JP2002363235A - フェノール樹脂組成物とその製造法及び積層板とその製造法 - Google Patents

フェノール樹脂組成物とその製造法及び積層板とその製造法

Info

Publication number
JP2002363235A
JP2002363235A JP2001176853A JP2001176853A JP2002363235A JP 2002363235 A JP2002363235 A JP 2002363235A JP 2001176853 A JP2001176853 A JP 2001176853A JP 2001176853 A JP2001176853 A JP 2001176853A JP 2002363235 A JP2002363235 A JP 2002363235A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
weight
phenolic resin
resin composition
type phenol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001176853A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshinori Sato
美紀 佐藤
Yoshiyuki Narabe
嘉行 奈良部
Kazunaga Sakai
和永 坂井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Chemical Co Ltd filed Critical Hitachi Chemical Co Ltd
Priority to JP2001176853A priority Critical patent/JP2002363235A/ja
Publication of JP2002363235A publication Critical patent/JP2002363235A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Phenolic Resins Or Amino Resins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、難燃剤を多量に使用せずに、
優れた難燃性と、鉛を用いないはんだの溶融温度に耐え
る耐熱性を有し、低臭気であるフェノール樹脂組成物と
その製造法、及びそれを基材に含浸したフェノール樹脂
積層板とその製造法を提供できることにある。 【解決手段】本発明のフェノール樹脂組成物は、乾性油
変性レゾール型フェノール樹脂の合成中に、リン酸エス
テルを樹脂固形分に対して20〜60重量%配合し、縮
合水除去前にノボラック型フェノール樹脂を、レゾール
型フェノール樹脂の合成に用いるフェノール類に対して
5〜20重量%配合し得られ、未反応フェノール類が7
重量%以下であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なフェノール
樹脂組成物とその製造法及び難燃性フェノール樹脂積層
板、特に紙基材フェノール樹脂積層板の製造法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】電気・電子機器に使用されるプリント配
線板には火災を防止し、安全性を保つという観点から、
難燃性が要求されている。フェノール樹脂積層板、特に
紙基材フェノール樹脂積層板の難燃性を確保するために
一般には、ハロゲン系難燃剤、無機系難燃剤、窒素系難
燃剤を用いられている。しかし、ハロゲン系難燃剤は炭
化しやすいため、トラッキング破壊を起こしやすく、多
量に使用すると耐トラッキング性が低下するという欠点
があった。
【0003】また、無機系難燃剤、窒素系難燃剤、リン
系難燃剤は、ハロゲン系難燃剤よりも一般的に難燃効果
が小さいため、より多量に用いなければ高い難燃性は得
られない。一般に、無機系難燃剤を多量に配合すると、
打抜加工性、はくり、目白が発生し、窒素系難燃剤、リ
ン系難燃剤を大量に配合すると、積層板の耐熱性が低下
する等という欠点があった。
【0004】また、地球環境保全・悪化防止の観点か
ら、毒性を考慮して、従来のスズ−鉛系はんだを使用せ
ず、スズ−銀系、スズ−亜鉛系等のはんだを使用する傾
向がある。スズ−銀系、スズ−亜鉛系等のはんだは、ス
ズ−鉛系はんだと比較して融点が高いため、はんだによ
る結線を行うフェノール樹脂積層板には、さらなる耐熱
性の向上が要求されている。
【0005】他に、近年環境ホルモンの人体に対する影
響が、問題視されており、積層板使用時における有害物
質及び臭気の発生量低減が望まれている。
【0006】耐熱性及び臭気を良好にするために、未反
応フェノール及び未反応ホルムアルデヒドを除去するこ
とは一般に知られており、特開平9−109017号公
報のように、水蒸気蒸留を行う手法や、特開平6−22
6912号公報のように、未反応フェノール及び未反応
ホルムアルデヒドを溶媒に溶解して除去する手法があ
る。しかし、これらの手法は、未反応物を樹脂系外に除
去するため歩留りが悪くなり、また、工程が増えること
で生産性が低下する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、難燃
剤を多量に使用せずに、優れた難燃性と、鉛を用いない
はんだの溶融温度に耐える耐熱性を有し、低臭気である
フェノール樹脂組成物とその製造法、及びそれを基材に
含浸したフェノール樹脂積層板とその製造法を提供でき
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のフェノール樹脂
組成物は、乾性油変性レゾール型フェノール樹脂の合成
中に、リン酸エステルを樹脂固形分に対して20〜60
重量%配合し、縮合水除去前にノボラック型フェノール
樹脂を、上記レゾール型フェノール樹脂の合成に用いる
フェノール類に対して5〜20重量%配合し得られ、未
反応フェノール類を7重量%以下であることを特徴とす
る。
【0009】本発明は、フェノール樹脂中の未反応フェ
ノール類量を7重量%以下にすることにより、耐熱性、
臭気が良好な樹脂組成物及び含浸したフェノール樹脂積
層板を製造できる。
【0010】また、本発明のフェノール樹脂積層板は、
上記フェノール樹脂を基材に含浸乾燥して得たプリプレ
グを積層し、加熱成形して得られる未反応フェノール含
有量が30ppm以下、未反応ホルムアルデヒド含有量
が5ppm以下であるプリント配線板用フェノール樹脂
積層板である。
【0011】本発明者らは、上記の課題を解決するため
に検討を重ねた結果、乾性油変性レゾール型フェノール
樹脂の合成中に、特定量のリン酸エステルを配合し、さ
らに、ノボラック型フェノール樹脂を配合することによ
って、その目的を達成しうることを見出して、本発明を
完成するに至った。
【0012】本発明のフェノール樹脂積層板は、乾性油
変性レゾール樹脂を主成分とするフェノール樹脂組成物
であって、乾性油変性レゾール型フェノール樹脂の合成
中に、リン酸エステルを樹脂固形分に対して20〜60
重量%配合し、ノボラック型フェノール樹脂を縮合反応
直前に、上記レゾール型フェノール樹脂の合成に用いる
フェノール類に対して5〜30重量%を配合して得られ
ることを特徴とする。また、本発明のフェノール樹脂積
層板は、前述のフェノール樹脂を基材に含浸し、乾燥し
て得られたプリプレグを積層し、加熱成形して得られる
ことを特徴とする。
【0013】本発明で使用する乾性油変性レゾール型フ
ェノール樹脂は、乾性油で変性したフェノール、クレゾ
ール、ノニルフェノール、ビスフェノールA等のフェノ
ール類とパラホルムアルデヒド、ホルマリン水溶液等の
ホルムアルデヒドとをアンモニア、トリメチルアミン、
トリエチルアミン等の塩基触媒下で反応させて得られた
ものである。すなわち、本発明において、フェノール樹
脂とは、狭義のフェノールのみでなく、フェノール類と
ホルムアルデヒドを縮合して得られる樹脂の総称であ
る。
【0014】本発明で使用する乾性油としては、桐油、
アマニ油等が例示される。積層板に十分な難燃性と優れ
た打抜加工性を共に与えるために、乾性油による変性率
は、15〜30重量%であることが好ましい。変性は、
例えばp−トルエンスルホン酸のような酸触媒の存在下
に、フェノール類と乾性油を加熱して反応させることに
よって行うことができる。
【0015】リン酸エステルとしては、トリブチルホス
フェイト、トリフェニルホスフェイト、トリクレジルホ
スフェイト、クレジルジフェニルホスフェイト、トリイ
ソプロピルフェニルホスフェイト等が例示され、トリフ
ェニルホスフェイト及びクレジルジフェニルホスフェイ
トの使用が好ましい。このようなリン酸エステルは、単
独で用いても、2種以上を併用しても差し支えない。フ
ェノール樹脂の急激な高分子化を抑制することにより、
未反応フェノール類が系中に多く存在することが防止で
きること、ならびに得られた積層板が耐熱性及び打抜加
工性を有することから、リン酸エステルの配合量は、該
フェノール樹脂固形分に対して20〜60重量%であ
る。
【0016】本発明で使用するノボラック型フェノール
樹脂は、フェノール、クレゾール、ビスフェノールA等
のフェノール類をパラホルムアルデヒド、ホルマリン水
溶液等のホルムアルデヒド重合体または溶液と、シュウ
酸のような酸触媒の存在下で反応させて得られる。この
際、さらに良好な難燃性を得るために、メラミンまたは
ベンゾグアナミンで変性したノボラック型フェノール樹
脂を使用することが望ましい。
【0017】ノボラック型フェノール樹脂は、脱水縮合
反応直前に、前述のレゾール型フェノール樹脂の合成に
用いるフェノール類に対して、5〜30重量%配合す
る。これより前のタイミングでノボラック型フェノール
樹脂を配合すると、フェノール樹脂の重合度は急激に上
昇し、得られる積層板の打抜加工性等が低下する。配合
量は5重量%より少ないと、未反応ホルムアルデヒドが
多量に残留し、又30重量%以上であると得られる積層
板の打抜加工性等が低下する。
【0018】このようなリン酸エステル及びノボラック
型フェノール樹脂の配合方法を採用することによって、
フェノール樹脂中の未反応フェノール類の量を7重量%
以下にすることができる。このことにより、フェノール
樹脂積層板の難燃性を良好にし、耐熱性に優れ、低臭気
なフェノール樹脂積層板が得られる。
【0019】このようにして得られた樹脂組成物に、さ
らにメラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等の窒素系難
燃剤また水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水
酸化カルシウム等の無機系難燃剤を添加すると、さらに
安定した難燃性を得ることができる。
【0020】本発明の樹脂組成物を溶剤で希釈してワニ
スとし、基材に含浸、乾燥させて得たプリプレグを所定
枚数重ね、加熱成形し、フェノール樹脂積層板を得る。
【0021】溶媒としては、メタノール、エタノール、
イソプロパノールのようなアルコール類、アセトン、メ
チルエチルケトンのようなケトン類、及びトルエン、キ
シレンのような炭化水素類が例示される。
【0022】基材としては、ガラスのような無機繊維、
ポリエステル、ポリアミド、アクリル系ポリマーのよう
な有機繊維、木綿、麻、紙のような天然繊維等を用いる
ことができるが、本発明のフェノール樹脂組成物は、特
に、クラフト紙、リンター紙のような紙基材の難燃性積
層板を得るのに有効である。紙基材としては、予め水溶
性フェノール樹脂、メラミン樹脂等で前処理を行ったク
ラフト紙、リンター紙等を用いることが好ましい。成形
は、通常、温度150〜180℃、圧力8〜12MPa
で行うことができる。
【0023】その場合、積層したプリプレグの片側また
は両面に、銅箔のような金属箔を重ね、上記温度、圧
力、時間で加熱加圧することにより、プリント配線板の
用途に適した金属張積層板が得られる。
【0024】このようにして、本発明の樹脂組成物を用
いることにより、難燃剤を多量に使用せずに、優れた難
燃性と、鉛を用いないはんだの溶融温度に耐える耐熱性
を有し、低臭気であるフェノール樹脂組成物、及びそれ
を基材に含浸したフェノール樹脂積層板を得ることがで
きる。
【0025】乾性油変性レゾール型フェノール樹脂の合
成中に、反応に寄与しないリン酸エステルを樹脂固形分
の20〜60重量%配合することにより、フェノール樹
脂の重合度が急激に上昇することを抑制しつつ、フェノ
ール類を効果的に反応させて、未反応のフェノール類が
系中に残存する量を減少させることができる。また、ノ
ボラック型フェノール樹脂を、上記レゾール型フェノー
ル樹脂の合成に用いるフェノール類に対して、5〜30
重量%合成中に配合することで、ホルムアルデヒドと反
応し、未反応ホルムアルデヒドの残存量を低減できる。
また、配合時でのフェノール類の割合を小さくできる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例及びその比
較例によって、本発明をさらに具体的に説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。これ
らの例において、配合量は重量%である。
【0027】(実施例1) (1)ノボラック型フェノール樹脂の合成 フェノール430gとホルマリン(37%溶液)260
gに、シュウ酸0.9gを加えて、還流温度にて6時間
反応させた。その後、内部を80kPa(600Tor
r)以下に減圧して、未反応のフェノール及び水を除去
した。以下、得られた樹脂を樹脂(A)と略記する。
【0028】(2)レゾール型フェノール樹脂の合成 桐油350gとフェノール900gを混合し、p−トル
エンスルホン酸0.6gを加えて90℃で1時間反応さ
せた。これにパラホルムアルデヒド400gとトリフェ
ニルホスフェイトを、上記樹脂固形分に対して10%に
なる量を加え、28%アンモニア水60gを配合し、7
5℃で2時間反応させ、さらにトリフェニルホスフェイ
トを樹脂固形分に対して10%配合し、75℃で2時間
反応させて、桐油変性レゾール型フェノール樹脂を合成
した。
【0029】(3)ワニス(B1)の合成 レゾール型フェノール樹脂に、樹脂(A)を20%配合
し、反応容器内部を80kPa(600Torr)以下
に減圧して、縮合水の除去を行い、レゾール型フェノー
ル樹脂組成物を調整した。この樹脂組成物を高速液体ク
ロマトグラフで分析した結果、樹脂中の未反応フェノー
ル量は5%であった(ピーク面積比)。この樹脂組成物
にメラミン変性フェノール樹脂(商品名VP−08K、
日立化成工業株式会社製)を樹脂固形分に対して10%
配合し、メタノールで50%に希釈してフェノール樹脂
ワニスを調整した。以下、得られたワニスをワニスB1
という。
【0030】クラフト紙にメラミン含有量10%のメラ
ミン変性フェノール樹脂を、付着量が20%となるよう
に含浸し乾燥させた後、ワニスB1を付着量50%にな
るように含浸し、乾燥させてプリプレグを得た。このプ
リプレグ8枚に、接着剤付銅箔を1枚重ね、170℃、
10MPaに60分間加熱加圧して成形し、板厚1.6
mmの片面銅張積層板を作製した。
【0031】(実施例2)実施例1で得られた桐油変性
レゾール型フェノール樹脂に、メラミン変性ノボラック
型フェノール樹脂(商品名PR−MP−1−70、日立
化成工業株式会社製)を20%配合し、実施例1と同様
に縮合水の除去を行い、レゾール型フェノール樹脂組成
物を調整した。この樹脂組成物を高速液体クロマトグラ
フで分析した結果、樹脂中の未反応フェノール量は5%
であった(ピーク面積比)。この樹脂組成物にメラミン
変性フェノール樹脂(商品名VP−08K、日立化成工
業株式会社製)を樹脂固形分に対して10%配合し、メ
タノールで50%に希釈して、フェノール樹脂ワニスを
調整した。以下、得られたワニスをワニスB2という。
【0032】実施例1と同様に前処理を行ったクラフト
紙に、ワニスB2を付着量50%になるように含浸し、
乾燥させてプリプレグを得た。このプリプレグを用いて
実施例1と同様の条件により、板厚1.6mmの片面銅
張積層板を作製した。
【0033】(比較例1)桐油350gとフェノール9
00gを混合し、これにp−トルエンスルホン酸0.6
gを加えて90℃で1時間反応させた。これにパラホル
ムアルデヒド400g及び28%アンモニア水60gを
配合し、75℃で2時間反応させた。その後、反応容器
内部を80kPa(600Torr)以下に減圧して、
縮合水の除去を行い、桐油変性レゾール型フェノール樹
脂を合成した。得られた樹脂を高速液体クロマトグラフ
で分析した結果、樹脂中の未反応フェノールの量は11
%であった(ピーク面積比)。この樹脂に、メラミン変
性フェノール樹脂(商品名VP−08K、日立化成工業
株式会社製)を樹脂固形分に対して10%、及びトリフ
ェニルホスフェイトを樹脂固形分に対して30%になる
量配合し、メタノールで50%に希釈し、比較のためフ
ェノール樹脂ワニスを調整した。以下、得られたワニス
をワニスB3という。
【0034】実施例1と同様に前処理を行ったクラフト
紙に、ワニスB3を付着量50%になるように含浸し、
乾燥させてプリプレグを得た。このプリプレグを用い
て、実施例1と同様の条件により、板厚1.6mmの片
面銅張積層板を作製した。
【0035】(比較例2)比較例1で得られた桐油変性
レゾール型フェノール樹脂に、メラミン変性フェノール
樹脂(商品名VP−08K、日立化成工業株式会社製)
を樹脂固形分に対して10%、及びトリフェニルホスフ
ェイトを樹脂固形分に対して70%になる量配合し、メ
タノールで50%に希釈して、比較のためのフェノール
樹脂ワニスを調整した。以下、得られたワニスをワニス
B4という。
【0036】実施例1と同様に前処理を行ったクラフト
紙に、ワニスB4を付着量50%になるように含浸し、
乾燥させてプリプレグを得た。このプリプレグを用い
て、実施例1と同様の条件により、板厚1.6mmの片
面銅張積層板を作製した。
【0037】以上、作製した片面銅張積層板について難
燃性、はんだ耐熱性、打抜加工性、未反応フェノール類
量を調べた。その結果を表1に示す。又、試験方法は以
下の通りである。
【0038】(1)難燃性:UL94に準拠した。
【0039】(2)はんだ耐熱性:260℃及び288
℃のはんだ槽に、それぞれ銅箔面が接するように試験片
を浮かべ、ふくれが発生するまで要した時間を測定し
た。
【0040】(3)打抜加工性:積層板を80トンプレ
スにより、表面温度40℃、60℃、80℃、穴間ピッ
チ1.50mmで打抜いた時のクラック、はくり、目白
の状態を評価した。表中の記号は、以下の状態を意味す
る。 ○:変化なし 、△:クラック、はくり、目白が発生
、×:クラック、はくり、目白が著しく、使用が困難
な状態。
【0041】(4)未反応フェノール類量:島津製作所
製、ガスクロマトグラフを使用し、以下の条件で、発生
したガス中の未反応フェノール類を定量分析した。 ・カラム:GL Sciences Inc.製、キャ
ピラリカラム 、・検出器:FID 、・試料加熱温
度:80℃ 、・試料加熱時間:1時間、・カラム初期
温度:50℃ 、・カラム最終温度:250℃ 、・カ
ラム昇温速度:10℃/分 、・気化室温度:200℃
、・検出器温度:250℃。
【0042】(5)未反応ホルムアルデヒド量:HP製
ガスクロマトグラフにて以下の条件で、発生したガス中
の未反応ホルムアルデヒドを定量分析した。 ・カラム:CHROMPACK.製、キャピラリカラム
、・検出器:TCD試料加熱温度:80℃ 、・試料
加熱時間:1時間 、・カラム初期温度:50℃ 、・
カラム最終温度:250℃ 、・カラム昇温速度:10
℃/分、・気化室温度:200℃ 、・検出器温度:2
50℃。
【0043】(6)臭気:無作為に選出したパネルに臭
気の判定をしてもらった。 ・処理条件:試料片を1cm角に切断し、ガラス管に密
閉して室温(約23℃)で12時間放置した。 ・パネル:化学薬品使用作業に従事していない者、男性
5名、女性5名。 ・評価方法:実施例1、2、比較例1、2の4試料を比
較して、臭気の弱い順番に低い点数を付けパネル10名
の平均点で評価を行った。
【0044】
【表1】
【0045】表1に示すように、比較例1はトリフェニ
ルホスフェイトを30%配合していたが、ワニス中の未
反応フェノール類量が11%、未反応ホルムアルデヒド
量が8%であり、積層板中の未反応フェノール類量及び
未反応ホルムアルデヒド量がいずれも多く、難燃性がU
L規格94V−0を満足せず、臭気が強かった。
【0046】このため、比較例2では、ワニス中の未反
応フェノール類量が11%のワニスにトリフェニルホス
フェイトを70%配合した結果、難燃性がUL規格94
V−0を満足し、臭気も2.9と低減したが、はんだ耐
熱性が260℃で18秒、288℃で8秒が低く、又打
抜加工性が表面温度60℃以上で低下した。
【0047】ワニス中の未反応フェノール類量を5%に
低減した実施例1、実施例2は、比較例と比べて、難燃
性が94V−0、はんだ耐熱性が260℃で25秒以
上、288℃で15秒以上、臭気が1.5以下と優れ、
積層板の中の未反応フェノール類量が20ppm以下及
び未反応ホルムアルデヒド量が3ppmといずれも少な
いことがわかった。
【0048】
【発明の効果】以上の如く、本発明によれば、未反応フ
ェノール類量及び未反応ホルムアルデヒド量を低減する
ことで、難燃剤を多量に使用しなくても優れた難燃性
と、鉛を用いないはんだの溶融温度に耐える耐熱性を有
し、又生産性を低下させることなく低臭気であるフェノ
ール樹脂組成物、及びそれを基材に含浸したフェノール
樹脂積層板を提供できる顕著な効果が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂井 和永 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館事業所内 Fターム(参考) 4F072 AA07 AB31 AD15 AD17 AE07 AF01 AF27 AG03 AH02 AH21 AK05 AL09 AL12 4J002 CC081 CC182 CC192 DE076 DE086 DE146 FD132 FD136 GF00 GQ01 HA05 4J033 CA02 CA03 CA11 CA12 CA19 CA20 CA37 CA42 CB25 CC02 CC06 CC07 CC12 HA09 HA12 HA13 HB03

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】乾性油変性レゾール型フェノール樹脂を主
    成分とする樹脂組成物と樹脂固形分に対して20〜60
    重量%のリン酸エステルとの合成物に、ノボラック型フ
    ェノール樹脂が前記レゾール型フェノール樹脂に対して
    5〜30重量%配合して縮合されることを特徴とするフ
    ェノール樹脂組成物。
  2. 【請求項2】乾性油変性レゾール型フェノール樹脂を主
    成分とする樹脂組成物と樹脂固形分に対して20〜60
    重量%のリン酸エステルと、前記レゾール型フェノール
    樹脂に対して5〜30重量%のノボラック型フェノール
    樹脂とを有し、未反応フェノールが全体の7重量%以下
    であることを特徴とするフェノール樹脂組成物。
  3. 【請求項3】乾性油変性レゾール型フェノール樹脂を主
    成分とする樹脂組成物と樹脂固形分に対して20〜60
    重量%のリン酸エステルとの合成物に、ノボラック型フ
    ェノール樹脂が前記レゾール型フェノール樹脂に対して
    5〜30重量%配合して縮合され、該縮合された組成物
    に樹脂固形分に対して5〜15重量%の窒素系難燃剤及
    び無機系難燃剤の少なくとも1種及び40〜60重量%
    の溶剤を有することを特徴とするフェノール樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】乾性油変性レゾール型フェノール樹脂を主
    成分とする樹脂組成物と樹脂固形分に対して20〜60
    重量%のリン酸エステルと、前記レゾール型フェノール
    樹脂に対して5〜30重量%のノボラック型フェノール
    樹脂と、前記樹脂固形分に対して5〜15重量%の窒素
    系難燃剤及び無機系難燃剤の少なくとも1種と、全体に
    対して40〜60重量%の溶剤とを有し、未反応フェノ
    ールが全体の7重量%以下であることを特徴とするフェ
    ノール樹脂組成物。
  5. 【請求項5】乾性油変性レゾール型フェノール樹脂を主
    成分とする樹脂組成物と樹脂固形分に対して20〜60
    重量%のリン酸エステルとを配合し合成した後、ノボラ
    ック型フェノール樹脂を前記レゾール型フェノール樹脂
    に対して5〜30重量%配合し縮合することを特徴とす
    るフェノール樹脂組成物の製造法。
  6. 【請求項6】乾性油変性レゾール型フェノール樹脂を主
    成分とする樹脂組成物と樹脂固形分に対して20〜60
    重量%のリン酸エステルとを配合し合成した後、ノボラ
    ック型フェノール樹脂を前記レゾール型フェノール樹脂
    に対して5〜30重量%配合し、次いで減圧して縮合水
    を除去することを特徴とするフェノール樹脂組成物の製
    造法。
  7. 【請求項7】乾性油変性レゾール型フェノール樹脂を主
    成分とする樹脂組成物と樹脂固形分に対して20〜60
    重量%のリン酸エステルとを配合し合成した後、ノボラ
    ック型フェノール樹脂を前記レゾール型フェノール樹脂
    に対して5〜30重量%配合して縮合し、次いで前記樹
    脂固形分に対して5〜15重量%の窒素系難燃剤及び無
    機系難燃剤の少なくとも1種と、全体に対して40〜6
    0重量%の溶剤とを配合することを特徴とするフェノー
    ル樹脂組成物の製造法。
  8. 【請求項8】乾性油変性レゾール型フェノール樹脂を主
    成分とする樹脂組成物と樹脂固形分に対して20〜60
    重量%のリン酸エステルとを配合し合成した後、ノボラ
    ック型フェノール樹脂を前記レゾール型フェノール樹脂
    に対して5〜30重量%配合し、次いで減圧して縮合水
    を除去した後、前記樹脂固形分に対して5〜15重量%
    の窒素系難燃剤及び無機系難燃剤の少なくとも1種と、
    全体に対して40〜60重量%の溶剤とを配合すること
    を特徴とするフェノール樹脂組成物の製造法。
  9. 【請求項9】基材に請求項1〜4のいずれかに記載のフ
    ェノール樹脂組成物を含浸し乾燥して得られたプリプレ
    グを積層し、次いで加熱成形されて成ることを特徴とす
    るフェノール樹脂積層板。
  10. 【請求項10】請求項9において、未反応フェノール量
    が30ppm以下及び未反応ホルムアルデヒド量が5p
    pm以下であることを特徴とするフェノール樹脂積層
    板。
  11. 【請求項11】請求項9又は10において、前記基材が
    紙であることを特徴とするフェノール樹脂積層板。
  12. 【請求項12】請求項9〜11のいずれかにおいて、前
    記基材の片面又は両面に金属箔を有することを特徴とす
    るフェノール樹脂積層板。
  13. 【請求項13】基材にフェノール樹脂組成物を含浸し乾
    燥して得られたプリプレグを積層し、次いで加熱成形す
    るフェノール樹脂積層板の製造法において、前記フェノ
    ール樹脂組成物を請求項5〜8のいずれかに記載の製造
    法によって製造することを特徴とするフェノール樹脂積
    層板の製造法。
JP2001176853A 2001-06-12 2001-06-12 フェノール樹脂組成物とその製造法及び積層板とその製造法 Pending JP2002363235A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001176853A JP2002363235A (ja) 2001-06-12 2001-06-12 フェノール樹脂組成物とその製造法及び積層板とその製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001176853A JP2002363235A (ja) 2001-06-12 2001-06-12 フェノール樹脂組成物とその製造法及び積層板とその製造法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002363235A true JP2002363235A (ja) 2002-12-18

Family

ID=19017785

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001176853A Pending JP2002363235A (ja) 2001-06-12 2001-06-12 フェノール樹脂組成物とその製造法及び積層板とその製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002363235A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113667265A (zh) * 2021-07-23 2021-11-19 华南理工大学 一种高阻燃水性酚醛树脂及其制备方法与应用在层压板中的方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113667265A (zh) * 2021-07-23 2021-11-19 华南理工大学 一种高阻燃水性酚醛树脂及其制备方法与应用在层压板中的方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI268945B (en) Resin composition, prepreg, and phenolic resin paper base laminate
JP2007009169A (ja) プリプレグおよびこれを用いた積層板とプリント配線板
JP2005029674A (ja) フェノール樹脂組成物およびフェノール樹脂銅張積層板
JP2002363235A (ja) フェノール樹脂組成物とその製造法及び積層板とその製造法
JP2002249638A (ja) フェノール樹脂組成物およびそれを用いたフェノール樹脂積層板
JP2003213078A (ja) フェノール樹脂組成物および積層板
JP2000080248A (ja) フェノール樹脂組成物、フェノール樹脂積層板及びフェノール樹脂金属はく張り積層板
JP2007009170A (ja) 樹脂組成物、ならびにこれを用いたプリプレグ、積層板およびプリント配線板
JP2005290144A (ja) 樹脂組成物、プリプレグおよびフェノール樹脂積層板
JP2000265037A (ja) フェノール樹脂組成物、フェノール樹脂積層板及びフェノール樹脂金属はく張り積層板
JP2003176398A (ja) フェノール樹脂組成物、プリプレグおよび紙基材フェノール樹脂積層板
JPH10279715A (ja) 難燃性フェノール樹脂積層板
JP2004250579A (ja) 樹脂組成物、プリプレグおよびフェノール樹脂積層板
JP2006199811A (ja) フェノール樹脂積層板
KR100625157B1 (ko) 적층판
JP2008018557A (ja) 樹脂積層板
JP2000191809A (ja) プリプレグ、積層板及び金属はく張り積層板
JP2011026400A (ja) フェノール樹脂組成物、プリプレグおよび積層板
JP2004123892A (ja) 樹脂組成物、プリプレグおよび紙基材フェノール樹脂積層板
JP4821064B2 (ja) 紙基材フェノール樹脂銅張積層板
JP2001114982A (ja) フェノール樹脂組成物及び積層板
JP2001181474A (ja) 難燃性フェノール樹脂組成物、プリプレグ及び銅張積層板
JPH10286925A (ja) 難燃性フェノール樹脂積層板
JP2001316499A (ja) 金属水酸化物を含有する無機繊維不織布を用いたプリプレグ、積層板及びプリント配線板
JP2001316498A (ja) 金属水酸化物含有紙を用いたプリプレグ、積層板及びプリント配線板

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20060322

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20060425