JP2006199811A - フェノール樹脂積層板 - Google Patents
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Abstract
【課題】 打抜加工性、難燃性を低下させることなく、ガラス転移温度および耐熱性を向上させたフェノール樹脂積層板を提供する。
【解決手段】 乾性油変性率が5〜25重量%である乾性油変性レゾール型フェノール樹脂を含む樹脂組成物を紙基材に含浸、加熱乾燥して得られるプリプレグを所定枚数重ねて加熱加圧してなるフェノール樹脂積層板であって、ガラス転移温度が130℃〜180℃であるフェノール樹脂積層板。
【選択図】 なし
【解決手段】 乾性油変性率が5〜25重量%である乾性油変性レゾール型フェノール樹脂を含む樹脂組成物を紙基材に含浸、加熱乾燥して得られるプリプレグを所定枚数重ねて加熱加圧してなるフェノール樹脂積層板であって、ガラス転移温度が130℃〜180℃であるフェノール樹脂積層板。
【選択図】 なし
Description
本発明は、フェノール樹脂積層板に関する。
プリント配線板は電気・電子機器に使用されており、紙基材フェノール樹脂積層板は、打抜加工性に優れ、且つ安価であるため民生用電子機器のプリント配線板用基板として多く使われている。紙基材フェノール樹脂積層板は、フェノール類とアルデヒド類とをアルカリ触媒下で反応させて得られたフェノール樹脂を溶剤で調整し、紙基材に含浸乾燥して得られるプリプレグを所定枚数重ね合わせ片面または両面に金属箔を構成後加熱加圧して製造される。このようにして得られた積層板の金属箔をエッチングすることにより回路を形成してプリント配線板とする。
フェノール樹脂積層板の難燃性および耐湿性を向上させる方法として、特公昭38−13781号公報には、繊維基材に水溶性メラミン樹脂または水溶性フェノール樹脂を含浸させた後、乾性油変性フェノール樹脂を含浸させる方法が開示されている。また、耐トラッキング性を向上させる方法として、特公昭55−49640号公報に開示されているように、水酸化アルミニウム等の添加等が用いられてきた。さらに、フェノール樹脂積層板の打抜加工性を向上する方法として、特公昭57−19127号公報に開示されているように、リン酸エステル等の外部可塑剤の添加も検討されてきた。しかしながら、これらの方法は、フェノール樹脂積層板に要求される個々の特性値を満たすことができるものの、すべての特性を総合的に満たすまでには至っていない。
また、近年地球環境保全の観点から、はんだの毒性を考慮して鉛を含まないはんだ(鉛フリーはんだ)を使用する動きがある。鉛フリーはんだは、従来の含鉛はんだと比較して高融点であり、部品実装時のリフロー等で使用すると積層板等にふくれが発生してしまうため、積層板等の更なる耐熱性の向上が要求されてきている。
特公昭38−13781号公報
特公昭55−49640号公報
特公昭57−19127号公報
紙基材フェノール樹脂積層板は安価であることから民生用電子機器に多く使用されているが、ガラス基材エポキシ樹脂積層板と比較して耐熱性が低いという欠点がある。紙基材フェノール樹脂積層板は、一般的にガラス転移温度が40〜100℃と低く、これが耐熱性が低い要因の一つである。積層板用レゾール型フェノール樹脂は通常、打抜加工性、難燃性を付与するために乾性油変性を行ったり、難燃剤としてリン酸エステル等を多量に使用しており、これらが樹脂の硬化性を阻害し、ガラス転移温度を低くしていた。逆にレゾール型フェノール樹脂の乾性油変性やリン酸エステル等の使用がなければ、ガラス転移温度は向上するが、打抜加工性、難燃性等が著しく低下してしまう。本発明は、これらの問題を解決するためになされたものである。本発明は、打抜加工性、難燃性を低下させることなく、ガラス転移温度および耐熱性を向上させたフェノール樹脂積層板を提供することを目的とする。
本発明は、次のものに関する。
(1)乾性油変性率が5〜25重量%である乾性油変性レゾール型フェノール樹脂を含む樹脂組成物を紙基材に含浸、加熱乾燥して得られるプリプレグを所定枚数重ねて加熱加圧してなるフェノール樹脂積層板であって、ガラス転移温度が130℃〜180℃であることを特徴とするフェノール樹脂積層板。
(2)乾性油変性率が5〜25重量%である乾性油変性レゾール型フェノール樹脂を含む樹脂組成物が、メラミン変性ノボラック型フェノール樹脂、エポキシ樹脂、リン酸エステルを含む樹脂組成物である項(1)に記載のフェノール樹脂積層板。
(3)乾性油変性率が5〜25重量%である乾性油変性レゾール型フェノール樹脂を含む樹脂組成物が、乾性油変性率が5〜25重量%である乾性油変性レゾール型フェノール樹脂100重量部に対して、メラミン変性フェノール樹脂200〜390重量部、エポキシ樹脂15〜150重量部、リン酸エステル30〜60重量部含む樹脂組成物である項(2)に記載のフェノール樹脂積層板。
(4)乾性油変性率が5〜25重量%である乾性油変性レゾール型フェノール樹脂を含む樹脂組成物が、50〜90℃の範囲で加熱攪拌された樹脂組成物である項(1)〜(3)いずれかに記載のフェノール樹脂積層板。
(1)乾性油変性率が5〜25重量%である乾性油変性レゾール型フェノール樹脂を含む樹脂組成物を紙基材に含浸、加熱乾燥して得られるプリプレグを所定枚数重ねて加熱加圧してなるフェノール樹脂積層板であって、ガラス転移温度が130℃〜180℃であることを特徴とするフェノール樹脂積層板。
(2)乾性油変性率が5〜25重量%である乾性油変性レゾール型フェノール樹脂を含む樹脂組成物が、メラミン変性ノボラック型フェノール樹脂、エポキシ樹脂、リン酸エステルを含む樹脂組成物である項(1)に記載のフェノール樹脂積層板。
(3)乾性油変性率が5〜25重量%である乾性油変性レゾール型フェノール樹脂を含む樹脂組成物が、乾性油変性率が5〜25重量%である乾性油変性レゾール型フェノール樹脂100重量部に対して、メラミン変性フェノール樹脂200〜390重量部、エポキシ樹脂15〜150重量部、リン酸エステル30〜60重量部含む樹脂組成物である項(2)に記載のフェノール樹脂積層板。
(4)乾性油変性率が5〜25重量%である乾性油変性レゾール型フェノール樹脂を含む樹脂組成物が、50〜90℃の範囲で加熱攪拌された樹脂組成物である項(1)〜(3)いずれかに記載のフェノール樹脂積層板。
本発明によれば、打抜加工性、難燃性を低下させることなく、ガラス転移温度および耐熱性を向上させたフェノール樹脂積層板を提供することができる。
本発明のフェノール樹脂積層板は、乾性油変性率が5〜25重量%である乾性油変性レゾール型フェノール樹脂を含む樹脂組成物を紙基材に含浸、加熱乾燥して得られるプリプレグを所定枚数重ねて加熱加圧してなるフェノール樹脂積層板である。本発明で使用する乾性油変性レゾール型フェノール樹脂は、例えばフェノール、クレゾール、ノニルフェノール、イソプロピルフェノール、メタクレゾール、パラクレゾール、オルソクレゾール、ビスフェノールA等のフェノール類と、パラホルムアルデヒド、ホルマリン水溶液等のホルムアルデヒドとをアンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の塩基触媒下で反応させる。その後、一定時間脱水縮合をおこなうことで作製できる。本発明で使用する乾性油については、脱水ヒマシ油、オイチシカ油、桐油、アマニ油等を使用してもよく、そして乾性油変性レゾール型フェノール樹脂の乾性油変性率は5〜25重量%である。変性率が5重量%未満であると打抜加工性が不十分となり、25重量%を超えるとガラス転移温度が低くなり、耐熱性や難燃性が不十分となるおそれがある。そして、本発明のフェノール樹脂積層板は、更にガラス転移温度が130℃〜180℃であることを特徴としている。ガラス転移温度が130℃未満であると耐熱性が劣り、また180℃を超えると打抜加工性や難燃性が低下してしまうおそれがある。
本発明で使用する樹脂組成物は、乾性油変性レゾール型フェノール樹脂以外に、メラミン変性ノボラック型フェノール樹脂、エポキシ樹脂、リン酸エステルを含むことが好ましい。本発明で使用するメラミン変性ノボラック型フェノール樹脂は、窒素含有量が3〜20重量%であることが好ましく、3重量%未満であると難燃性が劣り、20重量%を超えるとガラス転移温度が低くなり、また打抜加工性も劣る。また配合量は、前記乾性油変性レゾール型フェノール樹脂の固形分100重量部に対して、200〜390重量部が好ましい。200重量部未満であると難燃性、耐熱性が劣り、390重量部を超えると、紙基材に樹脂組成物を含浸させた後の乾燥温度を高温にする必要があり、作業性が悪くなる。
本発明で使用するエポキシ樹脂は、エポキシ当量が100〜1000で、重量平均分子量が5000以下で、分子内に2個以上のエポキシ基を有するものが好ましく、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、これらの水素添加物等が挙げられ、何種類かを併用することもできる。
これらのエポキシ樹脂を、乾性油変性フェノールレゾール樹脂100重量部に対して、15〜150重量部配合することが好ましい。エポキシ樹脂とメラミン変性フェノールノボラック樹脂とは容易に反応して強靭な樹脂となるが、150重量部を超えると、樹脂が硬化しすぎて打抜加工性が低下し、難燃性も低下する。15重量部未満であると樹脂の靭性が不十分となり、ガラス転移温度が低く、十分な耐熱性が得られない。更にエポキシ樹脂配合量が、乾性油変性フェノールレゾール樹脂とメラミン変性フェノールノボラック樹脂の合計量に対して、3〜30重量%であることが好ましく、これにより打抜加工性と耐熱性がともに良好となる。
本発明で使用するリン酸エステルとしては、トリブチルホスフェイト、トリフェニルホスフェイト、トリクレジルホスフェイト、クレジルジフェニルホスフェイト、トリイソプロピルフェニルホスフェイト等が挙げられ、これらを単独又は併用して使用することができる。これらのリン酸エステルを、乾性油変性フェノールレゾール樹脂100重量部に対して、30〜60重量部配合することが好ましい。30重量部未満であると、難燃性が不十分となり、60重量部を超えると、樹脂のガラス転移温度が低くなり、耐熱性、打抜加工性が不十分となる。
その他難燃剤として、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等の窒素系難燃剤を使用することができるが、樹脂の架橋反応を阻害するおそれがあるので、乾性油変性フェノールレゾール樹脂100重量部に対して、20重量部以下が好ましい。また、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の無機系難燃剤も使用することができる。
上記で作製した樹脂組成物を、一定温度で加熱攪拌すると、樹脂組成物のワニスや樹脂組成物により作製したプリプレグの保存安定性がより向上する。また、樹脂組成物の架橋反応が促進されるためガラス転移温度がより向上し、より耐熱性が良好になる。加熱攪拌する場合の温度は50〜90℃であることが好ましい。50℃未満であると反応促進効果が低く、90℃を超えると積層板の打抜加工性が著しく劣化する。加熱攪拌する時間は30分以上が好ましく、30分未満であると反応が促進されず、期待する効果を得ることができない。また、50℃で8時間以上又は、60℃で7時間以上又は、70℃で6時間以上又は、80℃で5時間以上又は、90℃で3時間以上加熱攪拌をおこなうと、樹脂が硬化し、打抜加工性が低下する傾向がある。
この樹脂組成物をメタノール、トルエン、アセトン等の溶剤で希釈してワニスとすることが好ましい。また本発明で用いる紙基材は、打抜加工性の点から、クラフト紙、コットンリンター紙、リンターとクラフトパルプの混抄紙、ガラス繊維と紙繊維の混抄紙等が挙げられる。そして、例えば、予め水溶性フェノール樹脂やメラミン樹脂などで下塗り等の前処理をおこなった紙基材に、樹脂組成物のワニスを、含浸、乾燥させて得たプリプレグを所定枚数重ね、その片側及び両面に金属箔を重ね、所定の温度、圧力、時間で加熱、加圧してフェノール樹脂積層板を得ることができる。なお本発明のフェノール樹脂積層板は、フェノール樹脂金属箔張積層板を含むが、金属箔を用いない樹脂板でもよい。金属箔としては、銅箔が好ましい。
このように、乾性油変性レゾール型フェノール樹脂、メラミン変性ノボラック型フェノール樹脂、エポキシ樹脂、リン酸エステルについて、樹脂の架橋反応を阻害しない最適量を配合し、樹脂組成物を一定温度で加熱攪拌することによって、打抜加工性、難燃性を低下させることなしに、ガラス転移温度が高く、耐熱性が良好な積層板を得ることができる。
従来使用されている乾性油変性フェノールレゾール樹脂は、打抜加工性、難燃性を付与するために多量に使用している乾性油、リン酸エステルの影響で、ガラス転移温度が低かった。本発明では、乾性油変性量、リン酸エステル配合量を必要最低限に抑え、メラミン変性ノボラック型フェノール樹脂とエポキシ樹脂を混合することで、樹脂中の架橋密度が高くなり、打抜加工性、難燃性を低下させることなく耐熱性を向上させることができる。また、樹脂混合時に加熱攪拌し反応を促すことで、樹脂の架橋密度が更に高くなり、樹脂中に残存する未反応物も低減されるので、更に耐熱性が良好になる。
以下、本発明の実施例およびその比較例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。これらの例において、部は重量部、配合の%は重量%を表す。
(水溶性フェノール樹脂Aの合成)
フェノール1モルを反応釜に仕込み、ホルムアルデヒド換算で1.2モルのホルマリンを加え、トリメチルアミン0.4モル相当の30重量%トリメチルアミン水溶液を加え、70℃で6時間反応させ、これに、メタノールと水の等重量混合溶剤を加えて固形分20重量%の下塗り用水溶性フェノール樹脂Aを製造した。
(水溶性フェノール樹脂Aの合成)
フェノール1モルを反応釜に仕込み、ホルムアルデヒド換算で1.2モルのホルマリンを加え、トリメチルアミン0.4モル相当の30重量%トリメチルアミン水溶液を加え、70℃で6時間反応させ、これに、メタノールと水の等重量混合溶剤を加えて固形分20重量%の下塗り用水溶性フェノール樹脂Aを製造した。
(実施例1)
桐油160部とメタクレゾール400部を混合し、p−トルエンスルホン酸0.2部を加えて、90℃1時間反応させた、パラホルムアルデヒド200部、28%アンモニア水30部を配合し、75℃2時間反応させ、その後反応釜内部80kPa(600Torr)以下に減圧して2時間、縮合水の除去をおこなった。以下得られた乾性油変性レゾール型フェノール樹脂を樹脂Bと略記する。なお樹脂Bの乾性油(桐油)変性率は、20重量%であった。
桐油160部とメタクレゾール400部を混合し、p−トルエンスルホン酸0.2部を加えて、90℃1時間反応させた、パラホルムアルデヒド200部、28%アンモニア水30部を配合し、75℃2時間反応させ、その後反応釜内部80kPa(600Torr)以下に減圧して2時間、縮合水の除去をおこなった。以下得られた乾性油変性レゾール型フェノール樹脂を樹脂Bと略記する。なお樹脂Bの乾性油(桐油)変性率は、20重量%であった。
100部の樹脂Bに対し、リン酸エステルであるトリフェニルホスフェイトを30部、メラミン変性フェノールノボラック樹脂(商品名フェノライトLA−7052、大日本インキ化学工業株式会社製)を200部、エポキシ樹脂であるビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名YD−128、東都化成株式会社製)を15部配合し、80℃で2時間加熱攪拌をおこなった後、メタノールにて50%に希釈し、樹脂組成物のワニスを得た。以下得られた樹脂組成物のワニスをB1と略記する。
クラフト紙に、水溶性フェノール樹脂Aを、付着量17〜25%になるように含浸し、乾燥させた。その後、前記クラフト紙にワニスB1を、付着量が50〜55%になるように含浸し、乾燥させてプリプレグを得た。このプリプレグ8枚に、接着剤付銅箔を両側に1枚ずつ合計2枚重ね、170℃、10MPaにて60分加温加圧し、板厚1.6mmの両面銅張積層板を作製した。
(実施例2)
100部の樹脂Bに対し、リン酸エステルであるトリフェニルホスフェイトを60部、メラミン変性フェノール樹脂(商品名フェノライトLA−7052大日本インキ化学工業株式会社製)を390部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名YD−128、東都化成株式会社製)を130部配合し、50℃で2時間加熱攪拌をおこなった後、メタノールにて50%に希釈し樹脂組成物のワニスを得た。以下得られた樹脂組成物のワニスをB2と略記する。実施例1と同様に処理をおこなったクラフト紙に、ワニスB2を、付着量が50〜55%になるように含浸し、乾燥させてプリプレグを得た。このプリプレグを用いて、実施例1と同様の条件により、板厚1.6mmの両面銅張積層板を作製した。
100部の樹脂Bに対し、リン酸エステルであるトリフェニルホスフェイトを60部、メラミン変性フェノール樹脂(商品名フェノライトLA−7052大日本インキ化学工業株式会社製)を390部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名YD−128、東都化成株式会社製)を130部配合し、50℃で2時間加熱攪拌をおこなった後、メタノールにて50%に希釈し樹脂組成物のワニスを得た。以下得られた樹脂組成物のワニスをB2と略記する。実施例1と同様に処理をおこなったクラフト紙に、ワニスB2を、付着量が50〜55%になるように含浸し、乾燥させてプリプレグを得た。このプリプレグを用いて、実施例1と同様の条件により、板厚1.6mmの両面銅張積層板を作製した。
(比較例1)
100部の樹脂Bを、メタノールにて50%に希釈し、実施例1と同様に処理をおこなったクラフト紙に、付着量が50〜55%になるように含浸し、乾燥させてプリプレグを得た。このプリプレグを用いて、実施例1と同様の条件により、板厚1.6mmの両面銅張積層板を作製した。
100部の樹脂Bを、メタノールにて50%に希釈し、実施例1と同様に処理をおこなったクラフト紙に、付着量が50〜55%になるように含浸し、乾燥させてプリプレグを得た。このプリプレグを用いて、実施例1と同様の条件により、板厚1.6mmの両面銅張積層板を作製した。
(比較例2)
100部の樹脂Bに対し、リン酸エステルであるトリフェニルホスフェイトを、30部配合し、50℃で2時間加熱攪拌をおこなった後、メタノールにて50%に希釈し樹脂組成物のワニスを得た。以下得られた樹脂組成物のワニスをB3と略記する。実施例1と同様に処理をおこなったクラフト紙に、ワニスB3を、付着量が50〜55%になるように含浸し、乾燥させてプリプレグを得た。このプリプレグを用いて、実施例1と同様の条件により、板厚1.6mmの両面銅張積層板を作製した。
100部の樹脂Bに対し、リン酸エステルであるトリフェニルホスフェイトを、30部配合し、50℃で2時間加熱攪拌をおこなった後、メタノールにて50%に希釈し樹脂組成物のワニスを得た。以下得られた樹脂組成物のワニスをB3と略記する。実施例1と同様に処理をおこなったクラフト紙に、ワニスB3を、付着量が50〜55%になるように含浸し、乾燥させてプリプレグを得た。このプリプレグを用いて、実施例1と同様の条件により、板厚1.6mmの両面銅張積層板を作製した。
(比較例3)
100部の樹脂Bに対し、リン酸エステルであるトリフェニルホスフェイトを、60部配合し、50℃で2時間加熱攪拌をおこなった後、メタノールにて50%に希釈し樹脂組成物のワニスを得た。以下得られた樹脂組成物のワニスをB4と略記する。実施例1と同様に処理をおこなったクラフト紙に、ワニスB4を、付着量が50〜55%になるように含浸し、乾燥させてプリプレグを得た。このプリプレグを用いて、実施例1と同様の条件により、板厚1.6mmの両面銅張積層板を作製した。
100部の樹脂Bに対し、リン酸エステルであるトリフェニルホスフェイトを、60部配合し、50℃で2時間加熱攪拌をおこなった後、メタノールにて50%に希釈し樹脂組成物のワニスを得た。以下得られた樹脂組成物のワニスをB4と略記する。実施例1と同様に処理をおこなったクラフト紙に、ワニスB4を、付着量が50〜55%になるように含浸し、乾燥させてプリプレグを得た。このプリプレグを用いて、実施例1と同様の条件により、板厚1.6mmの両面銅張積層板を作製した。
実施例1、2および比較例1〜3の両面銅箔張積層板について、はんだ耐熱性、打抜加工性、難燃性を評価し、ガラス転移温度を測定した。その結果を表1に示した。
なお、試験方法は以下の通りとした。
(1)はんだ耐熱性:260℃のはんだ槽に、それぞれ銅箔面が接するように試験片を浮かべ、ふくれが発生するまでに要した時間を測定した。
(2)打抜加工性:試験片の表面温度(60℃、90℃)を変えて、ポンチ径1.0〜1.2mm、穴間ピッチ2.54mm、24穴の試験用金型を用いて打抜加工した。打抜加工した試験片の穴周辺の目視観察し、その状態を記号で示した。評価基準として、○:はくり、目白なし、△:はくり、目白若干あり、×:はくり、目白ありとした。
(3)難燃性:UL規格に基づいて評価を行なった。
(4)ガラス転移温度:JIS C 6481のDMA引張り法に準拠して、ガラス転移温度を測定した。
なお、試験方法は以下の通りとした。
(1)はんだ耐熱性:260℃のはんだ槽に、それぞれ銅箔面が接するように試験片を浮かべ、ふくれが発生するまでに要した時間を測定した。
(2)打抜加工性:試験片の表面温度(60℃、90℃)を変えて、ポンチ径1.0〜1.2mm、穴間ピッチ2.54mm、24穴の試験用金型を用いて打抜加工した。打抜加工した試験片の穴周辺の目視観察し、その状態を記号で示した。評価基準として、○:はくり、目白なし、△:はくり、目白若干あり、×:はくり、目白ありとした。
(3)難燃性:UL規格に基づいて評価を行なった。
(4)ガラス転移温度:JIS C 6481のDMA引張り法に準拠して、ガラス転移温度を測定した。
乾性油変性レゾール型フェノール樹脂のみを使用した比較例1は、耐熱性についてはそれほど悪くはないが、打抜加工性、難燃性が著しく悪い。比較例2、3のようにリン酸エステルを配合すると、打抜加工性、難燃性は向上するが、配合量が多い程ガラス転移温度が低下し、耐熱性も著しく低下する。各樹脂、材料の配合量が実施例1〜2の範囲内であるとガラス転移温度が高く(130℃と180℃)、耐熱性が良好で、打抜加工性、難燃性の特性バランスの良好なフェノール樹脂積層板を得ることができる。
Claims (4)
- 乾性油変性率が5〜25重量%である乾性油変性レゾール型フェノール樹脂を含む樹脂組成物を紙基材に含浸、加熱乾燥して得られるプリプレグを所定枚数重ねて加熱加圧してなるフェノール樹脂積層板であって、ガラス転移温度が130℃〜180℃であることを特徴とするフェノール樹脂積層板。
- 乾性油変性率が5〜25重量%である乾性油変性レゾール型フェノール樹脂を含む樹脂組成物が、メラミン変性ノボラック型フェノール樹脂、エポキシ樹脂、リン酸エステルを含む樹脂組成物である請求項1に記載のフェノール樹脂積層板。
- 乾性油変性率が5〜25重量%である乾性油変性レゾール型フェノール樹脂を含む樹脂組成物が、乾性油変性率が5〜25重量%である乾性油変性レゾール型フェノール樹脂100重量部に対して、メラミン変性フェノール樹脂200〜390重量部、エポキシ樹脂15〜150重量部、リン酸エステル30〜60重量部含む樹脂組成物である請求項2に記載のフェノール樹脂積層板。
- 乾性油変性率が5〜25重量%である乾性油変性レゾール型フェノール樹脂を含む樹脂組成物が、50〜90℃の範囲で加熱攪拌された樹脂組成物である請求項1〜3いずれかに記載のフェノール樹脂積層板。
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