JP2018072527A - 画像形成装置用ベルト - Google Patents

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Abstract

【課題】
無端ベルトに比して製造コストが低く、さらに、有端であるにもかかわらず耐久性に優れる画像形成装置用ベルトを提供する。
【解決手段】
一枚のポリイミド樹脂シートが少なくとも二重に巻かれて構成された円筒形状の基材を備える、画像形成装置用ベルトであって、
前記基材において、前記ポリイミド樹脂シートの互いに重なる面同士が、接着層により接着されており、
前記接着層は、耐熱性樹脂組成物の硬化物により形成されており、
前記接着層は、前記ポリイミド樹脂シートの一方面の全面に形成されている、
画像形成装置用ベルト。
【選択図】なし

Description

本発明は、デジタル印刷機、複写機、レーザービームプリンタ、ファクシミリ等の電子写真方式を用いた画像形成装置に使用される、画像形成装置用ベルトに関する。
電子写真方式を用いた画像形成装置においては、まず、像担持体上に形成された静電潜像をトナーで現像したのち、現像されたトナー像を用紙等の記録媒体上に転写する。さらに、当該記録媒体上の未定着のトナー像を、定着ベルト、ローラなどを用いて、加熱と同時に加圧して画像を当該記録媒体に定着させる。そのプロセスにおいては、定着ベルト、転写ベルト、中間転写ベルト、転写搬送ベルト、搬送ベルトなど様々なベルトが使用される。
このような画像形成装置に使用されるベルトには耐熱性や機械的強度が要求される。そのためポリイミド樹脂が多く用いられている。ポリイミド樹脂から無端のベルトを製作する技術としては、ポリイミドワニスを金属でできた円筒体の外周面乃至は内周面にキャスト成型した後、このキャスト成型したポリイミドワニスを加熱してイミド化することによりポリイミド無端ベルトとする技術が用いられている。(例えば、特許文献1を参照)しかしながら、この技術には、イミド化工程に時間がかかるので製造コストが高くなるという問題があり、また、寸法規格毎に金型が必要になることと、生産ラインを動かすのに数多くの金型が必要となり、そのため初期投資が非常に高くなるという問題があった。
これに対し安価な方法として、ポリイミド製のシートを継ぎ合わせる加工をして、ポリイミド無端ベルトとする技術が提案されている。例えば、非熱可塑性ポリイミドフィルムの両端部に熱可塑性ポリイミド樹脂を介在させて貼り合せて、熱可塑性ポリイミド樹脂を溶融接着させることにより、ポリイミド無端ベルトを得ている。(特許文献2を参照。)
また、ポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂シートの両端部に厚さ方向に溝形状の凹凸部を互いに形成して、それらの凹凸部を嵌め合わせて接着剤を用いて接着することにより、ポリイミド無端ベルトとする技術が提案されている(特許文献3を参照。)。
同様に、ポリイミドを含むシート材の両端部に、それぞれ複数のジグゾーパズル様の嵌合要素を設けて、該嵌合要素を組み合わせることで両端部が結合し、継目が形成され、組み合わせた嵌合要素の間の隙間に接着剤を入れて接着することにより、ポリイミド無端ベルトとする技術が提案されている(特許文献4を参照。)
しかしながら、特許文献2〜4に記載されたような接合技術では、定着ベルトとして使用する際、接合部に応力集中を受けやすい為、接合部が開いて周長寸法が経時で変動しやすく、継ぎ合わせた接合部から定着ベルトが破壊するなど、製品としての耐久性に問題がある。
定着ベルトの接合部における上記問題を回避する方法として、接合部の面積を大きくする方法が考えられ、その試みとして、接着層を片面に塗布した螺旋巻き用耐熱シートを接着層が外側になるように螺旋状に巻き付けて螺旋巻き層を形成し、その上に平巻き用耐熱シートを巻いて平巻き層を形成し、螺旋巻き層と平巻き層の間の接着剤を硬化させてベルト基材を形成する定着ベルトの製造方法が提案されている(特許文献5を参照)。
しかしながら、特許文献5に開示された技術では、異なる種類の複数枚のシートにより基材を構成する必要があるため、基材の製造工程が長く煩雑になり、無端ベルトに代替させる目的である、安価に生産するという課題が解決できない。
特開平10−120805号公報 特開平11−291348号公報 特開平10−000698号公報 特開平11−325189号公報 特許第5113410号
上記のように、有端であるポリイミド樹脂シートを円筒形状に巻くことによって、ベルト基材を製造する場合、製造コストを低減した上で、キャスト成型で製造した無端ベルトに匹敵する耐久性を有するベルト基材を得ることは非常に困難であった。
このような状況下、本発明は、無端ベルトに比して製造コストが低く、さらに、有端であるにもかかわらず耐久性に優れる画像形成装置用ベルトを提供することを主な目的とする。
本発明者は、上記の従来技術の課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、一枚のポリイミド樹脂シートが少なくとも二重に巻かれて構成された円筒形状の基材を備える画像形成装置用ベルトにおいて、基材を構成しているポリイミド樹脂シートの互いに重なる面同士が接着層により接着されており、接着層が耐熱性樹脂組成物の硬化物により形成されており、さらに、接着層がポリイミド樹脂シートの一方面の全面に形成されていることにより、無端ベルトに比して製造コストが低く、さらに、有端であるにもかかわらず耐久性に優れる画像形成装置用ベルトが得られることを見出した。
すなわち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. 一枚のポリイミド樹脂シートが少なくとも二重に巻かれて構成された円筒形状の基材を備える、画像形成装置用ベルトであって、
前記基材において、前記ポリイミド樹脂シートの互いに重なる面同士が、接着層により接着されており、
前記接着層は、耐熱性樹脂組成物の硬化物により形成されており、
前記接着層は、前記ポリイミド樹脂シートの一方面の全面に形成されている、
画像形成装置用ベルト。
項2. 前記接着層を形成する耐熱性樹脂組成物が、イミドオリゴマーを含む、項1に記載の画像形成装置用ベルト。
項3. 前記基材の厚み方向の断面において、前記ポリイミド樹脂シートの内側端部が、前記厚み方向外側に食い込んでおり、前記ポリイミド樹脂シートの外側端部が、前記厚み方向内側に食い込んでおり、
前記ポリイミド樹脂シートの内側端部と外側端部との間に位置する部分が、S字形状に湾曲している、項1または2に記載の画像形成装置用ベルト。
項4. 前記基材の厚み方向の断面において、前記ポリイミド樹脂シートの外側端部における段差Dが、35μm以下である、項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置用ベルト。
項5. 前記基材の外側表面または内側表面に、電極パターン印刷または導電性金属コートが施されている、項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置用ベルト。
項6. 前記基材の外側に、フッ素樹脂を含む表面層をさらに備えている、項1〜5のいずれかに記載の画像形成装置用ベルト。
項7. 前記フッ素樹脂が、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体を含む、項6に記載の画像形成装置用ベルト。
項8. 前記基材の外側に、シリコーンゴムを含む弾性層をさらに備えている、項1〜7のいずれかに記載の画像形成装置用ベルト。
本発明によれば、無端ベルトに比して製造コストが低く、さらに、有端であるにもかかわらず耐久性に優れる画像形成装置用ベルトを提供することができる。より具体的には、本発明によれば、従来のキャスト成型で製造された無端ベルトを基材に用いた画像形成装置用ベルトに比して、製造コストの低い画像形成装置用ベルトを提供することができる。
特に、本発明においては、ポリイミド樹脂シートの互いに重なる面同士を接着している接着層が、ポリイミド樹脂シートの一方面の全面に形成されているため、基材の製造工程において、接着剤が一方面の全面に塗布されたポリイミド樹脂シートを任意の大きさに裁断して、所望の大きさを有する基材の製造に供することができる。このため、例えば、接着層が、ポリイミド樹脂シートの一方面の一部に形成されている場合に比しても、生産性が高く、製造コストをより低減することができる。
また、本発明のベルトは、製造コストの低減が実現されているだけでなく、従来の接合や溶着によって製造された基材を用いた有端のベルトに比して、機械的強度と耐久性を向上し得る。本発明のベルトは、基材の外側に、弾性層や表面層をさらに設けたベルトとすることもできる。
本発明の画像形成装置用ベルトの基材の厚み方向における略図的断面図である。 図1における基材の外側端部と内側端部が位置している部分の拡大図である。 本発明の画像形成装置用ベルトの基材の模式図である。 本発明の画像形成装置用ベルトの一例の厚み方向における略図的断面図である。 本発明の画像形成装置用ベルトの製造方法を説明するための模式図である。
本発明の画像形成装置用ベルトは、一枚のポリイミド樹脂シートが少なくとも二重に巻かれて構成された円筒形状の基材を備えている。さらに、当該基材においては、ポリイミド樹脂シートの互いに重なる面同士が、接着層により接着されており、接着層が、耐熱性樹脂組成物の硬化物により形成されており、接着層が、ポリイミド樹脂シートの一方面の全面に形成されていることを特徴としている。本発明の画像形成装置用ベルトは、画像形成装置に使用される種々のベルト(例えば、定着ベルト、転写ベルト、中間転写ベルト、転写搬送ベルト、搬送ベルトなど)として使用できる。以下、例として、耐熱性や強度などの要求が極めて高い、定着ベルト及びその製造方法について詳述するが、下記の定着ベルト及びその製造方法は、転写ベルト、中間転写ベルト、転写搬送ベルト、搬送ベルトなどの他の画像形成装置用ベルトにも適用することができる。
1.画像形成装置用定着ベルト
本発明の画像形成装置用定着ベルトは、一枚のポリイミド樹脂シートが少なくとも二重に巻かれて構成された円筒形状の基材を備えている。ここで、一枚のポリイミド樹脂シートが少なくとも二重に巻かれて構成された円筒形状とは、例えば、図1に示されるように、基材の厚み方向(すなわち、ポリイミド樹脂シートの厚み方向)において、ポリイミド樹脂シートが筒状に平巻きされて円筒形状(厚み方向断面から見た場合)となり、少なくとも一部が二重になっている状態を意味する。なお、本発明の画像形成装置用定着ベルトは、柔軟性を備えているため、定着ベルトに外力を加えると、容易に任意の形状に変形し、ニップ形状に追従することができる。
本発明において、基材は、全周にわたって、ポリイミド樹脂シートが実質的に二重以上になっていることが好ましく、二重〜五重になっていることがより好ましい。なお、後述の通り、例えばポリイミド樹脂シートが実質的に二重になっている場合にも、ポリイミド樹脂シートの端部においては、巻取方向に隙間Lが存在し、一重になっている部分が存在していてもよい(図2を参照)。
本発明において、基材は、少なくとも二重に巻かれたポリイミド樹脂シートの互いに重なる面同士が、接着層により接着されている。このため、従来の継ぎの技術とは異なり、継ぎ目部分の強度が基材そのものの強度を決定してしまうといったことがなく、耐久性に優れている。さらに、例えば特許文献5に記載のような、異なる種類のシートを複数積層したものではないため、簡便に製造することができ、製造コストが低減されている。
また、本発明の画像形成装置用定着ベルトは、図1に示されるように、基材2のみにより構成されていてもよいし、例えば図4に示されるように、基材2の外側に、弾性層3及び表面層4の少なくとも一方をさらに備えていてもよい。本発明の画像形成装置用定着ベルト1が弾性層3及び表面層4を備えている場合には、内側から順に、基材2、弾性層3、及び表面層4が積層されていることが好ましい。
以下、本発明の画像形成装置用定着ベルトを構成する基材、さらに必要に応じて設けられる、弾性層及び表面層について、具体的に説明する。
基材
本発明の定着ベルトは、一枚のポリイミド樹脂シートが少なくとも二重に巻かれて構成された円筒形状の基材を備えている。当該定着ベルトにおいて、基材は、最内層に位置しており、定着ベルトの内面は、基材の内面により構成されている。基材は、円筒形状を有している。なお、基材は、柔軟性を備えているため、外力を加えると、容易に任意の形状に変形する。
また、基材は、一枚のポリイミド樹脂シートが少なくとも二重に巻かれて構成されている。すなわち、基材は、一枚のポリイミド樹脂シートを少なくとも二重に重ね巻き、互いに重なる面同士を接着層により接着することにより、円筒形状に成形して製造される。前述の通り、基材は、全周にわたって、ポリイミド樹脂シートが実質的に二重以上になっていることが好ましく、二重〜五重になっていることがより好ましい。
本発明の定着ベルトは、画像形成装置において、ロールなどの加圧部材と対向させ、未定着トナー像を載せた紙を通過させて使用される。このため、基材には、加熱や加圧に対する優れた耐久性が求められる。従って、基材を構成するポリイミド樹脂シートにも、同じく優れた耐久性が求められる。
ポリイミド樹脂シートを構成するポリイミド樹脂は、ポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミック酸を加熱することによって製造することができる。ポリアミック酸は、テトラカルボン酸二無水物またはその誘導体とジアミンとのほぼ等モル混合物を有機極性溶媒に溶解させ、溶液状態で反応させることによって得られる。
テトラカルボン酸二無水物としては、ピロメリット酸、ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸、ナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸、2,3,5,6−ビフェニルテトラカルボン酸、2,2′,3,3′−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3′,4,4′−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,3′,4,4′−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、アゾベンゼン−3,3′,4,4′−テトラカルボン酸、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン、β,β−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、β,β−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン等の二無水物が挙げられる。
ジアミンとしては、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノクロロベンゼン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、1,4−ジアミノナフタレン、1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、2,4′−ジアミノビフェニル、ベンジジン、3,3′−ジメチルベンジジン、3,3′−ジメトキシベンジジン、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)、4,4′−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3′−ジアミノベンゾフェノン、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、4,4′−ジアミノアゾベンゼン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、β,β−ビス(4−アミノフェニル)プロパン等が挙げられる。
上記のポリイミド樹脂から構成されるポリイミド樹脂シートとしては、特に制限されないが市販品として入手可能で、具体的には、東レ・デュポン(株)の商品名「カプトン」、宇部興産(株)の商品名「ユーピレックス」、(株)カネカの商品名「アピカル」などが挙げられる。これらはいずれも、ヤング率3GPa以上であるため、定着ベルトの基材としての機械特性を満足することができる。
基材は、一枚のポリイミド樹脂シートが少なくとも二重に巻かれて構成されている。このため、例えば図1に示されるように、巻取方向における、ポリイミド樹脂シートの一方側の端部(外側端部2a)と、他方側の端部(内側端部2b)とは、少なくとも1層のポリイミド樹脂シートを挟んだ構造となる。例えば、図1においては、基材は、一枚のポリイミド樹脂シートが実質的に全周にわたり二重に巻かれることにより構成されている。この際、基材の外面及び内面は、なるべく平坦面になるように設計されるが、例えば一枚のポリイミド樹脂シートが全周にわたり丁度二重に巻かれるように設計した場合にも、端部2aと端部2bの部分には、それぞれ、通常、巻取方向に隙間Lが形成される。このことは、三重以上に巻かれるように設計した場合にも、同様である。
基材1の外面に形成される隙間Lは、巻取方向において、外側端部2aと、これに隣接しているポリイミド樹脂シートとによって形成される隙間である。また、基材1の内面に形成される隙間Lは、巻取方向において、内側端部2bと、これに隣接しているポリイミド樹脂シートとによって形成される隙間である。
図2においては、隙間Lの部分は、外側端部2aと内側端部2bとが厚み方向において重なっておらず、ポリイミド樹脂シートが一重になっている。例えば、ポリイミド樹脂シートが三重に巻かれる場合であれば、隙間Lの部分は、二重となる。さらに、隙間Lの部分には、外側端部2a及び内側端部2bの厚み方向に、それぞれ、段差Dが生じる。
図1及び図2のように、ポリイミド樹脂シートが実質的に全周にわたり二重に巻かれることにより、基材が構成されている場合にも、基材の厚み方向の断面において、ポリイミド樹脂シートの内側端部2bが、厚み方向外側に食い込んでおり、ポリイミド樹脂シートの外側端部2aが、厚み方向内側に食い込んでいる場合には、ポリイミド樹脂シートの内側端部2bと外側端部2aとの間に位置する部分がS字形状に湾曲し、当該隙間Lが形成される。この場合、隙間Lの大きさとしては、外側端部2aと内側端部2bとの間に位置するポリイミド樹脂シートの総厚みの2倍以下程度となる。
また、段差Dは、ポリイミド樹脂シートの厚み以下となる。基材の表面は、可能な限り平坦であることが望ましく、隙間L及び段差Dは、それぞれ、できるだけ小さいことが望ましい。本発明の基材においては、隙間Lは200μm以下であることが好ましく、段差Dは、35μm以下であることが好ましい。隙間Lと段差Dがこの程度であれば、例えば後述する弾性層や表面層を基材の外側の設けた場合に、これらの層の表面形状に与える影響が小さいため、定着画像の均一性が損なわれにくい。一方、特に、段差Dが、50μm以上あると、仮に後述する弾性層の厚みを200μm程度、表面層の厚みを30μm程度とした場合にも、定着ベルトの外面に僅かにうねりを生じ、定着画像の均一性が損なわれる場合がある。
基材の形成に必要なポリイミド樹脂シート1枚の厚さは、目的とする基材の厚みを、ポリイミド樹脂シートの巻き数で除した、以下の式1により算出される。
ポリイミド樹脂シート1枚の厚さ=基材の厚み÷巻き数 (式1)
例えば、基材の厚みを50μmに設計するためには、厚み25μmのポリイミド樹脂シートを二重に巻けばよい。その時の基材の破断強度は、上記の考え方に基づき、少なくとも使用するポリイミド樹脂シート1枚分の破断強度を確保できることになる。よって、所望の基材の厚みや強度から、ポリイミド樹脂シートの厚さが選定できる。
基材の厚みとしては、特に制限されないが、定着ベルトの高温下弾性率、耐折性、及び耐久性を向上させる観点からは、好ましくは30〜100μm程度、より好ましくは40〜80μm程度が挙げられる。特に、当該厚みが30μm以上であれば、外力による寸法安定性能に優れ、駆動時の(延伸や歪みによる)変形量が少なく、画像ズレが起こりにくい。また、当該厚みが100μm以下であれば、耐折性に優れ、駆動時の定着ベルトの割れが起こりにくい。
基材を形成するポリイミド樹脂シートは、必要に応じて、公知の導電剤や補強用フィラーを含んでいてもよい。また、該ポリイミド樹脂シートに導電性塗料による電極パターンの印刷を施し、基材表面に発熱性を付与することができる。すなわち、基材の外側表面または内側表面に、電極パターン印刷または導電性金属コートが施されていてもよい。
電極パターンを形成する材料として、例えば、樹脂のバインダー中に金属粉やカーボンが含有されている導電性材料を用いることで、加熱処理により電極パターンをポリイミド樹脂シートに容易に結合することが可能である。また、電磁誘導式発熱定着に用いられる定着ベルトにおいては、ポリイミド樹脂シートに導電性金属コートを施すことも可能である。導電性金属コートを形成する材料として銅やニッケルなどを用いて、スパッタリング、蒸着、電解、無電解めっき法などによって、基材表面に対して導電性金属コートを設けることが可能である。また、無電解ニッケルめっきを施すことで、発熱特性や導電層の密着性を安定させることができる。
本発明において基材を構成するポリイミド樹脂シートは、少なくとも二重に巻かれた状態で、互いに重なる面同士が、接着層によって強固に接着されている。具体的には、ポリイミド樹脂シートは、一方面の全面に耐熱性樹脂組成物の硬化物により形成された接着層が設けられている。当該接着層は、ポリイミド樹脂シートの一方面の全面に耐熱性樹脂組成物を塗布した状態で、ポリイミド樹脂シートを外側または内側に巻回した後、接着剤を硬化させることにより形成することができる。なお、接着層が基材の内側及び外側のいずれになるようにポリイミド樹脂シートを巻回するかについては、定着ベルトのその後の製造工程や使用環境によって選択できる。
本発明においては、ポリイミド樹脂シートの互いに重なる面同士を接着している接着層が、ポリイミド樹脂シートの一方面の全面に形成されているため、基材の製造工程において、接着剤が一方面の全面に塗布されたポリイミド樹脂シートを任意の大きさに裁断して、所望の大きさを有する基材の製造に供することができる。これに対して、例えば、接着層が、ポリイミド樹脂シートの一方面の一部に形成されている場合、接着剤が塗布されたポリイミド樹脂シートを所定の大きさに裁断する際、接着剤の塗布位置が予め固定されるため、任意の大きさに裁断して所望の大きさを有する基材の製造に供することはできない。このため、目的とする基材の大きさに応じて、接着剤を塗布する部分を変更する必要があり、製造コストが増大する。このように、本発明においては、基材表面の接着層が、ポリイミド樹脂シートの一方面の一部に形成されている場合に比して、生産性が高く、製造コストをより低減することができる。
例えば、基材に弾性層を被覆する際、基材の外面を予めエッチングやブラストなどの粗面化処理を行う場合、基材外面が表面加工されるので、元の面状態は如何なるものでもよい。また、同様に、基材の外面に対し、スパッタリングやめっきなどを施す際も、予め表面処理を行なうため、元の表面状態に関係なく当該処理工程によって表面が整えられる。このような場合は接着剤の塗布面を外側にして巻くことができる。
一方、基材の表面にプライマーなどの接着成分を塗布した後、弾性層であるシリコーンゴムを加硫接着する場合、基材外面に塗布された耐熱性樹脂組成物からなる接着剤が悪影響し、弾性層との接着障害や弾性層自体の加硫障害を引き起こす恐れがある。このような場合は、接着層が基材の内側となるようにして、ポリイミド樹脂シートを巻くことが好ましい。
接着剤としては、硬化する耐熱性樹脂組成物であれば、特に制限されない。接着剤としては、例えば、エポキシ系接着剤、シリコーン系接着剤、イミド系接着剤、フェノール系接着剤など、公知の耐熱性接着が挙げられる。これの中でも、接着層を形成する耐熱性樹脂組成物が、イミドオリゴマーを含むことが好ましい。熱性樹脂組成物がイミドオリゴマーを含むことによって、250℃以下の比較的低温で接着性が発現するので、ポリイミド樹脂シートを巻回して当該温度で接着反応させた後、さらに300℃程度の高温で加熱することでイミド化反応して高分子化し、最終的にはポリイミド樹脂シートと同化させることが可能となる。この場合、基材の接着剤塗布面を内面側とした場合にも、ポリイミド樹脂シートの内面と同等な表面性を基材に付与することができる。また外面側とした場合にも、同じ効果が発揮されるため、耐熱性樹脂組成物がイミドオリゴマーを含むことにより、定着ベルトの表裏(外面及び内面)の表面特性の相違を小さくすることが可能となる。さらに、耐熱性樹脂組成物が、イミドオリゴマーとエチニルフタル酸誘導体を含む場合、基材の加工温度を250℃以下程度の比較的低温にでき、ポリイミド樹脂シートの素材との接着性が優れているという利点を有している。
弾性層
本発明の定着ベルトは、基材の外側に、弾性層をさらに備えていてもよい。なお、定着ベルトがさらに後述の表面層を備えている場合には、弾性層は、基材と表面層との間に配置することが好ましい。弾性層は、基材の外側に形成されていることから円筒形状を有しており、耐熱性ゴムを含んでいる。性能とコストのバランスの観点から、弾性層は、シリコーンゴムを含んでいることが好ましい。
弾性層を形成するシリコーンゴムの素材(硬化前のシリコーンゴム)としては、特に制限されないが、ビニル基を含有したポリオルガノシロキサン組成物が一般に使用される。このシリコーンゴム素材としては、液状シリコーンゴムが一般的に用いられ、ミラブルタイプと称される熱加硫型シリコーンゴムなども使用できる。
液状シリコーンゴムとしては、付加反応触媒により硬化可能な2液性の液状のものが用いられ、前記熱加硫型シリコーンゴムとしては、過酸化物からなる加硫剤により加硫(硬化)可能な熱硬化型オルガノポリシロキサンなどが用いられる。
また、弾性層を形成するシリコーンゴムには、定着ベルトの使用目的、設計目的等に応じて、充填剤、増量充填剤、着色剤、導電性物質、耐熱剤、顔料等の種々の添加剤が含まれていてもよい。
弾性層に使用されるシリコーンゴムに対する充填剤の配合処方としては、特に制限されないが、通常、ベースとなるシリコーンゴム100質量部に対して、補強性充填剤及び増量充填剤が、それぞれ10〜300質量部程度配合される。補強性充填剤としては、カーボンブラック、湿式シリカ、乾式シリカ(煙霧状シリカ)などが一般的である。なお、ここでいう湿式シリカとは、二酸化ケイ素(SiO2)からなる補強性シリカである。補強性シリカの製造方法としては、ケイ酸ナトリウムを直接硫酸で分解する直接法や、ケイ酸ナトリウムを塩類と反応させてケイ酸塩を生成させ、次に硫酸または炭酸ガスで分解する間接法など種々の方法が挙げられる。
代表的な湿式シリカとしては、ニップシル(Nipsil)VN3(日本シリカ工業株式会社の商品名)、カープレックスCS−5(シオノギ製薬株式会社の商品名)、スターシルS(神島化学工業株式会社の商品名)、トクシールUS(株式会社トクヤマの商品名)、シルトンR−2(水沢化学工業株式会社の商品名)、ハイシル(Hisil)223(PPG社(米国)製商品名)、ウルトラシル(Ultrasil)VN3(デグッザ社の商品名)、バルカシル(Vulkasil)S(バイエル社の商品名)などが挙げられる。これらの市販の湿式シリカとしては、平均粒径が30μm以下、好ましくは5μm以下のグレードのものが好ましく使用できる。
乾式シリカは、ハロゲン化ケイ素の熱分解法や、ケイ砂を加熱還元、気化したSiOの空気酸化法、有機ケイ素化合物の熱分解法等により製造される二酸化ケイ素からなる補強性シリカである。乾式シリカの市販品としては、アエロジル200やアエロジルR972(日本アエロジル株式会社の商品名)、キャボシル(Cab−O−Sil)MS−5(キャボット社の商品名)、レオロシールQS102(株式会社トクヤマの商品名)などが挙げられる。
弾性層には、必要に応じて、湿式シリカと乾式シリカとを適時併用して使用してもよい。さらに、シリカ表面の活性による二次結合の防止を目的として、潤滑剤(ウエッタ)を添加してもよい。潤滑剤としては、シリコーンレジン類、アルコキシシラン及びシロキサン類、ヒドロキシシラン及びシロキサン類、シラザン類、有機酸エステル類、多価アルコール類などが挙げられる。
また、増量充填剤は、ゴムの機械特性、すなわち物理強度、ゴム硬度、圧縮永久歪みなど弾性層としての機能上特性を向上させる成分であり、例えば、炭酸カルシウム、石英粉、けいそう土、ケイ酸ジルコニウム、クレー(ケイ酸アルミニウム)、タルク(含水ケイ酸マグネシウム)、ウォラストナイト(メタケイ酸カルシウム)、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、アルミナ(酸化アルミニウム)、酸化クロム、ベンガラ(酸化鉄)、硫酸アルミニウム、硫酸バリウム、リトポン、二硫化モリブデン、マイカ(雲母粉)、グラファイトなどが挙げられる。
また、弾性層においては、酸化セリウムのような耐熱剤を付加型シリコーンゴムに添加して用いてもよい。定着ベルトに限らず、シリコーンゴムからなる定着部材は、赤色系に着色して供給されることが多く、この場合には着色剤としてベンガラを使用するのが一般的である。ベンガラの種類としては、SRIS1108(日本ゴム協会標準規格)に規定されたゴム用ベンガラが適用できる。加工時のゴム内における配向性に留意する必要がある場合には、バイフェロックス130M(バイエル社の商品名)のような平均粒径が0.3μm以下の球状のグレードをシリコーンゴムに対して0.2〜2質量%程度添加すればよい。
弾性層を形成するシリコーンゴムの硬さは、定着ベルトの弾性層に求められる適正なものである必要がある。定着ベルトにおいて、弾性層を設ける目的は、過度な圧力を与えずに記録媒体である紙に対してトナーを定着させることで、画像の鮮明度が向上することにある。このため、弾性層には、適度な軟らかさが要求される。このような観点から、弾性層を形成するシリコーンゴムの硬度としては、一般的にはタイプA硬度で20度以下、好ましくは10度以下、より好ましくは5度以下が挙げられる。さらには、シリコーンゴムは軟らかいスポンジ体でもよく、当該シリコーンスポンジはシリコーンゴム原料に発泡剤やマイクロバルーンを添加することで、発泡倍率を制御しながら所望の硬度を得ることができる。
さらに、弾性層の熱伝導度を高める処方としては、シリコーンゴムの比重を高める配合が知られている。例えば、ベースとなるシリコーンゴム100質量部に対してアルミナ、シリカなどの熱伝導性の良い配合剤を30重量部以上配合して、弾性層の熱伝導率を0.6W/m・K以上とすることができる。原料となる液状シリコーンゴムにおいて、このような処方としては、信越化学工業株式会社のX−34−2826A/B(硬度17A、熱伝導率0.90W/m・K)、X−34−2857A/B(硬度25A、熱伝導率1.1W/m・K)などの商品が例示できる。
また、弾性層に導電性を付与する方法としては、充填剤として各種の導電性付与剤を使用して体積固有抵抗を1012Ω・cm以下にする方法が挙げられる。導電性付与剤としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラックなどの導電性カーボンブラック、グラファイト、銀、銅、ニッケルなどの金属粉、導電性亜鉛華、導電性炭酸カルシウム、カーボン繊維などが挙げられ、これらの中でもカーボンブラックが一般的である。液状シリコーンゴムに導電性を付与した市販品としては、東レ・ダウコーニング株式会社のSCL2600A/B(体積固有抵抗1011Ω・cm)、SCL4900A/B(体積固有抵抗1010Ω・cm)などが挙げられる。
本発明の定着ベルトにおいて、弾性層の厚みとしては、特に制限されないが、50〜500μm程度、好ましくは100〜300μm程度、さらに好ましくは150〜250μm程度が挙げられる。定着ベルトにおける弾性層の厚みが大きすぎると、定着ベルトの熱伝導性が低下し、また、小さすぎるとトナーをつぶし過ぎてしまい画像鮮明度が低下する場合がある。
表面層
本発明の定着ベルトは、基材の外側に、表面層をさらに備えていてもよい。なお、定着ベルトがさらに前述の弾性層を備えている場合には、基材、弾性層、及び表面層がこの順に積層されていることが好ましい。また、表面層は、定着ベルトの最表面を構成していることが好ましい。表面層は、円筒形状を有している。
表面層は、樹脂を含んでいる。表面層は、フッ素樹脂を含んでいることが好ましい。定着ベルトの外面には、定着時に溶融状態の未定着トナー像と固着するのを防ぐため、優れた離型性が求められる。そのため、表面層を形成する樹脂としては、表面自由エネルギーの小さいフッ素樹脂が好ましく用いられる。
フッ素樹脂としては、例えば、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、テトラフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレンビニリデンフルオライド(THV)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)等が挙げられる。これらの中でも、上記の観点から、PFAが特に好ましい。フッ素樹脂は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
また、表面層には、必要に応じて、例えば、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、滑剤、防曇剤、スリップ剤、表面調整剤等の樹脂に添加される公知の添加剤を適宜配合することができる。また、表面層は、必要に応じて、フィラーを含んでもよい。フィラーとしては、例えば、導電剤、熱伝導剤等が挙げられる。導電剤としては、例えば、公知の電子導電性物質、イオン導電性物質などを用いることができる。導電剤は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
電子導電性物質としては、例えば、カーボンブラック、SAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、SRF、FT、MT、酸化処理等を施したカラー(インク)用カーボン、熱分解カーボン、天然グラファイト、人造グラファイト等の導電性炭素系物質;酸化チタン、酸化亜鉛、アンチモンドープの酸化錫、酸化インジウム−酸化錫複合酸化物(ITO)等の導電性金属酸化物;ニッケル、銅、銀、ゲルマニウム、アルミニウム、銅合金等の金属及びその酸化物;ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン等の導電性ポリマー等が挙げられる。
イオン導電性物質としては、例えば、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸リチウム、過塩素酸カルシウム、塩化リチウム等の無機イオン性導電物質;トリデシルメチルジヒドロキシエチルアンモニウムパークロレート、ラウリルトリメチルアンモニウムパークロレート、変性脂肪族・ジメチルエチルアンモニウムエトサルフェート、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−N−(3’−ドデシロキシ−2’−ヒドロキシプロピル)メチルアンモニウムエトサルフェート、3−ラウルアミドプロピル−トエイメチルアンモニウムメチルサルフェート、ステアルアミドプロピルジメチル−β−ヒドロキシエチル−アンモニウム−ジハイドロジェンフォスフェート、テトラブチルアンモニウムホウフッ酸塩、ステアリルアンモニウムアセテート、ラウリルアンモニウムアセテート等の第4級アンモニウムの過塩素酸塩、硫酸塩、エトサルフェート塩、メチルサルフェート塩、リン酸塩、ホウフッ化水素酸塩、アセテート等の有機イオン性導電物質;電荷移動錯体等が挙げられる。
これらの導電剤の中でも、カーボンブラックを用いることが好ましい。カーボンブラックとしては、例えば、ガスブラック、アセチレンブラック、オイルファーネスブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブ等が挙げられる。より少量の混合で所望の導電率を得るのに有効なものとしては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、オイルファーネスブラックなどが挙げられる。なお、ケッチェンブラックとは、コンタクティブファーネス系のカーボンブラックである。
熱伝導剤としては、例えば、金属窒化物、シリカ、スズ等を挙げることができる。金属窒化物としては、具体的には、窒化ホウ素、窒化アルミニウム等が挙げられる。
表面層にフィラーを含むことにより、表面層の耐クリープ性、熱伝導性、電気伝導性、その他諸性質が向上する。フィラーを配合する場合、表面層の成形性、強度等の物理的、化学的物性を著しく損なわないようにすることが望ましい。例えば、表面層にフィラーを0.5〜5質量%程度配合すると、表面層の特性を損なうことなく、その諸性質を向上させることができる。
後述の通り、本発明の定着ベルトの表面層としては、予め円筒形状(チューブ形状)に押出成形されたものを用いることが望ましい。従来の方法で液状のフッ素樹脂ディスパージョンなどの塗工液をスプレー塗布やディッピングなどでコートする場合は、フッ素樹脂の溶融温度で焼成しなくてはならないため低くとも300℃以上の加熱が必要となる。このような高温での加熱を行うと、表面層の下に位置する上記の弾性層を形成するシリコーンゴムなどの樹脂の耐熱限界を超えるため、短時間といえども弾性層を劣化させる恐れがある。また、基材と弾性層を一体化した後で、表面層を形成する場合、300℃を超える温度が加えられると、基材に対しても形状変化などの悪影響を及ぼす。このような理由から、本発明の定着ベルトの表面層には、予め円筒形状に成形されたフッ素樹脂を用いることが好ましい。このように製膜された表面層を用いることにより、弾性層との接着には、シリコーンゴム加硫接着用の公知のプライマーが使用できる。
表面層の内面には、プライマーとの濡れ性を改善するために、エッチングと呼ばれる内面処理を施すことが好ましい。表面層の内面処理方法としては、公知の方法、例えば、テトラヒドロフランまたはエチレングリコールジメチルエーテルに金属ナトリウムとナフタリンを溶解させた溶液で化学処理する方法、液体アンモニアに金属ナトリウムを溶解させた溶液で化学処理する方法、放電処理法、電解還元法、コロナ放電処理法、ヘリウムやアルゴンのような不活性ガスプラズマで処理する大気圧グロー放電方法、エキシマレーザにより処理する方法などが挙げられる。
本発明の定着ベルトにおいて、表面層の厚みとしては、特に制限されないが、好ましくは10〜50μm程度、好ましくは15〜35μm程度が挙げられる。特に、表面層がこのような範囲の厚みを有することにより、定着ベルトの長時間駆動で表面磨耗が生じても、優れた離型性が失われにくい表面層、すなわち耐摩耗性に優れた表面層とすることができる。
定着ベルトの特性等
本発明の定着ベルトの高温下弾性率としては、好ましくは2GPa以上、より好ましくは3GPa以上が挙げられる。高温下弾性率が2GPa以上であれば、定着ベルトの外径方向における径変動の抑制が可能である。なお、当該高温下弾性率は、後述の実施例に記載した方法で測定した値である。
また、本発明の定着ベルトのMIT回数としては、1000回以上であることが好ましい。MIT回数が1000回以上であれば、定着ベルトの使用時における割れを抑制して、定着を持続的に行うことができる。なお、当該MIT回数は、後述の実施例に記載した方法で測定した値である。
本発明の定着ベルトの大きさは、使用される画像形成装置の大きさなどに応じて適宜設定することができる。定着ベルトの長さとしては、例えば220〜350mm程度が挙げられる。また、定着ベルトの内径としては、例えば16〜80mm程度が挙げられる。定着ベルトの外径としては、例えば16〜80mm程度が挙げられる。定着ベルトの肉厚としては、例えば200〜400μm程度が挙げられる。
本発明の定着ベルトは、複写機、プリンター、ファクシミリ等の画像形成装置における定着部に使用される。具体的には、本発明の定着ベルトは、各種画像形成装置において、ベルト状又はロール状の定着部として配置され、ハロゲンヒータ、セラミックヒータなどによる直接加熱方式、IHによる誘導加熱方式などにより加熱された状態で、ゴムローラ等からなる加圧ローラと対向、圧接されるように設置される。当該画像形成装置では、ベルト状又はロール状の定着部と加圧ローラの間にトナー画像が転写された記録媒体が通過し、未定着のトナーをベルト状又はロール状の定着部で加熱溶融して記録媒体上に定着させることにより、画像が形成される。
2.定着ベルトの製造方法
本発明の画像形成装置用定着ベルトの製造方法は、下記の工程(1)〜(3)を備えることを特徴とする。なお、工程(1)〜(3)は、本発明の定着ベルトが、基材の外側に、弾性層及び表面層をこの順に備えている場合についての製造方法である。
工程(1)
一方面の全面に耐熱性樹脂組成物からなる接着剤が塗布された一枚のポリイミド樹脂シートを、少なくとも二重に重ね巻いて、重なった面同士を接着することによって、円筒形状の基材を得る。
工程(2)
前記表面層を形成する樹脂を円筒形状に溶融押出成形して表面層を得る。
工程(3)
前記円筒形状の基材を、前記円筒形状の表面層の内側に挿入した状態で金型内に配置し、前記基材と前記表面層との間に前記弾性層を形成する未硬化樹脂を注入した後、前記金型を加熱して前記未硬化樹脂を硬化させて、前記基材と前記表面層との間に前記弾性層を形成する。
以下、各工程について詳述する。
工程(1):基材の形成工程
本発明の定着ベルトの製造方法において、工程(1)は、一方面の全面に耐熱性樹脂組成物からなる接着剤が塗布された一枚のポリイミド樹脂シートを、少なくとも二重に重ね巻いて、重なった面同士を接着することによって、円筒形状の基材を得る工程である。ポリイミド樹脂シート及び接着剤の成分などの具体的な構成や、巻き取り数などは、上記の「1.画像形成装置用定着ベルト」の項目で説明したとおりである。
工程(1)においては、前述の通り、市販のポリイミド樹脂シートを用いることができる。工程(1)で得られる基材の厚みは、
ポリイミド樹脂シートの厚み×巻き数 (式2)
で示される。例えば、25μm厚みのポリイミド樹脂シートを二重に巻けば、50μmの厚さの基材が得られる。また17.5μm厚みのポリイミド樹脂シートを三重に巻けば、52.5μmの厚さの基材が得られる。
本発明においては、一枚のポリイミド樹脂シートの一方面(片面のみ)の全面に、耐熱性樹脂組成物からなる接着剤が塗布してあり、該接着剤塗布面を外側または内側にして、金属等の芯の周囲に巻く。例えば、図5においては、芯の図示は省略しているが、シートの巻き方の概念を示している。図5は、二重巻きを例にとって出来上がった基材の図を示しており、当例ではポリイミド樹脂シートの巻き始めと巻き終わりの端部2a,2bは、1枚の厚み分のシートを挟んでいる。次に、当該シートを芯に巻いた状態で仮止めし、回転する熱ローラに押し付けて熱と圧力を加える。そうすることで、外側端部2aと内側端部2bとの間に挟まったシート部分を、S字形状(略クランク形状)に変形させて基材の外面及び内面の段差を潰す(外側端部2aと内側端部2bをシートに食い込ませる)と同時に、接着剤の反応を熱で促進し接着を完了させる。熱ローラの表面温度は200〜400℃程度の範囲で制御するのがよく、押し付け圧力は、1〜10MPa程度で制御するのがよい。
ポリイミド樹脂シートの長さは、精密カットによって予め調整されている。図5の例では、基材は二重に重ねられているが、外側端部2a及び内側端部2bにおいては、一重の部分が隙間Lの幅だけ存在するような長さに計算してある。図5に示す隙間Lの大きさは、外側端部2a及び内側端部2bの間に挟まれたポリイミド樹脂シートを、S字形状に変形させて、基材の内面及び外面の段差を潰す工程で生じる寸法である。よって、隙間Lの大きさは、当該両端に挟まれたシートの厚みの2倍以下程度に設定しておくとよい。これを簡略化して、基材の厚み方向断面で検討すると、ポリイミド樹脂シートの過不足のない長さとは、S字形状に変形させて、段差を消滅させた理想断面積を形成する為の長さである。よって、ポリイミド樹脂シートの精密カットの長さは、基材の厚み方向の断面から得られる以下の式(3)で求められる。
基材の厚みの中心線長さ×円周率×巻き数 (式3)
例えば、外径φ20.0mm、厚さ50μmの基材を製造する場合、内径は19.90mmになるので、輪切断面図の中心線はφ19.95mmとなり、25μmのポリイミド樹脂シートから二重巻きで製造する場合の精密カット長さは、上記計算式から、125.35mmと算出される。
このように、基材を予め設計された通りの外径と厚みで製造する場合、ポリイミド樹脂シートの精密カットが必須であり、このことは従来の技術でも同じであった。しかしながら、従来の技術は、切り出したシートの端部に傾斜カットや凹凸加工などの細工を施したり、シートが重なった部分のみに接着剤を塗布していたため、工程が煩雑で難易度も高くなってしまっていた。本発明の定着ベルトにおける基材を形成するポリイミド樹脂シートには、一方面の全面に接着剤が塗布されているため、精密カット後での端部の細工の必要もなく、接着剤を決められた一部分にだけ極正確に塗布する必要もない。その結果として、同じポリイミド樹脂シートからサイズの違う基材を作成することができ、効率的な製造が可能で、捨てしろも少なくできる点から、製造コストを低減できる。
以上のように、本発明の定着ベルトにおいて、基材を形成するポリイミド樹脂シートは、巻回した状態で接触している面が全て強固に接着されている。工程(1)において、円筒形状に成形された基材は、長尺のチューブとして得られる。当該チューブは、目的とする定着ベルトの長さに合わせてカットし、定着ベルトの基材として使用できるようにする。またその後、基材の表面に前述のようなプライマーを塗布することもできる。
なお、前述の通り、接着前のポリイミド樹脂シート表面、あるいは当該シートを円筒形状に接着した後の基材表面に対し、自己発熱用の電極のパターン印刷や、電磁誘導式発熱定着対応用の導電性金属コートなどを施してもよい。
工程(2):表面層の形成工程
本発明の定着ベルトの製造方法において、工程(2)は、表面層を形成する樹脂を円筒形状に溶融押出しての表面層を得る工程である。表面層を形成する樹脂の種類、配合割合、その他の成分等は、上記の「1.画像形成装置用定着ベルト」の項目で説明したとおりである。
工程(2)においては、上記のフッ素樹脂などの表面層を形成する樹脂、必要に応じて添加されるフィラーなどを混合し、表面層形成組成物を調製する。当該混合には、公知の混合手段を適用することができ、例えば二軸押出機を用いて混合することができる。また、溶融押出成形による成形は、公知の押出成形手段を用いることができる。例えば、表面層形成組成物を単軸押出機に供給し、溶融しつつ環状ダイスを経由して、チューブ状(円筒形状)に押し出し、室温冷却しながら、フラット状としてローラに巻き取ることができる。
工程(2)において、溶融押出成形における加熱温度としては、表面層を形成する樹脂が均一に溶融する温度であれば特に制限されないが、好ましくは350〜400℃程度が挙げられる。
なお、表面層の成形・冷却の工程において、または別工程を設けて、延伸を行なうことによって、表面層に熱収縮性を持たせることもできる。収縮方向は、加熱時において径が小さくなる径方向と、押出方向に短くなる軸方向の2種類があり、延伸時の延伸バランスによってどちらの方向の収縮を優先するかを制御することができる。収縮率は、一方向が3〜8%収縮するとすれば、もう一方の方向には0〜3%収縮する程度が使用上は好ましいが、使用条件によっては、それに限定されるものではない。
表面層の内面には、上記したような方法によって、予め改質処理を施すことが好ましい。表面改質処理としては、特に限定されず、例えば通常のケミカルエッチング処理を挙げることができる。表面改質処理に用いる処理剤の具体例としては、Na/液体アンモニア(金属ナトリウムを液体アンモニア中に溶解させたもの)、ナフタレンアルカリ金属(アルカリ金属をナフタレンと反応させたもの)のテトラヒドロフラン溶液等が挙げられ、好ましくはNa/液体アンモニアが挙げられる。
表面改質処理は、具体的には、まず、表面層の内表面を、Na/液体アンモニア等の処理液に浸した後、次いで、アルコール、水の順番で浸し、洗浄して、ケミカルエッチング処理を行う。この処理によって、表面層の内表面にエッチング処理面が形成され、プライマーを塗布した際の濡れ性が改善され、シリコーンゴムなどにより形成された弾性層と接着が容易になる。
工程(2)において、円筒形状に溶融押出成形された表面層は、長尺のチューブとして得られる。当該チューブは、目的とする定着ベルトの長さとなるようにカットして、定着ベルトの表面層として使用できるようにする。
工程(2)において、得られた円筒形状の表面層の内面に、上記したプライマーを塗布してもよい。プライマーは、上記の表面改質処理後に行うことが好ましい。ただし、上記表面改質処理において、後述の弾性層との接着に寄与する官能基を残す場合や、弾性層の形成に使用する液状シリコーンゴムなどの樹脂に接着付与成分を配合する場合などにおいては、必ずしもプライマーを用いなくてもよい。
表面層の内面に対するプライマーの塗布方法としては、表面層の内面に細いノズルを挿入し、回転させながらノズルからプライマーを吐出噴霧し、表面層の軸方向にノズルを移動させて、表面層の内面に均一に塗布する方法が一般的である。表面層の内径が小さい場合などにおいては、スポンジなどにプライマーを含浸させて表面層の内面に接触させながら軸方向に移動して塗布する方法や、プライマー液をそのままチューブ内を通す方法などがある。表面層の内面にプライマーを塗布した後は、通常30分から1時間程度の室温での放置で乾燥させることができるが、乾燥室などを使用して乾燥条件を制御してもよい。
なお、表面層の長さをカットする前の長尺のチューブに対して、連続してプライマーの塗布・乾燥が可能な場合、表面層のカットはプライマー塗布・乾燥の後に行ってもよい。
工程(3)(弾性層の形成、及び定着ベルト形成工程)
本発明の定着ベルトの製造方法において、工程(3)は、上記で得られた円筒形状の基材を、上記で得られた円筒形状の表面層の内側に挿入した状態で金型内に配置し、基材と表面層との間に弾性層を形成する未硬化樹脂を注入した後、前記金型を加熱して前記未硬化樹脂を硬化させて、基材と表面層との間に弾性層を形成する工程である。弾性層を形成する樹脂の種類、配合割合、その他の成分等は、上記の「1.画像形成装置用定着ベルト」の項目で説明したとおりである。
具体的には、工程(3)において、弾性層の形成は、例えば、同心軸が重なるようにして表面層の内側に基材を挿入した状態で金型内に配置して、金型を組み立てた後、基材の外面と表面層の内面との間に、液状シリコーンゴムなどの弾性層を形成する未硬化樹脂を注入した後、前記金型を加熱して前記未硬化樹脂を硬化させて弾性層を形成すると共に、基材と弾性層と表面層とを接着して定着ベルトを形成する。
工程(3)において使用される金型は、通常、円筒形状である。金型の内径で示される長軸方向の断面形状は、ストレート形状でもよいし、内径が軸方向の中央部で最小となり両端部へ向けて徐々に大きくなる逆クラウン形状でもよい。金型として、逆クラウン形状を有するものを使用する場合には、同じく逆クラウン形状を有する定着ベルトが得られる。金型の内径寸法は、目的とする定着ベルトの外径寸法と同一または若干大きく設定する。内径を若干大きくする場合としては、例えば、後述の加硫時にシリコーンゴムなどの熱膨張をすることを考慮する場合などが挙げられる。
金型の組み立てにおいては、まず、金型に円筒形状の表面層を配置した後、減圧装置等を用いて、表面層の外面と金型の内面との間隙を減圧状態にすることにより、金型の内面に表面層の外面が密着するように、表面層の径(内径及び外径)を拡張させる。すなわち、この減圧により、金型の内部において表面層の径を拡張させるため、金型に配置する前の表面層の内径は、基材の外径よりも小さくてもよい。
次に、金型の内面に密着した表面層の内側に基材を挿入し、この状態で減圧状態を解除することにより、表面層の径が収縮し、基材の外面に表面層の内面が密着した2層のチューブが得られる。なお、このとき、表面層と基材の同心軸が重なるように金型に配置するために、金型の端部にエンドキャップなどを設けてもよい。
また、基材の内側に円柱状のコアを挿入しておくのが好ましい。コアを挿入することにより、後述する液体シリコーンゴムなどの注入時の圧力によっても、基材が潰れないようにすることができる。また、基材の内側にコアがあることにより、金型の加熱の際にコアを膨張させて、基材を内側から加熱・加圧することが可能となる。
コアは、定着ベルトを製造した後に、抜きやすくなければならないので、熱膨張係数の大きいものが好ましく、例えば、アルミニウム製、ナイロンやフッ素などの耐熱樹脂製、耐熱ゴム製などのコアの使用が好ましい。
次に、金型の一方側の端部から、表面層と基材との間に、未硬化の液体シリコーンゴムなど弾性層を形成する樹脂の原料(弾性層形成用未硬化樹脂)を所定の圧力で注入する。このとき、弾性層形成用未硬化樹脂の注入圧力により、表面層の外面は、注入端部側から順次拡径して金型の内面に密着する。すなわち、弾性層形成用未硬化樹脂は、基材の外面に密着していた表面層を金型の内面側に順次押し広げながら一方側端部から他方側端部に進行し、表面層と基材との全ての間隙に充填される。これにより表面層の外面が金型の内面に密着する。
次に、弾性層形成用未硬化樹脂を表面層の内面と基材の外面との間に充填した状態で、金型を好ましくは100〜220℃程度の温度で、好ましくは10〜40分間程度の時間保持することにより、弾性層形成用未硬化樹脂を加熱硬化させて弾性層を形成するとともに、それぞれ、弾性層と表面層との間、弾性層と基材との間の接着を同時に行って、基材、弾性層、及び表面層の一体化を行う。金型の加熱温度、保持時間などは、使用する弾性層形成用樹脂の種類などに応じて適宜変更することができる。例えば、弾性層形成用未硬化樹脂として液体シリコーンゴムを用いる場合には、金型を120〜170℃程度の温度で、15〜30分間程度保持することによって、液体シリコーンゴムの一次加硫(加熱硬化)を行うことができる。
次に、上記の金型の加熱によって未硬化の弾性層形成用未硬化シリコーンゴムを硬化させた後、金型を冷却して、金型から定着ベルトを取出す。取り出した定着ベルトの端部などの余分な長さをカット除去して、目的寸法の本発明の画像形成装置用定着ベルトが得られる。
なお、金型から取り出した定着ベルトに対して何も当接しないフリーの状態で、定着ベルトを恒温槽などに投入し、例えば180〜220℃程度で1〜4時間程度の加熱を行うことが好ましい。該加熱により、弾性層に液体シリコーンゴムを用いた場合において、上記の加熱温度において二次加硫を行うことができる。また、金型内で基材が受けた残留応力を該加熱により消失させることができ、画像形成装置用定着ベルトとして継続使用する際の形状変化を効果的に抑制することができる。なお、該加熱の温度としては、二次加硫と上記の残留応力の消失を行うことができる温度であり、かつ、定着ベルトの使用最高温度以上であることが好ましい。
加えて、前記工程(1)で述べた基材の隙間L及び段差D(図2を参照)は、前述の通り、隙間Lが200μm以下であり、段差Dが35μm以下であると、基材上に弾性層及び表面層が形成されることで、得られた定着ベルトの表面特性に実質的な悪影響を及ぼさない。
以下に、実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は、実施例に限定されない。実施例及び比較例において、定着ベルトの弾性率、破断強度、MIT回数、及び耐久性は、それぞれ、以下の方法で測定した。結果は表1に示す。
<弾性率、破断強度>
JIS K7127に準拠し、定着ベルトから得た試験片について、常温(以下、20℃)下及び200℃の環境下、引張速度10mm/分の条件で、引張弾性率、引張破断強度を測定した。
<MIT回数>
ASTM−D2176に準拠し、定着ベルトから得たサンプルを幅15mm、折り曲げ角度135°、折り曲げスピード175cpcの条件で3回測定を行い、その平均値をMIT回数とした。MIT回数1000回以上については100回以下を四捨五入し、50000回以上については、評価を中断し50000回と表記した。
<耐久性>
支持ローラに定着ベルトをセットし、190℃に温度を調節しながら、外径φ20の加圧ローラを定着ベルトに押し付け、定着ベルトを加圧ローラに従動回転させた。200Nの圧力、表面速度が100mm/secとなるように設定して、350時間、空回転耐久性を試験した。耐久性試験において、定着ベルトの寸法変化、定着ベルトの端部からのクラックを確認し、試験後にいずれの項目について不具合がなければ○、試験中、または試験後に不具合があれば×とした。
<製造コスト>
基材を形成するベルトの製造時間が5時間以下である場合を、製造コストが低い(○)と評価し、当該製造時間が15時間を超える場合を、製造コストが高い(×)と評価した。
<実施例1>
基材と、弾性層と、表面層とが内側から順に積層された定着ベルトを以下の工程(1)〜(3)によって製造した。
工程(1):基材を形成するベルトの製造
ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を原料とした耐熱性ポリイミドフィルムである市販のユーピレックス−25SGA(宇部興産(株)製、厚み25μm)を予め幅300mmの連続ロール反物状にカットした。次に定寸長さ125.35mmに精密カット装置を使って切断して、長さ125.35mm、幅300mm、厚み25μmのポリイミド樹脂シートを得た。このポリイミド樹脂シート表面に塗布する接着剤である耐熱性樹脂組成物としては、まず窒素気流下でジアミン(10mmol)をNMPに溶解させた後,酸無水物(8mmol)を加え,室温にて2時間攪拌して溶解させた。その後PEPA(フェニルエチニル無水フタル酸)を添加し、窒素気流下、室温にて17時間反応させ,アミド酸オリゴマー溶液を得た。さらに、195℃中で5時間攪拌することによりイミドオリゴマー溶液を得、これを純水中に再沈殿させ、吸引濾過、メタノール洗浄、減圧乾燥することによりイミドオリゴマー粉末を得た。得られたイミドオリゴマー粉末を、粉体塗装装置を用いてポリイミド樹脂シート表面に均一に塗布した。次にこのポリイミド樹脂シートを外径φ19.90の表面が硬質クロムメッキされて離型剤が塗布されたSTKM鋼管の外側に、イミドオリゴマー粉末を塗布した面を内側にしてポリイミド樹脂シートの上記長さ方向、すなわち125.35mm方向に巻いて、ポリイミド樹脂シート幅の端部巻き終わり部分を耐熱テープで仮止めした。次に鋼管に巻かれたポリイミド樹脂シートを、表面温度を250℃に加熱した熱ローラに2MPaの圧力で回転させながら押し当てた状態で、10分間保持してシート端部の段差をフラットにすると同時に、接着剤の硬化を促進したのち、熱ローラの温度を300℃に昇温し無圧でさらに10分間押し当てて、接着剤のイミド化を完了させた。こうして外径φ20.0mm、肉厚50μmの円筒形状のベルトを得た。得られたベルトに対し、先に仮止めしておいた端部を耐熱テープごと取り除くように幅250mmでカットしてから、この表面にプライマー(東レ・ダウコーニング株式会社製のDY−39−067)を刷毛で直接塗布し、1時間室温で乾燥した。なお、基材の形成に関する製造時間は、1本当たり30分以下であった。また、シートの巻き数は2回転で過不足なくベルト内側と外側の端部の位置が決まっており、両端部に挟まれたシートの形はクランク状に成形されていた。このとき、図2に示される隙間L及び段差Dの大きさを測定し、表1に示した。以上のようにして、基材を形成する円筒形状のベルトを得た。
工程(2):表面層を形成するベルトの製造
テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)(三井デュポンフロロケミカル株式会社製の451HP−J)の原料ペレット2kgを、工程(1)とは別の単軸押出機に投入し、押出機出口において冷却しながら巻き取り、巻物状になった円筒形状のベルト(外径19.0mm、厚み27μm、長さ約200m)を得た。次に、金属ナトリウム10gを液体アンモニア1L中に溶解させたNa/液体アンモニアを処理液とし、−50℃で10秒間の条件で上記ベルトの内面を当該処理液に浸した後、当該ベルトを常温で20秒間メタノール、更に常温で20秒間純水に浸して洗浄することにより、ベルト内面の改質処理を完了した。なお当該処理は、2ペアのピンチローラー間に、巻物状のベルトを通過させ、ローラ間に、処理液及び洗浄液を注入して連続で処理を行った。次に、内面の改質処理後のベルトを、長さ270mmにカットした。この片端をテーパー形状の台座に固定し、プライマー(Dow Corning社製の1200OS Primer)を含浸させたフェルト棒をベルトの内面に接触させながら回転上下に移動させて、内面にプライマーの塗布を行ない、室温下にて1時間放置して乾燥させた。以上のようにして、表面層を形成する円筒形状のベルトを得た。
工程(3):弾性層の形成と定着ベルトの成形
上記の工程(1)で得られた基材を形成するベルトの内側に、円柱状のアルミニウム(外径φ19.86)のコアを挿入し、金型エンドキャップに直立させた。次に、内径がφ20.8の円筒金型本体(クロムメッキされたS45C)を準備した。次に、上記工程(2)で得られた表面層を形成するベルトを当該金型の内側に配置して、金型の片側を密封固定し、反対側から減圧して金型内面に表面層を形成するベルトを拡張状態で沿わせた。この状態で、表面層を形成するベルトの内側に、上記のコアが挿入された基材を形成するベルトを挿入して、金型の組み立てを行なった。
次に、未硬化の液状シリコーンゴム(信越化学工業株式会社製 X34−2720 A/B、A:B=5:5、熱伝導率0.65W/m・K、硬度5A)を準備した。液状シリコーンゴムを金型の片側のエンドキャップから、基材と表面層の間に油圧注入機を用いて高圧注入した。次に、金型内部の圧力が下がらないよう金型注入口を逆止弁で閉鎖した。液状シリコーンゴム注入完了後すぐに金型を、槽内温度を120℃の一定に保った恒温槽に投入し、20分間加熱硬化(液状シリコーンゴムに対する一次加硫)した後、恒温槽から取り出して室温で30分放置して徐冷した。
次に、金型から成形したベルトを取出し、表面層や弾性層の端部に形成された余分な樹脂を除去し、最終製品長である238mmにカットして半製品の定着ベルトを得た。該半製品の定着ベルトの中に、φ15のSUS製ロッド棒を通し、他には何も当接しないフリーの状態で、恒温槽に配置投入して200℃で4時間の加熱をすることで、弾性層のシリコーンゴムに対する二次加硫と、定着ベルト各層の成形時に受けた残留応力を取り除くことを同時に行った。その後、室温まで徐冷して目的の定着ベルトの完成品を得た。さらに室温環境で5時間放置して、定着ベルトの外径を非接触レーザー測長器にて測定したところ、φ20.55mmであった。また、定着ベルトの端部における肉厚をマイクロメータで測定したところ、280μmであった。
<実施例2>
基材を形成するための接着剤として、イミドオリゴマー粉末の代わりに、以下に示すものを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、基材と、弾性層と、表面層とが内側から順に積層された定着ベルトを製造した。すなわち接着剤として、キシレン溶媒で4倍に希釈したRTV(1成分付加型シリコーン接着剤)TSE326(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)をスプレーコートして、30分乾燥した。その後、実施例1と同じ方法で鋼管に巻いた状態で150℃に加熱した熱ローラに2MPaの圧力保持しながら回転させて、基材を得た。
<実施例3>
基材を形成する耐熱性ポリイミドフィルムにおいて、ユーピレックス−25SGAの代わりに、カプトン50V(東レ・デュポン(株)製、厚み12.5μm)を予め幅300mmの連続ロール反物状にカットした後、長さ方向を定寸長さ250.7mmに精密カット装置を使いカットして、長さ250.7mm、幅300mm、厚み12.5μmのポリイミド樹脂シートを得たこと以外は、実施例1と同様にして、基材と、弾性層と、表面層とが内側から順に積層された定着ベルトを製造した。シートの巻き数は4回転で過不足なくベルト内側と外側の端部の位置が決まっており、両端部に挟まれたシートの形はクランク状に成形されていた。このとき、図2に示される隙間L及び段差Dの大きさを測定し、表1に示した。
<比較例1>
基材を形成する耐熱性ポリイミドフィルムとして、熱硬化性ポリイミド原料からキャスト成形で製造した無端管状物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、基材と、弾性層と、表面層とが内側から順に積層された円筒形状の定着ベルトを製造した。なお、ポリイミドにより形成された基材は、次のようにして製造した。
まず、ピロメリット酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとの当量をN−メチルピロリドン中に常温で縮重合反応してポリアミド酸溶液(固形分濃度18重量%)を得た。これにN−メチルピロリドンを添加し、固形分濃度10重量%になるように希釈して原料液とした。一方、内面が鏡面仕上げされたS55Cの円筒形状の金型(長さ450mm、内径φ20.35mmの)を2本の回転ローラ上に載置し、該ローラの回転によって該金型が回転するようにした加熱装置付き遠心成形機を用いて、当該金型を常温でゆっくりと回転させつつ上記原料液14.0gを金型内面に均一になるように注入した。注入が終了したら200rpmに回転速度を上げ、その速度に到達した時点で加熱装置を作動して遠心成形機内を徐々に加熱して180分後に200℃とした。この状態で45分間回転させた後、加熱を停止し、全体が常温に冷却された時点で回転をストップした。その後、金型から成形品を剥離して取り出した。得られた成形品を管状の内型に外嵌し熱風乾燥機中に投入し、350℃に到達するまでの時間を180分間として徐々に昇温した。350℃に到達後その温度で15分間加熱した。次に、冷却して乾燥機から取り出し、最後に金型から基材を形成するベルトを抜き取って無端管状ポリイミド基材を得た。得られたベルトの肉厚は51μm、外径φ20.0mmであった。比較例1においては、基材を製造するために、加熱や冷却の繰り返しが必要であるため、実に780分間を要した。
<比較例2>
基材を形成する耐熱性ポリイミドフィルムにおいて、ユーピレックス−25SGAの代わりに、カプトン200V(東レ・デュポン(株)製、厚み50μm)を予め幅300mmの連続ロール反物状にカットした後、長さ方向を定寸長さ62.67mmに精密カット装置を使いカットして、長さ62.67mm、幅300mm、厚み50μmのポリイミド樹脂シートを得た。次にこのポリイミド樹脂シートを外径φ19.90の表面が硬質クロムメッキされて離型剤が塗布されたSTKM鋼管の外側にポリイミド樹脂シートの長さ方向に巻いて、巻き初めと巻き終りの端面同士を実施例1で使用したイミドオリゴマー粉末を溶融することで接着した。その後、実施例1と同様にして、基材と、弾性層と、表面層とが内側から順に積層された定着ベルトを製造した。
Figure 2018072527
表1に示される結果から明らかなとおり、一枚のポリイミド樹脂シートが少なくとも二重に巻かれて構成された円筒形状の基材を備えており、当該基材において、ポリイミド樹脂シートの互いに重なる面同士が、接着層により接着されており、接着層が、耐熱性樹脂組成物の硬化物により形成されており、さらに、接着層が、ポリイミド樹脂シートの一方面の全面に形成されている実施例1〜3の定着ベルトは、弾性率、MIT回数、及び耐久性のいずれの点でも優れていた。加えて段差部分の破断強度も耐久試験の結果からは、画像形成装置用定着ベルトに要求される強度として十分であることが確認された。また、実施例1〜3の定着ベルトは、簡便に製造することができ、製造コストを非常に低く抑えられた。
一方、比較例1の定着ベルトにおいては、基材を形成する樹脂として熱硬化性ポリイミド原料からキャスト成形で製造した無端管状物を用いたため、基材を形成するベルトの製造に非常に長時間を要し、製造コストが極めて大きくなった。また、基材を形成するポリイミド樹脂シートの巻き初めと巻き終りの端面接触部分のみを接着した比較例2の定着ベルトにおいては、継ぎ目部分の破断強度が非常に低かった。また、比較例2では、耐久性試験を行っている間に定着ベルトが基材の継ぎ目部分に亀裂が生じたことから破壊してしまい、耐久性試験を中断せざるを得なかった。
<追加試験>
実施例1の要領で、基材のみをいくつかの条件で製造し、その優劣を比較した。変更した条件は、基材を形成するためのポリイミド樹脂シートの片側全面に塗布する接着剤の種類と、接着剤を塗布した面を内側/外側のどちらにして巻回するかの選定である。接着剤の種類は、(1)実施例1で用いたイミドオリゴマー接着剤、(2)実施例2で用いたRTVシリコーン接着剤、(3)変性ポリアミドイミド樹脂接着剤(日立化成工業株式会社製、品名:KS6003)の3種類とした。また接着剤を塗布した面を内側にして巻くとは、基材の内面が接着剤塗布面側になることを意味し、外側にして巻くとは、基材の外面が接着剤塗布面側になることを意味する。接着剤を塗布しない側は、ポリイミド樹脂シートの表面特性をそのまま備える。
優位性の評価項目として、a基材内面の滑り性、b基材外面に積層するシリコーンゴムとの接着性、c基材加熱時の収縮性を取り上げた。それぞれの結果を表2に示す。
基材内面の滑り性は、定着ベルトを回転させる際の内面摺動性として重要になる場合がある。滑り性は静摩擦係数を新東科学(株)製のHeidon 94iを用いて切り開いた基材の内面にて5回測定し、静摩擦係数の平均値が0.5以下を○、0.5〜1.5を△と判定した。なおこのとき予想外に0.3以下になったものがあり、これを◎とした。
次にシリコーンゴムとの基材外面の接着性の指標として、実施例1と同様に基材上にゴム層を成型し、その剥離を観察した。観察方法は碁盤目テープ試験(旧 JIS K 5400)を用いて100個のマス中、剥離が全くない状態を◎、わずかに欠けるか、3個以内の剥離を○とした。
最後に基材加熱時の収縮性を反りによる変形度合により、評価した。基材の収縮は接着剤の硬化時の内部応力が残存するために発生すると考えられ、残存応力が大きいと定着ベルトの使用中に応力緩和が進行することで、定着ベルト軸方向の外径で示されるベルト形状が使用中に変化するなどの不具合を発生する。評価は基材を250℃雰囲気の恒温槽に24時間投入し、投入前後での反りの発生を目視で観察した。変化がわからないものを◎、変化はしているが度合いが軽微なものを○、変化は明確だが反りが小さいものを△とした。
Figure 2018072527
表2に示されるように、接着剤の種類と接着面を基材の内外面いずれにするかによって、基材の性質に差が発生することがわかった。したがって、定着ベルトの使用条件や要求特性によってこれらの条件を選定すればよい。なお、イミドオリゴマーを含む接着剤を基材内面に配したとき、滑り性が向上した理由は、明確に解明していないが、イミドオリゴマーをイミド化した表面は、硬質クロムメッキされたSTKM鋼管に接触した状態で硬化することで鋼管表面の粗さが転写しており、このことが滑り性向上につながったと考えられる。
1…定着ベルト
2…基材
2a…ポリイミド樹脂シートの外側端部
2b…ポリイミド樹脂シートの内側端部
3…弾性層
4…表面層
D…定着ベルトの基材に生じる段差
L…定着ベルトの基材に生じる隙間

Claims (8)

  1. 一枚のポリイミド樹脂シートが少なくとも二重に巻かれて構成された円筒形状の基材を備える、画像形成装置用ベルトであって、
    前記基材において、前記ポリイミド樹脂シートの互いに重なる面同士が、接着層により接着されており、
    前記接着層は、耐熱性樹脂組成物の硬化物により形成されており、
    前記接着層は、前記ポリイミド樹脂シートの一方面の全面に形成されている、
    画像形成装置用ベルト。
  2. 前記接着層を形成する耐熱性樹脂組成物が、イミドオリゴマーを含む、請求項1に記載の画像形成装置用ベルト。
  3. 前記基材の厚み方向の断面において、前記ポリイミド樹脂シートの内側端部が、前記厚み方向外側に食い込んでおり、前記ポリイミド樹脂シートの外側端部が、前記厚み方向内側に食い込んでおり、
    前記ポリイミド樹脂シートの内側端部と外側端部との間に位置する部分が、S字形状に湾曲している、請求項1または2に記載の画像形成装置用ベルト。
  4. 前記基材の厚み方向の断面において、前記ポリイミド樹脂シートの外側端部における段差Dが、35μm以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置用ベルト。
  5. 前記基材の外側表面または内側表面に、電極パターン印刷または導電性金属コートが施されている、請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置用ベルト。
  6. 前記基材の外側に、フッ素樹脂を含む表面層をさらに備えている、請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成装置用ベルト。
  7. 前記フッ素樹脂が、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体を含む、請求項6に記載の画像形成装置用ベルト。
  8. 前記基材の外側に、シリコーンゴムを含む弾性層をさらに備えている、請求項1〜7のいずれかに記載の画像形成装置用ベルト。
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