JP2006334221A - 使用済食用油脂の再生処理フィルタ及びそれを用いた再生処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】遊離脂肪酸を選択的に吸着するか油脂にほとんど溶けない化合物に変換できる処理剤A(酸化マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化マグネシウム及び水酸化カルシウムなどの塩基性化合物を、酸化ケイ素に担持してなる粉末)と着色物質を選択的に吸着できる処理剤B(酸化ケイ素、活性炭、活性白土の粉末)の混合物を、充填式フィルタまたは抄紙配合ロール状フィルタに加工したものを使用済食用油脂の再生フィルタとし、フライヤー油槽中の使用済油脂を取り出すための吸入チューブと、再生処理フィルタと該再生処理フィルタを収納する容器から構成する再生器と、送液ポンプまたは吸引ポンプと、再生油をフライヤー油槽に戻すための戻しチューブとからなる。
【選択図】 図3
Description
処理剤Bの配合率は0〜50wt%であるが、50wt%を超えると処理剤Aの配合率が50wt%未満となり、脱酸性能が不十分となり好ましくない。
本発明で用いる処理剤Gは、酸化ケイ素(SiO2)と酸化アルミニウム(Al2O3)との合計含有量が乾燥ベースで90wt%以上、Al/Si原子比が0〜0.3である天然粘土、物理化学的処理された天然粘土及び人工合成粘土から選ばれる少なくとも一種類で、平均粒子径が100μm以下である。
取り付けるヒーターの設定温度は50〜220℃であり、好ましくは70〜150℃である。50℃未満であると使用済食用固形油脂の溶解が不十分であり好ましくない。一方220℃を超えると油脂の熱的劣化が進むため好ましくない。
取り付けるヒーターの設定温度は50〜220℃であり、好ましくは70〜150℃である。50℃未満であると使用済食用固形油脂の溶解が不十分であり好ましくない。一方220℃を超えると油脂の熱的劣化が進むため好ましくない。
(1)光透過率
本実施例において、脱色性能を評価するパラメータとして、波長530nmの光透過率を用いた。光透過率の測定は、島津製作所の吸光光度計UV−160を用いて行った。なお、光透過率とは、その波長の光の、油への透過強度を空気への透過強度で割った値の百分率であり、この値が小さい程、有色物質が多く、油の劣化が進んでいることを示す。
(2)酸価
本実施例における酸価測定は、日本工業規格(JIS K−3504)の油脂の酸価試験方法に準じて行った。なお、酸価は油中の遊離脂肪酸を水酸化カリウムを用いて中和滴定した値であり、この値が大きい程、水分による加水分解によって、油中の遊離脂肪酸が増加していることを示している。
炭酸マグネシウム(神島化学工業株式会社製)70gを含む懸濁水溶液1900mlを室温で攪拌しながら、76%のギ酸を懸濁水溶液が透明になるまで滴定し、マグネシウムイオン含有水溶液を得た。次に、二酸化ケイ素(水澤化学工業株式会社製、商品名:ミズカソーブC−6)1000gを前記のマグネシウムイオン含有水溶液に含浸した後、120℃で一晩乾燥し、さらに450℃で6時間焼成することによって、約3wt%のMgOを担持した二酸化ケイ素のケーキを得た。前記のケーキを粉砕し、篩にかけることによって粒径150〜300μmのものを処理剤A−1とした。
実施例1と同様な方法で、約15wt%のMgOを担持した二酸化ケイ素のケーキを得た。該ケーキを粉砕し、篩にかけることによって粒径150〜300μmのものを処理剤A−2とした。
(処理剤B−1の調製)
実施例1と同様な方法で、約27.5wt%のMgOを担持した二酸化ケイ素のケーキを得た。該ケーキを粉砕し、篩にかけることによって粒径150〜300μmのものを処理剤A−3とした。
酸化マグネシウム(神島化学工業株式会社製)150gを含む懸濁水溶液1500mlを室温で攪拌しながら、76%のギ酸を懸濁水溶液が透明になるまで滴定し、マグネシウムイオン含有水溶液を得た。次に、二酸化ケイ素(富士シリシア株式会社製、商品名:サイロピュート303)1000gを前記のマグネシウムイオン含有水溶液に含浸した後、120℃で一晩乾燥し、さらに450℃で6時間焼成することによって、約15wt%のMgOを担持した二酸化ケイ素のケーキを得た。前記のケーキを粉砕し、篩にかけることによって粒径150〜300μmのものを処理剤A−4とした。
実施例1で調製した処理剤A−1を直径21.1cmの円筒状濾紙袋に1.8L充填して充填式フィルタF−1を得た。
実施例2で調製した処理剤A−2を直径21.1cmの円筒状濾紙袋に1.8L充填してフィルタF−1を得た。フィルタF−2を用いた使用済食用油脂の再生処理は、実施例5と同様に行った。終了後にフライヤー油槽内の油を採取し、その光透過率と酸価を測定した。その結果を表1に示す。
実施例3で調製した処理剤A−3を直径21.1cmの円筒状濾紙袋に1.8L充填してフィルタF−3を得た。フィルタF−3を用いた使用済食用油脂の再生処理は、実施例5と同様に行った。終了後にフライヤー油槽内の油を採取し、その光透過率と酸価を測定した。測定結果を表1に示す。
実施例4で調製した処理剤A−4を直径21.1cmの円筒状濾紙袋に1.8L充填してフィルタF−4を得た。フィルタF−4を用いた使用済食用油脂の再生処理は、実施例5と同様に行った。終了後にフライヤー油槽内の油を採取し、その光透過率と酸価を測定した。測定結果を表1に示す。
実施例2で調製した処理剤A−4と市販二酸化ケイ素(水澤化学工業株式会社製、商品名:ミズカソーブC−6)を150〜300μmに造粒したものを体積比3:1で混合したものを直径21.1cmの円筒状濾紙袋に1.8L充填してフィルタF−5を得た。
実施例2で調製した処理剤A−4と市販粒状活性白土(水澤化学工業株式会社製、商品名:ガレオナイト#251)を粉砕し篩をかけることによって得た粒径150〜300μmのものを体積比3:1で混合したものを直径21.1cmの円筒状濾紙袋に1.8L充填してフィルタF−6を得た。
実施例2で調製した処理剤A−4と市販粒状活性炭(日本エンバイロケミカルズ株式会社、商品名:粒状白鷺W2C)を粉砕し篩をかけることによって得た粒径150〜300μmのものを体積比3:1で混合したものを直径21.1cmの円筒状濾紙袋に1.8L充填してフィルタF−7を得た。
実施例1と同様な方法で、約15wt%のMgOを担持した二酸化ケイ素のケーキを得た後、該ケーキを粉砕し、篩にかけることによって得た粒径20μm以下のものを得た。該15wt%MgOを担持した二酸化ケイ素と市販二酸化ケイ素(水澤化学工業株式会社製、商品名:ミズカソーブC−6)を体積比3:1で混合して、処理剤とした。
市販シリカ・マグネシア(水澤化学工業株式会社製、商品名:ミズカライフF−1G)直径21.1cmの円筒状濾紙袋に1.8L充填してフィルタF−8を得た。
フィルタF−8を用いた使用済食用油脂の再生処理は、実施例5と同様に行った。終了後にフライヤー油槽内の油を採取し、その光透過率と酸価を測定した。測定結果を表1に示す。
市販二酸化ケイ素(富士シリシア株式会社製、商品名:サイロピュート303)を150〜300μmに造粒したものを直径21.1cmの円筒状濾紙袋に1.8L充填してフィルタF−9を得た。フィルタF−9を用いた使用済食用油脂の再生処理は、実施例5と同様に行った。終了後にフライヤー油槽内の油を採取し、その光透過率と酸価を測定した。測定結果を表1に示す。
市販粒状活性白土(水澤化学工業株式会社製、商品名:ガレオナイト#251)を粉砕し篩をかけることによって得た粒径150〜300μmのものを直径21.1cmの円筒状濾紙袋に1.8L充填してフィルタF−10を得た。
市販粒状活性炭(日本エンバイロケミカルズ株式会社、商品名:粒状白鷺W2C)を粉砕し篩をかけることによって得た粒径150〜300μmのものを直径21.1cmの円筒状濾紙袋に1.8L充填してフィルタF−11を得た。フィルタF−11を用いた使用済食用油脂の再生処理は、実施例5と同様に行った。終了後にフライヤー油槽内の油を採取し、その光透過率と酸価を測定した。測定結果を表1に示す。
パルプを溶解させて繊維を取り出す装置であるパルパーにパルプ9kgを仕込み、30分間離解した後、市販シリカ・マグネシア(水澤化学工業株式会社製、商品名:ミズカライフF−1G)6kgを混合し、10分間離解後チェスト(貯蔵槽)に送り、水で1.5m3(濃度1.0%)まで希釈し、潤滑紙力増強剤0.7kgを加え、抄紙機を用いロール紙を作成した。出来上がったロール紙をエンボス加工機を用いて、7m/minのスピードで、エンボス深さ0.2mmのエンボス加工を施した後、約10m/minにて直径4.5cm、長さ16cmの紙管に直径21.1cmになるまで仕上げ巻取りを実施し、フィルタR−2を得た。
2 袋
3 ロール状フィルタ
4 フライヤー油槽
5 吸入チューブ
6 送液ポンプ
7,8 フィルタ
9 再生器
10 返送チューブ
11 吸引ポンプ
12 金網フィルタ
13 フィルタ収納容器
14 ヒーター及び保温材
16 光センサー
17 光度計
18 光ファイバー
Claims (12)
- 少なくとも使用済食用油脂中の遊離脂肪酸を選択的に吸着するか油脂にほとんど溶けない化合物に変換できる処理剤A(但し、処理剤Aは、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化マグネシウム及び水酸化カルシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種類の化合物を、100〜800m2/gの比表面積を有する平均粒子径50〜400μmの酸化ケイ素(SiO2)に1〜40wt%担持してなるもの)50〜100wt%と、
少なくとも使用済食用油脂中の着色物質を選択的に吸着できる処理剤B(但し処理剤Bは、100〜800m2/gの比表面積を有する平均粒子径50〜400μmの酸化ケイ素(SiO2))0〜50wt%との混合物を、
濾紙又は濾布製の袋に充填してなる使用済食用油脂の再生処理フィルタ。 - 少なくとも使用済食用油脂中の遊離脂肪酸を選択的に吸着するか油脂にほとんど溶けない化合物に変換できる処理剤A(但し、処理剤Aは、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化マグネシウム及び水酸化カルシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種類の化合物を、100〜800m2/gの比表面積を有する平均粒子径50〜400μmの酸化ケイ素(SiO2)に1〜40wt%担持してなるもの)50〜100wt%と、
少なくとも使用済食用油脂中の着色物質を選択的に吸着できる処理剤C(但し、処理剤Cは酸化ケイ素(SiO2)と酸化アルミニウム(Al2O3)との合計含有量が乾燥ベースで90wt%以上、Al/Si原子比が0〜0.3である天然粘土、物理化学的処理された天然粘土及び人工合成粘土から選ばれる少なくとも一種類で、平均粒子径が50〜400μmであるもの)0〜50wt%との混合物を、
濾紙又は濾布製の袋に充填してなる使用済食用油脂の再生処理フィルタ。 - 少なくとも使用済食用油脂中の遊離脂肪酸を選択的に吸着するか油脂にほとんど溶けない化合物に変換できる処理剤A(但し、処理剤Aは、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化マグネシウム及び水酸化カルシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種類の化合物を、100〜800m2/gの比表面積を有する平均粒子径50〜400μmの酸化ケイ素(SiO2)に1〜40wt%担持してなるもの)50〜100wt%と、
少なくとも使用済食用油脂中の着色物質を選択的に吸着できる処理剤D(但し処理剤Dは、300〜1500m2/gの比表面積を有する平均粒子径50〜400μmの活性炭)0〜50wt%との混合物を、
濾紙又は濾布製の袋に充填してなる使用済食用油脂の再生処理フィルタ。 - 少なくとも使用済食用油脂中の遊離脂肪酸を選択的に吸着するか油脂にほとんど溶けない化合物に変換できる処理剤E(但し、処理剤Eは、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化マグネシウム及び水酸化カルシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種類の化合物を、100〜800m2/gの比表面積を有する平均粒子径100μm以下の酸化ケイ素(SiO2)に1〜40wt%担持してなる処理剤)50〜100wt%と、
少なくとも使用済食用油脂中の着色物質を選択的に吸着できる処理剤F(但し処理剤Fは、100〜800m2/gの比表面積を有する平均粒子径100μm以下の酸化ケイ素(SiO2))0〜50wt%との混合物を、
紙に対して5〜80wt%抄紙配合し、エンボス加工によるエンボス深さが0.01〜2.0mm、又はクレープ加工によるクレープ率が1〜20%になるようにロール状に巻き取り加工してなる使用済食用油脂の再生処理フィルタ。 - 少なくとも使用済食用油脂中の遊離脂肪酸を選択的に吸着するか油脂にほとんど溶けない化合物に変換できる処理剤E(但し、処理剤Eは、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化マグネシウム及び水酸化カルシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種類の化合物を、100〜800m2/gの比表面積を有する平均粒子径100μm以下の酸化ケイ素(SiO2)に1〜40wt%担持してなるもの)50〜100wt%と、
少なくとも使用済食用油脂中の着色物質を選択的に吸着できる処理剤G(但し、処理剤Gは酸化ケイ素(SiO2)と酸化アルミニウム(Al2O3)との合計含有量が乾燥ベースで90wt%以上、Al/Si原子比が0〜0.3である天然粘土、物理化学的処理された天然粘土及び人工合成粘土から選ばれる少なくとも一種類で、平均粒子径が100μm以下であるもの)0〜50wt%との混合物を、
紙に対して5〜80wt%抄紙配合し、エンボス加工によるエンボス深さが0.01〜2.0mm、又はクレープ加工によるクレープ率が1〜20%になるようにロール状に巻き取り加工してなる使用済食用油脂の再生処理フィルタ。 - 少なくとも使用済食用油脂中の遊離脂肪酸を選択的に吸着するか油脂にほとんど溶けない化合物に変換できる処理剤E(但し処理剤Aは、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化マグネシウム及び水酸化カルシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種類の化合物を、100〜800m2/gの比表面積を有する平均粒子径100μm以下の酸化ケイ素(SiO2)に1〜40wt%担持してなるもの)50〜100wt%と、
少なくとも使用済食用油脂中の着色物質を選択的に吸着できる処理剤H(但し処理剤Hは、300〜1500m2/gの比表面積を有する平均粒子径100μm以下の活性炭)0〜50wt%との混合物を、
紙に対して5〜80wt%抄紙配合し、エンボス加工によるエンボス深さが0.01〜2.0mm、又はクレープ加工によるクレープ率が1〜20%になるようにロール状に巻き取り加工してなる使用済食用油脂の再生処理フィルタ。 - フライヤー油槽に挿し込み、フライヤーから使用済食用油脂を取り出すための吸入チューブと、請求項1〜6のいずれか1項に記載の再生処理フィルタと、前記再生処理フィルタを収納する容器を含む再生器と、
前記吸入チューブと再生器の間に介在し、フライヤー中の使用済食用油脂を再生器に送る送液ポンプと、再生器内の再生処理フィルタを通過した油をフライヤーに返送するための戻しチューブを含み、
前記フライヤー油槽中の50〜220℃の使用済食用油脂を、送液ポンプによって、30〜500h-1の空間速度で、5〜60min循環し、再生処理済油脂を得ることを特徴とする使用済食用油脂の再生処理装置。 - フライヤー油槽に挿し込み、フライヤーから使用済食用油脂を取り出すための吸入チューブと、請求項1〜6のいずれか1項に記載の再生処理フィルタと、前記再生処理フィルタを収納する容器を含む再生器と、
前記再生器内の再生処理フィルタを通過した油をフライヤーに返送するための戻しチューブと、前記再生器と戻しチューブの間に介在し、フライヤー中の使用済食用油脂を再生器に通過させるための吸引ポンプを含み、
前記フライヤー油槽中の50〜220℃の使用済食用油脂を、前記吸引ポンプによって、30〜500h-1の空間速度で、5〜60min循環し、再生処理済油脂を得ることを特徴とする使用済食用油脂の再生処理装置。 - 使用済食用油脂吸入口又はフライヤーから使用済食用油脂を取り出すための吸入チューブの流路中に、60〜300メッシュのフィルタを着脱自在に取り付けた請求項7に記載の使用済食用油脂の再生処理装置。
- 使用済食用油脂吸入口又はフライヤーから使用済食用油脂を取り出すための吸入チューブの流路中又は請求項1〜6のいずれか1項に記載の再生処理フィルタを収納する容器を含む再生器の上部入口に、6〜300メッシュのフィルタを着脱自在に取り付けた請求項8に記載の使用済食用油脂の再生処理装置。
- 流路中の冷却固化した油脂を50〜220℃に加熱し溶解可能なようにヒーター及び保温材を取り付けた請求項7又は8に記載の使用済食用油脂の再生処理装置。
- 流路中又はフライヤー油槽中に光透過率又は吸光度を測定する光センサーを設置し、光センサーによって特定波長での油の光透過率又は吸光度をモニタリングし、請求項1〜6のいずれか1項に記載の再生処理フィルタを用いて一定時間、使用済食用油脂を再生処理した後においても、光透過率、又は吸光度が特定の範囲を超えている場合に、フィルタ交換が必要であることを知らせる装置を備えた請求項7又は8に記載の使用済食用油脂の再生処理装置。
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