JP2006259388A - 耐熱性樹脂無端ベルトの製造方法、耐熱性樹脂無端ベルト及び定着装置 - Google Patents

耐熱性樹脂無端ベルトの製造方法、耐熱性樹脂無端ベルト及び定着装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 膨れ現象を抑制可能な耐熱性樹脂無端ベルトの製造方法、耐熱性樹脂無端ベルト及び定着装置を提供すること。
【解決手段】 耐熱性樹脂前駆体溶液を芯体の表面に塗布して耐熱性樹脂前駆体塗膜を形成する塗膜形成工程と、前記芯体の両端に金属部材が接するように配置された状態で前記耐熱性樹脂前駆体塗膜を乾燥させる乾燥工程と、乾燥させた前記耐熱性樹脂前駆体塗膜を加熱反応させて耐熱性樹脂皮膜を形成する加熱工程と、前記耐熱性樹脂皮膜を前記芯体から剥離する剥離工程と、を有する耐熱性樹脂無端ベルトの製造方法、この方法により製造された耐熱性樹脂無端ベルト及びこのベルトを用いた定着装置。
【選択図】 なし

Description

本発明は、複写機やレーザープリンタ等の電子写真装置内(転写装置や、定着装置、用紙搬送装置)に用いられる耐熱性樹脂無端ベルトの製造方法、及びその製造方法によって作製された耐熱性樹脂無端ベルトと、その耐熱性樹脂無端ベルトを用いた定着装置に関する。
電子写真装置においては、トナー像を記録用紙上に転写するための転写体として、又は、トナーを加熱定着するための定着体として、金属やプラスチック、またはゴム製の回転体が使用されるが、装置の小型化や省電力化のために、回転体には、可とう性のある、肉厚が薄い樹脂製ベルトが用いられる場合が多い(例えば、特許文献1又は2参照。)。この場合、ベルトに継ぎ目(シーム)があると、出力画像に継ぎ目に起因する欠陥が生じるので、継ぎ目がない無端ベルトが好ましい。その材料としては、強度や寸法安定性の面でポリイミド樹脂を始めとする耐熱性樹脂が好ましく、特に定着装置では、耐熱性の観点からもポリイミド樹脂が特に好ましい(以後、ポリイミドをPIと称することがある。)。
このPI樹脂は、その前駆体を芯体に塗布し、乾燥し、加熱焼成して作製される。該前駆体は、非プロトン系極性溶剤に酸無水物とジアミンを溶解して調製される。非プロトン系極性溶剤としては、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。調製時の濃度、粘度等は、適宜選択される。
PI樹脂ベルトを定着体として使用するには、表面に付着するトナーの剥離性向上のため、ベルト表面に非粘着性の層を設けることが好ましい。その層の材料としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等のフッ素樹脂を主成分とするのが好ましい。非粘着層には、耐摩耗性や静電オフセットの向上のために、カーボン粉体や、酸化チタン、硫酸バリウム等の無機化合物粉体等、フッ素樹脂以外の材料を含んでもよい。
定着ベルトとして、PI樹脂層の厚さは25〜200μmの範囲が好ましく、フッ素樹脂層の厚さは5〜50μmの範囲が好ましい。
また、定着装置に要求される画質性能に応じて、PI樹脂層と前記表面非粘着層の間に、耐熱性ゴム層が設けられる事もある。この場合、耐熱性ゴムとして、シリコンゴムやフッ素ゴムが使用されることが多い。
PI樹脂で無端ベルトを作製するには、円筒体の内面にPI前駆体溶液を塗布し、回転しながら乾燥させる遠心成形法(例えば、特許文献3参照。)や、円筒体内面にPI前駆体溶液を展開する内面塗布法(例えば、特許文献4参照。)がある。但し、これら内面に成膜する方法では、PI前駆体皮膜が、管状体として強度を保持できる状態になるまで熱処理した後、円筒体から抜いて外型に載せ換える必要があり、工数が増える問題や、載せ替えによって、PI皮膜と載せ替え金型の間にゴミ等の異物が混入し、PI皮膜の突起となり、画質欠陥となる問題があった。また、表面にフッ素樹脂を塗布する場合も、外型に載せ換えた後で塗布する必要があった。
PI樹脂無端ベルトの他の製造方法として、芯体の表面に、浸漬塗布法によってPI前駆体溶液を塗布し、熱風乾燥炉などで乾燥した後、更に所定の温度まで加熱焼成することにより、芯体外面上にPI樹脂皮膜を形成する方法(外面塗布形成方法)がある(例えば、特許文献6参照。)。PI前駆体溶液が高粘度のために、膜厚が厚くなりすぎる場合には、芯体の外径よりも大きな孔を設けた環状体をPI前駆体溶液に浮かべて、PI前駆体溶液の膜厚を制御する方法もある(例えば、特許文献6参照。)。この外面塗布形成方法では、外型に載せ換える工数が不要であるほか、芯体形状及びその表面形状を所望のものにすることで、PI樹脂皮膜を芯体から剥離すると、その外径形状は芯体の外径形状にならい、その内面は、凹凸を逆にして芯体の表面形状が転写される特徴がある。
一方、これらの無端ベルト製造方法に用いられるPI前駆体溶液の溶剤には、非プロトン系極性溶剤が用いられており、いずれも沸点が高く、乾燥が非常に遅いという性質がある。また、円筒体内面や芯体表面に塗布形成されたPI樹脂皮膜はガス透過性が低いため、前記PI樹脂皮膜中に含まれる溶剤を乾燥させようとしても一部が残留しやすい。
浸漬塗布方法など、芯体表面にPI樹脂皮膜を形成した後で剥離する方法では、溶剤乾燥後の加熱工程において、残留溶剤や、縮合反応が進行する段階で発生する水が、皮膜内部や芯体と皮膜との間に滞留していると、加熱時の熱で膨張して高圧のガスとなり、PI樹脂皮膜に膨れが生じて変形し、膜厚や外径が不均一になることがある。これは特に焼成後の皮膜厚みで50μ以上、更に言えば70μm以上の膜厚のように厚い場合に顕著である。
ベルト内面を所望の形状にすることで、様々な要求に対応することができるが、特に内面がいわゆる鏡面のタイプのものを作成する際に、乾燥時に芯体とベルト内面との間に前記のガスが溜りやすく膨れにつながる場合が多かった。
このような膨れ現象が生じたベルトを電子写真定着装置に用いた場合、その外径形状により、用紙走行が不安定になり、用紙のしわや、トナーの溶融ムラ現象が起きることや、ベルトの蛇行現象により、ベルト破損が生じることがあった。
また、この膨れ現象が生じたベルトの外面に耐熱樹脂層や、耐熱ゴム層を形成した場合、その膨れ形状により、耐熱性樹脂層や耐熱ゴム層被膜の厚みが不安定になる(膨れ部分が薄くなる)ことがあった。
特開平8−262903号公報 特開平11−133776号公報 特開昭57−74131号公報 特開昭62−19437号公報 特開昭61−273919号公報 特開2002−91027号公報
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、膨れ現象を抑制可能な耐熱性樹脂無端ベルトの製造方法、その方法により製造された耐熱性樹脂無端ベルト及びそれを用いた定着装置を提供することを目的とする。
即ち、本発明は、
<1> 耐熱性樹脂前駆体溶液を芯体の表面に塗布して耐熱性樹脂前駆体塗膜を形成する塗膜形成工程と、前記芯体の両端に金属部材が配置された状態で前記耐熱性樹脂前駆体塗膜を乾燥させる乾燥工程と、乾燥させた前記耐熱性樹脂前駆体塗膜を加熱反応させて耐熱性樹脂皮膜を形成する加熱工程と、前記耐熱性樹脂皮膜を前記芯体から剥離する剥離工程と、を有する耐熱性樹脂無端ベルトの製造方法である。
<2> 前記金属部材は、前記芯体の端部に接するように配置される<1>に記載の耐熱性樹脂無端ベルトの製造方法である。
<3>前記芯体は、円筒状芯体である<1>又は<2>に記載の耐熱性樹脂無端ベルトの製造方法である。
<4> 前記金属部材は、内径が前記円筒状芯体の外径よりも大きく一端が閉じた円筒であり、前記円筒状芯体の端部を覆うように配置された<3>に記載の耐熱性樹脂無端ベルトの製造方法である。
<5> 前記金属部材は、前記円筒状芯体の内径以下の外径である円筒部又は円柱部を有し、前記円筒部又は円柱部が前記円筒状芯体の端部の内側を占めるように配置された<3>に記載の耐熱性樹脂無端ベルトの製造方法である。
<6> 前記耐熱性樹脂は、ポリイミド樹脂である<1>乃至<5>のいずれか1つに記載の耐熱性樹脂無端ベルトの製造方法である。
<7> <1>乃至<6>のいずれか1つに記載の耐熱性樹脂無端ベルトの製造方法により製造された耐熱性樹脂無端ベルトである。
<8> 回転可能に設置される定着部材と、前記定着部材に従動して回転可能に圧接配置され、前記定着部材との間に形成されるニップ部に未定着トナー像を担持した記録媒体が狭持される定着用管状体と、前記定着用管状体の内側に配置され、前記定着部材側に向けて前記定着用管状体を押圧する押圧部材と、前記ニップ部を加熱する加熱源と、を備えた定着装置であって、前記定着用管状体が、<7>に記載の耐熱性樹脂無端ベルトである定着装置である。
<9> 前記定着用管状体と前記押圧部材との間に介在させるシート状部材と、前記定着用管状体と前記シート状部材との間に介在させる潤滑剤と、をさらに備える<8>に記載の定着装置である。
本発明によれば、膨れ現象を抑制可能な耐熱性樹脂無端ベルトの製造方法、その方法により製造された耐熱性樹脂無端ベルト及びそれを用いた定着装置を提供することができる。
以下、本発明の耐熱性樹脂無端ベルトの製造方法、耐熱性樹脂無端ベルト及び定着装置について詳細に説明する。
<耐熱性樹脂無端ベルト及びその製造方法>
本発明の耐熱性樹脂無端ベルトの製造方法は、耐熱性樹脂前駆体溶液を芯体の表面に塗布して耐熱性樹脂前駆体塗膜を形成する塗膜形成工程と、前記芯体の両端に金属部材が配置された状態で前記耐熱性樹脂前駆体塗膜を乾燥させる乾燥工程と、乾燥させた前記耐熱性樹脂前駆体塗膜を加熱反応させて耐熱性樹脂皮膜を形成する加熱工程と、前記耐熱性樹脂皮膜を前記芯体から剥離する剥離工程と、を有する。
本発明者らは、乾燥工程において芯体の両端に金属部材が配置された状態で耐熱性樹脂前駆体塗膜を乾燥させることによりベルトの内面形状に関わらず、膨れの改善されたベルトが得られることを見出した。その理由は明確ではないが、次のように推定される。芯体の両端に金属部材が配置されない状態の芯体では、両端部の方が早く温度上昇し先に乾燥するが、中央部では昇温が遅く遅れて乾燥するため、中央部の塗膜中の溶媒成分が揮発してガスとなる際には先に乾燥が終わった両端部からガスが抜けにくく溜り、膨れにつながりやすい。これに対して、芯体の両端に金属部材が配置された状態で乾燥することにより、両端部の温度上昇が抑制され、軸方向の温度差が小さくなり、軸方向の場所による乾燥時間の差を軽減するとともに、両端部からのガス抜けがおきやすく、膨れが改善されるものと考えられる。
芯体の端部に金属部材が接するように配置された状態で耐熱性樹脂前駆体塗膜を乾燥させることにより芯体の両端部の温度をより一定に保つことができ、さらなる膨れの改善が可能となるため好ましい。
本発明の耐熱性樹脂無端ベルトの製造方法に用いられる芯体の形状としては、円柱状又は円筒状等の、柱状又は筒状の形状が挙げられ、その断面は一般的に円形状のものが好適に用いられるが、楕円状等のその他の断面形状を有するものを用いることも可能である。
本発明に用いられる金属部材の形状は特に限定されるものではなく芯体の端部を覆う円筒等を用いることができる。芯体として円筒状芯体が用いられた場合の金属部材の一例として、内径が円筒状芯体の外径よりも大きく一端が閉じた円筒であり、円筒状芯体の端部を覆うように配置されるものが挙げられる。図1は、金属部材の一例を示す図であり、図1Aは金属部材の斜視図を、図1Bは金属部材を円筒状芯体の端部に接するように配置した際の断面図を示す。図1Aに示す金属部材1は、図1Bに示すように円筒状芯体2の端部を覆うようにして配置される。
このような形状の金属部材を用いることにより、乾燥工程において円筒状芯体の端部に熱風が直接当たるのを防ぐことができる。よって、端部における耐熱性樹脂前駆体塗膜の乾燥を遅らせることができ、端部から溶剤ガスが抜けやすくなるため好ましい。
金属部材の他の一例として、円筒状芯体の内径以下の外径である円筒部又は円柱部を有し、前記円筒部又は円柱部が前記円筒状芯体の端部の内側を占めるように配置されるものが挙げられる。図2は、金属部材の他の一例を示す図であり、図2Aは金属部材の斜視図を、図2Bは金属部材を円筒状芯体の端部に接するように配置した際の断面図を示す。図2Aに示す金属部材1は、図2Bに示すように円筒状芯体2の端部の内側を金属部材1の円柱部が占めるように配置される。前記円筒部又は円柱部を円筒状芯体に嵌合するようにしてもよい。
また、金属部材の他の一例として、内径が円筒状芯体の外径よりも大きく一端が閉じた円筒であると共に前記円筒状芯体の内径以下の外径である円筒部又は円柱部を有する金属部材を挙げることができる。図3は、金属部材の他の一例を示す図であり、図3Aは金属部材の斜視図を、図3Bは金属部材を円筒状芯体の端部に接するように配置した際の断面図を示す。図3Aに示す金属部材1は、図3Bに示すように円筒状芯体2の端部を覆うと共に円筒状芯体の端部の内側を金属部材1の円柱部が占めるように配置される。
本発明の耐熱性樹脂無端ベルトの製造方法に用いられる芯体の材質は、アルミニウムや銅、ステンレス等の金属が好ましい。その際、芯体表面をクロムやニッケルでメッキしたり、フッ素樹脂やシリコーン樹脂で表面を被覆したり、あるいは芯体表面に形成される皮膜が接着して剥離が困難とならないように、芯体表面に離型剤を塗布してもよい。
なお、本発明において、「芯体表面」とは、特に説明が無い場合には、芯体の外周面を意味する。
芯体表面は鏡面でも、加工により例えば、周方向に対して、実質的に一定の角度を成す切削加工目を有するものであってもよく、複数の角度を成す切削加工目が混在していてもよい。
図4は、本発明の耐熱性樹脂無端ベルトの製造方法に用いられる円筒状芯体において、その表面の周方向に形成された切削加工目の例を示す模式図であり、図4(a)は、周方向に対してほぼ平行に形成された加工目の例を示し、図4(b)は、周方向に対してやや斜め方向に形成された加工目の例を示し、図4(c)は、周方向に対して2種類の角度でやや斜め方向に形成された加工目の例を示す。2は芯体を示し、符号Aと符号A’とで示される一点鎖線は、芯体2の軸方向を示す。なお、図4に示す加工目は、説明のために強調して描かれたものであり、必ずしも実際に形成される加工目に対応するものではない。
切削加工は芯体を周方向に回転させながら、前記芯体表面にバイトを当接させる公知の加工方法で実施され、バイトの形状や送り速度により芯体表面の表面粗さRaを制御することができるが、これらの加工条件は芯体の外径に応じて調整される。芯体表面の軸方向の表面粗さRaが、0.3〜3.0μmの範囲内であり、芯体表面の周方向の表面粗さRaが、芯体表面の軸方向の表面粗さRaよりも小さくなるように、芯体表面の周方向に切削加工が施されることが好ましい。
なお、周方向の表面粗さRaが、軸方向の表面粗さRaよりも小さい加工目をもつ芯体を用いた場合にも、膨れ現象が悪化する場合があったが、芯体と塗膜との界面で発生した溶媒成分等由来のガスによる膨れを防ぐことが可能な本発明に係る乾燥工程により、膨れ現象を低減することができる。
芯体表面の表面粗さRaと、作製される無端ベルト内周面の表面粗さRaとは略比例関係にあり、芯体表面の表面粗さRaが大きくなるに従い、無端ベルト内周面の表面粗さRaも大きくなる。一方、無端ベルト外周面の表面粗さRaは、無端ベルトの膜厚(以下、「ベルト膜厚」と略す)によっても左右される。
なお、表面粗さRaとは、粗さの尺度の一つである算術平均粗さであり、公知の触針式表面粗さRa測定機(例えばサーフコム1400A、東京精密社製等)を使用して測定することができる。
本発明における表面粗さRaの測定は、サーフコム1400Aを用いて、JIS B0601−1994に準拠し、評価長さLn=4mm、基準長さL=0.8mm、カットオフ値=0.8mmからなる測定条件で実施されたものである。なお、これ以外の条件で測定することも可能であるが、上記した本発明に係る測定条件と相関が取れる条件で測定されることが好ましく、測定された値は、本発明に係る測定条件で評価した値に換算することにより評価される。
なお、本発明において耐熱性樹脂無端ベルトの内周面とは、芯体表面に接していた面を意味する。
本発明の耐熱性樹脂無端ベルトの製造方法に用いられる金属部材の材質は、アルミニウム合金、銅、真鍮、鉄、ステンレスが好ましく、鉄、ステンレスがさらに好ましく、ステンレスが特に好ましい。また、芯体の材質と金属部材の材質との好ましい組み合わせとしては、アルミニウム製の芯体とステンレス製の金属部材との組み合わせが挙げられる。これは、芯体の材質として耐熱性を有し熱伝導率の高い事により均一な温度上昇が得られる点からアルミニウムが優れておりまた、金属部材としては機械的強度並びに耐熱性があり且つ、比重が高く少体積で端部の温度上昇を抑えることが出来るステンレスが最も適しているためである。
以下、本発明の耐熱性樹脂無端ベルトの製造方法について、各工程ごとに説明する。
−塗膜形成工程−
塗膜形成工程では、円筒状芯体表面に塗膜を形成するために耐熱性樹脂前駆体溶液を用いる。用いられる耐熱性樹脂前駆体については特に限定されるものではないが、耐熱性に優れるポリイミド樹脂を得られることからポリイミド(PI)前駆体が好ましい。以降、耐熱性樹脂としてPI樹脂を例に説明する。
前記PI前駆体溶液に含まれるPI前駆体としては、公知のものを用いることができる。また、前記PI前駆体を溶解させる溶剤としては、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等、公知の非プロトン系極性溶剤を用いることができる。
なお、PI前駆体溶液の濃度、粘度等は、適宜選択され、また、PI前駆体溶液には、必要に応じて、導電性粒子等の他の材料や添加剤等を加えてもよ
い。
芯体表面への、PI前駆体溶液の塗布方法としては、芯体の形状にもよるが、芯体をPI前駆体溶液に浸漬して引き上げる浸漬塗布法、軸方向が水平方向にほぼ平行となるように設置され、周方向に回転している芯体の表面に、前記芯体のほぼ真上に設置されたノズル等からPI前駆体溶液を吐出しながら、前記芯体または前記ノズルを軸方向に平行移動させる流し塗り法、該流し塗り法において、前記芯体表面に形成された塗膜をブレードでメタリングするブレード塗布法等、公知の方法が利用できる。
なお、上記流し塗り法やブレード塗布法では、芯体表面に形成される塗膜は芯体の軸方向にらせん状に形成されるため、継ぎ目が出来るものの、PI前駆体溶液に含まれる溶剤は常温での乾燥が遅いために継ぎ目は自然に平滑化される。
以下、上記に説明した各種塗布法のうち、まず浸漬塗布法について、次にブレード塗布法について詳述するが、本発明の耐熱性樹脂無端ベルトの製造方法において、PI前駆体塗膜の形成方法は、これに限定されるものではない。
浸漬塗布法により、芯体表面にPI前駆体溶液を塗布するには、芯体をPI前駆体溶液中に浸漬し、その後引き上げることにより実施される。但し、PI前駆体溶液は粘度が非常に高いため、浸漬塗布法で塗布すると、芯体表面に形成される塗膜の膜厚が必要以上に厚くなる場合がある。
従って、芯体の外径よりも大きな円形の孔を設けた環状体を、PI前駆体溶液の液面に浮設させ、前記環状体の孔を通して、芯体をPI前駆体溶液中に浸漬し、引き上げることが好ましい。なお、引き上げ時には、前記環状体が、自由に移動可能なように液面上に浮遊した状態であることが好ましい。また、PI前駆体溶液液面からの環状体の高さが一定範囲内に収まるように、芯体の引き上げ速度を調節しながら、前記芯体を前記PI前駆体溶液から相対的に上昇させることが好ましい。
このような環状体を用いた浸漬塗布方法について、以下に図面を用いて説明する。図5は、環状体を用いた浸漬塗布方法の一例について示した模式断面図であり、一旦、PI前駆体溶液中に浸漬した芯体を上昇させることにより、前記芯体表面に、塗膜が形成されている状態を示したものである。図6は環状体を用いた浸漬塗布方法の一例についての斜視図である。
なお、図5及び図6は、環状体を用いた浸漬塗布に関する主要部のみを示したものであり、浸漬/引き上げ装置等の周辺部については省略している。図5、図6中、2は芯体を、12はPI前駆体溶液を、13は塗布槽を、14は塗膜(PI前駆体塗膜)を、15は環状体を、16は環状体の孔を表す。
なお、本発明において、「芯体上に塗布する」とは、芯体の表面上、及び該表面に層を有する場合はその層上に塗布することを意味する。また、「芯体を上昇」とは、PI前駆体溶液の液面に対する相対的な上昇を意味し、「芯体を停止」する場合、「PI前駆体溶液の液面を下降」させる場合を含む。
図5、図6に示す環状体を用いた浸漬塗布方法では、塗布槽13中のPI前駆体溶液12の液面に環状体15を自由に移動できるように浮設する。次に、芯体2を、環状体の孔16を通して、PI前駆体溶液12中へ浸漬し、次いで、上昇させることにより芯体2表面に塗膜14が形成される。また、塗膜14の膜厚は、芯体2の外径と、環状体の孔16の孔径と、の差に応じて調整される。
環状体15は、PI前駆体溶液に用いられる溶剤により侵食されない種々の金属、プラスチック等から作られ、軽量化のために中空構造を有するものであってもよい。また、環状体15が、PI前駆体溶液12中に沈没するのを防止するために、環状体の外周面および/または塗布槽に、環状体15を支える足や腕を設けてもよい。
芯体2の外径と、環状体の孔16の最小孔径と、の差を2で割った値(以下、「間隙幅」と略す)は、所望する塗膜14の塗布直後の厚み(以下、「濡れ膜厚」と略す)が得られるように調整される。乾燥後の塗膜14の膜厚(以下、「乾燥膜厚」と略す)は、濡れ膜厚およびPI前駆体溶液12の不揮発分濃度の積で表され、この関係から所望の濡れ膜厚が求められる。
但し、使用するPI前駆体溶液12の粘度及び/又は表面張力などにより、間隙幅が、そのまま濡れ膜厚として反映されるとは限らない。このため、使用するPI前駆体溶液12に応じて、間隙幅を、所望する濡れ膜厚の1倍〜2倍の範囲内にすることが好ましい。
図7は、環状体15の断面図を示す。環状体15の孔16の形状は、図7に示すように、PI前駆体溶液12の液面に対して下部が広く、上部が狭い形状であれば特に限定されないが、下部から上部へと直線的に徐々に狭くなる形状17のほか、階段状や曲線状に徐々に狭くなる形状18でもよい。
次に、ブレード塗布方法について説明する。
PI前駆体溶液を円筒状芯体表面に流下させつつ、へらでPI前駆体溶液を平坦化し、PI前駆体溶液の流下点とへらを円筒状芯体の一端から他の一端へ水平方向に移動させることにより、円筒状芯体の表面にPI前駆体溶液を塗布する。
図8は、ブレード塗布方法に用いられる塗布装置の主要部を示す概略図である。図8において、芯体2を矢印方向に回転させながら、PI前駆体溶液12を容器21から、ノズル22を通して、流下させる。ノズル22は容器21に取り付けてもよいが、両者を離して管で連結し、容器21を別置きに固定してもよい。
流下したPI前駆体溶液12は、へら20により平坦化されて塗膜14が形成される。へら20を通過した直後は、筋が残ることがあるが、液の流動性により、筋は時間と共に消滅する。ノズル22とへら20とを連動させ、芯体2の一端から他の一端へ水平方向に移動させることにより、芯体の表面に塗布することができる。その移動速度が塗布速度と言える。
塗布条件は、芯体2の回転速度が20〜200rpmであり、塗布速度Vは、芯体の外径k、PI前駆体溶液の流下量f、所望の濡れ膜厚tと関係があり、V=f/(t・k・π)の式で表わされる。πは円周率を示す。
PI前駆体溶液を流下させる場合、粘度が高いPI前駆体溶液は、重力だけでは自然に流下しにくいので、エア圧やポンプで押し出すことも有効である。ノズル22と芯体2との距離は任意でよいが、流下液が途切れることがないよう、10〜100mm程度が好ましい。液の途切れが生じると、泡を巻き込むことがある。
へら20は、PI前駆体溶液に侵されない材料、例えば、ポリエチレンやフッ素樹脂等のプラスチック、または、真鍮やステンレス等の金属の薄い板からなり、弾力性を有するもので形成される。これを幅10〜50mmに成形し、軽く芯体2に押し当てる。PI前駆体溶液が通過すれば、へら20は芯体2からある隙間をもって離れ、その際にPI前駆体溶液を押し広げるのである。本塗布方法に好ましいPI前駆体溶液の濃度は、10〜25質量%、粘度は10〜1000Pa・s程度である。へらがない場合、流下したPI前駆体溶液は筋状のまま芯体上に付着し、平坦にならないことがある。
塗布面は、芯体2の全面にわたって形成されずに、両端に多少の不塗布部が残される。なお、芯体2の両端に、芯体2の外径と同じ外径の円筒体を取り付けて、その円筒体にも塗布するようにすれば、芯体2の全面にわたって塗膜を形成することもできる。円筒体に付着した塗膜を洗浄して円筒体は再利用される。
−乾燥工程−
乾燥工程では、上記に説明したように芯体表面に形成された塗膜中に含まれる溶剤を除去する。乾燥は、芯体の両端に上述した金属部材を配置させた状態で行う。
また、更に熱風乾燥炉の熱風を、芯体の内部に芯体端部から送風することで溶媒成分を揮発させてもよい。図9は、円筒状芯体の乾燥方法の一例を示す図である。図9に示すように、芯体2の内部に図示しない装置によって、加温した気体26を送ることで、芯体内面から加温し、芯体表面に近い塗膜14中の溶媒成分を、塗膜外側表面の溶媒成分が揮発するより先に揮発させることにより、芯体と塗膜との界面で発生した溶媒成分等由来のガスによる膨れを防ぐ事が出来る。なお、芯体内部に熱風を送風することと同時に、通常の芯体外面からの乾燥を併用してもかまわない。また、芯体内部に通風する熱風は、乾燥炉と別の発生源から供給してもかまわない。
乾燥中に重力の影響により、芯体表面に形成された塗膜が垂れる場合には、芯体を、軸方向を水平にして、10〜60rpm程度で回転させながら乾燥させることも好ましい。熱風の温度は50〜250℃の範囲内が好ましく、乾燥時間は20〜200分程度が好ましい。
−加熱工程−
上記した乾燥工程を経て乾燥された塗膜の加熱によるPI樹脂皮膜の形成は、350〜450℃の温度範囲で、20〜60分間程度で実施される。
その際、形成される皮膜に膨れが生じにくいよう、前記温度に達するまで一気に上昇させるのではなく、段階的に上昇させたり、ゆっくりと一定速度で上昇させることが好ましい。
−剥離工程−
上記した加熱工程を経て芯体表面に形成されたPI樹脂皮膜を、前記芯体から剥離することによりPI樹脂無端ベルトを得る。このようにして得られた無端ベルトには、更に必要に応じて端部のスリット加工、パンチング穴あけ加工、テープ巻き付け加工等が施されることもある。
本発明の耐熱性樹脂無端ベルトの製造方法によれば、無端ベルト回転時の負荷トルクを小さくしつつ、かつ中央部の膨れ現象の抑制された、無端ベルトを提供することが可能である。
本発明の耐熱性樹脂無端ベルトは、本発明の耐熱性樹脂無端ベルトの製造方法により製造されたものであれば特に限定されるものではないが、少なくともポリイミド樹脂を含む無端ベルトであることが好ましい。
但し、本発明において、「少なくともポリイミド樹脂を含む無端ベルト」とは、ポリイミド樹脂層、あるいは、ポリイミド樹脂を主成分とする層からなる単層の無端ベルト(以下、「単層無端ベルト」と略す場合がある)のみに限定されるものではなく、単層無端ベルトの内周面および/または外周面に他の層を積層した2層以上の構成を有する無端ベルト(以下、「多層無端ベルト」と略す場合がある)も意味する。
なお、当該主成分とは、単層無端ベルト中のポリイミド樹脂の含有量が50質量%以上であることを意味する。
ベルト膜厚は、20〜140μmの範囲であることが好ましく、30〜110μmの範囲がより好ましく、50〜100μmの範囲内が特に好ましい。
無端ベルトを転写ベルトや接触帯電フィルムのような帯電体として使用する場合には、無端ベルト中に導電性粒子を分散させることができ、既述した本発明の耐熱性樹脂無端ベルトの製造方法を利用して本発明の耐熱性樹脂無端ベルトを作製する場合には、耐熱性樹脂前駆体溶液に導電性粒子を添加することが好ましい。
前記導電性粒子としては、例えば、カーボンブラック、カーボンブラックを造粒したカーボンビーズ、カーボンファイバー、グラファイト等の炭素系物質、銅、銀、アルミニウム等の金属又は合金、酸化錫、酸化インジウム、酸化アンチモン、SnO2−In23複合酸化物等の導電性金属酸化物、チタン酸カリウム等の導電性ウィスカー等が挙げられる。
また、無端ベルトを定着体として使用する場合には、無端ベルト外周面に付着するトナーの剥離性向上のため、単層無端ベルト外周面にトナーに対する離型性を有する樹脂被膜を形成することが有効である。
このような離型性の樹脂被膜の材料としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等のフッ素樹脂が好ましい。フッ素樹脂被膜の厚さは2〜30μmの範囲が好ましい。また、離型性の樹脂被膜には、耐久性や静電オフセットの向上のためにカーボン粉末が分散含有されていてもよい。
これらフッ素樹脂被膜を形成するには、フッ素樹脂を含む水性の分散液を単層無端ベルト外周面に塗布して焼き付け処理する方法が好ましい。また、単層無端ベルト表面と、フッ素樹脂被膜と、の間の密着性が不足する場合には、必要に応じて、単層無端ベルト外周面にプライマー層をあらかじめ塗布形成することも好ましい。
前記プライマー層を形成する材料としては、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリアミドイミド、ポリイミド及びこれらの誘導体が挙げられ、さらに上記したフッ素樹脂から選ばれる少なくとも1種類以上の化合物を含むことが好ましい。また、プライマー層の厚さは0.5〜10μmの範囲が好ましい。
本発明の耐熱性樹脂無端ベルトの製造方法により得られた単層無端ベルトの外周面には、プライマー層およびフッ素樹脂皮膜を塗布形成することができる。
あるいは、本発明の耐熱性樹脂無端ベルトの製造方法において、芯体表面に形成された、乾燥処理後の塗膜の表面に、プライマー層、及び、フッ素樹脂皮膜を順次形成し、その後に加熱処理することにより前記塗膜のイミド転化完結反応およびフッ素樹脂被膜の焼成処理を同時に行ってもよい。なお、このような場合、プライマー層が介在しなくても、単層無端ベルトの外周面と、フッ素樹脂被膜と、の間の密着性が十分に確保できるため、プライマー層の形成を省くことも可能である。
<定着装置>
本発明の定着装置は、回転可能に設置される定着部材と、前記定着部材に従動して回転可能に圧接配置され、前記定着部材との間に形成されるニップ部に未定着トナー像を担持した記録媒体が狭持される定着用管状体と、前記定着用管状体の内側に配置され、前記定着部材側に向けて前記定着用管状体を押圧する押圧部材と、前記ニップ部を加熱する加熱源とを備えた定着装置であって、前記定着用管状体として本発明の耐熱性樹脂無端ベルトが用いられたものである。
耐熱性樹脂無端ベルトの内側に配置された押圧部材とベルト内周面とが接触しつつ、押圧部材に対して相対的に無端ベルトが回転するような状態で使用する場合、押圧部材との摩擦によりベルト内面が磨耗し、ベルトの損傷に至ったり、その磨耗紛により押圧部材とベルト内面との摺動抵抗が上昇し、ベルトの回転不良を起こすことがある。
そこで、本発明の定着装置は、前記定着用管状体と押圧部材との間に介在させるシート状部材と、前記定着用管状体と前記シート状部材との間に介在させる潤滑剤と、をさらに備えることが好ましい。これにより、押圧部材とベルト内面との摺動抵抗を低減することができる。
図10は、本発明の定着装置を示す概略構成図である。
図10に示す定着装置は、駆動式の定着ロール31に本発明の耐熱性樹脂無端ベルト32を外接させ、その外接部位の耐熱性樹脂無端ベルト32部分に対し、支持体41上に弾性体42を装着しシート状部材43を被せた押圧部材Aを内接させ、定着ロール31と耐熱性樹脂無端ベルト32との間にニップ部nを形成しており、記録媒体34が前記ニップ部nを通過する間にトナー像35が定着される。また、走行ガイド45は支持体41に固定されている。更に、シート状部材43の耐熱性樹脂無端ベルト32に対する摺接面には潤滑剤が介在している。
定着ロール31及び耐熱性樹脂無端ベルト32は、加熱源46及び47で所定の温度に加熱され、それぞれ矢印の方向に回転する。シート状部材43の耐熱性樹脂無端ベルト32に対する摺接面には潤滑剤が介在しており、耐熱性樹脂無端ベルト32の内面に潤滑剤が供給される。なお、耐熱性樹脂無端ベルト32は、非張架状態で支持されるものであってもよいし、例えば、複数のロールに掛け渡すなどして張架支持されるものであってもよい。また、後述するようにシート状部材43に潤滑剤保持能を付与していれば、潤滑剤を供給する必要はない。
定着部材としての定着ロール31は、その形状、構造、大きさ等につき特に制限はなく、目的に応じてそれ自体公知のものの中から適宜選択して使用することができる。定着ロール31は、一般には、円筒状のコアと、その表面に形成された弾性層とを有し、コアの内部に加熱源を備えてなる。また、弾性層の表面に離型層が形成されていてもよい。離型層が形成されていると、トナー像のオフセットを好適に防止でき、安定した状態で定着装置を運転することができる点で有利である。
コアの材質としては、機械的強度に優れ、伝熱性が良好である材質ならば特に制限はないが、例えば、アルミ、SUS、鉄、銅等の金属、合金、セラミックス、FRMなどが挙げられる。
弾性層の材質としては、該弾性層として公知の材質のものの中から適宜選択できるが、例えば、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどが挙げられる。本発明においては、これらの材質の中でも、表面張力が小さく、弾性に優れる点でシリコーンゴムが好ましい。該シリコーンゴムとしては、例えば、RTVシリコーンゴム、HTVシリコーンゴムなどが挙げられ、具体的には、ポリジメチルシリコーンゴム(MQ)、メチルビニルシリコーンゴム(VMQ)、メチルフェニルシリコーンゴム(PMQ)、フルオロシリコーンゴム(FVMQ)などが挙げられる。
弾性層の厚みとしては、通常、3mm以下であり、好ましくは0.5〜1.5mmである。弾性層をコアの表面に形成する方法としては、特に制限はなく、例えば、それ自体公知のコーティング法などが採用できる。コーティング法としては、例えば、ニーダーコーティング、バーコーティング、カーテンコーティング、スピンコーティング、ディップコーティング等が挙げられる。本発明においては、これらの中でもディップコーティングが好適に採用できる。
離型層の材質としては、トナー像に対し適度な離型性を示すものであれば特に制限はなく、例えば、フッ素ゴム、シリコーンゴム、フッ素樹脂等が挙げられる。これらの材質の中でもフッ素樹脂が好適に挙げられる。前記フッ素樹脂としては、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン-パーフルオロメチルビニルエーテル共重合体(MFA)、テトラフルオロエチレン-パーフルオロエチルビニルエーテル共重合体(EFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリエチレン・テトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロ三フッ化エチレン(PCTFE)、フッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂挙げられ、特に耐熱性、機械特性等の面からポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、及びテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)テトラフルオロエチレン-パーフルオロメチルビニルエーテル共重合体(MFA)、テトラフルオロエチレン-パーフルオロエチルビニルエーテル(EFA)共重合体が好適に用いられる。
離型層の厚みとしては、通常、10〜100μmであり、好ましくは20〜30μmである。前記離型層を前記コアの表面に形成する方法としては、特に制限はなく、例えば、上述したコーティング法などが挙げられる。また、押出し成型によって形成されたチューブを被覆する方法が挙げられる。
なお、定着部材は、定着ロール31に限られず、回転可能に配設されるものであれば、ロール状、ベルト状等適宜選定して差し支えない。
加熱源46、47としては、ニップ部を加熱するものであれば、例えば、定着ロール31を内部加熱するタイプに限られず、また定着ロール31を外部加熱するタイプのように、定着部材を介してニップ部を加熱するものは勿論のこと耐熱性樹脂無端ベルト32や押圧部材Aを加熱することでニップ部を加熱するもの、あるいはベルト状の定着部材自体が電磁誘導加熱等によって発熱するもの等、適宜選定して差し支えない。
押圧部材Aは、支持体41上に弾性体42を装着しシート状部材43を被せた構成であり、固定配設されて定着ロールに向けて耐熱性樹脂無端ベルト32を押圧するものであれば適宜選定して差し支えないが、定着時の熱による劣化を防止するという観点からすれば、耐熱性を具備するもので構成することが好ましい。
シート状部材43の材質としては、単層から構成されてもよし、複数層から構成されていてもよいが、耐熱性樹脂無端ベルト32との接触面側に潤滑剤保持性を付与した多孔質繊維層を有することがよい。多孔質繊維層としては、多数の微細な孔を有する樹脂からなるもので、例えば、樹脂を発泡させて多孔質化したものや、樹脂を1軸或いは2軸方向に延伸し多孔質化したもの、或いは焼成成型等によって製造したものが使用でき、例えば、これら多孔質樹脂にて織られた繊維や多孔質樹脂を薄膜化したものを使用することができる。
なお、多孔質繊維層は繊維自体を多孔質化したものでなくとも、当該繊維を織ることによって、多孔質化された樹脂製の繊維織布から構成されたものであっても良いが、前記した多孔質樹脂によって織られた繊維(多孔質樹脂繊維織布)などを用いることによって、繊維織布は自身を含め、多孔質樹脂そのものが潤滑剤を含浸した状態で保持するため一層好ましい。
多孔質繊維層は、多数の微細な孔を有する樹脂からなるものであって、例えば、樹脂を発泡させて多孔質化したものや、樹脂を一軸あるいは二軸方向に延伸して多孔質化したもの、あるいは焼結成型等が挙げられる。ここで、樹脂を一軸あるいは二軸方向に延伸して多孔質化した多孔質樹脂層を採用する態様にあっては、例えば、当該多孔質樹脂にて織られた繊維(多孔質樹脂繊維織布)や、前記多孔質樹脂繊維織布及び多孔質樹脂を薄膜化したもの(多孔質樹脂フイルム)を、従来公知の熱融着法、接着法を用いて積層したものとすることが好ましい。
多孔質繊維層の材質としては、ポリエチレン樹脂、フッ素樹脂等より適宜選定して差し支えないが、耐熱性、離型性、耐久性、耐摺動性等を考慮すると、多孔質化したPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、FEP(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)を用いることが好ましい。
シート状部材43は多孔質樹脂層の押圧部材A側に潤滑剤の透過を防止する潤滑剤透過防止層を有することも好適であり、この潤滑剤透過防止層を設けることで潤滑剤の枯渇をより抑制することができる。
潤滑剤透過防止層は、耐熱性があり且つ潤滑剤を透過させない耐熱性樹脂フィルムや金属フィルム等から適宜選定して差し支えないが、コスト及び加工性、更には可撓性などを考慮するとFEP(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)が好ましい。
ここで、シート状部材43には潤滑剤を保持、即ち多孔質樹脂層には潤滑剤を保持させることがよいが、この手法については、予め多孔質樹脂層に潤滑剤を含浸させるようにしてもよいし、また、外部より多孔質樹脂層自体、又は耐熱性樹脂無端ベルト32の内面に塗布し、耐熱性樹脂無端ベルト32を介して多孔質樹脂層に潤滑剤を供給するようにしてもよい。ここで、後者の態様においては、簡易且つ安定的に潤滑剤を供給するという観点からすれば、耐熱性樹脂無端ベルト32の内周面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給手段を具備させることが好ましい。
潤滑剤は、潤滑性が優れている点が重要であるが、この指標としては動粘度があり、定着装置で使用する場合、耐熱性、揮発性等を考慮する必要がある。この点より、シリコーンオイルが好ましく、更に濡れ性に優るアミノ変性シリコーンオイルがより好ましい。また、耐熱性により優れた性能が必要な場合、メチルフェニルシリコーンオイルを使用することも好適である。尚、耐熱性を向上させるためにシリコーンオイル中に微量の酸化防止剤を添加することも可能である。
潤滑剤は、特に、酸化防止剤入りのアミノ変性シリコーンオイルを用いることが望ましいが、耐熱性樹脂無端ベルト32と押圧部材Aとの間に介在されるシート状部材43として、少なくとも潤滑剤を保持する多孔質樹脂層と、当該多孔質樹脂層の押圧部材側に配置された潤滑剤透過防止層とからなるものを用いることにより、使用可能なシリコーンオイルの種類が広がることがわかっている。シート状部材43と組み合わせることによって、アミノ変性シリコーンオイル、ジメチルシリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、酸化防止剤入りのアミノ変性シリコーンオイルであるヒンダードアミンオイルなどが使用可能となるが、長期間の使用において、高い耐熱性を有し、熱的な劣化の少ないヒンダードアミンオイルを用いるのが、特に望ましい。
潤滑剤としてシリコーンオイルを用いる態様にあっては、その粘度が常温で50〜3000csであることが好ましい。ここで、この下限値はシリコーンオイルの不必要な蒸発を防止するという観点に基づいて定められたものであり、一方、上限値はシリコーンオイルが摺動抵抗が大きくなる要因となってしまうのを防止する観点に基づいて定められたものである。
なお、上記何れの実施の形態においても、限定的に解釈されるものではなく、本発明の要件を満足する範囲内で実現可能であることは、言うまでもない。
以下、本発明を実施例を用いてさらに詳細に説明するが、本発明は下記実施例により限定されるものではない。
<無端ベルトの製造方法>
(実施例1)
芯体表面へのPI前駆体を含む溶液(以下、「PI前駆体溶液」と略す)の塗布は、図5に示す構成を有する塗布装置を用いて以下のように実施した。
PI前駆体溶液としては、PI前駆体のN−メチルピロリドン溶液(商品名:Uワニス、宇部興産(株)製、固形分濃度:18%、粘度:約5Pa・s)を利用し、これを内径80mm、高さ600mmの円筒容器からなる塗布槽に満たした。
また、芯体としては、外径30mm、長さ500mmの表面が鏡面のアルミ製円筒を用い、さらに芯体表面にはシリコーン系離型剤(商品名:KS700、信越化学(株)製)を塗布して、300℃で1時間、焼き付け処理した。
一方、環状体としては、外径65mm、内径40mm、高さ30mmのステンレス製の中空状リングの内側に、外径が40mmで、断面が三角形であるテフロン(登録商標)製リングを嵌合させたものを用いた。このテフロン(登録商標)製リングの最小孔径は31.3mmであった。
次に、上記環状体を塗布溶液に浮かべた後、環状体を動かないよう固定し、芯体の軸方向を垂直にして、前記環状体の孔へ500mm/minの速度で挿入し、浸漬した。次いで環状体の固定を解除し、150mm/minの速度で芯体を引き上げた。引き上げ途中では環状体が芯体に接触することはなく、芯体表面には濡れ膜厚が約650μmのPI前駆体塗膜が形成された。
次に、PI前駆体塗膜がその表面に形成された芯体を、乾燥炉に入れた。予め乾燥炉には、芯体を支持する長さ700mmの棒を具備し、その棒を中心とし両端周囲に各々1つずつ、外径50mm、内径45mm、長さ50mmのステンレス製の円筒を配置した。乾燥時には、PI前駆体塗膜がその表面に形成された芯体を、その棒と円筒の間に棒を中心として支持した。この乾燥炉の設定温度は最初が30℃で、1時間後に120℃になるよう、徐々に温度が上昇するようにした。乾燥後、塗膜は透明化した。
その後、350℃で30分間加熱して、芯体表面にPI樹脂皮膜を形成した。室温に冷えてからPI樹脂皮膜を剥離した。ベルト膜厚が70μmと均一であり、膨れ欠陥のない、耐熱性樹脂無端ベルトを得ることができた。また、芯体表面には予め離型剤が塗布されていたため、剥離に際して、無端ベルトの内周面が芯体と接着することはなかった。
(実施例2)
芯体として、外径30mm、長さ500mmの表面が鏡面のアルミ製円筒を用いた。予め乾燥炉には、芯体を支持する長さ500mmの棒を具備し、芯体にPI前駆体を形成した後、芯体の両端部に各々1つずつステンレス製で中央に前記支持棒を通す孔をあけた長さ5cm、直径26mmの円柱部を有する棒状のキャップをした(図2参照)。それ以外は、実施例1と同様にして、耐熱性樹脂無端ベルトを得た。
(実施例3)
実施例1に示す無端ベルトの製造過程において、室温に冷却した乾燥処理後の芯体表面に形成されたPI前駆体塗膜の表面に、PFAのディスパージョン水性塗料(商品名:AD−2CR、ダイキン工業(株)製)を浸漬塗布した。すなわち、乾燥後のPI前駆体塗膜がその表面に形成された芯体を、その長手方向を垂直にして前記ディスパージョン水性塗料中に浸漬し、次いで300mm/minの速度で引き上げ、PI前駆体塗膜表面に膜厚が20μmのPFA塗膜を形成した。
続いて室温で5分間乾燥させた後、60℃で10分間加熱乾燥させることにより、PFA塗膜から水を除去した。その後、380℃で30分間加熱して、PI樹脂皮膜を形成すると共に、PFA塗膜を焼成した。室温に冷却後、芯体表面からPI樹脂皮膜を剥離することにより、膨れのない膜厚70μmのPI樹脂層の外周面に、膜厚20μmのPFA層(表面層)が形成された耐熱性樹脂無端ベルト(電子写真用定着ベルト)を得ることができた。この無端ベルトのPI樹脂層と、PFA層と、の間の密着性は十分であった。
(比較例1)
実施例1に示す芯体を用いて、実施例1に示す無端ベルトの製造する過程において、PI前駆体塗膜がその表面に形成された芯体を、乾燥炉に入れた際、支持棒に芯体を支持させたのみで芯体周りに何も配置しない以外は実施例1と同様にして、耐熱性樹脂無端ベルトを得た。
(比較例2)
実施例1に示す無端ベルトの製造する過程において、PI前駆体塗膜がその表面に形成された芯体を、乾燥炉に入れた際、支持棒に芯体を支持させたのみで芯体周りに何も配置しない以外は実施例3と同様にして、室温に冷却した乾燥処理後の芯体表面に形成されたPI前駆体塗膜の表面に、PFAのディスパージョン水性塗料(商品名:AD−2CR、ダイキン工業(株)製)を浸漬塗布した。
すなわち、乾燥後のPI前駆体塗膜がその表面に形成された芯体を、その長手方向を垂直にして前記ディスパージョン水性塗料中に浸漬し、次いで300mm/minの速度で引き上げ、PI前駆体塗膜表面に膜厚が20μmのPFA塗膜を形成した。
続いて室温で5分間の乾燥させた後、60℃で10分間加熱乾燥させることにより、PFA塗膜から水を除去した。その後、380℃で30分間加熱して、PI樹脂皮膜を形成すると共に、PFA塗膜を焼成した。室温に冷却後、芯体表面からPI樹脂皮膜を剥離することにより、膜厚70μmのPI樹脂層の外周面に、膜厚20μmのPFA層が形成された耐熱性樹脂無端ベルト(電子写真用定着ベルト)を得ることができた。この無端ベルトのPI樹脂層と、PFA層と、の間の密着性は十分であった。
実施例1〜実施例3、および、比較例1〜比較例2で作製された耐熱性樹脂無端ベルトの評価結果を表1に示す。表1中の膨れ現象(外径差)および表面塗布物の膜厚ムラ(無端ベルト外周面の凹凸)は下記に示す基準に基づいて判定した。
<膨れ現象の判定基準>
○:中央部平均外径−端部(ベルトエッジから30mm中央部よりの部分)平均外径≦50μm
×:中央部平均外径−端部(ベルトエッジから30mm中央部よりの部分)平均外径>50μm
<表面塗布物の膜厚ムラの判定基準>
○:膜厚ムラ小、膜厚平均値±10%以内
×:膜厚ムラ大、膜厚平均値±10%以上
耐熱性樹脂無端ベルトの外径は、測定装置としてミツトヨ製レーザースキャンマイクロメーター及び円筒体を連続回転させると同時に軸方向に移動する装置を組み合わせた円筒体の外径測定装置を使用し、無端ベルトをベルト内径よりやや小さい外径のステンレスパイプに挿入した状態でベルトの軸方向の所定位置で測定した。
耐熱性樹脂無端ベルトの膜厚は、測定装置として(株)フィッシャーインストルメンツ製 渦電流式膜厚計フィッシャースコープMMSを使用し、無端ベルトをベルト内径よりやや小さい外径のアルミシャフトに挿入し、その上から測定プローブ(ETA3.3)を押し当て測定を行った。
また、渦電流式膜厚計によりベルト円周方向等間隔に4ヶ所、軸方向等間隔に5箇所の計20箇所の膜厚を測定し、膜厚平均値を求めた。
Figure 2006259388
これらの無端ベルト(定着ベルト)を評価するために、図10に示すような、空回し評価機を用いた。
耐熱性樹脂無端ベルト32には、実施例3および比較例2で得られた定着ベルトを幅330mmに切断したものを用いた。
シート状部材43は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含浸させたガラス繊維シートからなり、シート状部材43の耐熱性樹脂無端ベルト32に接する面の表面粗さRaは3.1μmとした。
また、耐熱性樹脂無端ベルト32の回転時に、耐熱性樹脂無端ベルト32内周面に対して、単位時間当たりに一定量のオイルが供給可能なように、耐熱性樹脂無端ベルト32内周面と当接するようにオイル供給源を配置した。
空回し評価に際しては、シート状部材43の耐熱性樹脂無端ベルト32に接する面に適量の粘度300csのアミノ変性シリコーンオイル(信越化学製)を塗布した後、耐熱性樹脂無端ベルト32を空回しユニットに装着した。
次に、ニップ荷重を34kgf、定着ロール31の回転数を74.4rpm、定着ロール31の表面温度を175℃に設定し、定着ロール31を矢印方向に回転させ、定着ロール31に接続されたモーターの負荷トルクを測定した。
なお、負荷トルクは、モーターに流れる電流値を測定し、これを換算して求めた。
これらの測定は空回しスタート直後、20分後、2時間後で行い、さらに空回し開始から2時間後の定着ベルトの表面の状態等を目視で観察した。
次に、実施例3、比較例2の定着ベルトを、空回しユニットと略同一構成の定着装置に配置し、その定着装置を、電子写真方式複写機(富士ゼロックス(株)製 Docu Centre Color400)に設置し、未定着画像の印字された用紙(富士ゼロックス(株)製 P紙A3)を通紙して画質を確認した。定着装置としては、前述の空回し装置と同一の構成である。
結果、実施例3のベルトを用いた場合は、紙しわ発生率が0%であるのに対して、比較例2のベルトを用いた場合は、紙しわ発生率が25%発生であった。
また、比較例2のベルトを用いた場合には、画像のグロスムラがベルトの膨れ部分に対応して発生したのに対し、実施例3のベルトの場合は、未発生であった。得られた結果を表2に示す。
Figure 2006259388
金属部材の一例を示す図であり、図1Aは金属部材の斜視図を、図1Bは金属部材を円筒状芯体の端部に接するように配置した際の断面図を示す。 金属部材の他の一例を示す図であり、図2Aは金属部材の斜視図を、図2Bは金属部材を円筒状芯体の端部に接するように配置した際の断面図を示す。 金属部材の他の一例を示す図であり、図3Aは金属部材の斜視図を、図3Bは金属部材を円筒状芯体の端部に接するように配置した際の断面図を示す。 円筒状芯体の表面の周方向に形成された切削加工目の例を示す模式図であり、図6(a)は、周方向に対してほぼ平行に形成された加工目の例を示し、図6(b)は、周方向に対してやや斜め方向に形成された加工目の例を示し、図6(c)は、周方向に対して2種類の角度でやや斜め方向に形成された加工目の例を示す。 環状体を用いた浸漬塗布方法の一例について示した模式断面図である。 環状体を用いた浸漬塗布方法の一例についての斜視図である。 環状体の断面図を示す。 ブレード塗布方法に用いられる塗布装置の主要部を示す概略図である。 円筒状芯体の乾燥方法の一例を示す図である。 本発明の定着装置を示す概略構成図である。
符号の説明
1 金属部材
2 (円筒状)芯体
31 定着ロール
32 耐熱性樹脂無端ベルト
34 記録媒体
35 トナー像
41 支持体
42 弾性体
43 シート状部材
45 走行ガイド
46、47 加熱源
A 押圧部材
n ニップ部

Claims (3)

  1. 耐熱性樹脂前駆体溶液を芯体の表面に塗布して耐熱性樹脂前駆体塗膜を形成する塗膜形成工程と、
    前記芯体の両端に金属部材が配置された状態で前記耐熱性樹脂前駆体塗膜を乾燥させる乾燥工程と、
    乾燥させた前記耐熱性樹脂前駆体塗膜を加熱反応させて耐熱性樹脂皮膜を形成する加熱工程と、
    前記耐熱性樹脂皮膜を前記芯体から剥離する剥離工程と、を有する耐熱性樹脂無端ベルトの製造方法。
  2. 請求項1に記載の耐熱性樹脂無端ベルトの製造方法により製造された耐熱性樹脂無端ベルト。
  3. 回転可能に設置される定着部材と、
    前記定着部材に従動して回転可能に圧接配置され、前記定着部材との間に形成されるニップ部に未定着トナー像を担持した記録媒体が狭持される定着用管状体と、
    前記定着用管状体の内側に配置され、前記定着部材側に向けて前記定着用管状体を押圧する押圧部材と、
    前記ニップ部を加熱する加熱源と、を備えた定着装置であって、
    前記定着用管状体が、請求項2に記載の耐熱性樹脂無端ベルトである定着装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010105258A (ja) * 2008-10-30 2010-05-13 Unimatec Co Ltd チューブ状ポリイミドベルトの製造法

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