JP4831517B1 - 劣化食用油用再生剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ケイ酸マグネシウムを含む劣化食用油用再生剤であって、前記ケイ酸マグネシウムは、(1)3八面体型スメクタイト族粘土鉱物の結晶系であり、(2)X線回折測定において、2θ=18〜20度のピークにおける積分強度Iaと2θ=26〜28度のピークにおける積分強度Ibとの比率Ib/Iaが1〜2であり、(3)SiO2/MgOモル比(X)が1.2〜3.8であることを特徴とする劣化食用油用再生剤に係る。
【選択図】なし
Description
1. ケイ酸マグネシウムを含む劣化食用油用再生剤であって、
前記ケイ酸マグネシウムは、
(1)3八面体型スメクタイト族粘土鉱物の結晶系であり、
(2)X線回折測定において、2θ=18〜20度のピークにおける積分強度Iaと2θ=26〜28度のピークにおける積分強度Ibとの比率Ib/Iaが1〜2であり、
(3)SiO2/MgOモル比(X)が1.2〜3.8である
ことを特徴とする劣化食用油用再生剤。
2. 前記ケイ酸マグネシウムのBET比表面積が400m2/g以上である、前記項1に記載の劣化食用油用再生剤。
3. t−プロット法で算出した外部比表面積が全比表面積の40%以上を占める、前記項2に記載の劣化食用油用再生剤。
4. t−プロット法で算出した外部比表面積が全比表面積の60%以上を占める、前記項2に記載の劣化食用油用再生剤。
5. さらにケイ酸カルシウムを含む、前記項1に記載の劣化食用油用再生剤。
6. ケイ酸カルシウムの含有量が25重量%以下である、前記項5に記載の劣化食用油用再生剤。
7. さらにカルシウム化合物(但し、ケイ酸カルシウムを除く。)を含む、前記項1に記載の劣化食用油用再生剤。
8. カルシウム化合物の含有量が酸化カルシウム換算で7重量%以下である、前記項7に記載の劣化食用油用再生剤。
9. 前記項1に記載の劣化食用油用再生剤と、200℃以下の温度に加熱された劣化食用油とを接触させる工程を含むことを特徴とする劣化食用油の再生方法。
10. 劣化食用油用再生剤を製造する方法であって、
1)マグネシウムイオンを含む溶液とケイ酸ナトリウム溶液を酸性下で混合することにより酸性混合液を得る工程、
2)得られた酸性混合液にアルカリを添加することにより沈殿物を得る工程、
3)前記沈殿物を70℃以上で熟成することによりケイ酸マグネシウムを得る工程
4)前記ケイ酸マグネシウムを含む水性スラリーにケイ酸ナトリウム溶液を混合することにより混合物を得る工程及び
5)前記混合物に酸を添加する工程
を含むケイ酸マグネシウムの製造方法。
11. 劣化食用油用再生剤を製造する方法であって、ケイ酸マグネシウムを含む水性スラリーにケイ酸ナトリウム溶液を混合することにより混合物を得る工程及び前記混合物に酸を添加する工程を含むケイ酸マグネシウムの製造方法。
本発明の劣化食用油用再生剤(以下「本発明再生剤」ともいう。)は、ケイ酸マグネシウムを含む劣化食用油用再生剤であって、
前記ケイ酸マグネシウムは、
(1)3八面体型スメクタイト族粘土鉱物の結晶系であり、
(2)X線回折測定において、2θ=18〜20度のピークにおける積分強度Iaと2θ=26〜28度のピークにおける積分強度Ibとの比率Ib/Iaが1〜2であり、
(3)SiO2/MgOモル比(X)が1.2〜3.8である
ことを特徴とする。
本発明の再生剤は、本発明ケイ酸マグネシウムを調製する工程を含むことを特徴とするものである。すなわち、1)マグネシウムイオンを含む溶液とケイ酸ナトリウム溶液を酸性下で混合することにより酸性混合液を得る工程(第1工程)、2)得られた酸性混合液にアルカリを添加することにより沈殿物を得る工程(第2工程)、3)前記沈殿物を70℃以上で熟成することによりケイ酸マグネシウムを得る工程(第3工程)を含む製造方法によって、本発明ケイ酸マグネシウムを好適に得ることができる。
第1工程では、マグネシウムイオンを含む溶液とケイ酸ナトリウム溶液を酸性下で混合することにより酸性混合液を得る。
第2工程では、得られた酸性混合液にアルカリを添加することにより沈殿物を得る。第2工程で生成される沈殿物は、主として水酸化マグネシウムを含むものである。アルカリは公知のものを使用すれば良く、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水等を用いることができ、これらは溶液(又は水溶液)の形態で用いることが望ましい。また、アルカリの添加量は、所定の沈殿物が生成されるまで添加すれば良い。
第3工程では、前記沈殿物を70℃以上で熟成することによりケイ酸マグネシウムを得る。この場合、前記沈殿物としては、例えば、第2工程で得られた沈殿物を含むスラリーをそのまま第3工程に供しても良いし、第2工程で得られた沈殿物をスラリーから回収し、前記沈殿物を水に分散させて得られる水性スラリーを第3工程に供することもできる。
本発明の製造方法では、第3工程の熟成後の精製処理に先立って、未反応のマグネシウムイオンが共存する場合は、必要に応じて次のような追加工程を実施することもできる。すなわち、(1)ケイ酸マグネシウムの水性スラリーにケイ酸ナトリウム溶液を混合することにより混合物を得る工程(追加工程1)及び(2)前記混合物に酸を添加する工程(追加工程2)を実施することができる。この後処理により、Mg含有量等をコントロールすることができる。
5L容量タンクにおいて塩化マグネシウム(MgO固形分:105.6g)を水道水1Lに溶解した。得られた水溶液に対し、3号ケイ酸ナトリウム739g(SiO2固形分:214.4g)に水道水を加え、全量を2Lとした希釈溶液と薄硫酸(70重量%硫酸)とをpH2〜3となるように同時滴下を行った後、48%水酸化ナトリウム436.7gに水道水を加え、全量を500mlとした希釈溶液を滴下し、反応生成物を得た。反応生成物を92℃まで加温した後、92℃にて5時間熟成を行った。反応生成物をろ過・水洗して、得られたケーキを乾燥機に入れ、100℃で乾燥し、ケイ酸マグネシウム粉末(SiO2/MgOモル比X=1.2)を得た。
実施例1の加温前の反応生成物600mLを容量1LのTAS−09−20−300型耐圧反応容器(耐圧ガラス工業株式会社製)に投入し、撹拌しながら200℃まで加温し、200℃にて4時間水熱処理を行った。反応生成物をろ過・水洗し、得られたケーキを乾燥機に入れ、100℃で乾燥し、ケイ酸マグネシウム粉末(SiO2/MgOモル比X=1.2)を得た。
5L容量タンクにおいて塩化マグネシウム(MgO固形分:91.5g)を水道水1Lに溶解した。得られた水溶液に3号ケイ酸ナトリウム788g(SiO2固形分:228.5g)に水道水を加え、全量を2Lとした希釈溶液と薄硫酸(70重量%硫酸)とをpH2〜3となるように同時滴下を行った後、48%水酸化ナトリウム378.4gに水道水を加え、全量を500mlとした希釈溶液を滴下し、反応生成物を得た。反応生成物を92℃まで加温した後、92℃にて5時間熟成を行った。反応生成物をろ過・水洗し、得られたケーキを乾燥機に入れ、100℃で乾燥し、ケイ酸マグネシウム粉末(SiO2/MgOモル比X=1.6)を得た。
実施例2と同様にして、実施例3で得られた加温前の反応生成物の水熱熟成を行った。これによりケイ酸マグネシウム(SiO2/MgOモル比X=1.6)を得た。
5L容量タンクにおいて塩化マグネシウム(MgO固形分:80g)を水道水1Lに溶解させた。得られた水溶液に3号ケイ酸ナトリウム827.6g(SiO2固形分:240g)に水道水を加え、全量を2Lとした希釈溶液と薄硫酸(70重量%硫酸)とをpH2〜3となるように同時滴下を行った後、48%水酸化ナトリウム330.8gに水道水を加え、全量を500mlとした希釈溶液を滴下し、反応生成物を得た。反応生成物を92℃まで加温した後、92℃にて5時間熟成を行った。反応生成物をろ過・水洗し、得られたケーキを乾燥機に入れ、100℃で乾燥し、ケイ酸マグネシウム粉末(SiO2/MgOモル比X=1.9)を得た。
実施例2と同様にして、実施例5で得られた加温前の反応生成物の水熱熟成を行った。これによりケイ酸マグネシウム(SiO2/MgOモル比X=1.9)を得た。
5L容量タンクにおいて塩化マグネシウム(MgO固形分:67.6g)を水道水1Lに溶解させた。得られた水溶液に3号ケイ酸ナトリウム874.5g(SiO2固形分:253.6g)に水道水を加え、全量を2Lとした希釈溶液と薄硫酸(70重量%硫酸)とをpH2〜3となるように同時滴下を行った後、48%水酸化ナトリウム279.6gに水道水を加え、全量を500mlとした希釈溶液を滴下し、反応生成物を得た。反応生成物を92℃まで加温した後、92℃にて5時間熟成を行った。反応生成物をろ過・水洗して、得られたケーキを乾燥機に入れ、100℃で乾燥し、ケイ酸マグネシウム粉末(SiO2/MgOモル比X=2.5)を得た。
実施例2と同様にして、実施例7で得られた加温前の反応生成物の水熱熟成を行った。これによりケイ酸マグネシウム(SiO2/MgOモル比X=2.5)を得た。
25L容量タンクにおいて塩化マグネシウムを(MgO固形分:330g)になるように水道水10Lで溶解した。溶解液に3号ケイ酸ナトリウム2215.8g(SiO2固形分:642.5g)に水道水を加え、全量を3.6Lとした希釈溶液と薄硫酸(70重量%硫酸)とをpH2〜3となるように同時滴下を行った後、48%水酸化ナトリウム1064.4gに水道水を加え、全量を1.8Lとした希釈溶液を滴下した。反応生成物を92℃まで加温した。92℃にて2時間熟成を行った。熟成後、3号ケイ酸ナトリウム1241.4g(SiO2固形分:360g)に水道水を加え、全量を2Lとした希釈溶液を滴下した。滴下後、薄硫酸252g(70重量%硫酸)を滴下した。反応生成物をろ過・水洗し、得られたケーキを乾燥機に入れ、100℃で乾燥し、ケイ酸マグネシウム粉末(SiO2/MgOモル比X=2.5)を得た。
実施例2と同様にして、実施例9で得られた加温前の反応生成物の水熱熟成を行った。これによりケイ酸マグネシウム(SiO2/MgOモル比X=2.5)を得た。
5L容量タンクにおいて塩化マグネシウム(MgO固形分:51.2g)を水道水1Lで溶解した。溶解液に3号ケイ酸ナトリウム926.9g(SiO2固形分:268.8g)に水道水を加え、全量を2Lとした希釈溶液と薄硫酸(70重量%硫酸)とをpH2〜3となるように同時滴下を行った後、48%水酸化ナトリウム211.7gに水道水を加え、全量を500mlとした希釈溶液を滴下し、反応生成物を得た。反応生成物を92℃まで加温した後、92℃にて5時間熟成を行った。反応生成物をろ過・水洗し、得られたケーキを乾燥機に入れ、100℃で乾燥し、ケイ酸マグネシウム粉末(SiO2/MgOモル比X=3.2)を得た。
実施例2と同様にして、実施例11で得られた加温前の反応生成物の水熱熟成を行った。これによりケイ酸マグネシウム(SiO2/MgOモル比X=3.2)を得た。
実施例1〜12で得られた各試料について、表1に示すような物性の測定を実施した。また、比較のため、下記(1)のような比較サンプルについても同様の測定を行った。なお、測定方法は、下記(2)の方法によって実施した。
比較例1:市販のケイ酸マグネシウム系再生剤(商品名「Magnesol」米DALLAS社製)(非晶質)
比較例2:合成サポナイト(日本粘土学会)
比較例3:タルク(試薬 和光純薬工業)(3八面体型に属するがスメクタイト族に属しない)
比較例4:モンモリロナイト(試薬 和光純薬工業)(スメクタイト族に属するが2八面体型となる)
以下の方法によってそれぞれの試験を行った。
まず、X線回折測定を以下の測定条件で実施した。
装置 : 株式会社リガク製X線回折装置(RINT2000)
X線 : Cu−Kα
フィルター : 使用しない
カウンター : シンチレーションカウンター
電圧 : 40kV
電流 : 20mA
走査速度 : 3.00°/分
サンプリングステップ: 0.050°
発散スリット : 1deg
散乱スリット : 1deg
受光スリット : 0.15mm
次いで、多重ピーク分離を行った。多重ピーク分離法は、重なり合った複数のピークからなるプロファイルを適当な関数で近似し、そのパラメータからそれぞれのピークの位置、強度、半価幅、積分強度などを算出することを目的とする手法である。なお、X線回折の測定は「RINT2000」(株式会社リガク)を用い、上記のデーター解析は付属の応用ソフトウエアを用いて行った。3八面体型スメクタイト族のサポナイトのX線回折結果をもとにピーク位置を特定し、上記サポナイトから得られた2θ=19°付近のピーク(19°±1°)、2θ=27°付近のピーク(27°±1°)、2θ=34°付近のピーク(34°±1°)、2θ=38°付近のピーク(38°±1°)、2θ=52°付近のピーク(52°±1°)、2θ=60°付近のピーク(60°±1°)と非晶質二酸化ケイ素22.5°のハローピークを対象に実施例及び比較例の各試料について多重ピーク分離法を行った。得られたピーク分離法の結果から、2θ=19°付近のピークの積分強度Iaと、2θ=27°付近のピークの積分強度Ibとをそれぞれ算出し、その比率Ib/Iaを求めた。
測定装置としてQuantachrome社製の高速比表面積・細孔分布測定装置「NOVA4000e型」を用いた。試料の前処理として、試料0.05gを正確に測り、試験管に封入し、105℃で3時間脱気を行った。比表面積の測定は、前処理終了後、液体窒素ガス温度下で窒素ガスの吸着等温線を求め、その吸着等温線を用いて多点BET法により比表面積、t−プロット法より外部比表面積を算出した。
t−プロット法は、公知の技術であり、例えば文献[近藤精一他 化学セミナー16「吸着の科学」丸善株式会社、52−54頁、79−80頁]に詳細に記載されている。この文献から、t−プロット法は吸着膜の平均厚さ(t)を相対圧(P/P0)に対してプロットした標準等温線を使う。ここで、(t)は吸着膜中の平均吸着総数(V/Vm)と単分子層の厚さ(σ)の積で表され、吸着質が窒素分子である場合、σ=0.354nm、Vは窒素吸着量、Vmは窒素の単分子層吸着量で表される。吸着量(Vl)を(t)に対してプロットしたものがt−プロットであり、各試料の吸着等温線をde−Boreの標準等温線を用いて相対圧(P/P0)をtに変換してプロットした。
実施例の試料がミクロポアを有するため、t−プロットは座標原点を通る1本の直線にはならず、tの大きい箇所(すなわち、高圧部)では下方にずれた直線が得られる。tが大きい箇所の直線の傾きから外部表面積が求められる。
使用済み劣化油10gに再生剤0.1gを添加した後、150℃のオイルバス中、振とう器にて130回/分の条件で15分間振とうした。振とう後、直ちにメンブランフィルター(目開き0.8μm)にてろ過した。使用済み劣化油としては、酸価2.72の豆油(そら豆、コーン油)、酸価0.87の惣菜油(一般惣菜、大豆白絞油)を使用した。得られたろ過液の吸光度450nmを測定した。未処理劣化油10gをブランクとし、同様な処理を行ってろ過液の吸光度を測定した。これらの測定結果を下記式に導入して脱色率(%)を求めた。
・脱色率(%)=(ブランクの吸光度−処理後の吸光度)/ブランクの吸光度×100
使用済み劣化油10gに再生剤0.1gを添加した後、150℃のオイルバス中、振とう器にて130回/分の条件で15分間振とうした。振とう後、直ちにメンブランフィルター(目開き0.8μm)にてろ過した。使用済み劣化油としては、酸価2.72の豆油(そら豆 コーン油)、酸価0.87の惣菜油(一般惣菜、大豆白絞油)、モデル油(大豆油100gにオレイン酸0.9g及び大豆レシチン0.5gを加え、酸価が2.0になるように調整した油)を使用した。得られたろ過液1gを精密に量り、エタノール/ジエチルエーテル混合液(容積比1:1)50mLを加え、必要に応じて加温して溶かし、検液とした。冷却後、フェノールフタレイン試液数滴を加え、0.1mol/Lエタノール製水酸化カリウム溶液(本表記は食品添加物公定書の記載方法に準ずる。)で30秒間持続する紅色を呈するまで滴定し、下記式により酸価を求めた。ただし、使用する溶媒は、予め使用前にフェノールフタレイン試液を指示薬として30秒間持続する紅色を呈するまで0.1mol/Lエタノール製水酸化カリウム溶液を加えた。なお、脱酸価値及び酸価低減率は、それぞれ下記式により算出した。
・酸価=(0.1mol/Lエタノール製水酸化カリウム溶液の消費量(ml)×5.611)/(試料の採取量(g))
・脱酸価値=処理前の油の酸価値−処理後の油の酸価値
・酸価低減率=(処理前の油の酸価値−処理後の油の酸価値)/処理前の油の酸価値×100
シリカ原料として3号ケイ酸ナトリウム351.7g(SiO2換算102.0g)、カルシウム原料として水酸化カルシウム45.9g(CaO固形分34.0g)を量りとった(SiO2/CaO仕込み重量比(R)=3.0)。また、シリカゲル製造用に合成塩酸を水道水で2倍に希釈した(容積比1:1)塩酸を使用した。事前に3号ケイ酸ナトリウムに水道水を加え、全量を530mLとした3号ケイ酸ナトリウム希釈液、水酸化カルシウムについては水道水を加え、全量を460mLとした水酸化カルシウム懸濁液を調製した。次に、予め2500gの水道水を入れた容量5Lのステンレス鋼容器に3号ケイ酸ナトリウム希釈液を添加し、撹拌しながら加熱して約15分で65℃まで昇温した。昇温後、液のpHが7になるまで水で2倍希釈した塩酸を加え、シリカゲルを合成した。30分撹拌後、水酸化カルシウム懸濁液を添加した後、加熱により約15分で92℃まで昇温した。昇温後、92℃にて3時間熟成を行った。スラリーを減圧ろ過により脱水し、得られたケーキを乾燥機にいれ、100℃で乾燥し、ケイ酸カルシウム粉末(SiO2:64.68重量%、CaO:20.95重量%、SiO2/CaO重量比(R’)=3.1)を得た。このケイ酸カルシウムに実施例9のケイ酸マグネシウムを重量比(ケイ酸カルシウム:ケイ酸マグネシウム)が5:95になるように配合し、乾式混合することにより混合品を調製した。
実施例9のケイ酸マグネシウムと実施例13のケイ酸カルシウムを重量比(ケイ酸カルシウム:ケイ酸マグネシウム)が10:90になるように配合し、乾式混合することにより混合品を調製した。
実施例9のケイ酸マグネシウムと実施例13に記載されているケイ酸カルシウムを重量比(ケイ酸カルシウム:ケイ酸マグネシウム)が15:85になるように配合し、乾式混合することにより混合品を調製した。
実施例9のケイ酸マグネシウムと実施例13に記載されているケイ酸カルシウムを重量比(ケイ酸カルシウム:ケイ酸マグネシウム)が20:80になるように配合し、乾式混合することにより混合品を調製した。
実施例13〜16の試料について、使用済み劣化油としてモデル油(大豆油100gにオレイン酸0.9g及び大豆レシチン0.5gを加え、酸価が2.0になるように調整した油)を使用したほかは、試験例1の「C.脱色率」及び「D.酸価低減率」と同様の測定を実施した。また、白濁の有無についても調べた。白濁の有無は、目視により評価した。その結果を表2に示す。なお、表2には、実施例9の結果も併せて示す。
実施例9のろ過・水洗ケーキに水酸化カルシウム(CaO含量:74重量%)を換算物の重量比で酸化カルシウムとケイ酸マグネシウムとが3:97になるように配合し、固形分濃度10%になるように水で調整し、その懸濁液を乾燥機に入れ100℃で乾燥し、カルシウム含有ケイ酸マグネシウム粉末(SiO2/MgOモル比X=2.5、酸化カルシウム含有量=3重量%)を得た。
実施例9のろ過・水洗ケーキに水酸化カルシウム(CaO含量:74重量%)を換算物の重量比で酸化カルシウムとケイ酸マグネシウムが6:94になるように配合し、固形分濃度10%になるように水で調整し、その懸濁液を乾燥機に入れ100℃で乾燥し、カルシウム含有ケイ酸マグネシウム粉末(SiO2/MgOモル比X=2.5、酸化カルシウム含有量=6重量%)を得た。
実施例9のろ過・水洗前の反応生成物に水酸化カルシウム(CaO含量:74重量%)を換算物の重量比で酸化カルシウムとケイ酸マグネシウムが1:99になるように配合し、固形分濃度4%になるように水で調整し、その懸濁液をろ過・水洗して、得られたケーキを乾燥機に入れ100℃で乾燥し、カルシウム含有ケイ酸マグネシウム粉末(SiO2/MgOモル比X=2.5、酸化カルシウム含有量=1重量%)を得た。
実施例9のろ過・水洗前の反応生成物に水酸化カルシウム(CaO含量:74重量%)を換算物の重量比で酸化カルシウムとケイ酸マグネシウムが2:98になるように配合し、固形分濃度4%になるように水で調整し、その懸濁液をろ過・水洗して、得られたケーキを乾燥機に入れ100℃で乾燥し、カルシウム含有ケイ酸マグネシウム粉末(SiO2/MgOモル比X=2.5、酸化カルシウム含有量=2重量%)を得た。
実施例9のろ過・水洗前の反応生成物に水酸化カルシウム(CaO含量:74重量%)を換算物の重量比で酸化カルシウムとケイ酸マグネシウムが3:97になるように配合し、固形分濃度4%になるように水で調整し、その懸濁液をろ過・水洗して、得られたケーキを乾燥機に入れ100℃で乾燥し、カルシウム含有ケイ酸マグネシウム粉末(SiO2/MgOモル比X=2.5、酸化カルシウム含有量=3重量%)を得た。
実施例17〜21の試料について、使用済み劣化油として酸価2.72の豆油を使用したほかは、試験例1の「C.脱色率」及び「D.酸価低減率」と同様の測定を実施した。その結果を表3に示す。なお、表3には、実施例9及び比較例1の結果も併せて示す。
25L容量タンクにおいて塩化マグネシウムを(MgO固形分:493.8g)になるように水道水10Lで溶解した。溶解液に3号ケイ酸ナトリウム2215.8g(SiO2固形分:642.5g)に水道水を加え、全量を3.6Lとした希釈溶液と薄硫酸(70重量%硫酸)とをpH2〜3となるように同時滴下を行った後、48%水酸化ナトリウム1742.0gに水道水を加え、全量を1.8Lとした希釈溶液を滴下した。反応生成物を92℃まで加温した。92℃にて2時間熟成を行った。熟成後、3号ケイ酸ナトリウム1241.4g(SiO2固形分:360g)に水道水を加え、全量を2Lとした希釈溶液を滴下した。滴下後、薄硫酸603g(70重量%硫酸)を滴下した。反応生成物をろ過・水洗し、得られたケーキを乾燥機に入れ、100℃で乾燥し、ケイ酸マグネシウム粉末(SiO2/MgOモル比X=2.1)を得た。
実施例2と同様にして、実施例22で得られた加温前の反応生成物の水熱熟成を行った。これによりケイ酸マグネシウム(SiO2/MgOモル比X=2.1)を得た。
25L容量タンクにおいて塩化マグネシウムを(MgO固形分:330g)になるように水道水10Lで溶解した。溶解液に3号ケイ酸ナトリウム2215.8g(SiO2固形分:642.5g)に水道水を加え、全量を3.6Lとした希釈溶液と薄硫酸(70重量%硫酸)とをpH2〜3となるように同時滴下を行った後、48%水酸化ナトリウム1064.4gに水道水を加え、全量を1.8Lとした希釈溶液を滴下した。反応生成物を92℃まで加温した。92℃にて2時間熟成を行った。熟成後、3号ケイ酸ナトリウム1241.4g(SiO2固形分:360g)に水道水を加え、全量を2Lとした希釈溶液を滴下した。滴下後、薄硫酸532g(70重量%硫酸)を滴下した。反応生成物をろ過・水洗し、得られたケーキを乾燥機に入れ、100℃で乾燥し、ケイ酸マグネシウム粉末(SiO2/MgOモル比X=3.7)を得た。
実施例22〜24の試料について、試験例1と同様の試験を実施した。その結果を表4に示す。
Claims (11)
- ケイ酸マグネシウムを含む劣化食用油用再生剤であって、
前記ケイ酸マグネシウムは、
(1)3八面体型スメクタイト族粘土鉱物の結晶系であり、
(2)X線回折測定において、2θ=18〜20度のピークにおける積分強度Iaと2θ=26〜28度のピークにおける積分強度Ibとの比率Ib/Iaが1〜2であり、
(3)SiO2/MgOモル比(X)が1.2〜3.8である
ことを特徴とする劣化食用油用再生剤。 - 前記ケイ酸マグネシウムのBET比表面積が400m2/g以上である、請求項1に記載の劣化食用油用再生剤。
- t−プロット法で算出した外部比表面積が全比表面積の40%以上を占める、請求項2に記載の劣化食用油用再生剤。
- t−プロット法で算出した外部比表面積が全比表面積の60%以上を占める、請求項2に記載の劣化食用油用再生剤。
- さらにケイ酸カルシウムを含む、請求項1に記載の劣化食用油用再生剤。
- ケイ酸カルシウムの含有量が25重量%以下である、請求項5に記載の劣化食用油用再生剤。
- さらにカルシウム化合物(但し、ケイ酸カルシウムを除く。)を含む、請求項1に記載の劣化食用油用再生剤。
- カルシウム化合物の含有量が酸化カルシウム換算で7重量%以下である、請求項7に記載の劣化食用油用再生剤。
- 請求項1に記載の劣化食用油用再生剤と、200℃以下の温度に加熱された劣化食用油とを接触させる工程を含むことを特徴とする劣化食用油の再生方法。
- 劣化食用油用再生剤を製造する方法であって、
1)マグネシウムイオンを含む溶液とケイ酸ナトリウム溶液を酸性下で混合することにより酸性混合液を得る工程、
2)得られた酸性混合液にアルカリを添加することにより沈殿物を得る工程、
3)前記沈殿物を70℃以上で熟成することによりケイ酸マグネシウムを得る工程
4)前記ケイ酸マグネシウムを含む水性スラリーにケイ酸ナトリウム溶液を混合することにより混合物を得る工程及び
5)前記混合物に酸を添加する工程
を含むケイ酸マグネシウムの製造方法。 - 劣化食用油用再生剤を製造する方法であって、ケイ酸マグネシウムを含む水性スラリーにケイ酸ナトリウム溶液を混合することにより混合物を得る工程及び前記混合物に酸を添加する工程を含むケイ酸マグネシウムの製造方法。
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