JP2006283843A - 高耐圧振動吸収ホース及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】振動吸収性能が良好で流体輸送の際においても所用流量を確保でき、尚且つかしめ切れの問題も回避し得て、しかもホースとしての性能も良好で安定した、継手金具のかしめ付け固定の高耐圧振動吸収ホースを提供する。
【解決手段】内面ゴム層16と、その外側の補強糸を編組密度50%以上の高密度で編組して成る補強層18と、外面ゴム層20とを有し、軸端部に継手金具のかしめ付け固定された破裂圧が5MPa以上の高耐圧振動吸収ホースにおいて、かしめ部12Bの内面ゴム層16のかしめ前の肉厚t2を1mm以上となしておくとともにかしめ部12Bを拡径形状となし、また補強糸の編角をかしめ部18B及び主部18Aともに同等の55°±2°とする。
【選択図】 図3
【解決手段】内面ゴム層16と、その外側の補強糸を編組密度50%以上の高密度で編組して成る補強層18と、外面ゴム層20とを有し、軸端部に継手金具のかしめ付け固定された破裂圧が5MPa以上の高耐圧振動吸収ホースにおいて、かしめ部12Bの内面ゴム層16のかしめ前の肉厚t2を1mm以上となしておくとともにかしめ部12Bを拡径形状となし、また補強糸の編角をかしめ部18B及び主部18Aともに同等の55°±2°とする。
【選択図】 図3
Description
この発明は高耐圧振動吸収ホース、特に自動車のエンジンルーム内に配管用として配設されるものに適用して好適な高耐圧振動吸収ホース及びその製造方法に関する。
従来より、ゴム層を主体として構成されたホースが産業用,自動車用のホースとして各種用途に広く使用されている。
このようなホースを用いる主たる目的は振動を吸収することにある。
例えば自動車のエンジンルーム内に配設される配管用ホースの場合、エンジン振動やエアコンのコンプレッサ振動(冷媒輸送用ホース即ちエアコンホースの場合),車両の走行に伴って発生する各種の振動をホース部分で吸収し、ホースを介して接続されている一方の部材から他方の部材へと振動が伝達されるのを抑制する役割を担っている。
このようなホースを用いる主たる目的は振動を吸収することにある。
例えば自動車のエンジンルーム内に配設される配管用ホースの場合、エンジン振動やエアコンのコンプレッサ振動(冷媒輸送用ホース即ちエアコンホースの場合),車両の走行に伴って発生する各種の振動をホース部分で吸収し、ホースを介して接続されている一方の部材から他方の部材へと振動が伝達されるのを抑制する役割を担っている。
ところで産業用,自動車用を問わずオイル系,燃料系,水系,冷媒系ホースの構造は、例えば下記特許文献1に開示されているように内面ゴム層(内面層)と外面ゴム層(外面層)との中間に補強糸(補強線材)を編組して成る補強層を有する構造をなしている。
図8(イ)は下記特許文献1に開示された冷媒輸送用ホース(エアコンホース)の構造を示したもので、図中200は内面ゴム層であって内表面が樹脂内層202で被覆されている。
内面ゴム層200の外側には補強糸をスパイラル巻きして成る第1補強層204が、更にその外側に中間ゴム層206を介して補強糸を第1補強層204とは逆向きにスパイラル巻きして成る第2補強層208が積層され、そして最外層のカバー層として外面ゴム層210が積層された構造をなしている。
内面ゴム層200の外側には補強糸をスパイラル巻きして成る第1補強層204が、更にその外側に中間ゴム層206を介して補強糸を第1補強層204とは逆向きにスパイラル巻きして成る第2補強層208が積層され、そして最外層のカバー層として外面ゴム層210が積層された構造をなしている。
この例は補強糸をスパイラル編組して補強層を構成した例であるが、かかる補強層を、補強糸をブレード編組して構成することも行われている。
図8(ロ)はその例を示したもので、図中212は補強糸をブレード編組して成る補強層で、内面ゴム層200と外面ゴム層210との間に形成されている。
尚内面ゴム層200の内表面は樹脂内層202で被覆されている。
図8(ロ)はその例を示したもので、図中212は補強糸をブレード編組して成る補強層で、内面ゴム層200と外面ゴム層210との間に形成されている。
尚内面ゴム層200の内表面は樹脂内層202で被覆されている。
ところでこのような直管状のホースの場合、良好な振動吸収性を確保するため従来所定の長さを必要としていた。
特に燃料系や水系等の低圧用のホースに比べてオイル系(例えばパワーステアリング用ホース)や冷媒系(冷媒輸送用ホース)等の耐高圧用のホースでは、ホース剛性が高い分、振動吸収や車室内への音,振動の伝播低減のための必要長さが長くなる。
例えば冷媒輸送用ホースの場合、接続しなければならない直線距離が200mmであったとしても、一般的に300〜600mmの長さのホースを用いて振動吸収及び音,振動の伝播低減を図っていた。
特に燃料系や水系等の低圧用のホースに比べてオイル系(例えばパワーステアリング用ホース)や冷媒系(冷媒輸送用ホース)等の耐高圧用のホースでは、ホース剛性が高い分、振動吸収や車室内への音,振動の伝播低減のための必要長さが長くなる。
例えば冷媒輸送用ホースの場合、接続しなければならない直線距離が200mmであったとしても、一般的に300〜600mmの長さのホースを用いて振動吸収及び音,振動の伝播低減を図っていた。
しかしながらエンジンルーム内には各種の装置や部品が所狭しと組み込まれており、特に近年にあってはエンジンルームがますますコンパクト化されて来ており、そのような中でそこに配設されるホース長が長いと、他との干渉を避けるための配管設計やホース取付時の取回しが大変な作業となり、しかも車種ごとにそれら配管設計や取回しを工夫しなければならず、大きな負担となっていた。
このようなことから、ホース長が短尺で良好に振動吸収することのできるホースの開発が求められている。
ホースにおける振動吸収性を確保しながらこれを短尺化する手段として、ホースを蛇腹形状化することが考えられる。
ホースにおける振動吸収性を確保しながらこれを短尺化する手段として、ホースを蛇腹形状化することが考えられる。
しかしながらホースを蛇腹形状化すると可撓性は飛躍的に向上するものの、その内部に流体の高い圧力が作用するとホース全体が軸方向に大きく伸びてしまう。
この場合ホースの両端が固定状態にあると(普通はそうなっている)、ホース全体が大きく曲ってしまい、周辺の部品と干渉を起す問題が発生する。
即ち蛇腹形状化による対策は十分なものとは言えない。
この場合ホースの両端が固定状態にあると(普通はそうなっている)、ホース全体が大きく曲ってしまい、周辺の部品と干渉を起す問題が発生する。
即ち蛇腹形状化による対策は十分なものとは言えない。
ところでエアコンホース等の高耐圧ホースの場合、内部に流体が高い圧力で導かれた状態では、そのような圧力がかかっていない場合に比べてホースと流体とが一体化してより剛体に近い挙動を示すようになる。
その剛性化の程度はホース及び流体を含めた横断面の断面積が大きくなるほど大となる。
逆に言えばホース及び流体の断面積が小さくなれば剛性化の程度は小さくなり、振動吸収性能はそれだけ増すことになる。
従ってホースを蛇腹形状化しないで、尚且つ短尺で振動吸収性能を高めるためにはホース径を小さくすることが有効な手段である。
その剛性化の程度はホース及び流体を含めた横断面の断面積が大きくなるほど大となる。
逆に言えばホース及び流体の断面積が小さくなれば剛性化の程度は小さくなり、振動吸収性能はそれだけ増すことになる。
従ってホースを蛇腹形状化しないで、尚且つ短尺で振動吸収性能を高めるためにはホース径を小さくすることが有効な手段である。
しかしながら単に軸端部を含むホース全体を細くし、また併せて継手具も細径とすると、継手具におけるインサートパイプの内径が小さいものとなって、流体の輸送時に同部分で圧損(圧力損失)を生じたり、また所要の流量を確保することができなくなってしまう。
一方で軸端部のかしめ部を細くした上で、内径の大きなインサートパイプを有する大径の継手具を用いると、その装着に際してインサートパイプを軸端部のかしめ部に挿入するときに、挿入抵抗が著しく大きくなってインサートパイプの挿入性が悪化し、継手具を装着するといったことが実際上難しい。
従ってホース径を小さくするにしても軸端部のかしめ部はそのままとし、他の主部のみを細径化することが望ましい。
この場合、軸端部のかしめ部は主部に対して相対的に拡径形状となる。
従ってホース径を小さくするにしても軸端部のかしめ部はそのままとし、他の主部のみを細径化することが望ましい。
この場合、軸端部のかしめ部は主部に対して相対的に拡径形状となる。
このような軸端部が拡径形状のホースを製造する手段として、一旦未加硫ホースを直管状に成形しておき、その後に軸端部のみを拡径変形させた上で加硫処理するといったことが考えられる。
例えば下記特許文献2,特許文献3には、ラジエータホース等の水系ホースにおいて、押出成形した未加硫ホースの端部にマンドレル型を挿入し、その状態で加硫成形することによってホースの軸端部を拡径形状とする点が開示されている。
例えば下記特許文献2,特許文献3には、ラジエータホース等の水系ホースにおいて、押出成形した未加硫ホースの端部にマンドレル型を挿入し、その状態で加硫成形することによってホースの軸端部を拡径形状とする点が開示されている。
しかしながら特許文献2,特許文献3に開示のホースは水系のホースであって破裂圧が小さく、補強層の編組密度も約15〜25%と低いものであって、この場合には拡径作業に際しての困難性はそれほど大きくない。
しかしながら破裂圧が5MPa以上で補強層の編組密度が50%以上もあるような高密度の高耐圧ホースとなると、マンドレル型の押込みの際に補強層による抵抗が飛躍的に増大し、拡径作業が一挙に困難化する。
しかしながら破裂圧が5MPa以上で補強層の編組密度が50%以上もあるような高密度の高耐圧ホースとなると、マンドレル型の押込みの際に補強層による抵抗が飛躍的に増大し、拡径作業が一挙に困難化する。
更にこのようにして軸端部を拡径した場合、拡径形状のかしめ部では補強層の補強糸の編角が変化してしまう(大きくなってしまう)問題を生ずる。
詳しくは、水系ホース等の低耐圧ホース及び編組密度が高密度の高耐圧ホースの何れにあっても、通常は補強層における補強糸の編角を静止角(55°)近辺とするが、その状態で軸端部を拡径してかしめ部を形成すると、かしめ部において補強糸の編角が適正角よりも大きくなってしまう問題と、更にかしめ部と主部とで補強糸の編角が不均等となってしまう問題を生ずる。
ここで補強糸の編角を静止角とすることには、次のような意味がある。
詳しくは、水系ホース等の低耐圧ホース及び編組密度が高密度の高耐圧ホースの何れにあっても、通常は補強層における補強糸の編角を静止角(55°)近辺とするが、その状態で軸端部を拡径してかしめ部を形成すると、かしめ部において補強糸の編角が適正角よりも大きくなってしまう問題と、更にかしめ部と主部とで補強糸の編角が不均等となってしまう問題を生ずる。
ここで補強糸の編角を静止角とすることには、次のような意味がある。
例えば編角が静止角よりも大角度であると、図9(イ)に示しているように内圧がかかったときに補強層がその内圧を受けて補強糸の編角を静止角とする方向に全体が長手方向に伸長して(このとき補強層は径方向に縮み変形する)変形量が大となり、また一方同図(ハ)に示しているように補強層における補強糸の編角が静止角よりも小角度であると内圧がかかったときに編角を静止角とする方向に補強層が径方向に膨張変形(このとき補強層は長手方向に縮小する)して、同じく変形量が大となってしまう。
これに対して編角を静止角ないしその近辺としておけば、同図(ロ)に示しているように内圧がかかってもホースの長手方向及び径方向の変形を防止ないし抑制できるからである。
これに対して編角を静止角ないしその近辺としておけば、同図(ロ)に示しているように内圧がかかってもホースの長手方向及び径方向の変形を防止ないし抑制できるからである。
しかるに拡径形状のかしめ部における補強糸の編角が静止角より大きくなってしまうと、輸送流体からの高圧力が繰り返し加わったときに、かしめ部の変形が助長されてしまい、しかもかしめ部と主部とで編角の相違により変形が不均等となってしまうため、耐圧性や耐久性等のホースの性能も悪化ないし不安定化してしまう問題を生ずる。
またかしめ部は拡径によって肉厚が薄くなるため、その肉厚(内面層の肉厚)が一定以下になってしまうと、継手具のかしめ付け固定によるかしめ切れの問題も生じて来る。
またかしめ部は拡径によって肉厚が薄くなるため、その肉厚(内面層の肉厚)が一定以下になってしまうと、継手具のかしめ付け固定によるかしめ切れの問題も生じて来る。
ホースにおける軸端部のかしめ部は、肉厚のばらつきや締結強度を考えると通常25〜50%程度の圧縮率を設定する必要があるが、拡径により軸端部のかしめ部の肉厚が一定以下に薄くなってしまうと、継手具のかしめ付け固定の際にかしめ部、特に内面層におけるかしめ部が、かしめ切れを起こしてしまう問題を生ずる(因みに特許文献2,特許文献3に開示のホースは継手具をかしめ付け固定する形態のものではなく、そうした問題は生じない)。
本発明は以上のような事情を背景とし、振動吸収性能が良好で流体輸送の際においても所用流量を確保でき、尚且つかしめ切れの問題も回避し得て、しかもホースとしての性能も良好で安定した、軸端部に継手具がかしめ付け固定により装着されて成る高耐圧振動吸収ホース及びその製造方法を提供することを目的としてなされたものである。
而して請求項1のものは、高耐圧振動吸収ホースに関するものであって、内面層と、その外側の補強線材を編組密度50%以上の高密度で編組して成る補強層と、更に外側のカバー層としての外面層とを有し、軸端部のかしめ部に対して剛性のインサートパイプ及びスリーブ状のソケット金具を有する継手具を、該インサートパイプを該かしめ部内部に挿入し、且つ該ソケット金具を該かしめ部の外面に嵌挿した状態で該ソケット金具を縮径方向にかしめ付けることで固定して成る、破裂圧が5MPa以上の高耐圧振動吸収ホースであって、前記継手具をかしめ付け固定する前の形状において、前記軸端部のかしめ部を他の主部に対して拡径形状となし且つ前記内面層の肉厚を1mm以上となすとともに、前記補強層における補強線材の編角を該拡径形状をなすかしめ部及び主部ともに同等の55°±2°となしてあることを特徴とする。
ここで編組密度とは補強層における補強線材の面積の割合で、補強線材間の隙間がゼロであるとき編組密度は100%となる。
ここで編組密度とは補強層における補強線材の面積の割合で、補強線材間の隙間がゼロであるとき編組密度は100%となる。
請求項2は請求項1の高耐圧振動吸収ホースの製造方法に関するものであって、前記内面層としての内面ゴム層を直管状に長尺に押出成形した後、該内面ゴム層の外周に前記補強線材を編組して前記補強層を連続的に形成し、その際に前記かしめ部となるべき部分については該補強線材を55°±2°よりも小角度の編角で編組し、また前記主部についてはかしめ部となるべき部分で編組された編角より大きく、且つ55°±2°の編角で編組して、これを長手方向に交互に繰り返して行き、更に前記外面層としての外面ゴム層を前記補強層の外周に押出成形した後、長尺の中間成形品を前記かしめ部となるべき部分で所定ホース長ごとに切断して、しかる後該切断した後のホースの軸端部にマンドレル型を押し込んで所定の拡径率で該軸端部を拡径して前記かしめ部を形成するとともに、該かしめ部の前記補強線材の編角を55°±2°となし、その後加硫処理を行って前記高耐圧振動吸収ホースを得ることを特徴とする。
請求項3の製造方法は、請求項2において、前記マンドレル型の押込みに先立って前記中間成形品ないし切断後のホースを半加硫処理しておくことを特徴とする。
請求項4の製造方法は、請求項2,3の何れかにおいて、前記マンドレル型の押込みに際して前記主部の外面を保持型により拘束保持し、その状態で該マンドレル型を押し込んで前記軸端部を拡径変形させることを特徴とする。
請求項5の製造方法は、請求項4において、前記マンドレル型の押込みを前記ホースに内圧をかけた状態で行うことを特徴とする。
以上のように本発明は、継手具をかしめ付け固定する前の形状において、軸端部のかしめ部を他の主部に対して拡径形状となし、また内面層の肉厚を1mm以上となすとともに、補強層における補強線材の編角を、拡径形状をなすかしめ部及び主部ともに同等の55°(静止角)±2°となしたものである。
かかる本発明の高耐圧振動吸収ホースでは、継手具をかしめ付け固定する前の形状において軸端部のかしめ部が拡径形状をなしているため、そこに継手具を装着する際に容易にこれを行うことができるとともに、継手具におけるインサートパイプの内径とホースの主部の内径との差を可及的に小さく或いは同一内径とすることが可能で、このことにより流体輸送時において継手具の部分で圧損を生じるのを抑制でき、また所用の流量を容易に確保することができる。
また本発明ではかしめ部の肉厚(内面層の肉厚)を1mm以上に確保しているため、継手具のかしめ付け固定によりかしめ部がかしめ切れを起す問題も防止することができる。
かかる本発明の高耐圧振動吸収ホースでは、継手具をかしめ付け固定する前の形状において軸端部のかしめ部が拡径形状をなしているため、そこに継手具を装着する際に容易にこれを行うことができるとともに、継手具におけるインサートパイプの内径とホースの主部の内径との差を可及的に小さく或いは同一内径とすることが可能で、このことにより流体輸送時において継手具の部分で圧損を生じるのを抑制でき、また所用の流量を容易に確保することができる。
また本発明ではかしめ部の肉厚(内面層の肉厚)を1mm以上に確保しているため、継手具のかしめ付け固定によりかしめ部がかしめ切れを起す問題も防止することができる。
本発明は、特に拡径形状のかしめ部における補強層の補強線材の編角を主部の編角と同等の55°±2°としている点を特徴としており、そのため、流体の高圧力がホースに対する内圧として繰り返し作用した場合においても、かしめ部の耐変形性即ち軸方向及び径方向の膨張収縮変形が抑制され、またその変形の程度も、かしめ部と主部とで均等化されるため、変形が不均等となることによってホースに対し局部的に大きな応力が発生して、そのことによる耐圧性や耐久性等のホース性能の悪化を防止でき、高耐圧振動吸収ホースに対し良好で安定した性能を付与することができる。
尚、かしめ部の編角と主部の編角とは厳密に同一でなくても良く、±2°の範囲内でそれらの間に差(ばらつき)があっても良い。
尚、かしめ部の編角と主部の編角とは厳密に同一でなくても良く、±2°の範囲内でそれらの間に差(ばらつき)があっても良い。
請求項2は上記請求項1の高耐圧振動吸収ホースの製造方法に関するもので、内面層としての内面ゴム層の外周に補強線材を編組して補強層を連続的に形成するに際し、かしめ部となるべき部分については補強線材を55°±2°よりも小角度の編角で編組し、また主部についてはかしめ部となるべき部分で編組された編角より大きく、且つ55°±2°の編角で編組して、これを長手方向に交互に繰り返して行き、そして外面層としての外面ゴム層を補強層の外周に押出成形した後、長尺の中間成形品を上記のかしめ部となるべき部分で所定ホース長ごとに切断して、その後にホースの軸端部にマンドレル型を押し込んでこれを拡径し、かしめ部を形成してその際にかしめ部の補強線材の編角を55°±2°まで拡大せしめ、その後最終的な加硫処理を行って高耐圧振動吸収ホースを製造するもので、この製造方法によれば、主部及びかしめ部ともに編角が静止角をなす高耐圧振動吸収ホースを容易に製造することができる。
尚この請求項2の製造方法において、拡径前のかしめ部となるべき部分の編角は略51°(51°±2°)程度としておくことができる。
尚この請求項2の製造方法において、拡径前のかしめ部となるべき部分の編角は略51°(51°±2°)程度としておくことができる。
この場合において上記マンドレル型の押込みに先立って、中間成形品ないし切断後のホースを半加硫処理しておくことができる(請求項3)。
このようにしておけば、その後のマンドレル型の押込みによるホースの軸端部の拡径を容易に行うことができる。
このようにしておけば、その後のマンドレル型の押込みによるホースの軸端部の拡径を容易に行うことができる。
次に請求項4の製造方法は、上記のマンドレル型の押込みに際して、上記主部の外面を保持型により拘束保持し、その状態でマンドレル型を軸端部に押し込んで拡径させるもので、この製造方法によれば、マンドレル型を軸端部且つ内部に押し込んで同軸端部を拡径させる際、主部の外面が保持型により拘束保持されているため、マンドレル型の軸方向の押込力によって軸端部が座屈を起すのを良好に防止し得て、軸端部を良好に拡径変形させることができる。
補強層における補強線材が、ホースに高耐圧性能を付与するために編組密度50%以上の高密度で編組されていると、その軸端部且つ内部にマンドレル型を押し込んで拡径させる際の抵抗が大きく、そのためにマンドレル型の押込みに伴って軸端部が軸方向に座屈を起してしまう問題を生じ易いが、本発明によればこうした不具合を生じることなく、保持型による拘束保持作用によってマンドレル型を円滑に軸端部の内部に押し込むことができ、これにより同軸端部を良好に拡径変形させることができる。
補強層における補強線材が、ホースに高耐圧性能を付与するために編組密度50%以上の高密度で編組されていると、その軸端部且つ内部にマンドレル型を押し込んで拡径させる際の抵抗が大きく、そのためにマンドレル型の押込みに伴って軸端部が軸方向に座屈を起してしまう問題を生じ易いが、本発明によればこうした不具合を生じることなく、保持型による拘束保持作用によってマンドレル型を円滑に軸端部の内部に押し込むことができ、これにより同軸端部を良好に拡径変形させることができる。
一方請求項5の製造方法は、マンドレル型を押し込む際にホースに内圧をかけて径方向に膨張力を作用させ、その状態でマンドレル型を押し込むもので、このようにすることでマンドレル型の押込みによる軸端部の拡径変形をより容易に行うことができる。
次に本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1において、10は例えば冷媒輸送用ホース(エアコンホース)等として用いられる高耐圧振動吸収ホース(以下単にホースとする)で、ホース本体12と、軸端部のかしめ部12B(図2参照)にかしめ付け固定された一対の継手金具14とを有している。
ホース本体12は、図1(B)に示しているように内面ゴム層(内面層)16と、その外側の補強糸(補強線材)をブレード編組して成る補強層18と、最外層のカバー層としての外面ゴム層(外面層)20とを積層して構成してある。
図1において、10は例えば冷媒輸送用ホース(エアコンホース)等として用いられる高耐圧振動吸収ホース(以下単にホースとする)で、ホース本体12と、軸端部のかしめ部12B(図2参照)にかしめ付け固定された一対の継手金具14とを有している。
ホース本体12は、図1(B)に示しているように内面ゴム層(内面層)16と、その外側の補強糸(補強線材)をブレード編組して成る補強層18と、最外層のカバー層としての外面ゴム層(外面層)20とを積層して構成してある。
ここで補強層18を構成する補強糸としてPET,PEN,アラミド,PA(ポリアミド),ビニロン,レーヨン,金属ワイヤ等を用いることができる。
また内面ゴム層16としてIIR,ハロゲン化−IIR(Cl−IIR,Br−IIR),NBR,CR,EPDM,EPM,FKM,ECO,シリコンゴム,ウレタンゴム,アクリルゴム等の単独材若しくはブレンド材を用いることができる。
但しHFC系冷媒輸送用ホースの場合には特にIIR,ハロゲン化−IIRの単独材又はブレンド材が好ましい。
但しHFC系冷媒輸送用ホースの場合には特にIIR,ハロゲン化−IIRの単独材又はブレンド材が好ましい。
また外面ゴム層20として、上記内面ゴム層16で列挙した各種ゴム材を用いることができるが、それ以外にも熱収縮チューブや熱可塑性エラストマー(TPE)を使用することも可能で、材質としてはアクリル系,スチレン系,オレフィン系,ジオレフィン系,塩化ビニル系,ウレタン系,エステル系,アミド系,フッ素系等を用いることができる。
図2に示しているように上記継手金具14は、金属製の剛性のインサートパイプ22と、スリーブ状のソケット金具24とを有しており、そのインサートパイプ22をホース本体12における軸端部のかしめ部12B内に挿入し、またソケット金具24をかしめ部12Bの外面に嵌挿してこれを縮径方向にかしめ付けることで、それらインサートパイプ22とソケット金具24とでかしめ部12Bを内外方向に挟圧する状態に、ホース本体12にかしめ付け固定されている。
ここでソケット金具24には内向きの環状の係止部26が設けられていてその係止部26の内周端部が、インサートパイプ22の外周面の環状の係止溝28に係止させられている。
尚図1中15は、インサートパイプ22に回転可能に取り付けられた袋ナットである。
ここでソケット金具24には内向きの環状の係止部26が設けられていてその係止部26の内周端部が、インサートパイプ22の外周面の環状の係止溝28に係止させられている。
尚図1中15は、インサートパイプ22に回転可能に取り付けられた袋ナットである。
本実施形態ではまた、図2に示しているようにホース本体12における主部12Aの内径d3、具体的には内面ゴム層16における主部16Aの内径d3と、インサートパイプ22の内径d4とが同一内径とされている。
図3は継手金具14をかしめ付ける前のホース本体12の形状を表している。
同図において12Aはホース本体12における主部を、12Bは軸端部のかしめ部を表しており、図示のようにこの実施形態では主部12Aの外径d1が、かしめ部12Bの外径d2よりも細径をなしている。
即ち従来のこの種ホースにあっては、主部の外径がかしめ部の外径と同一外径であったのが、ここでは主部12Aのみが細径化されている。
その結果として、かしめ部12Bは主部12Aに対して拡径形状をなしている。
同図において12Aはホース本体12における主部を、12Bは軸端部のかしめ部を表しており、図示のようにこの実施形態では主部12Aの外径d1が、かしめ部12Bの外径d2よりも細径をなしている。
即ち従来のこの種ホースにあっては、主部の外径がかしめ部の外径と同一外径であったのが、ここでは主部12Aのみが細径化されている。
その結果として、かしめ部12Bは主部12Aに対して拡径形状をなしている。
尚図3において、16Aは内面ゴム層16における主部を、16Bはかしめ部を表しており、また18Aは補強層18における主部を、18Bはかしめ部を表している。
更に20Aは外面ゴム層20における主部を、20Bはかしめ部を表している。
更に20Aは外面ゴム層20における主部を、20Bはかしめ部を表している。
本実施形態においては、図3(A)に示しているように補強層18における主部18Aの補強糸の編角が静止角である55°±2°の編角θ2とされており、また一方拡径形状の軸端部のかしめ部18Bにおいても、補強糸の編角が同じ編角θ2とされている。
尚内面ゴム層16は、図3(B)に示しているように主部16Aの肉厚t1に対してかしめ部16Bの肉厚t2が小さくなっている。但しt2は1mm以上の厚みを有している。
図4及び図5は本実施形態のホース10の製造方法を示している。
図4(I)に示しているように、先ずこの製造方法では内面ゴム層16をマンドレル30の外周上に長尺に直管状に押出成形する。
そしてその後、図4(II)に示しているように内面ゴム層16の外周上に補強糸をブレード編組して、補強層18を軸方向に連続的に形成して行く。
その際、後に拡径されてかしめ部となるべき部分18B-1については、補強糸を静止角である55°±2°よりも小さい編角θ1、例えば51°の編角で編組し、また主部18Aについては、補強糸を静止角である55°±2°の編角θ2で編組し、そしてこれを長手方向に交互に繰り返して行く。
図4(I)に示しているように、先ずこの製造方法では内面ゴム層16をマンドレル30の外周上に長尺に直管状に押出成形する。
そしてその後、図4(II)に示しているように内面ゴム層16の外周上に補強糸をブレード編組して、補強層18を軸方向に連続的に形成して行く。
その際、後に拡径されてかしめ部となるべき部分18B-1については、補強糸を静止角である55°±2°よりも小さい編角θ1、例えば51°の編角で編組し、また主部18Aについては、補強糸を静止角である55°±2°の編角θ2で編組し、そしてこれを長手方向に交互に繰り返して行く。
尚、かしめ部となるべき部分18B-1と、主部18Aとの間には移行部19-1が設けてある。
この移行部19-1は、図4(IV)に示しているようにかしめ部12Bと主部12Aとの境界部分のテーパ形状となる部分である。
この移行部19-1において、補強糸の編角はかしめ部となるべき部分18B-1の編角θ1から主部18Aの編角θ2に向けて変化している。
尚、図4(II)中18B-1で表される部分の長さは、図4(IV)に示すホース本体12(図1に示す製品となったホース10)のかしめ部18Bの2倍長に亘っている。
この移行部19-1は、図4(IV)に示しているようにかしめ部12Bと主部12Aとの境界部分のテーパ形状となる部分である。
この移行部19-1において、補強糸の編角はかしめ部となるべき部分18B-1の編角θ1から主部18Aの編角θ2に向けて変化している。
尚、図4(II)中18B-1で表される部分の長さは、図4(IV)に示すホース本体12(図1に示す製品となったホース10)のかしめ部18Bの2倍長に亘っている。
以上のようにして補強層18を形成したら、次に補強層18の外周上に外面ゴム層20(図4(III)参照)を長手方向に長尺に連続押出成形する。
その後このようにして得た長尺の中間成型品を一旦半加硫炉に入れて半加硫し、そしてその後に半加硫後の長尺の中間成形品を、かしめ部12Bとなるべき部分の中間位置(詳しくは図4(III)の切断位置C)で所定ホース長ごとに切断し、ホース12-1とする。
その後このようにして得た長尺の中間成型品を一旦半加硫炉に入れて半加硫し、そしてその後に半加硫後の長尺の中間成形品を、かしめ部12Bとなるべき部分の中間位置(詳しくは図4(III)の切断位置C)で所定ホース長ごとに切断し、ホース12-1とする。
次に、図5に示しているように先端部に小径部31を有するマンドレル型32を用いて切断後のホース12-1の軸端部を拡径変形させる。
尚マンドレル型32の押込みによる軸端部の拡径は拡径率33%で行った。
そしてこの拡径変形によって、図4(IV)に示しているように上記のかしめ部12Bが形成されるとともに、このときに当初静止角よりも小角度であった、かしめ部となるべき部分18B-1の編角θ1が静止角である55°±2°まで大きくなり、主部18Aにおける編角θ2と同角度となる。
尚マンドレル型32の押込みによる軸端部の拡径は拡径率33%で行った。
そしてこの拡径変形によって、図4(IV)に示しているように上記のかしめ部12Bが形成されるとともに、このときに当初静止角よりも小角度であった、かしめ部となるべき部分18B-1の編角θ1が静止角である55°±2°まで大きくなり、主部18Aにおける編角θ2と同角度となる。
この軸端部の拡径変形は、図5に示しているように円筒状の保持型34を用いて行うことができる。
詳しくは、図5(I)に示しているように円筒状の保持型34をホース12-1の主部12Aに嵌挿してその外面を拘束保持しておき、その状態で(II)に示しているように軸端部且つ内部にマンドレル型32を軸方向に押し込んで、軸端部をマンドレル型32の形状,外径に対応した形状に拡径変形させる。
このとき、主部12Aが保持型34にて拘束保持されていることにより、補強層18(詳しくは補強層18におけるかしめ部18B)の拡径方向の抵抗に抗してマンドレル型32を押し込んだ場合であっても軸端部が座屈を起こさず、マンドレル型32によって良好に拡径変形させることができる。
詳しくは、図5(I)に示しているように円筒状の保持型34をホース12-1の主部12Aに嵌挿してその外面を拘束保持しておき、その状態で(II)に示しているように軸端部且つ内部にマンドレル型32を軸方向に押し込んで、軸端部をマンドレル型32の形状,外径に対応した形状に拡径変形させる。
このとき、主部12Aが保持型34にて拘束保持されていることにより、補強層18(詳しくは補強層18におけるかしめ部18B)の拡径方向の抵抗に抗してマンドレル型32を押し込んだ場合であっても軸端部が座屈を起こさず、マンドレル型32によって良好に拡径変形させることができる。
その際、内面ゴム層16におけるかしめ部16Bの肉厚はその拡径変形によって薄くなるが、上記のようにかしめ部16Bの肉厚t2(図3(B)参照)は拡径変形後において1mm以上が確保されている。
換言すれば、マンドレル型32の挿入によって所定の拡径率で軸端部を拡径変形させたとき、拡径変形後の内面ゴム層16におけるかしめ部16Bの肉厚t2が1mm以上となるように、内面ゴム層16の肉厚、具体的には主部16Aの肉厚t1が定められている。
換言すれば、マンドレル型32の挿入によって所定の拡径率で軸端部を拡径変形させたとき、拡径変形後の内面ゴム層16におけるかしめ部16Bの肉厚t2が1mm以上となるように、内面ゴム層16の肉厚、具体的には主部16Aの肉厚t1が定められている。
尚本実施形態において、内面ゴム層16における主部16Aの肉厚t1はまた、ホース10に対して良好な振動吸収性を与え、一方で内部流体の耐透過性,透水性を与えるのに必要な肉厚としておく。
以上のようにしてマンドレル型32を押込挿入して軸端部を拡径変形させたところで、マンドレル型32を挿入した状態のままホース12-1を加硫処理する(図5(III))。
そして加硫処理が済んだらマンドレル型32を抜き取って、その拡径されたホース本体12のかしめ部12Bに対し継手金具14をかしめ付け固定する。
ここにおいて図1に示すホース10が得られる。
そして加硫処理が済んだらマンドレル型32を抜き取って、その拡径されたホース本体12のかしめ部12Bに対し継手金具14をかしめ付け固定する。
ここにおいて図1に示すホース10が得られる。
図5では単にマンドレル型32をホース12-1の軸端部に押込挿入するようにしているが、補強層18による抵抗によってマンドレル型32を押込挿入し辛い場合には、図6に示しているように管体36,マンドレル型32を貫通して設けた通路38を通じてホース12-1の内部に加圧流体を導き、内圧をかけた状態でマンドレル型32をホース12-1内に押込挿入するようになしても良い。
例えば拡径率が大きい場合にマンドレル型32の押込挿入が困難である場合があり、そのような場合にはホース12-1に内圧をかけた状態でマンドレル型32を押込挿入することができ、これにより円滑にマンドレル型32を押込挿入することができる。
例えば拡径率が大きい場合にマンドレル型32の押込挿入が困難である場合があり、そのような場合にはホース12-1に内圧をかけた状態でマンドレル型32を押込挿入することができ、これにより円滑にマンドレル型32を押込挿入することができる。
以上のような本実施形態のホース10においては、継手金具14をかしめ付け固定する前の形状において軸端部のかしめ部12Bが拡径形状をなしているため、そこに継手金具14を装着する際に容易にこれを行うことができるとともに、継手金具14におけるインサートパイプ22の内径d4とホース本体12の主部12Aの内径d3は同一内径であることから、流体輸送時において継手金具14の部分で圧損を生じるのを抑制でき、また所用の流量を容易に確保することができる。
また本実施形態では、内面ゴム層16のかしめ部16Bの肉厚t2を1mm以上としているため、継手金具14のかしめ付け固定によりかしめ部16Bがかしめ切れを起す問題も防止することができる。
また本実施形態では、内面ゴム層16のかしめ部16Bの肉厚t2を1mm以上としているため、継手金具14のかしめ付け固定によりかしめ部16Bがかしめ切れを起す問題も防止することができる。
また本実施形態では、かしめ部12Bにおける補強糸の編角を主部12Aの編角と同等の55°±2°としているため、流体の高圧力がホース10に対する内圧として繰り返し作用した場合においても、かしめ部12Bの耐変形性即ち軸方向及び径方向の膨張収縮変形が抑制され、またその変形の程度もかしめ部12Bと主部12Aとで均等化されているため、変形が不均等となることによってホース10に対し局部的に大きな応力が発生して、そのことによる耐圧性や耐久性等のホース性能の悪化を防止でき、ホース10に対し良好で安定した性能を付与することができる。
また本実施形態のホース10の製造方法は、内面ゴム層16の外周に補強糸を編組して補強層18を形成するに際し、かしめ部となるべき部分18B-1については補強糸を55°±2°よりも小角度の編角θ1で編組し、また主部18Aについては静止角である55°±2°の編角θ2で編組して、これを長手方向に交互に繰り返し、そして外面ゴム層20を補強層18の外周に押出成形した後、長尺の中間成形品をかしめ部となるべき部分で所定ホース長ごとに切断して、切断後のホース12-1の軸端部にマンドレル型32を押込挿入してこれを拡径し、かしめ部12Bを形成してその際にかしめ部18Bの補強糸の編角を静止角55°±2°まで拡大させ、その後に最終的な加硫処理を行ってホース10を製造するものであるため、軸端部を拡径してかしめ部12Bを形成するにも拘わらず主部12A及びかしめ部12Bともに編角が静止角をなすホース10を容易に製造することができる。
また併せて本実施形態では、上記マンドレル型32の押込みに先立って中間成形品を半加硫処理するため、その後のマンドレル型32の押込挿入による軸端部の拡径を容易に行うことができる。
また併せて本実施形態では、上記マンドレル型32の押込みに先立って中間成形品を半加硫処理するため、その後のマンドレル型32の押込挿入による軸端部の拡径を容易に行うことができる。
更に本実施形態では、上記のマンドレル型32の押込挿入に際して、上記主部12Aの外面を保持型34により拘束保持し、その状態でマンドレル型32を軸端部に押し込んで拡径させるため、マンドレル型32の軸方向の押込力によって軸端部が座屈を起すのを良好に防止し得て、軸端部を良好に拡径変形させることができる。
表1に示す各種構成のホース10を製造し、拡径時のマンドレル型32の挿入性,加圧時長さ変化率,RT(室温)破裂圧,高温繰返し加圧耐久性を評価した。
尚、表1において補強層の打込本数3本揃え×48打とあるのは1000de(デニール)の補強糸を3本並べて48個のキャリアでブレード編組したことを表している。
同様に2本揃え×48打とあるのは1000deの補強糸を2本並べて48個のキャリアでブレード編組したことを表している。
また22本×2スパイラルとあるのは、1200deの補強糸を22本一方向にスパイラル状に巻き付けることによって第1の補強層を形成し、次いで該第1の補強層の外周に前記一方向とは逆の方向にスパイラル状に巻き付けたことを表している。
同様に2本揃え×48打とあるのは1000deの補強糸を2本並べて48個のキャリアでブレード編組したことを表している。
また22本×2スパイラルとあるのは、1200deの補強糸を22本一方向にスパイラル状に巻き付けることによって第1の補強層を形成し、次いで該第1の補強層の外周に前記一方向とは逆の方向にスパイラル状に巻き付けたことを表している。
尚表1における拡径時のマンドレル型32の挿入性,加圧時長さ変化率,RT破裂圧,高温繰返し加圧耐久性の各評価,測定はそれぞれ以下の条件で行った。
<拡径時のマンドレル型挿入性>
ホース10の製造時において軸端部を拡径する際のマンドレル型32の押込挿入性を〇,△,×の3段階で評価した。
ここで拡径方法としては図5に示す無加圧下での拡径方法を用い、それが難しい場合には(評価が〇で無い場合には)、図6に示す方法、即ちホース12-1内部に内圧をかけた状態でマンドレル型32を挿入する拡径方法を用い、評価を行った。
ホース10の製造時において軸端部を拡径する際のマンドレル型32の押込挿入性を〇,△,×の3段階で評価した。
ここで拡径方法としては図5に示す無加圧下での拡径方法を用い、それが難しい場合には(評価が〇で無い場合には)、図6に示す方法、即ちホース12-1内部に内圧をかけた状態でマンドレル型32を挿入する拡径方法を用い、評価を行った。
<加圧時長さ変化率>
1.5MPa×5分加圧した後の長さを測定して加圧する前の長さとの差を求め、変化率を算出した。
1.5MPa×5分加圧した後の長さを測定して加圧する前の長さとの差を求め、変化率を算出した。
<RT破裂圧>
ホース10内部に室温で水圧をかけ、そして昇圧速度160MPa/分で昇圧し破裂に到ったときの圧力で表した。
ホース10内部に室温で水圧をかけ、そして昇圧速度160MPa/分で昇圧し破裂に到ったときの圧力で表した。
<高温繰返し加圧耐久性>
図7に示しているようにホース中心を略L字状に曲げた状態に維持して片端に密栓40を施した上、両端を固定した状態でホース10内部に油圧を繰り返し供給し耐久性を評価した。
ここで油圧の供給は繰返し圧力3.5MPa,加圧速度35cpmの条件で行った。
これらの結果が表1に併せて示してある。
図7に示しているようにホース中心を略L字状に曲げた状態に維持して片端に密栓40を施した上、両端を固定した状態でホース10内部に油圧を繰り返し供給し耐久性を評価した。
ここで油圧の供給は繰返し圧力3.5MPa,加圧速度35cpmの条件で行った。
これらの結果が表1に併せて示してある。
表1の結果において、比較例Aではホースの主部,かしめ部ともに補強糸の編角が45°,49°と、それぞれ静止角55°±2°よりも小さく、そのためマンドレル型挿入性については比較的良好であるものの、編角が小さいことにより、更にはかしめ部と主部との間で編角が不均等となっているため、加圧時の長さ変化率が大きな値となっており、また高温繰返し加圧耐久性も3万回で低い値となっている。
また比較例Bでは、ホースの主部における補強糸の編角が50°と低く、更にかしめ部における補強糸の編角も53°と静止角55°±2°の下限値にあるとともに、かしめ部と主部との間で編角が不均等となっているため、加圧時の長さ変化率が大きな値となっている。
また高温繰返し加圧耐久性も0.2万回と低い値となっている。
また高温繰返し加圧耐久性も0.2万回と低い値となっている。
尚、比較例A及びBにおける拡径時のマンドレル型32の挿入性において1MPa加圧でのマンドレル型32の挿入性の評価が△となっているのは、加圧力が一定以上に高くなると却ってマンドレル型32の挿入に対する抵抗が大きくなることを示している。
一方比較例Cでは、ホースの主部における補強糸の編組密度が18%と低く、このためRT破裂圧が2.4と著しく低い値となっている。
尚比較例Cでは拡径時のマンドレル型挿入性が良好となっているが、これはかしめ部の拡径率が13%と低い値であることによる。
尚比較例Cでは拡径時のマンドレル型挿入性が良好となっているが、これはかしめ部の拡径率が13%と低い値であることによる。
これに対してホースの主部及びかしめ部における補強糸の編角が何れも静止角である55°±2°の範囲内にある実施例1,実施例2については、拡径時のマンドレル型挿入性,加圧時長さ変化率,RT破裂圧,高温繰返し加圧耐久性の何れも良好となっている。
以上本発明の実施形態を詳述したがこれはあくまで一例示であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態,態様で構成,実施可能である。
10 高耐圧振動吸収ホース
12 ホース本体
12-1 切断後のホース
12A,18A 主部
12B,18B かしめ部
14 継手金具
16 内面ゴム層(内面層)
18 補強層
20 外面ゴム層(外面層)
22 インサートパイプ
24 ソケット金具
32 マンドレル型
34 保持型
12 ホース本体
12-1 切断後のホース
12A,18A 主部
12B,18B かしめ部
14 継手金具
16 内面ゴム層(内面層)
18 補強層
20 外面ゴム層(外面層)
22 インサートパイプ
24 ソケット金具
32 マンドレル型
34 保持型
Claims (5)
- 内面層と、その外側の補強線材を編組密度50%以上の高密度で編組して成る補強層と、更に外側のカバー層としての外面層とを有し、軸端部のかしめ部に対して剛性のインサートパイプ及びスリーブ状のソケット金具を有する継手具を、該インサートパイプを該かしめ部内部に挿入し、且つ該ソケット金具を該かしめ部の外面に嵌挿した状態で該ソケット金具を縮径方向にかしめ付けることで固定して成る、破裂圧が5MPa以上の高耐圧振動吸収ホースであって、
前記継手具をかしめ付け固定する前の形状において、前記軸端部のかしめ部を他の主部に対して拡径形状となし且つ前記内面層の肉厚を1mm以上となすとともに、前記補強層における補強線材の編角を該拡径形状をなすかしめ部及び主部ともに同等の55°±2°となしてあることを特徴とする高耐圧振動吸収ホース。 - 請求項1の高耐圧振動吸収ホースの製造方法であって、
前記内面層としての内面ゴム層を直管状に長尺に押出成形した後、該内面ゴム層の外周に前記補強線材を編組して前記補強層を連続的に形成し、その際に前記かしめ部となるべき部分については該補強線材を55°±2°よりも小角度の編角で編組し、また前記主部についてはかしめ部となるべき部分で編組された編角より大きく、且つ55°±2°の編角で編組して、これを長手方向に交互に繰り返して行き、更に前記外面層としての外面ゴム層を前記補強層の外周に押出成形した後、長尺の中間成形品を前記かしめ部となるべき部分で所定ホース長ごとに切断して、しかる後該切断した後のホースの軸端部にマンドレル型を押し込んで所定の拡径率で該軸端部を拡径して前記かしめ部を形成するとともに、該かしめ部の前記補強線材の編角を55°±2°となし、その後加硫処理を行って前記高耐圧振動吸収ホースを得ることを特徴とする高耐圧振動吸収ホースの製造方法。 - 請求項2において、前記マンドレル型の押込みに先立って前記中間成形品ないし切断後のホースを半加硫処理しておくことを特徴とする高耐圧振動吸収ホースの製造方法。
- 請求項2,3の何れかにおいて、前記マンドレル型の押込みに際して前記主部の外面を保持型により拘束保持し、その状態で該マンドレル型を押し込んで前記軸端部を拡径変形させることを特徴とする高耐圧振動吸収ホースの製造方法。
- 請求項4において、前記マンドレル型の押込みを前記ホースに内圧をかけた状態で行うことを特徴とする高耐圧振動吸収ホースの製造方法。
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