JP7365037B2 - 動作装置用ゴム部材の製造方法、動作装置用ゴム部材およびこれを用いた動作装置 - Google Patents
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Description
未加硫ゴム成分を含む円筒状の未加硫ゴム部材に対し1回目の加硫を行う一次加硫工程と、1回目の加硫が施された一次加硫ゴム部材の一部または全体に対し径方向に引張力を作用させて、該一次加硫ゴム部材に歪を生じさせる伸張工程と、該歪を維持した状態で該一次加硫ゴム部材に対し2回目の加硫を行う二次加硫工程と、2回目の加硫が施された二次加硫ゴム部材から引張力を除去する引張力除去工程と、
を包含することを特徴とするものである。
本発明の動作装置用ゴム部材の製造方法は、一次加硫工程、伸張工程、二次加硫工程、および、引張力除去工程を包含する。図1(a)~(e)に、本発明の動作装置用ゴム部材の製造方法に係る説明図を示す。図1(a)は、未加硫ゴム部材10Aにおける未加硫ゴム成分、例えば天然ゴムの高分子鎖の状態を、模式的に示している。
具体的に、まず、一次加硫工程においては、未加硫ゴム成分を含む未加硫ゴム部材10Aに対し、1回目の加硫を行う。図1(b)は、1回目の加硫が施された一次加硫ゴム部材10Bにおける天然ゴムの高分子鎖がネットワークを形成している状態を、模式的に示している。図中の黒点は、1回目の加硫による架橋点を示す。この一次ネットワーク形成時の一次加硫ゴム部材10Bの長さを、初期長さl0とする。
次に、伸張工程においては、上記一次加硫工程で1回目の加硫が施された一次加硫ゴム部材10Bに対し、少なくとも一方向に引張力を作用させて、一次加硫ゴム部材10Bに歪を生じさせる。図1(c)は、一軸伸張された一次加硫ゴム部材10Bにおける天然ゴムの高分子鎖の状態を、模式的に示している。図示するようにこの場合、一次加硫ゴム部材10Bは、引張方向である左右方向においては伸長し、引張方向に対し直交する方向である上下方向においては収縮している。この引張力により歪が生じた状態の一次加硫ゴム部材10Bの長さを、引張時長さliとする。
次に、二次加硫工程においては、上記伸張工程で生じさせた歪を維持した状態で、一次加硫ゴム部材10Bに対し2回目の加硫を行う。図1(d)は、2回目の加硫が施された二次加硫ゴム部材10Cにおける天然ゴムの高分子鎖が、一軸伸張された状態でネットワークを形成している状態を、模式的に示している。図中の白点は、2回目の加硫による架橋点を示す。
次に、引張力除去工程においては、2回目の加硫が施された二次加硫ゴム部材10Cから、引張力を除去する。図1(e)は、引張力を除去された二次加硫ゴム部材10Cにおける天然ゴムの高分子鎖により形成されたネットワーク中に、歪が残留している状態を、模式的に示している。図示するようにこの場合、二次加硫ゴム部材10Cにおいて、引張方向および引張方向に対し直交する方向の双方について歪は緩和しているが、引張力を作用させる前の初期状態までは戻らず、残留歪が存在する状態となっている。よって、この引張力除去後の一次加硫ゴム部材10Cの長さを引張後長さlfとすると、引張後長さlfは、引張時長さliよりも小さいが、初期長さl0より大きい長さとなる。
本発明の動作装置用ゴム部材は、上記本発明の製造方法により得られ、ゴム構造が、伸張された高分子鎖と圧縮された高分子鎖とを含むものである。上述したように、本発明の動作装置用ゴム部材は、ゴム部の内部に、伸張された高分子鎖により維持された歪、特には結晶層を含むので、繰返し変形によりゴム部の内部に微視的な亀裂が発生しても、その伝播を抑制することができ、耐久性に優れる。
本発明の動作装置は、ゴムの伸縮性を利用した動作機構を備えるものであって、この動作機構に含まれるゴム部材として、上記本発明の動作装置用ゴム部材を使用したものである。上述したように、本発明の動作装置用ゴム部材は、ゴム部の内部に、伸張された高分子鎖により維持された歪、特には結晶層を含むので、繰返し変形によりゴム部の内部に微視的な亀裂が発生しても、その伝播を抑制することができ、この動作装置用ゴム部材を用いることで、動作装置の耐久性も向上することができる。本発明の動作装置は、例えば、気体や液体等の流体の圧力によりゴム部材に変形を生じさせる機構を備えるものとすることができる。
人工筋肉(内径20mm、外径24mm、長さ80mm)用の筒状ゴム部材を、以下に従い製造した。
まず、人工筋肉の内径に応じた外径を有する芯材の外周に、ゴムラテックス(液状天然ゴム)をディッピングにより塗工し、乾燥して、未加硫ゴムチューブを作製した。次に、この未加硫ゴムチューブの外周に、アラミド繊維を一方向に配向させてシート状に加工したアラミド繊維シート(目付量150g/m2)を、繊維の配向方向が軸方向になるように巻き付けた。さらに、アラミド繊維シートの上から、再度上記ゴムラテックスをディッピングにより塗工し、乾燥することにより、未加硫筒状ゴム部材を作製した。
実施例と同様の未加硫筒状ゴム部材に対し、150℃105分の条件で加硫を行って、比較例の人工筋肉用筒状ゴム部材を得た。
10B 一次加硫ゴム部材
10C 二次加硫ゴム部材
20 動作装置用ゴム部材
20c 動作装置用ゴム部材の長手方向中央部
30 リング状部材
40 人工筋肉
21,41 ゴム部
42 補強部
50 蓋部材
60 リング状部材
X 結晶層
Claims (9)
- ゴム部材を備える動作装置に使用される動作装置用ゴム部材の製造方法であって、
未加硫ゴム成分を含む円筒状の未加硫ゴム部材に対し1回目の加硫を行う一次加硫工程と、1回目の加硫が施された一次加硫ゴム部材の一部または全体に対し径方向に引張力を作用させて、該一次加硫ゴム部材に歪を生じさせる伸張工程と、該歪を維持した状態で該一次加硫ゴム部材に対し2回目の加硫を行う二次加硫工程と、2回目の加硫が施された二次加硫ゴム部材から引張力を除去する引張力除去工程と、
を包含することを特徴とする動作装置用ゴム部材の製造方法。 - 前記伸張工程において前記一次加硫ゴム部材に、伸長方向に配向した結晶層を生じさせる請求項1記載の動作装置用ゴム部材の製造方法。
- 請求項1または2記載の動作装置用ゴム部材の製造方法により得られ、ゴム構造が、伸張された高分子鎖と圧縮された高分子鎖とを含むことを特徴とする動作装置用ゴム部材。
- ゴム部材を備える動作装置であって、該ゴム部材として、請求項3記載の動作装置用ゴム部材を使用したことを特徴とする動作装置。
- 前記ゴム部材が補強繊維を含む請求項4記載の動作装置。
- 前記補強繊維が、前記一次加硫ゴム部材に対する引張力の作用方向に対し直交する方向に配向している請求項5記載の動作装置。
- 流体の圧力により前記ゴム部材に変形を生じさせる機構を備える請求項4~6のうちいずれか一項記載の動作装置。
- アクチュエータである請求項4~7のうちいずれか一項記載の動作装置。
- 人工筋肉である請求項8記載の動作装置。
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