JP7350591B2 - 再精製パーム系油脂の製造方法、及び再精製パーム系油脂 - Google Patents
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Description
(2) 精製パーム系油脂を、アルカリ土類金属の塩化物と接触させる前記工程において、吸着剤との接触も同時に行われる、及び/又は、アルカリ土類金属の塩化物と接触させた後に、吸着剤と接触させる、(1)の再精製パーム系油脂の製造方法。
(3) 前記精製パーム系油脂を、アルカリ土類金属の塩化物と接触させる工程において、アルカリ土類金属の塩化物が、パーム系油脂に対して1~1000μmol/kg用いられる、(1)又は(2)の再精製パーム系油脂の製造方法。
(4) 前記精製パーム系油脂がRBDパーム系油脂である、(1)~(3)のいずれかの再精製パーム系油脂の製造方法。
(5) 前記精製パーム系油脂の過酸化物価が1以上である、(1)~(4)のいずれかの再精製パーム系油脂の製造方法。
(6) (1)~(5)のいずれかの製造方法を経た、再精製パーム系油脂。
本発明の製造方法は、精製パーム系油脂を、アルカリ土類金属の塩化物と接触させる工程を行う。
本発明で用いる精製パーム系油脂は、パームから採油されたパーム油及びその分別油の精製油である。精製パーム系油脂を得るための精製条件としては、パーム系油脂で通常用いられている、アルカリ脱酸を経ないフィジカル精製を用いることができる(RBDパーム系油脂)。また、アルカリ脱酸工程を経るアルカリ精製を用いてもよい(NBDパーム系油脂)。また、精製パーム系油脂は品質劣化している。品質劣化の程度は特に限定するものではないが、輸入及び/又は保管等による品質劣化の程度が挙げられる。また、酸化劣化が進んだ精製パーム系油脂は、品質改善効果がより期待できる。例えば、精製パーム系油脂は、過酸化物価が1以上であることが好ましく、過酸化物価が5以上であることがより好ましく、過酸化物価が10以上であることがさらに好ましい。また、精製パーム系油脂は、過酸化物価が30以下であることが好ましく、過酸化物価が5以上であることがより好ましく、過酸化物価が10以上であることがさらに好ましい。
本発明で用いるアルカリ土類金属の塩化物は、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等から選ばれる塩化物を用いることができる。
本発明において、上記アルカリ土類金属の塩化物と接触させる工程のほか、必要に応じて油脂に用いられる精製工程のいずれかを上記アルカリ土類金属の塩化物と接触させる工程の前後に行うことができる。例えば、アルカリ脱酸工程、水洗工程、脱色工程、脱臭工程などが挙げられる。
本発明の再精製パーム系油脂は、上記<再精製パーム系油脂の製造方法>で述べた製造工程を経た再精製パーム系油脂であり、アルカリ土類金属の塩化物と接触させる工程を経たものである。品質劣化で生じる成分は多種多様であり、また、風味はごく微量の成分でも影響を与えるため、再精製パーム系油脂の風味に影響を与える微量成分が特定できないため、プロダクト・バイ・プロセスの形式でしか再精製パーム系油脂を特定することができない。
各試験における分析は、以下の方法に従って実施した。
酸価は、日本油化学会制定「基準油脂分析試験法 2.3.1-2013 酸価」に準拠して測定した。
過酸化物価は、日本油化学会制定「基準油脂分析試験法 2.5.2.1-2013 過酸化物価(酢酸-イソオクタン法)」に準拠して測定した。
風味を下記の基準に基づき専門パネラー10名で評価した。なお、評価は各サンプルをそれぞれ数g、口に含み評価した。表1,2に評価の平均点を示した。風味は弱いほど良好なため、点数の大きい方が良好である。
5:風味の強さが、再精製油9より弱い。
4:風味の強さが、再精製油9と同等である。
3:風味の強さが、再精製油1より弱く、再精製油9より強い。
2:風味の強さが、再精製油1と同等である。
1:風味の強さが、再精製油1より強い。
(再精製油1)
RBDパーム油(インドネシア産)に、RBDパーム油に対して活性白土(水澤化学工業株式会社)を1質量%添加して脱色処理(110℃、20分、減圧)を行った後、活性白土を濾別して脱色油を得た。得られた脱色油を脱臭(脱臭温度235℃、圧力400Pa、蒸気量 対油脂4.3質量%、90分)し、再精製油1を得た。
RBDパーム油(インドネシア産)に、RBDパーム油に対して活性白土(水澤化学工業株式会社)と水を各1質量%添加して脱色処理(80℃、20分、大気圧→110℃、20分、減圧)を行った後、活性白土を濾別して脱色油を得た。得られた脱色油を脱臭(脱臭温度235℃、蒸気量 対油脂3.6質量%、90分)し、再精製油2を得た。
RBDパーム油(インドネシア産)に、RBDパーム油に対して活性白土(水澤化学工業株式会社)と水酸化ナトリウム水溶液(pH11)を各1質量%添加して脱色処理(80℃、20分、大気圧→110℃、20分、減圧)を行った後、活性白土を濾別して脱色油を得た。得られた脱色油を脱臭(脱臭温度235℃、蒸気量 対油脂3.4質量%、90分)し、再精製油3を得た。
RBDパーム油(インドネシア産)に、RBDパーム油に対して活性白土(水澤化学工業株式会社)と0.014質量%濃度の塩化カルシウム水溶液を各1質量%添加して脱色処理(80℃、20分、大気圧→110℃、20分、減圧)を行った後、活性白土を濾別して脱色油を得た。得られた脱色油を脱臭(脱臭温度235℃、蒸気量 対油脂3.0質量%又は対油脂4.2質量%、90分)し、再精製油4,5を得た。
RBDパーム油(インドネシア産)に、RBDパーム油に対して活性白土(水澤化学工業株式会社)と0.0039、0.0197、0.0393、0.1967質量%濃度の塩化マグネシウム水溶液を各1質量%添加して脱色処理(80℃、20分、大気圧→110℃、20分、減圧)を行った後、活性白土を濾別して脱色油を得た。得られた脱色油を脱臭(脱臭温度235℃、90分)し、再精製油6~9を得た。
Claims (5)
- 品質劣化した精製パーム系油脂を再精製する再精製パーム系油脂の製造方法において、
精製パーム系油脂を、アルカリ土類金属の塩化物と接触させる工程を行う、
再精製パーム系油脂の製造方法。 - 精製パーム系油脂を、アルカリ土類金属の塩化物と接触させる前記工程において、
吸着剤との接触も同時に行われる、
及び/又は、
アルカリ土類金属の塩化物と接触させた後に、吸着剤と接触させる、
請求項1に記載の再精製パーム系油脂の製造方法。 - 前記精製パーム系油脂を、アルカリ土類金属の塩化物と接触させる工程において、
アルカリ土類金属の塩化物が、パーム系油脂に対して1~1000μmol/kg用いられる、
請求項1又は2に記載の再精製パーム系油脂の製造方法。 - 前記精製パーム系油脂がRBDパーム系油脂である、
請求項1~3のいずれか1項に記載の再精製パーム系油脂の製造方法。 - 前記精製パーム系油脂の過酸化物価が1以上である、
請求項1~4のいずれか1項に記載の再精製パーム系油脂の製造方法。
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