JP2009186617A - 定着ベルト、定着ベルトの製造方法、及び定着装置 - Google Patents

定着ベルト、定着ベルトの製造方法、及び定着装置 Download PDF

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Abstract

【課題】離型層に耐久性の高いフッ素樹脂チューブを用いた構成でありながら、従来に比して安価にて製造できる定着ベルト及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の定着ベルトの製造方法は、離型層82となるフッ素樹脂チューブを円筒状の成形型81の外周面に被せる工程を有し、この上に、弾性層83、基材層84を順に形成して円筒状物を作製し、最後に、該円筒状物80を裏返す。これにより、最外周にくる離型層82が熱収縮率5%以下のフッ素樹脂チューブよりなる本発明の定着ベルト71を得ることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、複写機、レーザプリンタ、ファクシミリ等に用いられる電子写真方式の画像形成装置に搭載される、トナー像を記録媒体上に定着させる定着装置に関し、より詳細には、定着ベルトを用いた定着装置に関するものである。
複写機、レーザプリンタ、ファクシミリなどに多く採用される、電子写真方式の画像形成装置においては、表面に光導電性物質を含む感光層を形成した潜像担持体が用いられ、潜像担持体の表面に電荷を付与して均一に帯電させた後、種々の作像プロセスにて画像情報に対応する静電潜像を形成し、この静電潜像が現像手段から供給される現像剤にてトナー像とし、このトナー像を、紙などの記録媒体に直接、或いは中間転写媒体に一旦転写した後転写することが行われている。なお、現像剤には、キャリアのみからなる一成分現像剤と、トナーとキャリアとからなる二成分現像剤とがある。
記録媒体に転写されたトナー像は、その後、定着装置にて、記録媒体上に定着される。
トナー像の定着方法としては、熱定着方式が一般的であり、従来より熱ローラ定着法が汎用されている。熱ローラ定着法では、内部に熱ヒーターを持ち、外周を離型性の良いゴム又は樹脂で被覆したヒートローラとゴムローラからなる一対のローラを圧接させ、そのローラ間にトナー画像が形成された転写紙を通過させてトナーを加熱溶融し、トナーを転写紙上に融着させている。この熱ローラ定着法は、ヒートローラ全体が所定の温度に保持されるため高速化に適している。
しかしながら、近年、フルカラー対応のレーザプリンタ等のフルカラーの画像形成装置では、赤、黄、青、黒の4色のトナーが用いられている。このようなフルカラーのトナー画像を定着させるためには、単にトナーを軟化して加圧しながら定着させる単色トナーの定着の場合とは異なり、複数種のカラートナーを溶融に近い状態で混色する必要があり、トナーを溶融状態にまですることが求められる。
このため、フルカラーの画像形成装置における熱ローラ定着法では、ヒートローラを、金属等の支持体の上にシリコーンゴム等の弾性体、その表面を離型性の良いフッ素樹脂で被覆した構成とし、一対のヒートローラを圧接させ、そのローラ間にトナー画像が形成された転写紙を通過させてトナーを加熱溶融し、トナーを転写紙上に融着させている。
そのため、装置の運転開始時に、熱伝導性の低いゴム層を持つヒートローラを所定の温度にまで加熱する必要があり、電源投入から運転可能となるまでの間に待ち時間が発生していた。また、ヒートローラ全体を加熱しなければならないため、消費電力も大きいという欠点がある。
そこで、近年、円筒状の定着ベルトを介して、ヒーターにより転写紙上のトナーを加熱する定着方法が提案されている。円筒状の定着ベルトを用いたベルト定着法では、定着用ベルトとゴムローラとを圧接させ、この間にトナー画像が形成された転写紙を通過させてベルトの熱により、トナーを転写紙に融着して定着させる。この定着法では、熱容量が低く、薄い円筒状のベルトを加熱するため、ベルト表面が短時間で所定の温度に達し、電源投入後の待ち時間を大幅に削減することができる。
ところで、従来のヒートローラでは、ローラ金型の内面にフッ素樹脂チューブを被覆させ、金型内に芯金を入れた後、チューブと芯金間にシリコーンゴムを流し込みヒートローラを成型する一体成型法により、製造を行っている。
しかしながら、ベルト定着法で用いられる円筒状の定着ベルトは、弾性層を構成するシリコーンゴム層が薄く、ゴム材料を均等に流し込むことが困難であるため、従来行われてきた一体成型法では製造できない。
このような薄い弾性層を有する定着ベルトの製造を可能にする先行技術が、特許文献1、2に記載されている。特許文献1では、成形される定着ベルトの外径を有する円筒形の金型の空洞内に、フッ素樹脂チューブを通し、その両端を金型の外側に折り返し、その中に耐熱樹脂層を設けた芯体を金型と同心状に配置し、金型蓋体を金型の両端にはめ込むことによりフッ素樹脂チューブ及び耐熱樹脂層を設けた芯体を固定する。その後、金型蓋体の樹脂注入口からフッ素樹脂チューブと耐熱樹脂層を設けた芯体との間に弾性材料層前駆体であるシリコーンゴムを注入し、金型内でフッ素樹脂チューブと耐熱樹脂層との間の空間を満たす。その後、全体を通常は加熱することにより前記前駆体を架橋して硬化させ(一次加硫)、適当に硬化した後、一体化した芯体、弾性材料層、被覆樹脂層を金型から取り出し、さらに加熱して架橋させて(二次加硫)、その後芯体を除去することにより本発明の定着用フィルムを得る。
一方、特許文献2では、フッ素樹脂からなる離型層を成形型の環状の外周面に塗布し、前記離型層の上に第1の接着層を塗布し、これらを所定の温度で焼成した後、前記第1の接着層の上に弾性層を塗布して所定の温度で焼成し、次いで前記弾性層の上に第2の接着層を塗布して乾燥させ、続いて前記第2の接着層の上に支持層を塗布して所定の温度で焼成して環状物を形成し、その後、前記環状物を裏返すことにより、定着ベルトの最外層に、フッ素樹脂からなり且つその外面が成型面からなる離型層を備え、前記定着ベルトの最内層に支持層を備え、前記最外層と前記最内層の間に弾性層を備えた定着ベルトを得る。
特開平11−15303(平成11年1月22日公開) 特開2003−84593(平成15年3月19日公開) 特開2003−25442(平成15年1月29日公開)
しかしながら、上記従来の製造方法では、以下のような問題がある。すなわち、特許文献1の製造方法では、フッ素樹脂チューブに熱収縮性が要求されるため、使用できるフッ素樹脂チューブが制限される。
また、特許文献2の製造方法で作製された定着ベルトは、従来のコーティングタイプの定着ベルトと比較して、ベルト表面の平滑性とトナー離型性、耐久性において、優れている。しかしながら、耐久性の面において、チューブタイプの定着ベルトに及ばない。また、金型としては寸法精度が高く、高精度なものが要求されるため、定着ベルトが高価になる。
本発明は、上記課題に鑑みなされたもので、その目的は、離型層に耐久性の高いフッ素樹脂チューブを用いた定着ベルト及びその製造方法を提供することである。
本発明の定着ベルトは、上記課題を解決するために、円筒状をなし、内周側に基材層、外周側に離型層、上記基材層と上記離型層との間に弾性層が形成されている定着ベルトであって、前記離型層が、熱収縮率5%以下のフッ素樹脂チューブよりなることを特徴としている。
これによれば、ベルト外周側に形成される離型層が、フッ素樹脂チューブより構成されているので、フッ素樹脂を含有する樹脂を塗布し、これを焼成することにて形成された離型層よりも耐久性に優れる。
また、塗布・焼成にて離型層を形成する場合、寸法精度の高い離型層を得ようとすると、高精度で高価な金型が必要となるが、チューブを用いることで、上述のような金型を用いずとも、寸法精度の高い離型層が得られる。
しかも、これによれば、従来、離型層として使用できなかった、熱収縮率が5%以下の非熱収縮性のフッ素樹脂チューブを用いているので、材料の選択幅が広く、同等の効果を従来よりも安価にて達成することができる。
本発明の定着ベルトにおいては、さらに、上記フッ素樹脂チューブの引張強度が80Mpa以上であることが好ましい。
これによれば、フッ素樹脂チューブの引張強度が80Mpa以上と、従来のフッ素樹脂チューブよりも強いので、従来の定着ベルトよりも高耐久とできる。また、引張強度を上げたことで、従来と同程度の耐久性を維持した状態であれば、フッ素樹チューブの厚みを従来よりも薄くできるので、弾性層の弾性をより生かすことができ、定着部材表面が紙の微小な凹凸に追従することが可能となり、高画質を得ることが可能となる。
本発明の定着ベルトにおいては、上記フッ素樹脂チューブとして、ポリテトラフルオロエチレンを用いることができ、これによれば、熱収縮率5%以下で引張強度が80Mpa以上のフッ素樹脂チューブを容易に得ることができる。
本発明の定着ベルトにおいては、さらに、弾性層と接着するフッ素樹脂チューブの表面に、エッチング処理が施されている構成とすることもできる。
定着ベルトの製造時、弾性層とフッ素樹脂チューブとの接着性を上げるためにフッ素樹脂チューブの表面に塗布するプライマーの塗布量の管理が容易になり、製造コストの引き下げに繋がる。
また、本発明は、本発明の定着ベルトを備えた定着装置、及びこのような定着装置を備えた画像形成装置も、その範疇としている。
定着ベルトにおいて既に説明したように、本発明の定着ベルトは、熱収縮率5%以下のフッ素樹脂チューブを用いており、安価にて製造できるので、定着装置、或いはこれを備えた画像形成装置の価格を安価にできる。さらに、フッ素樹脂チューブの引張強度を80Mpa以上とした場合は、耐久性をより一層向上させることができる、或いは、従来と同程度の耐久性を維持した状態であれば、フッ素樹チューブの厚みを従来よりも薄くできるので、弾性層の弾性をより生かすことができ、これにより、定着部材表面が紙の微小な凹凸に追従することが可能となり、品質の良い画像を得ることができる。
本発明の定着ベルトの製造方法は、上記課題を解決するために、基材層上に、弾性層及び離型層がこの順に設けられている円筒状の定着ベルトの製造方法であって、離型層となるフッ素樹脂チューブを円筒状の成形型の外周面に被せる工程と、前記フッ素樹脂チューブ上に上記弾性層を塗布する工程と、塗布された上記弾性層を所定の温度で焼成する工程と、焼成後の上記弾性層上に基材層を塗布する工程と、塗布された基材層を所定の温度で焼成する工程と、上記基材層焼成後に、上記フッ素樹脂チューブ、弾性層及び基材層よりなる円筒状物を裏返す工程とを有することを特徴としている。
これによれば、ベルト外周側に形成される離型層に、フッ素樹脂チューブを用いているので、フッ素樹脂を含有する樹脂を塗布し、これを焼成することにて離型層を形成する方法に比して、耐久性に優れ、かつ、寸法精度の高い離型層を有する定着ベルトを、高精度で高価な金型を必要とすることなく製造することができる。
しかも、この方法では、フッ素樹脂チューブの熱収縮を利用しないので、フッ素樹脂チューブの熱収縮を利用する従来法では離型層として使用できなかった、熱収縮率が5%以下の非熱収縮性のフッ素樹脂チューブを用いることが可能となる。これにより、離型層を形成するフッ素樹脂チューブの選択幅が広くなる。
本発明の定着ベルトの製造方法においては、さらに、上記フッ素樹脂チューブを成形型に被せる工程に、成形型に被せられたフッ素樹脂チューブの表面にエッチング処理を施す工程をさらに含むこともできる。
これにより、弾性層とフッ素樹脂チューブとの接着性を上げるために、フッ素樹脂チューブの表面に塗布するプライマーの塗布量の管理が容易になり、製造コストの引き下げに繋がる。
本発明の定着ベルトの製造方法においては、さらに、上記フッ素樹脂チューブを成形型に被せる工程と、上記フッ素樹脂チューブ上に弾性層を塗布する工程との間に、前記フッ素樹脂チューブ上に弾性層を塗布する工程よりも前に、前記成形型の外周面に被覆された前記フッ素樹脂チューブの表面に、シラン原子、チタン原子またはアルミニウム原子を含む沸点10〜100℃である燃料ガスの火炎を吹き付ける吹き付け処理を行う工程を含む構成とすることもできる。
フッ素樹脂チューブの表面を、いわゆるイトロ処理することで、プライマーを用いずに定着ベルトを製造できるため、製造工程を減らすことが可能となり、製造コストの引き下げに繋がる。
また、プライマーの塗布とイトロ処理とを組み合わせることで、接着性をより高くすることができ、弾性層とフッ素樹脂チューブとの接着不良を効果的に改善することができる。
本発明の定着ベルトは、以上のように、円筒状をなし、内周側に基材層、外周側に離型層、上記基材層と上記離型層との間に弾性層が形成されている定着ベルトであって、前記離型層が、熱収縮率5%以下のフッ素樹脂チューブよりなる構成である。
これにより、離型層に耐久性の高いフッ素樹脂チューブを用いることができる。
本発明の定着ベルトの製造方法は、以上のように、基材層上に、弾性層及び離型層がこの順に設けられている円筒状の定着ベルトの製造方法であって、離型層となるフッ素樹脂チューブを円筒状の成形型の外周面に被せる工程と、前記フッ素樹脂チューブ上に上記弾性層を塗布する工程と、塗布された上記弾性層を所定の温度で焼成する工程と、焼成後の上記弾性層上に基材層を塗布する工程と、塗布された基材層を所定の温度で焼成する工程と、上記基材層焼成後に、上記フッ素樹脂チューブ、弾性層及び基材層よりなる円筒状物を裏返す工程とを有する。
これにより、焼成することにて離型層を形成する方法に比して、耐久性に優れ、かつ、寸法精度の高い離型層を有する定着ベルトを、高精度で高価な金型を必要とすることなく製造することができる。
加えて、フッ素樹脂チューブの熱収縮を利用する従来法では離型層として使用できなかった、熱収縮率が5%以下の非熱収縮性のフッ素樹脂チューブを用いることが可能となるので、離型層を形成するフッ素樹脂チューブの選択幅が広くなる。
本発明の一実施形態について図1ないし図5に基づいて説明すると以下の通りである。
図2は、本発明の定着装置4を備える画像形成装置100の構成を示す概略図である。画像形成装置100は、図2に示すように、像形成手段1と、中間転写手段2と、2次転写手段3と、定着装置4と、記録媒体供給手段5とを含んで構成される。
像形成手段1は、作像ユニット10y,10m,10c,10bを含み、これらは、各色相のデジタル信号(以下、画像情報と記す)に対応する静電潜像を形成し、該静電潜像を現像して、各色のトナーにより形成される像を形成する。すなわち、作像ユニット10yはイエロー色の画像情報に対応するトナー像を形成し、作像ユニット10mはマゼンタ色の画像情報に対応するトナーを形成し、作像ユニット10cはシアン色の画像情報に対応するトナー像を形成し、作像ユニット10bはブラック色の画像情報に対応するトナー像を形成する。
作像ユニット10y,10m,10c,10bは、それぞれイエロー色現像剤、マゼンタ色現像剤、シアン色現像剤またはブラック色現像剤を使用すること、および像形成手段1に入力される画像情報のうち、イエロー色成分像に対応する画素信号、マゼンタ色成分像に対応する画素信号、シアン色成分像に対応する画素信号、ブラック色成分像に対応する画素信号がそれぞれ入力されること以外は構成を同じくするので、以下、イエロー色に対応する作像ユニット10yを代表例として示し、他については説明を省略する。
なお、各色に対応する作像ユニット10などを個々に示す場合には、アルファベットの添字:y(イエロー色)、m(マゼンタ色)、c(シアン色)、b(黒色)を付して表す。作像ユニット10y,10m,10c,10bは、中間転写媒体である中間転写ベルト23の移動方向(副操作方向)、すなわち矢符28の方向の上流側から下流側にこの順番で一列に並んで配列される。
作像ユニット10yは、図3に示すように、イエロー色のトナー像が表面に形成される感光体ドラム11yと、感光体ドラム11yの表面を均一に帯電する帯電ローラ12yと、帯電された感光体ドラム11y表面に画像情報に応じた光を露光して静電潜像を形成する光走査ユニット13と、トナーを感光体ドラム11y表面に形成された静電潜像に付着させることによってトナー像を形成する現像装置14yと、中間転写ベルト23に中間転写されずに感光体ドラム11y表面に残存するトナーを除去回収するドラムクリーナ15yとを含んで構成される。なお、図3は、作像ユニット10yの構成を示す概略図である。
感光体ドラム11yは、画像情報に応じた光で露光されることによってその表面に静電潜像が形成される潜像担持体であり、回転自在に設けられる。感光体ドラム11yは、図示しない駆動手段により、軸線回りに回転駆動可能に支持され、図示しない円筒状、円柱状または薄膜シート状(好ましくは円筒状)の導電性基体と、導電性基体の表面に形成される感光層とを含んで構成される。
感光体ドラム11yには、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、導電性基体であるアルミニウム素管と、アルミニウム素管の表面に形成される感光層である有機感光層とを含む、GND(Ground)電位に接続される直径30mmの感光体ドラム11yが挙げられる。
有機感光層は、電荷発生物質を含む電荷発生層と、電荷輸送物質を含む電荷輸送層とを積層して形成されるものであってもよく、電荷発生物質と電荷輸送物質とを1つの層に含むものであってもよい。有機感光層の層厚は、特に限定されるものではないが、たとえば、20μmである。また有機感光層と導電性基体との間に下地層を設けてもよい。さらに、有機感光層の表面に保護層を設けてもよい。
感光体ドラム11yは、図2、図3の紙面に向って反時計周りの方向に、たとえば、周速度173mm/sで回転駆動する。感光体ドラム11yの駆動手段は、図示しない制御手段によって制御され、これにより感光体ドラム11yの回転速度が制御される。
帯電ローラ12yは、感光体ドラム11yの表面を所定の極性の電位に帯電させる帯電手段である。帯電手段としては、帯電ローラ12yに限定されるものではなく、帯電ローラ12yに代えて、ブラシ型帯電器、チャージャー型帯電器、またはスコロトロンというコロナ帯電器なども使用できる。
光走査ユニット13は、帯電状態にある感光体ドラム11yの表面にイエロー色の画像情報に対応するレーザ光13yを照射し、感光体ドラム11yの表面に、イエロー色の画像情報に対応する静電潜像を形成する潜像形成手段である。レーザ光の光源には、半導体レーザ素子などが用いられる。
現像装置14yは、感光体ドラム11yを臨んで設けられ、イエロー色トナーおよびキャリアを含むイエロー色現像剤16yを現像スリーブ18y表面に担持して感光体ドラム11y表面に搬送し、感光体ドラム11y表面に形成される静電潜像を現像して顕像化する現像手段である。なお、現像装置14yとしては、キャリアを含まない一成分現像剤を用いるものなども、用いることができる。
現像スリーブ18yは、感光体ドラム11yに近接する現像ニップ部において、感光体ドラム11yの回転駆動方向と同じ方向に回転駆動する。したがって、軸線回りの回転駆動方向としては、逆方向になる。また、本実施形態では、現像スリーブ18yの周速度は、たとえば、感光体ドラム11yに対して1.5倍の260mm/sである。
ドラムクリーナ15yは、感光体ドラム11y表面のイエロー色のトナー像が、中間転写ベルト23に中間転写された後に、感光体ドラム11y表面に残存するイエロー色トナーを除去し回収する。
以下に、本実施形態の画像形成装置100に用いられる現像剤16y,16m,16c,16bの構成成分について詳細に説明する。
トナーは、結着樹脂、着色剤および離型剤を含有する。結着樹脂としてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、ポリスチレン、スチレンの置換体の単独重合体、スチレン系共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタンなどが挙げられる。結着樹脂は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
これらの結着樹脂の中でも、カラートナー用としては、保存性、耐久性などの点から、軟化点100〜150℃、ガラス転移点50〜80℃の結着樹脂が好ましく、前記の軟化点およびガラス転移点を有するポリエステルが特に好ましい。ポリエステルは軟化または溶融状態で高い透明度を示す。結着樹脂がポリエステルである場合、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックのトナー像が重ね合わされた多色トナー像を記録媒体8に定着させると、ポリエステル自体は透明化するので、減法混色によって充分な発色が得られる。
着色剤としては、従来から電子写真方式の画像形成技術に用いられるトナー用顔料および染料を使用できる。顔料としては、たとえば、アゾ系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、キナクリドン系顔料、フタロシアニン系顔料、イソインドリノン系顔料、イソインドリン系顔料、ジオキサジン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体系顔料などの有機系顔料、カーボンブラック、酸化チタン、モリブデンレッド、クロムイエロー、チタンイエロー、酸化クロム、ベルリンブルーなどの無機系顔料、アルミニウム粉などの金属粉などが挙げられる。顔料は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
離型剤としては、たとえば、ワックスを使用できる。ワックスとしてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、パラフィンワックスなどが挙げられる。トナーは、結着樹脂、着色剤および離型剤の他に、帯電制御剤、流動性向上剤、定着促進剤、導電剤などの一般的なトナー用添加剤の1種または2種以上を含有できる。
トナーは、着色剤、離型剤などを結着樹脂と溶融混練して粉砕する粉砕法、着色剤、離型剤、結着樹脂のモノマーなどを均一に分散した後、結着樹脂のモノマーを重合させる懸濁重合法、結着樹脂粒子、着色剤、離型剤などを凝集剤によって凝集させ、得られる凝集物の微粒子を加熱する乳化凝集法などの公知の方法に従って製造できる。
トナーの体積平均粒径は、特に制限されないけれども、好ましくは2〜7μmである。またトナーの体積平均粒径が、このように適度に小さい場合には、記録媒体に対する被覆率が高くなるので、低付着量での高画質化およびトナー消費量の低減化を達成できる。
トナーの体積平均粒径が2μm未満では、トナーの流動性が低下し、現像動作の際に、トナーの供給、撹拌および帯電が不充分になり、トナー量の不足、逆極トナーの増加などが起こり、高画質画像が得られないおそれがある。一方、体積平均粒径が7μmを超えると、中心部分まで軟化し難い大粒径のトナー粒子が多くなるので、画像の記録媒体8への定着性が低下するとともに、画像の発色が悪くなり、特にOHPへの定着の場合には、画像が暗くなる。
本実施形態で用いられる各色のトナーは、着色剤以外は次に示す同じ構成を有する。このトナーは、たとえば、ガラス転移点60℃、軟化点120℃および体積平均粒径6μmのトナーであり、負帯電性の絶縁性非磁性トナーである。このトナーを用いて、X−Rite社製310による反射濃度測定値が1.4の画像濃度を得るには、5g/m2のトナー量が必要である。このトナーは、結着樹脂としてガラス転移点60℃かつ軟化点120℃のポリエステル、離型剤としてガラス転移点50℃かつ軟化点70℃の低分子ポリエチレンワックス、および着色剤として各色の顔料を含み、ワックス含有量がトナー全量の7重量%、顔料含有率がトナー全量の12重量%および残部が結着樹脂のポリエステルである。
このトナーに含まれる低分子ポリエチレンワックスは、結着樹脂のポリエステルよりもガラス転移点および軟化点が低いワックスである。このようなワックスを用いれば、結着樹脂のガラス転移点よりも低い温度下でも、トナー同士の付着力、トナーと中間転写ベルト23または記録媒体との付着力が増加するので、液状物である定着液を付与する際に、定着液によるトナーの流れ、凝集などが発生するのを抑制できる。さらに、トナー中のワックスが軟化すると、ワックスが存在する箇所からトナー内部に定着液が浸透し易くなる。したがって、定着液の付与時に短時間でトナー全体が軟化または膨潤し、記録媒体への転写時に充分な定着強度が得られ、トナー像の重ね合わせによる発色も充分になる。
現像剤16y,16m,16c,16bは、トナーの他にキャリアを含んでいてもよい。キャリアとしては、磁性を有する粒子を使用することができる。磁性を有する粒子の具体例としては、たとえば、鉄、フェライトおよびマグネタイトなどの金属、これらの金属とアルミニウムまたは鉛などの金属との合金などが挙げられる。これらの中でも、フェライトが好ましい。
また磁性を有する粒子に樹脂を被覆した樹脂被覆キャリア、または樹脂に磁性を有する粒子を分散させた樹脂分散型キャリアなどをキャリアとして用いてもよい。磁性を有する粒子を被覆する樹脂としては特に制限はないけれども、たとえば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン/アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂、およびフッ素含有重合体系樹脂などが挙げられる。また樹脂分散型キャリアに用いられる樹脂としても特に制限されないけれども、たとえば、スチレンアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、およびフェノール樹脂などが挙げられる。
キャリアの形状は、球形または扁平形状が好ましい。またキャリアの体積平均粒径は特に制限されないけれども、高画質化を考慮すると、好ましくは30μm以上50μm以下である。さらにキャリアの抵抗率は、好ましくは108Ω・cm以上、さらに好ましくは1012Ω・cm以上である。キャリアの抵抗率は、キャリアを0.50cm2の断面積を有する容器に入れてタッピングした後、容器内に詰められた粒子に1kg/cm2の荷重を掛け、荷重と底面電極との間に1000V/cmの電界が生ずる電圧を印加したときの電流値を読取ることから得られる値である。抵抗率が低いと、現像スリーブ18にバイアス電圧を印加した場合にキャリアに電荷が注入され、感光体ドラム11にキャリア粒子が付着し易くなる。またバイアス電圧のブレークダウンが起こり易くなる。
キャリアの磁化強さ(最大磁化)は、好ましくは10emu/g〜60emu/g、さらに好ましくは15emu/g〜40emu/gである。磁化強さは現像スリーブ18の磁束密度にもよるけれども、現像スリーブ18の一般的な磁束密度の条件下においては、10emu/g未満であると磁気的な束縛力が働かず、キャリア飛散の原因となるおそれがある。また磁化強さが60emu/gを超えると、キャリアの穂立ちが高くなり過ぎる非接触現像では、潜像担持体である感光体ドラム11と非接触状態を保つことが困難になる。また接触現像ではトナー像に掃き目が現れ易くなるおそれがある。
現像剤16y,16m,16c,16bにおけるトナー101およびキャリアの使用割合は特に制限されず、トナー101およびキャリアの種類に応じて適宜選択すればよい。
作像ユニット10yによれば、感光体ドラム11yをその軸線回りに回転駆動させながら、図示しない電源により帯電ローラ12yに例えば−1200Vを印加し、放電させることより感光体ドラム11yの表面を例えば−600Vに帯電する。次に、帯電状態にある感光体ドラム11yの表面に、光走査ユニット13からイエロー色の画像情報に対応するレーザ光13yを照射し、イエロー色の画像情報に対応する露光電位−70Vの静電潜像を形成する。
次いで、感光体ドラム11yの表面と現像スリーブ18y表面に担持されるイエロー色現像剤とを近接させる。現像スリーブ18yには現像電位として−450Vの直流電圧が印加されており、現像スリーブ18yと感光体ドラム11yとの電位差によって、静電潜像にイエロー色トナーが付着し、感光体ドラム11yの表面にイエロー色トナー像が形成される。このイエロー色トナー像は、後述するように、感光体ドラム11yの表面に圧接し、矢符28の方向に駆動する中間転写ベルト23に中間転写される。感光体ドラム11yの表面に残留するイエロー色トナー101とはドラムクリーナ15yにより除去回収される。以後、同様にしてイエロー色のトナー像形成動作が繰り返し実行される。
中間転写手段2は、図2に示すように、中間転写ベルト23と、中間転写ローラ24y,24m,24c,24bと、支持ローラ25,26,29と、ベルトクリーナ27とを含んで構成される。中間転写ベルト23は、支持ローラ25,26,29の間に張架されてループ状の移動経路を形成する無端ベルト状の像担持体であり、感光体ドラム11y,11m,11c,11bとほぼ同じ周速度で、矢符28の方向に、すなわち感光体ドラム11y,11m,11c,11bに臨む像担持面が、感光体ドラム11yから感光体ドラム11bに向って移動するように回転駆動される。
中間転写ベルト23には、たとえば、厚さ100μmのポリイミドフィルムを使用できる。中間転写ベルト23の材料としてはポリイミドのみに限定されず、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレンなどの合成樹脂や、各種ゴムなどから構成されるフィルムを使用できる。合成樹脂または各種ゴムからなるフィルム中には、中間転写ベルト23の電気抵抗値を調整するために、ファーネスブラック、サーマルブラック、チャネルブラック、グラファイトカーボンなどの導電材が配合される。また中間転写ベルト23には、トナーに対する付着力の弱いフッ素樹脂組成物やフッ素ゴムなどから構成される被覆層が設けられていてもよい。被覆層の構成材料としては、たとえば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)やPFA(PTFEとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体)などが挙げられる。被覆層には導電材が配合されていてもよい。
中間転写ベルト23の像担持面は、中間転写ベルト23の回転駆動方向における上流側から、感光体ドラム11y,11m,11c,11bにこの順番で圧接する。中間転写ベルト23の感光体ドラム11y,11m,11c,11bに圧接する位置が、各色トナー像の中間転写位置である。
中間転写ローラ24y,24m,24c,24bは、それぞれ、中間転写ベルト23を介して感光体ドラム11y,11m,11c,11bに対向するように設けられ、かつ中間転写ベルト23における像担持面の反対面に圧接し、かつ図示しない駆動手段によりその軸線回りに回転駆動可能に設けられるローラ状部材である。
中間転写ローラ24y,24m,24c,24bには、たとえば、金属製軸体と、金属製軸体の表面に被覆される導電性層とを含むローラ状部材が用いられる。金属製軸体は、たとえば、ステンレス鋼などの金属により形成される。金属製軸体の直径は特に制限されないけれども、好ましくは8mm〜10mmである。導電性層は、導電性弾性体などにより形成される。導電性弾性体としてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、カーボンブラックなどの導電剤を含む、エチレン−プロピレンゴム(以下、EPDMと記す)、発泡EPDM、発泡ウレタンなどが挙げられる。導電性層によって、中間転写ベルト23に高電圧が均一に印加される。
中間転写ローラ24y,24m,24c,24bには、感光体ドラム11y,11m,11c,11bの表面に形成されるトナー像を中間転写ベルト23上に転写するために、トナーの帯電極性とは逆極性の中間転写バイアスが定電圧制御によって印加される。これによって、感光体ドラム11y,11m,11c,11bに形成されるイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラック色のトナー像が中間転写ベルト23の像担持面に順次重ね合わさって転写され、多色のトナー像が形成される。ただし、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラック色の一部のみの画像情報が入力される場合には、作像ユニット10y,10m,10c,10bのうち、入力される画像情報の色に対応する作像ユニット10のみにおいてトナー像が形成される。
支持ローラ25,26,29のうち、支持ローラ25,26は、図示しない駆動手段によって軸線回りに回転駆動可能に設けられ、中間転写ベルト23を張架して矢符28の方向に回転駆動させる。支持ローラ25,26,29には、たとえば、直径30mmおよび肉厚1mmのアルミニウム製円筒体(パイプ状ローラ)が用いられる。このうち、支持ローラ25は、中間転写ベルト23を介して後述する2次転写ローラ31に圧接して2次転写ニップ部を形成し、かつ電気的に接地される。支持ローラ25は中間転写ベルト23を張架する機能と共に、中間転写ベルト23上のトナー像を記録媒体8に2次転写させる機能をも有する。
ベルトクリーナ27は、中間転写ベルト23の像担持面上のトナー像を後述の2次転写手段3において記録媒体8に転写した後に、像担持面上に残存するトナーを除去する部材であり、中間転写ベルト23を介して支持ローラ29に対向するように設けられる。
中間転写手段2によれば、感光体ドラム11y,11m,11c,11b上に形成されるトナー像は、中間転写ローラ24y,24m,24c,24bにトナーの帯電極性とは逆極性の高電圧が均一に印加されることによって、中間転写ベルト23の像担持面の所定位置に重ね合わされて中間転写され、トナー像が形成される。このトナー像は、後述するように、2次転写ニップ部において記録媒体8に2次転写される。2次転写後に中間転写ベルト23の像担持面に残留するトナーおよび紙粉などがベルトクリーナ27により除去され、像担持面には再度トナー像が転写される。
2次転写手段3は、支持ローラ25と、2次転写ローラ31とを含む。2次転写ローラ31は、中間転写ベルト23を介して支持ローラ25に圧接し、かつ軸線方向に回転駆動可能に設けられるローラ状部材である。2次転写ローラ31は、たとえば、金属製軸体と、該金属製軸体の表面に被覆される導電性層とを含む。金属製軸体は、たとえば、ステンレス鋼などの金属により形成される。導電性層は、導電性弾性体などにより形成される。導電性弾性体としてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、カーボンブラックなどの導電材を含む、EPDM、発泡EPDM、発泡ウレタンなどが挙げられる。2次転写ローラ31には図示しない電源が接続され、トナー粒子の帯電極性とは逆極性の高電圧が均一に印加される。支持ローラ25と中間転写ベルト23と2次転写ローラ31との圧接部が2次転写ニップ部である。
2次転写手段3によれば、中間転写ベルト23上のトナー像が2次転写ニップ部に搬送されるのに同期して、後述の記録媒体供給手段5から送給される記録媒体8が2次転写ニップ部に搬送される。そして、2次転写ニップ部においてトナー像と記録媒体8とが重ね合わされ、2次転写ローラ31にトナー101の帯電極性とは逆極性の高電圧が均一に印加されることによって、トナー106から形成される像が記録媒体8に2次転写される。そして、トナー像を担持した記録媒体8は、定着手段である定着装置4に搬送される。
中間転写手段2および2次転写手段3は、潜像担持体である感光体ドラム11表面のトナー像を記録媒体8に転写させるための転写手段に相当する。
定着装置4は、図4に示すように、定着ベルト71と、定着ローラ50と、加熱ローラ72と、加圧ローラ60とを含む。図4は、定着装置4の詳細な構成を示す断面図である。
定着ベルト71は、定着ローラ50と加熱ローラ72との間に張架されてループ状の移動経路を形成する無端ベルト状部材である。また、定着ベルト71は、定着ローラ50と加圧ローラ60との圧接点で加圧ローラに接触するように設けられ、記録媒体8に担持されるトナー像を構成するトナーを加熱溶融させて記録媒体8に定着させるものである。定着ベルト71は加圧ローラ60の矢符56方向の回転駆動によって矢符78の方向に従動回転する。
本実施形態では、定着ベルト71として、基材層84と、弾性層83と、離型層82とを含む3層構造で、直径50mmの円筒形状に形成された厚さ270μmの無端ベルトを使用する。
基材層84を形成する材料としては、耐熱性および耐久性に優れるものであれば特に制限されないけれども、耐熱性合成樹脂を上げることができ、中でも、ポリイミド(P1)、ポリアミドイミド(PAI)などが好ましい。これらの樹脂は、強度、耐熱性、価格性等に優れている。基材層84の厚さは、特に制限されないけれども好ましくは、30〜200μmである。本実施例では、ポリイミドを用い、厚さは100μmとした。
弾性層83を構成する材料としては、ゴム弾性を有するものであれば特に制限はないけれども、さらに耐熱性にも優れるものが好ましい。このような材料の具体例としては、たとえば、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコーンゴムなどが挙げられる。これらの中でも、特にゴム弾性に優れるシリコーンゴムが好ましい。
弾性層83の硬度は、JIS−A硬度1〜60度であることが好ましい。このJIS−A硬度の範囲であれば、弾性層83の強度の低下、密着性の不良を防止しつつ、トナーの定着性の不良を防止できる。このシリコーンゴムとしては具体的には、1成分系、2成分系又は3成分系以上のシリコーンゴム、LTV型、RTV型又はHTV型のシリコーンゴム、縮合型又は付加型のシリコーンゴム等を使用できる。
また、弾性層83の厚さは、30〜500μmであることが好ましい。この厚さ範囲であれば、弾性層83の弾性効果を維持しつつ、断熱性を低く抑えることができて省エネルギー効果を発揮できる。本実施例では、JIS−A硬度5度、厚さ150μmのシリコーンゴムを使用した。
離型層82は、フッ素樹脂チューブよりなる。定着ベルト71の外周側に形成される離型層82が、フッ素樹脂チューブより構成されているので、フッ素樹脂を含有する樹脂を塗布し、これを焼成することにて形成された離型層よりも耐久性に優れている。また、塗布・焼成にて離型層を形成する場合、寸法精度の高い離型層を得ようとすると、高精度で高価な金型が必要となるが、チューブを用いることで、上述のような金型を用いずとも、寸法精度の高い離型層が得られている。
しかも、離型層82を構成するフッ素樹脂チューブは、熱収縮率が5%以下である。このようなフッ素樹脂チューブの材料としては、熱収縮率5%以下であって、耐熱性および耐久性に優れ、トナーとの付着力が弱いものであれば特に制限されず、たとえば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(テトラフルオロエチレンとペルフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体)などのフッ素系樹脂材料などが挙げられる。
このように、離型層82では、従来使用できなかった、熱収縮率が5%以下の非熱収縮性のフッ素樹脂チューブを用いているので、材料の選択幅が広く、同等の効果を従来よりも安価にて達成できる。
離型層82の厚さは、5〜50μmであることが好ましい。この厚さ範囲であれば、適度な強度を持ち、弾性層の弾性を活かしながら、記録材の微小な凹凸追従することが可能である。本実施形態では、厚さ約20μmのPTFEチューブを使用する。
そして、離型層82を構成するフッ素樹脂チューブとしては、熱収縮率は5%以下のものが選択されている。このような熱収縮率のフッ素樹脂チューブであっても、後述する本発明の定着ベルトの製造方法を用いることで、使用することができる。
チューブの熱収縮率は、フッ素樹脂チューブを200mmに切断して試料とし、フッ素樹脂チューブの内径の90%の径を持つアルミパイプに被せ、チューブを被せたアルミパイプを200℃に加熱したオーブン内に3分間投入してチューブを収縮させ、加熱収縮後の外径を計測して、下記の式にて求めた。
加熱収縮率(%)=(加熱収縮前のチューブ外径−加熱収縮後のチューブ外径)/ 加熱収縮後のチューブ外径×100
さらに、フッ素樹脂チューブの引張強度については、80MPa以上であることが好ましい。この強度範囲であれば、十分な耐久性を持った離型層を形成することができる。また、従来と同程度の耐久性を維持した状態であれば、フッ素樹チューブの厚みを従来よりも薄くできるので、弾性層83の弾性を活かしながら、記録媒体8の微小な凹凸追従することが可能となる。
引張強度は、短冊状試験片(幅10mm)を用い、チャック間距離:50mm、試験速度:100mm/minの条件で引張試験を実施することによって求めることができる。引張強度は、試験片が耐えられる最大引張荷重を、引張力に垂直な方向の試験片の断面積(破断前の断面積)で徐した値である。本実施の形態では、引張強度90MPaのPTFEチューブを使用する。
定着ローラ50は、図示しない支持手段によって回転自在に支持され、加圧ローラ60、定着ベルト71の回転駆動によって、矢符56の方向に所定の速度で従動回転するローラ状部材である。本実施の形態では、定着ローラ50として、芯金51と、弾性体層52と表面層53とを含む直径30mmの円筒形状に形成されるローラ状部材を使用する。
芯金51を形成する金属には熱伝導率の高い金属を使用でき、たとえば、アルミニウム、鉄などが挙げられる。芯金51の形状としては、円筒状、円柱状などが挙げられるけれども、芯金51からの放熱量が少ない円筒状の方が好ましい。
弾性体層52を構成する材料としては、ゴム弾性を有するものであれば特に制限はないけれども、さらに耐熱性にも優れるものが好ましい。このような材料の具体例としては、たとえば、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコーンゴムなどが挙げられる。これらの中でも、特にゴム弾性に優れるシリコーンゴムが好ましい。定着ベルト71の寄りを修正するため、弾性層上に表面層53を設ける構成としてもよい。これにより定着ローラ50の表面の摺動性が向上し、定着ベルト71の寄りを修正し易くなる。
表面層53を構成する材料としては、耐熱性および耐久性に優れ、摺動性が高いものであれば特に制限されず、たとえば、PFA(テトラフルオロエチレンとペルフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などのフッ素系樹脂材料、フッ素ゴム等を使用してもよい。
また、定着ローラ50の内部に、加熱手段を設けてもよい。これは、画像形成装置100の電源ONから画像形成可能になるまでの立ち上げ時間の短縮、トナー像定着時に記録媒体8に熱が移行することに起因する定着ローラ50の表面温度の低下などを防止するためである。
加熱ローラ72は、回転自在に支持されかつ図示しない加圧手段によって定着ベルト71にテンションを加えられるように設けられたローラ状部材である。加熱ローラ72は、定着ベルト71の矢符78方向の回転に従動回転する。加熱ローラ72には、アルミニウム、鉄などの熱伝導率の高い金属からなる金属製ローラを使用できる。金属製ローラは必要に応じてその表面にフッ素樹脂層が形成されてもよい。
そして、加熱ローラ72は、その内部に加熱手段74,75を有する。これによって、定着ベルト71が加熱される。加熱手段74,75には図示しない電源が接続され、加熱手段74,75を発熱させるための電力が供給される。加熱手段74,75には一般的な加熱手段を使用できる。本実施の形態では加熱手段74,75にはハロゲンランプを使用する。
加圧ローラ60は、定着ローラ50の鉛直方向最下点よりも定着ローラ50の回転方向下流側において、図示しない加圧機構により定着ベルト71を介して定着ローラ50に圧接され、定着ニップ部55を形成する。加圧ローラ60は図示しない駆動手段によって回転駆動される。加圧ローラ60は、定着ローラ50によるトナー像の記録媒体8への加熱定着に際し、溶融状態にあるトナーを記録媒体8に対して押圧することによって、トナー像の記録媒体8への定着を促進する。
本実施形態では、加圧ローラ60として、芯金61と、弾性体層62と、表面層63とを含む径30mmのローラ状部材を使用する。芯金61、弾性体層62および表面層63を形成する材料としては、それぞれ、定着ローラ50の芯金51、弾性体層52および表面層53を形成する金属または材料と同じものを使用できる。また、芯金61の形状も定着ローラ50と同様である。
加圧ローラ60の内部には、加熱手段64が設けられる。これは、画像形成装置100の電源ONから画像形成可能になるまでの立ち上げ時間の短縮、トナー像定着時に記録媒体8に熱が移行することに起因する加圧ローラ60の表面温度の急激な低下などを防止するためである。本実施の形態では、加熱手段64にはハロゲンランプが用いられる。
サーミスタ76は、定着ベルト71を介して加熱ローラ72に対向する位置において定着ベルト71に近接するように設けられ、定着ベルト71の温度を検知する。サーミスタ76による検知結果はCPUに入力される。
CPUは、サーミスタ76の検知結果から、サーミスタ76の温度が設定範囲内にあるか否かを判定する。定着ベルト71の温度が設定範囲よりも低い場合には、加熱手段74,75に接続される電源に制御信号を送り、加熱手段74,75に電力を供給して発熱を促す。定着ベルト71の温度が設定範囲よりも高い場合には、加熱手段74,75への給電力の有無を確認する。電力供給が継続される場合は、電力供給を停止する制御信号を送る。
また、定着ベルト71を介して第2圧接ローラ73に対向しかつサーミスタ76よりも定着ベルト71の回転方向下流側の位置には、定着ベルト71に近接するように設けられ、定着ベルト71の異常昇温を検知するサーモスタット(図示せず)が配設されている。サーモスタットによる検知結果はCPUに入力される。CPUはサーモスタットの検知結果に応じて加熱手段74,75に接続される電源からの給電を停止する。
定着ローラ50と加熱ローラ72と定着ベルト71と加圧ローラ60とを含む定着機構は、画像形成装置100の全動作を制御する図示しないCPU(Central Processing Unit、中央処理装置)によって制御される。
CPUは、画像形成指示の入力を受けると、加熱ローラ72、加圧ローラ60の内部に設けられる加熱手段64,74,75に電力を供給する図示しない電源に制御信号を送る。画像形成指示は、画像形成装置100の鉛直方向上面に設けられる図示しない操作パネルまたは画像形成装置100に接続されるコンピュータなどの外部機器から入力される。制御信号を受けた電源は電力を供給して加熱手段64,74,75を起動させる。
加熱手段64,74,75は、定着ローラ50、加熱ローラ72、加圧ローラ60および定着ベルト71表面がそれぞれの設定温度になるように加熱する。定着ローラ50および加圧ローラ60の近傍に設けられる図示しない温度検知センサが設定温度に到達したことを検知し、その検知結果がCPUに入力されると、CPUは定着ローラ50を回転駆動させる図示しない駆動手段に制御信号を送り、加圧ローラ60を矢符56の方向に回転駆動させる。それに伴って定着ベルト71、定着ローラ50および加熱ローラ72が従動回転する。この状態で、未定着トナー像を担持する記録媒体8が2次転写ローラ31(図2参照)から定着ニップ部55に搬送される。この記録媒体8が定着ニップ部55を通過する際に、トナー像を構成するトナーが加熱加圧され、記録媒体8に定着され、画像が形成される。
次に、定着ベルト71の製造方法を図1、図5を用いて説明する。図1は、製造途中における定着ベルトの状態を示す説明図であり、図5は、製造手順を示す工程図である。
工程1(P1):定着ベルト71の表面(最外周)となる面が成形型81に接触するように、成形型81に離型層82となるフッ素樹脂チューブを被覆する。成形型81としては、黄銅製、ステンレス製、鉄製、アルミニウム製等のパイプ状の成形型、又はガラス製の成形型等を用いることができる。
ここで、フッ素樹脂チューブの表面が既にエッチング処理されている場合は、エッチング処理面が、チューブ外周面となるように成形型81に被覆する。
また、フッ素樹脂チューブの表面にエッチング処理が施されていない場合は、被覆後、エッチング処理を行う。該エッチング処理は、フッ素樹脂チューブの外周面に対してほどこされるので、従来のチューブ内周面に対して施すエッチング処理に比べて、より簡易にエッチング処理が行え、溶液による化学処理で、チューブに折り目をつけずにエッチング処理できる等の利点がある。
エッチング処理の具体的方法については、特に制限はないが、THF (テトラヒドロフラン)若しくはエチレングリコールジメチルエーテルに金属ナトリウムとナフタリンを溶解させた溶液で化学処理する方法、液体アンモニアに金属ナトリウムを溶解させた溶液で化学処理する方法、リチウムのようなアルカリ金属の水銀アマルガムにより化学処理する方法、電解還元法、コロナ放電処理法、ヘリウムやアルゴンのような不活性ガスプラズマで処理する方法、エキシマレーザーにより処理する方法、フレームバーナーによる酸化炎を介して被塗布物の表面にナノレベルの酸化ケイ素膜を形成する方法などが可能である。
中でも、作業のし易さ及びエッチングによる接着性の向上度合い等を考慮して、フレームバーナーによる酸化炎を介して被塗布物の表面にナノレベルの酸化ケイ素膜を形成する方法が好ましい。これについては、後述する。
工程2(P2):次に、フッ素樹脂チューブよりなる離型層82上にプライマーの塗布を行う。プライマーとしては、フッ素ゴムプライマーからなることが好ましく、具体的には、VDF−HFP系、VDF−HFP−TFE系、VDF−PFP系、VDF−PFP−TFE系、VDF−PFMVE−TFE系、VDF−CTFE系等のフッ素ゴムを用いることができる。
また、プライマー層の厚さは、1〜20μmであることが好ましい。この厚さ範囲であれば、塗布ムラが生じないため密着力のバラツキがなく、塗布も容易である。特に、2〜10μmの範囲がより好ましい。
工程3、4(P3、P4):次に、プライマー層上に弾性層83となる上述した材料を塗布して所定の温度で焼成する。弾性層83の焼成温度は、150〜300℃であることが好ましい。この温度範囲であれば、弾性層83の揮発分の残留、強度不足を防止しつつ、弾性層83の劣化及び硬化が発生しない。
工程5(P5):次に、弾性層83上にプライマーの塗布を行う。プライマー層の厚さは、2〜10μmであることが好ましい。この厚さ範囲であれば、密着性がより良好となり、塗布も容易になる。
また、プライマー層は、厚さ1〜5μmのシリコーンゴム用プライマーと、厚さ1〜5μmのフッ素ゴムプライマーの2層からなることが好ましい。2層構造とすることにより、弾性層83と基材層84との接着をより強固にできるからである。ここで、シリコーンゴム用プライマーとしては、ビニルシラン、アクリルシラン、エポキシシラン、アミノシラン等のシランカップリング剤が使用できる。また、フッ素ゴムプライマーとしては、VDF−HFP系、VDF−HFP−TFE系、VDF−PFP系、VDF−PFP−TFE系、VDF−PFMVE−TFE系、VDF−CTFE系等のフッ素ゴムを用いることができる。
工程6,7(P6、P7):次に、プライマー層上に基材層84となる上述した材料を塗布して所定の温度で焼成する。基材層84の焼成温度は、150〜300℃であることが好ましい。この温度範囲であれば、基材層の強度低下もなく、また前記弾性層を劣化させることもない。
工程8(P8):最後に、このようにして成形型81の周囲に形成された円筒状物80を、成形型81より外しながら裏返し、定着ベルト71を得る。ここでは、成形型81から円筒状物80を離脱させながら、円筒状物80を裏返す方法を挙げたが、上記した方法以外にも、成形型81より外したままの円筒状物80の長手方向端部を一部裏返し、最外周にある基材層84と裏返えされた部分のとの間にエアーを注入して裏返す方法や、治具を使用して自動で裏返す方法等がある。
最後に、上記したフレームバーナーによる酸化炎を介して被塗布物の表面にナノレベルの酸化ケイ素膜を形成する方法について説明する。
酸化ケイ素膜の形成は、まず、改質剤化合物を気化し、気化した改質剤化合物と引火性ガスと混合して燃焼ガスを作製する。そして、作製した燃焼ガスをバーナーで燃焼させ、酸化ケイ素膜を形成する。
改質剤化合物については、特に制限されるものではないが、例えば、アルキルシラン化合物、アルコキシシラン化合物、アルキルチタン化合物、アルコキシチタン化合物、アルキルアルミニウム化合物、およびアルコキシアルミニウム化合物等が挙げられる。改質剤化合物の平均分子量は、マススペクトル測定において、50〜1、000の範囲内の値とすることが好ましい。
改質剤化合物の液体状態での密度を、0.3〜0.9g/cm3の範囲内の値とすることが好ましい。この理由は、かかる改質剤化合物の密度が0.3g/cm3未満となると、取り扱いが困難となったり、エアゾール缶に収容したりすることが困難となる場合があるためである。一方、かかる改質剤化合物の密度が0.9g/cm3を超えると、気化しずらくなるとともに、エアゾール缶に収容した場合に、空気等と完全に分離した状態となる場合があるためである。したがって、改質剤化合物の密度を0.4〜0.8g/cm3の範囲内の値とすることがより好ましく、0.5〜0.7g/cm3の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
改質剤化合物の添加量を、燃焼ガスの全体量を100モル%としたときに、1×10-10〜10モル%の範囲内の値とすることが好ましい。この理由は、かかる改質剤化合物の添加量が1×10-10モル%未満の値になると、固体物質に対する改質効果が発現しない場合があるためである。一方、かかる改質剤化合物の添加量が10モル%を超えると、改質剤化合物と空気等との混合性が低下し、それにつれて改質剤化合物が不完全燃焼する場合があるためである。したがって、改質剤化合物の添加量を、燃焼ガスの全体量を100モル%としたときに、1×10-9〜5モル%の範囲内の値とすることがより好ましく、1×10-8〜1モル%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、火炎温度の制御が容易にできることから、燃焼ガス中に、通常、引火性ガスを添加することが好ましい。このような引火性ガスとして、プロパンガスや天然ガス等の炭化水素ガス、あるいは、水素、酸素、空気等の引火性ガスが挙げられる。なお、燃焼ガスをエアゾール缶に入れて使用する場合には、このような引火性ガスとして、プロパンガスおよび圧縮空気等を使用することが好ましい。
また、このような引火性ガスの含有量を、燃焼ガスの全体量を100モル%としたときに、80〜99.9モル%の範囲内の値とすることが好ましい。この理由は、かかる引火性ガスの含有量が80モル%未満の値になると、改質剤化合物と空気等との混合性が低下し、それにつれて改質剤化合物が不完全燃焼する場合があるためである。一方、かかる改質剤化合物の添加量が99.9モル%を超えると、固体物質に対する改質効果が発現しない場合があるためである。したがって、改質剤化合物の添加量を、燃焼ガスの全体量を100モル%としたときに、85〜99モル%の範囲内の値とすることがより好ましく、90〜99モル%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
燃焼ガス中に、改質剤化合物を均一に混合するために、キャリアガスを添加することも好ましい。すなわち、改質剤化合物と、キャリアガスとを予め混合し、次いで、空気流等の引火性ガスに混合することが好ましい。この理由は、かかるキャリアガスを添加することにより、比較的分子量が大きく、移動しづらい改質剤化合物を用いた場合であっても、空気流と均一に混合することができるためである。
すなわち、キャリアガスを添加することにより、改質剤化合物を燃焼しやすくして、固体物質の表面改質を均一かつ十分に実施することができるためである。なお、このような好ましいキャリアガスとして、引火性ガスと同種のガスを使用することが好ましく、例えば、空気や酸素、あるいはプロパンガスや天然ガス等の炭化水素を挙げることができる。
火炎の温度については、500〜1、500℃の範囲内の値とすることが好ましい。この理由は、かかる火炎の温度が500℃未満の値になると、改質剤化合物の不完全燃焼を有効に防止することが困難になる場合があるためである。一方、かかる火炎の温度が1、500℃を超えると、表面改質する対象の固体物質が、熱変形したり、熱劣化したりする場合があり、使用可能な固体物質の種類が過度に制限される場合があるためである。したがって、火炎の温度を550〜1、200℃の範囲内の値とすることが好ましく、600〜900℃未満の範囲内の値とすることがさらに好ましい。なお、かかる火炎の温度は、使用する燃焼ガスの種類や、燃焼ガスの流量、あるいは、燃焼ガスに添加する改質剤化合物の種類や量によって、適宜調節することができる。
火炎の処理時間(噴射時間)については、0.1秒〜100秒の範囲内の値とすることが好ましい。この理由は、かかる火炎の処理時間が0.1秒未満の値になると、改質剤化合物による改質効果が均一に発現しない場合があるためである。一方、かかる火炎の処理時間が100秒を超えると、表面改質する対象の固体物質が、熱変形したり、熱劣化したりする場合があり、使用可能な固体物質の種類が過度に制限される場合があるためである。したがって、火炎の処理時間を0.3〜30秒の範囲内の値とすることが好ましく、0.5〜20秒の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
従来のフッ素樹脂チューブ内面の処理では、燃料ガスの火炎を吹き付けるバーナーをチューブ内に挿入しなければならず、処理が困難であった。また、火炎とチューブとの距離が近く、バーナーの火炎により、チューブが変形する恐れがあった。上記の通り、チューブ外周面を処理して定着ベルトを製造できる方法が可能になったために、前記処理を用いることが可能となった。前記処理によりプライマーを用いずに弾性層を接着することが可能となる。また、更にフッ素樹脂チューブ−弾性層間の接着力を高めるためにプライマーを塗布しても良い。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明の実施形態を示すものであり、定着装置に備えられる定着ベルトの製造途中の状態を示す図面である。 上記定着装置を備える画像形成装置の構成を示す概略図である。 上記画像形成装置における作像ユニットの構成を示す概略図である。 上記定着装置の詳細な構成を示す断面図である。 上記定着ベルトの製造手順を示す工程図である。
符号の説明
4 定着装置
10 作像ユニット
71 定着ベルト
80 円筒状物
81 金型
82 離型層
83 弾性層
84 基材層
100 画像形成位装置

Claims (9)

  1. 円筒状をなし、内周側に基材層、外周側に離型層、上記基材層と上記離型層との間に弾性層が形成されている定着ベルトであって、前記離型層が、熱収縮率5%以下のフッ素樹脂チューブよりなることを特徴とする定着ベルト。
  2. 上記フッ素樹脂チューブの引張強度が80Mpa以上であることを特徴とする請求項1の定着ベルト。
  3. 上記フッ素樹脂チューブが、ポリテトラフルオロエチレンであることを特徴とする請求項1又は2に記載の定着ベルト。
  4. 弾性層と接着するフッ素樹脂チューブの表面に、エッチング処理が施されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の定着ベルト。
  5. 請求項1〜4の何れかに1項に記載の定着ベルトを備えることを特徴とする定着装置。
  6. 請求項5に記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
  7. 基材層上に、弾性層及び離型層がこの順に設けられている円筒状の定着ベルトの製造方法であって、
    離型層となるフッ素樹脂チューブを円筒状の成形型の外周面に被せる工程と、
    前記フッ素樹脂チューブ上に上記弾性層を塗布する工程と、
    塗布された上記弾性層を所定の温度で焼成する工程と、
    焼成後の上記弾性層上に、上記基材層を塗布する工程と、
    塗布された基材層を所定の温度で焼成する工程と、
    上記基材層焼成後に、上記フッ素樹脂チューブ、弾性層及び基材層よりなる円筒状物を裏返す工程とを有することを特徴とする定着ベルトの製造方法。
  8. 上記フッ素樹脂チューブを成形型に被せる工程に、成形型に被せられたフッ素樹脂チューブの表面にエッチング処理を施す工程をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の定着ベルトの製造方法。
  9. 上記フッ素樹脂チューブを成形型に被せる工程と、上記フッ素樹脂チューブ上に弾性層を塗布する工程との間に、成形型に被せられたフッ素樹脂チューブの表面に、シラン原子、チタン原子またはアルミニウム原子を含む沸点10〜100℃である燃料ガスの火炎を吹き付ける処理を行う工程をさらに含むことを特徴とする請求項7又は8に記載の定着ベルトの製造方法。
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