JP4199878B2 - 油こし用濾過器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、調理使用後の食用油を濾過・精製するのに用いる油こし用濾過器に関する。
【0002】
【従来の技術】
家庭で食用油を使用して調理する頻度は多いが、いつも鮮度の良い食用油で調理しないと美味しい料理はできない。また、食用油の劣化によって料理の風味が低下したり、栄養学上の不都合が生じたりしないように、食用油を管理しなければいけない。管理方法としては、劣化成分を含む食用油全体を廃棄処分してしまう方法と、劣化成分の除去を行なって鮮度を回復させる方法とがある。
最近の傾向として、廃油量を低減し、廃油公害等の環境汚染を防止すること、及び再生利用による資源の節約等の観点から、後者の方法が注目されている。
劣化した食用油の鮮度を回復させる方法としては、濾布や濾紙だけを用い、揚げ滓の残留物等の固形物だけを除去する方法や、吸着剤と接触させて劣化成分を吸着分離し、その他の固形物と共に強制濾別する方法等がある。
【0003】
吸着剤を用いた油こし用濾過器としては、従来、濾紙によって内外二重に形成した中空濾材からなる容器の中空部内に活性アルミナ等の油こし用吸着剤粉末を封入したものが知られているが(例えば、特開平1−99518号)、中空二重容器が全体的に濾紙によって形成されるため、使用後の食用油を濾過する際には、食用油は側壁部も透過してしまい、中空部の底部のみに収容される吸着剤粉末に接触する食用油の量がそれだけ少なくなり、油中の着色原因物質、悪臭原因物質、酸化物等の除去効率が低いという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような問題を解決すべく、上記特開平1−99518号公報には、中空二重容器の側壁から底部に至る中空部内に全体的に吸着剤粉末が行き亘るように、吸着剤粉末に5〜30重量%の水分を含有させることが提案されている。すなわち、油こしの際に、中空濾材を通過する加熱された食用油の熱で吸着剤粉末中に含有される水分が急激に蒸発し、これによって吸着剤粉末がバブリングして中空部内全体に分散されるようにしたものである。しかしながら、吸着剤粉末が水分を含有し、また油こしの際に蒸発して泡を発生するものであるため、油の通過距離が短いことや油との接触率が悪くなるため吸着剤粉末による油中の着色原因物質、悪臭原因物質、酸化物等の除去率が低くなるという問題がある。さらに、適用対象が加熱状態の使用後の食用油に限定され、また水分の減少により繰り返し使用できないという問題もある。さらにまた、以下に述べるような吸着剤自体の問題もある。
【0005】
フライなどの揚げ油として使用された食用油には、揚げ種の影響や、加熱されることにより、酸化、加水分解、重合等の化学変化が起こり、着色原因物質や悪臭原因物質、酸化物質、酸性物質等の食品として好ましからぬ物質が生成する。
ところで、一般に使用されるテンプラ油は調合油であり、市販されているテンプラ油は殆ど食用なたね油と食用大豆油の調合油である。そして、日本農林規格(JAS)の規定によれば、調合食用油は異臭なく、清澄なもので、水分及び夾雑物0.3%以下、不けん化物1.5%以下、酸価1.0以下の条件、調合精製食用油は清澄で香味良好なもので、ロビボンド比色計による方法で測定した色度が黄20以下、赤4以下、水分及び夾雑物0.2%以下、不けん化物1.5%以下、酸価0.5以下の条件に適合することが要求される。従って、使用後の食用油を濾過・精製した油についても上記条件を満たすことが望まれる。
【0006】
前記したような着色原因物質、悪臭原因物質、酸化物質、酸性物質等の食品として好ましからぬ物質を含む、劣化した食用油を濾過・精製して再生する方法として、前記したような吸着剤そのものを濾過材として用いる方法がある。優れた食用油性能を再生できる吸着剤として活性アルミナやシリカゲルが知られているが、これらは高度に化学処理された製品であり、高価で経済的でないという問題がある。安価な油こし用濾過器とするために、市販されている濾布や濾紙だけを用いた場合、揚げ滓等の固形物を除去するだけで、着色原因物質、悪臭原因物質、酸化物等を吸着除去できないため、鮮度は良くならない。
【0007】
従って、本発明の目的は、濾過・精製能力に優れ、劣化した食用油の指標となる色度、酸価等に対する改善効果が大きく、安全性、経済性にも優れている油こし用濾過器を提供することにある。
さらに本発明の目的は、一般家庭において簡便に効率的に劣化した食用油を再生でき、しかも一回又は複数回使用後に使い捨て可能な安価な油こし用濾過器を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の基本的な側面によれば、内外両面に熱可塑性樹脂層を設けた紙製のシート部材から作製され、かつ底部がシート状の濾過材で形成された部分を有する内部容器と、少なくとも内側となる面に熱可塑性樹脂層を設けた紙製のシート部材から作製され、かつ底部がシート状の濾過材で形成された部分を有する外部容器とから構成され、少なくとも内部容器の底部と外部容器の底部との間に閉鎖空間が形成されるように組み立てられた二重容器構造の上記閉鎖空間内に、油こし用吸着剤として、焼成処理して有機物等の不純物を除去した焼成セピオライト(以下、単にセピオライトという)又はセピオライトとそれ以外の他の吸着剤との混合物が収容されていることを特徴とする油こし用濾過器が提供される。上記吸着剤は粉末状又は顆粒状のいずれでもよい。
【0009】
上記シート状濾過材は内部容器と外部容器の各底部に存在すればよく、特定の態様に限定されるものではないが、好適な第1の態様によれば、上記内部容器及び/又は外部容器の底部が開口部を有し、該開口部を覆うように前記シート状濾過材が溶着され、一方、第2の態様によれば、上記内部容器及び/又は外部容器の底部が前記シート状濾過材から全体的に形成される。
【0010】
また、外部容器内への内部容器の取付形態(配置態様及び接合態様)についても種々の形態を採用できる。一般的な第1の取付形態ではそれぞれの開口が上方を向くように外部容器内に内部容器が配設され、好適には、有底筒状の外部容器内に断面略台形状の有底筒状の内部容器が収容された二重容器構造を有し、またそれらの接合態様については、第1の態様では内部容器と外部容器の各々の上端縁部同士を溶着して接合させ、第2の態様では内部容器と外部容器の各々の上端縁部が共に外側にフランジ部を有し、該フランジ部を加締めて結合させるか又は溶着もしくは接着させ、さらに第3の態様では内部容器の上端縁部を外部容器の側壁内面の所定位置に溶着又は接着して接合させる。
また、第2の取付形態においては、有底筒状の外部容器内に断面略台形状の有底筒状の内部容器がその底部が上方を向くように逆さに収容された二重容器構造を有し、内部容器の端縁部を外部容器の側壁下端部又はその近傍の内面に溶着又は接着して接合させてなる。
【0011】
さらに第3の形態においては、前記内部容器及び外部容器の各々の底部が開口部を有しており、上下開口をシート状濾過材で閉鎖した筒状シート部材から作製され、かつその内部に油こし用吸着剤が収容された筒体を、上記内部容器と外部容器の各底部の開口部端縁に接するように配置し、かつ上記筒体の上部を内部容器の底部に接合してなる。
上記筒体の底面は、外部容器の底面と実質的に同一面であってもよく、あるいは下方に突出していてもよい。また、上記筒体の上部が内部容器の底部に接着され、かつ下部が外部容器の底部に接着されていてもよい。
【0012】
さらに本発明の別の側面によれば、内外両面に熱可塑性樹脂層を設けた紙製のシート部材から作製されてなる内部容器と、少なくとも内側となる面に熱可塑性樹脂層を設けた紙製のシート部材から作製されてなる外部容器とから構成され、内部容器は上下開口部がシート状濾過材で閉鎖され、かつ上縁部にフランジ部が設けられた筒状に形成されていると共に、その内部に油こし用吸着剤としてセピオライト又はセピオライトとそれ以外の他の吸着剤との混合物が収容されてなり、一方、外部容器は有底筒状で、その底部に上記内部容器をフランジ部と係合した状態で垂下収容するための開口部が形成されていることを特徴とする油こし用濾過器が提供される。
【0013】
お、内外容器のいずれかに、好ましくは少なくとも油と接触する面に耐油コート層を設けることもできる。
また、前記筒体の筒状シート部材は、アルミ箔のようなものでも可能であるが、少なくとも構成容器との接合部分に熱可塑性樹脂層が形成された紙製であることが好ましい。さらに、前記シート状濾過材は不織布であることが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の油こし用濾過器は、油こし用吸着剤としてセピオライト又はセピオライトとそれ以外の他の吸着剤との混合物を用いると共に、油こしの際に劣化した食用油を全体的に上記吸着剤と接触させ、効果的に濾過・精製できるような構造、例えば内外二層の二重構造容器の各底部のみにシート状濾過材を配し、これらの底部間に上記吸着剤を収容する構成としたことを特徴としている。
このような構成としたことにより、適当な油用ポット上に上記油こし用濾過器を載置して使用後の食用油を入れると、食用油は内部容器の底部シート状濾過材を透過する際に揚げ滓等の固形物がこし取られ、その下に収容された吸着剤と充分に接触する。このとき、吸着剤としては濾過・精製能力に優れたセピオライト又はセピオライトとそれ以外の他の吸着剤との混合物が用いられているため、着色原因物質、悪臭原因物質、酸化物質、酸性物質等が効率的に吸着・除去され、さらに外部容器の底部シート状濾過部材を透過して濾過・精製された食用油が回収される。
このようにして、劣化した食用油の色度、酸価等が著しく改善された食用油を効率的にかつ簡便に再生できる。
【0015】
一般的なセピオライトは、マグネシウムの含水イノケイ酸塩鉱物であり、Mg82(Si4113・3H2Oの組成を有する(化学大辞典、第369頁参照、尚、ナギィ及びブラッドリー(Nagy&Bradley)らによればMg8Si1230(OH)4(OH24・8H2Oの組成であるとされている)。その分析値は、産地によって石灰岩、石英、スメクタイト、苦灰岩、タルク等の種々の不純物を含むのでバラツキがあり、SiO2約35〜62%、MgO約15〜30%、その他CaO、Al23、Fe23、Na2O、K2O等であるが、セピオライト自体は微細繊維状で、繊維状物が互い違いに積み重ねられてそれらの間に微小のトンネルを有するような結晶構造を有する。本発明において用いるセピオライトは、一般品のセピオライトを焼成処理した特殊セピオライトである。天然鉱物であるセピオライトは、有機物が含まれているため、濾過材として使用する場合、衛生上好ましくない。有機物を除去するためには焼成処理が必要である。そこで、本発明では、濾過性能に悪影響を及ぼさない焼成温度(約320℃〜約830℃)で処理した特殊セピオライトを用いた。
【0016】
セピオライトは油中の劣化成分(着色原因物質、悪臭原因物質、酸性物質等)の吸着・除去能力が高く、脱色性能、脱酸性能に優れている。従って、このセピオライト粉末を吸着剤として用いることにより、常に鮮度の良い食用油を再生でき、料理の風味を低下させないという効果が得られる。
さらに、セピオライトと細孔径や比表面積の分布がずれている他の吸着剤を混合して用いることにより、油中の種々の劣化成分を効果的に吸着・除去できる。他の吸着剤としては、活性炭、シリカゲル、活性白土、活性アルミナ、珪藻土、ゼオライトなどを用いることができる。
また、使用後の食用油(約1リットル当り)の油中の劣化成分の効果的な吸着・除去を行なうためには、上記のような吸着剤の量は20〜600g、より好ましくは100〜300g、さらに好ましくは130〜200g、吸着剤の高さは10mm以上であることが好ましい。
【0017】
本発明の油こし用濾過器は、上部の開口から使用済み食用油を注入するだけで処理できるため、処理方法が大変簡便である。また、紙製のシート部材から作製されているため、安価であり、それにも拘らず複数回(3〜5回程度)使用でき、また使用後にはそのまま可燃性ゴミとして廃棄できる。
本発明の油こし用濾過器を用いて、使用済みの着色し汚れた食用油を濾過処理することで、使用前と同様な透明な食用油に再生されるので、消費者が目で確認できるため、満足した使用感が得られ、一般家庭における簡易油こし器として最適である。
【0018】
【実施例】
以下、添付図面に示す実施例及び試験例を説明しつつ、本発明についてさらに具体的に説明する。
図1は、本発明の油こし用濾過器の一実施例を示し、断面略台形状の内部容器1と該内部容器1が収容・配設されている外部容器2とからなる二重容器構造を有し、各々底部1a、2aに開口部1b、2bを有し、該開口部1b、2bを覆うようにシート状濾過材としての不織布3がそれぞれ溶着されている。内外容器1、2は各々、側壁1c、2cのシート部材と底部1a、2aのシート部材を溶着して固定し、安定して設置が可能なように脚部9を有している。内部容器1自体は紙4の両面にポリプロピレン等の熱可塑性樹脂層5がラミネートされたシート部材から作製され、また外部容器2自体は紙4の内面に熱可塑性樹脂層5がラミネートされたシート部材から作製されている。内部容器1の上端縁部は外部容器2の上端縁部に溶着され、内外容器間に閉鎖空間が形成されるが、内部容器1と外部容器2の底部1a、2a間には前記したような吸着剤6が収容されている。
【0019】
上記のように内部容器1の側壁1cを断面略台形状とすることにより、被処理食用油は内部容器1の底部開口部1bに配設された不織布3を通過して吸着剤6と接触し、また吸着剤内を横方向に浸透・拡散していき、被処理食用油が外部容器2の側壁2cを伝って直ちに流下することがないので、吸着剤粒子と効果的に接触し、劣化成分を効率的に吸着・除去することができる。
吸着剤6は内部容器1の底部1aに接触するように満杯に充填することが望ましく、この場合、内部容器1の底部1aの高さの設定により吸着剤6の高さを調整することができる。
容器形状は円筒状の他、四角筒状等の多角筒状など、任意に形成できる。多角筒状の場合、折り込みによって組み立てることができる。
【0020】
図2は図1に示す実施例の変形例を示し、内部容器1と外部容器2の各々の底部1a、2a全体が不織布3で構成されている点で異なるが、他の構成は図1に示す実施例と同様である。
図3及び図4は、それぞれ図1及び図2に示す実施例の接合方法の変形例を示し、内部容器1と外部容器2の各々の上端縁部を共に外側に加締めて、容器口部にフランジ部7が形成されるように結合されている。また、内部容器1と外部容器2のフランジ部7を溶着させてもよい。この結合部の点で異なるが、他の構成はそれぞれ図1及び図2に示す実施例と同様である。
【0021】
一方、図5及び図6に示す実施例は、内部容器1の高さ及び上端縁部の接合位置の変形例を示し、内部容器1の上端縁部が外部容器2の側壁2cの略中間部内面に溶着されている点で異なるが、他の構成はそれぞれ図1及び図2に示す実施例と同様である。
図7及び図8に示す実施例は、内部容器1の取付形態の変形例を示し、図7の場合には底部開口部1bが不織布3で覆われた内部容器1、図8の場合には底部1a全体が不織布3で形成された内部容器1が、それぞれそれらの底部1aが上を向くように逆さにして外部容器2内に収容され、それらの端縁部が外部容器2の側壁2cの下端部に溶着されている点で異なるが、他の構成はそれぞれ図5及び図6に示す実施例と同様である。なお、吸着剤の量を多くしたい場合には、内部容器1の高さを上げたり、あるいはその端縁部の外部容器2の側壁2cへの接合位置を上げることができる。
【0022】
図9は、吸着剤を収容する筒体を用いた実施例を示している。
本実施例の場合、それぞれ略逆円錐筒状の内部容器1と外部容器2は各々上端縁部にフランジ部7を有し、かつ底部1a、2aに開口部1b、2bを有しており、フランジ部7の接着加工により接合されている。一方、吸着剤6は、上下開口が不織布3で閉鎖された筒状シート部材からなる筒体8内に充填されており、該筒体8の上部は内部容器1の底部1aに接着加工されている。なお、筒体8の下端部は外部容器2の開口部2bと接しているだけであり、かつ下方に若干突出している。また、外部容器2の下端外周縁部には、安定した設置が可能なように脚部9が下方に突設されている。
【0023】
一方、図10は図9に示す実施例の変形例を示し、筒体8の底面が外部容器2の底面と同一面となるように形成され、また筒体の上下部がそれぞれ内部容器1及び外部容器2の各底部1a、2aに接着加工されている点で異なるが、他の構成は図9に示す実施例と同様である。
なお、図9及び図10に示す各実施例において、筒体8の側壁は、外部容器2の場合と同様に内面に熱可塑性樹脂層5がラミネートされた紙4からなるシート部材で作製されている。
【0024】
一方、図11は図10に示す実施例の変形例を示し、それぞれ略逆円錐筒状の内部容器1と外部容器2はそれぞれの側壁1c、2c同士が接着加工により接合されており、一方、吸着剤6が充填され、上下開口が不織布3で閉鎖された筒状シート部材からなる筒体8の上部フランジ部は内部容器1の底部開口部1bの縁部に接着加工され、筒体8の下端部は外部容器2の底部開口部2bと接している点で異なるが、他の構成は図10に示す実施例と同様である。
前記図9乃至図11に示す実施例は、繰り返し使用するタイプとして適している。
【0025】
図12及び図13は、本発明の油こし用濾過器のさらに別の実施例を示し、有底筒状の外部容器2の底部2aには開口部2bが形成されている。一方、内部容器1は、上縁部に外側に拡張するようにフランジ部7が設けられた筒状に形成され、このフランジ部7には上部開口部を覆うように不織布3が溶着されている。また、内部容器1の底部1aには開口部1bが形成され、該開口部1bを覆うように不織布3が溶着されている。このように上下開口部がシート状濾過材としての不織布3で閉鎖された内部容器1内には、前記したような吸着剤6が収容され、内部容器1の上記フランジ部7が外部容器2の底部開口部2bの縁部と係合した状態で垂下収容される。このように内部容器1の上部(フランジ部7)が外部容器2の底部2aと係合する点を除き、内外容器の材料等の他の構成は前記した実施例と同様である。このような構造によっても、劣化した食用油は全体的に内部容器1内の吸着剤6と接触し、効果的に濾過・精製できる。
【0026】
上記内部容器1のフランジ部7と外部容器2の底部2aは、予め溶着して組み立てておいてもよく、あるいは別体としておき、使用時に接着又は溶着して組み立てるようにしてもよい。後者の場合、吸着剤入りの内部容器を取替え用製品として販売する商品形態も可能となる。
油こしに際しては、図12に示すように、油こし用濾過器を外部容器2の脚部9よりも小さな口部外径を有する適当な濾液受け容器20の上に載置し、使用後の劣化した食用油Aを外部容器2内に入れ、濾過・精製を行なう。濾過・精製後には、図13に示すように、内部容器1を収容できるような適当な大きさの受け皿21に載置し、また外部容器2の上部開口部に蓋体22を被冠し、保管して次の油こしに備えることができる。蓋体22としては、外部容器2の上部開口部を覆うことができるものであればよい。また、油を濾過する際に油こし紙をその都度交換できるような設定にすれば、濾過器を繰り返し使用するとき、次回に揚げかす等の残渣を残さず、より好ましい。
【0027】
以下、試験例を示して本発明の油こし用濾過器の効果について説明する。
試験例1
図14に示すような、底部の開口部10aを覆うように濾紙11が接着された容積500ミリリットルの紙コップ10に、吸着剤6としてミルコンG−4(昭和鉱業(株)製、鉱物名セピオライトという天然の繊維状粘度鉱物を特殊加工した工業用無機原料であり、食品添加物適合品)100gを入れ、その上に濾紙付きの紙製蓋12を設置し、紙コップ側壁に固着した。
このようにして作製した油こし用濾過器に、110〜120℃に加温した使用済み食用油300ミリリットルを流し、濾過油の酸価、色調、臭いについて調査した。また、比較のために、市販の活性炭入り油こし器についても同様に試験した。
【0028】
なお、使用済み食用油は、調合サラダ油(酸価0.09の通常の油臭の黄色透明な油)を用いてテンプラを揚げた後の廃油(酸価0.32で、魚臭が強く悪臭の褐色、不透明な懸濁油であり、揚げ滓を含有するもの)である。
また、酸価の測定はJIS K 3504−1962(油脂の酸価試験方法)に従って行ない、色調は目視、臭いは官能で行なった。
得られた結果を表1に示す。
【0029】
【表1】
Figure 0004199878
上記表1に示されるように、濾過処理前の廃油は褐色に着色し、酸化物質を含み、酸性臭が強く、悪臭を有していたが、本発明に従って濾過することにより、悪臭もなくなり、僅かに黄色を帯びた透明の油となった(使用前の新しい食用油と同様の外観になった)。また酸価も大幅に改善された。
【0030】
試験例2
吸着剤の濾過性能を調べるため、各種吸着剤の脱色性能、脱酸性能(酸価低減性能)の測定と、物性値として比表面積、細孔容積、細孔径の測定を行なった。吸着剤としてはセピオライト、活性炭、乾燥用シリカゲル、活性白土、ゼオライト、活性アルミナ及びシリカゲルを使用した。各種吸着剤は、粒度が一定の範囲になるように、粉砕、篩い分け、造粒して試料とした。
試験方法
直径40mmのアクリルパイプに吸着剤を高さ200mmとなるように充填し、これに使用済み食用油(酸価=1.85、色度:R=17、Y=67)を250ミリリットル注入して自然濾過させ、濾過後の油を採取した。油の色度の測定は、ビボンドチントメーター(25mmセル)を使用して行なった。酸価の測定は、中和滴定法によった。比表面積、細孔容積、細孔径の測定は、(株)島津製作所製ガス吸着式細孔分布測定装置ASAP−2000により求めた。
得られた結果を表2に示す。
表2
Figure 0004199878
表2に示されるように、セピオライトは優れた脱色率、脱酸率を示している。活性アルミナやシリカゲルなども優れた脱色率、脱酸率を示すが、高価格であるため、製造コストをそれ程押し上げない程度にセピオライトと混合して使用することが望ましい。なお、従来用いられている活性炭は、脱色の点では殆ど効果がないことがわかる。
【0031】
【発明の効果】
以上のように、本発明の油こし用濾過器は、油こし用吸着剤として劣化成分の吸着性能に優れるセピオライト又はセピオライトとそれ以外の他の吸着剤との混合物を用いると共に、油こしの際に劣化した食用油を全体的に上記吸着剤と接触させ、効果的に濾過・精製できるような構造、例えば内外二層の二重構造容器の各底部のみにシート状濾過材を配し、これらの底部間に上記吸着剤を収容する構成としているため、濾過・精製能力に優れ、劣化した食用油の指標となる色度、酸価等に対する改善効果が大きく、安全性、経済性にも優れている。
また、使用済み食用油を注入するだけで処理できるため、一般家庭において簡便に効率的に劣化した食用油を再生でき、しかも紙製シート部材から作製されているため、一回又は複数回使用後に使い捨て可能な安価な油こし用濾過器が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の油こし用濾過器の一実施例を示す概略断面図である。
【図2】本発明の油こし用濾過器の他の実施例を示す概略断面図である。
【図3】図1に示す油こし用濾過器の内外容器接合方法の変形例を示す概略断面図である。
【図4】図2に示す油こし用濾過器の内外容器接合方法の変形例を示す概略断面図である。
【図5】図1に示す油こし用濾過器の内部容器の変形例を示す概略断面図である。
【図6】図2に示す油こし用濾過器の内部容器の変形例を示す概略断面図である。
【図7】図5に示す油こし用濾過器の内部容器の取付態様の変形例を示す概略断面図である。
【図8】図6に示す油こし用濾過器の内部容器の取付態様の変形例を示す概略断面図である。
【図9】本発明の油こし用濾過器の別の実施例を示す概略断面図である。
【図10】図9に示す油こし用濾過器の変形例を示す概略断面図である。
【図11】図10に示す油こし用濾過器の変形例を示す概略部分断面図である。
【図12】本発明の油こし用濾過器のさらに別の実施例の使用時の状態を示す概略断面図である。
【図13】図11に示す油こし用濾過器の保管時の状態を示す概略断面図である。
【図14】試験例1で用いた油こし用濾過器の概略断面図である。
【符号の説明】
1 内部容器
2 外部容器
1a、2a 底部
1b、2b 開口部
1c、2c 側壁
3、11 不織布
4 紙
5 熱可塑性樹脂層
6 吸着剤
7 フランジ部
8 筒体
9 脚部
20 濾液受け容器
21 受け皿
22 蓋体

Claims (3)

  1. 内外両面に熱可塑性樹脂層を設けた紙製のシート部材から作製され、かつ底部がシート状の濾過材で形成された部分を有する内部容器と、少なくとも内側となる面に熱可塑性樹脂層を設けた紙製のシート部材から作製され、かつ底部がシート状の濾過材で形成された部分を有する外部容器とから構成され、少なくとも内部容器の底部と外部容器の底部との間に閉鎖空間が形成されるように組み立てられた二重容器構造の上記閉鎖空間内に、油こし用吸着剤として、焼成セピオライト又は焼成セピオライトとそれ以外の他の吸着剤との混合物が収容されていることを特徴とする油こし用濾過器。
  2. 前記内部容器及び外部容器の各々の底部が開口部を有しており、上下開口をシート状濾過材で閉鎖した筒状シート部材から作製され、かつその内部に油こし用吸着剤が収容された筒体を、上記内部容器と外部容器の各底部の開口部端縁に接するように配置し、かつ上記筒体の上部を内部容器の底部に接合してなることを特徴とする請求項1に記載の油こし用濾過器。
  3. 内外両面に熱可塑性樹脂層を設けた紙製のシート部材から作製されてなる内部容器と、少なくとも内側となる面に熱可塑性樹脂層を設けた紙製のシート部材から作製されてなる外部容器とから構成され、内部容器は上下開口部がシート状濾過材で閉鎖され、かつ上縁部にフランジ部が設けられた筒状に形成されていると共に、その内部に油こし用吸着剤として焼成セピオライト又は焼成セピオライトとそれ以外の他の吸着剤との混合物が収容されてなり、一方、外部容器は有底筒状で、その底部に上記内部容器をフランジ部と係合した状態で垂下収容するための開口部が形成されていることを特徴とする油こし用濾過器。
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