JP2014104724A - ゴム成形体の製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡便な方法で低発熱のゴム成形体を製造することができるゴム成形体の製造装置を提供する。
【解決手段】未加硫ゴム組成物を加硫成形するゴム成形体の製造装置であって、少なくとも型部材Aと型部材Bを有する成形部と、成形部を加熱する加熱部と、成形部の型部材Aと型部材Bの相対位置、加熱部の加熱温度及び加熱時間を制御する制御部とを有し、未加硫ゴム組成物を型部材Aと型部材Bの間に挟持させて、JIS K6300−2:2001で規定される方法により求められる加硫特性値t10〜t80の範囲まで加硫成形して半加硫成形体とする半加硫成形工程と、半加硫成形工程により得られた半加硫成形体の全体形状を型部材Aと型部材Bの相対位置を変えて変形させる変形工程と、変形させた状態のまま半加硫成形体を更に加硫成形する変形加硫成形工程を経てゴム成形体を得るゴム成形体の製造装置。
【選択図】図4

Description

本発明は、ゴム成形体の製造装置に関する。より詳しくは、動的環境下で使用されるゴム成形体を得るための製造装置に関する。
ゴム成形体は、未加硫ゴム組成物を、所定形状に成形した後に加硫する又は成形と同時に加硫することにより製造されている。例えば、伝動ベルトを製造する場合は、円筒状の内型と外型の間に、未加硫ゴム組成物や未加硫のベルトスリーブを配置して加硫成形されて得られるものである(特許文献1、2参照)。
タイヤの製造工程では、グリーンタイヤの内側でブラダーを膨らませて、その圧力によりグリーンタイヤを金型に押しつけると共に、スチームなどの熱媒体でグリーンタイヤを加熱してゴム成分を加硫している(特許文献3参照)。複雑な形状の加硫物を作る方法として、2段階で加硫を行う方法も提案されている(特許文献4参照)。特許文献4に記載の方法は、要加工部のみを半加硫状態とし、それ以外の部分を完全に加硫させた予備成形体を形成した後、予備成形体の半加硫状態の部分を、目的の形状になるように変形させ、その状態で再度加硫させて加硫物としている。
前述した伝動ベルトやタイヤなどのように動的環境下で使用される加硫ゴム製品は、使用時に繰り返し変形を受けることが多い。その際、粘弾性体に固有のヒステリシスロス(変形損失摩擦)により発熱を生じる。この使用時の発熱は、エネルギーをロスするだけでなく、高温劣化による製品寿命の短縮にも繋がる。このため、ゴム成形体においては、動的環境下で使用した場合の発熱を低く抑えることが大きな課題となっており、主に材料の面から種々の提案がなされている(特許文献5、6参照。)。
特開2008−155606号公報 特開2009−119846号公報 特開2005−066848号公報 特開平08−001816号公報 特開2011−126929号公報 特開2011−148891号公報
特許文献1〜4に記載の加硫成形方法では、低発熱性の加硫物を得ることはできない。特許文献5、6に記載の方法では、ゴム成分を特定の末端構造や架橋構造をもつように改質したり、ゴム組成物に特定の加硫剤又は第三成分としての改質剤を加えたりする必要があるため、得られる加硫ゴムの用途が限定される。特許文献5、6に記載の方法では、成形工程で低発熱化効果が緩和されてしまうため、十分な低発熱性が発現されない可能性がある。
本発明は、簡便な方法で低発熱のゴム成形体を製造することができるゴム成形体の製造装置を提供することを課題とする。
本発明は、未加硫ゴム組成物を加硫成形するゴム成形体の製造装置であって、少なくとも型部材Aと型部材Bを有する成形部と、成形部を加熱する加熱部と、成形部の型部材Aと型部材Bの相対位置、加熱部の加熱温度及び加熱時間を制御する制御部とを有し、未加硫ゴム組成物を型部材Aと型部材Bの間に挟持させて、JIS K6300−2:2001で規定される方法により求められる加硫特性値t10〜t80の範囲まで加硫成形して半加硫成形体とする半加硫成形工程と、半加硫成形工程により得られた半加硫成形体の全体形状を型部材Aと型部材Bの相対位置を変えて変形させる変形工程と、変形させた状態のまま半加硫成形体を更に加硫成形する変形加硫成形工程を経てゴム成形体を得るゴム成形体の製造装置である。
本発明によれば、簡便な方法で低発熱のゴム成形体を製造することができるゴム成形体の製造装置が得られる。
ゴム成形体の製造装置における製造方法の各工程を示すフローチャート図である。 図1に示す半加硫成形工程の一形態を模式的に示す図である。 図1に示す半加硫成形工程の一形態を模式的に示す図である。 圧縮変形を加えてゴム成形体を得る場合の、未加硫ゴム組成物、型部材A及び型部材Bの動きを模式的に示す図である。 伸長変形を加えてゴム成形体を得る場合の、未加硫ゴム組成物、型部材A及び型部材Bの動きを模式的に示す図である。 せん断変形を加えてゴム成形体を得る場合の、未加硫ゴム組成物、型部材A及び型部材Bの動きを模式的に示す図である。 ねじり変形を加えてゴム成形体を得る場合の、未加硫ゴム組成物、型部材A及び型部材Bの動きを模式的に示す図である。 最大変形率の算出基準を示す概念図である。 ゴム成形体の製造装置の構成を模式的に示すブロック図である。
本発明のゴム成形体の製造装置を用いて、ゴム成形体を得る際の各工程を説明する。図1に示すように、未加硫ゴム組成物は、半加硫成形工程、変形工程、変形加硫成形工程の各工程を経てゴム成形体とされる。
<半加硫成形工程>
半加硫成形工程は、未加硫ゴム組成物を特定の範囲まで加硫して半加硫成形体にする工程である。具体的には、図2(a)に示す成形型の型部材A(2a)と型部材B(2b)の間や、図3(a)に示す型部材A(12a)と型部材B(12b)の間に未加硫ゴム組成物(1、11)を、JIS K6300−2:2001で規定される方法により求められる加硫特性値t10〜t80の範囲まで加硫して半加硫成形体(3、13)とするものである。ここで、「加硫特性値」とは、加硫物における加硫の度合い(加硫度)を示すものである。
この半加硫成形工程で得られる半加硫成形体(3、13)の加硫特性値がt10未満であった場合、後述する変形加硫工程により形状が大きく変化し、成形時の形状を維持することができなくなる。一方、半加硫成形体(3、13)の加硫特性値がt80を超える場合、後述する変形加硫工程を行っても低発熱化効果が発現しなくなる。半加硫成形工程における加硫条件(温度・時間など)は、得られる半加硫成形体の加硫特性値をt10〜t80の範囲にすること以外は、ゴム組成物に配合されるゴム成分や架橋剤などの種類及び配合量などに応じて、適宜設定すればよい。
<変形工程>
変形工程は、半加硫工程によって得られた半加硫成形体の全体の形状を変形させる工程である。具体的には、型部材A、型部材Bの少なくとも一方の全部又は一部を動かしてその相対位置を変えることにより、半加硫成形体を変形させることができる。半加硫成形体の変形は、圧縮、伸長、せん断及びねじりの変形方式において、特に好適な効果を発現する。
「圧縮」
図4(a)及び(b)に示すように、型部材A(2a)と型部材B(2b)を相互に近づける方向に動かすことで、半加硫成形体(3)に圧縮変形を加えることができる。この場合、半加硫成形体(3)の変形率は10〜80%とすることが好ましい。変形率が10%に満たないと、得られるゴム成形体(4)の発熱性低減の効果が十分に得られないことがある。変形率が80%を超えると、過大な圧力が必要になるばかりでなく、ゴム成分の種類によっては半加硫成形体(3)が圧壊してしまう場合がある。
「圧縮」の場合のより好ましい変形率は10〜50%である。この範囲に設定することにより、各種物性に優れ、かつ低発熱性のゴム成形体(4)を得ることができる。ここで規定する「変形率(%)」は、変形を加える前の半加硫成形体(3)における変形させる方向の長さをC(図4(a)参照)、変形させた状態の半加硫成形体3における変形方向の長さをD(図4(b)参照)としたとき、{(C−D)/C}×100により求められる値である。この長さC及びDの定義は、後述する「伸長」の場合においても同様である。
「伸張」
図5(a)及び(b)に示すように、半加硫成形体(3)を上下又は左右方向から引っ張ることで、半加硫成形体(3)に伸長変形を加えることができる。その際、半加硫成形体3の変形率は30〜300%とすることが好ましい。変形率が30%に満たないと、得られるゴム成形体(5)の発熱性低減の効果が十分に得られないことがある。変形率が300%を超えると、ゴム成分の種類によっては、半加硫成形体(3)が破断したり、得られるゴム成形体(5)の弾性が失われたりすることがある。
「伸長」の場合のより好ましい変形率は40〜200%である。この範囲に設定することにより、各種物性に優れ、かつ低発熱性のゴム成形体(5)を得ることができる。が得られる。変形が「伸長」である場合、変形率(%)は{(D−C)/C}×100により求められる。
「せん断」
図6(a)及び(b)に示すように、型部材A(2a)と型部材B(2b)の両方をそれぞれ逆の方向にスライドさせるか、又は型部材A(2a)と型部材B(2b)の一方を固定し、他方をスライドさせることにより、半加硫成形体(3)にせん断変形を加えることができる。この場合、半加硫成形体(3)の変形率は、10〜200%とすることが好ましい。変形率が10%未満の場合、得られるゴム成形体(6)の発熱性低減の効果が十分に得られないことがある。変形率が200%を超えると、過大なせん断力が必要になるばかりでなく、ゴム成分の種類によっては半加硫成形体(3)が切断してしまうことがある。
「せん断」の場合のより好ましい変形率は10〜150%である。この範囲に設定することにより、各種物性に優れ、かつ低発熱性のゴム成形体(6)を得ることができる。変形が「せん断」である場合の変形率(%)は、図6(b)に示したように、ずれの長さをE、せん断面間距離をFとしたとき、(E/F)×100により求められる。
「ねじり」
図7(a)及び(b)に示すように、型部材A(12a)と型部材B(12b)のいずれか一方を回転させるか、又は型部材12a,12bの両方をそれぞれ逆方向に回転させることにより、半加硫成形体13にねじり変形を加えることができる。この場合、半加硫成形体(13)の最大変形率は、30〜300%とすることが好ましい。最大変形率が30%未満の場合、得られるゴム成形体(14)の発熱性低減の効果が十分に得られないことがある。変形率が300%を超えると、過大なトルクが必要になるばかりでなく、ゴム成分の種類によっては半加硫成形体(13)がねじ切れてしまうことがある。
「ねじり」の場合のより好ましい最大変形率は50〜200%である。この範囲に設定することにより、各種物性に優れ、かつ低発熱性の加硫物(成形体14)を得ることができる。図8はねじり変形の最大変形率の算出基準を示す概念図である。ねじり変形の最大変形率(%)は、図8に示す回転半径をR、ねじり角をθラジアン、試料高さをHとしたとき、(Rθ/H)×100により求められる。
<変形加硫工程>
変形加硫工程は、変形工程により全体形状を変形させた状態で半加硫成形体を更に加硫する工程である。具体的には、図4〜7に示すように、半加硫成形体(3、13)を型部材A(2a、12a)と型部材B(2b、12b)に挟持させたまま、これら型部材の相対位置を変えて半加硫成形体(3、13)を全体的に変形させた状態で、その加硫特性値がt50〜t90の範囲になるまで加硫を行う。
このとき、成形部には半加硫成形体(3、13)を変形させた際に発生する変形部分が進入可能な間隙を設けておくと、半加硫成形体(3、13)の変形が阻害されることがないため好ましい。
その後、変形を解除して、ゴム成形体(4、5、6、14)が得られる。
このようにして得られたゴム成形体(4、5、6、14)は、半加硫成形体(3、13)と大きな形状差異はないが、その変形量に応じた永久歪みを有するものになる。
ゴム成形体(4、5、6、14)の加硫特性値の範囲は、製品の実用性の観点に基づいて規定した値である。具体的には、t50〜t90の範囲であることが好ましい。加硫特性値がt50未満の場合、加硫度が低くなり、耐久性不足に起因する製品不良を生じることがある。また、加硫特性値がt90を超える場合、加硫時間延長による成形サイクルの低下によって、生産コストが増加するおそれがある。ゴム成形体の加硫特性値は、変形加硫工程における加硫温度や加硫時間を調整することで目的の値とすることができる。
前述した変形加硫工程における加硫条件(温度・時間など)は、特に限定されるものではなく、ゴム組成物に配合されるゴム成分や架橋剤などの種類及び配合量などに応じて、適宜設定することができる。
ゴム成形体は、必要に応じて、切断、研磨、曲げ、接着及びラッピングなどの各種加工を行ってもよい。
得られたゴム成形体は、ゴム組成物に含有されるシリカ及び/又はカーボンブラックの分散性が向上し、フィラーも含めた網目構造が発達するため、特に低周波数領域でのtanδが減少する。その結果、加硫ゴム製品に要求される種々の物性を低下させることなく、低発熱性のゴム成形体を実現することができる。
特許文献4に記載の方法も2段階で加硫を行っている。しかしながら、この方法は複雑な形状の製品を成形するために、複数回に分けて成形加硫を行っているものであり、本発明のゴム成形体の製造装置とは、目的及び技術的思想が異なっている。特に、特許文献4に記載の方法によって得られるゴム成形体は、既に成形した部分には変形が加えられておらず、未成形の部分を変形させて目的とする形状に加硫成形しているため、本発明のゴム成形体の製造装置によって得られたゴム成形体のように、低発熱化の効果は得られない。
本発明のゴム成形体の製造装置では、半加硫成形工程と変形加硫工程で異なる型部材を使用する場合でも、同様に低発熱のゴム成形体を製造することが可能である。
本発明ゴム成形体の製造装置は、図9に示すように、少なくとも型部材A(20a)と型部材B(20b)を有する成形部(21)と、成形部(21)を加熱する加熱部(22)と、成形部(21)の型部材A(20a)と型部材B(20b)の相対位置、加熱部(22)の加熱温度及び加熱時間を制御する制御部(23)を有するものである。
<成形部>
成形部(21)は、未加硫ゴム組成物を加硫成形して半加硫成形体とした後、半加硫成形体を変形させたまま、再度加硫成形してゴム成形体とする部分である。ここで使用する成形型は、少なくとも型部材A(20a)と型部材B(20b)で構成されている。
成形部(21)に配置される型部材は、型部材A(20a)と型部材B(20b)の相対位置を変えた際に発生する半加硫成形体の変形部分が進入可能な間隙が存在する構造をしている。
<加熱部>
加熱部(22)は、成形部(21)の型部材A(20a)と型部材B(20b)を加熱するためのものであり、蒸気供給路や熱媒体供給路を備えた蒸気缶やヒーターなどを使用することができる。
<制御部>
制御部(23)は、成形部(21)の型部材A(20a)と型部材B(20b)の相対位置、加熱部(22)の加熱温度及び加熱時間を制御するものであり、コンピュータなどで構成されている。なお、型部材A(20a)と型部材B(20b)の位置を変更するための機構としては、伸縮可能なジャケット構造を有し、未加硫ゴム組成物や半加硫成形体へ任意に変形や荷重を与えることが可能なものなどがある。特に、加硫成形中に段階的に変形形態や荷重を変更できる構成のものが好ましい。
<動作>
本発明のゴム成形体の製造装置を使用してゴム成形体を製造する場合は、成形部(21)の型部材A(20a)と型部材B(20b)との間に未加硫ゴム組成物を配置した後、制御部(23)によってこれら型部材を、未加硫ゴム組成物を半加硫成形体とする位置に移動させる。その後、制御部(23)によって加熱部(22)を制御して、成形部(21)に配置された型部材A(20a)と型部材B(20b)の加熱温度や加熱時間を制御して、未加硫ゴム組成物を加硫特性値がt10〜t80の範囲の半加硫成形体になるまで加硫成形する。
未加硫ゴム組成物を半加硫成形体とした後、制御部(23)によって型部材A(20a)と型部材B(20b)の相対位置を変更して、半加硫成形体を全体的に変形させる。その際、半加硫成形体に、圧縮、伸長、せん断及びねじりから選択される少なくとも1種の変形が加わるように、型部材A(20a)と型部材B(20b)を移動させる。制御部(23)によって加熱部(22)を制御して、半加硫成形体を変形させた状態のまま再度加硫し、加硫特性値がt50〜t90の範囲のゴム成形体を形成する。その後、成形部(21)の型部材A(20a)と型部材B(20b)を移動して変形を解除し、ゴム成形体を取り出す。
以上詳述したように、本発明のゴム成形体の製造装置は、制御部(23)によって、成形部(21)に設けられた型部材A(20a)と型部材B(20b)の相対位置の制御、加熱部(22)の加熱温度及び加熱時間を制御しているため、特定の加硫度の半加硫成形体の形成及び半加硫成形体の変形加硫を容易に実施することができる。
なお、本実施形態のゴム成形体の製造装置における上記以外の構成及び効果は、前述した第1の実施形態と同様である。
本発明で使用される未加硫ゴム組成物は、ゴムに、シリカやカーボンブラックなどの充填材、その他の添加剤を配合したものである。
ゴムは、天然ゴム及び合成ゴムのいずれでもよく、その両方を併用することもできる。合成ゴムとしては、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、ノルボルネンゴム、エチレン−酢酸ビニルゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、エピクロロヒドリンゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム及び多硫化ゴムなどが挙げられる。これらの合成ゴムは、単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
ゴムに配合されるシリカは、湿式シリカ、乾式シリカ及びコロイダルシリカなど、ゴムの補強用充填材として使用可能なものから任意に選択して使用することができる。各種シリカの中でも、特に、補強効果及び低発熱化効果向上の観点から、ISO 5794/1に準拠して測定したBET比表面積が50m/g以上のものを使用することが好ましく、100m/g以上のものがより好ましい。このようなシリカとしては、東ソー・シリカ株式会社製「ニプシルAQ」(BET比表面積:190m/g)や「ニプシルVN3」、デグッサ社製「ウルトラジルVN3」(BET比表面積:175m/g)などがある。
ゴムにシリカを配合する場合は、その配合量は、ゴム成分100質量部あたり10〜80質量部とすることが好ましい。シリカ配合量が、ゴム成分100質量部あたり10質量部未満の場合、十分な補強効果が得られないことがある。一方、シリカ配合量が、ゴム成分100質量部あたり80質量部を超えると、分散性が低下して十分に低発熱化できないことがあり、更に、急激に加工性が悪化することもある。
ゴム組成物におけるシリカの配合量は、ゴム成分100質量部あたり40〜60質量部とすることがより好ましい。この範囲に設定することにより、効果的に低発熱化できるだけでなく、十分な補強効果と加工安全性を得ることができる。ここで、「加工安全性」とは、スコーチタイムにより評価される加工特性であり、不良発生率に大きく影響する。具体的には、スコーチタイムが短いと、高温での成形中に未加硫ゴム成分が加硫されて成形不良が発生する頻度が高くなる。
充填材としてシリカを配合する場合は、シリカ100質量部に対してシランカップリング剤を0.5〜25質量部配合することが望ましい。シランカップリング剤は、シリカなどの無機充填材の表面に存在するOH基及びゴム成分の共役ジエン系重合体と反応して、無機充填材とゴムとの結合橋として作用し補強相を形成する。このため、シランカップリング剤を配合することにより、シリカによる補強効果を向上させると共に、低発熱化に寄与することができる。
シランカップリング剤の配合量が、シリカ100質量部に対して0.5質量部未満の場合、シリカとの反応性が乏しく、前述した添加効果少ない傾向がある。また、シリカ100質量部に対して25質量部を超えてシランカップリング剤を配合しても、添加効果の向上はみられず、製造コストの増大を招くこととなる。
ゴムに配合するシランカップリング剤としては、スルフィド系シランカップリング剤、メルカプト系シランカップリング剤、アミノ系シランカップリング剤、グリシド系シランカップリング剤、その他のシランカップリング剤を用いることができる。
スルフィド系シランカップリング剤としては、ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス−(3−トリメトキシンリルプロピル)テトラスルフィド、ビス−(3−メチルジメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス−(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス−(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィドがある。
メルカプト系シランカップリング剤としては、3−ヘキサノイルチオプロピルトリエトキシシラン、3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン、3−デカノイルチオプロピルトリエトキシシラン、3−ラウロイルチオプロピルトリエトキシシラン、2−ヘキサノイルチオエチルトリエトキシシラン、2−オクタノイルチオエチルトリエトキシシラン、2−デカノイルチオエチルトリエトキシシラン、2−ラウロイルチオエチルトリエトキシシラン、3−ヘキサノイルチオプロピルトリメトキシシラン、3−オクタノイルチオプロピルトリメトキシシラン、3−デカノイルチオプロピルトリメトキシシラン、3−ラウロイルチオプロピルトリメトキシシラン、2−ヘキサノイルチオエチルトリメトキシシラン、2−オクタノイルチオエチルトリメトキシシラン、2−デカノイルチオエチルトリメトキシシラン、2−ラウロイルチオエチルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシランなどがある。
アミノ系シランカップリング剤としては、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシランなどがある。
グリシド系シランカップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランなどがある。
その他のシランカップリング剤としては、ジチオカルバミン酸系の3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ベンゾチアゾリル系の3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、メタクリル酸系の3−トリメトキシシリルプロピルメタクリロイルモノスルフィドなどがある。
ゴムに配合されるシランカップリング剤は、これらに限定されるものではなく、ゴム組成物の加硫などに影響を与えないものであればよい。また、これらのシランカップリング剤は、それぞれ単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
ゴムに配合されるカーボンブラックは、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAFなどがある。特に、従来、分散性に劣るとされていた比表面積が比較的大きいもの、具体的には、JIS K6217のA法で規定される窒素吸着比表面積(NSA)が30〜200m/gのものを使用することが好ましい。NSAが30m/g未満のカーボンブラックを使用すると、十分に低発熱化されないことがあり、また、NSAが200m/gを超えるカーボンブラックは、分散不良を生じることがあり、結果として製品不良を引き起こすことがある。
カーボンブラックの配合量は、ゴム100質量部に対して20〜80質量部とすることが好ましい。カーボンブラック配合量が、20質量部未満の場合、パーコレーション閾値を下回り、低発熱効果が十分に得られない傾向があり、80質量部を超えると低発熱効果が発現しない傾向がある。
シリカ及びカーボンブラック以外の充填材としては、γ−アルミナ及びα−アルミナなどのアルミナ(Al)、ベーマイト及びダイアスポアなどのアルミナ一水和物(Al・HO)、ギブサイト及びバイヤライトなどの水酸化アルミニウム[Al(OH)]、炭酸アルミニウム[Al(CO]、水酸化マグネシウム[Mg(OH)]、酸化マグネシウム(MgO)、炭酸マグネシウム(MgCO)、タルク(3MgO・4SiO・HO)、アタパルジャイト(5MgO・8SiO・9HO)、チタン白(TiO)、チタン黒(TiO2n−1)、酸化カルシウム(CaO)、水酸化カルシウム[Ca(OH)]、酸化アルミニウムマグネシウム(MgO・Al)、クレー(Al・2SiO)、カオリン(Al・2SiO・2HO)、パイロフィライト(Al・4SiO・HO)、ベントナイト(Al・4SiO・2HO)、ケイ酸アルミニウム(AlSiO、Al・3SiO・5HOなど)、ケイ酸マグネシウム(MgSiO、MgSiOなど)、ケイ酸カルシウム(CaSiOなど)、ケイ酸アルミニウムカルシウム(Al・CaO・2SiOなど)、ケイ酸マグネシウムカルシウム(CaMgSiO)、炭酸カルシウム(CaCO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、水酸化ジルコニウム[ZrO(OH)・nHO]、炭酸ジルコニウム[Zr(CO]、各種ゼオライトのように電荷を補正する水素、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を含む結晶性アルミノケイ酸塩などを使用することができる。
ゴムには、本発明の目的が損なわれない範囲で、通常ゴム工業界で用いられる各種薬品、加硫剤、加硫促進剤、スコーチ防止剤などの加硫系配合剤、プロセス油、老化防止剤、亜鉛華、ステアリン酸などを配合してもよい。
未加硫ゴム組成物は、バルク状のものだけでなく、本発明のゴム成形体の製造装置とは別の工程で、未加硫ゴム組成物を特定の形状に加工した予備成形体を用いることもできる。
1 未加硫ゴム組成物
2a 型部材A
2b 型部材B
3 半加硫成形体
4 ゴム成形体
5 ゴム成形体
6 ゴム成形体
11 未加硫ゴム組成物
12a 型部材A
12b 型部材B
13 半加硫成形体
14 ゴム成形体
20a 型部材A
20b 型部材B
21 成形部
22 加熱部
23 制御部

Claims (1)

  1. 未加硫ゴム組成物を加硫成形するゴム成形体の製造装置であって、
    少なくとも型部材Aと型部材Bを備える成形部と、
    成形部を加熱する加熱部と、
    成形部の型部材Aと型部材Bの相対位置、加熱部の加熱温度及び加熱時間を制御する制御部とを有し、
    未加硫ゴム組成物を型部材Aと型部材Bの間に挟持させて、JIS K6300−2:2001で規定される方法により求められる加硫特性値t10〜t80の範囲まで加硫成形して半加硫成形体とする半加硫成形工程と、半加硫成形工程により得られた半加硫成形体の全体形状を型部材Aと型部材Bの相対位置を変えて変形させる変形工程と、半加硫成形体を変形させた状態のまま更に加硫成形する変形加硫成形工程を経てゴム成形体とするゴム成形体の製造装置。
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