JP2007009170A - 樹脂組成物、ならびにこれを用いたプリプレグ、積層板およびプリント配線板 - Google Patents
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Abstract
【課題】ワニスおよびこれを含浸したプリプレグの保存安定性が良好で、かつ、耐熱性、打抜加工性、難燃性が良好な積層板を作製することができる樹脂組成物、およびこれを用いたプリプレグ、積層板、プリント配線板を提供することをその目的とする。
【解決手段】乾性油変性レゾール型フェノール樹脂、メラミン変性ノボラック型フェノール樹脂、リン酸エステルおよびエポキシ樹脂を含む樹脂組成物であって、エポキシ樹脂のエポキシ当量が400〜1000g/eqである樹脂組成物、およびこれを用いたプリプレグ、積層板、プリント配線板を提供する。
【選択図】なし
【解決手段】乾性油変性レゾール型フェノール樹脂、メラミン変性ノボラック型フェノール樹脂、リン酸エステルおよびエポキシ樹脂を含む樹脂組成物であって、エポキシ樹脂のエポキシ当量が400〜1000g/eqである樹脂組成物、およびこれを用いたプリプレグ、積層板、プリント配線板を提供する。
【選択図】なし
Description
本発明は、樹脂組成物、ならびにこれを用いたプリプレグ、積層板およびプリント配線板に関する。
プリント配線板は電気・電子機器に使用されており、紙基材フェノール樹脂積層板は、打抜加工性に優れ、且つ安価であるため民生用電子機器のプリント配線板用基板材料として広く使われている。紙基材フェノール樹脂積層板は、一般的に、フェノール樹脂を含む樹脂組成物ワニスを紙基材に含浸乾燥して得られるプリプレグを所定枚数重ね合わせ、必要に応じて片面または両面に金属箔を配した後、加熱加圧して製造することができる。また、このようにして得られた積層板の金属箔層をエッチングすることにより回路を形成してプリント配線板とする。
また、近年、地球環境保全の観点から、はんだの毒性を考慮して、鉛を含まないはんだ(鉛フリーはんだ)を使用する動きがある。鉛フリーはんだは、従来の含鉛はんだと比較して高融点であり、部品実装時のリフロー等で使用すると基材にふくれが発生してしまうため、基材の更なる耐熱性の向上が要求されてきている。
特開2004−356277号公報
紙基材フェノール樹脂積層板は、前述の通り、打抜加工性に優れ、安価であることから民生用電子機器に広く使用されているが、ガラス基材エポキシ樹脂積層板と比較して耐熱性が低いという欠点がある。紙基材フェノール樹脂積層板の耐熱性を向上させる方法としては、例えば、フェノール樹脂とエポキシ樹脂を配合した樹脂組成物ワニスを紙基材に含浸させ、樹脂の硬化性を向上させる方法が挙げられる(特許文献1参照)。しかし、この方法では、積層板の難燃性が低下し、また、使用するエポキシ樹脂によっては、樹脂組成物ワニスおよびプリプレグの保存安定性が著しく低下するという問題が生じる。
上記を鑑みて、本発明は、ワニスおよびプリプレグの保存安定性が良好で、かつ、耐熱性、打抜加工性、難燃性が良好な積層板、特に紙基材フェノール樹脂積層板を作製することができる樹脂組成物、およびこれを用いたプリプレグ、積層板、プリント配線板を提供することをその目的とする。
発明者らは、鋭意検討の結果、乾性油変性レゾール型フェノール樹脂、メラミン変性ノボラック型フェノール樹脂、リン酸エステルおよび特定のエポキシ当量を有するエポキシ樹脂を、樹脂の架橋反応が阻害されない程度にそれぞれ最適量配合した樹脂組成物が上記の課題を解決しうることを見出し、本発明を為すに至った。すなわち、本発明は、以下(1)〜(7)に記載の事項をその特徴とするものである。
(1)乾性油変性レゾール型フェノール樹脂、メラミン変性ノボラック型フェノール樹脂、リン酸エステルおよびエポキシ樹脂を含む樹脂組成物であって、該エポキシ樹脂のエポキシ当量が400〜1000g/eqであることを特徴とする樹脂組成物。
(2)乾性油変性レゾール型フェノール樹脂100重量部に対して、メラミン変性ノボラック型フェノール樹脂70〜150重量部、リン酸エステル30〜80重量部、エポキシ樹脂5〜40重量部を含むことを特徴とする上記(1)記載の樹脂組成物。
(3)上記(1)または(2)記載の樹脂組成物を基材に含浸、乾燥して得られることを特徴とするプリプレグ。
(4)前記基材が紙基材であることを特徴とする上記(3)記載のプリプレグ。
(5)上記(3)または(4)記載のプリプレグを所定枚数重ね合わせた後、加熱加圧して得られることを特徴とする積層板。
(6)上記(3)または(4)記載のプリプレグを所定枚数重ね合わせた後、その両面または片面に金属箔を配し、加熱加圧して得られることを特徴とする金属張積層板。
(7)上記(5)記載の積層板または上記(6)記載の金属張積層板を用いてなることを特徴とするプリント配線板。
なお、従来使用されている乾性油変性フェノールレゾール樹脂組成物は、積層板に打抜加工性、難燃性を付与するため、リン酸エステルを多量に使用しており、この影響で耐熱性が低かった。そこで、本発明では、リン酸エステル配合量を必要最低限に抑え、メラミン変性ノボラック型フェノール樹脂とエポキシ樹脂を混合して樹脂の架橋密度を高めることで、積層板の耐熱性を向上させ、さらには樹脂骨格中に導入されたメラミンにより耐熱性を低下させることなく、難燃性を向上させることに成功した。さらに、エポキシ当量400〜1000g/eqのエポキシ樹脂を使用することで、ワニスおよびプリプレグの保存安定性を向上させ、積層板の耐熱性をより向上させることに成功した。
本発明によれば、ワニスおよびこれを用いたプリプレグ保存安定性が良好で、かつ、耐熱性、打抜加工性、難燃性が良好な積層板、特に紙基材フェノール樹脂積層板を作製することができる樹脂組成物、ならびに該樹脂組成物を用いてなるプリプレグ、該プリプレグを用いてなる積層板、および該積層板を用いてなるプリント配線板を提供することが可能となる。
本発明で使用する乾性油変性レゾール型フェノール樹脂は、例えば、桐油、脱水ヒマシ油、アマニ油、オイチシカ油等の乾性油と、フェノール、クレゾール、ノニルフェノール、ビスフェノールA等のフェノール類と、パラホルムアルデヒド、ホルマリン水溶液等のホルムアルデヒドとを、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の塩基触媒下で反応させ、その後、一定時間脱水縮合を行うことで合成することができるが、もちろんこれに限定されるわけではない。また、乾性油による変性率は5〜25重量%であることが好ましい。この変性率が5重量%未満であると打抜加工性が不十分となる恐れがあり、25重量%を超えると難燃性が不十分となる恐れがある。
本発明で使用するメラミン変性ノボラック型フェノール樹脂は、特に限定されないが、窒素含有量が3〜20重量%のものであることが好ましい。窒素含有率が3重量%未満であると難燃性が劣る傾向にあり、20重量%を超えると打抜加工性、耐熱性が劣る傾向にある。メラミン変性ノボラック型フェノール樹脂の配合量は、乾性油変性レゾール型フェノール樹脂100重量部に対して70〜150重量部であることが好ましい。この配合量が70重量部未満であると難燃性、耐熱性が劣る傾向にあり、150重量部を超えて配合すると基材への含浸性が低下するため、含浸工程の作業性が低下する恐れがある。
本発明で使用するエポキシ樹脂は、エポキシ当量が400〜1000g/eqの範囲のものであればよく、その種類は特に限定されない。このようなエポキシ当量を有するエポキシ樹脂を用いると、積層板のはんだ耐熱性が向上し、打抜加工性、難燃性、ワニスおよびプリプレグの保存安定性等の特性バランスが良好になる。このエポキシ当量が400g/eq未満であると、ワニスやプリプレグとして保管している間、フェノール樹脂との反応が進み易くなり、その結果、ワニスやプリプレグの保存安定性が著しく劣化する恐れがある。一方、エポキシ当量が1000g/eqを超えると、フェノール樹脂との反応性が低下するため、積層板の耐熱性が不十分となる恐れがある。
また、上記エポキシ樹脂の配合量は、乾性油変性レゾール型フェノールレゾール樹脂100重量部に対して、5〜40重量部であることが好ましい。エポキシ樹脂とメラミン変性フェノールノボラック樹脂とは容易に反応して強靭な樹脂となるが、エポキシ樹脂の配合量が40重量部を超えて配合すると、樹脂が硬化しすぎて打抜加工性が低下し、難燃性も低下する傾向にある。一方、5重量部未満であると樹脂の靭性が不十分となり、十分な耐熱性が得られない。打抜加工性と耐熱性を共に向上させる観点からは、上記エポキシ樹脂を、乾性油変性レゾール型フェノール樹脂とメラミンノボラック型フェノール樹脂の合計量に対して、2〜20重量%配合することがより好ましい。
本発明で使用するリン酸エステルは、特に限定されないが、例えば、トリブチルホスフェイト、トリフェニルホスフェイト、トリクレジルホスフェイト、クレジルジフェニルホスフェイト、トリイソプロピルフェニルホスフェイト、縮合型リン酸エステル等を単独及び併用して使用できる。また、リン酸エステルの配合量は、乾性油変性レゾール型フェノール樹脂100重量部に対して、30〜80重量部であることが好ましい。リン酸エステルの配合量が30重量部未満であると、難燃性が不十分となる恐れがあり、80重量部を超えると、樹脂の硬化性を阻害し、耐熱性、打抜加工性が不十分となる恐れがある。
本発明の樹脂組成物には、上記必須成分の他に、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等の窒素系難燃剤を使用することができるが、樹脂の架橋反応を阻害するおそれがあるので、その配合量は、乾性油変性レゾール型フェノール樹脂100重量部に対して、20重量部以下とすることが好ましい。
本発明のプリプレグは、上記本発明の樹脂組成物をメタノール、トルエン、アセトン等の溶剤で希釈したワニスを基材に含浸、乾燥させて製造することができる。上記基材としては、特に限定されないが、予め水溶性フェノール樹脂、メラミン樹脂、メラミン変性水溶性フェノール樹脂等により含浸処理されたものであることが好ましい。また、クラフト紙、リンター紙等の紙基材を用いると、耐熱性、難燃性、打ち抜き加工性が良好なプリプレグや積層板を得やすいため、好ましい。また、本発明のプリプレグは、特に限定されないが、該プリプレグ中に、本発明の樹脂組成物を45〜60重量%含むことが好ましい。
また、本発明の積層板は、本発明のプリプレグを所定枚数重ねた後、所定の温度、圧力、時間で加熱加圧して製造することができる。また、本発明のプリプレグを所定枚数重ねた後、その片面または両面に銅箔などの金属箔を重ね、加熱加圧することで、本発明の金属張積層板を製造することができる。なお、上記加熱加圧は、好ましくは温度150〜200℃、圧力5〜20MPaで0.5〜3時間程度行うが、これら条件は、プリプレグ特性や樹脂組成物の反応性、プレス機の能力、目的の積層板の厚み等を考慮して適宜決定することができ、特に限定されない。また、上記金属箔の厚みは特に限定されないが、通常3〜200μmである。
また、本発明のプリント配線板は、例えば、本発明の金属張積層板の金属層をエッチングし、回路を形成することで製造することができ、必要に応じスルーホール等を形成してもよい。また、例えば、内層回路基板等と共に本発明のプリプレグや積層板を所定枚数配し、加熱加圧成形して多層プリント配線板とすることもできる。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、本実施例において、部は重量部、%は重量%を表す。
<下塗り用水溶性フェノール樹脂の合成>
フェノール1モルを反応釜に仕込み、ホルムアルデヒド換算で1.2モルのホルマリンを加え、トリメチルアミン0.4モル相当の30%トリメチルアミン水溶液を加え、70℃で6時間反応させ、これに、メタノールと水の等重量混合溶液を加えて固形分20%の下塗り用水溶性フェノール樹脂Aを製造した。
フェノール1モルを反応釜に仕込み、ホルムアルデヒド換算で1.2モルのホルマリンを加え、トリメチルアミン0.4モル相当の30%トリメチルアミン水溶液を加え、70℃で6時間反応させ、これに、メタノールと水の等重量混合溶液を加えて固形分20%の下塗り用水溶性フェノール樹脂Aを製造した。
<乾性油変性レゾール型フェノール樹脂の合成>
桐油160部とメタクレゾール400部を混合し、p−トルエンスルホン酸0.2部を加えて、90℃で1時間反応させた後、ここにパラホルムアルデヒド200部、28%アンモニア水30部を配合し、さらに75℃で2時間反応させた。その後、反応釜内部を80kPa(600Torr)以下に減圧して2時間縮合水の除去を行い、乾性油変性レゾール型フェノール樹脂を得た。以下、当該樹脂を樹脂Bと略記する。
桐油160部とメタクレゾール400部を混合し、p−トルエンスルホン酸0.2部を加えて、90℃で1時間反応させた後、ここにパラホルムアルデヒド200部、28%アンモニア水30部を配合し、さらに75℃で2時間反応させた。その後、反応釜内部を80kPa(600Torr)以下に減圧して2時間縮合水の除去を行い、乾性油変性レゾール型フェノール樹脂を得た。以下、当該樹脂を樹脂Bと略記する。
(実施例1)
樹脂B100重量部に対して、トリフェニルホスフェイトを30部、メラミン変性フェノールノボラック樹脂(商品名フェノライトLA−7052大日本インキ化学工業株式会社製)を70部、エポキシ当量500〜560g/eqのビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名D.E.R.661、ダウ・ケミカル日本株式会社製)を15部配合し、メタノールにて50%に希釈しワニスを得た。
樹脂B100重量部に対して、トリフェニルホスフェイトを30部、メラミン変性フェノールノボラック樹脂(商品名フェノライトLA−7052大日本インキ化学工業株式会社製)を70部、エポキシ当量500〜560g/eqのビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名D.E.R.661、ダウ・ケミカル日本株式会社製)を15部配合し、メタノールにて50%に希釈しワニスを得た。
クラフト紙に、水溶性フェノール樹脂Aを付着量17〜25%になるように含浸し、乾燥させた後、上記で得たワニスを付着量が50〜55%になるように含浸し、乾燥させてプリプレグを得た。ついで、このプリプレグを8枚重ね、その両面に接着剤付銅箔を重ね、170℃、10MPaで60分加熱加圧し、板厚1.6mmの両面銅張積層板を作製した。
(実施例2)
エポキシ当量500〜560g/eqのビスフェノールA型エポキシ樹脂の代わりにエポキシ当量875〜955g/eqのビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名D.E.R.664、ダウ・ケミカル日本株式会社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、ワニス、プリプレグ、板厚1.6mmの両面銅張積層板を作製した。
エポキシ当量500〜560g/eqのビスフェノールA型エポキシ樹脂の代わりにエポキシ当量875〜955g/eqのビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名D.E.R.664、ダウ・ケミカル日本株式会社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、ワニス、プリプレグ、板厚1.6mmの両面銅張積層板を作製した。
(実施例3)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂の代わりにビスフェノールF型エポキシ樹脂(商品名エピコート4004P、エポキシ当量880g/eq、ジャパンエポキシレジン株式会社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、ワニス、プリプレグ、板厚1.6mmの両面銅張積層板を作製した。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂の代わりにビスフェノールF型エポキシ樹脂(商品名エピコート4004P、エポキシ当量880g/eq、ジャパンエポキシレジン株式会社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、ワニス、プリプレグ、板厚1.6mmの両面銅張積層板を作製した。
(比較例1)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂を配合しなかった以外は、実施例1と同様にして、ワニス、プリプレグ、板厚1.6mmの両面銅張積層板を作製した。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂を配合しなかった以外は、実施例1と同様にして、ワニス、プリプレグ、板厚1.6mmの両面銅張積層板を作製した。
(比較例2)
エポキシ当量500〜560g/eqのビスフェノールA型エポキシ樹脂の代わりにエポキシ当量186〜190g/eqのビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名D.E.R.331、ダウ・ケミカル日本株式会社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、ワニス、プリプレグ、板厚1.6mmの両面銅張積層板を作製した。
エポキシ当量500〜560g/eqのビスフェノールA型エポキシ樹脂の代わりにエポキシ当量186〜190g/eqのビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名D.E.R.331、ダウ・ケミカル日本株式会社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、ワニス、プリプレグ、板厚1.6mmの両面銅張積層板を作製した。
(比較例3)
エポキシ当量500〜560g/eqのビスフェノールA型エポキシ樹脂の代わりにエポキシ当量1600〜1950g/eqのビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名D.E.R.667、ダウ・ケミカル日本株式会社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、ワニス、プリプレグ、板厚1.6mmの両面銅張積層板を作製した。
エポキシ当量500〜560g/eqのビスフェノールA型エポキシ樹脂の代わりにエポキシ当量1600〜1950g/eqのビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名D.E.R.667、ダウ・ケミカル日本株式会社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、ワニス、プリプレグ、板厚1.6mmの両面銅張積層板を作製した。
<評価>
実施例1〜3および比較例1〜3の両面銅箔張積層板について、はんだ耐熱性、打抜加工性および難燃性を、実施例1〜3および比較例1〜3で調整したワニスについて、ワニスゲルタイム、プリプレグの樹脂流れをそれぞれ評価した。結果を下記表1に示す。なお、各評価試験方法は以下の通りとした。
実施例1〜3および比較例1〜3の両面銅箔張積層板について、はんだ耐熱性、打抜加工性および難燃性を、実施例1〜3および比較例1〜3で調整したワニスについて、ワニスゲルタイム、プリプレグの樹脂流れをそれぞれ評価した。結果を下記表1に示す。なお、各評価試験方法は以下の通りとした。
・はんだ耐熱性:260℃のはんだ槽に各両面銅箔張積層板を浮かべ、ふくれが発生するまでに要した時間を測定した。
・打抜加工性:各両面銅箔張積層板の表面温度を変えて、ポンチ径1.0〜1.2mm、穴間ピッチ2.54mm、24穴の試験用金型を用いて打抜加工した。打抜加工した各両面銅箔張積層板の穴周辺を目視観察し、その状態を記号で示した。評価基準は、○:はくり、目白なし、△:はくり、目白若干あり、×:はくり、目白あり、とした。
・難燃性:UL規格に準じて評価を行った。
・ワニスゲルタイム:各実施例と比較例で得たワニスについて、配合から0、7、14、21日経過した後の160℃におけるゲルタイムを測定した。
・プリプレグの樹脂流れ:各実施例と比較例で得たプリプレグをそれぞれ5枚重ねて、130℃、10MPaで7分間加熱加圧して、加熱加圧前後の重量より樹脂の損失量(樹脂流れ)を算出した。なお、各プリプレグは、0、7、14、21日経過した後ものを用い、それぞれについて樹脂流れを測定した。
表1から、乾性油変性レゾール型フェノール樹脂、メラミン変性ノボラック型フェノール樹脂、リン酸エステルおよびエポキシ樹脂が適切に配合され、かつ、該エポキシ樹脂のエポキシ当量が400〜1000g/eqの範囲内である、実施例1〜3の樹脂組成物ワニスおよびこれを用いたプリプレグは、その保存安定性が良好であり、また、該プリプレグを用いて製造された積層板は、はんだ耐熱性、打抜加工性、難燃性の全てが良好であることがわかる。
一方、比較例1のように、樹脂組成物にエポキシ樹脂を配合しなかった場合、はんだ耐熱性が不十分となり、比較例2のように、エポキシ当量が400g/eq未満のエポキシ樹脂を使用した場合、打抜加工性やワニス、プリプレグの保存安定性が低下し、比較例3のように、エポキシ当量が1000g/eqを越えるエポキシ樹脂を使用した場合、はんだ耐熱性が不十分となることがわかる。
Claims (7)
- 乾性油変性レゾール型フェノール樹脂、メラミン変性ノボラック型フェノール樹脂、リン酸エステルおよびエポキシ樹脂を含む樹脂組成物であって、該エポキシ樹脂のエポキシ当量が400〜1000g/eqであることを特徴とする樹脂組成物。
- 乾性油変性レゾール型フェノール樹脂100重量部に対して、メラミン変性ノボラック型フェノール樹脂70〜150重量部、リン酸エステル30〜80重量部、エポキシ樹脂5〜40重量部を含むことを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。
- 請求項1または2記載の樹脂組成物を基材に含浸、乾燥して得られることを特徴とするプリプレグ。
- 前記基材が紙基材であることを特徴とする請求項3記載のプリプレグ。
- 請求項3または4記載のプリプレグを所定枚数重ね合わせた後、加熱加圧して得られることを特徴とする積層板。
- 請求項3または4記載のプリプレグを所定枚数重ね合わせた後、その両面または片面に金属箔を配し、加熱加圧して得られることを特徴とする金属張積層板。
- 請求項5記載の積層板または請求項6記載の金属張積層板を用いてなることを特徴とするプリント配線板。
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KR100797184B1 (ko) * | 2007-04-06 | 2008-01-24 | 대한민국 | 천연과즙을 이용한 과실맥주의 제조방법 |
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2005
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