JP4849356B2 - 複合定着ベルトの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式の複写機・レーザービームプリンタ等のカラー画像形成装置に使用される複合定着ベルト及びその製造方法、特に、転写紙など転写材上に転写されたカラートナー像を加熱により定着するベルト定着方式に採用される複合定着ベルトとその製造方法に関する。
電子写真技術を利用した複写機・レーザービームプリンタ・ファクシミリーなどの画像形成装置では、印刷や複写の最終段階において紙をはじめとするシート状転写材上のトナー像を加熱溶融して転写紙上に定着させている。画像を定着させる手段としては熱ロール定着方式が広く用いられている。ちなみに、熱ロール定着方式とは、加熱ヒーターを有する定着ロールと、これに圧接した加圧ロールとの間に、トナー像が形成されている複写紙を順次送り込みながらトナーを加熱溶融させ複写紙上に定着させる方式である。
しかし、熱ロール定着方式には、電源を投入してから定着ロールが所定の温度に達するまでの待機時間が長く、その予熱に消費される電力量も少なくないという問題がある。
このような問題を解決するために、近年、ベルト定着方式の開発が活発に行われ、成功を収めている。ベルト定着方式では、例えば、図1に示すように、ポリイミド樹脂あるいはステンレス等の管状耐熱性基材の外面にフッ素樹脂などの離型層が形成された2層構造の定着ベルト11の内側にベルトガイド12およびセラミックヒーター13を配置し、セラミックヒーター13に定着ベルト11を介して加圧ロール14を圧接させて、定着ベルト11と加圧ロール14との間に、トナー像8が形成されている複写紙7を順次送り込みながらトナーを加熱溶融させて複写紙上に熱定着させている。
このようなベルト定着方式に使用される定着ベルトには、トナーの溶融温度に耐える耐熱性と、回転、圧着、耐摩耗性、引張り強度など、繰返し使用に耐えうる機械的特性とが要求される。例えば、特許3054010号公報には、このような定着ベルトの代表例として、ポリイミド樹脂製管状物の外面にフッ素樹脂層を形成した定着ベルトが開示されている。また、特開平6−222695号公報には、金属製エンドレスベルトの内面に熱伝導性フィラーを含有するポリイミド組成物をコーティングし、外面にはフッ素樹脂層をコーティングした定着ベルトが開示されている。これらの特許文献に開示されている定着ベルトは、モノクロ画像のプリンターや複写機に最も適した構成である。
また、例えば、特開2002−268423号公報には、フルカラーの複写機やレーザープリンターの定着機に適した定着ベルトとして、耐熱性基材層の外面に弾性層および離型層が順次形成された3層構造の定着ベルトが開示されている。このような定着ベルトは、柔軟性と離型性を兼ね備えており、フルカラー定着ベルトとして理想的な構造を有していると言える。
しかし、高速処理型の画像形成装置では、定着装置において紙シワや紙詰まりが多発しやすいという問題がある。このような問題の解決方法としては、定着ロールを逆クラウン形状(ロールの両端部から中央部に向かってその外径が連続的に小さくなって行く形状)に加工し、ロールの回転によって、ロールの軸方向の両端側に紙を引っ張るように複写紙を搬送しながら定着するという方法が広く知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特許公開平7−121045号公報 特開2002−14560号公報 特開2000−94461号公報
しかしながら、耐熱性基材と弾性層と離型層の3層構造からなる定着ベルトにおいて逆クラウン形状を有する構造のものは未だ開発されていない。
3層構造の定着ベルトを得る方法としては、スプレーコート法や注型方法(特許第3051085公報:逆クラウン形状は記載されていない)等が考えられるが、スプレーコート法では精密な逆クラウン形状が得られにくく、材料のロスも大きくなってしまう。また、注型方法では、弾性層の厚みが薄く(100μm以下)なると、金型間隙に液状ゴムを注入する圧力が異常に高くなり、注型が難しくなるとともに、工程が煩雑になってしまう。
本発明の課題は、材料ロスが小さく、容易に精密な逆クラウン形状が得られる3層構造の定着ベルトの製造方法を提供することにある。
第1発明に係る複合定着ベルトの製造方法は、管状の耐熱性基材層と、耐熱性基材層の外面に設けられる弾性層と、弾性層の外面に設けられる離型層とを備える複合定着ベルトの製造方法であって塗布工程、加硫工程、コーティング工程および焼成工程を備える。塗布工程では、逆クラウン形状の耐熱性基材層が、拘束されることなく、吐出成型機のスリットリングの内側を通り抜けるように吐出成型機および耐熱性基材層の少なくとも一方が移動させられると共に、吐出成型機に対して弾性層の前駆体(以下「弾性層前駆体」という)をスリットリングから一定の速度で耐熱性基材層の外面に向かって吐出させて、耐熱性基材層の外面に弾性層前駆体が逆クラウン形状に塗布される。なお、このスロットリングの弾性層前駆体吐出部分のスロットリング軸方向の長さは、耐熱性基材層の軸方向の長さよりも短い。加硫工程では、弾性層前駆体が加硫されて弾性層が形成される。コーティング工程では、弾性層の外面に未焼成フッ素樹脂液がコーティングされて未焼成フッ素樹脂コーティング管状物が作製される。焼成工程では、未焼成フッ素樹脂コーティング管状物がフッ素樹脂の融点以上の温度で焼成される。
第2発明に係る複合定着ベルトの製造方法は、第1発明に係る複合定着ベルトの製造方法であって、塗布工程では、ワイヤーにより吊り下げられた逆クラウン形状の耐熱性基材層が、吐出成型機のスリットリングの内側を通り抜けるように吐出成型機および耐熱性基材層の少なくとも一方が移動させられると共に、吐出成型機に対して弾性層前駆体をスリットリングから一定の速度で耐熱性基材層の外面に向かって吐出させて、耐熱性基材層の外面上に弾性層前駆体が逆クラウン形状に塗布される。なお、吐出成型機および耐熱性基材層の少なくとも一方の移動速度は、耐熱性基材層の外径が小さい部分がスロットリングの弾性層前駆体吐出部分を通過するとき(あるいは、スロットリングの弾性層前駆体吐出部分が耐熱性基材層の外径が小さい部分を通過するとき)に遅くなり、耐熱性基材層の外径が大きい部分がスロットリングの弾性層前駆体吐出部分を通過するとき(あるいは、スロットリングの弾性層前駆体吐出部分が耐熱性基材層の外径が大きい部分を通過するとき)に速くなる。言い換えると、吐出成型機および耐熱性基材層の少なくとも一方の移動速度は、スロットリングの半径方向から見てスロットリングの弾性層前駆体吐出部分と重なる耐熱性基材層の部分の外径が小さくなるに従って遅くなり、スロットリングの弾性層前駆体吐出部分と重なる耐熱性基材層の部分の外径が大きくなるに従って速くなる。さらに、言い換えると、吐出成型機および耐熱性基材層の少なくとも一方の移動速度は、耐熱性基材層の軸方向の中央部がスロットリングの弾性層前駆体吐出部分を通過するとき(あるいは、スロットリングの弾性層前駆体吐出部分が耐熱性基材層の軸方向の中央部を通過するとき)に遅くなり、耐熱性基材層の軸方向の両端部がスロットリングの弾性層前駆体吐出部分を通過するとき(スロットリングの弾性層前駆体吐出部分が耐熱性基材層の軸方向の両端部を通過するとき)に速くなる。
第3発明に係る複合定着ベルトの製造方法は、第発明に係る複合定着ベルトの製造方法であって、塗布工程では、ワイヤーにより吊り下げた逆クラウン形状の耐熱性基材層が、固定されたスリットリングの内側を通り抜けるように耐熱性基材層を引き上げると共に、吐出成型機に対して弾性層前駆体をスリットリングから一定の速度で耐熱性基材層の外面に向かって吐出させて、耐熱性基材層の外面上に弾性層前駆体が逆クラウン形状に塗布される。なお、耐熱性基材層の移動速度は、耐熱性基材層の外径が小さい部分がスロットリングの弾性層前駆体吐出部分を通過するときに遅くなり、耐熱性基材層の外径が大きい部分がスロットリングの弾性層前駆体吐出部分を通過するときに速くなる。言い換えると、耐熱性基材層の移動速度は、スロットリングの半径方向から見てスロットリングの弾性層前駆体吐出部分と重なる耐熱性基材層の部分の外径が小さくなるに従って遅くなり、スロットリングの弾性層前駆体吐出部分と重なる耐熱性基材層の部分の外径が大きくなるに従って速くなる。さらに、言い換えると、耐熱性基材層の移動速度は、耐熱性基材層の軸方向の中央部がスロットリングの弾性層前駆体吐出部分を通過するときに遅くなり、耐熱性基材層の軸方向の両端部がスロットリングの弾性層前駆体吐出部分を通過するときに速くなる。
第4発明に係る複合定着ベルトの製造方法は、第発明に係る複合定着ベルトの製造方法であって、塗布工程では、耐熱性基材層がスリットリングの内側に通される際、スロットリングの半径方向から見てスロットリングの弾性層前駆体吐出部分と重なる耐熱性基材層の部分の外径が小さくなるに従って耐熱性基材層の引き上げ速度が遅くされ、スロットリングの前駆体吐出部分と重なる耐熱性基材層の部分の外径が大きくなるに従って耐熱層基材層の引き上げ速度が速くされる。
本発明に係る複合定着ベルトの製造方法では材料ロスが小さくすることができ、また、弾性層の厚みが30μm〜1000μmの薄い範囲であっても寸法精度の高い逆クラウン形状を有する複合定着ベルトを製造することができる。また、本発明によれば、耐熱性基材層とシリコーンゴム等の弾性層とフッ素樹脂よりなる離型層を備える3層構造の複合定着ベルトの最外層の外径形状を逆クラウン形状に形成することによって高速定着や両面複写などにおいても、紙シワや紙詰まりが発生しない複合定着ベルトとすることができる。
以下に、本発明の実施の形態について詳細に説明する。図2は本発明の一実施形態における複合定着ベルトの断面図である。また、図3は前記複合定着ベルトの概略側面図である。この複合定着ベルトは、図2および図3に示されるように、耐熱性基材層1と弾性層2と最外層の離型層3の3層管状構造体であり、端部に最大径部分5を、中央部に最小径部分4を有する逆クラウン形状を呈している。
本発明の実施の形態においては、耐熱性基材層と弾性層と離型層をこの順番で備える3層構造の管状物であって、最外層の外径は、軸方向の中央部側が最小径で、両端部側が最大径になるような逆クラウン形状である。本発明の実施の形態では、逆クラウン形状は、軸方向を含む面で切った断面図において、中央部から両端部に向かって直線的に外径が大きくなる形状であってもよいし、中央部から両端部に向かって放物線的に外径が大きくなる形状であってもよいが、後者の方が複写紙の密着性の面からも好ましい。また、逆クラウン形状において軸方向の中央部には、図4に示すように外径が変化しない部分があっても差し支えない。
ベルト定着方式の定着ベルトには比較的低い硬度の弾性体が用いられ、しかもその弾性層が薄いため、定着速度は4枚/分〜40枚/分が一般的であり、この速度であると定着ベルトの逆クラウン量は0μmを超え100μm以下であることが好ましい。より好ましくは3〜60μmの範囲である。なお、本発明の実施の形態において、逆クラウン量は、定着ベルトの軸方向の中央部(最小径部)の外径D1と端部側(最大径部)の外径D2との差の1/2の値「=(D2−D1)/2」として計算される。この逆クラウン量はレーザ外径測定器で測定することができる。そして、この逆クラウン量は、高速機種になるほど大きい方が紙シワの発生に対して効果的である。
また、本発明の実施の形態において、耐熱性基材は、ポリイミド樹脂または金属のいずれか一つからなる管状物である。これらの基材は、いずれも薄膜化およびシームレス化が可能であり、定着ベルトとして必要な耐熱性、耐久性に優れ、最も好ましい基材である。ポリイミド管状物は一例として特許第3054010号明細書に記載の方法で製造することができる。ポリイミド樹脂は耐熱性基材として、その管状物の作製から、最終のフッ素樹脂焼成工程まで一貫して製作することができるため最も好ましい基材である。ポリイミド樹脂基材層の厚みは30〜100μmの範囲が好ましく、より好ましくは40〜70μmである。ポリイミド樹脂基材層の厚みが30μm以下の場合は、管状物が座屈するなど十分な強度が得られなく、また、100μmを超えると熱伝導性が低下し、高速定着に対応できにくくなる。
本発明の複合管状物の基層となるポリイミド樹脂管状物の作製には、一例としてポリイミド前駆体溶液が用いられる。ポリイミド前駆体溶液は、例えば、芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミン成分を有機極性溶媒中で、反応させることによって得ることができる。このような芳香族テトラカルボン酸の代表例としては次のようなものが上げられる。例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、あるいはこれらのテトラカルボン酸エステル、又は上記各テトラカルボン酸類の混合物等を例示することができる。
一方、芳香族ジアミン成分としては特に制限はなく、パラフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ベンジジン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメトキシベンチジン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパンなどが挙げられる。
これら芳香族テトラカルボン酸二無水物、および芳香族ジアミンは、単独で或いは混合して使用することもできる。また、ポリイミド前駆体溶液まで完成させてそれらの前駆体を混合して使用することもできる。芳香族テトラカルボン酸二無水物として、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)とパラフェニレンジアミン(PPD)を反応して得られるポリイミド前駆体はイミド転化によって剛直な特性を持ち好ましい材料である。
本発明のポリイミド管状物においては、ポリイミド前駆体が有機極性溶媒に溶解している組成物(原料)を用い管状物を作製する。有機極性溶媒としては、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、フェノール、o−,m−,p−クレゾールなどが挙げられる。これらの有機極性溶媒にはキシレン、ヘキサン、トルエンなどの炭化水素類(ハイドロカーボン)などを混合することもできる。また、ポリイミド前駆体溶液の中には窒化ホウ素、金属粉末、カーボンファイバーなどの熱伝導性を改良するための材料、あるいは帯電を防止するためのカーボンブラックなどを混合しても良い。
また、金属からなる管状物はステンレスやニッケル、各種の合金などが好ましく、一例として特許3406293号公報などに開示されている方法で製造したものを使用することができる。また、電鋳方式で作製した金属製シームレス管状物なども使用することができる。
本発明の実施の形態において、弾性層はシリコーンゴム及びフッ素ゴムのいずれか一つであることが好ましいが、耐熱性、耐久性、および加工性の面からシリコーンゴムがより好ましい。このようなシリコーンゴムとしては、例えば、市販されている室温硬化性の液状シリコーンゴム(シリコーンRTV)などが挙げられる。また、これらの弾性層の中には、熱伝導性を改良するために、酸化鉄や、酸化亜鉛、カーボンファイバーなどの充填剤を混合することが好ましい。弾性層のゴム硬度はJIS A硬度で3度〜50度の範囲が好ましく、5度〜40度の範囲がカラートナーを包み込む効果から最も好ましい。弾性層には熱定着時に溶融したカラートナー像を包み込み混色させるための柔らかさが必要であり、弾性層の硬度は低い方が柔らかさの面では好ましいが、5度以下になるとシリコーンゴム中の低分子成分が離型層や耐熱性基材層との間の接着性を阻害することになり好ましくない。また、弾性層の硬度が50度を超えると、柔軟性が低下し良質な画像を得ることができず好ましくない。シリコーンゴム層の厚みは30μm以上1000μm以下であることが好ましい。より好ましくはゴム硬度の特性と相乗してトナー像を包み込み、混色する効果および熱伝導性の面から100〜500μmの範囲が最も好ましい。
本発明の実施の形態においては離型層がポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)及びテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体樹脂(FEP)から選ばれる少なくとも一つ又はこれらの混合物であることが離型性、耐熱性に優れ好ましい。より好ましい離型性材料はPFA樹脂である。PFA樹脂は熱可塑性フッ素樹脂であり、またフッ素樹脂の中では比較的硬い樹脂であるため、紙詰まりなどのトラブルに対しても、傷の発生が少なく好ましい材料である。
また、PFA樹脂の融点は250℃〜315℃の範囲であることが好ましい。プリンターや複写機など画像形成装置の定着温度は180℃から220℃の範囲のものが多く、PFAの融点がそのような範囲であれば熱劣化もなく使用できる。また、この範囲であればシリコーンゴム弾性層の外面に未焼成のPFA樹脂をコーティングし融点以上の温度で焼成する工程において弾性層を熱劣化させることがなく好ましい。PFA樹脂は、260℃〜300℃に融点を持つ樹脂であって、融解時の流動性が高く、成型完了後の表面が平滑性であり、かつシリコーンゴム層の弾力性とも追従できて好ましい。このようなPFA樹脂としては三井・デュポンフロロケミカル(株)の(テフロン(登録商標)PFAHP Plus#945、#940、シリーズ)などが挙げられる。また、前記離型層の厚みは10〜50μmの範囲が好ましい。10μm以下の場合は十分な耐久性が得られなく、50μmを超えると熱伝導性が低下することや、被膜が硬くなり弾性層の柔らかさを生かすことができにくく、画質の低下を招く。あるいはマッドクラックが入りやすくなる。より好ましくは15μm〜30μmの範囲である。
また、本発明の実施の形態に係る複合定着ベルトは、逆クラウン形状の管状の耐熱性基材層を作製する基材層作製工程と、耐熱性基材層の外面に弾性層前駆体を逆クラウン形状に塗布する塗布工程と、弾性層前駆体を加硫して弾性層を形成する加硫工程と、弾性層の外面に未焼成フッ素樹脂液をコーティングして未焼成フッ素樹脂コーティング管状物を作製するコーティング工程と、未焼成フッ素樹脂コーティング管状物をフッ素樹脂の融点以上の温度で焼成する焼成工程とを経る製法で作製でき、耐熱性基材からなる管状物の作成から完成品まで一貫して連続ラインで製造でき好ましい。なお、塗布工程では、耐熱性基材層の外面に対して弾性層前駆体を吐出するスリットリングを有する吐出成型機が弾性層前駆体を一定の速度で耐熱性基材層の外面に吐出するように制御されると共に、吐出成型機および耐熱性基材層の少なくとも一方が耐熱性基材層の逆クラウン形状に依存した速度で移動させられる。この製造方法を採用すると、耐熱性基材層の外側表面に絶対的に必要な弾性層前駆体のみを塗布することができ、原料のロスを最小限にでき好ましい。
より好ましい態様は、塗布工程で、耐熱性基材層の外面に対して弾性層前駆体を吐出するスリットリングを有する吐出成型機が弾性層前駆体を一定の速度で耐熱性基材層の外面に吐出するように制御されると共に、耐熱性基材層が耐熱性基材層の逆クラウン形状に依存した速度で移動させられる態様である。塗布工程をこのようにすると、耐熱性基材層の外面に正確な逆クラウン形状の弾性層を形成できる。
また、より好ましい態様は、塗布工程で、吐出成型機のスリットリングの内側を、耐熱性基材層が拘束されることなく移動させられる態様である。塗布工程をこのようにすると、耐熱性基材層を細いワイヤー等により耐熱性基材層を拘束させることなくフリーの状態で移動(引き上げ)できるため、耐熱性基材層の外面は弾性層前駆体のみに接触することになる。このため、液状の弾性層前駆体の持つ粘度や表面張力や凝集力などの液状弾性層前駆体の特性により、吐出成型機のスリットリングの中で自動調芯の作用が働き、耐熱性基材層の外面に均一な厚みで弾性層前駆体を塗布できる。
なお、逆クラウン量が小さい場合(10〜50μm)は、塗布工程で、耐熱性基材層の外面に対して弾性層前駆体を吐出するスリットリングを有する吐出成型機が弾性層前駆体を一定の速度で耐熱性基材層の外面に吐出するように制御されると共に、吐出成型機および前記耐熱性基材層の少なくとも一方が一定の速度で移動させられるようにしても逆クラウン形状の弾性層を形成することができる。
以下、耐熱性基材(管状物)の外面に弾性層前駆体(液状ゴム)を逆クラウン形状に成形する方法の詳細を説明する。図5に示すゴム成型機40の吐出スリットリング25の内側に、耐熱性基材26を装着した金型38を配置する。この耐熱性基材26は、あらかじめ逆クラウン形状に成形されている。図5において、27は貯蔵タンク、28はスラリーポンプ、29は混合ミキサー、30,31は電磁弁、32は電動シリンダー、33はモーター、34は弾性層前駆体の成形層、35a〜35cは弾性層前駆体である。予め充填剤、加硫剤等を配合した弾性層前駆体35aを貯蔵タンク27に投入し、その後、スラリーポンプ28の駆動モーター33を動かし、弾性層前駆体35aをスタティックミキサー29に圧送する。スタティックミキサー29内ではスラリーポンプ28の圧送力により弾性層前駆体35aの流れを分割、転換、反転などの作用により効果的に再度攪拌することができる。同時に電磁弁31を閉じ、電動シリンダー32内に弾性層前駆体35bを圧送する。次いで、電磁弁30を閉じ電磁弁31を開け、電動シリンダー32から弾性層前駆体35bを分岐ユニット37で数回路の配管36a,36bに分岐させ、吐出スリットリング25に導く。電動シリンダー32の押出し速度と金型38の引き上げ速度を制御しながら、吐出スリットリング25から所定量の弾性層前駆体35cを吐出させ、耐熱性基材層26の外面に所定の厚みで弾性層前駆体35cを塗布する。
弾性層前駆体35cの塗布工程では、耐熱性基材層26を装着した金型38をスリットリング25の内側に配置し、吐出スリットリング25から一定速度で弾性層前駆体35cを吐出する。金型38は、上端部がモーター(図示せず)に連結されるワイヤー39に固定され、耐熱性基材層26の逆クラウン形状に依存した速度で引き上げられる。このような方法を採用することにより、金型38を拘束させることなく(金型38の軸方向がスリットリング面に対して垂直で、かつ、金型38がスリットリング25の内側で自由に動くことができる状態で)、金型38に装着された耐熱性基材層26をスリットリング25から吐出される弾性層前駆体のみに接触させ、弾性層前駆体を耐熱性基材層26の逆クラウン形状に沿った形状にすることができる。金型の引き上げ速度の制御は、逆クラウン量の違いや、金型表面とスリットリング内径間の間隙、金型38の外径あるいは、弾性層前駆体35a〜35cの粘度などの条件により個々に設定することができる。なお、ここで、金型の引き上げ速度は、スロットリング25の半径方向から見てスロットリング25の弾性層前駆体吐出部分と重なる耐熱性基材層26の部分の外径が小さくなるに従って遅くなり、スロットリング25の弾性層前駆体吐出部分と重なる耐熱性基材層26の部分の外径が大きくなるに従って速くなる。なお、ここでは、耐熱性基材層26を移動させているが、スリットリング25を移動させるようにしてもよいし、耐熱性基材層26とスリットリング25との両方を対向する方向に同時に移動させるようにしてもよい。
その後、2層構造の管状物をゴム成型機40から外し、150℃の温度で30分一次加硫し、さらに200℃で3〜4時間二次加硫を行うと、逆クラウン形状を有する弾性層が形成された管状物を得る。そして、その後、その管状物を未焼成フッ素樹脂液中に浸漬して、所定の厚みでその管状物をフッ素コーティングし、乾燥、焼成の工程を経た後、金型から脱型して本発明の3層構造の複合定着ベルトを得ることができる。
(実施例)
以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。本発明の複合定着ベルトの逆クラウン量は、キーエンス社製レーザ測長機(LS−5040)で測定した。
(1)ポリイミド樹脂管状物の製作
外径18mm、長さ500mmであって下部から350mm部分に25μmの放物線状の逆クラウン形状に加工したステンレス製金型を用意し、その表面に酸化ケイ素コーティング剤をディッピング法によりコーティングし、加熱して焼き付け、酸化ケイ素膜を被覆した。JIS−B0601に基づいて表面粗度測定を行った結果、この金型の表面粗度(Rz)は0.6μmであった。ポリイミド樹脂原料として1300ポイズのポリイミド前駆体溶液((株)IST社製商品名“RC5063PyreMLワニス”)を選択し、その溶液中に窒化ホウ素(BN)(三井化学社製)をポリイミド前駆体溶液の固形分に対して30重量%となるように均一に混合した。次いで、そのポリイミド前駆体溶液の中に金型を380mm部分まで浸漬してポリイミド前駆体溶液を塗布した後、内径19mmのリング状外金型(ダイス)を金型の上部から挿入し、自重で走行落下させて金型の表面に500μmの厚みのポリイミド前駆体溶液を塗布した。そして、そのポリイミド前駆体溶液を80℃の温度で15分間乾燥させた後、120℃の温度で60分間加熱し、そのまま200℃の温度まで40分間で昇温させ、同温度で20分間保持した。その後、200℃から400℃まで30分間で昇温し、同温度で20分間保持した。その後、オーブンから取出し、常温まで冷却した。ポリイミド管状物は、厚みが52μm、内径が18mm、レーザ外径測定器で軸方向に5mmピッチで測定した逆クラウン量が25.5μmであった。
(2)プライマーの塗布および乾燥
次いで、ステンレス金型表面に形成され、イミド化を完結させたポリイミド管状物の表面にプライマー(GE東芝シリコーン社製商品名:XP−81−405)を塗布した。プライマーは、A,B2液を予め1:1の割合で混合したものを用い刷毛でポリイミド管状物に均一に塗布した後、室温(23℃)で20分乾燥し、さらに、150℃の温度で20分間乾燥した。
(3)シリコーンゴムの成形および加硫
図5に示すゴム成型機40の吐出スリットリング25の内側に、プライマー処理した管状物34が装着された金型38を配置し、その金型38の上端部をワイヤーで連結させた。液状シリコーンゴム(GE東芝シリコーン社製商品名:XE15−B9055)A,Bの2液を予め1:1の割合で混合した後に貯蔵タンク27に投入し、ポンプ28により混合ミキサー29を経由して電動シリンダー32の槽内に送り込み、電動シリンダー32の押出し速度を調整してスリットリング25からの吐出速度を17g/分と一定にした。そして、先に示した吐出速度で液状シリコーンゴムを吐出させながら、金型38の引き上げ速度を、初期では580mm/分に設定し、その後は逆クラウン形状に基づいて適宜制御し、ポリイミド管状物の外面に200μm厚みの液状シリコーンゴムを塗布した。その後、150℃の温度で10分間一次加硫を行い、さらに200℃の温度で3時間二次加硫を行い、ポリイミド管状物の外面に200μm厚みのシリコーンゴム層が形成された2層構造の管状物を得た。そして、この2層構造の管状物をポリイミド管状物と同様に、レーザ外径測定器で軸方向に5mmピッチで測定したところ、その逆クラウン量は24.6μmであった。また、同一の条件で作製した厚み6mmのテストピースのゴム硬度は34度であった。
(4)シリコーンゴムの表面処理およびプライマー塗布
次いで、コロナ放電表面改質装置(信光電気計装社製)を用いて、シリコーンゴム表面の改質処理を行った後、シリコーンゴム表面にフッ素樹脂含有シリコーン用液状プライマー(三井デュポンフロロケミカル社製PR−990CL)を塗布し、室温で10分乾燥した。
その後、粘度200センチポイズに調整したPFAディスパーション(デュポン社製商品名PFA920HPプラス:EN−560CL)の中に2層構造の管状物を浸漬し、最終の厚さが20μmになるようにその2層構造の管状物を所定の速度で引き上げてフッ素樹脂をコーティングし、常温で30分乾燥後、320℃の温度で20分間焼成して目的とする複合定着ベルトを得た。
この複合定着ベルトは、内径が18mm、ポリイミド樹脂層が52μm、シリコーンゴム層が200μm、フッ素樹脂層が20μmであり、総厚みが272μmであった。また、この複合定着ベルトの逆クラウン量は25μmであった。また、この複合定着ベルトは、表面粗度(Rz)が1.5μmであり平滑性に優れ、シリコーンゴム層が柔軟性を維持しつつ基層のポリイミド樹脂層と最外層のPFA樹脂層と強固に接着されており、カラー定着ベルトとしての必要特性を満足していた。この複合定着ベルトを、図1に示す定着機構をもつタンデム型カラープリンタに装着し、75mm/秒の速度で連続1万枚の初期定着を行なった結果、紙シワの発生なく良質な画像が得られた。
(金属薄膜複合定着ベルトの作製:ステンレス管状物・シリコーンゴム積層体)
厚み40μm、内径30mm、長さ400mmであって25μmの逆クラウン形状を有するステンレス製薄膜管状物((株)遠藤製作所社製)を用意した。このステンレス製薄膜管状物の内面にステンレス金型を挿入した後、ステンレス製薄膜管状物の表面をメッシュナンバー#230の酸化アルミナ砥粒を用いて圧力4kg/cm2で3分間ブラスト処理した。そして、ステンレス製薄膜管状物を洗浄した後、ステンレス製薄膜管状物の外面にプライマー(GE東芝シリコーン社製商品名:XP−81−405)をはけ塗りし、常温で30分間乾燥した。液状シリコーンゴム(GE東芝シリコーン社製商品名:XE15−B7354)A、B液をそれぞれ等重量部混合した後に、その液状シリコーンゴムを真空脱泡し、貯蔵タンク27に投入した。そして、ステンレス製薄膜管状物を挿入したステンレス金型を吐出スリットリングに挿入し、金型上部をワイヤーで固定し、液状シリコーンの吐出量を一定にし、引き上げ速度を制御しながらステンレス製薄膜管状物の外面に180μm厚みの液状シリコーンゴムを塗布した。次いで、その管状物を150℃の温度で20分間一次加硫し、200℃の温度で3時間二次加硫を行った結果、外面に180μm厚みのシリコーンゴムが形成されたステンレス製管状物を得た。なお、同一条件で作成した6mm厚みのテストピースの硬度は35度であった。
その後、シリコーンゴム上にプライマー(三井デュポンフロロケミカル社製:PR−990CL)を塗布し、室温で15分間乾燥した。次いで、粘度200センチポイズに調整したフッ素樹脂ディスパーション(デュポン社製商品名855−510「PTFAとPFAを7:3に混合したもの」)の中に、ステンレス製管状物とシリコーンゴムの2層の複合管状物を浸漬した後、所定の速度で引き上げ、最終の厚さが20μmとなるようにフッ素樹脂ディパージョンをコーティングし、常温で30分乾燥後350℃の温度で20分間焼成して目的とする複合定着ベルトを得た。この複合定着ベルトの逆クラウン量は24μmであった。また、この複合定着ベルトを図1に示す定着機構をもつカラープリンタに装着し、10枚/分の速度で通紙定着を行った結果、5万枚の良好な画像が得られ紙シワの発生や紙詰まりなどのトラブルがなく良質の画像が得られた。
(比較例1)
実施例1においてポリイミド樹脂管状物、および液状シリコーンゴムの成形で、その外径をストレート形状(外径が軸方向に同一寸法)にした以外は実施例1と同様の方法で複合定着ベルトを作製し、実施例1同様にタンデム型カラープリンタで通紙テストを行った結果、1000枚のうち12枚に紙シワが発生した。
本発明の複合定着ベルトにおいては3層構造であるため、フルカラー画像の定着においても複数のトナーを十分に溶融させ混色することができる。また3層構造の最外層の外径が逆クラウン形状であるため高速で定着を行っても紙シワなどの発生を防止できる。また本発明の製造方法によれば耐熱性基材と弾性体と離型層をこの順番で備える3層構造の複合定着ベルトにおいて、その最外層に容易にまた精度の高い逆クラウン形状を形成することができる。
(比較例2)
実施例1の(3)シリコーンゴムの成形および加硫において、プライマー処理された管状物34が装着された金型38の連結方法を下記方法に変更した以外は、実施例1と同様の条件で複合管状物を作製した。本比較例では、支柱として利用される4本のリニアーガイドと、リニアーガイドに沿って上下に移動可能である金型支持基板と、金型支持基板に固定された金属シャフトと、モーターと、モーターと連動して金型支持基板を上下に移動させるボールネジと、金属シャフトと同軸に配置されたゴム成型機とを備える装置を用いてポリイミド樹脂管状物上に液状シリコーンゴムを塗布した。具体的には、金属シャフトの先端にポリイミド樹脂管状物を被せた金型を連結し、その金型をモーターで引き上げながら液状シリコーンゴムを吐出スリットリングから一定速度で吐出させてポリイミド樹脂管状物上に液状シリコーンゴムを塗布した。次いで、液状シリコーンゴムを加硫し、そのシリコーンゴムの厚みを測定した。結果として、シリコーンゴムの厚みには大きなバラツキが見られ定着ベルトとして使用できなかった。なお、このように、厚みに大きなバラツキが生じたのは、装置の微振動や金型の連結精度などが大きく原因しているものと考えられる。
本発明に係る複合定着ベルトの製造方法は、材料ロスが小さく、容易に精密な逆クラウン形状が得られるという特徴を有し、高速処理が必要とされる画像成形装置に搭載される定着ベルトの製造方法として有用である。
ベルト定着方式により定着機構を示す断面図である。 本発明の複合定着ベルトの断面図である。 本発明の複合定着ベルトの逆クラウン形状を示す側面図である。 本発明の複合定着ベルトの逆クラウン形状で中央部に外径が同一の部分を持つ定着ベルトの側面図である。 本発明の一実施形態におけるゴム成型機のプロセス概念図である。
4:逆クラウン形状の最小外径部
5:逆クラウン形状の最大外径部
7:複写紙
8:未定着トナー
9:定着トナー
11:定着ベルト
12:ベルトガイド
13:セラミックヒーター
14:加圧ロール
15:サーミスタ
16:加圧ロール芯金
N:ニップ部分

Claims (4)

  1. 管状の耐熱性基材層と、前記耐熱性基材層の外面に設けられる弾性層と、前記弾性層の外面に設けられる離型層とを備える複合定着ベルトの製造方法であって、 逆クラウン形状の前記耐熱性基材層が、拘束されることなく、前記弾性層の前駆体(以下「弾性層前駆体」という)を吐出するスリットリングを有する吐出成型機のスリットリングの内側を通り抜けるように前記吐出成型機および前記耐熱性基材層の少なくとも一方を移動させると共に、前記吐出成型機に対して前記弾性層前駆体を前記スリットリングから一定の速度で前記耐熱性基材層の外面に向かって吐出させて、前記耐熱性基材層の外面前記弾性層前駆体を逆クラウン形状に塗布する塗布工程と、 前記弾性層前駆体を加硫して弾性層を形成する加硫工程と、 前記弾性層の外面に未焼成フッ素樹脂液をコーティングして未焼成フッ素樹脂コーティング管状物を作製するコーティング工程と、 前記未焼成フッ素樹脂コーティング管状物をフッ素樹脂の融点以上の温度で焼成する焼成工程と、を備える、複合定着ベルトの製造方法。
  2. 前記塗布工程では、ワイヤーにより吊り下げられた前記逆クラウン形状の前記耐熱性基材層が、前記弾性層前駆体を吐出する前記スリットリングを有する前記吐出成型機のスリットリングの内側を通り抜けるように前記吐出成型機および前記耐熱性基材層の少なくとも一方を移動させると共に、前記吐出成型機に対して前記弾性層前駆体を前記スリットリングから一定の速度で前記耐熱性基材層の外面に向かって吐出させて、前記耐熱性基材層の外面上に前記弾性層前駆体を逆クラウン形状に塗布する
    請求項1に記載の複合定着ベルトの製造方法。
  3. 前記塗布工程では、前記ワイヤーにより吊り下げた前記逆クラウン形状の前記耐熱性基材層が、固定された前記スリットリングの内側を通り抜けるように前記耐熱性基材層を引き上げると共に、前記吐出成型機に対して前記弾性層前駆体を前記スリットリングから一定の速度で前記耐熱性基材層の外面に向かって吐出させて、前記耐熱性基材層の外面上に前記弾性層前駆体を逆クラウン形状に塗布する
    請求項に記載の複合定着ベルトの製造方法。
  4. 前記塗布工程では、前記耐熱性基材層が前記スリットリングの内側に通される際、前記スロットリングの半径方向から見て前記スロットリングの前記弾性層前駆体吐出部分と重なる前記耐熱性基材層の 部分の外径が小さくなるに従って前記耐熱性基材層の引き上げ速度が遅くされ、前記スロットリングの前記前駆体吐出部分と重なる前記耐熱性基材層の部分の外径が大きくなるに従って前記耐熱層基材層の引き上げ速度が速くされる
    請求項に記載の複合定着ベルトの製造方法。
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