JP2009079746A - ホースの締結構造体 - Google Patents

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孝夫 夫馬
Fumio Ikeda
文男 池田
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貞典 調
Zenichi Shinpo
善一 新保
Tetsuya Nakayama
哲也 中山
Koichi Masuda
浩一 増田
Mamoru Suzuki
衛 鈴木
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Abstract

【課題】本発明は、シール面圧が高く、ホースの端部に切削などの面倒な作業を必要としないホースの締結構造体を提供すること。
【解決手段】ホースの締結構造体は、補強糸24をゴム基体22に埋設したホース20に、接続管10の挿入部14を挿入し、ホース20の外周部から締結部材30で締結することにより、ホース20を接続管10に接続する。ホース20の外周部には、締結部材30を位置決めするための位置決め凹所26が形成されている。位置決め凹所26は、未加硫ホース20Aの軸方向への変形を規制するとともに型成形をして加硫することで形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、補強糸を埋設したホースを接続管に締結部材で締結することで接続したホースの締結構造体に関し、詳しくはクランプの位置決め機構に関する。
従来、この種のホースの締結構造体として、所定の編角で編まれた補強糸を埋設したホースを接続管にクランプで締結することで接続した構成が知られている。こうしたホースでは、ゴム体の厚さが3.5mmを越えると、ゴム体がクランプの直下から逃げる量が多くなるために、ホースと接続管とのシール面圧を上げることができない。こうした課題を解決するための手段として、特許文献1に示すように、クランプで押圧するホース端部を拡径することでゴム体の一部を薄肉にする技術が知られている。しかし、このようにホースの一部を拡径して薄肉にすると、その部分の補強糸の編角が変わってしまうために、補強糸の作用であるゴム体の拘束力が低下するという問題があった。他の技術として、ホースを拡径しないで、ホースの外周部を削除することによりホースの端部を薄肉にする技術も知られている。しかし、この技術では、ゴムの切削するための作業が面倒であり、しかも切削した端部における機械的強度が低下しやすいという問題があった。
特開2006−283843公報 特開2001−12671公報
本発明は、上記従来の技術の問題点を解決することを踏まえ、シール面圧が高く、ホースの端部に切削などの面倒な作業を必要としないホースの締結構造体を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
適用例1は、補強糸をゴム基体に埋設したホースに、接続管の挿入部を挿入し、上記ホースの外周部から締結部材で締結することにより、上記ホースを上記接続管に接続するホースの締結構造体において、
上記ホースの外周部には、上記締結部材を位置決めするための位置決め凹所が形成され、該位置決め凹所は、未加硫ホースの軸方向への変形を規制するとともに型成形した状態にて加硫することで形成されていること、特徴とする。
適用例1において、ホースを接続管に接続するには、ホースに、接続管の挿入部を挿入し、ホースの外周部から締結部材で締結することにより行なう。ホースの外周部に形成した位置決め凹所は、締結部材をホースに対して位置決めしてそのズレを防止するから、接続作業性を向上させることができる。
また、締結部材で押圧されるホースの部分には、位置決め凹所が形成されて、その肉厚が薄くなっており、しかも加硫により補強糸によって大きな力で拘束されているから、締結部材で押圧されたときの肉逃げ量が少ない。よって、ホースが使用温度範囲の上限に近づき、かつホースの通路を流れる液体によって大きな圧力を受けても、ゴム基体のゴム材料が締結部材で押圧されている部位から逃げないから、面圧の低下を生じにくく、高いシール性および引抜き荷重を維持することができる。
さらに、位置決め凹所は、型成形によって、未加硫ホースの端部を拘束して加硫することにより形成されているので、ホースの内径は、位置決め凹所が形成されている部分を含めてホースの全長で同じであり、また、ホースの軸方向の長さも同じであるから補強糸の編角が変わることがなく、よって、ホースの端部の機械的強度の低下を生じない。
また、位置決め凹所は、ホースの端部を切削するのではなく、未加硫ホースを型成形で賦形することで形成したので、ホースの位置決め凹所の付近に切削された箇所がない。よって、ホースに位置決め凹所を形成したことによるホースの機械的強度の低下がない。
[適用例2]
適用例2は、適用例1に記載のホースの締結構造体において、上記締結部材は、リング状に変形可能な締結帯と、締結帯をリング状に保持するとともにそのリング径を拡縮させるための固定手段とを備え、上記締結帯は、締結本体と、締結本体の両側から径外方へ折曲された支持端部とを備えている構成である。これにより、締結部材が位置決め凹所で確実に保持される。
以下、本発明を実施するための最良の形態を実施例にしたがって説明する。
(1) ホースの締結構造体の構成
図1は本発明の一実施例にかかるエンジンのターボホースに用いたホースの接続構造体を示す半断面図、図2は図1の2−2線に沿った断面図である。図1および図2において、図示しないターボチャージャの端部には、オイル、ガソリンをミストとして含む空気をインタークーラからインテイクマニホールドに送るための接続管10が固定されており、接続管10にホース20が挿入され、ホース20の外周部の位置決め凹所26にて環状の締結部材30を締結することでホース20が接続管10に接続されている。
図3は接続管10にホース20を接続する前の状態を説明する半断面図である。接続管10は、ターボチャージャに固定されている管状の接続基部12と、接続基部12より小径の挿入部14と、接続基部12と挿入部14とを接続する段部16とを備え、これらを金属材料により一体成形している。接続基部12には、通路12Pが形成され、挿入部14には、通路12Pに接続される通路14Pが形成されている。挿入部14は、管状の挿入本体14aを備えている。
ホース20は、3次元に曲げられており、EPDM、SBR、NBR等からなるゴム材料などからゴム基体22に補強糸24が埋設され、ゴム基体22の外周部に位置決め凹所26を加硫と同時に形成することで構成されている。ホース20の形状は、その肉厚が4〜6mmであるときに、位置決め凹所26の箇所の段差が0.5〜3mmになっている。
ホース20は、汎用の方法により製造され、例えば以下のような工程をとることができる。まず、未加硫ホースを作成する。未加硫ホースは、未加硫状態のEPDM、SBR、NBR等からなるゴム材料を押出装置で押し出すとともに、ブレーダ装置で補強糸を編み組することにより製造することができる。図4は未加硫ホース20Aに巻かれた補強糸24を説明する説明図である。図4に示すように、未加硫ホース20Aには、上述したブレーダ装置により補強糸24が中心軸CLに対して所定の編角θで交差するように巻かれている。図5は加硫前における未加硫ホース20Aをマンドレル装置50に装着する工程を説明する説明図である。図5(A)において、マンドレル装置50は、マンドレル51と、成形型55とを備えている。マンドレル51は、型基部51aからホース20の中心線に沿った曲線状の金属製の芯金51b(図では端部だけを示す)を突出することで構成されている。成形型55は、未加硫ホース20Aの端部外周に位置決め凹所26を形成するための型であり、円筒の割型56,56に断面台形の突出部56a,56aを備え、突出部56a,56aの端部が型基部51aに型締めされるように構成されている。
図5(B)に示すように、マンドレル装置50に、未加硫ホース20Aを装着するには、未加硫ホース20Aを全長にわたってマンドレル51に挿入して、成形型55の割型56,56を未加硫ホース20Aの外周面に押し付ける。この状態にて、加硫装置内に装填して、蒸気加熱などの加熱処理を施すことにより、未加硫ホース20Aを加硫する。その後、マンドレル装置50から、ホース20を引き抜くことによって図5(C)に示す位置決め凹所26を有するホース20が得られる。
図2および図3において、締結部材30は、リング状に変形可能な締結帯31と、締結帯31をリング状に保持するとともにそのリング径を拡縮させるための固定手段35とを備えている。締結帯31は、締結本体32と、締結本体32の両側から径外方へ折曲された支持端部34,34とを備えている。締結帯31の先端31aから所定の長さの部分には、互いに平行な多数の溝部32aが形成されている。固定手段35は、締結帯31の後端の固定端32bに固定されたケーシング36と、ケーシング36に回転可能かつ進退可能に取付けられたボルト37とを有する。この締結部材30の構成において、ケーシング36に挿入した締結帯31の溝部32aにボルト37のネジ山37aを係合させ、ボルト37を回転させると、ウォームギアの原理により、締結帯31の先端31aをケーシング36に対して進退させる。これにより、締結帯31のリング径を拡縮させることができる。
(2) ホース20の接続作業
次に、ホース20を接続管10に締結部材30を用いて接続する作業について説明する。図3において、締結帯31をホース20の外径より大きくした状態にて、締結帯31をホース20の外周部の位置決め凹所26に位置合わせし、さらに、ホース20を接続管10の挿入部14に押し入れる。続いて、ボルト37を回転して、締結帯31のリング径を縮径する。これにより、図1の接続状態になる。
(3) ホースの締結構造体の作用・効果
本実施例にかかるホースの締結構造体により、以下の作用・効果を奏する。
(3)−1 ホース20の外周部に形成した位置決め凹所26は、締結部材30をホース20に対して位置決めしてそのズレを防止するから、接続作業性を向上させることができる。
(3)−2 締結部材30で押圧されるホース20の部分には、位置決め凹所26が形成されて、その肉厚が薄くなっており、しかも加硫により補強糸24によって大きな力で拘束されているから、締結部材30で押圧されたときの肉逃げ量が少ない。よって、ホース20が使用温度範囲の上限に近づき、かつホース20の通路20Pを流れる液体によって大きな圧力を受けても、ゴム基体22のゴム材料が締結部材30で押圧されている部位から逃げないから、面圧の低下を生じにくく、高いシール性および引抜き荷重を維持することができる。
(3)−3 図5に示すように、ホース20の外周部に位置決め凹所26を形成する工程において、マンドレル装置50は、マンドレル51および成形型55によって、未加硫ホース20Aの端部を拘束して加硫しているから、ホース20の内径は、位置決め凹所26が形成されている部分を含めて、ホース20の全長で同じであり、また、ホース20の端部が軸方向へ伸びず、図4に示す補強糸24の編角が小さくならないから、ホース20の端部の機械的強度の低下を生じない。
(3)−4 ホース20に形成した位置決め凹所26は、ホース20の端部を切削するのではなく、未加硫ホース20Aをマンドレル装置50で賦形することで形成したので、ホース20の位置決め凹所26の付近に切削された箇所がない。よって、ホース20に位置決め凹所26を形成したことによるホース20の機械的強度の低下がない。
(3)−5 位置決め凹所26は、マンドレル装置50でホース20の端部を拘束して成形して、位置決め凹所26の開口周縁部に盛り上がった山部が形成されないから、締結部材30の端部と干渉することがなく、位置決め凹所26の開口周縁部での摩耗を防ぎ、耐久性を向上させることができる。
(4) この発明は上記実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
(4)−1 図6は他の実施例にかかるホースの接続構造体を示す半断面図である。本実施例は、位置決め凹所26Bをホース20Bの端部にまで形成した構成に特徴を有する。位置決め凹所26Bには、締結部材30Bが位置決めされて、ホース20Bの外周部から押圧している。こうした位置決め凹所26Bは、図7の工程により製造される。図7は加硫前における未加硫ホース20Aをマンドレル装置60に装着する工程を説明する説明図である。マンドレル装置60は、マンドレル61と、マンドレル61の端部に固定され加硫装置内で支持するための支持金具62と、ストッパ機構63とを備えている。マンドレル61は、ホース20Bの中心線に沿った曲線状の金属製の芯金である。ストッパ機構63は、未加硫ホース20Aの端部が広がることを防止するとともに、位置決め凹所26Bを形成するための機構であり、マンドレル61の外周部から突出したストッパ部63aと、マンドレル61にスライド可能に嵌合されたキャップ63bと、キャップ63bに付勢するスプリング63cとを備えている。キャップ63bは、マンドレル61に対して回動することで係合・係脱可能になっており、マンドレル61に対して係脱したときにスプリング63cにより押されて図示右側へ移動する。
マンドレル装置60に、未加硫ホース20Aを装着するには、マンドレル61の端部から、未加硫ホース20Aの穴に挿入する。このとき、マンドレル61と未加硫ホース20Aの穴の壁面との間には、潤滑油を塗布することで、挿入作業を容易にすることが好ましい。そして、未加硫ホース20Aが全長にわたってマンドレル61に挿入されると、未加硫ホース20Aの端部がストッパ部63aに当たる。そして、キャップ63bを回転することにより、スプリング63cのスプリング力によりキャップ63bが移動してキャップ63bで未加硫ホース20Aの端部を覆う。このとき、キャップ63bの内周突部により未加硫ホース20Aの端部外周部に凹所が形成される。この状態にて、加硫装置内に装填して、蒸気加熱などの加熱処理を施すことにより、未加硫ホース20Aを加硫する。その後、マンドレル装置60から、ホース20Bを引き抜くことによって、位置決め凹所26Bを有するホース20Bが得られる。
(4)−2 上記実施例では、自動車のターボホースについて説明したが、これに限らず、補強糸を埋設したホースに適用することができ、例えば、ラジエータホース、ウォータホース、エアーホースに適用することができる。
本発明の一実施例にかかるエンジンのターボホースに用いたホースの接続構造体を示す半断面図である。 図1の2−2線に沿った断面図である。 接続管にホースを接続する前の状態を説明する半断面図である。 未加硫ホースに巻かれた補強糸を説明する説明図である。 加硫前における未加硫ホースをマンドレル装置に装着する工程を説明する説明図である。 他の実施例にかかるホースの接続構造体を示す半断面図である。 他の実施例にかかる加硫前における未加硫ホースをマンドレル装置に装着する工程を説明する説明図である。
符号の説明
10…接続管
12…接続基部
12P…通路
14…挿入部
14P…通路
14a…挿入本体
16…段部
20…ホース
20A…未加硫ホース
20B…ホース
20P…通路
22…ゴム基体
24…補強糸
26…位置決め凹所
26B…位置決め凹所
30…締結部材
30B…締結部材
31…締結帯
31a…先端
32…締結本体
32a…溝部
32b…固定端
34…支持端部
35…固定手段
36…ケーシング
37…ボルト
37a…ネジ山
50…マンドレル装置
51…マンドレル
51a…型基部
51b…芯金
55…成形型
56…割型
56a…突出部
60…マンドレル装置
61…マンドレル
62…支持金具
63…ストッパ機構
63a…ストッパ部
63b…キャップ
63c…スプリング

Claims (2)

  1. 補強糸(24)をゴム基体(22)に埋設したホース(20)に、接続管(10)の挿入部(14)を挿入し、上記ホース(20)の外周部から締結部材(30)で締結することにより、上記ホース(20)を上記接続管(10)に接続するホースの締結構造体において、
    上記ホース(20)の外周部には、上記締結部材(30)を位置決めするための位置決め凹所(26)が形成され、該位置決め凹所(26)は、未加硫ホース(20A)の軸方向への変形を規制するとともに型成形した状態にて加硫することで形成されていること、
    を特徴とするホースの締結構造体。
  2. 請求項1に記載のホースの締結構造体において、
    上記締結部材(30)は、リング状に変形可能な締結帯(31)と、締結帯(31)をリング状に保持するとともにそのリング径を拡縮させるための固定手段(35)とを備え、上記締結帯(31)は、締結本体(32)と、締結本体(32)の両側から径外方へ折曲された支持端部(34,34)とを備えているホースの締結構造体。
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