JP2010163569A - 劣化食用油用再生剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】より優れた脱酸能力を有する水酸化マグネシウム系劣化食用油用再生剤を提供する。
【解決手段】水酸化マグネシウムを含む劣化食用油用再生剤であって、当該水酸化マグネシウムの脱酸化能力が、酸価5.60のモデル油の当該酸価を25%以上低減できるものであることを特徴とする劣化食用油用再生剤に係る。
【選択図】なし
【解決手段】水酸化マグネシウムを含む劣化食用油用再生剤であって、当該水酸化マグネシウムの脱酸化能力が、酸価5.60のモデル油の当該酸価を25%以上低減できるものであることを特徴とする劣化食用油用再生剤に係る。
【選択図】なし
Description
本発明は、劣化食用油用再生剤に関する。より具体的には、フライビーンズ、惣菜等を揚げた後の劣化食用油を再生するための食用油用再生剤及び劣化食用油の再生方法に関する。
近年、コンビニエンスストアー、惣菜屋等の揚物をその場で調理して販売する食品営業では、食用油が多量に使用されている。このような食用油で惣菜等の揚種を揚げる場合、食用油は高温に曝されるとともに繰り返し使用されることになる。このため、食用油は、加水分解、酸化等を受けて劣化を生じる。その結果、食用油中に遊離脂肪酸が生成することにより酸価が上昇することとなる。常に新しい食用油を用いることが理想的であるが、そのようにすると調理コストの上昇が避けられない。このため、資源の有効利用、食品のリサイクル化の要請等も相まって、使用済み食用油(劣化食用油)については再生剤(脱酸剤)による再生も行われている。再生剤を用いた場合には食用油の酸価を下げることができ、再利用が可能となる。このような再生剤としては、従来よりシリカ、酸化マグネシウム等が用いられている(特許文献1、特許文献2等)。
これに対し、水酸化マグネシウム等を再生剤として用いることも提案されている。具体的には、酸化カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、合成フィロケイ酸マグネシウム、マグネシア、二酸化ケイ素および活性白土からなる群から選択される食用油の脱酸剤において、粒径が50〜200μmに造粒されてなることを特徴とする食用油の脱酸剤が開示されている(特許文献3)。
これに対し、水酸化マグネシウム等を再生剤として用いることも提案されている。具体的には、酸化カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、合成フィロケイ酸マグネシウム、マグネシア、二酸化ケイ素および活性白土からなる群から選択される食用油の脱酸剤において、粒径が50〜200μmに造粒されてなることを特徴とする食用油の脱酸剤が開示されている(特許文献3)。
しかしながら、従来の水酸化マグネシウム系再生剤では脱酸能力が十分なものとは言えず、さらなる改善の余地がある。
従って、本発明の主な目的は、より優れた脱酸能力を有する水酸化マグネシウム系劣化食用油用再生剤を提供することにある。
本発明者は、従来技術の問題点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、水酸化マグネシウムの中でも、より優れた脱酸能力を有するものがあることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の劣化食用油用再生剤に係る。
1. 水酸化マグネシウムを含む劣化食用油用再生剤であって、当該再生剤の脱酸化能力が、酸価5.60のモデル油の当該酸価を25%以上低減できるものであることを特徴とする劣化食用油用再生剤。
2. 水酸化マグネシウムを97重量%以上含む、前記項1に記載の劣化食用油用再生剤。
3. 二酸化ケイ素及び酸化マグネシウムの少なくとも1種をさらに含む、前記項1又は2に記載の劣化食用油用再生剤。
4. 前記項1〜3のいずれかに記載の劣化食用油用再生剤と、200℃以下の温度に加熱された劣化食用油とを接触させる工程を含むことを特徴とする劣化食用油の再生方法。
1. 水酸化マグネシウムを含む劣化食用油用再生剤であって、当該再生剤の脱酸化能力が、酸価5.60のモデル油の当該酸価を25%以上低減できるものであることを特徴とする劣化食用油用再生剤。
2. 水酸化マグネシウムを97重量%以上含む、前記項1に記載の劣化食用油用再生剤。
3. 二酸化ケイ素及び酸化マグネシウムの少なくとも1種をさらに含む、前記項1又は2に記載の劣化食用油用再生剤。
4. 前記項1〜3のいずれかに記載の劣化食用油用再生剤と、200℃以下の温度に加熱された劣化食用油とを接触させる工程を含むことを特徴とする劣化食用油の再生方法。
本発明再生剤によれば、従来の水酸化マグネシウム系再生剤よりも優れた脱酸性能を得ることができる。特に、酸価5.60のモデル油の当該酸価を25%以上低減できる。例えば、酸価5.60の食用油を酸価4.20以下に下げることができる。
本発明の劣化食用油用再生剤(以下「本発明再生剤」ともいう。)は、水酸化マグネシウムを含む劣化食用油用再生剤であって、当該再生剤の脱酸能力(酸価低減率)が、酸価5.60のモデル油の当該酸価を25%以上低減できるものであることを特徴とする。
本発明における酸価は、後記の実施例で示された方法で測定された値である。具体的には、次の方法による。
モデル油(オレイン酸2.4g(和光一級)に大豆油97.6g(和光一級)を加え、混合し、酸価が5〜6(本試験では5.60)になるように調整した油)10mLに再生剤40mgを添加した後、150℃のオイルバス中、振とう器にて130回/分の条件で15分間振とうする。振とう後、直ちにメンブランフィルタ(目開き0.80μm)にて濾過する。得られた濾過液1gを精密に量り、エタノール/ジエチルエーテル混合液(容積比1:1)50mLを加え、必要に応じて加温して溶かし、検液とする。冷却後、フェノールフタレイン試液数滴を加え、0.1mol/Lエタノール製水酸化カリウム溶液で30秒間持続する紅色を呈するまで滴定し、次式Aにより酸価を求める。ただし、使用する溶媒は、あらかじめ使用前にフェノールフタレイン試液を指示薬として30秒間持続する紅色を呈するまで0.1mol/Lエタノール製水酸化カリウム溶液を加える。
酸価=(0.1 mol/Lエタノール製水酸化カリウム溶液の消費量(ml)×5.611)/(試料の採取量(g)) …式A
酸価=(0.1 mol/Lエタノール製水酸化カリウム溶液の消費量(ml)×5.611)/(試料の採取量(g)) …式A
本発明の酸価の測定において用いるモデル油の酸価としては5.60の油を用いる。また、酸価低減率は25%以上の特性を有するが、特に25〜35%である。
また、本発明再生剤に用いる水酸化マグネシウムは、例えば次のような物性(a)〜(l)を有している。このような物性を有する水酸化マグネシウムであれば、市販品を使用することもできる。例えば、市販されている製品「水酸化マグネシウムNK」及び「水酸化マグネシウムNK−NS」(いずれも富田製薬株式会社製、日本薬局方外医薬品規格)を本発明再生剤として用いることができる。なお、各物性の測定方法は、後記の実施例で示す。
(a)Mg(OH)2含量は、通常95重量%以上であれば良いが、本発明では例えば97重量%以上、さらには99重量%以上である。
(b)乾燥減量は、通常2重量%以下であれば良いが、本発明では例えば1重量%以下である。
(c)強熱減量は、通常30〜33重量%であれば良いが、本発明では例えば30〜32重量%である。
(d)活性は限定的ではないが、通常は1〜200mg/gである。
(e)pHは特に限定されないが、例えば9〜11である。
(f)嵩は特に限定されないが、一般的には70mL/g以下である。
(g)平均粒子径は限定的ではないが、通常は2000μm以下、特に500μm以下である。
(h)結晶化度は限定されないが、通常は98%以上、特に99.5%以上である。
(i)結晶子径は特に制限されないが、通常は50〜600Å、特に200〜400Åである。
(j)比表面積は限定的ではないが、通常1〜200m2/g、特に10〜100m2/gである。
(k)Mg溶出量は制限されないが、通常は300ppm以下である。
(l)安息香酸の吸着量は限定的ではないが、通常は100〜1000mg−安息香酸/gである。
(a)Mg(OH)2含量は、通常95重量%以上であれば良いが、本発明では例えば97重量%以上、さらには99重量%以上である。
(b)乾燥減量は、通常2重量%以下であれば良いが、本発明では例えば1重量%以下である。
(c)強熱減量は、通常30〜33重量%であれば良いが、本発明では例えば30〜32重量%である。
(d)活性は限定的ではないが、通常は1〜200mg/gである。
(e)pHは特に限定されないが、例えば9〜11である。
(f)嵩は特に限定されないが、一般的には70mL/g以下である。
(g)平均粒子径は限定的ではないが、通常は2000μm以下、特に500μm以下である。
(h)結晶化度は限定されないが、通常は98%以上、特に99.5%以上である。
(i)結晶子径は特に制限されないが、通常は50〜600Å、特に200〜400Åである。
(j)比表面積は限定的ではないが、通常1〜200m2/g、特に10〜100m2/gである。
(k)Mg溶出量は制限されないが、通常は300ppm以下である。
(l)安息香酸の吸着量は限定的ではないが、通常は100〜1000mg−安息香酸/gである。
このような水酸化マグネシウムは、例えばマグネシウム塩の水溶液に塩基水溶液(アルカリ水溶液)を反応させることにより水酸化マグネシウムの沈殿物を生成させる工程を含む方法により好適に製造することができる。上記マグネシウム塩としては、例えば塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム等を用いることができる。また、塩基水溶液としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等の水溶液を用いることができる。ここで得られた沈殿物については、公知の方法により洗浄、乾燥を行うことにより、粉末状の水酸化マグネシウムとして回収することができる。
より具体的には、濃度10〜40W/V%の塩化マグネシウム水溶液を50〜70℃に加温し、続いて塩化マグネシウム水溶液に水酸化ナトリウム水溶液を滴下し、得られたスラリーを濾過、水洗した後、乾燥することにより水酸化マグネシウムを得ることができる。乾燥方法としては、加熱乾燥又は凍結乾燥があるが、例えば固定床式送風乾燥機、コンベヤ式送風乾燥機、流動層乾燥機、転動乾燥機、振動乾燥機、ドラム式乾燥機、気流乾燥機、噴霧乾燥機、凍結乾燥機、減圧乾燥機等を用いれば良い。
本発明再生剤は、水酸化マグネシウム以外の成分が含まれていても良いが、水酸化マグネシウムを97重量%以上、特に99重量%含むことが好ましい。これにより、水酸化マグネシウムのもつ脱酸能力をより効果的に発揮させることができる。水酸化マグネシウム以外の成分としては、例えば公知の再生剤として使用されている化合物が必要に応じて含有されていても良い。例えば、二酸化ケイ素及び酸化マグネシウムの少なくとも1種をさらに含んでいても良い。これらの含有量は限定的ではないが、通常は本発明再生剤中90重量以下とすれば良い。
本発明再生剤は、公知の再生剤と同様にして用いることができる。例えば、本発明再生剤と、200℃以下(好ましくは70〜200℃、より好ましくは120〜150℃)の温度に加熱された劣化食用油とを接触させる工程を含むことを特徴とする劣化食用油の再生方法により、劣化食用油の再生を好適に行うことができる。接触させる方法は特に制限されず、例えばa)劣化食用油に本発明再生剤を分散・攪拌させる方法、b)本発明再生剤を含むフィルター層に劣化食用油を1回又は複数回流通させる方法等を採用することができる。なお、本発明再生剤を用いて再生処理を実施した後において、再生された食用油中に本発明再生剤が含まれている場合は、ろ過等の公知の方法により本発明再生剤を分離・回収することができる。
本発明の再生方法における再生剤の使用量は、用いる劣化食用油の酸価等に応じて適宜設定することができるが、通常は劣化食用油100重量部に対して0.1〜10重量部、特に0.4〜4重量部とすることが好ましい。
本発明の再生方法では、本発明再生剤とともに、脱色剤と併用することもできる。脱色剤の併用により、脱酸効果とともに脱色効果が得ることができる。すなわち、脱色剤により色素成分を吸着し、黄褐色ないしは茶褐色に変色した劣化食用油をもとの色に近い色に戻すことができる。脱色剤としては、公知のもの又は市販品を使用することができ、例えば酸性白土、活性白土、活性炭等の少なくとも1種を用いることができる。
脱色剤を使用する場合の使用量は、劣化食用油の変色レベル等に応じて適宜決定することができるが、通常は本発明再生剤100重量に対して0.1〜10重量部程度、特に0.4〜4重量部とすることが望ましい。
食用油としては、特に限定的でなく、公知又は市販の食用油のいずれにも適用することができる。また、本発明再生剤により酸価を下げることができる限り、動物性油又は植物性油のいずれであっても良い。動物性油としては、例えばバター、ラード、魚油、鶏油、鯨油等が挙げられる。植物性油としては、例えばパーム油、ショートニング、サラダ油、大豆油、コーン油、ごま油、菜種油等が挙げられる。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特徴をより具体的に説明する。ただし、本発明の範囲は、実施例に限定されない。
実施例1、2及び比較例1、2
実施例1及び2では、市販されている製品「水酸化マグネシウムNK」及び「水酸化マグネシウムNK−NS」(いずれも富田製薬株式会社製、日本薬局方外医薬品規格)を再生剤としてそれぞれ用いた。また、比較のため、市販の水酸化マグネシウムA(他社品A)及びB(他社品B)を再生剤として用いた。これら再生剤の物性を表1に示す。表1中の各物性は「食品、添加物等の規格基準(昭和34年厚生省告示第370号)」の「水酸化マグネシウム」の項目に示された試験方法に従って測定した。
実施例1及び2では、市販されている製品「水酸化マグネシウムNK」及び「水酸化マグネシウムNK−NS」(いずれも富田製薬株式会社製、日本薬局方外医薬品規格)を再生剤としてそれぞれ用いた。また、比較のため、市販の水酸化マグネシウムA(他社品A)及びB(他社品B)を再生剤として用いた。これら再生剤の物性を表1に示す。表1中の各物性は「食品、添加物等の規格基準(昭和34年厚生省告示第370号)」の「水酸化マグネシウム」の項目に示された試験方法に従って測定した。
これらの実施例及び比較例の再生剤について、脱酸能力等の物性を調べた。その結果を表2に示す。なお、表2中の各物性は次のようにして測定した。
(1)pH
試料2.0gを水50mL(25℃)に懸濁させた液のpHをpH計により測定した。
試料2.0gを水50mL(25℃)に懸濁させた液のpHをpH計により測定した。
(2)活性度
試料2.0gを秤量し、200mL分液ロートに移し、0.1Nヨウ素を含む四塩化炭素溶液を100mLピペットにとり、試料中に入れ正確に30分間振とうした後、15分間放置した。別の300mL三角フラスコに0.03Nヨウ化カリウムを含む75%アルコール溶液を50mL取り、その中に上記のろ過液(No.5Cでろ過)を20mL容量をピペットにてとり、よく混合して0.05Nチオ硫酸ナトリウム溶液にて滴定し、茶赤色より白色(脱色)に変色した時点を終点とした。同時に空試験として0.03Nヨウ化カリウムのアルコール溶液50mLを300mLの三角フラスコに取り、0.1Nヨウ素四塩化炭素溶液20mLをピペットにてとり、上記同様0.05Nチオ硫酸ナトリウム溶液にて滴定し、次式Bにより活性度を算出した。なお、上記の操作は遮光下で行った。
活性度=(V2−V1)×127×N/0.4 …式B
V1:試料溶液20mLの滴定に要したチオ硫酸ナトリウム溶液の容量(mL)
V2:空試験に要したチオ硫酸ナトリウム溶液の容量(mL)
N:チオ硫酸ナトリウム規定度(0.05)×係数
試料2.0gを秤量し、200mL分液ロートに移し、0.1Nヨウ素を含む四塩化炭素溶液を100mLピペットにとり、試料中に入れ正確に30分間振とうした後、15分間放置した。別の300mL三角フラスコに0.03Nヨウ化カリウムを含む75%アルコール溶液を50mL取り、その中に上記のろ過液(No.5Cでろ過)を20mL容量をピペットにてとり、よく混合して0.05Nチオ硫酸ナトリウム溶液にて滴定し、茶赤色より白色(脱色)に変色した時点を終点とした。同時に空試験として0.03Nヨウ化カリウムのアルコール溶液50mLを300mLの三角フラスコに取り、0.1Nヨウ素四塩化炭素溶液20mLをピペットにてとり、上記同様0.05Nチオ硫酸ナトリウム溶液にて滴定し、次式Bにより活性度を算出した。なお、上記の操作は遮光下で行った。
活性度=(V2−V1)×127×N/0.4 …式B
V1:試料溶液20mLの滴定に要したチオ硫酸ナトリウム溶液の容量(mL)
V2:空試験に要したチオ硫酸ナトリウム溶液の容量(mL)
N:チオ硫酸ナトリウム規定度(0.05)×係数
(3)嵩
試料5gを50mLメスシリンダーに入れ、そのメスシリンダーを粉体減少度測定器(筒井理化学器械製「TMP−7−P」)にセットし、測定条件としてタッピング回数100回、タッピング高さ4cm、タッピング速度36回/分で試験した後、容量F(mL)を目視で測定した。その後、F/5にて嵩(mL/g)を算出した。
試料5gを50mLメスシリンダーに入れ、そのメスシリンダーを粉体減少度測定器(筒井理化学器械製「TMP−7−P」)にセットし、測定条件としてタッピング回数100回、タッピング高さ4cm、タッピング速度36回/分で試験した後、容量F(mL)を目視で測定した。その後、F/5にて嵩(mL/g)を算出した。
(4)平均粒子径
試料を超音波攪拌(周波数400Hz)した後に水中に分散させてレーザー回折法により水溶媒中にて測定を行った。測定装置として「MICROTRAC HRA Model No.9320-X100」Honeywell社製を用いた。
試料を超音波攪拌(周波数400Hz)した後に水中に分散させてレーザー回折法により水溶媒中にて測定を行った。測定装置として「MICROTRAC HRA Model No.9320-X100」Honeywell社製を用いた。
(5)結晶化度
試料のX線回折分析を行い、プロファイル・フィッティングの手法を用いて結晶性回折線と非晶ハローにピーク分離した。そこで得られたピークの積分強度より結晶化度XCを次式Bで算出した。
XC=IC×100/(IC+Ia)
IC:結晶性散乱強度
Ia:非晶性散乱強度
試料のX線回折分析を行い、プロファイル・フィッティングの手法を用いて結晶性回折線と非晶ハローにピーク分離した。そこで得られたピークの積分強度より結晶化度XCを次式Bで算出した。
XC=IC×100/(IC+Ia)
IC:結晶性散乱強度
Ia:非晶性散乱強度
(6)結晶子径
まず、NIST(アメリカ国立標準技術研究所)のX線回折用標準試料(640b−Si)のデータを用いて回折角に依存する装置固有の回折線の自然幅を関数近似によって算出した。次いで、試料のX線回折分析を行い、水酸化マグネシウム(1,0,1)面の半価幅をScherrerの式に代入して結晶子の大きさを算出した。
Scherrerの式 D(Å)=K×λ/(β×cosθ)
K:Scherrer定数、λ:Cu管球の波長、β:半価幅、θ:回折角
まず、NIST(アメリカ国立標準技術研究所)のX線回折用標準試料(640b−Si)のデータを用いて回折角に依存する装置固有の回折線の自然幅を関数近似によって算出した。次いで、試料のX線回折分析を行い、水酸化マグネシウム(1,0,1)面の半価幅をScherrerの式に代入して結晶子の大きさを算出した。
Scherrerの式 D(Å)=K×λ/(β×cosθ)
K:Scherrer定数、λ:Cu管球の波長、β:半価幅、θ:回折角
(7)比表面積
測定方法は、以下の装置及び解析条件で行った。
装置:Quantachrome社製高速比表面積・細孔分布測定装置(型式NOVA4000e)
前処理条件:試料0.05gを正確に測り、吸着管に封入し、105℃、1時間脱気した。
比表面積の測定及び解析:液体窒素ガス温度下で窒素ガスの吸着等温線を求め、その吸着等温線を用いて多点BET法により算出した。
測定方法は、以下の装置及び解析条件で行った。
装置:Quantachrome社製高速比表面積・細孔分布測定装置(型式NOVA4000e)
前処理条件:試料0.05gを正確に測り、吸着管に封入し、105℃、1時間脱気した。
比表面積の測定及び解析:液体窒素ガス温度下で窒素ガスの吸着等温線を求め、その吸着等温線を用いて多点BET法により算出した。
(8)脱酸価試験
モデル油(酸価5.60)10mLに再生剤40mgを添加した後、150℃のオイルバス中、振とう器にて130回/分の条件で15分間振とうした。振とう後、直ちにメンブランフィルタ(目開き0.80μm)にて濾過した。得られた濾過液1gを精密に量り、エタノール/ジエチルエーテル混合液(容積比1:1)50mLを加え、必要に応じて加温して溶かし、検液とした。冷却後、フェノールフタレイン試液数滴を加え、0.1mol/Lエタノール製水酸化カリウム溶液で30秒間持続する紅色を呈するまで滴定し、次式Aにより酸価を求めた。ただし、使用する溶媒は、あらかじめ使用前にフェノールフタレイン試液を指示薬として、紅色が30秒間持続するまで0.1mol/Lエタノール製水酸化カリウム溶液を加えた。なお、脱酸価値及び酸価低減率は、次式C及びDにより算出した。
酸価=(0.1 mol/Lエタノール製水酸化カリウム溶液の消費量(ml)×5.611)/(試料の採取量(g)) …式A
脱酸価値=処理前のモデル油の酸価値(酸価5.60)−処理後のモデル油の酸価
値 …式C
酸価低減率=((処理前のモデル油の酸価値(酸価5.60)−処理後のモデル油
の酸価値)/処理前のモデル油の酸価値(酸価5.60))×100 …式D
モデル油(酸価5.60)10mLに再生剤40mgを添加した後、150℃のオイルバス中、振とう器にて130回/分の条件で15分間振とうした。振とう後、直ちにメンブランフィルタ(目開き0.80μm)にて濾過した。得られた濾過液1gを精密に量り、エタノール/ジエチルエーテル混合液(容積比1:1)50mLを加え、必要に応じて加温して溶かし、検液とした。冷却後、フェノールフタレイン試液数滴を加え、0.1mol/Lエタノール製水酸化カリウム溶液で30秒間持続する紅色を呈するまで滴定し、次式Aにより酸価を求めた。ただし、使用する溶媒は、あらかじめ使用前にフェノールフタレイン試液を指示薬として、紅色が30秒間持続するまで0.1mol/Lエタノール製水酸化カリウム溶液を加えた。なお、脱酸価値及び酸価低減率は、次式C及びDにより算出した。
酸価=(0.1 mol/Lエタノール製水酸化カリウム溶液の消費量(ml)×5.611)/(試料の採取量(g)) …式A
脱酸価値=処理前のモデル油の酸価値(酸価5.60)−処理後のモデル油の酸価
値 …式C
酸価低減率=((処理前のモデル油の酸価値(酸価5.60)−処理後のモデル油
の酸価値)/処理前のモデル油の酸価値(酸価5.60))×100 …式D
(9)Mg溶出量
試料溶液の調製
第(8)項の脱酸価試験で得られたろ過液1gを精密に量り、白金皿に入れ、電気コンロで徐々に加熱して灰化した。冷却後、希塩酸10mLを加え、超純水で正確に100mLとし、これを試料溶液とした。
標準溶液の調製
マグネシウム標準液(10ppm):原子吸光用マグネシウム標準液(1000ppm)1mLを正確にとり、超純水を加えて100mLとした。
標準溶液(a)(ブランク)
希塩酸10mLに超純水を加え100mLとした。
標準溶液(b)(Mg:0.2ppm)
希塩酸10mL及びマグネシウム標準液(10ppm)2mLを正確にとり、超純水を加え100mLとした。
標準溶液(c)(Mg:0.4ppm)
希塩酸10mL及びマグネシウム標準液(10ppm)4mLを正確にとり、超純水を加え100mLとした。
測定方法
原子吸光光度法フレーム方式の検量線法
フレーム:空気―アセチレン(波長:285.2nm)
標準溶液(a)(b)(c)の順に吸光度を測定し検量線を作成する。次に試料溶液の吸光度を測定し次式により本品1gあたりのマグネシウム溶出量を次式Eにより計算した。
溶出マグネシウム(ppm)=(C/試料採取量(g))×100 …式E
(但し、C=測定液中のマグネシウム濃度(ppm))
原子吸光:株式会社 日立ハイテクノロジーズ 偏光ゼーマン原子吸光分光光度計
型式Z−5010
原子吸光用マグネシウム標準液:和光純薬工業株式会社
試料溶液の調製
第(8)項の脱酸価試験で得られたろ過液1gを精密に量り、白金皿に入れ、電気コンロで徐々に加熱して灰化した。冷却後、希塩酸10mLを加え、超純水で正確に100mLとし、これを試料溶液とした。
標準溶液の調製
マグネシウム標準液(10ppm):原子吸光用マグネシウム標準液(1000ppm)1mLを正確にとり、超純水を加えて100mLとした。
標準溶液(a)(ブランク)
希塩酸10mLに超純水を加え100mLとした。
標準溶液(b)(Mg:0.2ppm)
希塩酸10mL及びマグネシウム標準液(10ppm)2mLを正確にとり、超純水を加え100mLとした。
標準溶液(c)(Mg:0.4ppm)
希塩酸10mL及びマグネシウム標準液(10ppm)4mLを正確にとり、超純水を加え100mLとした。
測定方法
原子吸光光度法フレーム方式の検量線法
フレーム:空気―アセチレン(波長:285.2nm)
標準溶液(a)(b)(c)の順に吸光度を測定し検量線を作成する。次に試料溶液の吸光度を測定し次式により本品1gあたりのマグネシウム溶出量を次式Eにより計算した。
溶出マグネシウム(ppm)=(C/試料採取量(g))×100 …式E
(但し、C=測定液中のマグネシウム濃度(ppm))
原子吸光:株式会社 日立ハイテクノロジーズ 偏光ゼーマン原子吸光分光光度計
型式Z−5010
原子吸光用マグネシウム標準液:和光純薬工業株式会社
(10)(脱酸価値/Mg溶出量)×102
(脱酸価値/Mg溶出量)×102を次式Fにより計算した。
(第(8)項の式Bにより算出した脱酸価値/第(9)項のMg溶出量)×102 …式F
(脱酸価値/Mg溶出量)×102を次式Fにより計算した。
(第(8)項の式Bにより算出した脱酸価値/第(9)項のMg溶出量)×102 …式F
表2の結果からも明らかなように、比較例1及び2では脱酸価試験(BL5.60)の結果が4.97〜5.02であり、その酸価低減率は10〜11%であった。これに対し、実施例1の脱酸価試験(BL5.60)の結果は3.89であり、その酸価低減率は(5.60−3.89)/5.60=30.5%であり、同様に実施例2では(5.60−4.05)/5.60=27.7%であり、いずれも優れた脱酸能力を有することがわかる。
また、(脱酸価値/Mg溶出量)×102値については、比較例1及び2では0.40〜0.45であるのに対し、実施例1は(1.71/156.9)×100=1.09であり、同様に実施例2では(1.55/140.0)×100=1.11であり、比較例の2倍以上の値になることがわかる。これは、溶出Mg量が同等であることからみて、水酸化マグネシウムNK及び水酸化マグネシウムNK−NSの遊離脂肪酸吸着能等が、他の水酸化マグネシウムよりも優れているためと考えられる。
Claims (4)
- 水酸化マグネシウムを含む劣化食用油用再生剤であって、当該再生剤の脱酸化能力が、酸価5.60のモデル油の当該酸価を25%以上低減できるものであることを特徴とする劣化食用油用再生剤。
- 水酸化マグネシウムを97重量%以上含む、請求項1に記載の劣化食用油用再生剤。
- 二酸化ケイ素及び酸化マグネシウムの少なくとも1種をさらに含む、請求項1又は2に記載の劣化食用油用再生剤。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の劣化食用油用再生剤と、200℃以下の温度に加熱された劣化食用油とを接触させる工程を含むことを特徴とする劣化食用油の再生方法。
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- 2009-01-17 JP JP2009008317A patent/JP2010163569A/ja active Pending
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