JP2019049308A - 流体注入式アクチュエータの製造方法及び流体注入式アクチュエータ - Google Patents

流体注入式アクチュエータの製造方法及び流体注入式アクチュエータ Download PDF

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【課題】生産性を向上可能な流体注入式アクチュエータの製造方法及び流体注入式アクチュエータを提供する。【解決手段】円筒状に形成された筒状弾性体2の両端を封止部材4により封止して形成された空間Sに、流体を注入することにより、軸方向に収縮し、径方向に膨張する流体注入式アクチュエータ1の製造方法であって、繊維12を含むゴム生地を、対向方向に回転する一対のロールの間を所定回数通過させ、繊維の延長方向を一方向に配向してシート状に成形し、繊維の配向方向を軸方向とする筒状に成形した後に加硫して筒状弾性体を形成した。【選択図】図1

Description

本発明は、空気等の流体の給排により駆動される流体注入式アクチュエータの製造方法及び流体注入式アクチュエータに関する。
従来、特許文献1や特許文献2に示す流体注入式のアクチュエータが知られている。特許文献1に開示される流体注入式アクチュエータは、ゴム状の弾性素材により伸縮自在に構成され、非伸長性の複数の繊維が軸方向に沿って内包された管体の両端の開口に閉塞部材を挿入し、管体の両端部を閉塞部材と共に連結部材を用いて加締めることにより作製されている。そして、閉塞部材によって密閉された管体の内部空間に圧縮空気を供給すると、内包された繊維の拘束力によって、管体は径方向に膨張しつつ軸方向に収縮することで、軸方向への駆動力(牽引力)が得られるように構成される。
また、特許文献2に開示される流体注入式アクチュエータは、ゴム状の弾性素材からなる一方長尺の矩形状の2枚の弾性シートを重ね、周縁部を接合することで、流体を収容可能とする流体収容室を形成したチューブ状弾性体により構成される。弾性シートには、該弾性シートの長手方向の長さよりもチューブ状弾性体の軸方向長さよりも十分短い、所謂短繊維が内包されており、流体収容室に流体を収容したときに、繊維の拘束力によって、チューブ状弾性体を長手方向に収縮させて、駆動力(牽引力)が得られるように構成されている(特許文献2)。
特開2014−234838号公報 特開2015−180829号公報
しかしながら、特許文献1,2に開示される流体注入式アクチュエータは、製造に手間を要するという問題がある。特許文献1の管体では、内包される複数の繊維を軸方向に沿うように配向するとともに繊維の両端部が閉塞部材に固定されるようにする必要がある。また、特許文献2のチューブ状弾性体では、短繊維の一部が長手方向に配向するように短繊維を含む2枚の弾性シートを張り合わせる必要がある。
そこで、本発明では、上記問題点を解決すべく、上記不都合を解消することにより、生産性を向上可能な流体注入式アクチュエータの製造方法及び流体注入式アクチュエータを提供することを目的とする。
上記課題を解決するための流体注入式アクチュエータの製造方法として、円筒状に形成された筒状弾性体の両端を封止部材により封止して形成された空間に、流体を注入することにより、軸方向に収縮し、径方向に膨張する流体注入式アクチュエータの製造方法であって、繊維を含むゴム生地を、対向方向に回転する一対のロールの間を所定回数通過させ、前記繊維の延長方向を一方向に配向してシート状に成形し、繊維の配向方向を軸方向とする筒状に成形した後に加硫して筒状弾性体を形成した形成した。
本形態によれば、繊維の配向方向をロール間を通過させることで容易に設定できるので、容易に筒状弾性体が形成でき、流体注入式アクチュエータの生産性を向上させることができる。
また、流体注入式アクチュエータの製造方法の他の形態として、円筒状に形成された筒状弾性体の両端を封止部材により封止して形成された空間に、流体を注入することにより、軸方向に収縮し、径方向に膨張する流体注入式アクチュエータの製造方法であって、繊維を含むゴム生地を、押出成形機により筒状に成形した後に加硫して筒状弾性体を形成した。
本態様によれば、容易に筒状弾性体が形成でき、流体注入式アクチュエータの生産性を向上させることができる。
また、弾性素材からなり、円筒状に形成された筒状弾性体と、筒状弾性体の端部に固定され、端部を封止することにより筒状弾性体の内部に流体の供給が可能な内部空間を形成する封止部材と、を備え、内部空間への流体の供給により筒状弾性体が径方向に膨張かつ軸方向に収縮するアクチュエータであって、筒状弾性体は、該筒状弾性体の一端側に固定された封止部材の一端側固定部から他端側に向けて延長し、他端側に固定された封止部材の他端側固定部に達する手前で終端し、筒状弾性体の軸方向への伸張を規制する繊維を備えるように構成されたり、筒状弾性体が、該筒状弾性体の一端側に固定された封止部材の一端側固定部から他端側に固定された封止部材の他端側固定部の間に延長する繊維を備えるように構成されたことにより、伸縮動作において変形する際のゴムと各繊維との摩擦が少なくなり、耐久性を向上させることができる。
また、上記繊維は、一端側固定部から他端側固定部までの軸方向に沿う長さよりも短い繊維を含むことにより、伸縮動作において変形する際のゴムと各繊維との摩擦が少なくなり、耐久性を向上させることができる。
アクチュエータの軸方向断面図及び半径方向断面図である。 アクチュエータが膨張したときの軸方向断面図である。 繊維補強ゴムシートの応力ひずみ線図である。 筒状弾性体の収縮率を示すグラフである。 筒状弾性体における繊維の形態を示す展開図である。
以下、発明の実施形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明される特徴の組み合わせのすべてが発明の解決手段に必須であるとは限らず、選択的に採用される構成を含むものである。
図1は、流体注入式アクチュエータの軸方向断面図及び半径方向断面図である。図2は、流体注入式アクチュエータが膨張したときの軸方向断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る流体注入式アクチュエータ1は、概略、弾性素材からなり円筒状に形成された筒状弾性体2と、筒状弾性体2の両端を封止する封止部材4;4とを備える。
筒状弾性体2は、ゴムを主体し、複数の繊維12を内包して円筒状に形成される。
封止部材4;4は、筒状弾性体2の各端部の内周側に挿入され、筒状弾性体2の内部に空間Sが形成される。各封止部材4;4は、筒状弾性体2の外周側からバンド等の締結部材6;6により筒状弾性体2に加締め固定される。締結部材6;6により加締められた位置が筒状弾性体2に封止部材4;4が固定される実質的な固定部20であり、この固定部20を基点として筒状弾性体2は膨張収縮する。封止部材4は、締結部材6;6による筒状弾性体2と加締め固定できるものであれば、例えば、ゴム、樹脂、金属等の素材のいずれでも良い。流体注入式アクチュエータ1の膨縮動作の応答性を考慮した場合、軽量な素材を用いることが好ましい。
封止部材4;4の一方には、筒状弾性体2に内周及び封止部材4;4により形成された空間Sと外部とに連通する給排孔40が設けられる。給排孔40には、封止部材4から露出するチューブ42が接続される。チューブ42に図外の流体給排手段から延長する配管を接続することにより、流体給排手段の駆動により空間(流体室)Sに空気等の流体が供給・排出される。
なお、給排孔40は、両方の封止部材4;4に設けても良く、両方の封止部材4;4側から流体を供給・排出することにより筒状弾性体2の膨張・収縮する速度、即ち、筒状弾性体2の応答速度を向上させることができる。空間Sに供給される流体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、空気、窒素、水などを用いることができる。また、 空間Sに収容される流体の圧力は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
筒状弾性体2は、例えば、天然ゴム、シリコーンゴムやその他の合成ゴム、天然ゴムラテックス等の弾性を有するとともに非通気性の伸縮自在の素材が適用される。
図1に示すように、複数の繊維12は、筒状弾性体2の半径方向(肉厚方向)及び軸方向に分布して埋設される。ここでいう半径方向に埋設とは、円周方向に繊維12が分布していることを含み、具体的には、繊維12は、円周方向、半径方向、そして軸方向に分布して埋設されている。なお、図1に示す繊維12の長さや各方向への分布状態は、概念を示すものであって、同図に基づいて繊維12の長さや各方向への分布が限定されるものではない。
複数の繊維12には、例えば、アラミド繊維が適用される。複数の繊維12は、筒状弾性体2の一端側に固定された封止部材4の一端側の固定部20から他端側に向けて延長する繊維12が、筒状弾性体2の他端側に固定された封止部材4の他端側の固定部20に達する手前で終端するように設けられる。例えば、図1に示すように、繊維12は、少なくとも封止部材4;4を締結部材6;6により筒状弾性体2に固定された固定部20;20間の長さよりも短い長さに設定される。このように複数の繊維12の長さを設定することで、一端側の締結部材6により締め付けられ封止部材4に固定された繊維12が、他端側の締結部材6により締め付けられ封止部材4に固定されることを防ぐことができる。固定部20;20間の長さとは、流体の吸排により筒状弾性体2が膨張収縮する基点となる位置の距離をいう。
なお、繊維12の長さは、上記長さに限定されず、各繊維12の長さについては、適宜設定すれば良い。例えば、固定部20;20間の長さよりも長くても良い。この場合、一端側の固定部20において封止部材4に固定され、他端側に向けて延長する繊維12が、封止部材4の他端側の固定部20において他端側の封止部材4に固定されないように、他端側の固定部20に達する手前で終端すると良い。即ち、筒状弾性体2に含まれる繊維12は、異なる締結部材6;6により封止部材4;4に固定されないように備えられていることが好ましい。複数の繊維12は、単一の長さに揃えたものであっても、複数の長さを組み合わせて構成しても良い。繊維12の長さや太さを適当に選ぶことにより、アクチュエータとしての収縮率や収縮力を変化させることができる。
図5は、筒状弾性体2における繊維12の形態を示す展開図である。
筒状弾性体2に含まれる繊維12の形態として、図5(a)に示すように、主として軸方向に延長しつつ周方向に大きく蛇行して延長していても良く、また、主として軸方向に延長しつつ蛇行していても良く、また、主として軸方向に沿うように直線状に延長していても良い。
また、これらの繊維12のうち、一方の締結部材6により封止部材4に固定された繊維12は、図5(a)乃至(c)に示すように、他方の締結部材6に到達せずに終端するように設定される。
また、図5(d)に示すように、繊維12は、筒状弾性体2において固定部20;20間を一本のものが延在するように設けられていても良く、また、図5(b),(c)に示すような、固定部20;20間よりも短い繊維12を複数延在させることで、筒状弾性体2の軸方向への伸張を規制するようにしても良い。また、繊維12は、必ずしも固定部20から延長する必要はなく、固定部20から延長するものや固定部20;20間を延長するものが組み合わせて内包されても良い。
なお、締結部材6;6により筒状弾性体2に封止部材4;4を固定するものとしたが、締結部材6;6を用いずに、接着などにより封止部材4;4を筒状弾性体2に固定するようにしても良い。
この場合における上述の固定部は、接着された範囲が対応する。
また、筒状弾性体2に含まれる繊維量(繊維12の量)は、筒状弾性体2の質量を100とした場合の10%〜50%の範囲に設定すると良い。
また、複数の繊維12の軸方向への配向率は、60%以上に設定すると良い。より好ましくは、70%以上に設定すると良い。なお、軸方向への配向率とは、軸方向に対して所定角度、例えば軸方向に対して±30°の角度の範囲で繊維12が延長しているものの割合(%)をいう。また、繊維12が延長するとは、直線的に延長することのみを意味するものではなく、蛇行して延長する場合を含み、この場合には例えば両端を結ぶ直線の延長する角度を採用できる。即ち、すべての繊維12が厳密に軸方向に配向されていなくても良い。配向率は、50%以上とすることで、筒状弾性体2の膨張時に軸方向への収縮量と、半径方向への伸張量に異方性を設定することができ、配向率が大きくなる程、軸方向への伸張に対する規制力が大きく得られ、半径方向への伸長に対する軸方向への収縮の変化率を大きくすることができるので、軸方向への駆動力を大きくすることができる。
繊維12の素材は、アラミド繊維に限定されず、例えば、炭素(カーボン)繊維、ガラス繊維、ナイロン、ポリアミド系繊維やポリオレフィン系繊維、金属繊維等の被伸長性を有するものを適宜選択して用いることができる。繊維12に適当なプライマー処理、又は、表面酸化処理を行うことで、接着性を十分に向上させることができるが、好ましくは、ゴムとの接着性に応じて選択すると良い。
また、繊維12の形態は、フィラメント、ヤーン(スパン・ヤーン及びフィラメント・ヤーン)、ストランド等のいずれの形態でも用いることができ、さらに、撚りをかけずに収束させた無撚繊維、これらの繊維を複数本撚って作成した繊維を用いることも可能である。繊維の種類にもよるが、二種類以上の素材の異なる繊維や形態の異なる繊維を組み合わせても良い。
上述の筒状弾性体2は、次のように製造することができる。
まず、生ゴムに、補強剤、老化防止剤、可塑剤等の添加物を添加し、混練機により混合してゴム生地を生成する。なお、生ゴムに添加する添加物は、全て必須のものではなく適宜選択的に適用されれば良い。例えば、繊維12との接着性や、流体注入式アクチュエータ1の使用環境等を考慮して適用すれば良い。
次に、ゴム生地をロール機の所定距離離間して設けられ、対向方向に回転する一対のロール間を所定回数通過させながら所定量の繊維12と加硫剤を混合し、一定厚のシート状に成形してシート状ゴム素材に成形する。複数の繊維12は、ゴム生地に混合されながらロール間を通過することにより、ゴム生地の全体に分布するとともにロールの回転方向に延長するように配向される。
次に、シート状ゴム素材を所定の寸法に切断成形し、直径が均一な丸棒状の型棒の外周に巻き付けて筒状に成形する。なお、複数の繊維12に上述の固定部20;20間よりも長いものを用いた場合には、筒状弾性体2の形成後に繊維12が固定部20;20間を跨がないように切り出すと良い。また、切断成形されたシート状ゴム素材に含まれる繊維12が型棒の軸方向に沿うように巻き付ける。
次に、型棒に巻き付けたシート状ゴム素材を加硫装置に投入して所定の温度で所定時間加硫することで、筒状弾性体2を簡単に形成することができる。
また、筒状弾性体2の他の製造方法として、押出成形機により製造することができる。
シート状ゴム素材を形成するまでの工程は、型棒を用いる方法と同様である。
シート状ゴム素材を押出成形機のホッパから投入し、スクリューにより混錬しながら口金から押し出して筒状に成形する。
そして、筒状に成形されたシート状ゴム素材を加硫装置に投入して所定の温度で所定時間加硫することで、筒状弾性体2を得ることができる。このように押出成形によって筒状弾性体2を形成することにより、上述の型棒による製造に比べて、簡易的に大量に製造することができる。なお、押出成形機により成形する場合には、アクチュエータを構成するときに設定される固定部20;20間よりも短い繊維12を用いれば良い。
なお、押出成形機では、スクリューによるゴムの流れによって繊維が引っ張られるため、ゴムの流れ方向と繊維の配向方向とは同一方向になり、筒状に押出成形することで繊維の配向方向が軸方向に一致することになる。したがって、上述のシート状ゴム素材を成形せずに、押出成形機のホッパに、ゴム生地と所定量の繊維12と加硫剤とを投入し、スクリューにより混合して成形することもできる。
上記流体注入式アクチュエータ1は、空間Sに流体に供給され、空間S内に所定の圧力が印加されることで、筒状弾性体2を外側に向けて押圧する力が作用する。しかし、筒状弾性体10は、繊維12を含んで構成されているため、伸長方向が制限される。具体的には、繊維12が長手方向に配向して含まれているため、軸方向への伸びは制限され、半径方向への伸びは制限されにくい。
その結果として、図2に示すように、軸方向には収縮し、半径方向には伸長する。このような伸縮動作において、流体注入式アクチュエータ1は、上述した範囲で形成された複数の繊維12が半径方向や軸方向に分布するように含まれているため、伸縮動作において変形する際のゴムと各繊維12との摩擦が少なくなり、耐久性を向上させることができる。また、筒状弾性体2の膨張に必要とされるエネルギーを少なくすることができるとともに応答性能を向上させることができる。
以下、筒状弾性体2に含まれる繊維12による効果について評価した。
評価に用いた筒状弾性体2は、天然ゴムに、太さ0.1mm、長さ1.3mm前後に形成された繊維12としてのアラミド繊維(マスターバッチRhenogran P91-40NR(RheinChemie 製))を30phr(ゴムの重量を100とした場合の重量比率)配合し、8インチオープンロール機にて混合し、アラミド繊維をロール回転方向に配向させて、厚さ1mmのシート状ゴム素材に成形した。そして、このシート状ゴム素材から100mm×100mmの寸法で矩形状に切り出し、150℃で20分の加硫を行い繊維補強ゴムシートを作製した。なお、切り出しの際には、シート状ゴム素材に含まれる繊維12の配向方向が、切り出し後のいずれかの辺に沿って切り出される。
繊維補強ゴムシートによる異方性評価は、ロールの回転方向(列理方向)、即ち、繊維12の配向方向と、列理に垂直な方向(列理垂直方向)とに引張り試験を行った。
引張り試験には、AUTOGRAPH AG-1(SHIMADZU 製)を用い、試験速度50mm/min(JIS K6251に準拠)、試験片の形状には、ダンベル1号となるように繊維補強ゴムシートから切り出して成形した。試験片の形状への切り出しは、試験片の引張方向に沿うように繊維12が配向されたもの、引張方向と直交するように繊維12が配向されたものとなるようにした。試験結果を図3に示す。図3に示すグラフは、繊維補強ゴムシートの応力ひずみ曲線(垂直方向と水平方向の比較)である。
図3に示すように、繊維12の配向方向(列理方向)と、繊維12の配向方向に垂直な方向(列理垂直方向)とで、異方性が発現していることが確認できた。また、繊維12の配向方向に垂直な方向に対し、繊維12の配向方向には応力が約1.5倍、ひずみが約1/4となる結果が得られた。
また、筒状弾性体2の収縮率の評価を行った。
上記シート状ゴム素材から35mm×100mmの寸法で矩形状に切り出し、直径15mmの型棒に巻きつける。なお、切り出しの際には、シート状ゴム素材に含まれる繊維12の配向方向が、切り出し後の100mmの長さを有する辺に沿って切り出される。また、型棒への巻き付けでは、繊維12の配向方向が型棒の軸方向に配向されるとともに、巻き付けによる継ぎ目に段差が生じないように寸法を調整しつつ、継ぎ目がなくなるようにシート状ゴム素材を慣らす。その後、150℃×20分の加硫を行い長さ100mmの筒状弾性体2を作製した。そして、この筒状弾性体2の両端部に封止部材4;4を挿入して締結部材6;6により固定し、封止することで流体注入式アクチュエータ1を作成した。収縮率の評価では、締結部材6;6間の長さLと内径Dの比(以下L/D比という)を変更した。即ち、長さ100mmの筒状弾性体2の両端に挿入される封止部材4;4の挿入位置と、封止部材4;4を固定する締結部材6;6の位置を変更してL/D比を変更したサンプルを用意した。L/D比を変更したサンプルに空気圧0.03MPaを印加し、サンプル毎の収縮率を測定した。収縮率は、(印加前軸方向長さ−印加後軸方向長さ)/印加前軸方向長さにより算出した。なお、印加前軸方向長さ及び印加後軸方向長さは、締結部材6;6間の軸方向の距離によって測定した。その結果を図4に示す。図4に示すようにL/D比を3としたときに、約17%の収縮率が得られた。また、L/D比を5.5とした場合、L/D比を3よりもやや収縮率が低下した。即ち、筒状弾性体2の厚さが1mm、長さが100mm、内径が15mm、繊維12の配合量30、繊維12の長さを1.3mm、太さ0.1mmとした場合には、L/D比が3となるように、流体注入式アクチュエータ1を構成すれば良いといえる。
したがって、繊維12の長さや太さ、配合量等を適宜変更することで、流体注入式アクチュエータ1の収縮率を任意に変更することができるといえる。
なお、本実施形態に係る流体注入式アクチュエータ1は、単独で用いても良く、例えば、特許文献1に示す筒体の内周側、若しくは外周側を覆うように配置することにより、繰り返しの伸長収縮による寿命や流体を高圧で印加したときの破裂等を防ぐことができる。即ち、特許文献1に示す筒体は、内周側や外周側に補強構造がないため、繰り返しの伸長収縮に伴なう疲労の影響を受けやすいとともに、流体を高圧で印加することができなかったが、本実施形態に係る流体注入式アクチュエータ1の構造を内周側、若しくは外周側を覆うように配置することにより、耐久性の向上とともに高出力化を図ることができる。
また、他の流体注入式アクチュエータへの適用形態として、マッキベン型のアクチュエータの繊維層の内側に配置することにより、長寿命化や流体の印加圧力を高圧化することができる。その結果として、収縮力が向上し、高出力化できるという効果が得られる。即ち、従来のマッキベン型のアクチュエータでは、軸方向にも半径方向にも膨張可能な弾性素材にのみにより構成されたチューブを、網目状のスリーブによって軸方向への伸張を規制して半径方向への膨張に変換する構造であるが、弾性素材にのみにより構成されたチューブに代えて、本実施形態の流体注入式アクチュエータ1を適用し、マッキベン型の特徴である網目状のスリーブで被覆することにより、より半径方向への膨張傾向を大きくできるため、より効率良く軸方向の収縮(駆動力)を得ることが可能となる。
1 流体注入式アクチュエータ、2 筒状弾性体、4 封止部材、12 繊維、
20 固定部、S 空間(流体室)。

Claims (5)

  1. 円筒状に形成された筒状弾性体の両端を封止部材により封止して形成された空間に、流体を注入することにより、軸方向に収縮し、径方向に膨張する流体注入式アクチュエータの製造方法であって、
    繊維を含むゴム生地を、対向方向に回転する一対のロールの間を所定回数通過させ、前記繊維の延長方向を一方向に配向してシート状に成形し、繊維の配向方向を軸方向とする筒状に成形した後に加硫して筒状弾性体を形成したことを特徴とする流体注入式アクチュエータの製造方法。
  2. 円筒状に形成された筒状弾性体の両端を封止部材により封止して形成された空間に、流体を注入することにより、軸方向に収縮し、径方向に膨張する流体注入式アクチュエータの製造方法であって、
    繊維を含むゴム生地を、押出成形機により筒状に成形した後に加硫して筒状弾性体を形成したことを特徴とする流体注入式アクチュエータの製造方法。
  3. 弾性素材からなり、円筒状に形成された筒状弾性体と、
    前記筒状弾性体の端部に固定され、端部を封止することにより筒状弾性体の内部に流体の供給が可能な内部空間を形成する封止部材と、
    を備え、前記内部空間への流体の供給により前記筒状弾性体が径方向に膨張かつ軸方向に収縮するアクチュエータであって、
    前記筒状弾性体は、
    該筒状弾性体の一端側に固定された封止部材の一端側固定部から他端側に向けて延長し、
    他端側に固定された封止部材の他端側固定部に達する手前で終端し、筒状弾性体の軸方向への伸張を規制する繊維を備えることを特徴とする流体注入式アクチュエータ。
  4. 弾性素材からなり、円筒状に形成された筒状弾性体と、
    前記筒状弾性体の端部に固定され、端部を封止することにより筒状弾性体の内部に流体の供給が可能な内部空間を形成する封止部材と、
    を備え、前記内部空間への流体の供給により前記筒状弾性体が径方向に膨張かつ軸方向に収縮するアクチュエータであって、
    前記筒状弾性体は、
    該筒状弾性体の一端側に固定された封止部材の一端側固定部から他端側に固定された封止部材の他端側固定部の間に延長する繊維を備えることを特徴とする流体注入式アクチュエータ。
  5. 前記繊維は、前記一端側固定部から前記他端側固定部までの軸方向に沿う長さよりも短い繊維を含むことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の流体注入式アクチュエータ。
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