steel pipe
steel
members
column
pipe member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008090589A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009243135A (ja
Inventor
久 大隅
ひろし 國領
佐野  清
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Metal Products Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel Metal Products Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Metal Products Co Ltd filed Critical Nippon Steel Metal Products Co Ltd
Priority to JP2008090589A priority Critical patent/JP4912346B2/ja
Publication of JP2009243135A publication Critical patent/JP2009243135A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4912346B2 publication Critical patent/JP4912346B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Revetment (AREA)

Description

本発明は、河川の土石流対策用或いは流木対策用に好適な鋼製スリットダムに関するものである。
従来より、河川においては、種々のタイプの鋼製スリットダムが提案されている。この鋼製スリットダムは、河川を流下してくる流下物のうち、比較的粒径の細かい土や砂等の中小礫、微小礫を積極的に下流側に透過させてダム上流の貯砂容量を確保しつつ、粒径が巨大な岩石、流木等の巨礫のみを捕捉して、これら巨礫の下流側への流出を防止可能とするものである。
図13、図14に、この鋼製スリットダム100の一実施形態の構成を示す。この鋼製スリットダム100は、河川の幅方向両側に立設される袖部101と、袖部101間に配置される複数の鋼製ユニット体102とから構成される。この鋼製ユニット体102は、コンクリート基礎104上に立設されており、河川上流側に立設される複数本の上流側柱材111と、河川下流側に立設される複数本の下流側柱材112と、これらを互いに連結する梁材113、114とから構成される。なお、梁材113は、川幅方向と略平行をなして設けられており、梁材114は、河川の流れ方向と略平行をなして設けられている。
この鋼製スリットダム100においては、主として上流側柱材111や梁材113が巨礫を捕捉しており、中小礫や微小礫は各柱材111、112や梁材113、114間を透過して、下流側に流下していく。
近年においては、このような鋼製ユニット体102の柱材111、112や梁材113、114を構造材としたうえで、各上流側柱材111に対して種々の機能材を取り付け、鋼製スリットダムにこれら取り付けた機能材に応じた機能を付加する試みがなされている(例えば、特許文献1〜3参照。)
例えば、特許文献1に示される鋼製スリットダムにおいては、隣り合う鋼製ユニット体102の相互間の間隔をあけた部位に対して、同間隔部分を遮るように張り出し材を設けている。この張り出し材を設けることによって、各鋼製ユニット体102相互間の間隔を大きく開けて設計、施工ができ、それだけ川幅方向に取り付ける鋼製ユニット体102の柱材111、112の数等を有効に削減でき、経済的な施工が可能となっている。
また、特許文献2においては、鋼製ユニット体102の上流側柱材111の上流側側面に対して格子状の中小礫捕捉部材を着脱可能に取り付ける構成が開示されている。このような格子状の中小礫捕捉部材を取り付けることにより、巨礫のみならず、中小礫を効率よく捕捉可能となり、更に、鋼製ユニット体102自体の損傷を防止することも可能となる。
また、特許文献3においては、多数の環状体を繋ぎ合わせてなるリングネットや、複数のH形鋼等を、鋼製ユニット体102の上流側側面に対して着脱可能に取り付ける構成が開示されている。このようなリングネットやH形鋼等は、上流側側面の最下部を除いた範囲を覆うように取り付けられており、これによって、通常時における透過率と土石流発生時における礫捕捉性能との両性能がバランスよく得られている。
特開平11−286922号公報 特開2007−191936号公報 特開2005−201019号公報
しかしながら、特許文献1記載の技術は、柱材及び梁材と、張り出し材とが、ほぼ同一の径からなる鋼管で構成されていることから、その分において施工コストが増大してしまうという問題点があった。また、この張り出し材の損傷時においては、損傷した張り出し材を取り外し、新たな張り出し材を溶接、ボルト接合等によって取り付ける必要があり、補修時における交換容易性に劣るという問題点があった。
また、特許文献2記載の技術は、中小礫捕捉部材が上流側側面の上部から下部近傍までの範囲を覆う一体的な部材として構成されていることから、その一部に損傷が発生した場合においても、中小礫捕捉部材全体を交換する必要があり、その分において補修時における補修コストが増大してしまうという問題点があった
また、特許文献3記載の技術は、上流側側面を構成する各上流側柱材に対してリングネットをワイヤで取り付けたり、H形鋼をボルト等によって一つずつ上流側柱材に取り付けたりする必要があると考えられる。このため、施工時、補修時においてこれら部材を取り付けるのに手間がかかり、鋼製スリットダムの施工時、補修時における施工性、コスト性に劣るという問題点があった。
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、柱材や梁材を構造体とする鋼製ユニット体に対して取り付けられる機能材が簡単な構成からなり、この機能材を構造体に取り付ける際の取り付け、取り外しが容易であり、ひいては鋼製スリットダムの施工時、補修時における施工性、コスト性に優れた鋼製スリットダムを提供することにある。
本発明者は、上述した課題を解決するために、柱材の側部から川幅方向に突出される複数の取付部材と、川幅方向に互いに隣り合う上記柱材間に上記取付部材を介して取り付けられる複数の鋼管部材とを備え、上記鋼管部材は、その両端に上記取付部材を挿通可能な切欠溝が形成されるとともに、その両端の管内周面に対して上記取付部材が係合されて取り付けられてなることを特徴とする鋼製スリットダムを発明した。
即ち、本願請求項1に係る鋼製スリットダムは、河川の川幅方向両側に立設された袖部の間に配置され、少なくとも複数の柱材と、上記柱材に連結される梁材とからなる単体又は複数の鋼製ユニット体を備える鋼製スリットダムにおいて、上記柱材の側部から川幅方向に突出される複数の取付部材と、川幅方向に互いに隣り合う上記柱材間に上記取付部材を介して取り付けられる複数の鋼管部材とを備え、上記鋼管部材は、その両端に上記取付部材を挿通可能な切欠溝が形成されるとともに、その両端の管内周面に対して上記取付部材が係合されて取り付けられてなることを特徴とする。
本願請求項2に係る鋼製スリットダムは、請求項1に係る発明において、上記鋼管部材は、上記取付部材まわりに回動され、その両端の管内周面に対して上記取付部材が係合されて取り付けられてなることを特徴とする。
本願請求項3に係る鋼製スリットダムは、請求項1又は2に係る発明において、上記袖部の側部から川幅方向に複数の取付部材が突出され、川幅方向に互いに隣り合う上記柱材と上記袖部との間に上記柱材及び上記袖部から突出された取付部材を介して複数の鋼管部材が更に取り付けられてなることを特徴とする。
本願請求項4に係る鋼製スリットダムは、請求項1〜3の何れか1項に係る発明において、上記鋼管部材が取り付けられる柱材は、河川の流れ方向に対して複数列配置された柱材のうち、上流側に配置された柱材であることを特徴とする。
本願請求項5に係る鋼製スリットダムは、請求項4に係る発明において、上記鋼管部材が取り付けられた柱材は、上端から下端に向かうにつれて上流側に傾斜していることを特徴とする。
本願請求項6に係る鋼製スリットダムは、請求項1〜5の何れか1項記載の発明において、上記取付部材の突出方向と直交する断面における長手方向長さの幅は上記切欠溝の溝幅より広く、当該取付部材の突出方向と直交する断面における短手方向の幅は上記切欠溝の溝幅より狭く形成され、上記鋼管部材の両端の切欠溝に対して上記取付部材が挿通された後に上記鋼管部材が回動されることによって、上記鋼管部材が上記取付部材に対して抜け止め状態とされていることを特徴とする。
本願請求項7に係る鋼製スリットダムの補修方法は、請求項1〜5のうち何れか1項記載の上記鋼製スリットダムの損傷した上記鋼管部材を補修する鋼製スリットダムの補修方法であって、損傷した上記鋼管部材を取付部材から取り外し、新たに用意した鋼管部材の切欠溝を、互いに隣り合う上流側の柱材間又は上記柱材と上記袖部との間の上記取付部材を挿通させて、上記鋼管部材の両端の管内周面に上記取付部材が係合され、上記取付部材が上記柱材間又は上記柱材と上記袖部との間に取り付けられてなることを特徴とする。
本願請求項8に係る鋼製スリットダムの補修方法は、請求項6記載の上記鋼製スリットダムの損傷した上記鋼管部材を補修する鋼製スリットダムの補修方法であって、損傷した上記鋼管部材を取付部材から取り外し、新たに用意した鋼管部材の切欠溝を、互いに隣り合う上流側の柱材間又は上記柱材と上記袖部との間の上記取付部材に挿通させて、上記鋼管部材の両端の管内周面に上記取付部材が係合されるとともに、上記鋼管部材を回動させ、上記鋼管部材が上記取付部材に対して抜け止め状態とされることによって、上記取付部材が上記柱材間又は上記柱材と上記袖部との間に取り付けられてなることを特徴とする。
上述の如き構成からなる本願発明は、機能材である鋼管部材50が、鋼管に対して切欠溝52を設けるのみの簡単で安価な構成からなり、また、鋼製ユニット体3への取り付け作業、取り外し作業が容易である。このため、鋼製スリットダム1の施工時のみならず、補修時における施工性に優れている。また、一部の鋼管部材50の損傷が生じた場合には、損傷していない他の鋼管部材50を取り外す等することなく、損傷の生じた箇所の鋼管部材50のみを取り替えることができることから、鋼製スリットダム1の補修時におけるメンテナンス性、コスト性に優れている。また、メンテナンスを容易に行なうことができることから、鋼管部材50の変形、取り替えを前提として鋼管部材50を鋼製ユニット体3に取り付けることができるため、低強度、低剛性、小サイズの部材を鋼管部材50として用いることができ、鋼製スリットダム1全体の軽量化や、施工時、補修時におけるコストダウンを図ることができる。また、機能材である鋼管部材50が、構造材である鋼製ユニット体3に対して拘束されていないため、温度応力の制約を受けず、鋼製スリットダム1の軽量化や、施工時、補修時におけるコストダウンを図ることができる。
以下、本発明を適用した鋼製スリットダムを実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
第1の実施の形態
まず、本発明を適用した鋼製スリットダム1の第1の実施の形態について説明する。
図1は、鋼製スリットダム1の構成を示す一部横断正面図である。鋼製スリットダム1は、河川Wに対して適用されるものである。この河川Wは、上流側から下流側に向けて流水しており、泥流、土、砂等の中小礫や、流木、落石等の巨礫を含む各種の流下物が流下している。特に、大雨、台風等に伴う集中豪雨によって土石流が発生した場合、非常に大きな運動エネルギー、流速を有する巨礫等が土石流中に多く含まれて流下することになる。
鋼製スリットダム1は、この河川Wの川幅方向両側に立設される袖部2と、袖部2間に配置される単体又は複数の鋼製ユニット体3とを備えている。この鋼製ユニット体3は、袖部2間のコンクリート基礎4の上に配置されるものであり、二つ以上配置される場合、川幅方向に間隔をおいて配置される。なお、ここでいうコンクリート基礎4は、袖部2間の基礎地盤上にコンクリートを打設等して構築される。
袖部2は、河川W周囲の基礎地盤上に立設された剛性に優れた構造体であり、例えば、コンクリート、鉄鋼、石材等によって形成される。袖部2の位置、形態は任意の設計事項であり、特に限定をもうけるものではない。
鋼製ユニット体3は、図2〜図4に示すように、河川Wの川幅方向並びに河川Wの流れ方向に向けて間隔をあけて複数立設される柱材31、32と、これらを互いに連結する梁材33、34とから構成されている。本実施の形態においてこの鋼製ユニット体3は、河川Wの上流側に立設される二本の上流側柱材31と、河川Wの下流側に立設される二本の下流側柱材32と、これらを互いに連結する梁材33、34とから構成されている。なお、梁材33は、川幅方向と略平行をなして設けられており、上流側柱材31同士又は下流側柱材32同士を連結し、梁材34は、河川Wの流れ方向と略平行をなして設けられており、上流側柱材31と下流側柱材32とを連結している。
これら上流側柱材31、下流側柱材32並びに梁材33、34は、フランジ継手35を長軸方向の一端側又は両端側に有する一つの鋼管部材、又は複数の鋼管部材を組み合わせて構成されている。これら鋼管部材を組み合わせる場合、異なる鋼管部材における互いのフランジ継手35を当接させて、これらフランジ継手35をボルト等で接合して連結したり、鋼管部材の外周面に他の鋼管部材端部を当接させて、これを溶接等によって接合して連結することになる。
上流側柱材31、下流側柱材32は、それぞれ川幅方向に間隔をあけて複数個に亘って基礎4上に立設される。上流側柱材31は、上端から下端に向かうにつれて河川Wの上流側に傾斜して立設されており、下流側柱材32は、上端から下端に向かうにつれて河川Wの下流側に傾斜して立設されている。これにより、この上流側柱材31と下流側柱材32とが、上部が互いに接近するとともに、下部が互いに離間するようにされている。なお、上流側柱材31や下流側柱材32は、上流側、下流側に傾斜せずに直立状態で立設されていてもよい。
図1〜図4に示される鋼製ユニット体3は、河川の上流側から下流側に向けて二列の柱材が傾斜状態で立設されて構成されているが、鋼製ユニット体3の構成は、これに限定するものではなく、少なくとも中小礫を各種柱材等の間を介して下流側に流下させ、巨礫を各種柱材等によって捕捉可能な構成であればよい。このため、鋼製ユニット体3は、例えば、河川の上流側から下流側に向けて三列以上の直立状態の柱材を立設させ、これらを互いに梁材34によって連結させ、全体として櫓状をなすように構成されていてもよい。また、各種の柱材を下流側から支持する傾斜状態の鋼管部材からなる斜材等を更に備えていてもよい。
また、この他にも、鋼製ユニット体3は、川幅方向両側の袖部2から、これら袖部2間を跨るような梁材を架設し、この横架材とコンクリート基礎4とに柱材の上部並びに下部を連結することによって、川幅方向に間隔をあけて複数立設された一列の柱材から構成される構造であってもよい。この場合は、一列の柱材に対して後述の取付部材40や鋼管部材50が取り付けられることになる。なお、この形態の鋼製ユニット体は、例えば特開2007−277972号公報の図13、図15等に示される形態から構成されるものである。
このように、鋼製ユニット体3は、袖部2間に単体又は複数個に亘って配置されるものであり、少なくとも複数の柱材と、この柱材に連結される梁材とを備えるものである。本発明は、このような鋼製ユニット体3を対象とするものである。
以下の説明では、鋼製ユニット体3について、河川の流れ方向に向けて二列の傾斜状態の柱材(上流側柱材31と下流側柱材32)が立設されている構成を例にとり説明する。
鋼製スリットダム1は、鋼製ユニット体3の上流側柱材31や袖部2の側部に複数の取付部材40が突出されており、また、互いに隣り合う上流側柱材31間に複数の鋼管部材50が取り付けられている。
取付部材40は、図1〜図4に示すように、上流側柱材31の側部から、川幅方向に向けて複数に亘って突出されている。本実施形態における取付部材40は、図5(a)や図5(b)に示すように、取付部材40の突出方向に対して直交する面における断面形状が略矩形形状からなる角形鋼管によって構成されている。この取付部材40の断面形状は、水平方向の幅、即ち、長手方向の幅がL2で構成され、更に鉛直方向の幅、即ち、短手方向の幅がL1で構成される。また、この取付部材40は、図5(c)に示すように、上流側柱材31からの突出長さL3で構成される。
この取付部材40は、その突出方向と直交する面における断面形状が、長手方向と短手方向とを有するような、一方向に長い形状とされていればよく、本実施形態に示される略矩形形状の角形鋼管の他に、例えば、図6(a)〜図6(c)に示されるような、I形鋼、略楕円形状の鋼管、溝形鋼で構成されていてもよい。また、この他にも取付部材40は、例えば、山形鋼、溝形鋼、Z形鋼、H形鋼又はC形鋼から構成されていてもよい。また、取付部材40は、図5に示される実施形態のように、水平方向に長手方向を有する形状で設けられていなくとも、図6(d)に示すように、水平方向に対して傾斜した方向に長手方向を有する形状で設けられていてもよい。以下の説明では、取付部材40として、図5に示される、その断面形状が略矩形形状からなる角形鋼管で構成した場合を例にとり説明する。
取付部材40は、互いに隣り合う上流側柱材31の略同一高さに二つ一組で設けられており、これら一組の取付部材40は、当該隣り合う上流側柱材31間において互いに対向する方向に向けて突出されている。この一組の取付部材40は、互いに隣り合う上流側柱材31間に、鉛直方向に向けて間隔をあけて複数組に亘って設けられている。この取付部材40は、互いに隣り合う上流側柱材31と袖部2との間にも、これらの側部から突出されて設けられている。
鋼管部材50は、互いに隣り合う上流側柱材31間の略同一高さに設けられた一組の取付部材40を介して、隣り合う上流側柱材31間、及び上流側柱材31と袖部2との間に取り付けられている。この鋼管部材50は、本実施形態においては、円形鋼管で構成されているが、この他に角形鋼管等によって構成されていてもよい。
この鋼管部材50は、その両端部51の管内周面に対して一組の取付部材40の上部41が係合されて、取付部材40まわりに回動可能な状態となって、上流側柱材31間に取り付けられている。この場合において、取付部材40が略矩形形状に構成されていることから、取付部材40の四隅の角部のうち、上側の角部二つが取付部材40に係合されていることになる。なお、本発明において、鋼管部材50が取付部材40まわりに回動可能な状態とされることは必須の条件とはならない。このため、例えば、鋼管部材50の内周面に対して周方向に間隔をあけて二つの回動止め部材を配置し、この二つの回動止め部材間に取付部材40を配置し、これによって、鋼管部材50を取付部材40まわりに回動不能な状態で取り付けてもよい。
この鋼管部材50には、図5(a)〜(c)に示すように、その両端部51の管周方向の一部において切欠溝52が形成されている。この切欠溝52は、管周方向に向けて所定長さの溝幅L4を有し、更に管軸方向に向けて所定長さの溝長さL5を有して形成されている。この切欠溝52は、図5(b)に示すように、取付部材40を切欠溝52を介して鋼管部材50内に挿通可能となるように、その形状が予め調整されており、少なくとも切欠溝52の溝幅L4が、取付部材の突出方向と直交する断面における短手方向の幅L1より長くなるように形成されている。これにより、切欠溝52が水平方向に開口された状態で鋼管部材50を配置した場合に、鋼管部材50を水平方向A1に移動させることによって、取付部材40が切欠溝52内に挿通されて、鋼管部材50内に取付部材40を収容配置することが可能となっている。
本実施形態における鋼管部材50は、切欠溝52が下方に開口された状態で、上流側柱材31間に取り付けられている。このような状態とするためには、上述のように鋼管部材50を水平方向A1に移動させた後に、鋼管部材50を取付部材40回りに回動させることになる。ここで、図5(a)に示すように、鋼管部材50の溝幅L4は、取付部材40の突出方向と直交する断面における長手方向の幅L2よりも短くなるように形成されている。このため、鋼管部材50が上方に向けて動かされたりした場合においても、鋼管部材50の管内周面に取付部材40の下部が係合されて、切欠溝52内を取付部材40が挿通されず、鋼管部材50が取付部材40から抜け出されることが防止されている。即ち、このような構成をとることによって、鋼管部材50が取付部材40に対して抜け止め状態とされていることになる。この場合、鋼管部材50を回動させて、水平方向に向けて切欠溝52が開口された状態にしない限り、鋼管部材50を取付部材40から取り外しができないことになる。なお、本発明において、鋼管部材50の溝幅L4を、取付部材40の長手方向の幅L2よりも短くすることは、必須の条件とはならない。
なお、鋼管部材50を取付部材40を介して上流側柱材31間に取り付ける場合、切欠溝52のどの方向を向いて開口されているかは特に問わないが、図7(a)や図7(b)に示すように、上流側以外の方向に向けて開口された状態であるのが望ましい。この理由について説明する。河川Wを流下してくる巨礫や中小礫は、鋼管部材50に対して上流側から下流側に向けて衝突し、鋼管部材50に対して下流側の方向に荷重を負荷することになる。この場合において、取付部材40は、鋼管部材50の上流側の管内周面に係合、係止することになる。ここで、鋼管部材50の切欠溝52が上流側に開口された状態であると、切欠溝52内を取付部材40が容易に挿通してしまい、鋼管部材50が取付部材40から外れ易くなってしまう。このため、鋼管部材50は、切欠溝52が上流側以外の方向、例えば鉛直上方や鉛直下方、下流側に向けて開口された状態で配置されているのが望ましい。なお、鋼管部材50は、その管内周面が取付部材40の上部41に係合して取り付けられるため、取付部材40が係合されている部位である管上部から最も離れている管下部側(鉛直下方)に切欠溝52が開口されている状態で配置されていれば、最も鋼管部材50が取付部材40から抜け出されにくくなり、望ましい。
次に、上述した構成からなる鋼製スリットダム1の施工方法について説明する。
まず、鋼製ユニット体3を構築することになる。鋼製ユニット3を構成する、上流側柱材31、下流側柱材32、梁材33、34をそれぞれ工場等において作製し、これを施工現場となる河川Wへと搬送する。なお、本発明では、このように各構成部品を細かく分割していることから、工場から現場へと搬送する際の労力負担を低減させている。
次に、河川Wの河床上にコンクリートを打設、固化させた後、その上に上流側柱材31、下流側柱材32の下端を配置し、これら上流側柱材31、下流側柱材32に対して梁材33、34を配設して鋼製ユニット体3を組み立てる。そして、鋼製ユニット体3を組み立てた後に、上流側柱材31、下流側柱材32の下端から所定の高さにまでコンクリートを更に打設し、コンクリート基礎4内にこれら柱材31、32の下端を埋設、定着させる。なお、これら上流側柱材31、下流側柱材32や梁材33、34は、上述したように、互いのフランジ継手36を当接させてボルト等によって接合したり、柱材31、32や梁材33、34を構成する鋼管部材の外周面に他の鋼管部材端部を当接させて、これを溶接等によって接合することによって連結する。
なお、この場合において、取付部材40は、上流側柱材31に予め取り付けられていてもよいし、現場施工時に溶接等によって取り付けるようにしてもよい。また、袖部2に取付部材40を取り付ける場合は、アンカーボルト等によって袖部2に固着することになる。
そして、鋼製ユニット体3を構築した後は、上流側柱材31に対して、鋼管部材50を取り付けることになる。
ここで、鋼製スリットダム1構築時に使用される鋼管部材50は、図8に示される構成からなり、その外周面の所定の位置に複数の吊金具53(図8の例では二つ)が設けられている。この吊金具53は、略矩形状の板状部材から構成されており、その一側端縁が鋼管部材50の外周面の周方向に沿って溶接等によって接合されて取り付けられている。吊金具53は、鋼管部材50の軸方向に間隔をあけて複数取り付けられ、その中央部近傍に板厚方向に貫通しているロープ挿通孔54が開孔されている。
なお、この吊金具53は、ロープ挿通孔54内にワイヤーロープ等を挿通することによって鋼管部材50を吊り上げ可能とするものであり、その位置や形状、数等について図示の形態に特に限定するものではない。
このような構成からなる鋼管部材50を、まず、図9(a)に示すように、切欠溝52が水平方向(河川上流側又は下流側)に向けて開口された状態で吊り下げる。このとき、鋼管部材50は、ロープ挿通孔54内にワイヤーロープ等が挿通されて吊り下げられ、ワイヤーロープで吊り下げたまま取り付けられるべき一組の取付部材40近傍にまで移動される。また、鋼管部材50は、互いに隣り合う上流側柱材31間、若しくは上流側柱材31と袖部2との間にまで移動される。
そして、切欠溝52と取付部材40とが略同一高さとなるよう位置調整した後、図9(b)に示すように、鋼管部材50を水平方向(河川上流側又は下流側)に向けて移動させることによって、切欠溝52内に取付部材40を挿通させて、鋼管部材50の両端部51における管内に一組の取付部材40を収容配置させる。
この後、図9(c)に示すように、ワイヤーロープ等による吊り下げを緩め、取付部材40の上部41を鋼管部材50の管内周面に係合させ、その後、鋼管部材50の切欠溝52が下方に開口された状態となるまで、ワイヤーロープを引っ張る等して鋼管部材50を取付部材40まわりに回動させる。これによって、鋼管部材50が取付部材40に対して抜け止め状態とされることになる。
この後、図9(d)に示すように、鋼管部材50の吊金具53をガス切断機等によって切断して、鋼管部材50の取り付けが完了する。なお、鋼管部材50から吊金具53を切断して取り外さなくてもよいが、取り外した場合は、鋼製スリットダム1全体の景観が良好なものとなる。
このように、鋼管部材50を取り付ける場合、作業員は、一組の取付部材40を鋼管部材50の管内に収容配置させ、鋼管部材50を回動させるという非常に簡単な作業を行なうのみで、その取り付け作業が完了する。このため、本発明を適用した鋼製スリットダム1は、鋼管部材50の取り付け作業時における施工性に非常に優れている。
なお、巨礫等との衝突により鋼管部材50が損傷した場合には、鋼製スリットダム1の補修を行なうことになるが、補修時においても、上述した鋼製スリットダム1の構築の手順とほぼ同様の手順で行なうことになる。即ち、鋼製スリットダム1の補修時においては、まず、損傷した鋼管部材50を一組の取付部材40から取り外し、その後に、新たに用意した鋼管部材50を上述と同様の手順で一組の取付部材に対して取り付ける。この場合、新たに用意した鋼管部材50の切欠溝52を、互いに隣り合う上流側柱材31間、若しくは上流側柱材31と袖部2との間の取付部材40に挿通させて、その新たな鋼管部材50を一組の取付部材40間に取り付けることになる。これによって、補修作業が完了する。
因みに、鋼管部材50を一組の取付部材40から取り外す場合においても、作業員が、鋼管部材50の切欠溝52が水平方向(河川上流側又は下流側)に向けて開口された状態になるまで回転させた後、これを水平方向に向けて移動させるという非常に簡単な作業によって取り外し作業が完了する。
なお、鋼管部材50の損傷の度合いによっては、鋼管部材50が変形して、鋼管部材50の回転、移動が困難な場合があるが、この場合は、ガス切断等によって鋼管部材50を取り外すことになる。
因みに、図7(a)に示すように、切欠溝52内に取付部材40を挿通させて、鋼管部材50の両端部51における管内に一組の取付部材40を収容配置し、取付部材40の上部41を鋼管部材50の内周面に係合させた後に、鋼管部材50を回動させずそのままの状態にしておいてもよい。
また、図6(d)に示すように、取付部材40の突出方向と直交する断面における長手方向(以下、本段落において単に長手方向という。)が、水平方向以外にある場合は、以下の手順で鋼管部材50を取付部材40に取り付ける。まず、取付部材40の長手方向に向けて切欠溝52が開口された状態にして、鋼管部材50を吊り下げる。この後、取付部材40の長手方向に向けて、取付部材40と鋼管部材50とが連続配置されるよう位置調整する。この後、鋼管部材50を、取付部材40の長手方向に向けて移動させることによって、切欠溝52内に取付部材40を挿通させて、鋼管部材50の両端部51における管内に一組の取付部材40を収容配置させる。この後、必要に応じて、鋼管部材50を回動させる。これによって、図7(c)に示されるように、鋼管部材50が取付部材40に対して取り付けられる。なお、この図示の例においては、鋼管部材50を回動させており、これによって、鋼管部材50が取付部材40に対して抜け止め状態とされている。
次に、上述した構成からなる鋼製スリットダム1の作用効果について説明する。
巨礫がこの河川Wの上流側から下流側に向けて流下してきた場合、主として、上流側柱材31、梁材33、鋼管部材50が、これら巨礫と衝突することによって、巨礫を捕捉可能としている。また、数本の上流側柱材31、梁材33間に形成される間隙には、多数の鋼管部材50を設けることによって、巨礫のみならず、中小礫を効率よく捕捉可能とされている。
ここで、本願発明における機能材である鋼管部材50は、鋼管に対して切欠溝52を設けるのみの簡単で安価な構成からなり、また、上述のように、鋼製ユニット体3への取り付け作業、取り外し作業が容易である。このため、鋼製スリットダム1の施工時のみならず、補修時における施工性に優れている。また、一部の鋼管部材50の損傷が生じた場合には、損傷していない他の鋼管部材50を取り外す等することなく、損傷の生じた箇所の鋼管部材50のみを取り替えることができることから、鋼製スリットダム1の補修時におけるメンテナンス性、コスト性に優れている。また、メンテナンスを容易に行なうことができることから、鋼管部材50の変形、取り替えを前提として鋼管部材50を鋼製ユニット体3に取り付けることができるため、低強度、低剛性、小サイズの部材を鋼管部材50として用いることができ、鋼製スリットダム1全体の軽量化や、施工時、補修時におけるコストダウンを図ることができる。
また、機能材である鋼管部材50は、構造材である鋼製ユニット体3と溶接、ボルト接合等によって一体的に連結されておらず、取付部材40に対して管内周面が単に係合された状態で鋼製ユニット体3に対して固定されている。換言すれば、鋼管部材50は、鋼製ユニット体3に対して拘束されていない構造をとっている。このため、鋼製ユニット体3と、これに取り付けられている鋼管部材50とは、互いに温度応力の制約を受けないという有利な効果を奏する。即ち、二つの異なる鋼製部材が互いに拘束されて連結されている場合、温度変化によりこれらの鋼材が膨張、収縮してしまうと、これら二部材間で圧縮応力、引張応力が作用してしまう。このため、設計時においては、この温度の変化により生じる温度応力の影響を考慮した上で、各部材の強度、剛性を確保する必要がある。しかし、本発明においては、鋼管部材50が鋼製ユニット体3に対して拘束されずに固定されているため、温度応力の影響を考慮する必要がなく、これに伴い、低強度、低剛性、小サイズの部材を用いることができ、鋼製スリットダム1の軽量化や、施工時、補修時におけるコストダウンを図ることが可能となる。
なお、この鋼製スリットダム1の上流側側面は、平面構造として構成されているため、受け止められた礫や土砂が貯まった際に、これを簡単に除去することが出来る。特に、各種礫体が貯まった場合においても、鋼製スリットダム1の上流側柱材31に取り付けられた鋼管部材50を取り外すことによって、これら礫体を取り除くのに必要とされるスペースを十分に確保して、各種礫体の撤去作業を行うことができる。
次に、本発明を適用した鋼製スリットダム1の各構成要素の詳細等について説明する。
巨礫を受け止める上流側柱材31や梁材33を含む鋼製ユニット体は、各柱材31、32の間隔や、鋼製ユニット体3の間隔が比較的広めに設定されている。これに対して、中小礫を受け止める鋼管部材50は、各鋼管部材50間の間隔が比較的狭く設定されている。
ここで、上流側柱材31、梁材33を含む各柱材31、32や梁材33、34は、巨礫との衝突後においても、鋼製ユニット体3としての形状が保持されるような構造材として十分な強度、剛性を有する必要がある。これに対して、鋼管部材50は、あくまで中小礫の捕捉等を目的として取り付けられる機能材としての役割を担うものであり、各柱材31、32や梁材33、34のような強度、剛性が必要とされない。
このため、これら各柱材31、32や梁材33、34は、これら鋼管の肉厚や直径を比較的厚くする必要があるのに対し、製造コスト、材料コストの低減を目的として、鋼管部材50は、鋼管の肉厚や直径を薄くすることになる。これら鋼管の直径は、各柱材31、32や梁材33、34については、例えば500mm、600mm程度とし、鋼管部材50は、200mm、300mm程度とすることになる。望ましくは、各柱材31等の直径の1/2〜3/4程度で構成されていればよい。また、鋼管の肉厚は、各柱材31、32や梁材33、34については、例えば12mm、16mm程度とし、鋼管部材50は、8mm、10mm程度とすることになる。望ましくは、各柱材31等の肉厚の1/2〜3/4程度で構成されていればよい。これによって、鋼製スリットダム1の構築に要する施工コストの削減を図ることができ、更に運搬作業時に軽量化された鋼管部材50を運搬することになるので、運搬性にも優れる。
なお、鋼製ユニット体3は、河川Wの流れ方向に対して複数列配置された柱材のうち、上流側に配置された上流側柱材31が、上端から下端に向かうにつれて河川Wの上流側に傾斜していること、即ち、コンクリート基礎4上に傾斜状態で立設されていることが望ましい。これによって、鋼管部材50を取付部材40に対して取り付ける際の施工性が向上することになる。即ち、上流側柱材31が直立状態で立設されている場合、上流側柱材31の取付部材40に対して鋼管部材50を取り付ける際に、上方の取付部材40に対して鋼管部材50を取り付けた後に、下方の取付部材40に対して新たな鋼管部材50を取り付けようとすると、鋼管部材50の吊金具53のロープ挿通孔54内に挿通されたワイヤーロープ等が上方の取付部材40及び鋼管部材50に引っかかってしまい、鋼管部材50の取り付け作業が困難になり、施工性に悪影響を及ぼしてしまうためである。因みに、コンクリート基礎4上に直立状態で立設されていてもよいのは勿論である。また、少なくとも河川Wの流れ方向に対して複数列配置された柱材のうち、上流側に配置された上流側柱材31が傾斜状態で立設されていればよく、例えば下流側柱材32のような他の柱材の立設状態は特に問わない。
また、通常、河川Wに立設されている上流側柱材31、下流側柱材32及び梁材34、35とから構成される既設の鋼製スリットダムに対して新たに取付部材40を溶接等によって固着し、これに鋼管部材50を取り付けることによって本願発明の如き鋼製スリットダム1としてもよい。
第2の実施の形態
次に、本発明を適用した鋼製スリットダム5の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態において説明した鋼製スリットダム5と同一の構成については、同一の符号を付すとともに、その説明を省略する。
図10は、鋼製スリットダム5の構成を示す一部横断正面図である。第2の実施の形態の鋼製スリットダム5は、第1の実施の形態の鋼製ユニット体7に対して、張り出し材60を設けた点と、袖部2と鋼製ユニット体7との間において鋼管部材50を設けない点との二点において異なっている。以下、この二点について説明する。
鋼製ユニット体7には、図11に示すように、上流側柱材31の側部から川幅方向に向けて突出される張り出し材60が設けられている。本形態において、この張り出し材60は、川幅方向に互いに隣り合う上流側柱材31の間であって、互いに異なる鋼製ユニット体7の一部を構成する上流側柱材31の間に設けられている。この張り出し材60は、上流側柱材31、32や各種梁材33、34を構成する鋼管部材とほぼ同径の鋼管部材によって具体化されるものであり、各鋼製ユニット体7間や、鋼製ユニット7と袖部2との間を遮るように設けられるものである。
本実施形態において、この張り出し材60は、梁材33の延長方向に向けて連続するように設けられている。このように張り出し材60を設けた理由は以下のとおりである。機能材としての鋼管部材40は、図1等に示すように、一つの鋼製ユニット体3における上流側柱材31の間や、異なる鋼製ユニット体3における上流側柱材31の間に設けられる。ここで、複数の鋼管部材40を、鉛直方向に向けて等間隔に間隔をあけて配置する場合、図1中の一点鎖線S1で示す範囲内における鋼管部材40と梁材33との間隔と、図1中の一点鎖線S2で示す範囲内における二つの鋼管部材40の間の間隔とが異なることになる。これは、鋼管部材40と梁材33との管の径の相違に基づくものであるため、各柱材31、32間に設置される鋼管部材40等の間隔を等間隔にするため、第2の実施の形態においては、上述のように梁材33の延長方向に向けて連続するように張り出し材60を設けている。
なお、この張り出し材60を設ける部位や、形態は特に上述の構成に限定するものではない。この張り出し材60は、川幅方向に隣り合っている上流側柱材31の間に限らず、例えば、図12に示すように、袖部2に最も近接する上流側柱材31と当該袖部2との間に設けるようにしてもよい。なお、鋼製ユニット体7と袖部2との間の間隔が狭い場合等は、図10に示すように、袖部2と鋼製ユニット体7との間に張り出し材60を設けずに省略するようにしてもよい。これによって、鋼製スリットダム5の施工費用を抑えることが可能となる。
この張り出し材60も、各種礫体と衝突して、これら礫体を捕捉可能としている。また、上流側柱材31の所定位置に貫通孔を設け、この貫通孔内に梁材33を貫通させて、梁材33の端部が上流側柱材31よりも外方に向けて突出させるようにして、これを張り出し材60とするようにしてもよい。これによって、梁材33と張り出し材60とが一体的に設けられることとなり、これら二部材を別々に取り付ける手間を削減できる。
また、図10等に示すように、本発明においては、鋼製ユニット体7と袖部2との間に鋼管部材40や張り出し材60を設けることは必須とはならない。
本発明を適用した鋼製スリットダムの一部横断正面図である。 鋼製ユニット体の斜視図である。 鋼製ユニット体の上流側からみた正面図である。 鋼製ユニット体の側面図である。 取付部材、鋼管部材の構成を説明するための図である。 取付部材の他の構成を示す概略側面図である。 取付部材と鋼管部材との係合状態の他の構成を示す概略側面図である。 鋼製スリットダムの施工、補修時に用いられる鋼管部材の構成を示す図であり、(a)はその斜視図、(b)はその一部縦断側面図、(c)はその一部横断側面図である。 取付部材に対して鋼管部材を取り付ける方法について説明するための図である。 本発明を適用した鋼製ユニットダムの他の実施形態の構成を示す一部横断正面図である。 鋼製ユニット体の他の実施形態の構成を示す斜視図である。 本発明を適用した鋼製ユニットダムの他の実施形態の構成を示す一部横断正面図である。 従来技術としての鋼製スリットダムの正面図である。 従来技術としての鋼製スリットダムの側面図である。
符号の説明
1、5、100 鋼製スリットダム
2、101 袖部
3、7、102 鋼製ユニット体
4、104 コンクリート基礎
31、111 上流側柱材
32、112 下流側柱材
33、34、113、114 梁材
35、115 フランジ継手
40 取付部材
41 上部
50 鋼管部材
51 端部
52 切欠溝
53 吊金具
54 ロープ挿通孔
55 ワイヤーロープ
60 張り出し材

Claims (8)

  1. 河川の川幅方向両側に立設された袖部の間に配置され、複数の柱材と、上記柱材に連結される梁材とからなる単体又は複数の鋼製ユニット体を備える鋼製スリットダムにおいて、
    上記柱材の側部から川幅方向に突出される複数の取付部材と、
    川幅方向に互いに隣り合う上記柱材間に上記取付部材を介して取り付けられる複数の鋼管部材とを備え、
    上記鋼管部材は、その両端に上記取付部材を挿通可能な切欠溝が形成されるとともに、その両端の管内周面に対して上記取付部材が係合されて取り付けられてなること
    を特徴とする鋼製スリットダム。
  2. 上記鋼管部材は、上記取付部材まわりに回動され、その両端の管内周面に対して上記取付部材が係合されて取り付けられてなること
    を特徴とする請求項1記載の鋼製スリットダム。
  3. 上記袖部の側部から川幅方向に複数の取付部材が突出され、
    川幅方向に互いに隣り合う上記柱材と上記袖部との間に上記柱材及び上記袖部から突出された取付部材を介して複数の鋼管部材が更に取り付けられてなること
    を特徴とする請求項1又は2記載の鋼製スリットダム。
  4. 上記鋼管部材が取り付けられる柱材は、河川の流れ方向に対して複数列配置された柱材のうち、上流側に配置された柱材であること
    を特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載の鋼製スリットダム。
  5. 上記鋼管部材が取り付けられた柱材は、上端から下端に向かうにつれて上流側に傾斜していること
    を特徴とする請求項4記載の鋼製スリットダム。
  6. 上記取付部材の突出方向と直交する断面における長手方向の幅は上記切欠溝の溝幅より広く、当該取付部材の突出方向と直交する断面における短手方向の幅は上記切欠溝の溝幅より狭く形成され、
    上記鋼管部材の両端の切欠溝に対して上記取付部材が挿通された後に上記鋼管部材が回動されることによって、上記鋼管部材が上記取付部材に対して抜け止め状態とされていること
    を特徴とする請求項1〜5の何れか1項記載の鋼製スリットダム。
  7. 請求項1〜5のうち何れか1項記載の上記鋼製スリットダムの損傷した上記鋼管部材を補修する鋼製スリットダムの補修方法であって、
    損傷した上記鋼管部材を取付部材から取り外し、
    新たに用意した鋼管部材の切欠溝を、互いに隣り合う上記柱材間又は上記柱材と上記袖部との間の上記取付部材に挿通させて、
    上記鋼管部材の両端の管内周面に上記取付部材が係合され、上記柱材間又は上記柱材と上記袖部との間に上記取付部材が取り付けられること
    を特徴とする鋼製スリットダムの補修方法。
  8. 請求項6記載の上記鋼製スリットダムの損傷した上記鋼管部材を補修する鋼製スリットダムの補修方法であって、
    損傷した上記鋼管部材を取付部材から取り外し、
    新たに用意した鋼管部材の切欠溝を、互いに隣り合う上記柱材間又は上記柱材と上記袖部との間の上記取付部材に挿通させて、
    上記鋼管部材の両端の管内周面に上記取付部材が係合されるとともに、上記鋼管部材を回動させ、上記鋼管部材が上記取付部材に対して抜け止め状態とされることによって、上記柱材間又は上記柱材と上記袖部との間に上記取付部材が取り付けられること
    を特徴とする鋼製スリットダムの補修方法。
JP2008090589A 2008-03-31 2008-03-31 鋼製スリットダム Active JP4912346B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008090589A JP4912346B2 (ja) 2008-03-31 2008-03-31 鋼製スリットダム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008090589A JP4912346B2 (ja) 2008-03-31 2008-03-31 鋼製スリットダム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009243135A JP2009243135A (ja) 2009-10-22
JP4912346B2 true JP4912346B2 (ja) 2012-04-11

Family

ID=41305344

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008090589A Active JP4912346B2 (ja) 2008-03-31 2008-03-31 鋼製スリットダム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4912346B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5457154B2 (ja) * 2009-12-07 2014-04-02 日鐵住金建材株式会社 鋼製スリットダム、礫体捕捉ユニット及び礫体捕捉ユニットの取付方法
JP5917226B2 (ja) * 2012-03-28 2016-05-11 日鐵住金建材株式会社 透過型砂防堰堤
JP6180868B2 (ja) * 2013-09-25 2017-08-16 日鐵住金建材株式会社 透過型砂防堰堤及び透過型砂防堰堤の構築方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57114822A (en) * 1981-01-09 1982-07-16 Nissan Motor Co Ltd Electrostatic capacity type dosimeter
JP3992356B2 (ja) * 1998-04-01 2007-10-17 日鐵住金建材株式会社 オープン型鋼製砂防堰堤
JP4206055B2 (ja) * 2004-04-15 2009-01-07 株式会社神戸製鋼所 透過型堰堤
JP2005336802A (ja) * 2004-05-26 2005-12-08 Kyosei Kiko Kk 横ビーム式オープンダム
JP4680072B2 (ja) * 2006-01-19 2011-05-11 Jfe建材株式会社 透過型砂防堰堤

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009243135A (ja) 2009-10-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6595892B2 (ja) 砂防堰堤改良構造および砂防堰堤改良工法
JP2017101502A (ja) 鋼製スリットダム
JP5129977B2 (ja) 鋼製スリットダム
JP4912346B2 (ja) 鋼製スリットダム
JP2007177467A (ja) 土石流止め工及びその施工方法
JP4954097B2 (ja) 鋼製スリットダムの補修方法
JP5165505B2 (ja) 鋼製スリットダム及びその補修方法
JP5162682B2 (ja) 砂防堰堤及びその施工方法
JP5165455B2 (ja) 鋼製スリットダム及びその施工方法
JP2017040081A (ja) 鋼製スリットダム
JP5161648B2 (ja) 鋼製スリットダムとその補修方法
JP2007277972A (ja) 砂防堰堤及びその施工方法
JP2010261165A (ja) 沿岸工事の付帯設備仮設構造及び工法
KR101542197B1 (ko) 강재교량상부구조물 및 이를 이용한 강재교량 시공방법
JP5822499B2 (ja) 鋼製スリットダム
JP5650030B2 (ja) 鋼製スリットダム
JP2002188134A (ja) 鋼製スリットダム構造及び構築方法
JP5315191B2 (ja) 鋼製スリットダム、これに用いられる礫体捕捉部材及びその取り付け方法
KR200452944Y1 (ko) 버트러스 사방댐
JP2009167629A (ja) 鋼製スリットダムの補修方法
JP5917226B2 (ja) 透過型砂防堰堤
JP2022040717A (ja) 捕捉工及び捕捉物の除去方法
JP6585937B2 (ja) 透過型砂防堰堤用管材ユニット及び透過型砂防堰堤
JP2011094356A (ja) 鋼製スリットダム、これに用いられる礫体捕捉部材及びその取り付け方法
JP2009270257A (ja) 鋼製スリットダム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101227

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111212

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111220

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120117

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4912346

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150127

Year of fee payment: 3