JP2002249638A - フェノール樹脂組成物およびそれを用いたフェノール樹脂積層板 - Google Patents

フェノール樹脂組成物およびそれを用いたフェノール樹脂積層板

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Yoshinori Sato
美紀 佐藤
Yoshiyuki Narabe
嘉行 奈良部
Kazunaga Sakai
和永 坂井
Yoshitoshi Kumakura
俊寿 熊倉
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、プリント配線板用途に適した、ハ
ロゲン系難燃剤を使用せずに難燃性の規格UL−94に
よる94V0を満足し、はんだ耐熱性が良好な、フェノ
ール樹脂積層板およびそれに用いるフェノール樹脂組成
物に関する。 【構成】 乾性油変性レゾール型フェノール樹脂を主成
分とするフェノール樹脂組成物であって、該フェノール
樹脂の合成中に、リン酸エステルを、樹脂固形分に対し
て20〜60重量%配合し、ノボラック型フェノール樹
脂を、上記レゾール型フェノール樹脂の合成に用いるフ
ェノール類に対して5〜30重量%配合して得られるフ
ェノール樹脂組成物、およびそれを使用するフェノール
樹脂積層板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プリント配線板の用途
に適し、ハロゲン系難燃剤を使用しないフェノール樹脂
組成物に関し、また、それを用いる難燃性フェノール樹
脂積層板、特に紙基材フェノール樹脂積層板に関する。
【0002】
【従来の技術】電気・電子機器に使用されるプリント配
線板には、火災を防止し、安全性を保つという観点か
ら、難燃性が要求されている。従来、難燃性を確保する
ために、一般には、ハロゲン元素を含む難燃剤、特に臭
素系難燃剤が用いられてきた。しかし、地球環境の保全
・悪化防止の観点から、毒性の強いダイオキシン類およ
び類似の化合物を発生させる恐れのあるハロゲン元素を
使用せずに難燃化する技術が求められてきている。
【0003】フェノール樹脂積層板、特に紙基材フェノ
ール樹脂積層板を、ハロゲン系難燃剤を使用せずに難燃
化するには、無機系難燃剤、窒素系難燃剤またはリン系
難燃剤を用いる必要がある。これらの難燃剤は、ハロゲ
ン系難燃剤よりも一般的に難燃効果が小さいため、多量
に用いなければ高い難燃性が得られない。一般に、無機
系難燃剤を多量に配合すると、打抜加工工程で、剥離、
目白等が発生し、窒素系難燃剤、リン系難燃剤を多量に
配合すると、積層板の耐熱性が低下する等という欠点が
あった。
【0004】また、地球環境保全・悪化防止の観点か
ら、毒性を考慮して従来のスズ−鉛系はんだを使用せ
ず、スズ−銀系、スズ−亜鉛系等のはんだを使用する傾
向がある。スズ−銀系、スズ−亜鉛系はんだは、スズ−
鉛系はんだと比較して融点が高いため、はんだによる結
線を行うフェノール樹脂積層板には、さらなる耐熱性の
向上が要求されてきている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
課題を解決するためになされたものであって、ハロゲン
系難燃剤を配合することなく、優れた難燃性と、鉛を用
いないはんだの溶融温度に耐える耐熱性を有するフェノ
ール樹脂組成物、およびそれを基材に含浸したフェノー
ル樹脂積層板、特に紙基材フェノール樹脂積層板を提供
することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために検討を重ねた結果、乾性油変性レゾ
ール型フェノール樹脂の合成中に、特定量のリン酸エス
テルを配合し、さらに、ノボラック型フェノール樹脂を
配合することによって、その目的を達成しうることを見
出して、本発明を完成するに至った。
【0007】本発明のフェノール樹脂積層板は、乾性油
変性レゾール型フェノール樹脂を主成分とするフェノー
ル樹脂組成物であって、乾性油変性レゾール型フェノー
ル樹脂の合成中に、リン酸エステルを樹脂固形分に対し
て20〜60重量%配合し、ノボラック型フェノール樹
脂を、上記レゾール型フェノール樹脂の合成に用いるフ
ェノール類に対して5〜30%配合して得られることを
特徴とする。また、本発明のフェノール樹脂積層板は、
上記フェノール樹脂を基材に含浸し、乾燥して得られた
プリプレグを積層し、加熱成形して得られたフェノール
樹脂積層板である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で使用する乾性油変性レゾ
ール型フェノール樹脂は、乾性油で変性したフェノー
ル、クレゾール、ノニルフェノール、ビスフェノールA
等のフェノール類と、パラホルムアルデヒド、ホルマリ
ン水溶液等のホルムアルデヒドとを、アンモニア、トリ
メチルアミン、トリエチルアミン等の塩基触媒下で反応
させて得られたものである。すなわち、本発明におい
て、フェノール樹脂とは、狭義のフェノールのみでな
く、フェノール類とホルムアルデヒドを縮合して得られ
る樹脂の総称である。
【0009】本発明で使用する乾性油としては、桐油、
アマニ油等が例示される。積層板に十分な難燃性と優れ
た打抜加工性をともに与えるために、乾性油による変性
率は、15〜30重量%であることが好ましい。変性
は、たとえばp−トルエンスルホン酸のような酸触媒の
存在下に、フェノール類と乾性油を加熱して反応させる
ことによって行うことができる。
【0010】乾性油変性レゾール型フェノール樹脂を合
成する上記の変性反応の間に、リン酸エステルを配合す
る。リン酸エステルの添加は、1回でも数回に分けて逐
次行ってもよく、重合を効率的に行うには、逐次行うこ
とが好ましい。反応は、通常、温度70〜90℃に2〜
5時間加熱することによって行うことができる。
【0011】リン酸エステルとしては、リン酸トリブチ
ル、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸
クレジルジフェニル、リン酸(トリイソプロピル)フェ
ニル等が例示され、リン酸トリフェニルおよびリン酸ク
レジルジフェニルが好ましい。このようなリン酸エステ
ルは、単独で用いても、2種以上を併用しても差支えな
い。フェノール樹脂の急激な高分子化を抑制することに
より、未反応フェノール類が系中に多く残存することが
防止できること、ならびに得られた積層板が耐熱性およ
び打抜加工性を有することから、リン酸エステルの配合
量は、該フェノール樹脂固形分に対して20〜60重量
%である。
【0012】その後、脱水縮合の前または後に、ノボラ
ック型フェノール樹脂を配合して、フェノール樹脂組成
物を調製する。
【0013】本発明で使用するノボラック型フェノール
樹脂は、フェノール、クレゾール、ビスフェノールA等
のフェノール類を、パラホルムアルデヒド、ホルマリン
水溶液等の、ホルムアルデヒドの重合体または溶液と、
シュウ酸のような酸触媒の存在下で反応させて得られ
る。この際、さらに良好な難燃性を得るために、メラミ
ンまたはベンゾグアナミンで変性したノボラック型フェ
ノール樹脂を使用することが好ましい。これらのノボラ
ック型フェノール樹脂は、含有する未反応フェノールの
量が5重量%以下であることが望ましい。配合するノボ
ラック型フェノール樹脂の量は、得られる積層板に充分
な難燃性を与え、かつその打抜加工性等が低下しないよ
うに、前述のレゾール型フェノール樹脂の合成に用いる
フェノール類に対して、5〜30重量%が好ましい。
【0014】このような、リン酸エステルの配合方法を
採用し、かつノボラック型フェノール樹脂を配合するこ
とによって、フェノール樹脂中の未反応フェノール類の
量を10重量%以下にすることができる。このことによ
り、フェノール樹脂積層板の難燃性を良好にし、ハロゲ
ン系難燃剤を使用せずに、難燃性の優れたフェノール樹
脂積層板が得られる。
【0015】このようにして得られた樹脂組成物に、さ
らにメラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等の窒素系難
燃剤および/または水酸化アルミニウム、水酸化マグネ
シウム、水酸化カルシウム等の無機系難燃剤を添加する
と、さらに安定した難燃性を得ることができる。
【0016】本発明の樹脂組成物を、溶媒で希釈してワ
ニスとし、基材に含浸、乾燥させて得たプリプレグを所
定枚数重ね、加熱成形し、フェノール樹脂積層板を得
る。溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロ
パノールのようなアルコール類;アセトン、メチルエチ
ルケトンのようなケトン類;およびトルエン、キシレン
のような炭化水素類が例示される。基材としては、ガラ
スのような無機繊維;ポリエステル、ポリアミド、アク
リル系ポリマーのような有機繊維;木綿、麻、紙のよう
な天然繊維等を用いることができるが、本発明のフェノ
ール樹脂組成物は、特に、クラフト紙、リンター紙のよ
うな紙基材の難燃性積層板を得るのに有効である。紙基
材としては、あらかじめ水溶性フェノール樹脂、メラミ
ン樹脂等で前処理を行ったクラフト紙、リンター紙等を
用いることが好ましい。成形は、通常、温度150〜1
80℃、圧力8〜12MPaで行うことができる。
【0017】その場合、積層したプリプレグの片側また
は両面に、銅箔のような金属箔を重ね、上記の温度、圧
力、時間で加熱、加圧することにより、プリント配線板
の用途に適した金属張積層板が得られる。
【0018】このようにして、本発明の樹脂組成物を用
いることにより、芳香族臭素化合物、臭素化エポキシ樹
脂およびその末端基誘導体、臭素化アルコール、臭素化
ペンタエリトリトール、臭素化ベンジルアクリラート、
臭素化アルキルイソシアヌラートのような有機臭素化合
物;塩素化パラフィン、塩素化ポリエチレンのような有
機塩素化合物などの有機ハロゲン化合物を実質的に含有
しないで、優れた難燃性を有するフェノール樹脂積層板
を得ることができる。
【0019】
【作用】乾性油変性レゾール型フェノール樹脂の合成中
に、反応に寄与しないリン酸エステルを、樹脂固形分の
20〜60重量%配合することにより、フェノール樹脂
の重合度が急激に上昇することを抑制しつつ、フェノー
ル類を効果的に反応させて、未反応のフェノール類が系
中に残存する量を減少させることができる。また、ノボ
ラック型フェノール樹脂を配合することにより、樹脂中
の未反応フェノール類の量を減少させることができる。
【0020】
【実施例】以下、合成例、調製例、実施例および比較例
によって、本発明をさらに具体的に説明する。本発明
は、これらの実施例に限定されるものではない。これら
の例において、部は重量部、配合の%は重量%を表す。
【0021】合成例 ノボラック型フェノール樹脂の合
成 フェノール190部とホルマリン(37%溶液)115
部に、シュウ酸0.4部を加えて、還流温度で6時間反
応させた。その後、内部を80kPa{600Torr}以下
に減圧して、未反応のフェノールおよび水を除去した。
以下、得られた樹脂を樹脂(A)と略記する。
【0022】実施例1 桐油150部とメタクレゾール400部を混合し、p−
トルエンスルホン酸0.2部を加えて、90℃で1時間
反応させた。これに、パラホルムアルデヒド200部と
リン酸トリフェニルを、上記樹脂固形分に対して10%
になる量加え、28%アンモニア水30部を配合し、7
5℃で2時間反応させた。その後、リン酸トリフェニル
を、樹脂固形分に対して10%配合し、75℃で2時間
反応させ、さらにリン酸トリフェニルを、樹脂固形分に
対して10%配合し、75℃で2時間反応させて、桐油
変性レゾール型クレゾール樹脂を合成した。
【0023】この樹脂に、樹脂(A)を40部配合し、
反応容器内部を80kPa{600Torr}以下に減圧し
て、縮合水の除去を行い、レゾール型フェノール樹脂組
成物を調製した。該樹脂組成物を、高速液体クロマトグ
ラフで分析した結果、樹脂中の未反応フェノール量は、
5%であった(ピーク面積比)。この樹脂組成物に、メ
ラミン変性フェノール樹脂(商品名VP−08K、日立
化成工業株式会社製)を10部配合し、メタノールで5
0%に希釈して、フェノール樹脂ワニスを調製した。以
下、得られたワニスをワニスB1という。
【0024】クラフト紙に、メラミン含有量10重量%
のメラミン変性フェノール樹脂を、付着量が17〜20
%になるように含浸し、乾燥させた後、ワニスB1を、
付着量が50〜55%になるように含浸し、乾燥させて
プリプレグを得た。このプリプレグ8枚に、接着剤付銅
箔を1枚を重ね、170℃、10MPaに60分間加熱加
圧して成形し、板厚1.6mmの片面銅張積層板を作製し
た。
【0025】実施例2 実施例1で得られた桐油変性レゾール型クレゾール樹脂
に、メラミン変性ノボラック型フェノール樹脂(商品名
PR−MP−1−70、日立化成工業株式会社製)を
40部配合し、実施例1と同様に縮合水の除去を行い、
レゾール型フェノール樹脂組成物を調製した。該樹脂組
成物を、高速液体クロマトグラフで分析した結果、樹脂
中の未反応フェノール量は、5%であった(ピーク面積
比)。この樹脂組成物に、メラミン変性フェノール樹脂
(商品名 VP−08K、日立化成工業株式会社製)を
10部配合し、メタノールで50%に希釈して、フェノ
ール樹脂ワニスを調製した。以下、得られたワニスをワ
ニスB2という。
【0026】実施例1と同様に前処理を行ったクラフト
紙に、ワニスB2を、付着量が50〜55%になるよう
に含浸し、乾燥させてプリプレグを得た。このプリプレ
グを用いて、実施例1と同様の条件により、板厚1.6
mmの片面銅張積層板を作製した。
【0027】比較例1 桐油150部とメタクレゾール400部を混合し、これ
にp−トルエンスルホン酸0.2部を加えて、90℃で
1時間反応させた。これに、パラホルムアルデヒド20
0部および28%アンモニア水30部を配合し、75℃
で2時間反応させた。その後、反応容器内部を80kPa
{600Torr}以下に減圧して、縮合水の除去を行い、
桐油変性レゾール型クレゾール樹脂を合成した。得られ
た樹脂を、高速液体クロマトグラフで分析した結果、樹
脂中の未反応フェノールの量は、11%であった(ピー
ク面積比)。この樹脂に、メラミン変性フェノール樹脂
(商品名VP−08K、日立化成工業株式会社製)を1
0部、およびリン酸トリフェニルを樹脂固形分に対して
30%になる量配合し、メタノールで50%に希釈し、
比較のためのフェノール樹脂ワニスを調製した。以下、
得られたワニスをワニスB3という。
【0028】実施例1と同様に前処理を行ったクラフト
紙に、ワニスB3を、付着量が50〜55%になるよう
に含浸し、乾燥させてプリプレグを得た。このプリプレ
グを用いて、実施例1と同様の条件により、板厚1.6
mmの片面銅張積層板を作製した。
【0029】比較例2 比較例1で得られた桐油変性クレゾール樹脂に、メラミ
ン変性フェノール樹脂(商品名 VP−08K、日立化
成工業株式会社製)を10部、およびリン酸トリフェニ
ルを樹脂固形分に対して70%になる量配合し、メタノ
ールで50%に希釈して、比較のためのフェノール樹脂
ワニスを調製した。以下、得られたワニスをワニスB4
という。
【0030】実施例1と同様に前処理を行ったクラフト
紙に、ワニスB4を、付着量が50〜55%になるよう
に含浸し、乾燥させてプリプレグを得た。このプリプレ
グを用いて、実施例1と同様の条件により、板厚1.6
mmの片面銅張積層板を作製した。
【0031】以上のようにして作製した片面銅箔張積層
板について、難燃性、はんだ耐熱性、打抜加工性および
未反応フェノール類量を調べた。その結果を表1に示
す。
【0032】なお、試験方法は以下のとおりである。 (1)難燃性:UL94に準拠した。 (2)はんだ耐熱性:260℃および288℃のはんだ
槽に、それぞれ銅箔面が接するように積層板を浮かべ、
ふくれが発生するまでの時間を測定した。 (3)打抜加工性:積層板を、80トンプレスにより、
表面温度40℃、60℃または80℃、穴間ピッチ1.
50mmで打抜き、クラック、剥離および目白の状態を評
価した。表中の記号は下記の状態を意味する。 ○:変化なし; △:クラック、剥離、目白が発生; ×:クラック、剥離、目白が著しく、使用が困難な状態 (4)未反応フェノール類量:島津製作所製ガスクロマ
トグラフを使用し、以下の条件で、発生したガス中の未
反応フェノール類を定量分析した。
【0033】 カラム:GL Sciences Inc. 製キャピラリカラム 検出器:FID 試料加熱温度:80℃ 試料加熱時間:1時間 カラム初期温度:50℃ カラム最終温度:250℃ カラム昇温速度:10℃/min 気化室温度:200℃ 検出器温度:250℃
【0034】
【表1】
【0035】比較例1では、リン酸トリフェニルを30
部配合したにもかかわらず、ワニス中の未反応フェノー
ル類の量が11%であり、得られた難燃板の難燃性が、
UL94による94V−0を満足しなかった。
【0036】このため、比較例2では、ワニス中の未反
応フェノール類の量が11%のワニスに、リン酸トリフ
ェニルを70部配合した結果、得られた積層板の難燃性
は、UL94による94V−0を満足したが、はんだ耐
熱性および打抜加工性が低下した。
【0037】未反応フェノール類量を5%に低減したワ
ニスを用いた実施例1、実施例2の積層板は、比較例の
積層板に比べて、積層板中に残存する未反応フェノール
類の量が少なく、はんだ耐熱性および打抜加工性が良好
であり、UL94の94V−0に該当する優れた難燃性
が得られることがわかった。
【0038】
【発明の効果】本発明の積層板は、フェノール樹脂中の
未反応フェノール類量を低減することにより、その燃焼
の際に発生する可燃性ガスを低減し、多量の難燃剤を使
用せずにUL94による94V−0の難燃性を満足でき
る。また、上記の未反応フェノール類量を低減すること
によって、工程中の加熱により気体が発生して、ふくれ
を生ずる大きな要因である低分子化合物が積層板中に存
在する量を抑制し、耐熱性を向上することができる。ま
たこのことにより、積層板を使用する際に発生する未反
応フェノール類のガス量を抑制でき、該未反応フェノー
ル類に起因する臭気を低減することができる。
【0039】本発明のフェノール樹脂積層板は、難燃
性、耐熱性および作業性が優れていることから、特にプ
リント配線板用として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂井 和永 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館事業所内 (72)発明者 熊倉 俊寿 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館事業所内 Fターム(参考) 4F072 AB31 AD14 AD15 AD17 AG03 AL12 AL13 4F100 AB01B AB17 AB33B AK33A BA02 BA07 DG10A DH01A EJ42A EJ82A GB43 JJ07 YY00A 4J002 CC032 CC071 EW046 FD136 GF00 GQ00 GQ05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乾性油変性レゾール型フェノール樹脂を
    主成分とするフェノール樹脂組成物であって、該フェノ
    ール樹脂の合成中に、リン酸エステルを、樹脂固形分に
    対して20〜60重量%配合し、ノボラック型フェノー
    ル樹脂を、上記レゾール型フェノール樹脂の合成に用い
    るフェノール類に対して5〜30重量%配合して得られ
    ることを特徴とするフェノール樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 未反応フェノール類の含有量が、10重
    量%以下である、請求項1記載のフェノール樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のフェノール樹脂
    組成物を基材に含浸し、乾燥して得られたプリプレグを
    積層し、ついで加熱成形して得られたフェノール樹脂積
    層板。
  4. 【請求項4】 基材が紙である、請求項3記載のフェノ
    ール樹脂積層板。
  5. 【請求項5】 片面または両面に金属箔を有する、請求
    項3または4記載のフェノール樹脂積層板。
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