JP2001000810A - 油こし用濾過器 - Google Patents
油こし用濾過器Info
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Abstract
標となる色度、酸価等に対する改善効果が大きく、一般
家庭において簡便に効率的に劣化した食用油を再生で
き、使用後に使い捨て可能な安価な油こし用濾過器を提
供する。 【解決手段】 各々適度の剛性を有する紙製のシート部
材から作製され、かつ底部1a、2aがシート状の濾過
材(不織布)3で形成された部分を有する内部容器1と
外部容器2とから構成され、少なくとも内部容器の底部
と外部容器の底部との間に閉鎖空間が形成されるように
組み立てられた二重容器構造の上記閉鎖空間内に、油こ
し用吸着剤6として、焼成セピオライト又は焼成セピオ
ライトとそれ以外の他の吸着剤との混合物が収容されて
いる。上下開口がシート状濾過材で閉鎖され、吸着剤が
収容された筒体を、上記内部容器と外部容器の底部間に
位置するように取り付けることもできる。
Description
油を濾過・精製するのに用いる油こし用濾過器に関す
る。
多いが、いつも鮮度の良い食用油で調理しないと美味し
い料理はできない。また、食用油の劣化によって料理の
風味が低下したり、栄養学上の不都合が生じたりしない
ように、食用油を管理しなければいけない。管理方法と
しては、劣化成分を含む食用油全体を廃棄処分してしま
う方法と、劣化成分の除去を行なって鮮度を回復させる
方法とがある。最近の傾向として、廃油量を低減し、廃
油公害等の環境汚染を防止すること、及び再生利用によ
る資源の節約等の観点から、後者の方法が注目されてい
る。劣化した食用油の鮮度を回復させる方法としては、
濾布や濾紙だけを用い、揚げ滓の残留物等の固形物だけ
を除去する方法や、吸着剤と接触させて劣化成分を吸着
分離し、その他の固形物と共に強制濾別する方法等があ
る。
従来、濾紙によって内外二重に形成した中空濾材からな
る容器の中空部内に活性アルミナ等の油こし用吸着剤粉
末を封入したものが知られているが(例えば、特開平1
−99518号)、中空二重容器が全体的に濾紙によっ
て形成されるため、使用後の食用油を濾過する際には、
食用油は側壁部も透過してしまい、中空部の底部のみに
収容される吸着剤粉末に接触する食用油の量がそれだけ
少なくなり、油中の着色原因物質、悪臭原因物質、酸化
物等の除去効率が低いという問題がある。
決すべく、上記特開平1−99518号公報には、中空
二重容器の側壁から底部に至る中空部内に全体的に吸着
剤粉末が行き亘るように、吸着剤粉末に5〜30重量%
の水分を含有させることが提案されている。すなわち、
油こしの際に、中空濾材を通過する加熱された食用油の
熱で吸着剤粉末中に含有される水分が急激に蒸発し、こ
れによって吸着剤粉末がバブリングして中空部内全体に
分散されるようにしたものである。しかしながら、吸着
剤粉末が水分を含有し、また油こしの際に蒸発して泡を
発生するものであるため、油の通過距離が短いことや油
との接触率が悪くなるため吸着剤粉末による油中の着色
原因物質、悪臭原因物質、酸化物等の除去率が低くなる
という問題がある。さらに、適用対象が加熱状態の使用
後の食用油に限定され、また水分の減少により繰り返し
使用できないという問題もある。さらにまた、以下に述
べるような吸着剤自体の問題もある。
油には、揚げ種の影響や、加熱されることにより、酸
化、加水分解、重合等の化学変化が起こり、着色原因物
質や悪臭原因物質、酸化物質、酸性物質等の食品として
好ましからぬ物質が生成する。ところで、一般に使用さ
れるテンプラ油は調合油であり、市販されているテンプ
ラ油は殆ど食用なたね油と食用大豆油の調合油である。
そして、日本農林規格(JAS)の規定によれば、調合
食用油は異臭なく、清澄なもので、水分及び夾雑物0.
3%以下、不けん化物1.5%以下、酸価1.0以下の
条件、調合精製食用油は清澄で香味良好なもので、ロビ
ボンド比色計による方法で測定した色度が黄20以下、
赤4以下、水分及び夾雑物0.2%以下、不けん化物
1.5%以下、酸価0.5以下の条件に適合することが
要求される。従って、使用後の食用油を濾過・精製した
油についても上記条件を満たすことが望まれる。
質、酸化物質、酸性物質等の食品として好ましからぬ物
質を含む、劣化した食用油を濾過・精製して再生する方
法として、前記したような吸着剤そのものを濾過材とし
て用いる方法がある。優れた食用油性能を再生できる吸
着剤として活性アルミナやシリカゲルが知られている
が、これらは高度に化学処理された製品であり、高価で
経済的でないという問題がある。安価な油こし用濾過器
とするために、市販されている濾布や濾紙だけを用いた
場合、揚げ滓等の固形物を除去するだけで、着色原因物
質、悪臭原因物質、酸化物等を吸着除去できないため、
鮮度は良くならない。
に優れ、劣化した食用油の指標となる色度、酸価等に対
する改善効果が大きく、安全性、経済性にも優れている
油こし用濾過器を提供することにある。さらに本発明の
目的は、一般家庭において簡便に効率的に劣化した食用
油を再生でき、しかも一回又は複数回使用後に使い捨て
可能な安価な油こし用濾過器を提供することにある。
に、本発明の基本的な側面によれば、各々適度の剛性を
有するシート部材から作製され、かつ底部がシート状の
濾過材で形成された部分を有する内部容器と外部容器と
から構成され、少なくとも内部容器の底部と外部容器の
底部との間に閉鎖空間が形成されるように組み立てられ
た二重容器構造の上記閉鎖空間内に、油こし用吸着剤と
して、焼成処理して有機物等の不純物を除去した焼成セ
ピオライト(以下、単にセピオライトという)又はセピ
オライトとそれ以外の他の吸着剤との混合物が収容され
ていることを特徴とする油こし用濾過器が提供される。
上記吸着剤は粉末状又は顆粒状のいずれでもよい。
の各底部に存在すればよく、特定の態様に限定されるも
のではないが、好適な第1の態様によれば、上記内部容
器及び/又は外部容器の底部が開口部を有し、該開口部
を覆うように前記シート状濾過材が溶着され、一方、第
2の態様によれば、上記内部容器及び/又は外部容器の
底部が前記シート状濾過材から全体的に形成される。
(配置態様及び接合態様)についても種々の形態を採用
できる。一般的な第1の取付形態ではそれぞれの開口が
上方を向くように外部容器内に内部容器が配設され、好
適には、有底筒状の外部容器内に断面略台形状の有底筒
状の内部容器が収容された二重容器構造を有し、またそ
れらの接合態様については、第1の態様では内部容器と
外部容器の各々の上端縁部同士を溶着して接合させ、第
2の態様では内部容器と外部容器の各々の上端縁部が共
に外側にフランジ部を有し、該フランジ部を加締めて結
合させるか又は溶着もしくは接着させ、さらに第3の態
様では内部容器の上端縁部を外部容器の側壁内面の所定
位置に溶着又は接着して接合させる。また、第2の取付
形態においては、有底筒状の外部容器内に断面略台形状
の有底筒状の内部容器がその底部が上方を向くように逆
さに収容された二重容器構造を有し、内部容器の端縁部
を外部容器の側壁下端部又はその近傍の内面に溶着又は
接着して接合させてなる。
器及び外部容器の各々の底部が開口部を有しており、上
下開口をシート状濾過材で閉鎖した筒状シート部材から
作製され、かつその内部に油こし用吸着剤が収容された
筒体を、上記内部容器と外部容器の各底部の開口部端縁
に接するように配置し、かつ上記筒体の上部を内部容器
の底部に接合してなる。上記筒体の底面は、外部容器の
底面と実質的に同一面であってもよく、あるいは下方に
突出していてもよい。また、上記筒体の上部が内部容器
の底部に接着され、かつ下部が外部容器の底部に接着さ
れていてもよい。
度の剛性を有するシート部材から作製されてなる内部容
器と外部容器とから構成され、内部容器は上下開口部が
シート状濾過材で閉鎖され、かつ上縁部にフランジ部が
設けられた筒状に形成されていると共に、その内部に油
こし用吸着剤としてセピオライト又はセピオライトとそ
れ以外の他の吸着剤との混合物が収容されてなり、一
方、外部容器は有底筒状で、その底部に上記内部容器を
フランジ部と係合した状態で垂下収容するための開口部
が形成されていることを特徴とする油こし用濾過器が提
供される。
前記外部容器は内側となる面に熱可塑性樹脂層を設けた
シート部材からなり、内部容器は内外両面に熱可塑性樹
脂層を設けたシート部材からなる。なお、内外容器のい
ずれかに、好ましくは少なくとも油と接触する面に耐油
コート層を設けることもできる。また、前記筒体の筒状
シート部材は、アルミ箔のようなものでも可能である
が、少なくとも構成容器との接合部分に熱可塑性樹脂層
が形成された紙製であることが好ましい。さらに、前記
シート状濾過材は不織布であることが好ましい。
し用吸着剤としてセピオライト又はセピオライトとそれ
以外の他の吸着剤との混合物を用いると共に、油こしの
際に劣化した食用油を全体的に上記吸着剤と接触させ、
効果的に濾過・精製できるような構造、例えば内外二層
の二重構造容器の各底部のみにシート状濾過材を配し、
これらの底部間に上記吸着剤を収容する構成としたこと
を特徴としている。このような構成としたことにより、
適当な油用ポット上に上記油こし用濾過器を載置して使
用後の食用油を入れると、食用油は内部容器の底部シー
ト状濾過材を透過する際に揚げ滓等の固形物がこし取ら
れ、その下に収容された吸着剤と充分に接触する。この
とき、吸着剤としては濾過・精製能力に優れたセピオラ
イト又はセピオライトとそれ以外の他の吸着剤との混合
物が用いられているため、着色原因物質、悪臭原因物
質、酸化物質、酸性物質等が効率的に吸着・除去され、
さらに外部容器の底部シート状濾過部材を透過して濾過
・精製された食用油が回収される。このようにして、劣
化した食用油の色度、酸価等が著しく改善された食用油
を効率的にかつ簡便に再生できる。
含水イノケイ酸塩鉱物であり、Mg 8H2(Si4O11)3
・3H2Oの組成を有する(化学大辞典、第369頁参
照、尚、ナギィ及びブラッドリー(Nagy&Brad
ley)らによればMg8Si12O30(OH)4(O
H2)4・8H2Oの組成であるとされている)。その分
析値は、産地によって石灰岩、石英、スメクタイト、苦
灰岩、タルク等の種々の不純物を含むのでバラツキがあ
り、SiO2約35〜62%、MgO約15〜30%、
その他CaO、Al2O3、Fe2O3、Na2O、K2O等
であるが、セピオライト自体は微細繊維状で、繊維状物
が互い違いに積み重ねられてそれらの間に微小のトンネ
ルを有するような結晶構造を有する。本発明において用
いるセピオライトは、一般品のセピオライトを焼成処理
した特殊セピオライトである。天然鉱物であるセピオラ
イトは、有機物が含まれているため、濾過材として使用
する場合、衛生上好ましくない。有機物を除去するため
には焼成処理が必要である。そこで、本発明では、濾過
性能に悪影響を及ぼさない焼成温度(約320℃〜約8
30℃)で処理した特殊セピオライトを用いた。
物質、悪臭原因物質、酸性物質等)の吸着・除去能力が
高く、脱色性能、脱酸性能に優れている。従って、この
セピオライト粉末を吸着剤として用いることにより、常
に鮮度の良い食用油を再生でき、料理の風味を低下させ
ないという効果が得られる。さらに、セピオライトと細
孔径や比表面積の分布がずれている他の吸着剤を混合し
て用いることにより、油中の種々の劣化成分を効果的に
吸着・除去できる。他の吸着剤としては、活性炭、シリ
カゲル、活性白土、活性アルミナ、珪藻土、ゼオライト
などを用いることができる。また、使用後の食用油(約
1リットル当り)の油中の劣化成分の効果的な吸着・除
去を行なうためには、上記のような吸着剤の量は20〜
600g、より好ましくは100〜300g、さらに好
ましくは130〜200g、吸着剤の高さは10mm以
上であることが好ましい。
ら使用済み食用油を注入するだけで処理できるため、処
理方法が大変簡便である。また、紙製のシート部材から
作製されているため、安価であり、それにも拘らず複数
回(3〜5回程度)使用でき、また使用後にはそのまま
可燃性ゴミとして廃棄できる。本発明の油こし用濾過器
を用いて、使用済みの着色し汚れた食用油を濾過処理す
ることで、使用前と同様な透明な食用油に再生されるの
で、消費者が目で確認できるため、満足した使用感が得
られ、一般家庭における簡易油こし器として最適であ
る。
明しつつ、本発明についてさらに具体的に説明する。図
1は、本発明の油こし用濾過器の一実施例を示し、断面
略台形状の内部容器1と該内部容器1が収容・配設され
ている外部容器2とからなる二重容器構造を有し、各々
底部1a、2aに開口部1b、2bを有し、該開口部1
b、2bを覆うようにシート状濾過材としての不織布3
がそれぞれ溶着されている。内外容器1、2は各々、側
壁1c、2cのシート部材と底部1a、2aのシート部
材を溶着して固定し、安定して設置が可能なように脚部
9を有している。内部容器1自体は紙4の両面にポリプ
ロピレン等の熱可塑性樹脂層5がラミネートされたシー
ト部材から作製され、また外部容器2自体は紙4の内面
に熱可塑性樹脂層5がラミネートされたシート部材から
作製されている。内部容器1の上端縁部は外部容器2の
上端縁部に溶着され、内外容器間に閉鎖空間が形成され
るが、内部容器1と外部容器2の底部1a、2a間には
前記したような吸着剤6が収容されている。
略台形状とすることにより、被処理食用油は内部容器1
の底部開口部1bに配設された不織布3を通過して吸着
剤6と接触し、また吸着剤内を横方向に浸透・拡散して
いき、被処理食用油が外部容器2の側壁2cを伝って直
ちに流下することがないので、吸着剤粒子と効果的に接
触し、劣化成分を効率的に吸着・除去することができ
る。吸着剤6は内部容器1の底部1aに接触するように
満杯に充填することが望ましく、この場合、内部容器1
の底部1aの高さの設定により吸着剤6の高さを調整す
ることができる。容器形状は円筒状の他、四角筒状等の
多角筒状など、任意に形成できる。多角筒状の場合、折
り込みによって組み立てることができる。
内部容器1と外部容器2の各々の底部1a、2a全体が
不織布3で構成されている点で異なるが、他の構成は図
1に示す実施例と同様である。図3及び図4は、それぞ
れ図1及び図2に示す実施例の接合方法の変形例を示
し、内部容器1と外部容器2の各々の上端縁部を共に外
側に加締めて、容器口部にフランジ部7が形成されるよ
うに結合されている。また、内部容器1と外部容器2の
フランジ部7を溶着させてもよい。この結合部の点で異
なるが、他の構成はそれぞれ図1及び図2に示す実施例
と同様である。
容器1の高さ及び上端縁部の接合位置の変形例を示し、
内部容器1の上端縁部が外部容器2の側壁2cの略中間
部内面に溶着されている点で異なるが、他の構成はそれ
ぞれ図1及び図2に示す実施例と同様である。図7及び
図8に示す実施例は、内部容器1の取付形態の変形例を
示し、図7の場合には底部開口部1bが不織布3で覆わ
れた内部容器1、図8の場合には底部1a全体が不織布
3で形成された内部容器1が、それぞれそれらの底部1
aが上を向くように逆さにして外部容器2内に収容さ
れ、それらの端縁部が外部容器2の側壁2cの下端部に
溶着されている点で異なるが、他の構成はそれぞれ図5
及び図6に示す実施例と同様である。なお、吸着剤の量
を多くしたい場合には、内部容器1の高さを上げたり、
あるいはその端縁部の外部容器2の側壁2cへの接合位
置を上げることができる。
施例を示している。本実施例の場合、それぞれ略逆円錐
筒状の内部容器1と外部容器2は各々上端縁部にフラン
ジ部7を有し、かつ底部1a、2aに開口部1b、2b
を有しており、フランジ部7の接着加工により接合され
ている。一方、吸着剤6は、上下開口が不織布3で閉鎖
された筒状シート部材からなる筒体8内に充填されてお
り、該筒体8の上部は内部容器1の底部1aに接着加工
されている。なお、筒体8の下端部は外部容器2の開口
部2bと接しているだけであり、かつ下方に若干突出し
ている。また、外部容器2の下端外周縁部には、安定し
た設置が可能なように脚部9が下方に突設されている。
を示し、筒体8の底面が外部容器2の底面と同一面とな
るように形成され、また筒体の上下部がそれぞれ内部容
器1及び外部容器2の各底部1a、2aに接着加工され
ている点で異なるが、他の構成は図9に示す実施例と同
様である。なお、図9及び図10に示す各実施例におい
て、筒体8の側壁は、外部容器2の場合と同様に内面に
熱可塑性樹脂層5がラミネートされた紙4からなるシー
ト部材で作製されている。
例を示し、それぞれ略逆円錐筒状の内部容器1と外部容
器2はそれぞれの側壁1c、2c同士が接着加工により
接合されており、一方、吸着剤6が充填され、上下開口
が不織布3で閉鎖された筒状シート部材からなる筒体8
の上部フランジ部は内部容器1の底部開口部1bの縁部
に接着加工され、筒体8の下端部は外部容器2の底部開
口部2bと接している点で異なるが、他の構成は図10
に示す実施例と同様である。前記図9乃至図11に示す
実施例は、繰り返し使用するタイプとして適している。
過器のさらに別の実施例を示し、有底筒状の外部容器2
の底部2aには開口部2bが形成されている。一方、内
部容器1は、上縁部に外側に拡張するようにフランジ部
7が設けられた筒状に形成され、このフランジ部7には
上部開口部を覆うように不織布3が溶着されている。ま
た、内部容器1の底部1aには開口部1bが形成され、
該開口部1bを覆うように不織布3が溶着されている。
このように上下開口部がシート状濾過材としての不織布
3で閉鎖された内部容器1内には、前記したような吸着
剤6が収容され、内部容器1の上記フランジ部7が外部
容器2の底部開口部2bの縁部と係合した状態で垂下収
容される。このように内部容器1の上部(フランジ部
7)が外部容器2の底部2aと係合する点を除き、内外
容器の材料等の他の構成は前記した実施例と同様であ
る。このような構造によっても、劣化した食用油は全体
的に内部容器1内の吸着剤6と接触し、効果的に濾過・
精製できる。
2の底部2aは、予め溶着して組み立てておいてもよ
く、あるいは別体としておき、使用時に接着又は溶着し
て組み立てるようにしてもよい。後者の場合、吸着剤入
りの内部容器を取替え用製品として販売する商品形態も
可能となる。油こしに際しては、図12に示すように、
油こし用濾過器を外部容器2の脚部9よりも小さな口部
外径を有する適当な濾液受け容器20の上に載置し、使
用後の劣化した食用油Aを外部容器2内に入れ、濾過・
精製を行なう。濾過・精製後には、図13に示すよう
に、内部容器1を収容できるような適当な大きさの受け
皿21に載置し、また外部容器2の上部開口部に蓋体2
2を被冠し、保管して次の油こしに備えることができ
る。蓋体22としては、外部容器2の上部開口部を覆う
ことができるものであればよい。また、油を濾過する際
に油こし紙をその都度交換できるような設定にすれば、
濾過器を繰り返し使用するとき、次回に揚げかす等の残
渣を残さず、より好ましい。
過器の効果について説明する。 試験例1 図14に示すような、底部の開口部10aを覆うように
濾紙11が接着された容積500ミリリットルの紙コッ
プ10に、吸着剤6としてミルコンG−4(昭和鉱業
(株)製、鉱物名セピオライトという天然の繊維状粘度
鉱物を特殊加工した工業用無機原料であり、食品添加物
適合品)100gを入れ、その上に濾紙付きの紙製蓋1
2を設置し、紙コップ側壁に固着した。このようにして
作製した油こし用濾過器に、110〜120℃に加温し
た使用済み食用油300ミリリットルを流し、濾過油の
酸価、色調、臭いについて調査した。また、比較のため
に、市販の活性炭入り油こし器についても同様に試験し
た。
(酸価0.09の通常の油臭の黄色透明な油)を用いて
テンプラを揚げた後の廃油(酸価0.32で、魚臭が強
く悪臭の褐色、不透明な懸濁油であり、揚げ滓を含有す
るもの)である。また、酸価の測定はJIS K 35
04−1962(油脂の酸価試験方法)に従って行な
い、色調は目視、臭いは官能で行なった。得られた結果
を表1に示す。
着色し、酸化物質を含み、酸性臭が強く、悪臭を有して
いたが、本発明に従って濾過することにより、悪臭もな
くなり、僅かに黄色を帯びた透明の油となった(使用前
の新しい食用油と同様の外観になった)。また酸価も大
幅に改善された。
能、脱酸性能(酸価低減性能)の測定と、物性値として
比表面積、細孔容積、細孔径の測定を行なった。吸着剤
としてはセピオライト、活性炭、乾燥用シリカゲル、活
性白土、ゼオライト、活性アルミナ及びシリカゲルを使
用した。各種吸着剤は、粒度が一定の範囲になるよう
に、粉砕、篩い分け、造粒して試料とした。 試験方法 直径40mmのアクリルパイプに吸着剤を高さ200m
mとなるように充填し、これに使用済み食用油(酸価=
1.85、色度:R=17、Y=67)を250ミリリ
ットル注入して自然濾過させ、濾過後の油を採取した。
油の色度の測定は、ビボンドチントメーター(25mm
セル)を使用して行なった。酸価の測定は、中和滴定法
によった。比表面積、細孔容積、細孔径の測定は、
(株)島津製作所製ガス吸着式細孔分布測定装置ASA
P−2000により求めた。得られた結果を表2に示
す。
脱酸率を示している。活性アルミナやシリカゲルなども
優れた脱色率、脱酸率を示すが、高価格であるため、製
造コストをそれ程押し上げない程度にセピオライトと混
合して使用することが望ましい。なお、従来用いられて
いる活性炭は、脱色の点では殆ど効果がないことがわか
る。
は、油こし用吸着剤として劣化成分の吸着性能に優れる
セピオライト又はセピオライトとそれ以外の他の吸着剤
との混合物を用いると共に、油こしの際に劣化した食用
油を全体的に上記吸着剤と接触させ、効果的に濾過・精
製できるような構造、例えば内外二層の二重構造容器の
各底部のみにシート状濾過材を配し、これらの底部間に
上記吸着剤を収容する構成としているため、濾過・精製
能力に優れ、劣化した食用油の指標となる色度、酸価等
に対する改善効果が大きく、安全性、経済性にも優れて
いる。また、使用済み食用油を注入するだけで処理でき
るため、一般家庭において簡便に効率的に劣化した食用
油を再生でき、しかも紙製シート部材から作製されてい
るため、一回又は複数回使用後に使い捨て可能な安価な
油こし用濾過器が提供される。
断面図である。
略断面図である。
の変形例を示す概略断面図である。
の変形例を示す概略断面図である。
を示す概略断面図である。
を示す概略断面図である。
様の変形例を示す概略断面図である。
様の変形例を示す概略断面図である。
略断面図である。
略断面図である。
概略部分断面図である。
の使用時の状態を示す概略断面図である。
を示す概略断面図である。
図である。
能、脱酸性能(酸価低減性能)の測定と、物性値として
比表面積、細孔容積、細孔径の測定を行なった。吸着剤
としてはセピオライト、活性炭、乾燥用シリカゲル、活
性白土、ゼオライト、活性アルミナ及びシリカゲルを使
用した。各種吸着剤は、粒度が一定の範囲になるよう
に、粉砕、篩い分け、造粒して試料とした。 試験方法 直径40mmのアクリルパイプに吸着剤を高さ200m
mとなるように充填し、これに使用済み食用油(酸価=
1.85、色度:R=17、Y=67)を250ミリリ
ットル注入して自然濾過させ、濾過後の油を採取した。
油の色度の測定は、ビボンドチントメーター(25mm
セル)を使用して行なった。酸価の測定は、中和滴定法
によった。比表面積、細孔容積、細孔径の測定は、
(株)島津製作所製ガス吸着式細孔分布測定装置ASA
P−2000により求めた。得られた結果を表2に示
す。
脱酸率を示している。活性アルミナやシリカゲルなども
優れた脱色率、脱酸率を示すが、高価格であるため、製
造コストをそれ程押し上げない程度にセピオライトと混
合して使用することが望ましい。なお、従来用いられて
いる活性炭は、脱色の点では殆ど効果がないことがわか
る。
Claims (18)
- 【請求項1】 各々適度の剛性を有するシート部材から
作製され、かつ底部がシート状の濾過材で形成された部
分を有する内部容器と外部容器とから構成され、少なく
とも内部容器の底部と外部容器の底部との間に閉鎖空間
が形成されるように組み立てられた二重容器構造の上記
閉鎖空間内に、油こし用吸着剤として、焼成セピオライ
ト又は焼成セピオライトとそれ以外の他の吸着剤との混
合物が収容されていることを特徴とする油こし用濾過
器。 - 【請求項2】 前記内部容器及び/又は外部容器の底部
が開口部を有し、該開口部を覆うように前記シート状濾
過材が溶着されていることを特徴とする請求項1に記載
の油こし用濾過器。 - 【請求項3】 前記内部容器及び/又は外部容器の底部
が前記シート状濾過材から全体的に形成されていること
を特徴とする請求項1に記載の油こし用濾過器。 - 【請求項4】 有底筒状の外部容器内に断面略台形状の
有底筒状の内部容器が収容された二重容器構造を有し、
内部容器と外部容器の各々の上端縁部同士を溶着して接
合させるか又は接着させてなることを特徴とする請求項
1乃至3のいずれか一項に記載の油こし用濾過器。 - 【請求項5】 有底筒状の外部容器内に断面略台形状の
有底筒状の内部容器が収容された二重容器構造を有し、
内部容器と外部容器の各々の上端縁部が共に外側にフラ
ンジ部を有し、該フランジ部を加締めて結合させるか又
は溶着もしくは接着させてなることを特徴とする請求項
1乃至3のいずれか一項に記載の油こし用濾過器。 - 【請求項6】 有底筒状の外部容器内に断面略台形状の
有底筒状の内部容器が収容された二重容器構造を有し、
内部容器の上端縁部を外部容器の側壁内面の所定位置に
溶着又は接着して接合させてなることを特徴とする請求
項1乃至3のいずれか一項に記載の油こし用濾過器。 - 【請求項7】 有底筒状の外部容器内に断面略台形状の
有底筒状の内部容器がその底部が上方を向くように逆さ
に収容された二重容器構造を有し、内部容器の端縁部を
外部容器の側壁下端部又はその近傍の内面に溶着又は接
着して接合させてなることを特徴とする請求項1乃至3
のいずれか一項に記載の油こし用濾過器。 - 【請求項8】 前記内部容器及び外部容器の各々の底部
が開口部を有しており、上下開口をシート状濾過材で閉
鎖した筒状シート部材から作製され、かつその内部に油
こし用吸着剤が収容された筒体を、上記内部容器と外部
容器の各底部の開口部端縁に接するように配置し、かつ
上記筒体の上部を内部容器の底部に接合してなることを
特徴とする請求項1、2、4乃至7のいずれか一項に記
載の油こし用濾過器。 - 【請求項9】 前記筒体の上部が内部容器の底部に接着
され、かつ下部が外部容器の底部に接着されていること
を特徴とする請求項8に記載の油こし用濾過器。 - 【請求項10】 前記筒体の筒状シート部材が、少なく
とも構成容器との接合部分に熱可塑性樹脂層が形成され
た紙製であることを特徴とする請求項8又は9に記載の
油こし用濾過器。 - 【請求項11】 各々適度の剛性を有するシート部材か
ら作製されてなる内部容器と外部容器とから構成され、
内部容器は上下開口部がシート状濾過材で閉鎖され、か
つ上縁部にフランジ部が設けられた筒状に形成されてい
ると共に、その内部に油こし用吸着剤として焼成セピオ
ライト又は焼成セピオライトとそれ以外の他の吸着剤と
の混合物が収容されてなり、一方、外部容器は有底筒状
で、その底部に上記内部容器をフランジ部と係合した状
態で垂下収容するための開口部が形成されていることを
特徴とする油こし用濾過器。 - 【請求項12】 前記内部容器及び/又は外部容器は、
側壁シート部材と底部シート部材を溶着して組み立てら
れ、安定して設置が可能なように底部に脚部を有するこ
とを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載
の油こし用濾過器。 - 【請求項13】 前記外部容器は内側となる面に熱可塑
性樹脂層を設けた紙製のシート部材からなり、内部容器
は内外両面に熱可塑性樹脂層を設けた紙製のシート部材
からなることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか
一項に記載の油こし用濾過器。 - 【請求項14】 前記シート状濾過材が不織布であるこ
とを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載
の油こし用濾過器。 - 【請求項15】 前記他の吸着剤が、活性炭、シリカゲ
ル、活性白土、活性アルミナ、珪藻土及びゼオライトか
らなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴
とする請求項1乃至14のいずれか一項に記載の油こし
用濾過器。 - 【請求項16】 前記吸着剤の量が20〜600gであ
り、吸着剤の高さが10mm以上であることを特徴とす
る請求項1乃至15のいずれか一項に記載の油こし用濾
過器。 - 【請求項17】 内外容器の少なくともいずれかに耐油
コート層が設けられたことを特徴とする請求項1乃至1
6のいずれか一項に記載の油こし用濾過器。 - 【請求項18】 前記吸着剤が粉末又は顆粒状であるこ
とを特徴とする請求項1乃至17のいずれか一項に記載
の油こし用濾過器。
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JP4199878B2 JP4199878B2 (ja) | 2008-12-24 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005213309A (ja) * | 2004-01-28 | 2005-08-11 | Seiichi Manabe | 食用油の再生方法と再生装置 |
JP2006334221A (ja) * | 2005-06-03 | 2006-12-14 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 使用済食用油脂の再生処理フィルタ及びそれを用いた再生処理装置 |
JP2014226604A (ja) * | 2013-05-21 | 2014-12-08 | 住友電気工業株式会社 | 水処理装置及びこれを用いた水処理方法 |
-
1999
- 1999-06-21 JP JP17401599A patent/JP4199878B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2005213309A (ja) * | 2004-01-28 | 2005-08-11 | Seiichi Manabe | 食用油の再生方法と再生装置 |
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JP4615377B2 (ja) * | 2005-06-03 | 2011-01-19 | パナソニック株式会社 | 使用済食用油脂の再生処理フィルタ及びそれを用いた再生処理装置 |
JP2014226604A (ja) * | 2013-05-21 | 2014-12-08 | 住友電気工業株式会社 | 水処理装置及びこれを用いた水処理方法 |
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