JP2002302590A - 積層板用フェノール樹脂組成物およびそれを使用した銅張積層板の製造方法 - Google Patents

積層板用フェノール樹脂組成物およびそれを使用した銅張積層板の製造方法

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JP2002302590A
JP2002302590A JP2001107661A JP2001107661A JP2002302590A JP 2002302590 A JP2002302590 A JP 2002302590A JP 2001107661 A JP2001107661 A JP 2001107661A JP 2001107661 A JP2001107661 A JP 2001107661A JP 2002302590 A JP2002302590 A JP 2002302590A
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reacting
resin composition
laminate
melamine
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JP2001107661A
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English (en)
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Kazunaga Sakai
和永 坂井
Yoshiyuki Narabe
嘉行 奈良部
Shinji Ito
慎二 伊藤
Yoshinori Sato
美紀 佐藤
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Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐トラッキング性、難燃性に優れたフェノー
ル樹脂積層板を得ること、およびこうした性能を備える
繊維基材銅張積層板の製造方法を提供する。 【解決手段】 アルカリ触媒の存在下で、フェノール
類、尿素、メラミンをホルムアルデヒドと反応させて得
られる樹脂組成物であり、かつ前記樹脂組成物中の窒素
含有率が、固形分中、10〜40重量%である積層板用
フェノール樹脂、および繊維基材にこのフェノール樹脂
組成物を含浸乾燥させた後、前記基材に乾性油変性フェ
ノール樹脂をさらに含浸乾燥させたプリプレグを作製
し、前記プリプレグを1枚以上重ね、その片面または両
面に接着剤付き銅箔を重ね、加熱加圧成形する方法であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐トラッキング性
および難燃性に優れる積層板用フェノール樹脂組成物お
よびそれを用いた銅張積層板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子機器の大型化・高電圧化に伴い、電
気火災安全性の点から、耐トラッキング性の良好な積層
板が要求されている。また、電子機器における高密度部
品の実装化に伴い、1.78mmピッチ、1.50mmピッ
チのICコネクタ穴を室温で打抜くことが可能な打抜加
工性に優れた積層板が要求されている。さらに、積層板
には、当然のことながら、難燃性、耐熱性を有すること
が要求されている。
【0003】こうした要求を受けて、プリント配線板も
一層過酷な条件下で使用されるようになり、プリント配
線板に対する耐熱性、耐銀マイグレーション性、耐トラ
ッキング性、打抜加工性のさらなる改善が要求されるよ
うになっている。
【0004】このような用途に使用されるフェノール樹
脂積層板は、フェノール樹脂を含浸した繊維基材を所定
枚数重ね合わせ、加熱加圧して製造されている。繊維基
材には、クラフト紙、リンター紙、ガラス混抄紙などが
使用されている。
【0005】フェノール樹脂積層板の難燃性および耐湿
性を向上させる方法として、特公昭38−13781号
公報には、繊維基材に水溶性メラミン樹脂または水溶性
フェノール樹脂を含浸させた後、乾性油変性フェノール
樹脂を含浸させる方法が開示されている。また、耐トラ
ッキング性を向上させる方法として、特公昭55−49
640号公報に開示されているように、水酸化アルミニ
ウム等の添加等が用いられてきた。
【0006】さらに、フェノール樹脂積層板の打抜加工
性を向上する方法として、特公昭57−19127号公
報に開示されているように、リン酸エステル等の外部可
塑剤の添加も検討されてきた。
【0007】しかしながら、これらの方法は、フェノー
ル樹脂積層板に要求される個々の特性値を満たすことが
できるもものの、すべての特性を総合的に満たすまでに
は至っていない。すなわち、耐トラッキング性や打抜加
工性を改良しようとして、乾性油で変性したフェノール
樹脂の変性率を大きくすると、耐熱性が悪化するという
ように、一つの特性を改善すると他の特性の劣化につな
がるという欠点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、耐熱
性、耐銀マイグレーション性、耐トラッキング性、打抜
加工性等のフェノール樹脂積層板に要求される各種の特
性値をバランス良く満たし得るフェノール樹脂積層板を
得ることを目的とする。また、こうした性能を備えた銅
張積層板の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の積層板用フェノ
ール樹脂組成物は、アルカリ触媒の存在下で、フェノー
ル類と、尿素と、メラミンと、をホルムアルデヒドと反
応させて得られる樹脂組成物であり、かつ前記樹脂組成
物の窒素含有率が、固形分中、10〜40重量%である
樹脂組成物である。
【0010】また本発明の銅張積層板の製造方法は、繊
維基材に積層板用フェノール樹脂組成物を含浸乾燥させ
た後、前記基材に、さらに乾性油変性フェノール樹脂を
含浸乾燥させてプリプレグを作製し、前記プリプレグを
1枚以上重ね、その片面または両面に接着剤付き銅箔を
重ね、加熱加圧成形する方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のフェノール樹脂組成物
は、フェノール類と、尿素と、メラミンとを下記(1)
〜(6)のいずれかの方法でホルムアルデヒドと反応さ
せて得られる樹脂組成物である。
【0012】(1)フェノール類、尿素、メラミンの各
々を、ホルムアルデヒドとアルカリ触媒の存在下で反応
させた反応物を混合して得られる樹脂組成物である。
【0013】(2)フェノール類、尿素、メラミンのい
ずれか2種の混合物とホルムアルデヒドをアルカリ触媒
の存在下で反応させた反応物と、残りの1種をホルムア
ルデヒドとアルカリ触媒の存在下で反応させた反応物
と、を混合して得られる樹脂組成物である。
【0014】たとえば、フェノール類とメラミンの混合
物にホルムアルデヒドをアルカリ触媒の存在下で反応さ
せた反応物に、尿素とホルムアルデヒドをアルカリ触媒
下で反応させた尿素樹脂を混合して得られた混合物であ
る。また、フェノール類と尿素の混合物にホルムアルデ
ヒドをアルカリ触媒の存在下で反応させた反応物に、メ
ラミンとホルムアルデヒドをアルカリ触媒下で反応させ
たメラミン樹脂を混合して得られた混合物である。さら
に、メラミンと尿素の混合物にホルムアルデヒドをアル
カリ触媒の存在下で反応させた反応物に、フェノール類
とホルムアルデヒドをアルカリ触媒下で反応させたメラ
ミン樹脂を混合して得られた混合物である。
【0015】(3)フェノール類、尿素、メラミンの3
種の混合物とホルムアルデヒドをアルカリ触媒の存在下
で反応させて得られる樹脂組成物である。
【0016】(4)フェノール類、尿素、メラミンのい
ずれか2種の混合物とホルムアルデヒドをアルカリ触媒
の存在下で反応させた反応物に、残りの1種とホルムア
ルデヒドを配合し、アルカリ触媒の存在下で反応させて
得られる樹脂組成物である。
【0017】たとえば、フェノール類とメラミンの混合
物にホルムアルデヒドをアルカリ触媒の存在下で反応さ
せた反応物に、さらに尿素とホルムアルデヒドを配合
し、アルカリ触媒下で反応させて得られる反応物であ
る。また、フェノール類と尿素の混合物にホルムアルデ
ヒドをアルカリ触媒の存在下で反応させた反応物に、さ
らにメラミンとホルムアルデヒドを配合し、アルカリ触
媒下で反応させることにより得られる反応物である。さ
らに、メラミンと尿素の混合物にホルムアルデヒドをア
ルカリ触媒の存在下で反応させた反応物に、さらにフェ
ノール類とホルムアルデヒドを配合し、アルカリ触媒下
で反応させることにより得られる反応物である。
【0018】(5)フェノール類、尿素、メラミンのい
ずれか1種とホルムアルデヒドをアルカリ触媒の存在下
で反応させた反応物に、残りの2種とホルムアルデヒド
を配合し、アルカリ触媒の存在下で反応させて得られる
樹脂組成物である。
【0019】たとえば、フェノール類とホルムアルデヒ
ドをアルカリ触媒下で反応させた反応物に、メラミン、
尿素、ホルムアルデヒドを配合し、アルカリ触媒の存在
下で反応させて得られる反応物、または、メラミン、尿
素、ホルムアルデヒドをアルカリ触媒下で反応させた反
応物に、フェノール類とホルムアルデヒドをアルカリ触
媒下で反応させて得られる反応物である。また、メラミ
ンとホルムアルデヒドをアルカリ触媒下で反応させた反
応物に、フェノール類、尿素、ホルムアルデヒドを配合
し、アルカリ触媒の存在下で反応させて得られる反応
物、または、フェノール類、尿素、ホルムアルデヒドを
アルカリ触媒下で反応させた反応物に、メラミンとホル
ムアルデヒドをアルカリ触媒下で反応させて得られる反
応物である。さらに、尿素とホルムアルデヒドをアルカ
リ触媒下で反応させた反応物に、フェノール類、メラミ
ン、ホルムアルデヒドを配合し、アルカリ触媒の存在下
で反応させて得られる反応物、または、フェノール類、
メラミン、ホルムアルデヒドをアルカリ触媒下で反応さ
せた反応物に、尿素とホルムアルデヒドをアルカリ触媒
下で反応させて得られる反応物である。
【0020】(6)フェノール類、尿素、メラミンのい
ずれか1種とホルムアルデヒドをアルカリ触媒の存在下
で反応させた反応物に、残りのいずれか1種とホルムア
ルデヒドを配合しアルカリ触媒の存在下で反応させ、さ
らに残りの1種とホルムアルデヒドを配合しアルカリ触
媒の存在下で反応させて得られる樹脂組成物である。
【0021】たとえば、フェノール類とホルムアルデヒ
ドをアルカリ触媒下で反応させた反応物に、メラミンと
ホルムアルデヒドを配合し、アルカリ触媒の存在下で反
応させた後、さらに尿素とホルムアルデヒドを配合し
て、アルカリ触媒下で反応させて得られる反応物であ
る。あるいは、フェノール類とホルムアルデヒドをアル
カリ触媒下で反応させた反応物に、尿素とホルムアルデ
ヒドを配合し、アルカリ触媒の存在下で反応させた後、
さらにメラミンとホルムアルデヒドを配合して、アルカ
リ触媒下で反応させて得られる反応物である。
【0022】また、メラミンとホルムアルデヒドをアル
カリ触媒下で反応させた反応物に、フェノール類とホル
ムアルデヒドを配合し、アルカリ触媒の存在下で反応さ
せた後、さらに尿素とホルムアルデヒドを配合して、ア
ルカリ触媒下で反応させて得られる反応物である。ある
いは、メラミンとホルムアルデヒドをアルカリ触媒下で
反応させた反応物に、尿素とホルムアルデヒドを配合
し、アルカリ触媒の存在下で反応させた後、さらにフェ
ノール類とホルムアルデヒドを配合して、アルカリ触媒
下で反応させて得られる反応物である。
【0023】さらにまた、尿素とホルムアルデヒドをア
ルカリ触媒下で反応させた反応物に、フェノール類とホ
ルムアルデヒドを配合し、アルカリ触媒の存在下で反応
させた後、さらににメラミンとホルムアルデヒドを配合
して、アルカリ触媒下で反応させて得られる反応物であ
る。あるいは、尿素とホルムアルデヒドをアルカリ触媒
下で反応させた反応物に、メラミンとホルムアルデヒド
を配合し、アルカリ触媒の存在下で反応させた後、さら
にフェノール類とホルムアルデヒドを配合して、アルカ
リ触媒下で反応させて得られる反応物である。
【0024】前記樹脂組成物の窒素含有率は、固形分
中、10〜40重量%である。窒素含有率がこの範囲に
あると、耐湿性および耐熱性が低下することなく、耐ト
ラッキング性および難燃性向上効果が十分に得られる。
また得られた最終反応物は、脱水濃縮しても、特性値は
特に問題がない。
【0025】前記樹脂組成物中の窒素含有率を制御する
には、窒素を含有しないフェノール類と、窒素含有量が
あらかじめ判明している尿素、メラミンと、の配合量を
変えて行なう。
【0026】本発明において必須組成として使用するフ
ェノール類としては、フェノール、o−クレゾール、m
−クレゾール、p−クレゾール、イソプロピルフェノー
ル、p−t−ブチルフェノール、ノニルフェノール、p
−イソプロペニルフェノールオリゴマ、キシレノール、
カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン、ビスフェノー
ルAなどを例示することができる。これらは、単独で用
いることもできるし、また2種類以上を組合せて用いる
こともできる。
【0027】本発明において、尿素、メラミンとホルム
アルデヒドとの初期反応において、反応系のpH調製は
非常に重要であり、その調製をアルカリ触媒で行う。ま
たこの調製により、アルカリ側と酸性側では、反応生成
物が異なる。フェノールとホルムアルデヒドとの反応も
同様であり、酸触媒でノボラック樹脂が、アルカリ触媒
でレゾール樹脂が生成する。このとき使用するアルカリ
触媒としては、アンモニア水、水酸化ナトリウム、炭酸
ナトリウム、またはトリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、ヘキサメチレンテトラジン、ピリジンのような第三
級アミン等のアミン系化合物を用いることができる。
【0028】また本発明の銅張積層板の製造方法に使用
する繊維基材としては、クラフト紙、リンター紙、ガラ
ス混抄紙などの公知の基材を使用することができる。
【0029】また、繊維基材に含浸させる本発明のフェ
ノール樹脂組成物に併用することができる乾性油変性フ
ェノール樹脂には、上記のフェノール類を原料として、
変性するための乾性油として、桐油、アマニ油、脱水ヒ
マシ油等を使用することができる。乾性油変性フェノー
ル樹脂を合成する際にレゾール化するための触媒として
は、アンモニア水およびトリメチルアミン、トリエチル
アミン等のアミン系化合物が好適である。なお、本発明
の積層板用フェノール樹脂組成物を含浸・乾燥させた
後、この基材に、さらに乾性油変性フェノール樹脂を含
浸させる。これにより、上記フェノール樹脂組成物に、
難燃性、耐湿性、打抜き加工性を付与することができ
る。
【0030】接着剤付き銅箔としては、たとえば厚さ3
5μmの銅箔に、公知の接着剤を重ねたものを使用する
ことができる。公知の接着剤としては、たとえば、ポリ
ビニルブチラ−ルとレゾール樹脂との混合物を主成分と
するもの、エポキシ樹脂とポリビニルブチラ−ルとメラ
ミン樹脂とからなるもの、エポキシ樹脂とポリビニルと
フェノキシ樹脂とからなるもの、多官能エポキシ樹脂と
フェノキシ樹脂とアミン系化合物とからなるもの等を例
示することができる。接着剤付き銅箔は、厚さ18〜7
0μmが好ましい。
【0031】銅張積層板を製造する加熱加圧成形条件
は、たとえば、170℃、10MPaである。
【0032】
【実施例】以下に、本発明を実施例を用いて詳細に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。な
お、実施例において、「部」は「重量部」を意味する。
【0033】実施例1 (a)フェノール1モルを反応釜に仕込み、これに37
重量%ホルマリンをホルムアルデヒド換算で1.2モル
相当量加え、次に30重量%トリメチルアミン水溶液を
トリメチルアミン0.4モル相当量加え、70℃で6時
間反応させて、フェノール樹脂を得た。
【0034】(b)メラミン1モルを反応釜に仕込み、
これに37重量%ホルマリンをホルムアルデヒド換算で
3モル相当量加え、次に30重量%トリメチルアミン水
溶液をトリメチルアミン0.1モル相当量加え、90℃
で0.5時間反応させて、固形分中の窒素含有率52重
量%のメラミン樹脂を得た。
【0035】(c)尿素1モルを反応釜に仕込み、これ
に37重量%ホルマリンをホルムアルデヒド換算で2モ
ル相当量加え、次に水酸化ナトリウム0.05モル相当
量加え、80℃で1時間反応させた後、縮合反応を2時
間実施し、固形分中の窒素含有率33重量%の尿素樹脂
を得た。
【0036】(d)上記3種類の樹脂を混合し、固形分
中の窒素含有率が25重量%になるように(a)、
(b)、(c)を1.1:1:1の比率で配合し、これ
に、メタノールとアセトンと水の等重量混合溶剤を加え
て、固形分20重量%の水溶性フェノール樹脂ワニスを
調製した。
【0037】(e)フェノール370部、キシレン樹脂
(三菱瓦斯化学株式会社製、商品名:ニカノールH)3
0部およびパラトルエンスルホン酸0.2部を反応釜に
仕込み、90℃で1時間反応させた後、桐油230部を
投入し、90℃で1時間反応させて、桐油変性率35%
の桐油−フェノール付加物を得た。得られた桐油−フェ
ノール付加反応物100部、パラホルムアルデヒド27
部および25重量%アンモニア水2.5部を反応釜に仕
込み、75℃で2時間反応させた後、減圧下で脱水濃縮
して、桐油変性フェノール樹脂を得た。得られた桐油変
性フェノール樹脂100部に、臭素化エポキシ樹脂(日
立化成工業株式会社製、商品名:NF−55)25部お
よびトリフェニルホスフェート25部を配合し、メタノ
ールで溶解して、樹脂分50重量%の桐油変性フェノー
ル樹脂ワニスとした。
【0038】上記(d)で得た水溶性フェノール樹脂ワ
ニスを、厚さ0.2mm、坪量125g/m2のクラフト紙
に、乾燥後の付着量が12重量%となるように含浸乾燥
した。次に、上記(e)で調製した桐油変性フェノール
樹脂ワニスを、乾燥後の付着樹脂分が50重量%になる
ように含浸乾燥し、所定の性能をもったプリプレグを得
た。このプリプレグ8枚と接着剤付き銅箔を2枚を重ね
合わせ、170℃、10MPaで加熱加圧して、厚さ1.
6mmの両面銅張積層板を得た。なお、接着剤付き銅箔
は、日本電解株式会社製、商品名:HGM‐39、厚さ
35μmの銅箔を使用し、接着剤はポリビニルブチラ−
ルとレゾール樹脂とを主成分としたものである。
【0039】実施例2 (f)実施例1の(a)で得られたフェノール樹脂の全
量とメラミン1モルを反応釜に仕込み、これに37重量
%ホルマリンをホルムアルデヒド換算で3モル相当量加
え、次に30重量%トリメチルアミン水溶液をトリメチ
ルアミン0.1モル相当量加え、90℃で0.5時間反
応させてフェノール樹脂を得た。
【0040】(g)上記(f)で得たフェノール樹脂全
量と実施例1(c)で得た尿素樹脂を混合し、固形分中
の窒素含有率が25重量%になるように(f)と(c)
を1.5:1の比率で配合し、これに、メタノールとア
セトンと水の等重量混合溶剤を加えて、固形分20重量
%の水溶性フェノール樹脂ワニスを調製した。
【0041】上記(g)で得られた水溶性フェノール樹
脂ワニスと(e)で得られた桐油変性フェノール樹脂ワ
ニスを用いて、実施例1と同様に銅張積層板を作製し
た。
【0042】実施例3 (h)実施例1の(a)で得られたフェノール樹脂全量
と尿素1モルを反応釜に仕込み、これに37重量%ホル
マリンをホルムアルデヒド換算で2モル相当量加え、次
に水酸化ナトリウム0.05モル相当量加え、80℃で
1時間反応させた後、縮合反応を2時間実施し、フェノ
ール樹脂を得た。
【0043】(i)上記(h)で得たフェノール樹脂全
量と実施例1(b)で得たメラミン樹脂を混合し、固形
分中の窒素含有率が25重量%になるように(h)と
(b)を1.1:1の比率で配合し、これに、メタノー
ルとアセトンと水の等重量混合溶剤を加えて固形分20
重量%の水溶性フェノール樹脂ワニスを調製した。この
水溶性フェノール樹脂ワニス(i)と桐油変性フェノー
ル樹脂ワニス(e)を用いて、実施例1と同様に銅張積
層板を作製した。
【0044】実施例4 (j)実施例1の3種類の樹脂(a)、(b)、(c)
を混合し、固形分中の窒素含有率が40重量%になるよ
うに、(a)、(b)、(c)を1:5:5の比率で配
合し、これに、メタノールとアセトンと水の等重量混合
溶剤を加えて、固形分20重量%の水溶性フェノール樹
脂ワニスを調製した。この水溶性フェノール樹脂ワニス
(j)と桐油変性フェノール樹脂ワニス(e)を用い
て、実施例1と同様に銅張積層板を得た。
【0045】実施例5 (k)実施例1の3種類の樹脂(a)、(b)、(c)
を混合し、窒素含有率が固形分中、10重量%になるよ
うに(a)、(b)、(c)を2:1:1の比率で配合
し、これに、メタノールとアセトンと水の等重量混合溶
剤を加えて固形分20重量%の水溶性フェノール樹脂ワ
ニスを調製した。この水溶性フェノール樹脂ワニス
(k)と桐油変性フェノール樹脂ワニス(e)を用い
て、実施例1と同様に銅張積層板を作製した。
【0046】比較例1 (l)フェノール1モルを反応釜に仕込み、これに37
重量%ホルマリンをホルムアルデヒド換算で1.2モル
相当量加え、次に30重量%トリメチルアミン水溶液を
トリメチルアミン0.4モル相当量加え、70℃で6時
間反応させ、これに、メタノールと水の等重量混合溶剤
を加えて固形分20重量%の水溶性フェノール樹脂ワニ
スを調製した。固形分中の窒素含有率は0重量%であっ
た。この水溶性フェノール樹脂ワニス(l)と桐油変性
フェノール樹脂ワニス(e)を用いて、実施例1と同様
に銅張積層板を作製した。
【0047】実施例1〜5および比較例1で得られた積
層板の打抜加工性、耐熱性、耐湿性、難燃性試験を行っ
た。その結果を表1に示す。なお、耐トラッキング性
は、IEC法によりCTI値(比較トラッキング指数)
を求め、難燃性は、UL94の垂直法で評価した。絶縁
抵抗は、JISC6481に準拠して行い、C−96/
60/90処理後のJIS法2極間の絶縁抵抗値を測定
し、はんだ耐熱性は、JISC6481に準拠して行
い、260℃に加熱されたはんだ槽に試験片を浮かべ、
膨れを生ずるまでの時間を測定した。
【0048】
【表1】
【0049】表1から明らかなように、本発明のフェノ
ール樹脂組成物を使用して作成した実施例1〜5の銅張
積層板は、窒素を含有しない比較例1の樹脂組成物を用
いた銅張積層板と比べて、同等の絶縁抵抗値とはんだ耐
熱性を有するとともに、極めて優れた耐トラッキング性
と難燃性を有していることがわかる。
【0050】
【発明の効果】本発明の積層板用フェノール樹脂を用い
て、本発明の製造方法に従って製造した紙基材銅張積層
板は、耐トラッキング性、難燃性に優れ、また絶縁抵抗
値、はんだ耐熱性に関しても、良好な性能を有してい
る。したがって本発明は、電子機器の大型化、高電圧
化、高密度部品実装化における積層板の諸要求を十分に
満たすものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 61/24 C08L 61/24 61/28 61/28 61/34 61/34 H05K 1/03 610 H05K 1/03 610K (72)発明者 伊藤 慎二 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館事業所内 (72)発明者 佐藤 美紀 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館事業所内 Fターム(参考) 4F072 AA07 AB31 AD13 AD20 AD21 AE04 AF02 AF28 AG03 AG17 AG19 AH02 AH21 AJ04 AK02 AL12 4F100 AB17B AB17C AK33A AK33K BA03 BA06 BA10B BA10C DG01A DH01A EJ82A GB43 JG04 JJ03 JJ07 JL11B JL11C 4J002 CC03W CC04W CC05W CC06W CC074 CC16X CC18Y CC27Z FD134 FD204 FD340 GF00 GQ01 4J033 CA02 CA12 CA13 CA19 CA28 CA29 CA37 CB12 CC02 CC04 CC07 EA02 EA12 EA45 EA53 EC02 EC03 EC06 FA02 FA05 FA06 FA11 HA12 HA27 HB03

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ触媒の存在下で、フェノール類
    と、尿素と、メラミンとを下記(1)〜(6)のいずれ
    かの方法でホルムアルデヒドと反応させて得られる樹脂
    組成物であり、かつ前記樹脂組成物の窒素含有率が、固
    形分中、10〜40重量%であることを特徴とする積層
    板用フェノール樹脂組成物。 (1)フェノール類、尿素、メラミンの各々をホルムア
    ルデヒドと反応させた反応物を混合して得られる樹脂組
    成物。 (2)上記のいずれか2種の混合物とホルムアルデヒド
    を反応させた反応物と、残りの1種をホルムアルデヒド
    と反応させた反応物と、を混合して得られる樹脂組成
    物。 (3)上記の3種の混合物とホルムアルデヒドを反応さ
    せて得られる樹脂組成物。 (4)上記のいずれか2種の混合物とホルムアルデヒド
    を反応させた反応物に、残りの1種とホルムアルデヒド
    を配合し、反応させて得られる樹脂組成物。 (5)上記のいずれか1種とホルムアルデヒドを反応さ
    せた反応物に、残りの2種とホルムアルデヒドを配合
    し、反応させて得られる樹脂組成物。 (6)上記のいずれか1種とホルムアルデヒドを反応さ
    せた反応物に、残りのいずれか1種とホルムアルデヒド
    を配合し反応させ、さらに残りの1種とホルムアルデヒ
    ドを配合し反応させて得られる樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 繊維基材に、請求項1記載の積層板用フ
    ェノール樹脂組成物を含浸乾燥させた後、前記基材に、
    さらに乾性油変性フェノール樹脂を含浸乾燥させてプリ
    プレグを作製し、前記プリプレグを1枚以上重ね、その
    片面または両面に接着剤付き銅箔を重ね、加熱加圧成形
    する銅張積層板の製造方法。
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