JP2006089172A - 画像形成装置の搬送コロ - Google Patents

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Abstract

【課題】転写材上のトナーの付着を防止しつつ、転写材の搬送能を向上した画像形成装置の搬送コロを提供すること。
【解決手段】例えば、コロ3と4を、それぞれコロ軸5,6に間隔を置いて2個ずつ設けて搬送コロ1と2を構成する。コロ4は、従動側の排紙コロであり、外周面4aと両側の側面4b,4cとがそれぞれなす両側の角部を、それぞれ全周に亘ってR形状のR形状部4dとしている。そのコロ4の外周面4aと両側のR形状部4d,4dと両側の側面4b,4cの部分に、それらの表面に沿うように覆う離型層7を充実構造のフッ素樹脂により形成する。
【選択図】図1

Description

この発明は、電子写真方式を用いて画像を形成する複写機,プリンタ,ファクシミリ等の画像形成装置の定着部よりも搬送下流側に設けられる搬送コロに関し、特にフルカラーの画像形成装置への使用に適した搬送コロに関する。
例えば電子写真方式の画像形成装置である複写機では、トナーにより画像が形成されて定着部を通過した転写材(転写紙,オーバーヘッドプロジェクタ用の透明シート等)を排紙方向に搬送する搬送系が設けられているが、その搬送系には図5に示すように、コロ32をコロ軸33に、またコロ37をコロ軸38にそれぞれ軸線方向に沿って間隔を置いて串状に複数個固定した駆動側の搬送コロ31と従動側の搬送コロ36とを、上下方向に互いに圧接させて設けたりしている。
このような串状に形成された搬送コロ36の場合には、コロ37の外周面37aの一部しか転写材に接しない。すなわち、図6に示す搬送ローラ41,42の場合にはローラの外周面が全て転写材Pの全幅Wに接するが、搬送コロ36ではコロ37の外周面37aの部分しか転写材に接しない。したがって、図5に示したような形状にコロ37が形成されていて、その各コロ37には外周面37aと両側面37b,37cとの間に角部34,34があるときには、それらの角部34によって搬送中の転写材に折れ筋やしわ等によるコロの跡がつきやすい。
そのため、このような串状に形成した搬送コロを使用するものでは、図7に示す搬送コロ36′ように、コロ37′の外周面37aと両側面37b,37cとの間の角部を全周に亘ってR形状部35にしたりしている。そして、このようなコロ37′は、例えば樹脂による金型成形により形成したりしている。しかしながら、上述したようにコロの角部にR形状部を形成するために金型を使用してコロを樹脂やゴムで形成するようにした場合には、金型の精度をかなり高めたとしても、形成されるコロには図8に示すような型割面(パーティングライン)に対応して引っ掻きキズのようなシャープな高さh=0.05mm程度の微小な段部39ができるため、転写材上に形成される画像に段部39に対応したコロの跡ができて画像品質が低下しやすいということがあった。
この転写材上にできるコロの跡は、コロを転写材に押し付けるコロの圧力を弱くすれば改善されるが、このようにすればコロによる転写材の搬送力が低下してしまうため、その搬送コロを排紙コロにしている場合には転写材のスタック性が悪くなってしまうということがあった。
また、画像形成装置がフルカラーである場合には、一般的に定着部の温度が白黒のものに比べて高く、定着ローラと加圧ローラとの加圧力(接触圧力)も高いのが普通である。そのため、作像部で転写材上に転写されたトナー像が定着部で加熱されながら加圧されると、そのトナーは白黒の画像形成装置の場合にはやや軟化する程度で液状にまでなることはないが、フルカラーの場合には加熱温度とローラ同士の加圧力が共に高いため液状にまでなる。
このようにトナーが液状になってしまうと、それが十分に乾燥するまでには時間がかかるようになるので、そのトナーが十分に乾いていない状態で転写材が排紙部の搬送コロにより排紙トレイ等に排出されるようになるため、転写材上のトナーが搬送コロの外周面等に付着しやすい。
このようにして、転写材上から剥離して搬送コロに転移したトナーは、次にその搬送コロの位置に搬送される転写紙に付着するようになるため(オフセット)、画像品質が低下してしまうという問題点があった。そして、このようなオフセットは、液状のインクを使用するインクジェット方式のプリンタ等でも同様に発生するので厄介であった。
そこで、電子写真方式を用いた画像形成装置の定着部よりも搬送下流側に設けられて上記定着部を通過した後の転写材を互いに圧接する対をなすコロにより排紙方向に搬送する搬送コロにおいて、上記対をなすコロはそれぞれコロ軸にその軸線方向に沿って間隔を置いて複数設けられ、そのコロはそれぞれ外周面と両側面とがなす角部を全周に亘ってR形状に形成され、その対をなすコロの少なくとも画像面が接する側のコロの少なくとも外周面とR形状に形成された部分の表面をフッ素樹脂により上記表面に沿って覆うことにより離型層を形成し、その離型層の表面粗さを4μm以下としたものが、特開2000−226146公報が提案されている。
特開2000−226146公報
しかしながら、上記提案における離型層は、各コロの少なくとも外周面とR形状に形成された部分の表面にフッ素樹脂をコーティングすることにより形成するため、コーティングする材料の耐薬品性や耐熱性等の制約が多く、実際にコーティングすることが困難であった。
一方で、離型層表面の離型性を向上させるために、離型層表面を平滑化させすぎてしまうと、滑りやすくなってしまい搬送能力の低下(転写材のスタック性の悪化)が生じるといった問題もある。
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明の目的は、転写材上のトナーの付着を防止しつつ、転写材の搬送能を向上した画像形成装置の搬送コロを提供することである。
また、他の目的は、離型層が下層の材料に制約を受けることなく形成された画像形成装置の搬送コロを提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
本発明の画像形成装置の搬送コロは、
電子写真方式を用いた画像形成装置の定着部よりも搬送下流側に設けられて前記定着部を通過した後の転写材を互いに圧接する対をなすコロにより排紙方向に搬送する搬送コロにおいて、
前記対をなすコロはそれぞれコロ軸にその軸線方向に沿って間隔を置いて複数設けられ、
前記対をなすコロの少なくとも画像面が接する側のコロは、外周面に充実構造のフッ素樹脂からなる離型層が設けられた弾性体で構成したことを特徴としている。
本発明の画像形成装置の搬送コロでは、離型層の構成材料として、充実構造のフッ素樹脂を適用している。この充実構造のフッ素樹脂は、フィラー等の加工助剤を必要としない材料であり、従来フッ素樹脂よりもきわめて離型性が高いため、例えば、表面荒さが従来より荒れていても、従来フッ素樹脂と同等或いはそれ以上の離型性を示す。また、この充実構造のフッ素樹脂は、薄くても丈夫な強度を有するものであり、下層の弾性体の起因する弾性特性が十分得られる。このように、転写材を良好に搬送可能なように表面粗さを持たしても、離型性が十分付与されるので、転写材上のトナーの付着を防止しつつ、転写材の搬送能を向上することが可能となる。
本発明の画像形成装置の搬送コロにおいて、前記離型層は、前記弾性体の外周面に予め作製した前記充実構造のフッ素樹脂のシート状物或いはチューブ状物を被せることより形成されていることが好適である。また、前記弾性体はゴム材を切削することで形成されることが好適である。これにより、離型層が、弾性体の構成材料の耐薬品性や耐熱性等の制約を受けることなく簡易に形成できる。
本発明の画像形成装置の搬送コロにおいて、画像面が接する側の前記コロは、前記充実構造のフッ素樹脂のチューブ状物内にゴム材を充填し、これを所定幅に切断することで得られることが好適である。これにより、離型層が、弾性体の構成材料の耐薬品性や耐熱性等の制約を受けることなく簡易に形成できる。そして、生産性よくコロが製造可能となる。
また、前記充実構造のフッ素樹脂のチューブ状物は、前記充実構造のフッ素樹脂のシート状物を巻き回して形成され、当該巻き方向を画像面が接する側の前記コロの回転方向と同じとすることが好適である。これにより、離型層の剥がれが防止可能となる。
本発明によれば、転写材上のトナーの付着を防止しつつ、転写材の搬送能を向上した画像形成装置の搬送コロを提供することができる。また、離型層が下層の材料に制約を受けることなく形成された画像形成装置の搬送コロを提供することができる。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1はこの発明による画像形成装置の搬送コロの一実施形態例を一部断面にして示す正面図、図2は同じくその搬送コロを排紙コロとして使用した画像形成装置の排紙系付近を示す概略図である。
この搬送コロ1,2は、図2に示す電子写真方式を用いた画像形成装置の定着部10よりも搬送下流側(図で左方側)に設けるものであり、この実施の形態ではそれらを排紙コロとして使用している。そして、その対をなす搬送コロ1,2の互いに上下方向に圧接するコロ3,4により定着ローラ13と加圧ローラ14とからなる定着部10を通過した後の転写紙等の転写材Pを排紙方向に搬送する。
その対をなすコロ3,4は、図1に示すようにそれぞれコロ軸5,6にその軸線方向に沿って間隔を置いて2個ずつ(3個以上であってもよい)設けられており、そのコロ3は駆動側の排紙コロであり、例えばゴム(EPDM)で図示のような形状に形成されている。また、そのコロ3に対向するコロ4は、コロ3によって連れ回り回転される従動側の排紙コロであり、例えばそれをシリコンゴムで形成して、外周面4aと両側の側面4b,4cとがそれぞれなす両側の角部を、それぞれ全周に亘ってR形状のR形状部4dとしている。
また、その対をなすコロ3,4のうち、転写材Pの画像面Pa(図2参照)が接する側のコロとなるコロ4の外周面4aと両側のR形状部4d,4dと両側の側面4b,4cの部分に、それらの表面に沿うように覆う離型層7を充実構造のフッ素樹脂により形成している。なお、離型層7は、外周面4aと両側のR形状部4d,4dの部分にのみ形成するようにしてもよいが、好ましくはこの実施の形態のように両側の側面4b,4cの部分まで形成するとよい。
搬送コロ2を構成するコロ軸6は、図3に示すような形状に、例えば樹脂で形成する。そのコロ軸6は、軸線方向に間隔を置いてコロ取付部8,9を形成しており、そのコロ取付部8と9にはコロ4のコロ幅に略等しい間隔W1をあけて、対のコロ規制突起11,12をそれぞれ形成している。そのコロ規制突起11と12は、コロ軸6の外周面からの突出量Hを、例えばH=0.5にしている。
コロ4は、弾性体として例えばシリコンゴム(ゴム材)を図1に示すような形状に切削加工することにより形成する。そして、そのコロ4を、コロ軸6のコロ取付部8と9にそれぞれ圧入により嵌合させ、それらのコロ4,4がコロ軸6と一体で回転するようにしている。なお、搬送コロ1も、2つのコロ3,3をコロ軸5にそれぞれ圧入により嵌合させて、それらのコロ3,3がコロ軸5と一体で回転するようにしている。
コロ4を覆う離型層7は、そのコロ4の外周面4aと両側のR形状部4d,4dから両側面4b,4cの部分に、予め作製した充実構造のフッ素樹脂のチューブ状物或いはシート状物を被せることで形成することができる。充実構造のフッ素樹脂からなるチューブ状物を製造する場合、充実構造のフッ素樹脂のシート状物をチューブ状に巻回積層接着するが、例えば、充実構造のPTFEのシート状物をチューブ状に巻回積層接着する好ましい方法としては、金属製円柱の周りにPTFE膜を複数回巻回した後、この巻回物をオーブンにてPTFEの融点以上の温度で加熱した後、空冷してから金属製円柱の周りについているPTFE膜を取り外す方法がある。この方法により、のり巻き状の層構造をもつ充実構造のPTFEのチューブ状物を得ることができる。この巻き回しの方向は、コロ4の回転方向と同じにすることがよい。これにより、離型層の剥がれが防止可能となる。
また、コロ4は、予め作製した充実構造のフッ素樹脂の幅広のチューブ状物内に、弾性体として例えばシリコンゴム(ゴム材)を充填し、これを所定幅に切断することでも得ることができる。
このように、コロ4は、予め作製した充実構造のフッ素樹脂のシート状物或いはチューブ状物を、シリコーンゴム(弾性体)の外周面に被せることで作製できるので、離型層が、弾性体の構成材料の耐薬品性や耐熱性等の制約を受けることなく簡易に形成できる。即ち、弾性体の材料制約がなくなる。
ここで、離型層7を構成する充実構造のフッ素樹脂(以下、充実構造のフッ素樹脂膜)について詳細に説明する。この充実構造のフッ素樹脂膜としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)膜、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)膜、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)膜などが挙げられる。
そして、これら充実構造のフッ素樹脂膜とは、以下の特性を有するものである。また、これらの特性が離型層7の特性である。
空隙率は、5〜98%が好ましく、より好ましくは20〜96%である。空孔率は、JIS K 6885の見掛け密度測定に準拠し、測定した見掛け密度(ρ)より次式:空孔率(%)=(2.2−ρ)/2.2×100で計算して求めた値である。
表面粗さ(Ra)は(値)は、0.5〜15μmが好ましく、より好ましくは1〜10μmである。この表面粗さ(Ra)は、JIS B 0601により求めた値である。
引張強度は、10N/mm2以上であることが好ましく、より好ましくは50N/mm2以上である。このの引張強度は、JIS K 7127により測定した値(試験片は2号試験片、試験速度は50mm/min、タテ・ヨコの平均値)である。
厚さは、1〜30μmであることが好ましく、より好ましくは5〜25μmである。
このような特性を有する充実構造のフッ素樹脂膜は、離型性、強度、耐摩耗性等に優れている。
次に、充実構造のフッ素樹脂膜の製造方法について説明する。例えば、充実構造のPFAとFEPは、熱溶融性であるため、例えば、押出しインフレーション法、キャスティング法等により得られた充実構造の薄膜である。また、充実構造のPTFEは、延伸多孔質PTFE(ePTFE)フィルムを熱プレスすることにより得られ充実構造の薄膜である。特に、ePTFEフィルムを熱プレスして製造される充実構造のPTFE膜は、特に、耐熱性、離型性、強度、耐摩耗性等に優れているため好ましい。
ここで、ePTFEフィルムとは、PTFEのファインパウダーを成形助剤と混合することにより得られるペーストの成形体から、成形助剤を除去した後、高温高速度で延伸、さらに必要に応じて焼成することにより得られるもので、一軸延伸の場合、ノード(折り畳み結晶)が延伸方向に直角に細い島状となっていて、このノード間を繋ぐようにすだれ状にフィブリル(折り畳み結晶が延伸により解けて引出された直鎖状の分子束)が延伸方向に配向している。そして、フィブリル間、又はフィブリルとノードとで画される空間が空孔となった繊維質構造となっている。また、二軸延伸の場合には、フィブリルが放射状に広がり、フィブリルを繋ぐノードが島状に点在して、フィブリルとノードとで画された空間が多数存在するクモの巣状の繊維質構造となっている。
このePTFEフィルムは、1軸延伸ePTFEフィルムであってもよいし、2軸延伸ePTFEフィルムであってもよいが、好ましくは2軸延伸ePTFEフィルムである。2軸延伸されたePTFEフィルムは、2軸方向に延伸されているため、1軸延伸されたePTFEフィルムよりも異方性が低く、TD方向(フィルム幅方向)、MD方向(フィルム長さ方向)ともに高い強度のPTFE膜を得ることができる。
充実構造のPTFE膜を製造するには、例えば、先ず、ePTFEフィルムを、第1圧縮工程において、その融点未満の温度で圧縮(加圧)して圧延フィルムを得る。この場合、その圧縮温度は、PTFEの融点よりも低い温度であれば特に制約されないが、通常1℃以上、好ましくは100℃以上低い温度である。圧縮温度が融点以上になると充実フィルムの収縮が大きくなる。その圧縮条件は、得られるフィルムの空孔率が5〜98%以下、好ましくは20〜96%、より好ましくは40〜95%以下となるような条件である。圧縮力は、面圧で、例えば、0.05〜120N/mm2、好ましくは0.1〜100N/mm2である。
次に、第1圧縮工程において得られる圧延フィルムを、第2圧縮工程において、例えば、PTFEの融点以上の温度で圧縮(加圧)する。この場合、その圧縮温度は、PTFEの融点以上の温度であればよく、特に制約されないが、通常、その融点よりも1〜100℃、好ましくは20〜80℃高い温度である。ePTFEフィルムを融点以上に加熱することにより、充実膜表面の平滑性を高めることができる。圧縮温度は、圧力を開放する時点で融点よりも低い温度まで下げられていることが好ましい。融点以上の温度で圧力を開放すると、充実フィルムの収縮が大きくなり、又皺が入り易くなる。圧縮条件は、得られる充実構造のフィルムの空孔率が上記範囲となるようにな条件である。その圧縮力は、面圧で、例えば、5〜50N/mm2、好ましくは5〜30N/mm2程度である。
この際、ePTFEフィルムを圧縮しながらPTFEの融点以上の温度をかけた後、圧力を保持した状態でPTFEの融点以下の温度まで冷却することがよく、これにより1パスで充実膜を製造することができる。この方法によれば、ePTFEフィルムに圧縮開始時点からPTFEの融点以上の温度をかけても、ePTFEフィルムにかけられた圧力が開放される前にPTFEの融点より低い温度まで冷却されるため、得られる充実構造の膜に収縮がほとんど起こらない。例えば、ベルトプレス装置を用いれば、ePTFEフィルムがベルト間で圧縮された状態で、PTFEの融点以上の温度をかけた後、融点より低い温度まで冷却することにより、収縮の小さい充実膜を得ることができる。
また、この方法によれば、スカイビング法では困難であった薄膜(例えば50μm以下)の透明PTFE薄膜を容易に得ることができる。また、得られるPTFE膜の表面粗さ(Ra)は、第2圧縮工程で圧縮(加圧)手段(プレス板を用いて熱プレスを行うときにはそのプレス板、熱プレス板で圧縮するときには、主にその耐熱性フィルム)の表面粗さ(Ra)で決まる。
なお、充実構造のフッ素樹脂膜は、特開2003−254324公報に従って作製することができる。
次に、このように構成した対の搬送コロ1,2を画像形成装置の排紙部に組み込んで画像形成動作を行って画像品質を評価した実験結果について説明する。実験の条件としては、図2に示した画像形成装置の定着部10の定着ローラ13と加圧ローラ14の設定温度を共に150℃、コロ4の一個当たりのコロ圧を50g、定着部10の線速度を103mm/sec、対の搬送コロ1,2(排紙部)による排紙線速を193mm/secとした。また、各コロ4の表面に離型層7を形成する従動側の搬送コロ2は、コロ4の図1に示した外径Dを9mm、コロ幅Wcを8mmに形成した。
Figure 2006089172
搬送コロ2(コロ4)は、以下の製法により作製した充実構造のフッ素樹脂のチューブ状物を、上記実施形態と同様な形状に切削加工したシリコンゴム(ゴム材)の外周面に被せることで作製した。そして、充実構造のフッ素樹脂のチューブ状物の表面粗さ(Ra)(即ち離型層7の表面粗さ(Ra))を1〜14μmの範囲で4μmずつ異ならせたものを使用して評価した。
また、比較のために、PTFE樹脂(デュポン製、HPJ)を分散した溶液を同様に表面粗さ(Ra)が異なるようにシリコンゴム(ゴム材)の外周面にコーティング(塗布形成)したコロについても評価した。なお、このコーティングして形成された離型層の特性(表面粗さ以外)は、空隙率45%、引張強度50N/mm2、膜厚30μmであった。
−充実構造のフッ素樹脂のチューブ状物の作製例−
ePTFE膜(空孔率60%、厚さ15μm)をカレンダーロール装置でロール温度70℃、線圧18N/mm2、送り速度1m/minで圧縮し、空孔率55%、厚さ20μmの圧延フィルムを得た。
得られた圧延フィルムを2枚のポリイミドフィルム(宇部興産製、ユーピレックス20S)の間に挟み、ホットプレス装置でプレス板温度120℃、面圧1MPaで2秒間加熱プレスし、表面粗さRa5μm、空孔率50%、厚さ7μmの充実構造のPTFEフィルムを得た。
この充実構造のPTFEフィルム(幅300mm)の片面にコロナ放電処理を施し、コロナ処理面が内側にくるようにSUS製円柱(外径φ15mm、幅300mm)にのり巻き状に2.1ラップ巻き付ける。この際長さ方向に巻いてゆき、SUS製円柱軸方向に収縮しないようにフィルム端部をリング状ストッパーで固定する。ついで400℃オーブン中で30min焼成し、空冷後にストッパーを外し、SUS製芯金からPTFEのチューブ状物を取り外して、最大厚み20μm(二層部分厚み12μm、三層部分厚み18μm)、φ15mmの充実PTFEチューブ状物を得た。この充実PTFEチューブ状物のRa6μm、引張強度は80N/mm2であった。
なお、ホットプレスを行う際の上記2枚のポリイミドフィルム(宇部興産製、ユーピレックス20S)の表面粗さ(Ra)を変えることで、異なる表面粗さ(Ra)を有するチューブ状物を得ることができる。
―評価―
離型性を評価するために、デュポン製 HPJ 厚さ30μのチューブを被せたコロを基準に汚れ具合を比較した。具体的には、単色、白黒又はシアン 30%のハーブトーン(ハーフトーンだと定着器を通過しても十分に固着しない)をA3縦で30枚通し、コロの汚れを、トナーとの親和性(トナーがアクリルかポリエステルなので)がよいポリエステルテープに転写し白い紙の上に貼ってその汚れ程度を3段階のグレードをつけて評価した。そして、G1は汚れなし、G2は汚れが軽微である(基準であるデュポン製 HPJ 厚さ30μのチューブ被覆コロ)、G3は汚れがはっきり認められる、とした、なお、G2以下が、軽微に汚れても次にくる紙等が汚れを除去してくれるため、実用上使用可である。
また、転写材としてオーバヘッドプロジェクタ(OHP)用の透明シートを使用し、そこに画像を形成して光を透過した際に白濁する部分があるか否かを目視により判定し、完全に白濁する部分があれば×の評価をし、実用上問題ないが若干白濁する部分があれば△の評価をし、白濁する部分がなければ〇の評価とした。
また、転写材搬送能力を評価するために、オーバヘッドプロジェクタ(OHP)用の透明シートを使用し、普通紙と同じ速度で通紙したときに紙と同様に搬送できるか100枚流してジャムが起きるか起きないかで搬送性の評価を実施する。
その実験結果を表1に示すように、本実施形態である充実構造のフッ素樹脂からなる離型層7の表面粗さを4μmから10μmとしたものは良好な評価が得られたが、表面粗さを14μmとしたものは、若干白濁する部分が表われたため△の評価となった。一方、充実構造のフッ素樹脂からなる離型層7の表面粗さを1μmから14μmとしたものは良好な評価が得られたが、表面粗さを1μmとしたものは、表面が平滑化されすぎて若干搬送のが低下したため△の評価となった。
一方、比較例のためのに、PTFE樹脂をコーティング(塗布形成)した離型層のものは、離型性が全体的にG2より悪く、また、薄く加工できないため、厚みのばらつきが5μと大きく、下層の弾性層を有効活用できないため、搬送性に大きな差となって表れた。
したがって、本実施形態の搬送コロ2(コロ4)は、比較例に比べ、表面粗さ(Ra)が高くても、高い離型性を示し、白濁する部分のない良好な画像が得られると共に、転写材の搬送能力が向上していることがわかる。特に、本実施形態では、より効果的には、各離型層7の表面粗さを1〜10μmにするとよいことがわかる。また、充実構造のフッ素樹脂からなる離型層7は上記のように薄膜で上記特性を得られているため、下層の弾性体(シリコーンゴム)に起因する弾性特性が十分発揮される。
以上説明したように、本実施形態では、トナーが定着部で液状になるような場合であっても、コロ4の外周面とR形状に形成された部分の表面は、フッ素樹脂からなる離型層で覆われているので、そのコロにトナーが付着しにくく、トナーがコロに転移して、それがオフセットにより次に搬送されてくる転写材に付着してしまうのを防止することができる。そして、フッ素樹脂として充実構造のフッ素樹脂を適用するため、転写材を良好に搬送可能なように表面粗さを持たしても、離型性が十分付与されるので、転写材上のトナーの付着を防止しつつ、転写材の搬送能を向上することが可能となる。
なお、搬送コロは、図4に示したような外周面4a′を円弧状にした搬送コロ2′としてもよい。以上、この発明による搬送コロを画像形成装置の排紙コロに適用した場合の実施の形態について説明したが、この発明による搬送コロは排紙コロと定着部との間に搬送コロがある場合には、その搬送コロにも適用するとよい。
この発明による画像形成装置の搬送コロの一実施形態例を一部断面にして示す正面図である。 同じくその搬送コロを排紙コロとして使用した画像形成装置の排紙系付近を示す概略図である。 同じくその搬送コロを構成するコロ軸を示す正面図である。 外周面を円弧状とした搬送コロの実施の形態を部分的に示す縦断面図である。 串型状にコロを配置した搬送コロの例を示す正面図である。 ローラ形状をした搬送ローラの例を転写材と共に示す斜視図である。 コロの外周面と両側面との間の角部を全周に亘ってR形状部とした搬送コロの例を部分的に示す正面図である。 コロの角部をR形状としたコロを金型で形成した場合にそのコロの表面に型割面に対応して微小な段部ができる様子を説明するために搬送コロを縦方向に断面にした図である。
符号の説明
1,2,2′:搬送コロ
3,4:コロ
4a,4a′:外周面
4b,4c:側面
4d:R形状部
5,6:コロ軸
7:離型層
10:定着部

Claims (5)

  1. 電子写真方式を用いた画像形成装置の定着部よりも搬送下流側に設けられて前記定着部を通過した後の転写材を互いに圧接する対をなすコロにより排紙方向に搬送する搬送コロにおいて、
    前記対をなすコロはそれぞれコロ軸にその軸線方向に沿って間隔を置いて複数設けられ、
    前記対をなすコロの少なくとも画像面が接する側のコロは、外周面に充実構造のフッ素樹脂からなる離型層が設けられた弾性体で構成したことを特徴とする画像形成装置の搬送コロ。
  2. 前記離型層は、前記弾性体の外周面に予め作製した前記充実構造のフッ素樹脂のシート状物又はチューブ状物を被せることより形成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置の搬送コロ。
  3. 前記弾性体はゴム材を切削することで形成したことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置の搬送コロ。
  4. 画像面が接する側の前記コロは、前記充実構造のフッ素樹脂のチューブ状物内にゴム材を充填し、これを所定幅に切断することで得られたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置の搬送コロ。
  5. 前記充実構造のフッ素樹脂のチューブ状物は、前記充実構造のフッ素樹脂のシート状物を巻き回して形成され、当該巻き方向を画像面が接する側の前記コロの回転方向と同じとしたことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置の搬送コロ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102015499A (zh) * 2008-04-30 2011-04-13 Ntn株式会社 电子照相装置的片材输送用转动体以及其注塑成形模具

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