JP2006351642A - 積層コンデンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】 高周波帯域における減衰特性を向上し得る積層コンデンサを提供する。
【解決手段】 コンデンサ素体1は、誘電体層を介して交互に積層された第1、第2の電極パターン31、32を備えている。第1の電極パターン31は、第1の内部電極41を備えており、第1の内部電極41は、第1、第2の外部電極21、22に接続されている。第2の電極パターン32は、第2の内部電極42と、第3の内部電極43とを備えており、第2の内部電極42は、第3、第4の外部電極23、24に接続されており、第3の内部電極43は、第2の内部電極42と同層に備えられ、第3、第4の外部電極23、24の一方、即ち、第3の外部電極23に接続されている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、積層コンデンサに関する。
ICの電源ラインでノイズフィルタとして用いられる積層コンデンサでは、高周波帯域(例えば100MHz以上)のノイズを除去するため、高周波帯域において優れた減衰特性が求められる。
特許文献1に開示された貫通型積層コンデンサでは、誘電体基体の幅方向でみた両側部に第1、第2の外部電極が備えられ、誘電体基体の長さ方向でみた両端部に第3、第4の外部電極が備えられている。更に、誘電体基体の内部には、第1、第2の電極パターンが誘電体層を介して交互に積層されている。第1の電極パターンは、第1、第2の外部電極の双方に接続される内部電極を備える。第2の電極パターンは、第3、第4の外部電極の双方に接続される内部電極を備える。
特開平1−206615号公報
しかしながら、特許文献1の貫通型積層コンデンサでは、第2の電極パターンに、第3、第4の外部電極の双方に接続される内部電極のみが形成され、他の内部電極は形成されない。このような構造の場合、高周波帯域における減衰特性を向上するのに限界が生じる。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、高周波帯域における減衰特性を向上し得る積層コンデンサを提供することを目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明に係る積層コンデンサは、コンデンサ素体と、コンデンサ素体の外面に設けられた第1乃至第4の外部電極とを含む。
前記コンデンサ素体は、誘電体層を介して交互に積層された第1、第2の電極パターンを備えている。前記第1の電極パターンは、第1の内部電極を備えており、前記第1の内部電極は、前記第1、第2の外部電極の双方に接続されている。
前記第2の電極パターンは、第2の内部電極と、第3の内部電極とを備えており、前記第2の内部電極は、前記第3、第4の外部電極の双方に接続されており、前記第3の内部電極は、前記第2の内部電極と同層に備えられ、前記第3、第4の外部電極の一方に接続されている。
上述した本発明に係る積層コンデンサにおいて、コンデンサ素体は、誘電体層を介して交互に積層された第1、第2の電極パターンを備えている。第1の電極パターンは、第1の内部電極を備えており、第1の内部電極は、第1、第2の外部電極の双方に接続されている。第2の電極パターンは、第2の内部電極を備えており、第2の内部電極は、第3、第4の外部電極の双方に接続されている。従って、第1、第2の内部電極による貫通コンデンサの基本的構造が得られる。
第2の電極パターンには、更に第3の内部電極が備えられている。第3の内部電極は、第2の内部電極と同層に備えられ、第3、第4の外部電極の一方に接続されている。従って、貫通コンデンサに、第1、第3の内部電極による一般コンデンサを付加した構造が得られる。電気回路的にみると、貫通コンデンサと、一般コンデンサとの複合コンデンサが得られることになる。従って、高周波帯域において減衰特性を向上することが可能となり、高周波帯域のノイズを除去することができる。
次に、好ましい実施の態様について述べる。
一つの実施態様では、第2の電極パターンは、更に第4の内部電極を備えており、第4の内部電極は、第2の内部電極と同層に備えられ、第3、第4の外部電極の他方に接続されている。かかる構成によれば、第1、第3の内部電極による一般コンデンサに加えて、第1、第4の内部電極による一般コンデンサが付加されることになる。電気回路的にみると、第3、第4の外部電極の双方に一般コンデンサが備えられることになる。従って、高周波帯域において減衰特性を更に向上することが可能となり、高周波帯域のノイズを更に除去することができる。
好ましくは、第3、第4の内部電極は、電極面積が互いに等しい、
もう一つの実施態様では、第2の電極パターンは、更に第5の内部電極を備えており、第5の内部電極は、第2の内部電極と同層に備えられ、第3の内部電極との関係でみて同一の外部電極に接続されている。かかる構成によれば、第1、第5の内部電極による一般コンデンサが付加されることになり、一般コンデンサの個数が更に増大する。従って、高周波帯域のノイズを更に除去することができる。
好ましくは、第2の電極パターンは、更に第6の内部電極を備えており、第6の内部電極は、第2の内部電極と同層に備えられ、第4の内部電極との関係でみて同一の外部電極に接続されている。かかる構成によれば、第1、第6の内部電極による一般コンデンサが付加されることになる。従って、第3、第4の外部電極にそれぞれ2つの一般コンデンサが備えられることになり、高周波帯域のノイズを更に除去することができる。
更に好ましくは、第3、第4の内部電極は、電極面積が互いに等しく、第5、第6の内部電極は、電極面積が互いに等しい。
また、第3乃至第6の内部電極は、電極面積が互いに等しくてもよい。
更にもう一つの実施態様では、第2の内部電極は、蛇行パターンを含む。かかる構成によれば、蛇行パターンによるインダクタンス成分が付加され、電気回路的にみると、π型のフィルタ回路が得られることになる。従って、高周波帯域のノイズを更に除去することができる。
更にもう一つの実施態様では、第2の内部電極は、蛇行ラインと、第1の領域と、第2の領域とを含んでいる。第1の領域は、一端が第3の外部電極に接続されている。第2の領域は、一端が第4の外部電極に接続され、他端が蛇行ラインを介して第1の領域の他端に接続されている。かかる構成によれば、第1、第2の領域で電極面積を確保しながら狭幅の蛇行ラインを設定し、蛇行ラインによるインダクタンス成分を増大させることができる。
更にもう一つの実施態様では、コンデンサ素体は、第1、第2の電極パターンの積層方向に垂直な長さ方向でみた端面を有している。第2の電極パターンは、第1の接続電極を備えており、第1の接続電極は、コンデンサ素体の端面付近で第2、第3の内部電極の双方に接続され、コンデンサ素体の端面に引き出されている。かかる構成によれば、コンデンサ素体の上記端面に、第2、第3の内部電極に接続されるべき外部電極(第3、第4の外部電極の何れか)を設け、コンデンサ素体の幅方向でみた当該外部電極の電極幅が狭い場合でも、第2、第3の内部電極と、当該外部電極との間で、第1の接続電極による良好な接続性を確保することができる。
以上述べたように、本発明によれば、高周波帯域における減衰特性を向上し得る積層コンデンサを提供することができる。
図1は、本発明に係る積層コンデンサの一実施形態を示す外観斜視図、図2は、図1の2−2線に沿った断面を示す模式図である。まず図1を参照すると、本発明に係る積層コンデンサは、コンデンサ素体1と、第1〜第4の外部電極21〜24とを含む。
コンデンサ素体1は、長さ方向X、幅方向Y及び厚み方向Zで定義される略直方体形状であり、長さ方向Xに相対する端面103、104と、幅方向Yに相対する側面101、102とを有する。
第1〜第4の外部電極21〜24は、コンデンサ素体1の外面に設けられている。詳しくは、第1、第2の外部電極21、22がコンデンサ素体1の側面101、102に設けられており、第3、第4の外部電極23、24がコンデンサ素体1の端面103、104に設けられている。第1、第2の外部電極21、22は対照的な配置であり、第3、第4の外部電極23、24も対照的な配置であるので、手前側に図示された第2、第3の外部電極22、23について代表的に説明する。
まず、第3の外部電極23は、コンデンサ素体1の側面103全体に亙って形成されており、幅方向Yでみた所定の電極幅W2を有する。第4の外部電極24についても同様である。
次に、第2の外部電極22は、コンデンサ素体の側面102において第3、第4の外部電極23、24から間隔を隔てて形成されており、長さ方向Xでみた所定の電極幅W1を有する。第1の外部電極21についても同様である。
本実施形態では、第3、第4の外部電極23、24の電極幅W2が、第1、第2の外部電極21、22の電極幅W1よりも大きく設定されている。
次に図2を参照すると、コンデンサ素体1は、誘電体層を介して交互に積層された第1、第2の電極パターン31、32を備えている。詳しくは、第1、第2の電極パターン31、32は、誘電体層を介してコンデンサ素体1の厚み方向Zに積層され、積層数(第1、第2の電極パターンの合計層数)は、例えば100層以上である。第1、第2の電極パターン31、32は、例えばNiで構成され、誘電体層は例えばチタン酸バリウムを主成分とする誘電体材料で構成される。
図3は、図1及び図2に示した積層コンデンサにおいて第1、第2の電極パターンの構成を示す図である。図示において、コンデンサ素体には、長さ方向Xに相対する二辺113、114と、幅方向Yに相対する二辺111、112とが現れている。
まず、第1の電極パターン31は、第1の内部電極41を備えている。第1の内部電極41は、第1、第2の外部電極21、22に接続されている。詳しくは、第1の内部電極41は、長さ方向X及び幅方向Yで定義される略長方形状であり、幅方向Yの両端に引き出し部を有する。これらの引き出し部は、それぞれ、コンデンサ素体の幅方向Yの辺111、112に引き出され、第1、第2の外部電極21、22に接続されている。第1の内部電極41は、第3、第4の外部電極23、24には接続されていない。
次に、第2の電極パターン32は、第2の内部電極42と、第3の内部電極43と、第4の内部電極44とを備えている。第2の内部電極42は、第3、第4の外部電極23、24に接続されている。詳しくは、第2の内部電極42は、コンデンサ素体の辺112、113が合する隅部から辺111、114が合する隅部まで蛇行して延びている。更に、第2の内部電極42の蛇行パターンの両端が、コンデンサ素体の長さ方向Xの辺113、114に引き出され、第3、第4の外部電極23、24に接続されている。第2の内部電極42は、第1、第2の外部電極21、22には接続されていない。
第3の内部電極43は、第2の内部電極42と同層に備えられ、第3の外部電極23に接続されている。詳しくは、第3の内部電極43は、コンデンサ素体の辺111、113が合する隅部に配置され、蛇行パターンでなる第2の内部電極42から間隔を隔てている。更に、第3の内部電極43の長さ方向Xの一端が、コンデンサ素体の辺113に引き出され、第3の外部電極23に接続されている。第3の内部電極43は、第1、第2、第4の外部電極21、22、24には接続されていない。
第4の内部電極44は、第2の内部電極42と同層に備えられ、第3の外部電極23に接続されている。詳しくは、第4の内部電極44は、コンデンサ素体の辺112、114が合する隅部に配置され、蛇行パターンでなる第2の内部電極42から間隔を隔てている。更に、第4の内部電極44の長さ方向Xの一端が、コンデンサ素体の辺114に引き出され、第4の外部電極24に接続されている。第4の内部電極44は、第1、第2、第3の外部電極21、22、23には接続されていない。
図2及び図3を参照して説明したように、コンデンサ素体1は、誘電体層を介して交互に積層された第1、第2の電極パターン31、32を備えている。第1の電極パターン31は、第1の内部電極41を備えており、第1の内部電極41は、第1、第2の外部電極21、22の双方に接続されている。第2の電極パターン32は、第2の内部電極42を備えており、第2の内部電極42は、第3、第4の外部電極23、24の双方に接続されている。従って、第1、第2の内部電極41、42による貫通コンデンサの基本的構造が得られる。
第2の電極パターン32には、更に第3の内部電極43が備えられている。第3の内部電極43は、第2の内部電極42と同層に備えられ、第3、第4の外部電極23、24の一方、即ち、第3の外部電極23に接続されている。従って、貫通コンデンサに、第1、第3の内部電極41、43による一般コンデンサを付加した構造が得られる。
図4は、図1〜図3に示した積層コンデンサの電気回路図である。第1、第2の内部電極41、42による貫通コンデンサC1は、第3の外部電極23と第4の外部電極24との間に構成される。第1、第3の内部電極41、43による一般コンデンサC2は、貫通コンデンサC1からみて第3の外部電極23の側に構成される。従って、貫通コンデンサC1と、一般コンデンサC2との複合コンデンサが得られ、高周波帯域において減衰特性を向上することが可能となる。よって、高周波帯域のノイズを除去することができる。
図3を参照して説明したように、第2の電極パターン31は、更に第4の内部電極44を備えている。第4の内部電極44は、第2の内部電極42と同層に備えられ、第3、第4の外部電極23、24の他方、即ち、第4の外部電極24に接続されている。かかる構成によれば、第1、第3の内部電極41、43による一般コンデンサに加えて、第1、第4の内部電極41、44による一般コンデンサが付加されることになる。詳しくは、図4に示すように、第4の内部電極41、44による一般コンデンサC3は、貫通コンデンサC1からみて第4の外部電極24の側に構成される。従って、第3、第4の外部電極23、24の両側にそれぞれ一般コンデンサC2、C3が備えられることになり、高周波帯域のノイズを更に除去することができる。
更に図3を参照して説明したように、第2の内部電極42は、蛇行パターンを含む。かかる構成によれば、図4に示すように、蛇行パターンによるインダクタンス成分L1が貫通コンデンサC1に付加され、π型のフィルタ回路が得られることになる。従って、高周波帯域のノイズを更に除去することができる。
更に図3を参照すると、第3、第4の内部電極43、44は、電極面積が互いに等しく設定されている。かかる構成によれば、第1、第3の内部電極41、43による一般コンデンサC2、及び、第1、第4の内部電極41、44による一般コンデンサC3について、静電容量を同一の値に設定することができる(図4参照)。従って、第3、第4の外部電極23、24の方向性に煩わされることなく積層コンデンサを回路基板等に実装することが可能となる。
次に、具体的な実施例及び比較例の実験データを挙げて説明する。
<実施例1>
実施例1の積層コンデンサは、図1〜図3を参照して説明した通りの構成である。詳細な設計値については、次の通り。
外観寸法(長さ方向Xでみた長さ、幅方向Y
でみた幅及び厚み方向Zでみた厚み): 2.0mm×1.0mm×1.25mm
積層数(第1、第2の電極パターンの合計層数):130層
貫通コンデンサC1の静電容量値: 1.5μF
一般コンデンサC2の静電容量値: 1.0μF
一般コンデンサC3の静電容量値: 1.0μF
<比較例1>
比較例1の積層コンデンサは、図5に示した通りの構成である。図示において、図1〜図3に現れた構成部分と同一性ある構成部分には、同一の参照符号を付してある。比較例1の積層コンデンサでは、第2の電極パターン32に、第3、第4の外部電極23、24の双方に接続される内部電極42のみが形成され、他の内部電極は形成されていない。他の点については実施例1の積層コンデンサと同様である。
図6は、実施例1及び比較例1の減衰特性を示すグラフである。図示において横軸は周波数(Hz)を表し、縦軸は減衰量(dB)を表す。曲線U1は実施例1の積層コンデンサの減衰特性を表し、曲線U2は比較例1の積層コンデンサの減衰特性を表す。曲線U1、U2を参照すると、比較例1の積層コンデンサとの対比において、実施例1の積層コンデンサは、例えば100MHz以上の高周波帯域で優れた減衰特性を有することがわかる。
図7は、本発明に係る積層コンデンサの別の実施形態において第1、第2の電極パターンの構成を示す図である。図示において図1〜図3に現れた構成部分と同一性ある構成部分には、同一の参照符号を付し、重複説明をできるだけ省略する。
図1〜図3に示した実施形態との対比において、本実施形態では、第2の内部電極42は、蛇行ライン420と、第1の領域421と、第2の領域422とを含んでいる。第1の領域421は、コンデンサ素体の辺112、113が合する隅部に配置されており、一端が第3の外部電極23に接続されている。
蛇行ライン420は、折り返し部と、折り返し部で接続される複数の直線部分とから構成することができる。図示の蛇行ライン420は、折り返し部を2つ備えた構成となっているが、折り返し部の個数は1以上の任意の数をとり得る。
第2の領域422は、コンデンサ素体の辺111、114が合する隅部に配置されており、一端が第4の外部電極24に接続されている。第2の領域422の他端は、蛇行ライン420を介して第1の領域421の他端に接続されている。
図7を参照して説明したように、第2の内部電極42の第1の領域421は、一端が第3の外部電極23に接続されている。第2の領域422は、一端が第4の外部電極24に接続され、他端が蛇行ライン420を介して第1の領域421の他端に接続されている。かかる構成によれば、第1、第2の領域421、422で電極面積を確保しながら狭幅の蛇行ライン420を設定し、蛇行ライン420によるインダクタンス成分を増大させることができる。
図8は、本発明に係る積層コンデンサの更に別の実施形態において第1、第2の電極パターンの構成を示す図である。図示において図1〜図3に現れた構成部分と同一性ある構成部分には、同一の参照符号を付し、重複説明をできるだけ省略する。
図1〜図3に示した実施形態との対比において、本実施形態では、第2の内部電極42は、コンデンサ素体の辺113から辺114まで、長さ方向Xに沿って直線状に延びている。詳しくは、第2の内部電極42は、長さ方向X及び幅方向Yで定義される長方形状であり、長さ方向Xの両端が、コンデンサ素体の辺113、114に引き出され、第3、第4の外部電極23、24に接続されている。
第3の内部電極43は、第2の内部電極42から幅方向Yの間隔を隔て、コンデンサ素体の辺112側に配置されている。第3の内部電極43の長さ方向Xの一端は、コンデンサ素体の辺113に引き出され、第3の外部電極23に接続されており、他端はコンデンサ素体の辺114から間隔を隔てている。
第4の内部電極44は、第2の内部電極42から幅方向Yの間隔を隔て、コンデンサ素体の辺111側に配置されている。第4の内部電極44の長さ方向Xの一端は、コンデンサ素体の辺114に引き出され、第4の外部電極24に接続されており、他端はコンデンサ素体の辺113から間隔を隔てている。
図9は、本発明に係る積層コンデンサの更に別の実施形態において第1、第2の電極パターンの構成を示す図である。図示において図8に現れた構成部分と同一性ある構成部分には、同一の参照符号を付し、重複説明をできるだけ省略する。
図8に示した実施形態との対比において、本実施形態では、第2の電極パターン32は、更に第5の内部電極45と、第6の内部電極46とを備える。
第5の内部電極45は、第2の内部電極42と同層に備えられ、第3の内部電極43との関係でみて同一の外部電極、即ち、第3の外部電極23に接続されている。詳しくは、第5の内部電極45は、第2の内部電極42から幅方向Yの間隔を隔て、コンデンサ素体の辺112側に配置されている。即ち、第5の内部電極45は、第2の内部電極42を挟んで第3の内部電極43とは反対側に配置されることになる。第5の内部電極45は、第1、第2、第4の外部電極21、22、24には接続されていない。
第6の内部電極46は、第2の内部電極42と同層に備えられ、第4の内部電極44との関係でみて同一の外部電極、即ち、第4の外部電極24に接続されている。詳しくは、第6の内部電極46は、第2の内部電極42から幅方向Yの間隔を隔て、コンデンサ素体の辺111側に配置されている。即ち、第6の内部電極46は、第2の内部電極42を挟んで第4の内部電極44とは反対側に配置されることになる。第6の内部電極46は、第1、第2、第3の外部電極21、22、23には接続されていない。
図9を参照して説明したように、第2の電極パターン32は、更に第5の内部電極45と、第6の内部電極46とを備えている。第5の内部電極45は、第2の内部電極42と同層に備えられ、第3の内部電極43との関係でみて同一の外部電極、即ち、第3の外部電極23に接続されている。第6の内部電極46は、第2の内部電極42と同層に備えられ、第4の内部電極44との関係でみて同一の外部電極、即ち、第4の外部電極24に接続されている。かかる構成によれば、第1、第5の内部電極41、45による一般コンデンサと、第1、第6の内部電極41、46による一般コンデンサとが付加されることになる。
図10は、図9に示した積層コンデンサの電気回路図である。第1、第5の内部電極41、45による一般コンデンサC4は、貫通コンデンサC1からみて第3の外部電極23の側に、即ち、一般コンデンサC2と同じ側に構成される。第1、第6の内部電極41、46による一般コンデンサC5は、貫通コンデンサC1からみて第4の外部電極24の側に、即ち、一般コンデンサC3と同じ側に構成される。従って、第3、第4の外部電極23、24の両側にそれぞれ2つの一般コンデンサが備えられることになり、高周波帯域のノイズを更に除去することができる。
更に図9を参照すると、第3、第4の内部電極43、44は、電極面積が互いに等しく、第5、第6の内部電極45、46は、電極面積が互いに等しい。かかる構成によれば、第3の外部電極23に備えられる2つの一般コンデンサC2、C4の総静電容量と、第4の外部電極24に備えられる2つの一般コンデンサC3、C5の総静電容量とを互いに同一の値に設定することができる(図10参照)。従って、第3、第4の外部電極23、24の方向性に煩わされることなく積層コンデンサを回路基板等に実装することが可能となる。
図示実施形態では、第3の内部電極43(第4の内部電極44)と、第5の内部電極45(第6の内部電極46)とを異なる電極面積とした構成となっているが、第3〜第6の内部電極43〜46の全てを同一の電極面積とした構成もとり得る。
図11は、本発明に係る積層コンデンサの更に別の実施形態において第1、第2の電極パターンの構成を示す図である。図示において図9に現れた構成部分と同一性ある構成部分には、同一の参照符号を付し、重複説明をできるだけ省略する。
図9に示した実施形態との対比において、本実施形態では、第2の内部電極42は、長さ方向X及び幅方向Yで定義される十字形状であり、長さ方向Xの両端が、コンデンサ素体の辺113、114に引き出され、第3、第4の外部電極23、24に接続されている。第2の内部電極42の幅方向Yの両端は、コンデンサ素体の辺111、112から間隔を隔てており、辺111、112に設けられた第1、第2の外部電極21、22には接続されていない。
第3の内部電極43は、コンデンサ素体の辺111、113が合する隅部に配置され、十字形状でなる第2の内部電極42から間隔を隔てている。第4〜第6の内部電極44〜46についても同様であり、第4〜第6の内部電極44〜46は、それぞれ、コンデンサ素体の辺112、114が合する隅部、辺112、113が合する隅部、及び、辺111、114が合する隅部に配置され、十字形状でなる第2の内部電極42から間隔を隔てている。
本実施形態の積層コンデンサは、電気回路図については図9に示した積層コンデンサと同様であり、図10の電気回路図を参照することにする。
再び図11を参照すると、本実施形態の積層コンデンサでは、第3〜第6の内部電極43〜46は、電極面積が互いに等しい。かかる構成によれば、第1、第3の内部電極41、43による一般コンデンサC2、第1、第4の内部電極41、43による一般コンデンサC3、第1、第5の内部電極41、45による一般コンデンサC4、及び、第1、第6の内部電極41、46による一般コンデンサC4について静電容量を互いに同一の値に設定することができる(図10参照)。従って、第3、第4の外部電極23、24の方向性に煩わされることなく積層コンデンサを回路基板等に実装することが可能となる。
図12は、本発明に係る積層コンデンサの更に別の実施形態を示す外観斜視図、図13は、図12に示した積層コンデンサにおいて第1、第2の電極パターンの構成を示す図である。図示において図1〜図3に現れた構成部分と同一性ある構成部分には、同一の参照符号を付し、重複説明をできるだけ省略する。
まず、図12を参照すると、第1、第2の外部電極21、22は、コンデンサ素体1の側面101、102に設けられ、第3、第4の外部電極23、24は、コンデンサ素体1の端面103、104に設けられている。本実施形態では、第1、第2の外部電極21、22の電極幅W1が、比較的大きな値に設定されている。詳しくは、第1、第2の外部電極21、22の電極幅W1が、第3、第4の外部電極23、24の電極幅W2よりも大きい。
更に図13を参照すると、第1の内部電極41は、幅方向Yの両端に引き出し部を有しており、これら2つの引き出し部が、それぞれ、コンデンサ素体の幅方向Yの辺111、112に引き出され、第1、第2の外部電極21、22に接続されている。本実施形態では、第1の内部電極41の上記2つの引き出し部は、長さ方向Xの幅が比較的大きく設定されている。かかる構成によれば、第1の内部電極41のインダクタンス成分が低減されることになる。よって、第1、第2の外部電極21、22でみたESL(等価直列インダクタンス)が小さい積層コンデンサを提供することができる。
第1、第2の外部電極21、22でみたESLを小さくする観点からは、第1、第2の外部電極21、22の電極幅W1を比較的大きな値に設定することが好ましい。
しかし、コンデンサ素体1の外形寸法は限られており、第1、第2の外部電極21、22の電極幅W1を大きな値に設定すると、第3、第4の外部電極23、24の電極幅W2の狭幅化を招くことがある。外部電極が狭幅化すると、内部電極との接続性を損なう恐れがある。例えば、第3の外部電極23が狭幅化すると、第2、第3の内部電極42、43との接続性を損なう恐れがある。
そこで、第3の外部電極23の電極幅W2が狭い場合でも、第2、第3の内部電極42、43と、第3の外部電極23との間で、良好な接続性を確保できるような手段が望まれる。
図13を参照すると、第2の電極パターン32は、第1の接続電極47を備えている。第1の接続電極47は、コンデンサ素体の辺113付近で第2、第3の内部電極42、43に接続され、コンデンサ素体の辺113に引き出されている。言い換えれば、第1の接続電極47は、コンデンサ素体の端面103(図12参照)付近で第2、第3の内部電極42、43に接続され、コンデンサ素体の端面103に引き出されている。かかる構成によれば、コンデンサ素体の端面103に、第2、第3の内部電極42、43に接続されるべき外部電極(即ち、第3の外部電極23)を設け、コンデンサ素体1の幅方向Yでみた当該外部電極23の電極幅W2が狭い場合でも、第2、第3の内部電極42、43と、外部電極23との間で、第1の接続電極47による良好な接続性を確保することができる。
更に、第2の電極パターン32は、第2の接続電極48を備えている。第2の接続電極48は、コンデンサ素体の辺114付近で第2、第4の内部電極42、44に接続され、コンデンサ素体の辺114に引き出されている。第2の接続電極48については、第1の接続電極47と同様であり、重複説明を省略する。
以上説明した接続電極による端部接続構造については、先の実施形態で説明された第1の電極パターン(例えば図3、図7、図8、図9、図11)に採用した構成も在り得る。
また、それぞれの実施形態で説明された第1の電極パターン(例えば図3、図7、図8、図9、図11、図13)については、長さ方向Xまたは幅方向Yに沿った中央軸で反転させた構成も在り得る。
本発明に係る積層コンデンサの一実施形態を示す外観斜視図である。 図1の2−2線に沿った断面を示す模式図である。 図1及び図2に示した積層コンデンサにおいて第1、第2の電極パターンの構成を示す図である。 図1〜図3に示した積層コンデンサの電気回路図である。 比較例1の積層コンデンサにおいて第1、第2の電極パターンの構成を示す図である。 実施例1及び比較例1の減衰特性を示すグラフである。 本発明に係る積層コンデンサの別の実施形態において第1、第2の電極パターンの構成を示す図である。 本発明に係る積層コンデンサの更に別の実施形態において第1、第2の電極パターンの構成を示す図である。 本発明に係る積層コンデンサの更に別の実施形態において第1、第2の電極パターンの構成を示す図である。 図9に示した積層コンデンサの電気回路図である。 本発明に係る積層コンデンサの更に別の実施形態において第1、第2の電極パターンの構成を示す図である。 本発明に係る積層コンデンサの更に別の実施形態を示す外観斜視図である。 図12に示した積層コンデンサにおいて第1、第2の電極パターンの構成を示す図である。
符号の説明
1 コンデンサ素体
21 第1の外部電極
22 第2の外部電極
23 第3の外部電極
24 第4の外部電極
31 第1の電極パターン
32 第2の電極パターン


Claims (10)

  1. コンデンサ素体と、コンデンサ素体の外面に設けられた第1乃至第4の外部電極とを含む積層コンデンサであって、
    前記コンデンサ素体は、誘電体層を介して交互に積層された第1、第2の電極パターンを備えており、
    前記第1の電極パターンは、第1の内部電極を備えており、前記第1の内部電極は、前記第1、第2の外部電極の双方に接続されており、
    前記第2の電極パターンは、第2の内部電極と、第3の内部電極とを備えており、前記第2の内部電極は、前記第3、第4の外部電極の双方に接続されており、前記第3の内部電極は、前記第2の内部電極と同層に備えられ、前記第3、第4の外部電極の一方に接続されている、
    積層コンデンサ。
  2. 請求項1に記載された積層コンデンサであって、
    前記第2の電極パターンは、第4の内部電極を備えており、前記第4の内部電極は、前記第2の内部電極と同層に備えられ、前記第3、第4の外部電極の他方に接続されている、
    積層コンデンサ。
  3. 請求項2に記載された積層コンデンサであって、
    前記第3、第4の内部電極は、電極面積が互いに等しい、
    積層コンデンサ。
  4. 請求項2に記載された積層コンデンサであって、
    前記第2の電極パターンは、第5の内部電極を備えており、前記第5の内部電極は、前記第2の内部電極と同層に備えられ、前記第3の内部電極との関係でみて同一の外部電極に接続されている、
    積層コンデンサ。
  5. 請求項4に記載された積層コンデンサであって、
    前記第2の電極パターンは、第6の内部電極を備えており、前記第6の内部電極は、前記第2の内部電極と同層に備えられ、前記第4の内部電極との関係でみて同一の外部電極に接続されている、
    積層コンデンサ。
  6. 請求項5に記載された積層コンデンサであって、
    前記第3、第4の内部電極は、電極面積が互いに等しい、
    前記第5、第6の内部電極は、電極面積が互いに等しい、
    積層コンデンサ。
  7. 請求項5に記載された積層コンデンサであって、
    前記第3乃至第6の内部電極は、電極面積が互いに等しい、
    積層コンデンサ。
  8. 請求項1乃至7の何れかに記載された積層コンデンサであって、
    前記第2の内部電極は、蛇行パターンを含む、
    積層コンデンサ。
  9. 請求項1乃至7の何れかに記載された積層コンデンサであって、
    前記第2の内部電極は、蛇行ラインと、第1の領域と、第2の領域とを含んでおり、
    前記第1の領域は、一端が前記第3の外部電極に接続されており、
    前記第2の領域は、一端が前記第4の外部電極に接続され、他端が前記蛇行ラインを介して前記第1の領域の他端に接続されている、
    積層コンデンサ。
  10. 請求項1乃至9の何れかに記載された積層コンデンサであって、
    前記コンデンサ素体は、前記第1、第2の電極パターンの積層方向に垂直な長さ方向でみた端面を有しており、
    前記第2の電極パターンは、第1の接続電極を備えており、前記第1の接続電極は、前記コンデンサ素体の前記端面付近で前記第2、第3の内部電極の双方に接続され、前記コンデンサ素体の前記端面に引き出されている、
    積層コンデンサ。


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