JP2006312426A - エアバッグ装置、エアバッグ装置付鞍乗り型車両 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 自動二輪車に装着されるエアバッグ装置120は、車両の前方衝突の際、展開膨張するエアバッグ122を有する。このエアバッグ122は、その展開膨張時に乗員Rを拘束する拘束面122aを形成するとともに、当該拘束面122aが乗員拘束に際し乗員Rの腹部と胸部とを結ぶ方向に沿って延在しながら展開膨張するように構成される。
【選択図】 図5
Description
前記課題を解決する本発明の第1発明は、請求項1に記載されたとおりのエアバッグ装置である。
請求項1に記載のエアバッグ装置は、少なくともエアバッグを備えるエアバッグ装置であり、鞍乗り型車両に装着される構成になっている。本発明において、エアバッグ装置は、各構成部材が一体状にモジュール化された状態で鞍乗り型車両に装着される構成であってもよいし、あるいは各構成部材が車両に順次組み込まれることによって構成されてもよい。
本発明のエアバッグは、車両の前方衝突の際、インフレータ等の膨張ガス供給手段によってその内部に膨張ガスが供給されて、乗員の前方側に形成されるエアバッグ展開領域に展開膨張する。典型的には、予め所定の形状に折り畳まれたエアバッグが、展開しつつ膨張する展開膨張動作を行う。展開膨張したエアバッグが拘束面を介して乗員を拘束することによって当該乗員の拘束が図られる。この乗員拘束領域の典型例としては、車両の上下方向に関し乗員の膝部(大腿部)よりも上方であり乗員の胸部よりも下方に形成される腰部周辺の領域がある。
請求項1の記載の発明のこのような構成によれば、鞍乗り型車両のように乗員の周囲が開放された構成の車両において、車両の前方衝突の際、乗員を拘束するのに有効な拘束面を速やかに形成させて乗員拘束を行うことが可能となる。これにより、乗員の拘束力をより高められる。
前記課題を解決する本発明の第2発明は、請求項2に記載されたとおりのエアバッグ装置である。
請求項2に記載のエアバッグ装置では、請求項1に記載のエアバッグは、鞍乗り型車両側に取り付けられるエアバッグ収容体に収容されるとともに、その収容状態において当該エアバッグ収容体(リテーナー)の車両前方側へとロール状に折り畳まれる構成とされる。
請求項2の記載の発明のこのような構成によれば、展開初期の乗員との干渉を極力抑えたうえで、エアバッグを乗員拘束領域に円滑に展開膨張させることが可能となる。
前記課題を解決する本発明の第3発明は、請求項3に記載されたとおりのエアバッグ装置である。
請求項3に記載のエアバッグ装置では、請求項1または2に記載のエアバッグは、その拘束面が乗員拘束に際し乗員の腹部と胸部とを結ぶ方向に沿って延在する延在面に対し平行状に延在しながら展開膨張する構成になっている。これにより、エアバッグは、その拘束面が、乗員拘束に際し乗員の腹部と胸部とを結ぶ方向に沿って延在しながら展開膨張することとなる。
請求項3の記載の発明のこのような構成によれば、エアバッグの拘束面のうち、乗員拘束に際し乗員の腹部と胸部とを結ぶ方向に沿って延在する部位の領域を増やし、乗員の被拘束部を拘束するための拘束面を極力広くとることが可能となる。
前記課題を解決する本発明の第4発明は、請求項4に記載されたとおりのエアバッグ装置である。
請求項4に記載のエアバッグ装置は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の構成において、エアバッグが、乗員拘束領域のうち車体の上下方向に関する腰部領域において局所的に展開膨張するように構成されている。ここでいう、「腰部領域」とは、シートに着座した乗員の腰部付近の領域であって、当該乗員の腰部の前方、側方、周囲に形成される領域を広く含む主旨である。このような腰部領域は、乗員拘束領域のうち車体の上下方向(乗員の高さ方向)に関する局所(局部)となる。典型的には、シートに着座した乗員の膝部(ないし大腿部)よりも上方であり乗員の胸部よりも下方に形成される範囲の領域によって腰部領域を規定し、当該腰部領域の範囲内においてエアバッグを展開膨張させることができる。
エアバッグを乗員の膝部よりも上方であって、乗員の胸部よりも下方において展開膨張させることによって、車両の前方衝突の際の乗員の浮き上がりを妨げるのに有効である。すなわち、乗員の膝部よりも上方であり乗員の胸部よりも下方に形成される領域は乗員の重心とほぼ合致するため、少なくとも当該領域においてエアバッグを局所的に展開膨張させることによって、車両衝突時はもちろん車両のピッチング回動時等においても乗員の浮き上がりを極力妨げることに対して有効である。
従って、請求項4に記載の発明によれば、車両の事故の際の乗員の拘束をより効果的に行うことができる。なお、本発明では、乗員の膝部よりも上方であり乗員の胸部よりも下方に形成される腰部領域の境界において上下方向に関する多少のずれは許容する。
前記課題を解決する本発明の第5発明は、請求項5に記載されたとおりのエアバッグ装置付鞍乗り型車両である。
請求項5に記載のエアバッグ装置付鞍乗り型車両は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載のエアバッグ装置が装着された鞍乗り型車両として特定される。
従って、請求項5に記載の発明によれば、車両の前方衝突の際、乗員をより効果的に拘束することが可能なエアバッグ装置が搭載された鞍乗り型車両が提供される。
図3に示すように、自動二輪車100が、その進行方向側にて衝突事故を起こした場合、乗員Rは自動二輪車100の車両前方方向(例えば図3中の矢印10方向)へ向けて移動しようとする。本実施の形態では、この前方衝突の検知により、インフレータ129が作動し、乗員拘束領域130のうちの腰部領域132に向かってエアバッグ装置120(リテーナー128)からエアバッグ122の突出(展開)が開始される。そして、エアバッグ122内に膨張ガスが送り込まれ続けることにより、エアバッグ122にリテーナー128側から順次膨張部が形成されていくことになる。このように、エアバッグ122は、展開しつつ膨張していく展開膨張動作を行う。このとき、本実施の形態のエアバッグ122は、図2に示すようにリテーナー128の車両前方側へとロール状に折り畳まれた状態で当該リテーナー128に収容されているため、展開初期の乗員Rとの干渉を抑えたうえたうえで、エアバッグ122を腰部領域132に円滑に展開膨張させることが可能となる。
図4に示すように、エアバッグ122の展開膨張時においては、膨張したエアバッグ122が腰部領域132に局所的(局部的)に充溢する。すなわち、本実施の形態のエアバッグ122は、乗員拘束領域130全体にわたって広範囲に展開膨張するのではなく、腰部領域132という局所(局部)において集中的に展開膨張するようになっている。
図5に示すように、展開膨張時においてエアバッグ122は、乗員Rと対向する部位に当該乗員Rを拘束する拘束面122aを形成するともに、リテーナー128よりも車両前方側に燃料タンク部105に当接する当接面122bを形成するようになっている。展開膨張が完了したエアバッグ122は、側面視で三角、四角、円など種々の形状を形成する。
また、本実施の形態では、展開膨張したエアバッグ122とリテーナー128との相対的な位置関係については、展開膨張したエアバッグ122の車両後方側にリテーナー128が位置する構成になっている。
なお、車両前方衝突によって乗員Rが車両前方方向へ移動したときにおけるリテーナー128の位置は、乗員近傍領域140内において適宜設定され得る。
図9に示すように、自動二輪車100のピッチング回動時においては、膨張したエアバッグ122によって乗員Rの拘束状態が維持される。特に、エアバッグ122を乗員Rの胸部よりも下方の腰部領域132において展開膨張させ、図8中の矢印14方向へ浮き上がろうとする乗員Rの大腿部を上方から押さえつける構成であるため、展開膨張したエアバッグ122に大腿部が引っかかることとなり、車両のピッチング回動時等において当該乗員Rを上方から拘束するのに有効である。また、このとき、エアバッグ122の当接面122bが燃料タンク部105に当接した状態が維持されるため、当該エアバッグ122の車両前方側への回転動作が引き続き規制されることとなり、これにより乗員Rの拘束性が安定化された状態が維持される。
なお、本発明は上記の実施の形態のみに限定されるものではなく、種々の応用や変形が考えられる。例えば、上記実施の形態を応用した次の各形態を実施することもできる。
また、腰部領域132を、シート103に着座した乗員Rの膝部(ないし大腿部)よりも上方であり、当該乗員Rの胸部よりも下方に形成される領域として規定したが、この領域は必要に応じて上下方向に関し適宜変更(拡大ないし縮小)可能である。
101…車体構成部
102…フロント部
103…シート
104…ハンドル
105…燃料タンク部
120…エアバッグ装置
122…エアバッグ
122a…拘束面
122b…当接面
128…リテーナー
128a…インフレータ収容部
129…インフレータ
130…乗員拘束領域
132…腰部領域
140…乗員近傍領域
142…乗員前面
R…乗員
Claims (5)
- 鞍乗り型車両に装着されるエアバッグ装置であって、
前記鞍乗り型車両の前方衝突の際、乗員の前方側に形成される乗員拘束領域に展開膨張するエアバッグを備え、
前記エアバッグは、その展開膨張時に乗員を拘束する拘束面を形成するとともに、当該拘束面が乗員拘束に際し乗員の腹部と胸部とを結ぶ方向に沿って延在しながら展開膨張する構成であることを特徴とするエアバッグ装置。 - 請求項1に記載のエアバッグ装置であって、
前記エアバッグは、鞍乗り型車両側に取り付けられるエアバッグ収容体に収容されるとともに、その収容状態において当該エアバッグ収容体の車両前方側へとロール状に折り畳まれる構成であることを特徴とするエアバッグ装置。 - 請求項1または2に記載のエアバッグ装置であって、
前記エアバッグは、その拘束面が乗員拘束に際し乗員の腹部と胸部とを結ぶ方向に沿って延在する延在面に対し平行状に延在しながら展開膨張する構成であることを特徴とするエアバッグ装置。 - 請求項1〜3のいずれかに記載のエアバッグ装置であって、
前記エアバッグは、前記乗員拘束領域のうち車体の上下方向に関する腰部領域において局所的に展開膨張するように構成されていることを特徴とするエアバッグ装置。 - 車両の前方衝突の際、エアバッグが展開膨張する構成のエアバッグ装置が装着されたエアバッグ装置付鞍乗り型車両であって、
前記エアバッグ装置として請求項1〜4のいずれかに記載のエアバッグ装置が用いられていることを特徴とするエアバッグ装置付鞍乗り型車両。
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