JP4503244B2 - 繰り返し使用された食用油の再生に用いるシリカ・マグネシア製剤及びその製造方法 - Google Patents

繰り返し使用された食用油の再生に用いるシリカ・マグネシア製剤及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、繰り返し使用により劣化・着色した食用油の再生に用いるシリカ・マグネシア製剤及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、シリカ・マグネシア系化合物としては、ケイ酸ナトリウムと硫酸マグネシウムの複分解反応(共沈反応)によって合成される物のうち、日本薬局方に収載され、制酸薬として医薬用途に使用されているケイ酸マグネシウム(2.2≦R≦2.5、R:シリカ/マグネシア比)(非特許文献1参照)や、一般の吸着剤として同様の方法で製した種々のモル比の合成ケイ酸マグネシウムが知られている。
【0003】
食用油の、特に植物油の脱色精製の用途には長年にわたり天然物由来の活性白土が用いられており、吸着剤或いはろ過助剤として各種液状食品の精製のために用い得るシリカ・マグネシア系の物質としては、二酸化ケイ素(シリカ)と酸化マグネシウム(マグネシア)が知られており、通常はそれぞれ単独で使用されている。これらは、食品添加物として食品製造用に使用することを認められ、二酸化ケイ素と酸化マグネシウムは指定添加物に、活性白土は既存添加物に、それぞれ該当する(非特許文献2参照)。
【0004】
そして、(A)モンモリロナイト族粘土鉱物又はその酸処理物から成り且つ50m/g以上の比表面積を有するアルミノケイ酸質吸着剤と、(B)層状微結晶乃至は非晶質のケイ酸マグネシウムから成り且つ200m/g以上の比表面積と50ml/g以上のメチレンブルー脱色力(JIS K−1470)を有するケイ酸マグネシウム吸着剤とを、A:B=95:5乃至50:50の重量比で含有する脱色用吸着剤組成物も提案されている(特許文献1参照)。
【0005】
さらに、使用済食用油の連続的使用方法として、酸化マグネシウムと白土よりなるシリカ・マグネシウム系ゲルに対し、珪藻土を20〜30重量%の割合で混合してなる吸着剤を、加熱調理後の食用油に対し0.5〜3.0重量%の割合で、食用油の使用毎に油温80〜120℃において混合し濾過する方法が提案されている(特許文献2参照)。但し、ここで言うシリカ・マグネシウム系ゲルを構成している白土とは、指定添加物の二酸化ケイ素(シリカ)とは別に既存添加物として認められている活性白土を指すものであり(非特許文献2参照)、後で詳述する本発明のシリカ・マグネシア系製剤とは明白に区別されるものである。
【0006】
【非特許文献1】
石館守三/監修,“第八改正日本薬局方第一部解説書”,廣川書店(1971),C-671−674.
【非特許文献2】
食品衛生研究会/編集,“食品衛生関係法規集”, 中央法規出版(1990),
▲1▼406下,▲1▼4104上
【特許文献1】
特開昭62―262741
【特許文献2】
特開2001―207187
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
現在の、資源の有効利用や再利用等の見地、特に食品リサイクル法の推進の目的から、例えば、食品営業で揚油として繰返し使用されている油の劣化を抑えること、劣化により生じた有害成分や不要成分としての各種不純物を除去乃至は低減することにより、油の使用回数を増やしたり、途中における再精製により再利用できるようにすることは極めて有意義なことである。
このような繰返し使用により劣化した食用油から各種不純物を除去乃至は低減できる吸着剤を発明することは、上記目的を実現できる材料を提供する意味で極めて有意義である。
【0008】
また一方では、最近の食品リサイクルのように、特に繰返し使用される揚油の再生などを考えると、どうしても、酸価、鉄分、着色等の低減方法などに注目しがちであるが、下記のような別の用途では、例えば遊離脂肪酸のような酸性成分の除去とは正反対に、塩基性成分、特にアミン・アンモニア系の揮発性の塩基成分の除去方法とそれを可能にする吸着剤を発明することも極めて有意義である。すなわち、魚醤油などの醗酵調味液や魚油等から、アミン、アンモニア等の塩基成分を除去することによる精製用途のためである。
【0009】
このような塩基性物質を除去する目的に使用する吸着剤としては、先ずケイ酸やケイ酸塩の固体酸系吸着剤が考えられる。しかしながら、国内で食品精製用の吸着剤やろ過助剤に使用し得るものとして指定されていない、例えば、上述した非特許文献1に記載されている合成のケイ酸マグネシウムや特許文献1に記載されているケイ酸マグネシウムは、現在の日本では、食品等の精製の目的には使用できないのが現状である。また、ケイ酸アルミニウム等、その他のケイ酸塩も同様の理由で不適である。
また、上記非特許文献2に記載の二酸化ケイ素や酸化マグネシウム或いは活性白土などは、食品製造への使用は認められているものの、後述するように、上記目的のためには性能面で不満足と言わざるを得ない現状にある。
【0010】
上記課題について、いくつか例を挙げて詳しく述べたい。
[揚油の劣化と着色度の上昇]
揚油として用いられる油は、一般に「天ぷら油」と呼ばれるものであり、業務用の場合は「白絞油」とも呼ばれる。また、家庭では生食油としての「サラダ油」を揚油として用いることも多い。これらは原料油も精製工程もほぼ同じであり、「天ぷら」の原料油としてはナタネ油と大豆油が主として用いられている。
一般の揚物の場合の適温は160〜180℃であるが、比較的低温のポテトチップから極端に高温の揚煎餅の場合等も含めると、130〜270℃が揚物の行われる温度範囲である。揚鍋中の油は、消費されるまでに長時間にわたってこのような高温に繰返しさらされるので、油中では加水分解および酸化を主にした種々の変化(劣化)が進行する。
【0011】
繰返し使用された揚油等の場合は、遊離脂肪酸の生成による酸価の上昇と、揚種からの移行等による鉄分の上昇とそれらによる油の劣化の促進が重要な課題であるが、同時に、劣化に伴い黄褐色から茶褐色を呈する着色成分の増加による色度の上昇も大きな問題である。
【0012】
揚油の高温での着色の機構と原因物質についてはまだ定説がないが、特定の単純な物質の生成によるものではなく、油をただ加熱したような場合には、酸化(脱水素)による共役ジエンの増加や脂肪酸基の酸化重合に基づく複雑な反応生成物が関係していると考えられる。
また、油をただ加熱するときよりも、実際に種物を揚げるときに著しく着色することから、この着色現象には、揚種からの窒素化合物、特に、アンモニア、トリメチルアミン、ピロール環化合物(血液の分解物)などが関係していることが古くから知られており、アミノカルボニル反応生成物(メラノイジン)が着色に関係している可能性が高い。トリメチルアミン等のアミン類を多く含む魚油なども加熱により着色しやすいのは、同様の理由からと考えられる。
【0013】
[醗酵調味液等の着色とアミン・アンモニア系臭味成分]
上記アミノカルボニル反応は、各種調味液のようにアミノ酸類と糖類を多く含む食品の加工・貯蔵中にもよく起こり、食品の色が褐色を呈することから褐変反応と呼ばれ、メラノイジン(形成)反応、或いは発見者の名をとってメイラード反応とも呼ばれる。この反応は、アミノ酸、ペプチド、タンパク質等のアミノ基と糖の配糖体形成能を有する水酸基との間に起こる反応で、オイスターソースなどの魚貝類や畜肉の煮汁からの調味エキスの加熱濃縮加工中や、味噌や醤油などの塩蔵型醗酵食品の貯蔵中によく見られる現象である。同じく塩蔵型醗酵食品である「くさや」や魚醤油等の調味液などでも同様に褐変が起こり、褐色の色調を呈しているものが多い。
【0014】
このような着色は、これらを使用して調理した天ぷらやフライや煮物などの料理の出来上がりの色に影響し、適度な着色は好ましい色感を与えて食欲を増進させ、過度の着色は食欲をそぐことにもなる。また、着色物質であるメラノイジンの生成は、その分、旨味成分や栄養成分であるアミノ酸などの含有量を減らすことになり、風味を損ね、栄養価を低下させることにもなる。
【0015】
魚醤油は、イワシ、ハタハタ、イカナゴ、イカ、サバ、キビナゴ、アンチョビーなどの生魚に塩を加え、主に生魚の自己消化酵素の働きにより、タンパク質等を分解し、多くのアミノ酸等からなる旨味成分を醸しだしているものと考えられる。日本の代表的な魚醤油には、「しょっつる」、「いかなご醤油」、「いしり」等があり、イタリアの「アンチョビーソース」、タイの「ナンプラー」、ベトナムの「ニョクマム」、フィリピンの「パティス」、中国の「魚露(ユイルウ)」なども有名である。
【0016】
これらは、旨味成分であり栄養成分であるグルタミン酸、リジン、タウリン等の多くのアミノ酸のほかに、嫌気性醗酵の結果、酢酸、プロピオン酸、n−酪酸、イソ酪酸、イソ吉草酸等の低級脂肪酸類が生成し、独特の臭味を形成している。また同時に嫌気性醗酵の結果、アンモニアやトリメチルアミン等のアミン類も多く生成し、上記酸性成分と結びついて、或いは遊離の状態で、いわゆる揮発性塩基態窒素成分として溶存していることが知られている。例えば、大分県産業科学技術センターからは、国内産の「しょっつる」では、0.06〜0.19 g/100ml、外国産の「ナンプラー」では、0.26〜0.41 g/100mlのアンモニア窒素(GC-MS分析)が含まれている例が報告されている。
【0017】
従って、食品営業上、加熱下の繰返し使用で褐変反応により増加した揚油中の着色物質や、濃縮調味液や醗酵調味液中の着色物質である種々のメラノイジンを、吸着剤等により使用、加工或いは貯蔵の途中で除去乃至は低減することは、解決すべき極めて重要で有意義な課題である。
また、同時または別途に、魚醤油などの醗酵調味液やイワシ油などの魚油にも多く含まれるアミン系の揮発性塩基物質を除去乃至は低減することも極めて有用で有意義なことである。
【0018】
魚油において、魚臭、特に生臭みの代表的な成分であるトリメチルアミンなどのアミン類を除去することは、魚油そのものの風味改善の面、これらが多く含まれていることから起こりやすい加熱着色の抑制の面、そしてこれを原料とする抽出・加工製品の高純化の面でも極めて有用と思われる。最近、抗血栓作用があり、脳梗塞や心筋梗塞の予防等にも効果が大きいとされ、健康食品などに多く使用されているエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)の成分が豊富に含まれるイワシ油やサバ油などの魚油の利用価値が高まっているからである。
【0019】
従って、本発明の目的は、日本国内で食品添加物として認定されているものからなり、着色成分、特に褐変反応によって生じるメラノイジン等の吸着・除去能に優れ、塩基性物質、特に発酵調味液や魚油などに多く含まれる揮発性塩基の吸着・除去能にも優れており、繰り返し使用により劣化・着色した食用油の再生に使用されるシリカ・マグネシア製剤及びその製造方法を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、シリカ成分とマグネシア成分とを、下記式:
R=Sw/Mw
式中、Swは、SiO換算でのシリカ成分の含有量であり、
Mwは、MgO換算でのマグネシア成分の含有量である、
で表される重量比(R)が10≦R≦20の範囲となる割合で含有し、粉末法X線回折像においてケイ酸マグネシウムに由来する回折ピークを示さず、且つシリカ成分層がマグネシア成分層をサンドイッチした三層構造部分をシリカの微粒子からなるマトリックス相が包含した状態を形成しており、0.15mmol/g以上のメチレンブルー吸着能、且つ窒素原子(N)換算で3.6mg/g以上の揮発性塩基吸着能を有していることを特徴とする繰り返し使用された食用油の再生に用いるシリカ・マグネシア系製剤が提供される。
本発明によれば、また、(A)二酸化ケイ素と(B)酸化マグネシウムもしくはその水和物とを、下記式:
R=Sw/Mw
式中、Swは、SiO換算でのシリカ成分の含有量であり、
Mwは、MgO換算でのマグネシア成分の含有量である、
で表される重量比(R)が10≦R≦20の範囲となるように、且つ固形分濃度が3乃至15重量%の範囲となるような量の水の存在下で、少なくとも1時間以上をかけて50乃至97℃の温度で混合し熟成する工程と、熟成後、水分を除去する工程とからなることを特徴とする上記シリカ・マグネシア系製剤の製造方法が提供される。
【0021】
本発明のシリカ・マグネシア系製剤においては、
1.粉末法X線回折像において、回折角2θ(Cu−Kα線)が22±1度にシリカマトリックス相の非晶質構造に基づくピークを示すこと、
2.比表面積が330m/g以上、且つ2%懸濁液のpHが9.0以下であること、
3.食用油(特に劣化食用油)の精製処理に使用すること、
4.液状食品に含まれるアミン・アンモニア系臭味成分を低減する目的で使用すること、
が好ましい。
【0022】
【発明の実施形態】
本発明のシリカ・マグネシア系製剤は、実質上、食品製造用の吸着剤やろ過助剤として認可されているシリカ成分とマグネシア成分とから形成されており、原料であるシリカ(二酸化ケイ素)粒子とマグネシア(酸化マグネシウム)粒子とが、水中で、溶解はしないがナノオーダーの単位粒子(ナノ粒子)として分散し、均一混合されており、それぞれのナノ粒子同士が原子の交換や組み換えを伴うような化学結合(原子間結合)を生成することなく合体して緊密に複合化した製剤である。従って、食用油の精製や繰返し使用により劣化した食用油の再生など、広く食品精製の用途に有効に使用し得るものである。
【0023】
[シリカ・マグネシア系製剤におけるナノ複合化と構造]
本発明においては、シリカ(A)とマグネシアもしくはその水和物(B)とを、水分の存在下で均質に混合して水性スラリーとなし、次いで熟成を行い、さらに、水分を除去することにより、目的とするシリカ・マグネシア系製剤を得ることができる。
【0024】
すなわち、水分の存在下、例えば水中での均質混合により、原料の一つであるシリカ(二酸化ケイ素)がコロイド粒子乃至微細凝集粒子(1次乃至2次粒子)まで解れる。他方のマグネシア(酸化マグネシウム)は、水中に投入されて撹拌もしくは粉砕されると、溶解は殆ど起こらないが、水和により、その結晶(もしくは新たに生成した水和物の結晶)の一部分或いは全部が崩壊もしくは剥離して、マグネシウム水和物(水酸化マグネシウム)からなる単層もしくは2層以上が積層した微細な薄板層状粒子となって水中に分散される。
【0025】
これらの微細粒子が均質に分散したスラリーから水分が除去され、固形分濃度が上昇していくと、シリカの粒子(A)とマグネシア水和物の層状の粒子(B)とが徐々に或いは急激に接近し、それらは互いに反対極性の電荷を帯びていることから、層状の粒子Bの表面に粒子Aが層状且つ面状に配向し、次いで行われる水の除去(脱水)により微粒子同士が緊密に接合し、結果として、マグネシア層状粒子表面部分にシリカ粒子が配向・接合した微小な層構造が形成されるのである。
【0026】
微小層構造の形成に至るナノ複合化の度合いは、製剤中のシリカ成分とマグネシア成分の重量比(R)によって異なる。例えば、R=2付近のところでは、多くの複合粒子で、シリカ成分層がマグネシア成分層をサンドイッチした微小な三層構造が形成されていると考えられる。
【0027】
図1の模式図に示すように、上記重量比が2未満(R<2)で、比較的マグネシアリッチのところ(i)では、上記三層構造を形成するに至っている接合部分(図1の○で囲んだ部分)は少なく、マグネシア成分層の片面だけにシリカ粒子が配向吸着乃至は接合したもの、両面ともシリカが僅かしか吸着されていないもの、あるいは、完全には単層にまで剥離していず、部分的に複数層に積層(図1の□で囲んだ部分)したマグネシア水和物の層状粒子となっているもの等、幾つかの形態の複合粒子が混在している状態と言える。
【0028】
重量比が2付近(R≒2)では、前述したように、シリカ成分層がマグネシア成分層をサンドイッチした三層構造の形成にちょうどよい重量比となっており、模式的には図1の(ii)に示すような微小三層構造を多く有する複合構造になっていると考えられる。
【0029】
さらに、重量比Rが2.1以上の比較的シリカリッチのところ(iii)では、上記三層構造を形成してあまりある多くのシリカの微粒子が、全体にわたる非晶質なマトリックス相を形成しており、その中に、部分的に細分化された極微小の三層構造粒子が、恰も非晶質なマトリックス相全体に吸収されるように希薄に分散している状態と考えられる。
【0030】
これら三様の製剤のナノ複合状態に対する前三段(0027〜0029)の推論は、それらの製剤の粉末法X線回折像によっても裏づけられる(図2参照)。すなわち、R<2の領域で、シリカがより少ないところでは、マグネシアの水和により生成し、複数層以上に積層している水酸化マグネシウムの微細層状結晶の面指数(001)、(101)及び(110)に基づく3強線が、それぞれ回折角2θ(Cu−Kα線)で18.5度、38度及び51度付近に現れ、前述の微小三層構造に基づくピークについては、シリカが少ないところでは35度付近に低強度で丘状のラインが僅かに現れるだけであるが、シリカの混合量が増えるにしたがって、2θで20度、35度及び61度付近の3箇所に、それぞれ低強度で幅広のピークが現れた。また、当然のこととして、シリカの混合量の増加につれて、18.5度、38度及び51度付近のピーク(水酸化マグネシウムの結晶に基因)は弱くなり、Rが1.5以上ぐらいになると消失した。
【0031】
シリカの混合量が増えて、R=2付近のところでは、前述の微小三層構造を形成しているナノ複合粒子が大部分となり、2θで20度、35度及び61度付近の3箇所に低強度で幅広のピーク(該三層構造に基因)が認められ、水酸化マグネシウム等の結晶に基づくピークは認められない(例えば、図2の実施例1)。
【0032】
シリカの混合量がさらに増えて、2.1≦Rの領域では、前述の微小三層構造を形成しているナノ複合粒子とその構造形成に与らない余剰のシリカからなる非晶質なマトリックス相からなり、Rが7.5以下ぐらいのところまでは、2θで20度、35度及び61度付近の3箇所に低強度で幅広のピーク(該三層構造に基因)が認められる(例えば、図2の実施例5)が、Rが10以上ぐらいのところでは、それらのピークはほとんど認められず、2θが22度付近に低強度で幅広のアモルファスライン(シリカマトリックス相の非晶質構造に基因)のみが認められる(例えば、図2の実施例9)。
【0033】
本発明において、シリカ成分とマグネシア成分とを、下記式:
R=Sw/Mw
式中、Swは、SiO換算でのシリカ成分の含有量であり、
Mwは、MgO換算でのマグネシア成分の含有量である、
で表される重量比(R)が、10≦R≦20の範囲となる割合で含有していることが極めて重要である。即ち、後述する実施例及び比較例の結果から明らかな通り、マグネシア成分或いはシリカ成分が必要以上に多いと、メチレンブルーや種々のメラノイジンのようなアミノ基のついた色素成分の吸着能が低下してしまい、特に繰り返し使用後の食用油やアミノ酸を多く含む調味液などからの着色成分(褐変物質)の除去を目的とする用途には不適当となってしまう。また、揮発性塩基物質であるアンモニアやアミン類に対する吸着能についても同様の傾向を有し、食品からこれらを除去する目的の用途には不適当となる。
【0034】
したがって本発明では、シリカ成分とマグネシア成分との重量比(R)を上記範囲(10≦R≦20)の製剤において、適度な強度の個体酸性を有することにより、着色成分であるメラノイジン、揮発性塩基成分であるアミン、アンモニアなど、弱い塩基性から強い塩基性の物質に対して幅広く優れた吸着能を示す。
【0035】
これらの吸着のメカニズムは定かでないが、大量のシリカ粒子にマグネシア粒子が緊密に複合して包含されていることにより、マグネシア成分の有する固体塩基性は消失し、単一のシリカよりは強く、よく知られたシリカ・アルミナゲルや活性白土ほどは強くない適度な固体酸性が発現されるため、上記のように幅広い強度の塩基性を有する物質群を吸着できるものと思われる。
【0036】
すなわち、本発明のシリカ・マグネシア系製剤は、ハメット指示薬のジメチルイエロー(pka=+3.3)を赤に変色させ、アントラキノン(pka=−8.2)を黄に呈色させないことより、酸強度関数が、−8.2<H0 ≦+3.3の範囲の強い酸と、+3.3<H0 のやや強い酸からやや弱い酸を幅広く有している。また、例えば、本発明の原料である純粋のシリカ(二酸化ケイ素)では、H0 ≦+3.3のような強い酸はなくて+3.3<H0 ≦+6.8乃至は+6.8<H0 のような弱い酸しか有せず、逆に、活性白土のような天然物由来で鉄分等の不純物を多く含むようなアルミノケイ酸塩では、強い固体酸性を呈し、H0 ≦−8.2のような極めて強いルイス酸も有している。
【0037】
ここで、油脂の脱色精製剤として広く用いられる活性白土について言及すると、活性白土は、強いルイス酸と酸化還元能の高い鉄分を含有するため、油脂の着色を脱色しようとする場合、その効果は二つに分かれる。例えばパーム油など植物油の原油においては、着色成分が原料由来の黄色〜赤色系色素のカロチン等が主であり、活性白土のルイス酸点がその不飽和結合部分におけるπ電子を吸引することにより、吸着・脱色される。
【0038】
ところが、繰返し使用後の揚油、加熱処理後の魚油、あるいは調味液などにおいては、褐変・着色成分がところどころにアミノ基を有するメラノイジンが主であるため、強い酸点を多くもっている活性白土では、加熱下においてそれらの吸着も多く起こるが、同時に、一緒に保有する高い酸化還元能のために褐変反応が触媒的に促進され、着色物質が一段と多く生成されることによって、吸着による脱色作用と反応による着色作用の拮抗により、脱色能は弱められることになる。また、加熱しない常温下では、褐変反応は起こりにくいが、化学吸着である着色物質の吸着も起こりにくく、同様に脱色能は弱い。
【0039】
このように、活性白土は使用前食用油の原油の脱色・精製についてはすこぶる有利に用いられるが、繰返し使用後の劣化食用油などでの脱色の目的にはあまり適してないと言える。例えば、実際の繰返し使用後の揚油を供試油(透過率:34.5%)として、活性白土(水澤化学工業(株)製ガレオンアースV2)を1%の濃度で添加し、110℃で20分間撹拌すると、処理油の透過率は35.1%で、殆ど脱色されてないことがわかる。
【0040】
一方、単なるシリカとマグネシアとの乾式混合物では、塩基性物質、特に褐変・着色成分であるメラノイジンの如き弱い塩基性物質に対して吸着作用を有するに有効な酸性点が少ないため、上記着色成分や、揮発性塩基成分であるアミン、アンモニアなど、弱い塩基性から強い塩基性の物質に対して幅広く優れた吸着能を示すことは不可能である。
【0041】
[メチレンブルー吸着試験]
本発明の製剤の特徴的性能である褐変・着色成分の吸着・除去能は、高彩度の青色を呈して滴定や終点の判定等が容易な、しかもメラノイジンと同様にアミノ基を有する塩基性色素であるメチレンブルーに対する吸着能によって評価できる。
後述の実施例と比較例では、実際の繰返し使用後の揚油を1例の供試油(透過率:29.4%、吸光度:0.532)として、各試料で所定の脱色処理した後の油の吸光度を測定して、着色度低減率を求めているが、それと上記のメチレンブルー吸着能とは略同様の傾向にあり、本発明においてはメチレンブルー吸着能を測定することによって、褐変反応によって生じた各種液状食品の着色を低減できる能力を評価することが可能であることがわかった。
【0042】
実際の揚油の系での着色度低減能は、どのような種物が揚げられ、どのような熱履歴を受けたか等の油の使用履歴によって大幅に異なる。すなわち、タンパク質や血液成分(鉄分)や炭水化物(糖分)などが豊富な揚種が多かったか、繰返し使用頻度の多かった油では褐変が進んで着色度も高く、処理後の着色度低減効果が現れやすくなり、低減率は大きくなる。逆に、褐変が進んでなくて着色度も低い供試油では、着色度低減率は小さくなる。
このように、例えば実際の繰返し使用後の揚油を供試油とした脱色試験の標準化は困難であるが、上記のように使用履歴の異なる油の脱色の場合でも、各吸着剤試料に対して略同じ傾向が出るので、前記の例での塩基性色素吸着との関係性を考慮すると、後述の標準化されたメチレンブルー吸着能によって本発明における着色度低減能を評価することは極めて妥当と考えられる。
【0043】
[揮発性塩基吸着試験]
塩蔵型醗酵調味液などの食品に含まれる揮発性塩基成分の定量は、例えば、衛生薬学委員会・試験法担当会議が定めた「衛生試験法」の揮発性塩基窒素の拡散法による定量の項に準じて行うことができる。
したがって、揮発性塩基吸着試験としては、スクロースを含む糖液に少量のアンモニアとトリメチルアミンを所定の濃度で溶かした被試験溶液(モデル液)を調製し、それに所定量の吸着剤試料を加えて密閉系で充分に振り混ぜた後、分離した清澄な溶液部分に残存する塩基分を上記試験法により定量し、計算により、その試料に吸着された塩基の量を求め、試料1gあたりの揮発性塩基吸着能を算出する方法を用いることができる。
このとき、その単位は、揮発性塩基分を窒素原子(N)に換算して、〔mg/g〕で表す。
【0044】
この標準化された吸着試験法により求められる揮発性塩基吸着能は、魚醤油等の醗酵調味液などから、独特の臭味成分、特に生臭み成分のトリメチルアミンや刺激臭成分のアンモニア等を除去乃至は低減できる能力を表し、実際、市販の魚醤油である「しょっつる」中の揮発性塩基成分の窒素原子(N)換算での濃度(1例:0.04g/100ml)が、本発明のシリカ・マグネシア系製剤(R=20)を1〜5%添加して処理することにより、その数%乃至数10%にまで低減され、生臭み等が少なくなり、マイルドな臭味の魚醤油となった。また、本製剤の特長である褐変・着色に対する脱色能も発揮されて液の色が茶褐色(透過率:19.4%)から淡褐色(同:34.1%/1%添加処理)になり、その点でも商品価値が高められた。
現在市場に出回っている魚醤油は、何れもかなり独特の臭みを伴うものであり、日本人にはなかなか馴染めないものであるが、このように本発明の製剤による吸着・脱臭処理を行うことにより、従来品の一部の愛好家のみならず、多くの消費者に受け入れられる魚醤油を調製することも可能となる。
【0045】
本発明のシリカ・マグネシア系製剤は、粉末法X線回折により、図2に示すようなX線回折像を示し、前記のような微小三層構造の形成は、かかるX線回折像において、回折角2θ(Cu−Kα線)が20±1度、35±1度及び61±1度にそれぞれ低強度で幅広のピークを示すことから確認することができる。また、各ピークが幅広でブロードであることから、ケイ酸マグネシウムの結晶が生成しておらず、Rが10以上では主にブロードなシリカの非晶質ラインを示すことから、本発明の製剤は、実質上、半晶質もしくは非晶質であることが判る。
【0046】
[好ましい特性]
このように、本発明のシリカ・マグネシア系製剤は、シリカ成分とマグネシア成分とを一定の量比で含有し、且つシリカ成分層がマグネシア成分層をサンドイッチした微小三層構造をシリカの微粒子からなるマトリックス相が包含した状態を形成していることから、0.15mmol/g以上、好ましくは0.20mmol/g以上、特に好ましくは0.27mmol/g以上のメチレンブルー吸着能、且つ、3.6mg/g以上の揮発性塩基吸着能を示し、各種液状食品、特に繰返し使用後の揚油や各種調味液などの褐変・着色の度合を低減し、醗酵調味液や魚油などの塩基性成分を有効に吸着除去することができるため、広く液状食品の精製や風味改善の用途に極めて有利に適用される。
【0047】
本発明のシリカ・マグネシア系製剤は、そのシリカ成分とマグネシア成分が互いに緊密に複合しており、且つシリカのマトリックス相に包含されているため、その懸濁液のpHが9.0以下、更に8.2乃至8.8、特に8.2乃至8.5の範囲にあることが好ましい。
【0048】
本発明のシリカ・マグネシア系製剤は、褐変・着色成分及び/又は揮発性塩基成分、そして他の不純物(例えば遊離脂肪酸や鉄分)をも安定に吸着除去し得るという点で、比表面積が330m/g以上、且つ2%懸濁液のpHが9.0以下であることが好適である。
【0049】
[好ましい剤形]
本製剤は、5μm未満の粒子含有率が20体積%以下、更に12体積%以下、特に10体積%以下の粒度分布を有している粉末であることが好ましい。即ち、5μm未満の粒子含有率が上記範囲である粉末を用いることにより、安定して均一な精製処理(吸着処理)を行うことができ、処理後の液(食用油等)のろ過性を高め、製剤を容易に分離することが可能となる。
【0050】
また、上記のような粒度分布を有する粉末として使用する代わりに、直径もしくは長径が5μm乃至5mmである球状もしくは楕円球状、或いは径が0.5mm以上で且つ軸長が50mm以下の円柱形状粒子として使用することもできる。即ち、このような大きさで所定形状の粒状物として使用することによっても、ろ過性等を高めることができる。
かくして得られるろ過性の良好なシリカ・マグネシア系製剤は、例えば使用途中における揚油に0.5〜3.0%の濃度で添加して吸着・ろ過するバッチ処理のみならず、揚油の循環乃至は流通ろ過による断続若しくは連続処理への利用が可能である。
【0051】
[シリカ・マグネシア系製剤の製法]
繰り返し使用された食用油の再生に用いる本発明のシリカ・マグネシア系製剤を製造するためには、原料として、(A)二酸化ケイ素(シリカ)と(B)酸化マグネシウム(マグネシア)もしくはその水和物とを使用する。これらは、何れも食品製造用のろ過助剤もしくは吸着剤として認可されており、従って、これらの使用により食品への使用が制限されることはない。
【0052】
また、シリカ(A)及びマグネシアもしくはその水和物(B)としては、後述するナノ粒子化が容易となるものを選択するのがよい。
例えば、シリカとしては非晶質の含水タイプのものが好適であり、ゲル法或いは沈降法の何れで製造されたものであってもよいが、一次粒子の小さいものが好適であり、比表面積が150m/g以上、特に300m/g以上であるものが好適である。
またマグネシア或いはその水和物としては、結晶子の小さいものが好ましく、且つ経時による炭酸化が進んでいないものがよい。比表面積が50m/g以上、特に100m/g以上である粉末が好適に使用される。
【0053】
上記のシリカ(A)とマグネシアもしくはその水和物(B)は、既に述べた通り、重量比R(Sw/Mw)が10≦R≦20の範囲となる割合で使用する。即ち、このような量割合で使用することにより、種々の特性がバランスよく発現し、種々の成分、特に褐変・着色成分や揮発性塩基成分に対する優れた吸着特性を確保することができる。
【0054】
本発明においては、上記のシリカ(A)とマグネシアもしくはその水和物(B)とを、水分の存在下で均質に混合して水性スラリーを調製し、次いで熟成を行い、さらに、水分を除去することにより、目的とするシリカ・マグネシア系食品精製用製剤を得ることができる。
【0055】
水性スラリーの調製において、各原料(A)、(B)や水の投入順序等に制限はないが、凝集やゲル化現象(増粘)が起こると、前述した微細粒子化(ナノ粒子化)や微小三層構造化等の進行が妨げられるおそれがある。このために、水性スラリーの固形分濃度は低い方が好ましいが、生産性や経済性の見地からは固形分濃度は高い方がよい。従って、固形分濃度は3乃至15重量%、特に8乃至13重量%の範囲に設定する。
【0056】
また、ゲル化は加熱によっても生じやすくなるため、上記のような均質混合及び熟成は、50乃至97℃の温度で行う。
【0057】
原料(A)及び(B)の均一混合による水性スラリーの調製及び熟成は、攪拌翼を備えた攪拌槽中で攪拌下に行うのが一般的であるが、湿式ボールミルやコロイドミルによる粉砕もしくは分散下で行うこともできる。
熟成は、前述したナノ粒子化(微細粒子化)及びシリカ粒子の層状配向化を十分に行うための工程であり、水性スラリーの調製のための均質混合及び熟成は、温度やスラリーの仕込み容量等によっても異なるが、少なくとも1時間は必要である。また、温度が高いほど短時間で行うことができる。一般には、1乃至24時間、特に3乃至10時間程度かけて混合及び熟成が行われる。
【0058】
熟成後の水分除去は、スプレー乾燥機やスラリー乾燥機等を用いての蒸発乾燥により行われるが、ろ過や遠心分離等の手段によりある程度の脱水を行った後に、箱形乾燥機、バンド乾燥機、流動層乾燥機等を用いて乾燥を行ってもよい。
【0059】
上記のようにして、例えば水分含有率が10重量%以下であり、脱水により原料粒子である二酸化ケイ素(シリカ)粒子とマグネシア粒子とが緊密に複合化し、シリカ成分層がマグネシア成分層をサンドイッチした微小三層構造をシリカの微粒子からなるマトリックス相が包含した状態のシリカ・マグネシア系製剤が、顆粒状、粉状、ケーキ状或いは団塊状で得られる。
これらは、必要により、粉砕・分級、或いは成形を行い、所望の粒子形状として、例えば食品精製の用途に供される。
【0060】
上記の粉砕は、それ自体公知の乾式粉砕法により行うことができ、例えばアトマイザーの如き衝撃式粉砕機や、乾式ボールミル、ローラーミル、ジェットミルなどを用いて行なうことができる。
また、分級は、通常の乾式分級機を用い、重力分級、遠心分級、慣性分級等によって行われる。
このような粉砕及び分級によって、例えば5μm未満の微細粒子含有率が20体積%以下の粉末の形で、本発明のシリカ・マグネシア系製剤が得られる。
【0061】
また、成形は、転動造粒、流動層造粒、攪拌造粒、解砕造粒、圧縮造粒、押出造粒等、任意の方法で行うことができるが、一般的には、粒があまり硬くならず、且つ容易に粉化しない程度の強度を有するように成形されるのがよい。このような成形により、例えば、直径もしくは長径が5μm乃至5mmである球状もしくは楕円球状、或いは径が0.5mm以上で、且つ軸長が50mm以下の円柱形状粒子の形で、本発明のシリカ・マグネシア系製剤が得られる。
【0062】
このようにして得られる本発明のシリカ・マグネシア系製剤は、既に述べた通り、食品添加物として認可されているシリカ及びマグネシア成分からなり、種々の不要成分に対する吸着性に優れており、特に、シリカ成分層がマグネシア成分層をサンドイッチした微小三層構造部分をシリカの微粒子からなるマトリックス相が包含した状態を形成していることから、メチレンブルー吸着能と揮発性塩基吸着能が著しく高く、繰返し使用により劣化し、褐変・着色の進んだ揚油の再生に使用される。
【0063】
また、シリカ/マグネシア重量比Rが異なる他のシリカ・マグネシア製剤、例えばRが0.1〜1.9の脂肪酸吸着能の高いシリカ・マグネシア製剤や、Rが1.3〜3.0の鉄分吸着能の高いシリカ・マグネシア製剤を適宜組み合わせて併用したり、一般に吸着剤やろ過助剤として食品精製用に使用されている前記の活性白土や活性炭などと併用することによって、劣化食用油の各種不純物を広範に低減し、より高度な再生処理を行うことができることもできる。
また、必要に応じて、セピオライト、アタパルジャイト、ドーソナイト及びこれらの焼成物を本発明のシリカ・マグネシア系製剤に加えることにより、粒子強度を向上させることもできる。
さらには、本発明のシリカ・マグネシア系製剤を、酸化防止剤、例えばハーブ抽出油、L−アスロルビン酸ステアレート、トコフェノール、ポリフェノール、エピグロカテキンガレート、クエン酸イソプロピル、BHT、BHA、セザモール、セザモリン、γ−オリザノール、没食子酸プロピルなどと併用することもできる。
以下に、本発明の実施例について述べる。
【0064】
[試験方法]
本明細書における各特性項目の試験方法は以下によった。
1.メチレンブルー吸着能
本実施例におけるメチレンブルー吸着能は、0.01M濃度のメチレンブルー水溶液から、1gの試料が吸着できるメチレンブルーのmmol数で定義され、日本粘土学会編・粘土ハンドブック第二版(p.580-581)に記載の[II.3.3.6.b.メチレンブルー吸着量]の項を参考にした下記の方法により測定し、算出した。
先ず、メチレンブルー三水和物(試薬特級、和光純薬工業(株)製)を水に溶かし、0.01M濃度のメチレンブルー水溶液を得る。
次に、試験粉末である乾燥試料(110℃×2hr.)0.50gを三角フラスコに秤取し、水50mLを加えてよく振り混ぜる。試料を水によくなじませた後(約15分後)、0.01Mメチレンブルー水溶液にて滴定する。上記[II.3.3.6.b.メチレンブルー吸着量]の項に記載された方法により終点における滴定量を求め、A(mL)とする。
このとき、試料のメチレンブルー吸着能を下記式により求めた。
メチレンブルー吸着能=A×0.02 (単位:mmol/g)
【0065】
2.着色度低減率
実際の繰返し使用により上昇した揚油の着色度(吸光度B)の、その揚油100部に対して1部の割合で試料を加えて脱色処理したときの着色度(吸光度C)への低減率を下記式により求めた。
着色度低減率=(B−C)×100/B
但し、本実施例においては、M社員食堂で繰返し使用された揚油(吸光度B=0.532)が被試験油として用いられた。
また、脱色処理は、上記揚油30gを試験管に秤量し、試験粉末である乾燥試料(110℃×2hr.)0.30gを加えて油浴中で加熱撹拌(110℃×250rpm×20min.)して行い、油の吸光度は、光電比色計(株)平間理化研究所製平間式光電比色計2C型)により測定した。測定条件は下記のとおりである。
色波長範囲:370〜1,000 nm
光 路 長:20 mm(角型セル)
【0066】
3.揮発性塩基吸着能
本実施例における揮発性塩基吸着能は、0.01mol/L濃度の揮発性塩基窒素(アンモニア−トリメチルアミン)溶液100mLから、1gの試料が吸着できる揮発性塩基窒素のmg数で定義され、衛生薬学委員会・試験法担当会議が定めた衛生試験法を参考にした下記の方法により測定し、算出した。
先ず、スクロース(試薬特級、和光純薬工業(株)製)を所定の半量の水に溶かした後、揮発性塩基窒素として1Nアンモニア水(試薬、同(株)製)および30%トリメチルアミン溶液(試薬、同(株)製)を等モルの所定量加え、さらに水を加えて全量を調整し、0.01mol/L濃度の揮発性塩基窒素(アンモニア−トリメチルアミン)溶液を得る。
本溶液(0.01mol/L揮発性塩基窒素溶液)1.00mLをホールピペットでコンウェイ拡散器の外室に精密に注入し、内室には0.005mol/L H2SO4 1.00mLをBangビュレットで精密に注入する以外は、日本薬学会編・衛生試験法・注解2000(p.171)に記載の[2.1.2.3-1)-(1)拡散法による定量]の方法と同様の操作で行う。但し、最後の滴定は、直に内室でではなく、内室液をマイクロビュレットで0.60mL分取し、蒸留水10mLで希釈後、0.01mol/L NaOH溶液(ファクター=F)で行い、滴定量をD(mL)とする。
次に、本溶液(0.01mol/L揮発性塩基窒素溶液)50mLを共栓付三角フラスコに正しく量りとり、試験粉末である乾燥試料(110℃×2hr.)0.50gを加えて、常温で2時間振とうする。遠心分離によって得られる清澄な被試験液1.00mLをホールピペットでコンウェイ拡散器の外室に精密に注入し、以後は前段と全く同様に操作して、最後に0.01mol/L NaOH溶液(ファクター=F)で滴定を行い、滴定量をE(mL)とする。
このとき、試料(固体)による揮発性塩基の吸着の後において固体部分以外の全溶液部分における揮発性塩基の濃度が均一であること、全溶液部分の容量の変化は無視できること、および、試験中における揮発性塩基の系外への散逸がないか無視できることを仮定して、試料の揮発性塩基吸着能は、塩基分を窒素原子(N)換算して、下記式により求めた。
揮発性塩基吸着能=(E−D)×F×14/0.6 (単位:mg/g)
【0067】
4.比表面積
本実施例においては、各粉体の比表面積を窒素ガスの吸着による所謂BET法によって測定した。BET理論について、詳しくは次の文献を参照のこと。
S. Brunauer, P.H.Emmett, E.Teller, J. Am.Chem. Soc., Vol.60, 309(1938)
なお、本明細書における比表面積の測定は、通常、試料0.10〜0.15g前後を全自動表面積測定装置(ユアサアイオニクス(株)製マルチソーブ12)に装着の吸着試料管に入れ、110℃の恒温乾燥器中で2時間乾燥し、直ちに重量を精秤する。150℃(マントルヒーター設定温度:191℃)で所定の脱気処理をしたのち、窒素ガスを導入し、同装置のプログラムにしたがって比表面積を測定した。
【0068】
5.pH
本実施例においては、110℃で2時間乾燥した試料1gをビーカーに秤りとり、新たに煮沸により脱炭酸した蒸留水を加えて全量を50gとする。超音波をあてて1分間分散処理をし、1時間静置後、ガラス棒で軽く撹拌して2%懸濁液となし、ガラス電極式水素イオン濃度計(堀場製作所(株)製M−12)により25℃におけるpH値(自動校正)を測定した。
【0069】
6.粉末法X線回折
本実施例においては、理学電機(株)製X線回折装置(RINT2000システム)を用いて、Cu−Kαにて測定した。回折条件は下記のとおりである。
ターゲット: Cu
フィルター: 湾曲結晶グラファイトモノクロメーター
検出器: シンチレーションカウンター
電圧: 40 kV
電流: 20 mA
走査速度: 3°/min
ステップサンプリング: 0.05°
スリット: DS1° RS 0.15mm SS 1°
照角: 6°
【0070】
[実施例1]〜[実施例10]
シリカ原料として市販の二酸化ケイ素(水澤化学工業(株)製ミズカソーブC−1)、マグネシア原料として市販の酸化マグネシウム(神島化学工業(株)製スターマグU)を用い、実施例1〜10において、前記請求項1で定義した重量比(R)が、それぞれ、R=2.1、R=2.3、R=3.0、R=4.0、R=5.0、R=7.5、R=10、R=15、R=20、R=50となり、且つ両原料のSiO換算でのシリカ成分含有量とMgO換算でのマグネシア成分含有量の合量が150gとなるように原料を量りとる。次に、容量2Lのステンレススチール製タンクに、後から加える粉末原料との合量が1,150gとなるように水道水をいれ、撹拌下、予め量りとった粉末原料を少しずつ加えいれる(固形分濃度:13%)。撹拌を続け、加熱により約15分で95℃まで昇温し、以後10時間かけて均質混合及び熟成を行う。スラリーを減圧ろ過により脱水し、得られたケーキを電気乾燥器にいれ、110℃で乾燥する。最後に乾燥ケーキをサンプルミル(ハンマーミル型粉砕機)で粉砕し、それぞれ、白色の微粉末を得た。
実施例1〜10によって得られた粉末試料の前記試験方法によって測定された各種特性を表1に示した。(尚、実施例1〜6及び実施例10は、本発明の範囲外の参考例であり、実施例7〜9が本発明例である。
繰返し使用された揚油の精製処理の一つの応用例であり、着色度低減を目的にした脱色処理は1%添加によるものであったが、本実施例のシリカ・マグネシア系製剤によれば、10〜24%の着色度低減率を示した。活性白土などによる原料油脂の精製工程では、2〜3%添加処理が普通であるが、本実施例の製剤においても、例えば2〜3%の添加により揚油を処理した場合は、さらに格段の効果を発揮することが期待できる。
【0071】
[比較例1]
市販の酸化マグネシウム(神島化学工業(株)製スターマグU)である。
[比較例2]〜[比較例4]
実施例1〜10における重量比(R)を、それぞれ、R=1.7、R=1.9、R=100に代える以外は同様の操作によりおこなった。
[比較例5]
市販の二酸化ケイ素(水澤化学工業(株)製ミズカソーブC-1)である。
[比較例6]、[比較例7]
比較例1の酸化マグネシウムと比較例5の二酸化ケイ素の各粉末を、重量比(R)が、それぞれ、R=4.0、R=50となる割合で、撹拌式小型ミキサーにより乾式混合することによって得た。
比較例1〜7による粉末試料の各種特性も表1に示した。
【0072】
【表1】
Figure 0004503244
【0073】
【発明の効果】
本発明のシリカ・マグネシア系製剤は、食品添加物として認可されているシリカ及びマグネシア成分からなっているため、食品用途への使用が制限されることがない。
また、シリカ成分層がマグネシア成分層をサンドイッチした微小三層構造部分をシリカの微粒子からなるマトリックス相が包含した状態を形成していることから、メチレンブルー吸着能と揮発性塩基吸着能が著しく高いという特性を有している。従って、褐変・着色成分を多く含む繰返し使用により劣化した食用油の再生に使用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシリカ・マグネシア系製剤におけるナノ複合化と構造について模式的に表した図である。
【図2】実施例1、実施例5、実施例9、比較例1及び比較例5による各粉末試料の粉末法X線回折像である。

Claims (4)

  1. シリカ成分とマグネシア成分とを、下記式:
    R=Sw/Mw
    式中、Swは、SiO換算でのシリカ成分の含有量であり、
    Mwは、MgO換算でのマグネシア成分の含有量である、
    で表される重量比(R)が10≦R≦20の範囲となる割合で含有し、粉末法X線回折像においてケイ酸マグネシウムに由来する回折ピークを示さず、且つシリカ成分層がマグネシア成分層をサンドイッチした三層構造部分をシリカの微粒子からなるマトリックス相が包含した状態を形成しており、0.15mmol/g以上のメチレンブルー吸着能、且つ窒素原子(N)換算で3.6mg/g以上の揮発性塩基吸着能を有していることを特徴とする繰り返し使用された食用油の再生に用いるシリカ・マグネシア系製剤。
  2. 粉末法X線回折像において、回折角2θ(Cu−Kα線)が22±1度にシリカマトリックス相の非晶質構造に基づくピークを示す請求項1に記載のシリカ・マグネシア系製剤。
  3. 比表面積が330m/g以上、且つ2%懸濁液のpHが9.0以下である請求項1または2記載のシリカ・マグネシア系製剤。
  4. (A)二酸化ケイ素と(B)酸化マグネシウムもしくはその水和物とを、下記式:
    R=Sw/Mw
    式中、Swは、SiO換算でのシリカ成分の含有量であり、
    Mwは、MgO換算でのマグネシア成分の含有量である、
    で表される重量比(R)が10≦R≦20の範囲となるように、且つ固形分濃度が3乃至15重量%の範囲となるような量の水の存在下で、少なくとも1時間以上をかけて50乃至97℃の温度で混合し熟成する工程と、熟成後、水分を除去する工程とからなることを特徴とする請求項1に記載の繰り返し使用された食用油の再生に用いるシリカ・マグネシア系製剤の製造方法。
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