JP2006323017A - フッ素樹脂チューブ及びその製造方法 - Google Patents

フッ素樹脂チューブ及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 高画質な画像を形成でき、かつ耐摩耗性に優れたフッ素樹脂チューブを提供する。
【解決手段】 フッ素樹脂チューブ30は、チューブの円周方向及び軸方向の引張強度が、いずれも80N/mm2以上である。そしてこのフッ素樹脂チューブ30は、フッ素樹脂フィルム20が2回以上巻回積層され、かつ少なくとも最表層が1つ下の層と融着しているものであり、前記フッ素樹脂フィルムの巻き終わり側端辺21の盛り上がり高さHが、この端辺21のどこで測定しても常に2.0μm以下である。前記フッ素樹脂チューブは、巻き終わり側端辺21の段差Dが、この端辺21のどこで測定しても常に3.0μm以下(特に2.3μm以下)であることが望ましく、このようなチューブ30は、厚さTが2.5μm以下(特に2.0μm以下)のフッ素樹脂フィルム20を巻回することによって製造できる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、画像定着装置などの部品として有利に利用できるフッ素樹脂チューブ及びその関連技術に属する。
電子写真複写機やレーザービームプリンターなどの画像定着装置では、感光体ドラムに形成された静電潜像にトナーを付着させて可視化する現像工程、感光体ドラム上のトナーをペーパーなどの記録用紙(転写材)に転写して一次画像を形成する転写工程、トナーが付着した記録用紙を加圧・加熱手段[ロール式の加圧・加熱手段(定着ロール)、比較的長い定着ニップ部を確保するためのベルト式の加圧・加熱手段(定着ベルト)などの定着部材]で処理してトナーを記録用紙に定着させる定着工程によって画像(定着画像)を形成している。特にカラー印刷では、複数の着色トナー(例えば、シアン、マゼンダ、イエロー、ブラックからなるCMYK系トナーなど)を各色毎に記録用紙上に積層して一次画像を形成し、定着部材で加圧しながら加熱することによって適切に発色させて定着画像を形成しており、この加圧・加熱を確実に行うために定着部材としては弾性層を有するもの(例えばソフトロールなど)が使用されている。
画像定着装置では定着部材(加圧・加熱手段)へのトナーの付着・蓄積を防止することが重要な技術的要件の一つになっており、例えば、定着部材に離型オイルを供給してトナーの付着・蓄積を防止している。また近年、装置の安定性の向上、高信頼性の確保、ランニングコストの低減などを達成するため、離型オイルの供給を省略し、その代わりにトナー自体に離型性を持たせたワックストナーを使用することが推し進められている。しかし離型オイルの供給を省略すると、定着部材の表層摩耗の進行が速くなる。また複写機やレーザープリンターの高速化に伴って定着部材の摩耗負荷も増大する傾向にあり、定着部材の寿命維持が大きな技術課題になってきている。特にカラー画像などに使用される弾性層を有する定着部材(ソフトロールなど)では、離型オイルを省略すると、表面摩耗の劣化がより顕著に進行し、例えば数百枚のプリント程度で傷や摩耗が発生する場合がある。
そこでソフトロールの耐摩耗性を高めるため、また離型性も高めるため、弾性層の外表面をテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)チューブで被覆した定着ロールが提案されている(例えば、特許文献1、非特許文献1など)。また定着ベルトの表面層にもPFAチューブが使用されている。しかしPFAチューブは溶融成形によって製造されており、実生産ラインでは薄肉化が困難であり、例えば30μm程度まで薄くすることは可能であるものの、20μm以下にすることは困難である。また仮に試験的にPFAチューブを20μm程度まで薄肉化しても、PFAは強度が低く、わずかな荷重が掛かっただけで変形(シワ)や破れが発生するため、取扱性が不十分になる。さらに薄肉化PFAチューブは、耐摩耗性も低下し、実際に画像定着に使用すると弾性層の変形によってシワが発生し、定着画像にこのシワ跡が出てしまうなど実用上の問題が多数発生する。これら実用面から考えても、PFAチューブの薄肉化は困難であると言わざるを得ない。
高画質のカラー定着画像を得るには、積層着色トナーで形成された一次画像全体に渡って定着部材の表面を均一に接触させなければならず、そのためには定着部材の表面を記録用紙表面の微細な凹凸に高度に追従させる必要がある。しかしPFAチューブは、弾性が乏しく、また薄肉化が困難であるために凹凸追従性が低下し、画質が低下する。また定着部材の予熱時間を短縮したり、消費電力を低く抑えるため、定着部材の熱伝導性を高めたり、定着部材の熱容量を低減することも求められている。しかし表面のPFA層の薄肉化が困難であるために、PFA層によりソフトロールの熱伝導性が低下し、熱容量が増大するという問題がある。またPFA層による凹凸追従性の低下と、それに起因する画質低下を避けるためには、弾性層の厚さを厚くしてPFA層によるロールの弾性低下を補う必要があり、ソフトロールの熱容量がさらに増大してしまう。近年では、ソフトロールの芯材と弾性層の薄肉化が限界に近いレベルまで進んでいるため、PFA層による影響が相対的に大きくなり、上記問題が大きな技術課題となっている。
特公昭58−43740号公報 北沢、「定着用ゴムロールの要求特性と技術改良ポイント」、電子写真学会誌、平成6年、第33巻、第1号、p.57−65
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、高画質な画像を形成でき、かつ耐摩耗性に優れたフッ素樹脂チューブ及びその関連技術を提供することにある。
フッ素樹脂チューブの耐摩耗性を高めるためには、引張強度に優れた(例えば、80N/mm2以上の)フッ素樹脂チューブを用いればよく、引張強度に優れたフッ素樹脂チューブは、引張強度に優れたフッ素樹脂フィルムを用いることによって製造できる。より詳細には、例えば図1の概略斜視図に示すように、引張強度が高められたフッ素樹脂フィルム20を芯材10に巻回積層し、熱融着によって巻回形状を固定した後、芯材を抜き取ることによってフッ素樹脂チューブ30を製造できる。本発明者らはこのようなフッ素樹脂チューブ30について既に特許出願を済ませている(特開2005−24931号公報)。なおフッ素樹脂フィルム20の引張強度は、延伸処理によって高めることができる。また延伸処理によって20μm以下の薄肉化も可能になるため、定着ロールの弾性層の機能を阻害することがなく、高画質化にも貢献する。
しかしフッ素樹脂フィルム20を巻回積層する場合、巻き終わり端辺21にはフィルム厚さに起因する段差が生じる。そしてこの段差によってトナーの加圧・加熱が厳密に言えば不均一になるため、さらに一歩進んだ高画質を求める場合には、無視することのできない不具合になってきている。そのため本発明者らは、フッ素樹脂フィルム20をさらに薄肉化することに取り組んだ。フッ素樹脂フィルム20を高度に薄肉化すれば、段差を事実上、無視できるようになると考えた為である。ところがフッ素樹脂フィルム20を高度に薄肉化しても、定着画像の段差跡を完全に解消するのは困難であった。
そこで本発明者らは、さらに鋭意研究を重ねた結果、フィルム20の巻き終わり端辺21の段差は、フィルム厚さよりも大きくなっていることを突き止めた。この点について、図2を参照しながらより詳細に説明する。図2は前記図1の巻き終わり側端辺21付近の拡大側面図である。図2に示すように、フィルムの巻き終わり端辺21では、フィルムの盛り上がり22が認められ、段差Dがフィルム厚さTよりも顕著に大きくなっていることを突き止めた。
段差Dが顕著に大きくなっているのはフッ素樹脂フィルム20の特性によるものと推定された。すなわちフッ素樹脂フィルム20は、引張強度を高めるために延伸処理を経て製造されており、収縮方向に応力が残留しているため、巻回積層後に熱融着すると熱収縮する虞がある。ただしフッ素樹脂フィルム20は延伸したままでは空孔が残るため、延伸処理後かつ巻回前にフッ素樹脂の融点以上の温度に加熱しながら加圧して、空孔を圧潰している。そのため巻回後の熱融着時には収縮応力はかなり低減されている。ところが僅かながらでも熱融着時に熱収縮すると、無視することができない程の盛り上がり22が形成されてしまうものと推定された。そしてこの盛り上がり22は、熱融着時にフィルム20の巻き終わり側端辺21を芯材10に向けて押圧しておくと低減できることが判明した。
すなわち本発明者らは、前記盛り上がり22を低減すると、段差Dを事実上、無視できるようになり、さらなる高画質化を達成できること、盛り上がり22を低減するためにはフィルム20の巻き終わり端辺21を芯材10に向けて押圧しておくことが有効であることを見出し、本発明を完成した。
従って本発明に係るフッ素樹脂チューブは、チューブの円周方向及び軸方向の引張強度が、いずれも80N/mm2以上である。そしてこのフッ素樹脂チューブは、フッ素樹脂フィルムが2回以上巻回積層され、かつ少なくとも最表層が1つ下の層と融着しているものであり、前記フッ素樹脂フィルムの巻き終わり側端辺の盛り上がり高さが、この端辺のどこで測定しても常に2.0μm以下である点に特徴がある。
前記フッ素樹脂チューブは、巻き終わり側端辺の段差が、この端辺のどこで測定しても常に3.0μm以下(特に2.3μm以下)であることが望ましく、このようなチューブは、厚さ2.5μm以下(特に2.0μm以下)のフッ素樹脂フィルムを芯材に巻回積層することによって製造できる。フッ素樹脂チューブのチューブ厚は、例えば、2〜300μm程度である。チューブの引張強度を80N/mm2以上にするには、引張強度80N/mm2以上のフッ素樹脂フィルムを巻回積層すればよい。このようなフッ素樹脂フィルムは充実化構造を有している。前記フッ素樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレンを含む樹脂が挙げられる。
前記フッ素樹脂チューブは、フッ素樹脂フィルムを芯材に2回以上巻回積層して少なくとも最表層を1つ下の層と融着させる際に、巻き終わり側端辺を芯材に向けて押圧しておくことによって製造できる。例えば、前記巻き終わり側端辺に沿って耐熱シートを配設し、この耐熱シートを前記芯材側から引っ張れば、巻き終わり側端辺を芯材に向けて押圧することができる。前記耐熱シートとしては耐熱樹脂シートが好ましい。耐熱樹脂シートを使用する場合、この耐熱樹脂シートとフッ素樹脂フィルムとの間に金属箔を挿入しておくことが推奨される。
本発明には前記フッ素樹脂チューブで表層が形成されている定着部材(定着ロール、定着ベルトなど)が含まれ、この定着部材を備えた画像定着装置も含まれる。
なお本明細書において用語「フィルム」及び「シート」は厚さを限定するものではない。
本発明によれば、引張強度に優れたフッ素樹脂フィルム20を巻回積層してチューブ30を形成しているために耐摩耗性に優れる。しかも引張強度に優れたフッ素樹脂フィルム20を巻回積層すると、巻き終わり側端辺21の段差Dが大きくなる傾向があるものの、本発明によれば巻き終わり側端辺21の盛り上がり22を低減しているため、段差Dを小さくでき、高画質な画像を形成できる。
本発明では、フッ素樹脂から得られるフィルム20を、芯材10に巻回積層し、適当な押圧部材を用いて巻き終わり側端辺21を芯材10に向けて押圧しながら加熱することによってフッ素樹脂チューブ30を製造している。以下、製造手順に沿って、本発明を詳細に説明する。
[フッ素樹脂]
本発明で使用するフッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含む樹脂(PTFE系樹脂)が挙げられる。PTFE系樹脂は、後述するように延伸及び圧潰処理することが可能であり、この延伸及び圧潰処理によって得られるPTFE系フィルムは引張強度に優れており耐摩耗性を高めるのに有利であり、また柔軟性にも優れシワの発生を防止するのにも有利である。
PTFEの割合は、全樹脂の合計に対して、例えば50質量%以上、好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上(特に100質量%)である。PTFEが不足すると、(a)延伸の均一性が低下し、フィルムに密度ムラや厚さムラが生じる、(b)巻回後の押圧・加熱の際に、芯材10へのフィルム20の焼付きが発生し、さらには押圧部材の表面の微細な凹凸がフィルム20に転写されるなどの不具合が発生し易くなる。PTFEの配合量が高くなるほどこれらの不具合が改善される。さらにはPTFEの離型性は極めて高いため、PTFEの配合量の高いフッ素樹脂チューブ30は、離型オイルの使用を省略しても不具合が生じ難くなり、またトナーの適用範囲も拡げることができ、重合トナー、粉砕トナー、液体トナーなどのトナーを使用しても、オフセットを発生させることなく、画像定着を行うことができる。
PTFEと共にフッ素樹脂を構成する樹脂(他の樹脂)は、フッ素樹脂以外から選択してもよいが、フッ素樹脂の中から選択するのが好ましい。好ましい他の樹脂には、テトラフルオロエチレンの共重合体[テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFA)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)]、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリビニルフルオライド(PVF)などが挙げられる。特に好ましい他の樹脂は、テトラフルオロエチレンの共重合体(特にPFA)である。
[フッ素樹脂フィルム20]
本発明では前記フッ素樹脂から得られるフィルムであって、引張強度にも優れているフィルム20を用いてフッ素樹脂チューブ30を製造している。引張強度に優れたフッ素樹脂フィルム20を用いれば、フッ素樹脂チューブ30の耐摩耗性を高めることができる。フッ素樹脂フィルム20の引張強度は、例えば、80N/mm2以上、好ましくは200N/mm2以上、さらに好ましくは300N/mm2以上である。引張強度の上限は特に限定されないが、通常、600N/mm2程度である。
なお前記引張強度は、互いに直交する任意の2方向[例えば、MD方向とTD方向]の引張強度の平均値を意味し、前記2方向(特に全方向)の引張強度がいずれも前記値を満足していることが推奨される。引張強度は、短冊状試験片(幅10mm)を用い、チャック間距離:50mm、試験速度:100mm/minの条件で引張試験を実施することによって求めることができる。
引張強度に優れたフッ素樹脂フィルム20としては、充実化構造を有するフッ素樹脂フィルム20が知られている。充実化構造とは、フィルムの延伸処理と、この延伸処理によって生じる空孔の圧潰処理(充実化処理、緻密化処理)によって形成される内部に実質的に空孔を有さない構造であり、同様の構造である限り、他の方法によって形成された構造を含む意味である。充実化構造のフッ素樹脂フィルム20は、前記延伸処理によって引張強度が著しく高められている。また延伸処理を経て製造されているため、薄肉化も達成できる。
延伸処理について、PTFEを例にとってより詳細に説明すると、PTFEのファインパウダーを成形助剤と混合して得られるペーストを成形し、成形助剤を除去した後、得られた成形物を延伸に供する。延伸は、高温[例えば、フッ素樹脂の融点(PTFEの場合は約327℃)よりも10〜60℃程度低い温度]かつ高速度(例えば、延伸速度:30〜100%/sec程度)で行われる。また所定の引張強度を達成するため、二軸延伸が採用され、かつ高延伸倍率(例えば、900〜5000%程度)が採用される。このような延伸処理によって多孔質構造を有するフッ素樹脂フィルムが製造される。多孔質構造とは、フィルムのミクロ構造を示すものであり、ノード(折り畳み結晶)と、このノードを繋ぐフィブリル(ノードから延伸によって溶けて引き出された直鎖状の分子束)とで画された空間を有する構造のことをいい、概略クモの巣状の繊維質構造である。
延伸によって得られる多孔質フッ素樹脂フィルムの空孔率は、例えば、5〜95%程度である。なお空孔率は、フッ素樹脂フィルムの見掛け密度ρ1(単位:g/cm3、JIS K 6885に準じて測定される)と、フッ素樹脂の密度ρ2(単位:g/cm3、PTFEの場合は2.2g/cm3)から、下記式に基づいて算出される値である。
空孔率(%)=(ρ2−ρ1)/ρ2×100
なお延伸後は、必要に応じて焼成してもよい。焼成によってさらに引張強度を高めることができる。焼成温度は、例えば、フッ素樹脂の融点よりも40〜60℃程度高い温度である。
多孔質フッ素樹脂フィルムは、空孔を有するため、そのまま定着部材の表面層に使用するには不適切である。そこで上述したように、空孔を圧潰(充実化、緻密化)する。圧潰方法や条件は特に限定されないが、フィルムを厚さ方向に加圧して空孔を圧潰することが推奨され、例えば、ロールプレス、ベルトプレスなどが使用できる。圧潰の面圧は、例えば、0.5〜60N/mm2程度にすることが多く、圧潰時のフィルムの加熱温度は、例えば、フッ素樹脂の融点に比べて1〜100℃程度高い温度にすることが多い。融点よりも高温にすることで確実に空孔を圧潰できる。なお圧力を開放する前に、フィルム温度を融点よりも下げておくことが推奨される。融点よりも高い温度で圧力を開放すると、フィルムが収縮して、シワが形成されやすくなる為である。また圧潰処理は複数回(例えば2回)に分けて行ってもよく、最終回より前の圧潰処理におけるフィルム加熱温度は、フッ素樹脂の融点に比べて1〜100℃程度低い温度にしてもよい。圧潰処理後のフィルムは、内部に実質的に空孔を有しないことが好ましく、その空孔率は、例えば、5%未満、好ましくは3%以下、さらに好ましくは1%以下(特に0%)である。フィルムの空孔率が5%以上になると、フィルムの空孔部分へのトナーの付着や蓄積が起こりやすくなる。
上記フッ素樹脂フィルム20(巻回してフッ素樹脂チューブ30にするためのフィルム)には、この圧潰フィルムをそのまま使用してもよく、圧潰フィルムを適宜積層したものを使用してもよい。
フッ素樹脂フィルム20の厚さTは、例えば、2.5μm以下、好ましくは2.0μm以下、さらに好ましくは1.6μm以下である。フッ素樹脂フィルム20を薄くするほど、フッ素樹脂チューブ30の段差Dを小さくでき、定着画像を高画質化できる。なお厚さTの下限は特に限定されないが、通常、0.5μm程度である。
なおフッ素樹脂フィルム20は、一般的に、切断によって端部が形成されている。この切断には、押し切り(丸刃カッターなどを用いた切断など)が推奨される。ねじ切り(カッターやはさみ等を用いた切断)に比べ、押し切りによれば、フィルム端部の厚さを小さくでき、チューブ30にしたときの段差Dも小さくできる。切断に使用する刃の厚さは薄いほど好ましい。
フッ素樹脂フィルム20は、片面又は両面に、接着性向上のための表面処理(コロナ放電処理、ケミカルエッチング処理、エキシマレーザー処理など)を施してもよい。この表面処理を施しておけば、フッ素樹脂フィルム20を巻回したとき、各層間の接着性を高めることができる。
[フッ素樹脂チューブ30]
前記フッ素樹脂フィルム20は、図3に示すように、芯材10に巻回積層し、次いで加熱してフッ素樹脂フィルム20の各層同士を融着させ、フッ素樹脂チューブ30にする。この加熱の際、何ら外力を作用させないと、前記図2に示すように熱収縮によって巻き終わり側端辺21に盛り上がり22が形成され、段差Dがフィルム厚さTよりも顕著に大きくなってしまう。フッ素樹脂フィルム20は、上述したように既にフッ素樹脂の融点以上の温度で加圧されており、熱収縮性はかなり低減されている。僅かな熱収縮で、大きな盛り上がり22が形成されてしまうことは意外であった。そこで本発明では、前記加熱の際に、適当な押圧部材を用いて、フッ素樹脂フィルム20の巻き終わり側端辺21を芯材10に向けて押圧することとした。押圧しながら加熱すると、巻き終わり側端辺21の盛り上がり22を低減でき、段差Dを小さくできる。
前記押圧には種々の方法が採用でき、例えば、(1)芯材10にフッ素樹脂フィルム20を巻回積層したもの(巻回積層物)を、円筒状のキャビティを有する金型内に挿入し、金型によってこの巻回積層物を締め付ける方法、(2)巻回積層物の巻き終わり側端辺21に沿って、可撓性を有しかつ熱融着温度にも耐えることができるシート状部材(以下、耐熱シートという)を配設し、この耐熱シートを芯材10側から引っ張る方法などが挙げられる。
(1)金型を使用する方法では、金型と巻回積層物との間に緩衝材(特に耐熱性緩衝材)を挿入することが推奨される。巻き終わり側端辺21に均等に押さえ圧を作用させることができる為である。なお後述するように、本発明では極めて高度なレベル(例えば、3.0μm以下)で段差Dを抑制する必要がある。金型を使用する場合、この要求レベルを満足できる程度に金型の(及び芯材10の)寸法精度を高める必要があり、実用的ではない。好ましくは(2)耐熱シートを使用する方法が採用できる。
(2)耐熱シートを使用する方法の一例(第1の例)について、図4の概略斜視図を参照しながら説明する。図4の例では、芯材10にフッ素樹脂フィルム20を巻回積層した後、巻き終わり側端辺21を上にしながら耐熱シート40を掛けている。耐熱シート40を掛けることによって、巻き終わり側端辺21を耐熱シート40で覆うことができる。そして耐熱シート40の垂れ下がり部41には錘50が取り付けられており、耐熱シート40を芯材10側から引っ張ることが可能になっている。この図4の方法によれば、巻き終わり側端辺21を極めて簡便に押圧できる。
なお巻き終わり側端辺21は必ずしも上側に向ける必要はなく、横側、下側など適当な側に向けることができる。どのような方向に向けられていても、芯材10側から巻き終わり側端辺21と反対方向に耐熱シート40を引っ張れば、巻き終わり側端辺21を押圧できる。
また(2)耐熱シートを使用する他の例(第2の例)について、図5の概念図を参照しながら説明する。図5の例では、芯材10にフッ素樹脂フィルム20を巻回積層したもの(巻回積層物25)を複数用いており、巻き終わり側端辺を上側に向けながら複数の巻回積層物25を適当な間隔を開けながら並列させている。また巻回積層物25の上方に耐熱シート40を掛け渡しており、この耐熱シート40には、その片端に取り付けられた錘50によって適当な張力がかけられている。このようにして張設した耐熱シート40を、さらにその背後(図示例では上方)に設置された複数の可動ロール51によって巻回積層物25方向に移動させることによって、巻き終わり側端辺21を押圧することができる。
より詳細に説明すると、可動ロール51は、複数の巻回積層物25の間に収まるように移動する。そのため、耐熱シート40は巻き終わり側端辺21に当接し、かつ当接部以外は斜め芯材方向(図示例では斜め下方向)に向かうようになる。そして耐熱シート40には張力が作用しているため、前記耐熱シート40の当接部には、芯材側(より正確には斜め芯材側)から引張力が作用し、その結果、巻き終わり側端辺21を芯材10に向けて押圧できるようになる。
なおこの第2の例においても、巻き終わり側端辺21は必ずしも上側に向ける必要はなく、横側、下側など適当な側に向けることができる。巻き終わり側端辺21がある側に耐熱シート40を配設し、この耐熱シート40を、その背後に設置された可動ロール51によって巻回積層物25方向に移動させれば、図示例と同様に巻き終わり側端辺21を押圧することができる。
さらにロール51に変えて巻回積層物25を可動させてもよく、また初めから巻回積層物25の間に収まるようにロール51を設置しておけば、ロール51及び巻回積層物25のいずれも可動させる必要はない。
また第1の例及び第2の例のいずれにおいても、錘50は必須ではなく、適当な方法で耐熱シート40に張力を作用させればよい。例えば、耐熱シート40の端をクランプでつかみ、機械力によって張力を作用させてもよい。
第1の例及び第2の例のいずれにおいても、耐熱シート40は比較的広い範囲で巻回積層物25と接触していることが望ましい。接触範囲が広くなるほど、確実に巻き終わり側端辺21を押圧できる。耐熱シート40の接触開始部42から接触終了部43までの範囲は、これら開始部42及び終了部43と芯材10の中心とで形成される扇形の中心角θで表現したとき(図6参照)、例えば、10°以上、好ましくは20°以上、さらに好ましくは30°以上である。中心角θの上限は特に限定されないが、通常、180°程度である。
耐熱シート40は、フッ素樹脂フィルム20の端辺21を辺方向全体に亘って隙間無く押圧できる程度の可撓性を有することが求められ、さらには巻回積層後の熱融着温度(例えばフッ素樹脂の融点以上)にも耐えることができる程度の耐熱性が求められる。可撓性と耐熱性に優れたシートとしては、ポリイミドシートなどのような耐熱樹脂シート;アルミニウム箔、銅箔、ステンレス箔(SUS箔)などの金属圧延物(金属箔)などが挙げられる。
好ましい耐熱シート40は、熱融着温度に加熱したときに若干の寸法変化(熱寸法変化)が生じるシートである。熱寸法変化のある耐熱シート40は、熱融着温度に加熱したときにタルミが減少するため、フッ素樹脂フィルム20の端辺21との隙間をさらに高度に低減できる。優れた熱寸法変化特性をも兼ね備えた耐熱シート40には、耐熱樹脂シート;アルミニウム箔、銅箔など(好ましくはアルミニウム箔)のような延性に優れた金属の圧延物(高延性金属箔)などが含まれる。高延性金属箔は裂け易く取扱が難しいため、耐熱性樹脂シートが特に好ましい。
耐熱シート40が耐熱樹脂シートの場合、図7の概略断面図に示すように、耐熱樹脂シート40とフッ素樹脂フィルム20との間には、耐熱性離型シート45を挿入することが推奨される。耐熱樹脂シート40は引張強度に優れ、高い押圧力を作用させることができる一方、フッ素樹脂フィルム20と付着し易くなるためである。耐熱性離型シート45としては、前記金属箔が使用できる。耐熱性離型シート45は、耐熱樹脂シート40の接触開始部42から接触終了部43までの範囲を覆うことができる大きさにカットしたものを耐熱樹脂シート40とフッ素樹脂フィルム20との間に挿入して用いる。耐熱樹脂シート40と耐熱性離型シート(金属箔)45とは、必要に応じて接着しておいてもよい。
耐熱シート40による巻き終わり側端辺21の押圧力は、耐熱シートに作用させる張力によって制御できる。例えば中心角θ(図6参照)が180度のときの張力が、10N/50cm幅以上、好ましくは20N/50cm幅以上となる場合と同等の押圧力を作用させることが推奨される。押圧力が大きくなるほど、段差Dを低減できる。なお前記張力の上限は、例えば、200N/50cm幅程度、好ましくは100N/50cm幅程度である。押圧力が大きくなり過ぎると、耐熱シートがフッ素樹脂フィルム20に付着し易くなる。
耐熱シート40の厚さは、適当な可撓性を維持できる限り特に限定されないが、例えば耐熱樹脂シート、高延性金属箔では200μm以下程度であり、SUS箔では100μm以下程度である。
フッ素樹脂フィルム20の巻回数は、2以上である。巻回数が2未満であると、フィルム20が1層になる部分と2層になる部分とが生じ、チューブ30の厚さ変化が約2倍程度まで大きくなって画質が低下する虞があるのに対して、巻回数を2以上(好ましくは4以上、さらに好ましくは6以上)にするとチューブの厚さ変化を低減でき、画質の低下を防止できる。
フッ素樹脂フィルム20の巻回は、前記図示例のように、チューブ30の軸方向と巻き終わり側端辺21とが略平行になるようにしてもよいが、図8の概略斜視図に示すように、巻き終わり側端辺21が螺旋を描くようにしてもよい。好ましくはチューブ30の軸方向と巻き終わり側端辺21とが略平行になるようにフッ素樹脂フィルム20を巻回する。巻き終わり側端辺21をチューブ軸と略平行にしておけば、耐熱シート40を使用して該端辺21を押さえるのが容易になる。
巻回したフッ素樹脂フィルム20は、少なくとも最表層を1つ下の層と融着させればよい。最表層さえ融着しておけば、チューブ30の形状を維持できるためである。巻回したフッ素樹脂フィルム20を定着部材に使用する場合、巻回層の間に隙間があると層間にずれが生じ、チューブにシワが発生するため、各層同士が融着されていることが好ましい。なお巻回フッ素樹脂フィルム20を融着させる際には、通常、フッ素樹脂の融点以上の温度に加熱する。そのため最表層のみならず、各層同士も融着することが多い。
上記のようにして得られたフッ素樹脂チューブ30は、図3に示すように、フィルム20の巻き終わり側端辺21の盛り上がり22が小さくなっている。盛り上がり22の高さH(段差Dからフィルム厚さTを引いた値)は、2.0μm以下程度、好ましくは1.0μm以下程度、さらに好ましくは0.8μm以下程度である。また高さHは0μmであってもよく、さらに端辺21の押圧の程度によっては、端辺21でのフィルム厚さが、それ以外の部分のフィルム厚さTよりも薄くなっていてもよい(すなわち高さHが負の値になってもよい)。盛り上がり22の高さHを小さくすることによって、フィルム20の巻き終わり側での段差Dを小さくでき、高画質な画像を形成できるようになる。なお前記盛り上がり高さHは、より正確には端辺21の辺方向全体[通紙部以外(すなわち耳端部分)を除く]でみたときの最大の盛り上がり高さを意味する。一箇所でも高さHが大きすぎると、その箇所で画像に段差跡が発生するためである。
巻き終わり側端辺21の段差Dは、この端辺のどこで測定しても[ただし通紙部以外(すなわち耳端部分)を除く]常に3.0μm以下(例えば、2.5μm以下)になっていることが望ましい。段差Dが小さくなるほど、段差跡の発生をより高度に防止できる。段差Dを3.0μm以下にすると、普通紙に画像定着させたときの段差跡の発生を確実に防止できる。
ただし、記録用紙(転写材)が光沢紙やOHPシートなどのように平面平滑性が高い場合、普通紙よりも段差跡が発生し易くなる。そこで平面平滑性の高い記録用紙を使用して段差跡を確実に防止するためには、段差Dをさらに低減する必要がある。好ましい段差Dは、例えば2.3μm以下、より好ましくは2.0μm以下、特に1.8μm以下である。
なお盛り上がり高さH及び段差Dの測定方法について、図9〜11を参照しながら説明する。
(1)図9に示すように、測定対象となるチューブ30の中空部に、幅がチューブ内径よりも若干短く、長さがチューブ軸長さと略同じであるガラス板50(厚さ約1mm)を挿入し、空気の噛み込みやシワの発生を防止しながら、巻き終わり側端辺21の裏面(チューブ内面)をガラス板50に密着させる(測定用試料)。
(2)表面粗さ計[(株)ミツトヨ製「SV−600」]の測定スタイラス60を、巻回チューブ30の上段平坦部27から下段平坦部28に向けて、巻き終わり側端辺21と直交するように走査する。測定条件は、測定長さ:4.8mm、走査速度:0.5mm/s、評価曲線種別:P、基準長さ:0.8mm、区間数:5、評価長さ:4.0mm、ピッチ:0.5μm、助走:0.4mm、後走:0.4mmとする。得られた測定チャート(横軸:スタイラス移動距離、縦軸:スタイラス高さ)について、上段平坦部27及び下段平坦部28に対応する部分がほぼ水平になるように傾斜補正を行う。
(3)図10及び図11は、典型的な測定チャートの例を示すグラフである。図10のチャートは、上段平坦部27に始まり、盛り上がり22を経て段差21で大きくスタイラス高さが低下した後、直ちに下段平坦部28が始まっている。図11のチャートでは、段差21と下段平坦部28との間に、盛り下がり23が観察される。図10及び図11のいずれの場合であっても、測定チャート中、横軸方向における任意の300μm幅の領域を仮定し、この領域内の最高高さと最低高さとの差が測定チャート中で最大となる領域を段差領域Xとし、この段差領域内での最高高さと最低高さとの差を段差Dとする。また上段平坦部27の平均高さと、下段平坦部28の平均高さの差をフィルム厚さTとする。そして下式より、盛り上がり高さHを求める。
H=D−T(=H1+H2)
なお、レーザホロゲージ[(株)ミツトヨ製「LGH−110」]を用い、端辺21から5mm以内について実施した膜厚測定結果も、前記表面粗さ計による厚さTの測定結果と、通常、ほぼ一致する。
(4)端辺21のうち記録用紙と接触する部分(通紙部。例えば、A4用紙やA3用紙の短辺長さに相当する部分)から多数の箇所(例えばA4用紙やA3用紙を通紙する場合は、20〜30箇所程度)を偏りなく選択し、前記(2)〜(3)のようにして各箇所について段差D及び盛り上がり高さHを求め、その最大値をチューブ30の段差D及び盛り上がり高さHとする。
段差Dを3.0μm以下(好ましくは2.5μm以下)にするのに必要なフィルム厚さTは、例えば、2.5μm以下(好ましくは2.2μm以下)程度である。また段差Dを2.3μm以下(好ましくは2.0μm以下、特に1.8μm以下)にするのに必要なフィルム厚さTは、例えば、2.0μm以下(好ましくは1.8μm以下、特に1.6μm以下)程度である。
また本発明のフッ素樹脂チューブ30は、引張強度も優れている。引張強度の高いフッ素樹脂フィルム20を巻回積層したためである。フッ素樹脂チューブ30の引張強度は、チューブの円周方向及び軸方向のいずれの方向で測定しても、80N/mm2以上、好ましくは100N/mm2以上、さらに好ましくは140N/mm2以上である。フッ素樹脂チューブ30の引張強度を高めることで、チューブ30の耐摩耗性も高めることができる。
なおフッ素樹脂チューブ30の引張強度の測定は、該チューブ30を切り開いて得られる短冊状試験片を用いて行う。チューブを切り開く以外の測定手順は、フッ素樹脂フィルム20の引張強度の測定手順と同じである。
フッ素樹脂チューブ30の最大肉厚(チューブ厚)は、画像定着装置の種類によって適宜決めればよいが、例えば、フルカラーの高画質用途向け装置の場合、2μm以上であり、10μm以上であってもよく、30μm以上であってもよい。チューブ厚が大きくなるほど、チューブ30の製造が容易になる。しかしチューブ30が厚くなり過ぎると、このチューブ30を使用した定着部材の弾性が低下し、画質が低下しやすくなる。また画像定着装置の消費電力も大きくなる。従ってチューブ30の厚さは薄いほど望ましく、例えば、50μm以下、好ましくは30μm以下、さらに好ましくは10μm以下にすることが推奨される。モノクロの高速複写用途向けの装置であれば、摩耗耐久性が重要視されることから、フッ素樹脂チューブ30の最大肉厚(チューブ厚)は、例えば、30μm以上であり、100μm以上であってもよく、300μm以上であってもよい。
フッ素樹脂チューブ30は、後述するように弾性層の外周表面に被覆接着して定着部材として使用することがあるが、このような場合には、フッ素樹脂チューブ30の内面には、接着性向上のための表面処理を施すことが推奨される。一般に、フッ素樹脂チューブ30と弾性層との接着性が低いためである。前記表面処理には、コロナ放電処理、ケミカルエッチング処理、エキシマレーザー処理などの種々の公知の処理法を利用できる。
[定着部材、画像定着装置]
本発明のフッ素樹脂チューブ30は、定着部材(例えば、定着ロール、定着ベルトなど)の表層部材として有利に使用できる。本発明のフッ素樹脂チューブ30を使用すれば、耐摩耗性に優れているため定着部材の耐久性を高めることができ、また盛り上がり22を小さくしているため高画質化に貢献できる。
前記定着部材は、例えば、白黒印刷に使用する場合には弾性層がなくてもよい場合があるが、カラー印刷に使用する場合には弾性層がないと画質劣化が顕著になる。そのため、特にカラー印刷に使用する場合には、弾性層を有する定着部材が使用される。弾性層は、定着部材の形状に応じて、ロール形状、ベルト形状などの形状をしており、フッ素樹脂チューブ30は弾性層の外周表面に被覆接着される。弾性層がない場合も、ロール形状、ベルト形状などの基材の外周表面にフッ素樹脂チューブ30を被覆接着する。
フッ素樹脂チューブ30で弾性層又は基材の外周表面を被覆したとき、フッ素樹脂チューブ30の拡径率(被覆後のフッ素樹脂チューブ30の外径/被覆前のフッ素樹脂チューブの外径)は、例えば1.0〜1.1程度にすることが望ましい。拡径率が小さすぎるとロール表面にシワが入り易くなり、拡径率が大きすぎると、チューブ30が破れたり変形シワが発生したりし易くなる。
弾性層には、定着ロールや定着ベルトに使用されている公知のものが採用でき、例えば、シリコーンゴム、シリコーン発泡ゴム、フッ素ゴムなどが採用できる。弾性層の硬度は、例えば、1〜90度(デュロメータ タイプA)程度である。弾性層には、耐熱性、導電性、帯電性、熱伝導性などを高めるために種々の添加剤(フィラーなど)を添加してもよい。弾性層の厚さは、50μm〜50mmの範囲で適宜選択できる。
前記定着部材は、画像定着装置(コピー機、プリンターなど)の画像定着ユニット部材に利用できる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
[フッ素樹脂フィルム20]
下記製造例1〜3のようにしてフッ素樹脂フィルム20を製造した。
製造例1
PTFEファインパウダー[旭硝子(株)製「フルオンCD123」]と成形助剤とを混合し、得られたペーストを押出し、ロール圧延した後、成形助剤を乾燥除去することによって厚さ:0.16mm、幅:150mmのPTFEテープ(未焼成テープ)を作製した。このPTFEテープ(未焼成テープ)を、延伸温度:300℃、延伸速度:50%/secの条件で、まずTD方向に26倍(2500%)に延伸し、次いでMD方向に25倍(2400%)延伸した。その後、四辺を固定した状態で、温度375℃で15分間加熱(焼成)し、延伸多孔質PTFEフィルム(空孔率:80%、厚さ:6.0μm)を得た。カレンダーロール装置に延伸多孔質PTFEフィルムを供給し、ロール温度:70℃、面圧:8N/mm2(ニップ幅5mmで計算した値)、送り速度:6.0m/minの条件で加圧(圧潰)し(第1圧潰処理)、空孔率:2%、厚さ:1.4μmで白濁色の第1圧潰フィルムを得た。この第1圧潰フィルムを2枚のポリイミドフィルム[宇部興産(株)製「ユーピレックス20S」]の間に挟み、ホットプレス装置で、プレス板温度:400℃、面圧:10N/mm2の条件で5分間熱プレスした後(第2圧潰処理)、面圧を保持したまま60分間かけて室温までプレス板及びサンプルを冷却し、PTFEフィルムA(フッ素樹脂フィルム20)を得た。このPTFEフィルムAの特性(空孔率、厚さ、引張強度)を下記表1に示す。
製造例2〜3
PTFEテープ(未焼成テープ)の厚さを0.23mm(製造例2)、又は0.3mm(製造例3)にする以外は製造例1と同様にして、PTFEフィルム(フッ素樹脂フィルム20)を得た。製造例2から得られたPTFEフィルムB、及び製造例3から得られたPTFEフィルムCの特性(空孔率、厚さ、引張強度)を下記表1に示す。
[フッ素樹脂チューブ30]
下記実施例1〜4及び比較例1〜3のようにしてフッ素樹脂チューブ30を製造した。
実施例1
製造例1で得られたPTFEフィルムAの片面にコロナ放電処理(条件:100W/m2・min)を施した後、SUS304製の円柱形状の芯材10(芯材名称:芯材α、外径:25.9mm、軸長さ:540mm)に、図4に示す様に巻き終わり側端辺21が芯材(芯金)10の軸方向と平行になるように(概略のり巻き状に)巻き付けた。より詳細には、コロナ放電処理面が内側になるように、かつPTFEフィルムAのMD方向が芯材の円周方向になるように、9.1回[9回(9層)巻回し、さらに円周長さの0.1倍分だけが10層目を形成している状態をいう]巻き付け、芯材10の軸方向両端にリング状ストッパーを付けて巻回フィルムを固定した。巻き終わり側端辺21を真上に向け、この端辺21を覆うように幅50mm、長さ500mmのアルミニウム箔[昭和電工(株)製「A3003H−H18」]を被せた後、さらに幅160mm、長さ510mmのポリイミドシート40[宇部興産(株)製「ユーピレックス50S」を被せ、ポリイミドシート40の幅方向垂れ下がり部41に錘50(SUS製角柱、重さ:5.0kg)を取り付け(図4参照;張力49N/50cm幅;中心角θ=180度)、温度400℃のオーブンに入れて30分間加熱(焼成)した。冷却後、錘50付きのポリイミドシート40、アルミニウム箔、及びストッパーを外し、芯材10を抜いて、PTFEチューブA−1(フッ素樹脂チューブ30)を得た。
比較例1
アルミニウム箔とポリイミドシートによる巻き終わり側端辺の押圧を省略する以外は実施例1と同様にして、PTFEチューブA−3を得た。
実施例2〜3及び比較例2
PTFEフィルムの種類、及び巻き終わり側端辺の押圧の有無を下記表1に示すように変更する以外は、前記実施例1及び比較例1と同様にして、PTFEチューブB−1(実施例2)、PTFEチューブC(実施例3)、及びPTFEチューブB−2(比較例2)を製造した。
実施例4
芯材の外径を30.7mm(芯材名称:芯材β)にする以外は実施例1と同様にしてPTFEチューブA−2を製造した。
比較例3
芯材の外径を30.7mm(芯材名称:芯材β)にする以外は比較例1と同様にしてPTFEチューブA−4を製造した。
上記実施例及び比較例で得られたPTFEチューブの特性[内径、最大肉厚(チューブ厚)、9層部の厚さ、引張強度、盛り上がり高さH(最大値)、段差D(最大値)]を下記表1に示す。なおPTFEチューブの軸長さはいずれの例でも480mmであった。
上記実施例及び比較例のPTFEチューブを用いて下記に示すようにして定着部材を製造し、印刷画像を評価した。
[定着部材]
定着ロール:
実施例1〜3及び比較例1〜2のPTFEチューブを用い、下記のようにして定着ロールを製造した。
すなわちPTFEチューブの片端をクリップで閉じ、チューブ内に温度25℃のNa/ナフタレン錯塩溶液[(株)潤工社製「テトラH」]を注ぎ、3秒間保持した後、該溶液を排出した。続いて、メタノール、水、メタノールの順にチューブ内に注ぎ、いずれの場合も10秒間保持した後、排出した。チューブ内面に、エア乾燥後、プライマー[東レダウコーニング(株)製「DY39−051」]を塗布し、内径:26.7mmのロール成形用金型の内壁に添装した。さらにPTFEチューブの内部中央にアルミニウム芯軸(外径:25.5mm、胴長:410mm)を配し、PTFEチューブとアルミニウム芯軸との間にシリコーンゴム[信越化学工業(株)製「KE−1356」]を注入し、温度130℃で30分熱硬化させ、さらに温度200℃で4時間2次硬化させて、表層がPTFEチューブで形成された定着ロールを製造した。
定着ベルト:
実施例4及び比較例3のPTFEチューブを用い、下記のようにして定着ベルトを製造した。
すなわち円筒形芯金(SUS304製、外径:30.0mm、軸長さ:500mm)の外壁にポリイミドワニス[宇部興産(株)製「UワニスS」]を塗布し、この円筒形芯金を内径31.0mmのダイスに通して円筒形芯金上にポリイミドワニスの塗布膜を形成した。次いで温度300℃で30分間加熱した後、円筒形芯金を取外し厚さ50μm、外径30.1mm、長さ400mmのポリイミドチューブを得た。得られたポリイミドチューブの外表面に、コロナ放電処理(条件:100W/m2・min)した後、プライマー[東レダウコーニング(株)製「DY39−012」]を約2μmの厚さとなるように塗布し、芯金(SUS304製、外径:29.9mm、軸長さ:500mm)をポリイミドチューブの中空に挿入した。
前記定着ロールの場合と同様にして内面処理とプライマー処理を施したPTFEチューブを円筒形金型(SUS304製、内径:31.2mm、軸長さ:500mm)の内面に添装した。この円筒形金型に前記のポリイミドチューブを被せた芯金を挿入し、PTFEチューブとポリイミドチューブとの間にシリコーンゴム[信越化学工業(株)製「KE−1356」]を注入し、温度130℃で30分熱硬化させ、さらに温度200℃で4時間2次硬化させた。円筒形金型と芯金を取外し、表層がPTFEチューブで形成された定着ベルト[最大肉厚(ポリイミド層、シリコーンゴム層、PTFE層の合計厚さ):65μm、外径:31.2mm、長さ343mm]を製造した。
[画像評価]
定着ロール:
実施例又は比較例の定着ロールを市販のカラープリンター[富士ゼロックス(株)製「DocuPrintC2220」]に搭載し、記録用紙(普通紙、光沢紙、又はOHPシート)に全面ベタ画像を印刷し、印刷画像上に定着ロール表面の段差跡が発生するか否かを目視で確認した。
定着ベルト:
カラープリンター[富士ゼロックス(株)製「DocuPrintC2220」]の定着ユニットを取出して台座に固定し、定着ロールシャフトに取り付けられたギアと外部モーターの軸に取り付けられたキアとを噛み合わせて、モーター駆動が直接定着ロールに伝わるようにして、定着ユニットの定着ロールと定着ベルトとがニップ状態で回転駆動できるベンチ評価機を作製した。また、定着ロール内部にハロゲンヒーターランプを取り付け、このハロゲンヒーターランプを温度センサーと連動してON/OFFできるようにして、定着ロールの表面温度を所定温度に維持できるようにした。これにより、定着ロール表面を高温にした状態で回転駆動が行えるようになった。
このベンチ評価機に実施例又は比較例の定着ベルトを搭載し、定着ロール表面温度を190℃に維持した状態で、定着ロールを回転駆動(48rpm)させた。定着前のトナーが付着した記録用紙(普通紙、光沢紙、又はOHPシート)を、これらのトナー付着面を定着ベルト側に向けながら、ニップの間を通過させて、ベタ画像を印刷した。印刷画像上に定着ロール表面の段差跡が発生するか否かを目視で確認した。
結果を表1に示す。また実施例1のPTFEチューブA−1及び比較例1のPTFEチューブA−3の巻き終わり側端辺21をレーザー顕微鏡[オリンパス(株)製「OLS−3000」、画像:鳥瞰図表示、表示方法:メッシュ、ライン間隔:4、高さ係数:5.0、視点位置:X=20°Y=80°]で撮影した写真を図12(実施例1)及び図13(比較例1)に示す。
Figure 2006323017
表1及び図13から明らかなように端辺21を押圧することなくフッ素樹脂チューブ30を製造すると、端辺21が大きく盛り上がり、段差Dが大きくなってしまう(比較例1〜3)。そのためたとえ厚さ1.2μm程度の極薄のPTFEフィルムを用いても、段差跡が発生する(比較例1)。
これに対して、表1及び図12から明らかなように、端辺21を押圧しながら製造したフッ素樹脂チューブ30では、端辺21の盛り上がりが低減されており、段差Dも小さくなっている。その結果、普通紙に印刷する場合には段差跡なく印刷できる(実施例1〜4)。特に比較的薄いPTFEフィルムを用いた実施例1、2及び4は、段差Dがさらに低減されるため、光沢紙やOHPシートなどに印刷する場合でも段差跡なく印刷できる。
図1は従来のフッ素樹脂チューブの製法について説明するための概略斜視図である。 図2は従来のフッ素樹脂チューブの要部拡大側面図である。 図3は本発明のフッ素樹脂チューブの一例を示す要部拡大側面図である。 図4は本発明のフッ素樹脂チューブの製法の一例を示す概略斜視図である。 図5は本発明のフッ素樹脂チューブの製法の他の例を示す概念図である。 図6は本発明のフッ素樹脂チューブの製法の好ましい一例を示す概略断面図である。 図7は本発明のフッ素樹脂チューブの製法の好ましい他の例を示す概略断面図である。 図8は本発明のフッ素樹脂チューブの製法の別の例を示す概略斜視図である。 図9はフッ素樹脂チューブの測定方法を説明するための概念図である。 図10はフッ素樹脂チューブの表面粗さの測定チャートの一例を示す概略図である。 図11はフッ素樹脂チューブの表面粗さの測定チャートの他の例を示す概略図である。 図12は実施例1のフッ素樹脂チューブのレーザー顕微鏡写真である。 図13は比較例1のフッ素樹脂チューブのレーザー顕微鏡写真である。
符号の説明
10 芯材
20 フッ素樹脂フィルム
21 巻き終わり側端辺
22 盛り上がり
30 フッ素樹脂チューブ
40 耐熱シート

Claims (15)

  1. フッ素樹脂フィルムが2回以上巻回積層され、かつ少なくとも最表層が1つ下の層と融着しているチューブであって、
    チューブの円周方向及び軸方向の引張強度が、いずれも80N/mm2以上であり、
    前記フッ素樹脂フィルムの巻き終わり側端辺の盛り上がり高さが、この端辺のどこで測定しても常に2.0μm以下であることを特徴とするフッ素樹脂チューブ。
  2. 巻き終わり側端辺の段差が、この端辺のどこで測定しても常に3.0μm以下である請求項1に記載のフッ素樹脂チューブ。
  3. 巻き終わり側端辺の段差が、この端辺のどこで測定しても常に2.3μm以下である請求項1に記載のフッ素樹脂チューブ。
  4. 前記フッ素樹脂フィルムの厚さが、2.5μm以下である請求項1又は2に記載のフッ素樹脂チューブ。
  5. 前記フッ素樹脂フィルムの厚さが、2.0μm以下である請求項1又は3に記載のフッ素樹脂チューブ。
  6. チューブ厚が2〜300μmである請求項1〜5のいずれかに記載のフッ素樹脂チューブ。
  7. 前記フッ素樹脂チューブが、引張強度80N/mm2以上のフッ素樹脂フィルムを2回以上巻回積層した後、少なくとも最表層を1つ下の層と融着させたものである請求項1〜6に記載のフッ素樹脂チューブ。
  8. 前記フッ素樹脂フィルムが充実化構造を有するものである請求項1〜7のいずれかに記載のフッ素樹脂チューブ。
  9. 前記フッ素樹脂フィルムが、ポリテトラフルオロエチレンを含む樹脂のフィルムである請求項1〜8のいずれかに記載のフッ素樹脂チューブ。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載のフッ素樹脂チューブで表層が形成されている定着ロール。
  11. 請求項1〜9のいずれかに記載のフッ素樹脂チューブで表層が形成されている定着ベルト。
  12. 請求項10記載の定着ロール又は請求項11記載の定着ベルトを備えた画像定着装置。
  13. 引張強度80N/mm2以上のフッ素樹脂フィルムを芯材に2回以上巻回積層し、巻き終わり側端辺を芯材に向けて押圧しながら加熱して、少なくとも最表層を1つ下の層と融着させることを特徴とするフッ素樹脂チューブの製造方法。
  14. 前記巻き終わり側端辺に沿って耐熱シートを配設し、この耐熱シートを前記芯材側から引っ張ることによって、巻き終わり側端辺を芯材に向けて押圧する請求項13に記載のフッ素樹脂チューブの製造方法。
  15. 前記耐熱シートが耐熱樹脂シートであり、この耐熱樹脂シートとフッ素樹脂フィルムとの間に金属箔を挿入してから耐熱シートを芯材側から引っ張る請求項14に記載のフッ素樹脂チューブの製造方法。
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