JP2004003636A - フレキシブルジョイント - Google Patents
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Abstract
【課題】省スペースで高耐圧のフレキシブルジョイントを提供する。
【解決手段】スパイラル状に成形したホース2を有するフレキシブルジョイント1を提供する。スパイラル状にすることにより、ホース自身の構成を変えずに曲がりを多く導入できるため、高耐圧で省スペースのフレキシブルジョイント1を提供できる。フレキシブルジョイント1をレイアウトする制限が減るので、エンジンルームなどの狭いスペースに設置されるパイプアッセンブリの適切な場所にフレキシブルジョイント1を配置でき、耐久性の高いパイプアッセンブリを提供できる。
【選択図】 図1
【解決手段】スパイラル状に成形したホース2を有するフレキシブルジョイント1を提供する。スパイラル状にすることにより、ホース自身の構成を変えずに曲がりを多く導入できるため、高耐圧で省スペースのフレキシブルジョイント1を提供できる。フレキシブルジョイント1をレイアウトする制限が減るので、エンジンルームなどの狭いスペースに設置されるパイプアッセンブリの適切な場所にフレキシブルジョイント1を配置でき、耐久性の高いパイプアッセンブリを提供できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車載の空気調和システムの配管系などに適したフレキシブルジョイントに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車載の空気調和システム(カーエアコン)においては、コンプレッサの振動が大きいので、長さ400mm程度のホースをL字型またはU字型に屈曲させたフレキシブルジョイントを介してコンプレッサと冷媒配管とを接続している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
カーエアコン以外の空気調和システムにおいても、コンプレッサの振動の配管系に対する影響を少なくするためにフレキシブルジョイントは利用されているが、カーエアコン用の配管では、エンジンルーム内の限られたスペースで大きな振動あるいは変位を吸収できるようにする必要がある。したがって、フレキシビリティーが高く、占有スペースの小さなフレキシブルジョイントが要求される。
【0004】
ゴムまたはゴムと樹脂の複合材からなるホースは、金属配管と比較すると弾性が高いので、ある程度のフレキシビリティーはある。しかしながら、冷媒透過性を最小限にし、数MPa程度の耐圧性も要求されるので、ホース自体の柔軟性は低下する。したがって、振動を吸収するためには、ある程度の長さが必要となり、そのホースが占める長さを短縮するためにL字型またはU字型に成形されている。さらに、このような形状は、様々な方向の振動あるいは変位を吸収する点でも適している。しかしながら、配管の長手方向に対して垂直な方向にスペースが必要となるために、エンジンルーム内におけるレイアウトの制約が大きく、必ずしも適切な位置に適切なサイズのフレキシブルジョイントが配置できるとは限らない。
【0005】
直管状で様々な方向の振動や変位を吸収するフレキシブルジョイントとしては、蛇腹状に壁面を構成したものがある。しかしながら、このタイプのフレキシブルジョイントは、ホースの壁面が変形することでフレキシビリティーを得ようとしているために耐圧性とフレキシビリティーとを両立させることは困難である。
【0006】
そこで、本発明においては、耐圧性が高く、振動および変位の吸収能力も高く、さらに、占有スペースも小さいフレキシブルジョイントを提供することを目的としている。さらに、配管を接続する際のレイアウトの制約が小さい、高耐圧のフレキシブルジョイントを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明においては、ホースの壁面ではなく、ホース自身をスパイラル状に成形したフレキシブルジョイントを提供する。スパイラルな形状は、短い距離に多くの曲がりを導入できるので様々な方向の振動や変位を吸収でき、さらに全体として、スパイラルを形成する配管より若干径が大きな直管状のスペースを占有するだけになる。さらに、ホース自身の構成を変える必要がないので、ホースの耐圧性を損なうことはない。したがって、高耐圧で省スペースのフレキシブルジョイントを提供できる。しかしながら、自重により変形するようなフレキシブルジョイントでは、他の配管や機構との干渉を避けるためのスペースが必要となりレイアウト上の制約はそれほど改善されない。そこで、本発明においては、自重によりほとんど変形することがない程度の、自己形状をほぼ保持可能な範囲でスパイラル状に成形した、樹脂および/またはゴム製のホースを有するフレキシブルジョイントを提供する。
【0008】
樹脂・ゴムまたはゴム製のホースであれば、1〜5ターンのスパイラル状に成形することにより、さらに好ましくは、2〜3ターンのスパイラル状に成形することにより、振動や変位を吸収するために充分なフレキシビリティーを得ることができる。その一方で、この程度のターン数のスパイラル形状であれば、自重による変形はほとんど無視できる程度に抑えられる。なお、本明細書において、スパイラル形状とは、コイル形状、渦巻き形状あるいは螺旋形状と呼ばれるものを含むものである。
【0009】
カーエアコンなどの冷媒を循環する配管系であると、外径が10〜25mm程度のホースを、外径が40〜60mm程度のスパイラル状に成形することにより、振動や変位を吸収するために充分なフレキシビリティーを得ることができる。したがって、本発明により、ホース自身としてはフレキシビリティーがそれほど高くない冷媒用の低透過性ホースを用いて、十分なフレキシビリティーがあり、その一方で、自己変形が少なく経路保証が可能で省スペースなフレキシブルジョイントを提供できる。
【0010】
このため、本発明のフレキシブルジョイントはレイアウト制約が小さいフレキシブルジョイントであり、このフレキシブルジョイントを挟んで剛性の配管を接続することにより、エンジンルームなどの限られたスペースに設置するのに最適なパイプアッセンブリを提供できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1に、本発明のフレキシブルジョイント1の概要を示してある。このフレキシブルジョイント1は、スパイラル形状またはコイル形状に成形されたホース2を3ターン分だけ切断し、その両端3にコネクタサブアッセンブリ10を取り付けたものである。ホース2は、冷媒用の低透過性のホースであり、図2に示すように内層が樹脂で外層がゴムの樹脂・ゴムタイプと、内層および外層がゴムのゴムタイプのものが知られている。
【0012】
図2(a)は、樹脂・ゴムタイプのホース2の一例であり、最内層21がポリアミド樹脂などからなる樹脂層で、それをゴム製の中間層22、補強層23、ゴム製の中間シート24、補強層25およびゴム製の外層26で覆っている。ゴム製の層22、24および26には、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、ニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、アクリルゴム(ACM)、エチレンアクリルゴム(AEM)などが用いられる。ブチルゴム(IIR)は気密性が高いので、内側の層に使用され、外側の層はコストメリットのあるエチレンプロピレンゴムが一般に使用される。補強層23および25には、ポリエチレンテレフタレート繊維(PET)、ポリエチレンナフタレート繊維(PEN)、ナイロン繊維、アラミド繊維、カーボン繊維、銅線、ステンレスワイヤーなどが編みこまれた層やスパイラル状に巻かれた層が使用される。
【0013】
図2(b)は、総ゴムタイプのホース2の一例であり、最内層27と、中間層24と外層26がゴム製の層で、それぞれの層の間に補強層23および25が配置されている。カーエアコンに用いられるこれらのホース2の外径は、15〜22.3mm程度のものが多く、耐圧および低透過率とするために内径は、7.5〜11mm程度と肉厚のホースとなっている。
【0014】
このような構成のホース2を、スパイラル形状に連続押し出し成形したり、半加硫の直管状のホースをスパイラル形状に加硫成形することにより、スパイラル状に成形されたホース2を得ることができる。外径が10〜25mm程度のホース2であると、外径φが40〜60mm程度のスパイラル状に成形することが可能である。この程度の外径φのスパイラルであると、成形したときにホース2が変形して口径(内面積)が極端に減少するようなことはない。また、ホースそのものの構成が変わることはないので、ホースそのものの耐圧は維持できる。そして、適当な巻数(ターン数)だけ切断して、両端3にコネクタサブアッセンブリ10を取り付けることにより、高耐圧で省スペースのフレキシブルジョイント1を形成できる。
【0015】
図3に示すように、フレキシブルジョイント1のコネクタサブアッセンブリ(口金具)10には、ステンレス、銅あるいはアルミ合金などの金属製で剛性の高い配管5を接続することが可能であり、複数の配管5を、フレキシブルジョイント1を介して接続したパイプアッセンブリ6を提供できる。このパイプアッセンブリ6では、剛性の高い配管5がスパイラル状に成形されたホース2を介して接続されているので、一方の配管5から伝達される様々な方向の振動やそれほど大きくない変位は、スパイラル状のホース2で吸収され、直には他方の配管5に伝達されることはない。したがって、フレキシブルジョイント1は振動あるいは変位を抑制する充分な機能を果たす。特に、本例のフレキシブルジョイント1では、曲がりが多く導入されたスパイラル状のホース2の変位幅を大きく確保できるので、カーエアコンのような振動あるいは変位の大きなシステムに適したパイプアッセンブリ6を提供できる。
【0016】
さらに、本例のフレキシブルジョイント1の外径φは、ホース2の外径の数倍(本例では4倍程度)に収まる。従来のホースをL字型やU字型に曲げたパイプアッセンブリでは、ホースの直径の10倍あるいはそれ以上の配置スペースが要求されることと比較すると、ホース2が占めるスペースは小さくなり、レイアウト的な制約は少なくなる。このため、コンプレッサのごく近傍などの適切な場所にフレキシブルジョイントを配置できるようになる。したがって、エンジンルーム内の狭いスペースに配置するパイプアッセンブリ6であっても、適切な位置にフレキシブルジョイントを設け、カーエアコンを構成する配管に対するコンプレッサあるいはエンジンの振動の影響を最小限に抑えることが可能となる。
【0017】
また、ホースをスパイラル形状にすることにより、短い距離に多くの曲がりを設けられるので、U字あるいはL字型に成形した場合よりも、短い距離でフレキシビリティーを高めることができる。したがって、フレキシブルジョイント1として要求されるホース2の長さを削減することが可能となり、その点でも省スペースでレイアウト制限の少ないパイプアッセンブリ6を提供できる。また、ホース2を短くできるので、製造コストも下げられる。
【0018】
さらに、スパイラル形状にして短い距離に多くの曲がりを導入できるので、スパイラルのターン数はそれほど多くなくてもフレキシビリティーは向上できる。したがって、自重で変形してしまうほど、スパイラル形状の部分のターン数を増やさなくても、充分なフレキシビリティーが得られる。スパイラルに成形されたホースから1〜5ターン程度、さらに好ましくは2〜3ターン程度を切断して用いるだけで、充分に柔軟なフレキシブルジョイント1を作成できる。このため、本例のフレキシブルジョイント1は、柔軟性はあっても自己形状をほぼ保持することができるものであり、パイプアッセンブリ6としてエンジンルームなどに配置したときに、コンプレッサの振動や変位によりホース2が変形するスペースを除き、他のパイプや機構との干渉を避けるためのクリアランスは最小にできる。この点でも、本例のフレキシブルジョイント1は、省スペースでレイアウトし易い。また、ターン数が少なくてよいので、ジョイント全体の長さも短くなり、たとえば、全長が100mm程度に収まるフレキシブルジョイントを提供できる。この点でも、本例のフレキシブルジョイントは省スペースである。
【0019】
図4に示したパイプアッセンブリ6は、配管5を直線的に接続し易いフレキシブルジョイント11を採用している。図1および3に示したフレキシブルジョイント1では、直線的なコネクタサブアッセンブリを採用しているのに対し、図4に示したフレキシブルジョイント11では、ホース2のスパイラル形状の中心軸に沿って反対側に伸びるように曲がったコネクタサブアッセンブリ10を採用している。このフレキシブルジョイント11は、配管5を直線的に配置できるので、そのような配管レイアウトが必要とされるパイプアッセンブリ6に適している。
【0020】
なお、図1および図3に示したフレキシブルジョイント1では、スパイラル形状に成形したホース2から適当なターン数を切断して利用しているが、ホースをスパイラル形状に成形するとともに、その両端がスパイラル形状の中心軸に沿って反対側に伸びるように成形することも可能である。図1および3に示したフレキシブルジョイント1は、大量に押し出し成形されたスパイラル状のホースを切断したものを利用して製造することができるので、低コストでフレキシブルジョイントを提供できる。これに対し、両端がスパイラル形状の中心軸に沿って反対側に伸びるように成形したフレキシブルジョイントは、ホースをスパイラル以外の形状にも曲げる必要があるので、加硫成形などにより個々に成形するために製造コストがアップする。しかしながら、配管5を直線的に配置できる利点がある。
【0021】
以上のフレキシブルジョイント1および11は、3ターン分のスパイラル形状のホース2を備えているが、ターン数およびスパイラル部分の外形などは、各々のフレキシブルジョイントで吸収すべき振動の周波数や変位などに応じて選択することができる。また、スパイラル部分の外径は必ずしも同一である必要はなく、最も振動を吸収しやすい形状を選択することも可能である。したがって、本発明のスパイラル状のホースを有するフレキシブルジョイント1は、振動を吸収するために調整可能なファクタが多くあり、配管系の振動を吸収あるいは抑制するのに適した形状のフレキシブルジョイントを提供することが可能となる。
【0022】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明のフレキシブルジョイントは、スパイラル状に成形したホースを有するものであり、ホース自身の構成を変えずに曲がりを多く導入できるため、高耐圧で省スペースのフレキシブルジョイントを提供できる。したがって、フレキシブルジョイントをレイアウトする制限が減り、エンジンルームなどの狭いスペースに設置されるパイプアッセンブリの適切な場所にフレキシブルジョイントを配置でき、耐久性の高いパイプアッセンブリを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフレキシブルジョイントの例を示す図である。
【図2】図1のフレキシブルジョイントに用いられるホースの構成を示す図である。
【図3】図1のフレキシブルジョイントを備えたパイプアッセンブリを示す図である。
【図4】上記と異なるフレキシブルジョイントを備えたパイプアッセンブリを示す図である。
【符号の説明】
1、11 フレキシブルジョイント
2、12 ホース
3 ホースの両端
5 配管
6 パイプアッセンブリ
【発明の属する技術分野】
本発明は、車載の空気調和システムの配管系などに適したフレキシブルジョイントに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車載の空気調和システム(カーエアコン)においては、コンプレッサの振動が大きいので、長さ400mm程度のホースをL字型またはU字型に屈曲させたフレキシブルジョイントを介してコンプレッサと冷媒配管とを接続している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
カーエアコン以外の空気調和システムにおいても、コンプレッサの振動の配管系に対する影響を少なくするためにフレキシブルジョイントは利用されているが、カーエアコン用の配管では、エンジンルーム内の限られたスペースで大きな振動あるいは変位を吸収できるようにする必要がある。したがって、フレキシビリティーが高く、占有スペースの小さなフレキシブルジョイントが要求される。
【0004】
ゴムまたはゴムと樹脂の複合材からなるホースは、金属配管と比較すると弾性が高いので、ある程度のフレキシビリティーはある。しかしながら、冷媒透過性を最小限にし、数MPa程度の耐圧性も要求されるので、ホース自体の柔軟性は低下する。したがって、振動を吸収するためには、ある程度の長さが必要となり、そのホースが占める長さを短縮するためにL字型またはU字型に成形されている。さらに、このような形状は、様々な方向の振動あるいは変位を吸収する点でも適している。しかしながら、配管の長手方向に対して垂直な方向にスペースが必要となるために、エンジンルーム内におけるレイアウトの制約が大きく、必ずしも適切な位置に適切なサイズのフレキシブルジョイントが配置できるとは限らない。
【0005】
直管状で様々な方向の振動や変位を吸収するフレキシブルジョイントとしては、蛇腹状に壁面を構成したものがある。しかしながら、このタイプのフレキシブルジョイントは、ホースの壁面が変形することでフレキシビリティーを得ようとしているために耐圧性とフレキシビリティーとを両立させることは困難である。
【0006】
そこで、本発明においては、耐圧性が高く、振動および変位の吸収能力も高く、さらに、占有スペースも小さいフレキシブルジョイントを提供することを目的としている。さらに、配管を接続する際のレイアウトの制約が小さい、高耐圧のフレキシブルジョイントを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明においては、ホースの壁面ではなく、ホース自身をスパイラル状に成形したフレキシブルジョイントを提供する。スパイラルな形状は、短い距離に多くの曲がりを導入できるので様々な方向の振動や変位を吸収でき、さらに全体として、スパイラルを形成する配管より若干径が大きな直管状のスペースを占有するだけになる。さらに、ホース自身の構成を変える必要がないので、ホースの耐圧性を損なうことはない。したがって、高耐圧で省スペースのフレキシブルジョイントを提供できる。しかしながら、自重により変形するようなフレキシブルジョイントでは、他の配管や機構との干渉を避けるためのスペースが必要となりレイアウト上の制約はそれほど改善されない。そこで、本発明においては、自重によりほとんど変形することがない程度の、自己形状をほぼ保持可能な範囲でスパイラル状に成形した、樹脂および/またはゴム製のホースを有するフレキシブルジョイントを提供する。
【0008】
樹脂・ゴムまたはゴム製のホースであれば、1〜5ターンのスパイラル状に成形することにより、さらに好ましくは、2〜3ターンのスパイラル状に成形することにより、振動や変位を吸収するために充分なフレキシビリティーを得ることができる。その一方で、この程度のターン数のスパイラル形状であれば、自重による変形はほとんど無視できる程度に抑えられる。なお、本明細書において、スパイラル形状とは、コイル形状、渦巻き形状あるいは螺旋形状と呼ばれるものを含むものである。
【0009】
カーエアコンなどの冷媒を循環する配管系であると、外径が10〜25mm程度のホースを、外径が40〜60mm程度のスパイラル状に成形することにより、振動や変位を吸収するために充分なフレキシビリティーを得ることができる。したがって、本発明により、ホース自身としてはフレキシビリティーがそれほど高くない冷媒用の低透過性ホースを用いて、十分なフレキシビリティーがあり、その一方で、自己変形が少なく経路保証が可能で省スペースなフレキシブルジョイントを提供できる。
【0010】
このため、本発明のフレキシブルジョイントはレイアウト制約が小さいフレキシブルジョイントであり、このフレキシブルジョイントを挟んで剛性の配管を接続することにより、エンジンルームなどの限られたスペースに設置するのに最適なパイプアッセンブリを提供できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1に、本発明のフレキシブルジョイント1の概要を示してある。このフレキシブルジョイント1は、スパイラル形状またはコイル形状に成形されたホース2を3ターン分だけ切断し、その両端3にコネクタサブアッセンブリ10を取り付けたものである。ホース2は、冷媒用の低透過性のホースであり、図2に示すように内層が樹脂で外層がゴムの樹脂・ゴムタイプと、内層および外層がゴムのゴムタイプのものが知られている。
【0012】
図2(a)は、樹脂・ゴムタイプのホース2の一例であり、最内層21がポリアミド樹脂などからなる樹脂層で、それをゴム製の中間層22、補強層23、ゴム製の中間シート24、補強層25およびゴム製の外層26で覆っている。ゴム製の層22、24および26には、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、ニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、アクリルゴム(ACM)、エチレンアクリルゴム(AEM)などが用いられる。ブチルゴム(IIR)は気密性が高いので、内側の層に使用され、外側の層はコストメリットのあるエチレンプロピレンゴムが一般に使用される。補強層23および25には、ポリエチレンテレフタレート繊維(PET)、ポリエチレンナフタレート繊維(PEN)、ナイロン繊維、アラミド繊維、カーボン繊維、銅線、ステンレスワイヤーなどが編みこまれた層やスパイラル状に巻かれた層が使用される。
【0013】
図2(b)は、総ゴムタイプのホース2の一例であり、最内層27と、中間層24と外層26がゴム製の層で、それぞれの層の間に補強層23および25が配置されている。カーエアコンに用いられるこれらのホース2の外径は、15〜22.3mm程度のものが多く、耐圧および低透過率とするために内径は、7.5〜11mm程度と肉厚のホースとなっている。
【0014】
このような構成のホース2を、スパイラル形状に連続押し出し成形したり、半加硫の直管状のホースをスパイラル形状に加硫成形することにより、スパイラル状に成形されたホース2を得ることができる。外径が10〜25mm程度のホース2であると、外径φが40〜60mm程度のスパイラル状に成形することが可能である。この程度の外径φのスパイラルであると、成形したときにホース2が変形して口径(内面積)が極端に減少するようなことはない。また、ホースそのものの構成が変わることはないので、ホースそのものの耐圧は維持できる。そして、適当な巻数(ターン数)だけ切断して、両端3にコネクタサブアッセンブリ10を取り付けることにより、高耐圧で省スペースのフレキシブルジョイント1を形成できる。
【0015】
図3に示すように、フレキシブルジョイント1のコネクタサブアッセンブリ(口金具)10には、ステンレス、銅あるいはアルミ合金などの金属製で剛性の高い配管5を接続することが可能であり、複数の配管5を、フレキシブルジョイント1を介して接続したパイプアッセンブリ6を提供できる。このパイプアッセンブリ6では、剛性の高い配管5がスパイラル状に成形されたホース2を介して接続されているので、一方の配管5から伝達される様々な方向の振動やそれほど大きくない変位は、スパイラル状のホース2で吸収され、直には他方の配管5に伝達されることはない。したがって、フレキシブルジョイント1は振動あるいは変位を抑制する充分な機能を果たす。特に、本例のフレキシブルジョイント1では、曲がりが多く導入されたスパイラル状のホース2の変位幅を大きく確保できるので、カーエアコンのような振動あるいは変位の大きなシステムに適したパイプアッセンブリ6を提供できる。
【0016】
さらに、本例のフレキシブルジョイント1の外径φは、ホース2の外径の数倍(本例では4倍程度)に収まる。従来のホースをL字型やU字型に曲げたパイプアッセンブリでは、ホースの直径の10倍あるいはそれ以上の配置スペースが要求されることと比較すると、ホース2が占めるスペースは小さくなり、レイアウト的な制約は少なくなる。このため、コンプレッサのごく近傍などの適切な場所にフレキシブルジョイントを配置できるようになる。したがって、エンジンルーム内の狭いスペースに配置するパイプアッセンブリ6であっても、適切な位置にフレキシブルジョイントを設け、カーエアコンを構成する配管に対するコンプレッサあるいはエンジンの振動の影響を最小限に抑えることが可能となる。
【0017】
また、ホースをスパイラル形状にすることにより、短い距離に多くの曲がりを設けられるので、U字あるいはL字型に成形した場合よりも、短い距離でフレキシビリティーを高めることができる。したがって、フレキシブルジョイント1として要求されるホース2の長さを削減することが可能となり、その点でも省スペースでレイアウト制限の少ないパイプアッセンブリ6を提供できる。また、ホース2を短くできるので、製造コストも下げられる。
【0018】
さらに、スパイラル形状にして短い距離に多くの曲がりを導入できるので、スパイラルのターン数はそれほど多くなくてもフレキシビリティーは向上できる。したがって、自重で変形してしまうほど、スパイラル形状の部分のターン数を増やさなくても、充分なフレキシビリティーが得られる。スパイラルに成形されたホースから1〜5ターン程度、さらに好ましくは2〜3ターン程度を切断して用いるだけで、充分に柔軟なフレキシブルジョイント1を作成できる。このため、本例のフレキシブルジョイント1は、柔軟性はあっても自己形状をほぼ保持することができるものであり、パイプアッセンブリ6としてエンジンルームなどに配置したときに、コンプレッサの振動や変位によりホース2が変形するスペースを除き、他のパイプや機構との干渉を避けるためのクリアランスは最小にできる。この点でも、本例のフレキシブルジョイント1は、省スペースでレイアウトし易い。また、ターン数が少なくてよいので、ジョイント全体の長さも短くなり、たとえば、全長が100mm程度に収まるフレキシブルジョイントを提供できる。この点でも、本例のフレキシブルジョイントは省スペースである。
【0019】
図4に示したパイプアッセンブリ6は、配管5を直線的に接続し易いフレキシブルジョイント11を採用している。図1および3に示したフレキシブルジョイント1では、直線的なコネクタサブアッセンブリを採用しているのに対し、図4に示したフレキシブルジョイント11では、ホース2のスパイラル形状の中心軸に沿って反対側に伸びるように曲がったコネクタサブアッセンブリ10を採用している。このフレキシブルジョイント11は、配管5を直線的に配置できるので、そのような配管レイアウトが必要とされるパイプアッセンブリ6に適している。
【0020】
なお、図1および図3に示したフレキシブルジョイント1では、スパイラル形状に成形したホース2から適当なターン数を切断して利用しているが、ホースをスパイラル形状に成形するとともに、その両端がスパイラル形状の中心軸に沿って反対側に伸びるように成形することも可能である。図1および3に示したフレキシブルジョイント1は、大量に押し出し成形されたスパイラル状のホースを切断したものを利用して製造することができるので、低コストでフレキシブルジョイントを提供できる。これに対し、両端がスパイラル形状の中心軸に沿って反対側に伸びるように成形したフレキシブルジョイントは、ホースをスパイラル以外の形状にも曲げる必要があるので、加硫成形などにより個々に成形するために製造コストがアップする。しかしながら、配管5を直線的に配置できる利点がある。
【0021】
以上のフレキシブルジョイント1および11は、3ターン分のスパイラル形状のホース2を備えているが、ターン数およびスパイラル部分の外形などは、各々のフレキシブルジョイントで吸収すべき振動の周波数や変位などに応じて選択することができる。また、スパイラル部分の外径は必ずしも同一である必要はなく、最も振動を吸収しやすい形状を選択することも可能である。したがって、本発明のスパイラル状のホースを有するフレキシブルジョイント1は、振動を吸収するために調整可能なファクタが多くあり、配管系の振動を吸収あるいは抑制するのに適した形状のフレキシブルジョイントを提供することが可能となる。
【0022】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明のフレキシブルジョイントは、スパイラル状に成形したホースを有するものであり、ホース自身の構成を変えずに曲がりを多く導入できるため、高耐圧で省スペースのフレキシブルジョイントを提供できる。したがって、フレキシブルジョイントをレイアウトする制限が減り、エンジンルームなどの狭いスペースに設置されるパイプアッセンブリの適切な場所にフレキシブルジョイントを配置でき、耐久性の高いパイプアッセンブリを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフレキシブルジョイントの例を示す図である。
【図2】図1のフレキシブルジョイントに用いられるホースの構成を示す図である。
【図3】図1のフレキシブルジョイントを備えたパイプアッセンブリを示す図である。
【図4】上記と異なるフレキシブルジョイントを備えたパイプアッセンブリを示す図である。
【符号の説明】
1、11 フレキシブルジョイント
2、12 ホース
3 ホースの両端
5 配管
6 パイプアッセンブリ
Claims (6)
- 自己形状をほぼ保持可能な範囲でスパイラル状に成形した、樹脂および/またはゴム製のホースを有するフレキシブルジョイント。
- 請求項1において、前記ホースは1〜5ターンのスパイラル状に成形されているフレキシブルジョイント。
- 請求項1において、前記ホースは2〜3ターンのスパイラル状に成形されているフレキシブルジョイント。
- 請求項1において、前記ホースの外径は10〜25mm程度であり、前記スパイラル状に成形された部分の外径は40〜60mm程度であるフレキシブルジョイント。
- 請求項1において、前記ホースは、冷媒用の低透過性ホースであるフレキシブルジョイント。
- 請求項1ないし5のいずれかに記載のフレキシブルジョイントと、このフレキシブルジョイントを挟んで接続された剛性の配管とを有するパイプアッセンブリ。
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- 2003-04-23 JP JP2003118397A patent/JP2004003636A/ja not_active Withdrawn
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