JP7323551B2 - アクチュエータ - Google Patents
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Description
前記チューブの内径r0(mm)と、前記チューブの厚さt(mm)と、前記チューブの25℃での貯蔵弾性率E’(MPa)と、加圧時の前記スリーブを構成するコードの網目開口率Aとが、下記式(1):
50 ≦ E’×(t/r0)/A ≦ 600 ・・・ (1)
を満たすことを特徴とする。
かかる本発明のアクチュエータは、従来のアクチュエータよりも耐久性が更に向上している。
また、このようなアクチュエータ10は、いわゆるマッキベン型であり、人工筋肉用として適用できることは勿論のこと、より高い能力(収縮力)が要求されるロボットの体肢(上肢、下肢等)用としても好適に用い得る。連結部20には、当該体肢を構成する部材等が連結される。
封止機構200に設けられているフィッティング400は、アクチュエータ10の駆動圧力源、具体的には、作動流体のコンプレッサと接続されたホース(管路)を取り付けられるように突出している。フィッティング400を介して流入した作動流体は、通過孔410を通過してアクチュエータ本体部100の内部、具体的には、チューブ110の内部に流入する。
一方、封止機構300に設けられているフィッティング500は、アクチュエータに作動流体を注入する際の、ガス抜きとして使用できるように突出している。アクチュエータの作動初期において、作動流体をアクチュエータに注入すると、アクチュエータ内部に元々存在していたガスは、通過孔510を介してフィッティング500から排出される。
アクチュエータ本体部100は、前述したように、チューブ110とスリーブ120とによって構成される。
また、胴体部211の鍔部212寄りの位置には、胴体部211よりも外径が小さい小径部214が形成される。
係止リング220の外径は、胴体部211の外径よりも大きい。係止リング220は、胴体部211の小径部214の位置においてスリーブ120を係止する。つまり、係止リング220は、胴体部211の径方向DR外側であって、鍔部212に隣接する位置において、スリーブ120を係止する。
係止リング220は、胴体部211よりも小さい小径部214に係止させるため、本実施形態では、二分割の形状としている。なお、係止リング220は、二分割に限らず、より多くの部分に分割してもよいし、一部の分割部分が回動可能に連結されていてもよい。
係止リング220としては、封止部材210と同様の金属や硬質プラスチック材料等を用いることができる。
前述したように、封止部材210は、胴体部211の外径よりも小さい外径を有する小径部214を有する。
なお、本発明においては、接着層240は、必須ではなく、折り返し部120aは、スリーブ本体部120bと接着されていなくてもよい。
なお、チューブ110の25℃での貯蔵弾性率E’は、チューブ110に用いる原料組成物の配合により調整できる。また、本発明において、チューブ110の25℃での貯蔵弾性率E’は、実施例に記載の方法で測定する。
図5(a)及び(b)に示すように、本発明において、加圧時における、スリーブ120を構成するコード121の網目開口率Aは、アクチュエータ本体部100の外表面の面積(S1)に対する、スリーブ120を構成するコード121の間隙122の総面積(S2)の比(S2/S1)であり、換言すると、チューブ110の外表面の面積(S1’)に対する、スリーブ120を構成するコード121の間隙122から露出するチューブ110の露出面積の合計(S2’)の比(S2’/S1’)である。
ここで、加圧時とは、アクチュエータの内圧を5MPaとした状態を指す。
加圧時における、スリーブを構成するコードの網目開口率Aは、0.005(0.5%)~0.06(6.0%)の範囲が好ましい。スリーブを構成するコードの網目開口率Aが0.005(0.5%)以上であれば、アクチュエータの収縮率が大きくなり、十分な動作長を確保できる。また、スリーブを構成するコードの網目開口率Aが0.06(6.0%)以下であれば、スリーブ120を構成するコード121の間隙122からのチューブ110のはみ出しを抑制でき、アクチュエータとしての耐久性が更に向上する。
なお、加圧時における、スリーブ120を構成するコード121の網目開口率Aは、スリーブ120の編み方や、使用するコード121の繊度、撚り数、組数、太さ、材質、打ち込み密度等を選択することで、調整できる。
50 ≦ E’×(t/r0)/A ≦ 600 ・・・ (1)
を満たすことを特徴とする。以下、式(1)中の「E’×(t/r0)/A」を、本明細書においては、耐久性能因子値と呼ぶことがある。
第1のケースとしては、チューブ110の内径r0(mm)と、チューブ110の厚さt(mm)と、加圧時のスリーブ120を構成するコード121の網目開口率Aとが一定であり、チューブ110の25℃での貯蔵弾性率E’(MPa)が過剰に低くなる場合がある。チューブ110の25℃での貯蔵弾性率E’が過剰に低いと、スリーブ120を構成するコード121の間隙122から、チューブ110が押し出され易くなるため、チューブ110の亀裂故障に至るまでの、アクチュエータの作動可能回数が少なくなる。
第2のケースとしては、チューブ110の内径r0(mm)と、チューブ110の25℃での貯蔵弾性率E’(MPa)と、加圧時のスリーブ120を構成するコード121の網目開口率Aとが一定であり、チューブ110の厚さt(mm)が過剰に薄くなる場合がある。チューブ110の厚さtが過剰に薄いと、チューブ110に生じた亀裂がチューブ110を貫通するまでの距離が短くなるため、チューブ110の亀裂故障に至るまでの、アクチュエータの作動可能回数が少なくなる。
第3のケースとしては、チューブ110の厚さt(mm)と、チューブ110の25℃での貯蔵弾性率E’(MPa)と、加圧時のスリーブ120を構成するコード121の網目開口率Aとが一定であり、チューブ110の内径r0(mm)が過剰に大きくなる場合がある。チューブ110の内径r0が過剰に大きいと、チューブ110の周方向の応力が増大するため、チューブ110の亀裂故障に至るまでの、アクチュエータの作動可能回数が少なくなる。
第4のケースとしては、チューブ110の内径r0(mm)と、チューブ110の厚さt(mm)と、チューブ110の25℃での貯蔵弾性率E’(MPa)とが一定であり、加圧時のスリーブ120を構成するコード121の網目開口率Aが過剰に大きい場合がある。加圧時のスリーブ120を構成するコード121の網目開口率Aが過剰に大きいと、スリーブ120を構成するコード121の間隙122から、チューブ110が押し出され易くなるため、チューブ110の亀裂故障に至るまでの、アクチュエータの作動回数が少なくなる。
第1のケースとしては、チューブ110の内径r0(mm)と、チューブ110の厚さt(mm)と、加圧時のスリーブ120を構成するコード121の網目開口率Aとが一定であり、チューブ110の25℃での貯蔵弾性率E’(MPa)が過剰に高くなる場合がある。チューブ110の25℃での貯蔵弾性率E’が過剰に高いと、アクチュエータの収縮挙動が大幅に制限され、収縮力が発現できないため、アクチュエータとして機能しなくなる。
第2のケースとしては、チューブ110の内径r0(mm)と、チューブ110の25℃での貯蔵弾性率E’(MPa)と、加圧時のスリーブ120を構成するコード121の網目開口率Aとが一定であり、チューブ110の厚さt(mm)が過剰に厚くなる場合がある。チューブ110の厚さtが過剰に厚いとアクチュエータの収縮挙動が大幅に制限され、収縮力が発現できないため、アクチュエータとして機能しなくなる。
第3のケースとしては、チューブ110の厚さt(mm)と、チューブ110の25℃での貯蔵弾性率E’(MPa)と、加圧時のスリーブ120を構成するコード121の網目開口率Aとが一定であり、チューブ110の内径r0(mm)が過剰に小さくなる場合がある。チューブ110の内径r0が過剰に小さいと、封止機構200の挿入部の径が細くなるため、アクチュエータの強度が大幅に低下する。
第4のケースとしては、チューブ110の内径r0(mm)と、チューブ110の厚さt(mm)と、チューブ110の25℃での貯蔵弾性率E’(MPa)とが一定であり、加圧時のスリーブ120を構成するコード121の網目開口率Aが過剰に小さい場合がある。加圧時のスリーブ120を構成するコード121の網目開口率Aが過剰に小さいことは、加圧時にスリーブ120を構成するコード121の動きが制限されることを意味するため、アクチュエータが十分に収縮せず、アクチュエータとして機能しなくなる。
なお、図1~4に示すチューブ110は、1層構造であるが、本発明において、チューブ110は2層以上の構造を有していてもよい。また、チューブ110の直径(外径)は、目的とする用途に応じて、適宜選択できる。
ここで、チューブ110が1層構造の場合、本発明のアクチュエータは、空気圧式アクチュエータとしても、液圧式アクチュエータとしても、利用できるが、空気圧式アクチュエータとして好適に用いられる。一方、チューブ110が2層以上の構造を有する場合、本発明のアクチュエータは、空気圧式アクチュエータとしても、液圧式アクチュエータとしても、好適に用いられる。
なお、チューブ110が2層以上の構造を有する場合、作動流体と接する最内層のゴム層は、作動流体に適したゴム成分を含むことが好ましく、例えば、作動流体が油の場合は、NBR、水素化NBRが好ましく、作動流体が水の場合は、EPDM、NR、BR、CRが好ましい。
また、前記ゴム層は、上記のゴム成分以外のゴム成分を含んでもよい。
前記カーボンブラックとしては、特に限定されるものではなく、例えば、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAFグレードのカーボンブラックが挙げられる。これらカーボンブラックは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記シリカとしては、特に制限はなく、例えば、湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等が挙げられ、これらの中でも、湿式シリカが好ましい。これらシリカは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
図6(a)及び(b)に示すように、本発明においては、無負荷且つ無加圧状態(即ち、初期状態)において、スリーブ120を構成するコード121の、アクチュエータの軸方向DAXに対する平均角度θ(即ち、初期の編角)が25~40°であることが好ましい。無負荷且つ無加圧状態において、スリーブ120を構成するコード121の、アクチュエータの軸方向DAXに対する平均角度θが25°以上であれば、スリーブ120の耐久性が向上する。また、無負荷且つ無加圧状態において、スリーブ120を構成するコード121の、アクチュエータの軸方向DAXに対する平均角度θが40°以下であれば、アクチュエータの収縮率が大きくなる。
ここで、初期状態における、スリーブ120を構成するコード121の、アクチュエータの軸方向DAXに対する平均角度θは、例えば、スリーブ120を編む際のコード121の方向を調整し、更に、円筒状にする際のコード121の方向を調整することで、調整できる。
なお、本発明において、アクチュエータの軸方向DAXに対する平均角度θは、コード121とアクチュエータの軸方向DAXとがなす角度の鋭角側の角度を指す。
なお、スリーブ120は、所定方向に配向されたコード121を編み込んだ筒状の構造体であるが、編み込むコード121の総数が組数に相当する。例えば、スリーブ120が、等間隔、平行かつ螺旋状に配置されたX本のコード121と、このX本のコード121と斜交するとともに、等間隔、平行かつ螺旋状に配置された他のY本のコード121とが交互に編み込まれてなる網目状筒状体である場合、スリーブ120を構成するコード121の組数は、X+Y(本)となる。
スリーブ120を組紐技術で編み上げる際に、通常は1本の撚糸を4の倍数箇所から繰り出す。ここで、本発明では、48~96組を好適範囲とする。そして、バンドルとは、複数本の撚糸を4の倍数箇所から繰り出し編み上げることを指す。例えば、2本バンドルで96組とした場合、実質2本×96組=192本の撚糸で編み上げることができ、効果として、開口時の網目開口率を大幅に削減でき、耐久性を向上させることができる。
但し、このような種類の繊維コードに限定されるものではなく、例えば、PBO(ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール)繊維などの高強度繊維や、極細のフィラメントによって構成される金属製のコードを用いてもよい。
なお、熱硬化性樹脂とラテックスとの混合物中の固形分率は、15質量%以上50質量%以下が好ましく、20質量%以上40質量%以下が更に好ましい。また、熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、レゾルシン樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられ、ラテックスとしては、ビニルピリジン(VP)ラテックス、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)ラテックス、アクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR)ラテックス等が挙げられる。
また、コード121が原糸1本を撚ってなる、所謂、片撚り構造である場合、例えば、原糸をひきそろえて、一方の方向に撚りをかけることで、撚糸コードとして得ることができる。
表1に示す配合処方に従い、各成分を混練りして組成物を調製した。
得られた組成物を表1に示す条件で加硫することにより、長さ300mmの円筒形状のチューブを作製した。得られたチューブに対して、以下の方法で、25℃での貯蔵弾性率E’を測定した。
各ゴムチューブを軸方向にカッターで切り開き、開いたサンプルをチューブ径方向と平行に6mm×36mmの短冊形状に打ち抜き加工し、DMS7100(日立ハイテクサイエンス製)を用いて、温度範囲-150℃~150℃、昇温速度3℃/min、周波数1Hz、歪量0.05%、引張モードで測定を行い、線形域での貯蔵弾性率E’値を得た。
表1に示す配合処方に従い、各成分を混練りして組成物を調製し、得られる組成物を表1に示す条件で加硫することにより、長さ300mmの円筒形状のチューブを作製し、得られるチューブに対して、上記の方法で、25℃での貯蔵弾性率E’を測定する。
*2 変性BR: 変性ブタジエンゴム、JSR社製
*3 BR1: ブタジエンゴム、JSR社製、商品名「BR01」
*4 BR2: ブタジエンゴム、宇部興産製、商品名「UBEPOL VCR412」
*5 IR: イソプレンゴム、JSR社製、商品名「IR2200」
*6 NBR: アクリロニトリル-ブタジエンゴム、少なくともJSR社製の商品名「N220S」を含むアクリロニトリル-ブタジエンゴムの総量
*7 LLDPE: 直鎖状低密度ポリエチレン、日本ポリエチレン社製、商品名「UR951」
*8 CB1: カーボンブラック、N550
*9 CB2: カーボンブラック、HAF相当
*10 CB3: カーボンブラック、旭カーボン社製、商品名「#120」
*11 C5樹脂: 日本ゼオン社製、商品名「クイントンA100」
*12 粘着付与剤: JXTGエネルギー社製
*13 その他薬品: プロセスオイルや樹脂以外の可塑剤、酸化亜鉛、ワックス等の薬品の総量
*14 加硫パッケージ: 硫黄と加硫促進剤とリターダーとの合計量
*15 老化防止剤: 大内新興化学工業株式会社製「ノクラック6C」
表2に示す仕様のアラミド繊維コードを編み込んで作製した網目状で、円筒状のスリーブを用意した。
なお、スリーブ1の作製に使用したアラミド繊維コードは、コード太さが0.4~0.5mm、原糸の繊度が1100dtex、原糸の密度が1.39g/cm3、撚り本数が2本/コード、下撚り数が12回/10cm、上撚り数が12回/10cm、編角が25°、組数が64本、バンドル数が1本/組である。
また、スリーブ2~11については、スリーブ1に対して、原糸の繊度、撚り数、原糸の本数、編角、組数、バンドル数等を変更して作製した。なお、スリーブ1~7の作製に使用したアラミド繊維コードは、原糸が2本であり、スリーブ8~11の作製に使用したアラミド繊維コードは、原糸が1本である。
各アラミド繊維コードは、原糸のアラミド繊維に下撚りをかけ、更に上撚りを掛けて作製した。また、このスリーブは、横断面において円周上に、表2に示す組数のアラミド繊維コードが観察される網目状筒状体であった。
なお、スリーブは、等間隔、平行かつ螺旋状に配置されたアラミド繊維コード群(コード本数は、組数の半分の数)と、このアラミド繊維コード群と斜交するとともに、等間隔、平行かつ螺旋状に配置された他のアラミド繊維コード群(コード本数は、組数の半分の数)とが交互に編み込まれてなる網目状筒状体であり、図6(a)に示すように、各コード群のコードの2本ずつが交互に交錯して構成され、且つ交錯する位置が1本ずつずれて構成されていた(斜文織(綾織))。
各スリーブ、並びに、各スリーブを構成するコードの仕様を表2に示す。
(アクチュエータの作製)
前記チューブと前記網目状のスリーブとを用いて、図1及び図2に示す構造のアクチュエータを作製した。なお、封止機構200と封止機構300との間の長さは250mmである。アクチュエータに組み込まれたチューブの作動油としては、コスモスーパーエポック株式会社製UF46を用いた。作製したアクチュエータの耐久性を、以下の方法で評価した。結果を表3~表4に示す。
なお、各アクチュエータのチューブに使用した組成物の配合、並びに、チューブの内径r0及び厚さは、表3~表4に示す通りである。ここで、比較例10のチューブは、2層構造であり、最内層に組成物5を使用し、最外層に組成物1を使用し、最内層及び最外層の厚さは、表4に示す通りである。他の例のチューブは、1層構造であり、表3及び表4には、便宜上、「最外層配合」の欄に使用した組成物の種類を示し、「最外層厚さ」の欄に、チューブの厚さを示した。
また、各アクチュエータに使用したスリーブの番号は、表3~表4に示す通りである。
アクチュエータの軸方向に対してスリーブを構成するコードがなす角度は、以下のように算出した。
(1)該当部分を写真撮影する。
(2)写真の焦点が合い、解析に十分な画質が確保できるアクチュエータの中央部(アクチュエータの収縮時には、スリーブの最大径に対して、スリーブの径がマイナス5%の範囲までの領域)を選択する。
(3)この部分において、封止機構の中心を結ぶ直線と、スリーブを構成するコードと、がなす角度を測定する。
(4)5点を評価して、平均をとり、測定値とする。
なお、コードの角度は、無負荷且つ無加圧状態において測定し、表2中では、「編角」と標記した。
液圧5MPaで、「スリーブを構成するコードの角度の測定方法」と同様に、写真撮影を行い、コードの間隙の総面積(S2)を測定した。該値(S2)を用いて、アクチュエータ本体部の外表面の面積(S1)の値から、比(S2/S1)を算出し、表3及び表4中では、「加圧時コード網目開口率A」と標記し、パーセント表示を付記した。
作動油をチューブ内に注入して、チューブ内の空気を作動油で十分に置換した。チューブ内の作動油の圧力が0MPaと5MPaとをそれぞれ3秒ごとに繰り返すように作動油の注入操作を行うのと同時に、かつ加圧前の伸縮部が基準長(加圧前)の20%分収縮となるように片側に空気圧シリンダーにて引張負荷を掛けた状態で、加減圧を繰り返し、チューブに亀裂が入り、該亀裂が進展して、アクチュエータの機能を発現できなくなるまでの回数、或いは、スリーブが破断して、アクチュエータの機能を発現できなくなるまでの回数を測定した。加減圧回数が8000回以上の場合を「合格」、8000回未満の場合を「不合格」と評価した。また、アクチュエータの故障モードも、表3及び表4に示す。
表3~表4の記載に従い、実施例1~3等と同様にして、アクチュエータを作製し、加圧時コード網目開口率Aを算出し、アクチュエータの耐久性を評価する。
Claims (10)
- 流体圧によって膨張及び収縮する筒状のチューブと、所定方向に配向されたコードを編み込んだ筒状の構造体であって前記チューブの外周面を覆うスリーブと、によって構成されるアクチュエータ本体部を具え、
前記チューブの内径r0(mm)と、前記チューブの厚さt(mm)と、前記チューブの25℃での貯蔵弾性率E’(MPa)と、加圧時の前記スリーブを構成するコードの網目開口率Aとが、下記式(1):
50 ≦ E’×(t/r0)/A ≦ 600 ・・・ (1)
を満たし、
前記チューブは、25℃での貯蔵弾性率E’が10~40MPaであることを特徴とする、アクチュエータ。 - 前記チューブは、1層以上のゴム層を含み、該ゴム層の少なくとも1層が、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン-ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、エチレン-プロピレン-ジエンゴム、アクリロニトリル-ブタジエンゴム、水素化アクリロニトリル-ブタジエンゴム、ブチルゴム、ポリイソブチレンゴム、シリコーンゴム、ウレタンエラストマー、ポリビニルアルコール樹脂、アクリレート樹脂、エチレンポリビニルアルコール樹脂、セルロース系樹脂、ポリアミド系樹脂、及びポリアクリル酸、それらの変性されたもの、並びに、それらの少なくとも一部が水添されたもの、からなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1に記載のアクチュエータ。
- 前記チューブは、1層以上のゴム層を含み、該ゴム層の少なくとも1層が、カーボンブラック及びシリカからなる群から選択される少なくとも1種の充填剤を含む、請求項1又は2に記載のアクチュエータ。
- 前記ゴム層の少なくとも1層が、ゴム成分100質量部に対して、カーボンブラック及びシリカからなる群から選択される少なくとも1種の充填剤を合計で30質量部以上含む、請求項3に記載のアクチュエータ。
- 前記スリーブを構成するコードが、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリウレタン繊維、レーヨン、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維からなる群から選択される少なくとも1種の繊維材料からなる、請求項1~4のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
- 前記スリーブを構成するコードが、アラミド繊維からなることを特徴とする、請求項5に記載のアクチュエータ。
- 前記スリーブを構成するコードの、原糸一本当りの繊度が800~5000dtexである、請求項1~6のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
- 前記スリーブを構成するコードの、上撚数及び下撚数が4~150回/10cmである、請求項1~7のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
- 無負荷且つ無加圧状態において、前記スリーブを構成するコードの、アクチュエータの軸方向に対する平均角度θが25~40°である、請求項1~8のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
- 前記スリーブを構成するコードの、組数が48~96本であり、且つバンドル数が1~2本/組である、請求項1~9のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
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