JP2006503504A - 電力線通信のためのデータ結合器の構成 - Google Patents

Abstract

電力線と通信装置との間でデータを結合するためのコンポーネントの構成が提供される。この構成は一次巻線として電力線導体を使用する誘導性結合器と、所望の周波数帯域内の周波数で二次巻線と共振回路を生成するため誘導性結合器の二次巻線を横切って接続されているキャパシタと、通信装置を二次巻線に接続するためのインピーダンス整合変成器とを含んでいる。共振回路は所望の帯域幅に調和した負荷されたＱを有する。別の構成は、電力線と通信装置との間に導電性シリンダと直列であるキャパシタを含んでおり、キャパシタは電力線と通信装置との間で信号を通過させながら電力線電圧を阻止し、導電性シリンダは信号に対して低いインダクタンスとして現れる。

Description

本発明は電力線通信に関し、特に電力線通信のためのデータ結合器の構成に関する。

電力線通信のためのデータ結合器は電力線と、モデムのような通信装置との間でデータ信号を結合する。データ結合器はカットオフ周波数を示す。カットオフ周波数の下では、電力線と通信装置との間の結合の減衰は過剰になる。データ結合器は誘導性結合器と容量性結合器のいずれであってもよい。

電力線用の誘導性結合器は理想的には通信装置のインピーダンスと比較して大きいインピーダンスを有する磁気インダクタンスを有していなければならない。磁気インダクタンスが信号を分路し、信号を誘導負荷するので、低い磁気インダクタンスは望ましくない。

容量性結合器は電力線、特に低電圧線で使用するには有効である。

図１は電力線モデムを二次電力線に結合するために使用されることができる従来技術の容量性結合器の概略図である。公称的にはニュートラルである電力線400は同軸コネクタ420の遮蔽端子に接続されている。公称的には付勢された相線である電力線405はヒューズ415とキャパシタ410を介してコネクタ420の中心導体接触部に接続されている。モデム435はケーブル430とコネクタ425を介してコネクタ420へ接続されている。容量性結合器はしたがってモデム435と電力線400および405との間で高周波数信号を結合する。

キャパシタ410の値は数ナノファラドであり、信号周波数で無視できる程度のリアクタンスを有するのに十分な大きさであり、電力周波数で大きいリアクタンスを有するのには十分小さい。

適切な誘電性を有するセラミックキャパシタはこのような結合器で使用されることができ、ＭＨｚ範囲の信号周波数に対して低いインピーダンスを提供する。しかしながら、このようなキャパシタを電力線に接続する導線は比較的長く、信号周波数のキャパシタのインピーダンスを遥かに超えるインピーダンスを有する可能性がある。

例えば、低電圧のラック構成中のワイヤは典型的に２０センチメートル（ｃｍ）離れて位置され、その長さの１０ ＡＷＧワイヤは０．２１マイクロヘンリー（ｕＨ）のインダクタンスまたは３０メガヘルツ（ＭＨｚ）で約４０オームを有する。容量性結合器は隣接しないワイヤに接続する必要があるならば、インピーダンスは８０または１２０オームまで増加する。典型的な容量性結合器はヒューズが設けられなければならず、ヒューズのインピーダンスが直列に付加されるので、全体的な直列の誘導インピーダンスは典型的なモデムの５０オームインピーダンスに比較して大きくなる可能性がある。

電力線と通信装置間でデータを結合するためのコンポーネントの構成が提供される。その構成は一次巻線として電力線導体を使用する誘導性結合器と、所望の周波数帯域内の周波数で二次巻線と共振回路を生成するために誘導性結合器の二次巻線を横切って接続されたキャパシタと、通信装置を二次巻線に接続するためのインピーダンス整合変成器とを含んでいる。共振回路は所望の帯域幅に調和した負荷されたＱを有する。

別の構成は、電力線と通信装置との間に導電性シリンダと直列であるキャパシタを含んでおり、キャパシタは電力線と通信装置との間で信号を通過させながら電力線電圧を阻止し、導電性シリンダは信号に対して低いインダクタンスとして現れる。

本発明による低周波数誘導性結合器は、重い磁気コアの付加にたよらずに、カットオフ周波数を下方向に、さらに低い周波数まで延長する。誘導性結合器は電力線の付勢された電力線導体の周辺でクランプされる。結合器のコアを通る電力線導体が誘導性結合器の一次巻線として動作すると仮定する。結合器は電力線導体周辺でクランプされ、電力線導体は一次巻線として動作するので、結合器はただ１巻きの一次巻線を有する。電力線導体の物理的寸法は典型的に長い磁気回路パスを有する大きいコアであることを必要とする。コアの飽和を防止するためにエアギャップが必要とされる。これらの両要素は結合器のインダクタンスを減少させる。

回路中のリアクチブな負荷を減少する伝統的な方法は、有害なリアクタンスを反対のリアクタンスに共振させることである。分路インダクタンスを有する誘導性結合器の場合には、分路キャパシタは磁気インダクタンスを中性にするために誘導性結合器の二次コイルを横切って接続されることができる。

拡散スペクトルを使用するようなブロードバンドモデムの場合には、共振は非常に急峻でありがちであり、したがって非常に狭いサブバンドで有効である。ここで説明するように、インピーダンス整合変成器は、結合器回路を横切って反射されるときモデムのインピーダンスを調節するように結合器とモデムとの間に接続されており、それによってモデム周波数帯域の幅に類似であるように帯域幅を増加するように十分に低く負荷されたＱを提供する。

図２はモデム325が誘導性結合器305に接続されているインピーダンス整合回路を示している。電力線300は誘導性結合器305のコアを通過する。巻数比ｎ：１を有する信号変成器315は誘導性結合器305とモデム325との間のインピーダンス整合を改良する。誘導性結合器305と信号変成器315との組合せは非常に広い帯域通過を与えることができるが、その組合せの低周波数応答は誘導性結合器305の磁気インダクタンスと、モデム325から反射されたインピーダンス330により決定される応答に限定される。

キャパシタ310は磁気インダクタンスと共振し、共振周波数周囲の周波数帯域を与え、磁気インダクタンスの負荷効果は減少され、誘導性結合器305を横切る信号減衰は減少される。キャパシタ310の効果は誘導性結合器305のカットオフ周波数を下げ、他の方法で磁気インダクタンスの所定レベルで可能であるより低い周波数で誘導性結合器305が動作することを可能にする。

したがって、誘導性結合器を通信装置へ構成する方法が提供される。この方法は所望の周波数帯域内の周波数で二次巻線と共振回路を生成するために誘導性結合器の二次巻線を横切ってキャパシタを接続し、インピーダンス整合変成器を介して通信装置を二次巻線に接続することを含んでいる。共振回路は所望の帯域幅に調和した負荷されたＱを有する。

図３は容量性結合器500の物理的構造の図である。電力線400および405、キャパシタ410、ヒューズ415、コネクタ420は図１と同一の識別符号を有している。図１のように、モデム435はケーブル430およびコネクタ425を介してコネクタ420へ接続されている。電気的に導電性のシリンダセクション505と510はそれぞれ１乃至３ｃｍの範囲の直径を有し、これはワイヤの直径よりも多数倍大きく、したがって無視できる程度のインダクタンスで電力線400と405への接続を行うことができる。導電性シリンダセクション505と510および絶縁性シリンダセグメント515は機械的に堅牢な本体を形成し、これは共通の軸を有することができる。

電力線400、即ち中性線は通常、むき出しであり、そうでない場合にはその絶縁被覆の数センチメートルが除去される必要がある。容量性結合器500の１端部は電気的に電力線400に接続され、電力線400により物理的に支持されている。スロット560と蝶ナット565を有するバー550はセクション505を電力線400に締付ける機構を提供する。

容量性結合器500の他方の端部はワイヤ520とクランプ525により電力線405に電気的に接続されている。ワイヤ520は導電性シリンダセクション510にはんだ付けされまたは鑞付けされ、バー550、スロット560、蝶ナット565、またはワイヤ400の組合せにより構成される上部支持体が故障しないように電力線405上の容量性結合器500を支持するのに十分な剛性と強度を有する。クランプ525は標準的なものであり、電力技術職員が普通に使用しているものである。

図４は図３で示されている装置の概略図である。ケーブル430、コネクタ425および420、キャパシタ410、ヒューズ415、導体505および510はモデム435と電力線400および405との間に信号路を提供する。比較的大きい直径であるために、シリンダセクション505と510はモデム435とキャパシタ410のインピーダンスに比較して無視できる程度であるインダクタンスを示し、したがって結合損失を減少する。

したがって、電力線と通信装置との間でデータを結合する方法が提供される。その方法は電力線と通信装置との間に導電性シリンダと直列であるキャパシタを設置することを含んでいる。そのキャパシタは電力線と通信装置との間で信号を通過させながら電力線電圧を遮断し、導電性シリンダは信号に対して低いインダクタンスとして現れる。さらにこの方法はキャパシタと直列の高い遮断電流ヒューズを設置することを含むことができる。

ここで説明した教示の種々の別の構成、組合わせ、変更が当業者により行われることが理解されるであろう。本発明は特許請求の範囲内に入る全てのこのような別の構成、変形、変化を含むことを意図している。

従来技術の容量性結合器の概略図。 誘導性結合器のインピーダンス整合回路の概略図。 低インピーダンス導線を使用する容量性結合器を備えている回路を示す図。 図３で示されている回路の概略図。

Claims (6)

1. 電力線通信のためのコンポーネントを構成する方法において、
   一次巻線として電力線導体を使用する誘導性結合器を設置し、
   所望の周波数帯域内の周波数で前記二次巻線と共振回路を生成するために前記誘導性結合器の二次巻線を横切ってキャパシタを接続し、
   インピーダンス整合変成器を介して通信装置を前記二次巻線に接続するステップを含み、
   前記共振回路は前記所望の帯域幅に調和している負荷されたＱを有している方法。
2. 電力線と通信装置間でデータを結合する方法において、
   前記電力線と前記通信装置との間に導電性シリンダと直列であるキャパシタを設置し、
   前記キャパシタは前記電力線と前記通信装置との間で信号を通過させながら電力線電圧を阻止し、
   前記導電性シリンダは前記信号に対して低いインダクタンスを示す方法。
3. さらに、前記キャパシタと直列の高い遮断電流のヒューズを設置するステップを含んでいる請求項２記載の方法。
4. 電力線と通信装置との間でデータを結合するためのコンポーネントを有する装置において、
   一次巻線として電力線導体を使用する誘導性結合器と、
   所望の周波数帯域内の周波数で二次巻線と共振回路を生成するために前記誘導性結合器の二次巻線を横切って接続されたキャパシタと、
   通信装置を二次巻線に接続するためのインピーダンス整合変成器とを含んでおり、
   前記共振回路は前記所望の帯域幅に調和する負荷されたＱを有する装置。
5. 電力線と通信装置との間でデータを結合するためのコンポーネントを有する装置において、
   前記電力線と前記通信装置との間で導電性シリンダと直列であるキャパシタを具備し、
   前記キャパシタは前記電力線と前記通信装置との間で信号を通過させながら電力線電圧を阻止し、
   前記導電性シリンダは前記信号に対して低いインダクタンスを示している装置。
6. さらに、前記キャパシタと直列の高い遮断電流のヒューズを具備している請求項５記載の装置。

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