JP6865635B2 - 液圧式アクチュエータ - Google Patents

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Description

本発明は、液圧式アクチュエータに関するものである。
従来、チューブを膨張及び収縮させるアクチュエータとしては、作動流体として空気を用いて膨張、収縮するゴム製のチューブ(管状体)と、チューブの外周面を覆うスリーブ(網組補強構造)と、を有する空気圧式アクチュエータ(いわゆるマッキベン型)が広く用いられている(例えば、特許文献1を参照)。
チューブ及びスリーブによって構成されるアクチュエータ本体部の両端は、金属で形成された封止部材を用いてかしめられる。
スリーブは、ポリアミド繊維などの高張力繊維または金属のコードを編み込んだ筒状の構造体であり、チューブの膨張運動を所定範囲に規制する。
このような空気圧式アクチュエータは、様々な分野で用いられているが、特に、介護・福祉用機器の人工筋肉として好適に用いられている。
特開昭61−236905号公報
しかしながら、前述した従来のアクチュエータは、作動流体として空気を用いているため、強度(耐圧力)が必ずしも高くなく、例えば、最大で0.5MPa程度の耐圧力しかなかった。
ここで、作動流体として、油や水等の液体を用いる液圧式アクチュエータでは、例えば50MPaという高い圧力が印加されるため、従来のアクチュエータでは、耐久性、特には、チューブの耐亀裂進展性が十分でなかった。
そこで、本発明は、上記従来技術の問題を解決し、作動流体として液体を用いるアクチュエータにおいて、チューブの耐亀裂進展性を向上させた液圧式アクチュエータを提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明の要旨構成は、以下の通りである。
本発明の液圧式アクチュエータは、油圧によって膨張及び収縮する筒状のチューブと、所定方向に配向されたコードを編み込んだ筒状の構造体であって前記チューブの外周面を覆うスリーブと、によって構成されるアクチュエータ本体部を具え、
前記チューブが、内層と、該内層の径方向外側に位置する外層と、を有し、
前記内層は、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)及び水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴム(水素化NBR)からなる群から選択される少なくとも1種を含むゴム成分を含み、且つ切断時伸び(Eb)が500%以上であり、
前記外層は、100%伸長時の引張応力(M100)が1.0MPa以上であることを特徴とする。
かかる本発明の液圧式アクチュエータは、チューブの耐亀裂進展性が向上しており、アクチュエータとしての耐久性が高い。
なお、本発明において、前記切断時伸び(Eb)及び前記100%伸長時の引張応力(M100)は、JIS K 6251に従って測定した値である。
本発明の液圧式アクチュエータの好適例においては、前記内層の厚さと、前記外層の厚さとの比率が、10:90〜90:10である。この場合、チューブの耐亀裂進展性が更に向上する。
本発明の液圧式アクチュエータの他の好適例においては、前記外層が、少なくとも1種のゴム成分を含む。この場合、チューブの耐亀裂進展性が更に向上する。
本発明の液圧式アクチュエータの他の好適例においては、前記内層が、更に、前記ゴム成分100質量部に対して、シリカを5〜20質量部含む。この場合、チューブの耐亀裂進展性が更に向上する。
ここで、前記内層は、更に、前記シリカ100質量部に対して、シランカップリング剤を0.1質量部以下含むことが好ましい。この場合、チューブの耐亀裂進展性が更に向上する。
本発明の液圧式アクチュエータの他の好適例においては、前記内層が、更に、前記ゴム成分100質量部に対して、カーボンブラックを5〜50質量部含む。この場合、チューブの耐亀裂進展性が更に向上する。
本発明によれば、チューブの耐亀裂進展性を向上させた液圧式アクチュエータを提供することができる。
液圧式アクチュエータ10の一実施形態の側面図である。 液圧式アクチュエータ10の一実施形態の一部分解斜視図である。 実施形態1−1に係る封止機構200を含む液圧式アクチュエータ10の軸方向DAXに沿った一部断面図である。 実施形態1−2に係る封止機構200を含む液圧式アクチュエータ10の軸方向DAXに沿った一部断面図である。 実施形態1−3に係る封止機構200を含む液圧式アクチュエータ10の軸方向DAXに沿った一部断面図である。 実施形態2−1に係る封止機構200Aを含む液圧式アクチュエータ10の軸方向DAXに沿った一部断面図である。 実施形態2−2に係る封止機構200Aを含む液圧式アクチュエータ10の軸方向DAXに沿った一部断面図である。 実施形態2−3に係る封止機構200Aを含む液圧式アクチュエータ10の軸方向DAXに沿った一部断面図である。 実施形態3−1に係る封止機構200Bを含む液圧式アクチュエータ10の軸方向DAXに沿った一部断面図である。 実施形態3−2に係る封止機構200Cを含む液圧式アクチュエータ10の軸方向DAXに沿った一部断面図である。
以下に、本発明の液圧式アクチュエータを、その実施形態に基づき、図面を参照しつつ、詳細に例示説明する。なお、同一の機能や構成には、同一または類似の符号を付して、その説明を適宜省略する。
(1)液圧式アクチュエータの全体概略構成
図1は、本実施形態に係る液圧式アクチュエータ10の側面図である。図1に示すように、液圧式アクチュエータ10は、アクチュエータ本体部100、封止機構200及び封止機構300を具える。また、液圧式アクチュエータ10の両端には、連結部20がそれぞれ設けられる。
アクチュエータ本体部100は、チューブ110とスリーブ120とによって構成される。アクチュエータ本体部100には、フィッティング400及び通過孔410を介して作動流体が流入する。ここで、本発明のアクチュエータは、液圧式であり、作動流体として液体が用いられ、該液体としては、油や水等が挙げられる。なお、本発明のアクチュエータは、油圧式でも、水圧式でもよいが、チューブ110の耐油性が高いため、油圧式として、好適に使用できる。また、油圧式の場合、作動油としては、従来より油圧駆動システムに使用されている作動油を使用することができる。
アクチュエータ本体部100は、チューブ110内へ作動流体が流入することによって、アクチュエータ本体部100の軸方向DAXに収縮し、径方向Dに膨張する。また、アクチュエータ本体部100は、チューブ110から作動流体が流出することによって、アクチュエータ本体部100の軸方向DAXに膨張し、径方向Dに収縮する。このようなアクチュエータ本体部100の形状変化によって、液圧式アクチュエータ10は、アクチュエータとしての機能を発揮する。
また、このような液圧式アクチュエータ10は、いわゆるマッキベン型であり、人工筋肉用として適用できることは勿論のこと、より高い能力(収縮力)が要求されるロボットの体肢(上肢や下肢など)用としても好適に用い得る。連結部20には、当該体肢を構成する部材などが連結される。
封止機構200及び封止機構300は、軸方向DAXにおけるアクチュエータ本体部100の両端部を封止する。具体的には、封止機構200は、封止部材210及びかしめ部材230を含む。封止部材210は、アクチュエータ本体部100の軸方向DAXの端部を封止する。また、かしめ部材230は、アクチュエータ本体部100を封止部材210と共にかしめる。かしめ部材230の外周面には、治具によってかしめ部材230がかしめられた痕である圧痕231が形成される。
封止機構200と封止機構300との相違点は、フィッティング400(及び通過孔410)が設けられているか否かである。
フィッティング400は、液圧式アクチュエータ10の駆動圧力源、具体的には、作動流体のコンプレッサと接続されたホース(管路)を取り付けられるように突出している。フィッティング400を介して流入した作動流体は、通過孔410を通過してアクチュエータ本体部100の内部、具体的には、チューブ110の内部に流入する。
図2は、液圧式アクチュエータ10の一部分解斜視図である。図2に示すように、液圧式アクチュエータ10は、アクチュエータ本体部100及び封止機構200を具える。
アクチュエータ本体部100は、前述したように、チューブ110とスリーブ120とによって構成される。
ここで、チューブ110は、内周側に配置された円筒状の内層111と、この内層111の外周面に接合された外層112と、から2層構造体に一体形成されている。
チューブ110は、液圧によって膨張及び収縮する円筒状の筒状体である。チューブ110は、作動流体による収縮及び膨張を繰り返すため、弾性材料からなる。そして、本発明においては、チューブ110の内層111は、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)及び水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴム(水素化NBR)からなる群から選択される少なくとも1種を含むゴム成分を含み、且つ切断時伸び(Eb)が500%以上であり、外層112は、100%伸長時の引張応力(M100)が1.0MPa以上である。本発明においては、チューブ110の内層111が、NBR及び水素化NBRからなる群から選択される少なくとも1種を含むため、耐液性、特には耐油性が高く、例えば、作動流体が油であっても、高い耐久性を有する。また、本発明においては、内層111の切断時伸び(Eb)が500%以上であることで、繰り返し大変形に対する耐久性も高く、亀裂発生を抑制できるため、耐亀裂進展性に優れる。また、本発明においては、チューブ110の外層112の100%伸長時の引張応力(M100)が1.0MPa以上であることで、内層111の切断時伸び(Eb)が500%以上であっても、チューブ110の過度の膨張を防ぐことができるため、アクチュエータの耐久性を向上させることができる。なお、チューブ110の内層111及び外層112の材質の詳細については、後述する。
スリーブ120は、円筒状であり、チューブ110の外周面を覆う。スリーブ120は、所定方向に配向されたコードを編み込んだ構造体であり、配向されたコードが交差することによって菱形の形状が繰り返されている。スリーブ120は、このような形状を有することによって、パンタグラフ変形し、チューブ110の収縮及び膨張を規制しつつ追従する。
スリーブ120を構成するコード121としては、アラミド繊維(芳香族ポリアミド繊維)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン6,6)繊維、ポリカプロラクタム(ナイロン6)繊維等のポリアミド繊維、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維、ポリエチレンナフタレート(PEN)繊維等のポリエステル繊維、ポリウレタン繊維、レーヨン、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維から選ばれる少なくとも1種の繊維材料からなる繊維コードを用いることが好ましい。これらの中でも、スリーブ120の強度の観点から、アラミド繊維からなるコードや、PET繊維からなるコードを用いることが特に好ましい。
但し、このような種類の繊維コードに限定されるものではなく、例えば、PBO(ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール)繊維などの高強度繊維や、極細のフィラメントによって構成される金属製のコードを用いてもよい。
また、上述の繊維コードや金属製のコードは、その表面を、ゴムや、熱硬化性樹脂とラテックスとの混合物等で被覆してもよい。これらの材料でコードの表面が被覆されている場合、コードの耐久性を向上させつつ、コードの表面の摩擦係数を適度に低下させることができる。
なお、熱硬化性樹脂とラテックスとの混合物中の固形分率は、15質量%以上50質量%以下が好ましく、20質量%以上40質量%以下が更に好ましい。また、熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、レゾルシン樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられ、ラテックスとしては、ビニルピリジン(VP)ラテックス、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)ラテックス、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)ラテックス等が挙げられる。
なお、スリーブは単層構造であっても、複数層構造であってもよく、後者の場合は断面が同心円状になるよう積層されたものであっても、断面が渦巻き状になるよう巻きつけられた構造のものでもよい。
図2において、封止機構200は、アクチュエータ本体部100の軸方向DAXにおける端部を封止する。封止機構200は、封止部材210、第1係止リング220及びかしめ部材230によって構成される。
封止部材210は、胴体部211及び鍔部212を有する。封止部材210としては、ステンレス鋼などの金属を好適に用い得るが、このような金属に限定されず、硬質プラスチック材料などを用いてもよい。
胴体部211は、円管状であり、胴体部211には、作動流体が通過する通過孔215が形成される。通過孔215は、通過孔410(図1参照)に連通する。胴体部211には、チューブ110が挿通される。
鍔部212は、胴体部211に連なっており、胴体部211よりも液圧式アクチュエータ10の軸方向DAXにおける端部側に位置する。鍔部212は、胴体部211よりも径方向Dに沿った外径が大きい。鍔部212は、胴体部211に挿通されたチューブ110及び第1係止リング220を係止する。
胴体部211の外周面には、凹凸部213が形成される。凹凸部213は、胴体部211に挿通されたチューブ110の滑り抑制に寄与する。凹凸部213による凸部分が3つ以上形成されることが好ましい。
また、胴体部211の鍔部212寄りの位置には、胴体部211よりも外径が小さい第1小径部214が形成される。なお、第1小径部214の形状については、図3以降においてさらに説明する。
第1係止リング220は、スリーブ120を係止する。具体的には、スリーブ120は、第1係止リング220を介して径方向D外側に折り返される(図2において不図示、図3参照)。
第1係止リング220の外径は、胴体部211の外径よりも大きい。第1係止リング220は、胴体部211の第1小径部214の位置においてスリーブ120を係止する。つまり、第1係止リング220は、胴体部211の径方向D外側であって、鍔部212に隣接する位置において、スリーブ120を係止する。
第1係止リング220は、胴体部211よりも小さい第1小径部214に係止させるため、本実施形態では、二分割の形状としている。なお、第1係止リング220は、二分割に限らず、より多くの部分に分割してもよいし、一部の分割部分が回動可能に連結されていてもよい。
第1係止リング220としては、封止部材210と同様の金属や硬質プラスチック材料などを用いることができる。
かしめ部材230は、アクチュエータ本体部100を封止部材210と共にかしめる。かしめ部材230としては、アルミニウム合金、真鍮及び鉄などの金属を用いることができる。かしめ部材230には、かしめ用の治具によってかしめ部材230がかしめられると、図1に示したような圧痕231が形成される。
(2)封止機構の構成
次に、図3〜図10を参照して、封止機構200の実施形態について説明する。
(2.1)実施形態1−1
図3は、実施形態1−1に係る封止機構200を含む液圧式アクチュエータ10の軸方向DAXに沿った一部断面図である。
前述したように、封止部材210は、胴体部211の外径よりも小さい外径を有する第1小径部214を有する。
第1係止リング220は、第1小径部214の径方向D外側に配置される。第1係止リング220の内径R1は、胴体部211の外径R3よりも小さい。なお、第1係止リング220の外径R2も、胴体部211の外径R3より小さくてもよい。
チューブ110は、内層111と、内層111の径方向D外側に位置する外層112とを有し、鍔部212に当接するまで胴体部211に挿通される。一方、スリーブ120は、第1係止リング220を介して径方向D外側に折り返されている。この結果、スリーブ120は、軸方向DAXの端部において第1係止リング220を介して折り返された第1折り返し部120aを有する。具体的には、スリーブ120は、前記チューブ110の外周面を覆うスリーブ本体部120bと、該スリーブ本体部120bの軸方向DAXの端部で折り返されてスリーブ本体部120bの外周側に配置された第1折り返し部120aと、から構成される。
第1折り返し部120aは、チューブ110の径方向D外側に位置するスリーブ本体部120bと接着されている。具体的には、スリーブ本体部120bと第1折り返し部120aとの間には、接着層240が形成され、この接着層240によって、スリーブ本体部120bと第1折り返し部120aとが接着されている。ここで、接着層240には、スリーブ120を構成するコードの種類によって適切な接着剤を用いればよい。
なお、本発明においては、接着層240は、必須ではなく、第1折り返し部120aは、スリーブ本体部120bと接着されていなくてもよい。
かしめ部材230は、封止部材210の胴体部211の外径よりも大きく、胴体部211に挿通された上で治具によってかしめられる。かしめ部材230は、アクチュエータ本体部100を封止部材210と共にかしめる。具体的には、かしめ部材230は、胴体部211に挿通されたチューブ110、スリーブ本体部120b、及び第1折り返し部120aをかしめる。つまり、かしめ部材230は、チューブ110、スリーブ本体部120b及び第1折り返し部120aを封止部材210と共にかしめる。
(2.2)実施形態1−2
図4は、実施形態1−2に係る封止機構200を含む液圧式アクチュエータ10の軸方向DAXに沿った一部断面図である。以下、実施形態1−1との相違点について主に説明する。
実施形態1−2では、スリーブ120の第1折り返し部120aと、かしめ部材230との間には、シート状の弾性部材が設けられる。具体的には、第1折り返し部120aとかしめ部材230との間には、ゴムシート250が設けられる。ゴムシート250は、円筒状の第1折り返し部120aの外周面を覆うように設けられる。ゴムシート250の種類は特に限定されないが、チューブ110と同様の種類のゴム等を用いることができる。かしめ部材230は、ゴムシート250も含めて、アクチュエータ本体部100を封止部材210と共にかしめる。
(2.3)実施形態1−3
図5は、実施形態1−3に係る封止機構200を含む液圧式アクチュエータ10の軸方向DAXに沿った一部断面図である。
実施形態1−3では、実施形態1−1の接着層240に代えてゴムシート260が用いられる。ゴムシート260は、シート状の弾性部材であり、スリーブ本体部120bと、第1折り返し部120aとの間に設けられる。ゴムシート260には、ゴムシート250と同様の種類のゴムを用いることができる。
(2.4)実施形態2−1
図6は、実施形態2−1に係る封止機構200Aを含む液圧式アクチュエータ10の軸方向DAXに沿った一部断面図である。
実施形態2−1では、実施形態1の封止機構200に代えて、封止機構200Aが用いられる。封止機構200と封止機構200Aとの相違点は、封止部材210のような第1小径部214が形成されていないことである。
封止機構200Aは、封止部材210A、第1係止リング220A及びかしめ部材230Aによって構成される。
封止部材210Aの胴体部211Aには、内層111と外層112とからなるチューブ110が挿通される。封止部材210Aには、封止部材210のような第1小径部214が形成されていないため、第1係止リング220Aの外径は、胴体部211Aの外径よりも大きい。このため、第1係止リング220Aは、鍔部212Aとかしめ部材230Aとによって係止される。
また、第1係止リング220Aの外径が胴体部211Aの外径よりも大きいため、かしめ部材230Aは、鍔部212Aと当接しない。すなわち、スリーブ120が折り返された第1係止リング220Aの部分は、外部に露出する。さらに、第1係止リング220Aの外径が胴体部211Aの外径よりも大きいため、実施形態1の第1係止リング220のように分割されていなくてもよい。
なお、スリーブ本体部120bと第1折り返し部120aとの間には、実施形態1−1と同様に、接着層240が形成される。
(2.5)実施形態2−2
図7は、実施形態2−2に係る封止機構200Aを含む液圧式アクチュエータ10の軸方向DAXに沿った一部断面図である。以下、実施形態2−1との相違点について主に説明する。
実施形態2−2では、スリーブ120の第1折り返し部120aと、かしめ部材230Aとの間には、シート状の弾性部材が設けられる。具体的には、第1折り返し部120aとかしめ部材230Aとの間には、ゴムシート250Aが設けられる。ゴムシート250Aは、実施形態1−2のゴムシート250と同様に、円筒状の第1折り返し部120aの外周面を覆うように設けられる。
(2.6)実施形態2−3
図8は、実施形態2−3に係る封止機構200Aを含む液圧式アクチュエータ10の軸方向DAXに沿った一部断面図である。
実施形態2−3では、実施形態2−1の接着層240に代えてゴムシート260が用いられる。ゴムシート260は、実施形態1−3と同様に、シート状の弾性部材であり、スリーブ本体部120bと、第1折り返し部120aとの間に設けられる。
(2.7)実施形態3−1
図9は、実施形態3−1に係る封止機構200Bを含む液圧式アクチュエータ10の軸方向DAXに沿った一部断面図である。実施形態3(3−1及び3−2)では、2つの係止リングが用いられる。
図9に示すように、封止機構200Bは、封止部材210B、第1係止リング220B、かしめ部材230B及び第2係止リング270によって構成される。
このように、封止機構200Bは、第1係止リング220Bに加えて第2係止リング270を有する。第2係止リング270は、胴体部211Bの径方向D外側であって、第1係止リング220Bよりもアクチュエータ本体部100の軸方向DAXにおける中央側の位置において、スリーブ120を係止する。
具体的には、封止部材210Bは、胴体部211Bの外径よりも小さい外径を有する第2小径部216Bを有する。
第2係止リング270は、第2小径部216Bの径方向D外側に配置される。第2係止リング270の内径は、胴体部211Bの外径よりも小さいことが好ましい。なお、第2係止リング270の外径も、胴体部211Bの外径よりも小さくてもよい。これにより、第2係止リング270は、第2小径部216Bによって係止される。
スリーブ120は、第2係止リング270を介して折り返された第2折り返し部120cを有する。第2折り返し部120cは、第1折り返し部120aに連なっている。つまり、第2折り返し部120cは、前記第1折り返し部120aにおける軸方向DAXの端部で折り返されて第1折り返し部120aの外周側に配置されている。
具体的には、スリーブ120は、第1係止リング220Bを介して、アクチュエータ本体部100の軸方向DAXにおける中央側に折り返されることによって第1折り返し部120aを形成する。さらに、スリーブ120は、第1折り返し部120aがアクチュエータ本体部100の軸方向DAXにおける端部側に折り返されることによって第2折り返し部120cを形成する。
かしめ部材230Bは、胴体部211Bに挿通されたチューブ110、チューブ110の径方向D外側に位置するスリーブ本体120b、第1折り返し部120a、及び第2折り返し部120cを、封止部材210Bと共にかしめる。
スリーブ本体120bと、第1折り返し部120aとの間には、実施形態1−3と同様のゴムシート260が設けられる。
また、第1折り返し部120aと、第2折り返し部120cとの間にもシート状の弾性部材が設けられる。具体的には、第1折り返し部120aと第2折り返し部120cとの間には、ゴムシート280が設けられる。ゴムシート280は、円筒状の第1折り返し部120aの外周面を覆うように設けられる。
さらに、第2折り返し部120cと、かしめ部材230Bとの間には、実施形態1−3のゴムシート250と概ね同形状のゴムシート290が設けられる。ゴムシート290は、円筒状の第2折り返し部120cの外周面を覆うように設けられる。
(2.8)実施形態3−2
図10は、実施形態3−2に係る封止機構200Cを含む液圧式アクチュエータ10の軸方向DAXに沿った一部断面図である。以下、実施形態3−1との相違点について主に説明する。
実施形態3−2では、第1小径部214B及び第2小径部216Bが形成されていない封止部材210Cが用いられる。
封止部材210Cは、胴体部211Cを有する。封止部材210Cには、封止部材210Bのような第1小径部214B及び第2小径部216Bが形成されていないため、第1係止リング220Cの内径及び第2係止リング270Cの内径は、胴体部211Cの外径よりも大きい。
かしめ部材230Cは、軸方向DAXにおいて、第1係止リング220Cと第2係止リング270Cとの間に位置する。すなわち、スリーブ120が折り返された第1係止リング220Cの部分及び第2係止リング270C部分は、外部に露出する。
なお、第1折り返し部120aと第2折り返し部120cとの間には、実施形態3−1のゴムシート280と概ね同形状のゴムシート281が設けられる。また、スリーブ120の第2折り返し部120cと、かしめ部材230Cとの間には、実施形態3−1のゴムシート290と概ね同形状のゴムシート291が設けられる。
(3)チューブ110の材質
チューブ110の内層111は、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)及び水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴム(水素化NBR)からなる群から選択される少なくとも1種を含むゴム成分を含み、且つ切断時伸び(Eb)が500%以上である。該内層111には、例えば、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)及び水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴム(水素化NBR)からなる群から選択される少なくとも1種を含むゴム成分を含むゴム組成物(以下、「内層用ゴム組成物」と称することがある。)が用いられる。
前記内層111は、切断時伸び(Eb)が500%以上であり、800%以上であることが好ましく、1000%以上であることが更に好ましい。内層111の切断時伸び(Eb)を500%以上とすることで、繰り返し大変形に対する耐久性を向上させ、亀裂発生及び進展速度を抑制することで、耐亀裂進展性を向上させることができる。
前記内層用ゴム組成物のゴム成分としては、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR、「ニトリルゴム」とも呼ぶ)及び水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴム(水素化NBR、「水素化ニトリルゴム」とも呼ぶ)からなる群から選択される少なくとも1種が用いられる。該内層用ゴム組成物のゴム成分は、更に他のゴム成分を含んでもよく、他のゴム成分としては、クロロプレンゴム(CR)、エピクロロヒドリンゴム、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、合成イソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)等が挙げられる。これらゴム成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上をブレンドして用いてもよい。
前記アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)及び水素化アクリロニトリルブタジエンゴム(水素化NBR)は、耐液性、特には耐油性が特に高く、また、加工性が優れる。従って、チューブ110の内層111に使用するゴム組成物がアクリロニトリル−ブタジエンゴム及び/又は水素化アクリロニトリルブタジエンゴムを含む場合、チューブ110の耐液性、特には耐油性が向上する。また、アクリロニトリル−ブタジエンゴム及び水素化アクリロニトリルブタジエンゴムは、ニトリル含量、すなわちアクリロニトリル単位の含有量が20質量%〜50質量%であると、耐油性が更に高くなるため好ましい。アクリロニトリル−ブタジエンゴム及び/又は水素化アクリロニトリルブタジエンゴムは、一般的に、アクリロニトリル単位の含有量が25質量%未満の低ニトリルタイプ、アクリロニトリルの含有量が25質量%以上35質量%未満の中ニトリルタイプ、アクリロニトリル単位の含有量が35質量%以上の高ニトリルタイプに分類される。
前記アクリロニトリル−ブタジエンゴム及び/又は水素化アクリロニトリルブタジエンゴムは、アクリロニトリル単位の含有量が異なる2種類以上のアクリロニトリル−ブタジエンゴム及び/又は水素化アクリロニトリルブタジエンゴムを含むことが好ましい。2種類以上のアクリロニトリル−ブタジエンゴム及び/又は水素化アクリロニトリルブタジエンゴムを使用することで、所望のニトリル含量を容易に達成できる。
前記アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)及び水素化アクリロニトリルブタジエンゴム(水素化NBR)の、内層用ゴム組成物のゴム成分中の含有割合は、50〜100質量%であることが好ましく、60〜90質量%であることがより好ましい。
なお、水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴム(水素化NBR)は、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)に水素を添加したものである。水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴムは、通常、アクリロニトリル−ブタジエンゴムと同様の耐液性、特には耐油性を有し、かつアクリロニトリル−ブタジエンゴムに比較して耐熱性等が優れる点で好ましい。
前記内層用ゴム組成物は、前記ゴム成分の加重平均ニトリル含量が20質量%以上45質量%以下であることが好ましい。この場合、チューブの耐油性が更に向上し、チューブの耐久性が更に向上する。
クロロプレンゴム(CR)は、引張強さ、伸び等の機械的特性や加工性に優れる点で好ましい。
エピクロロヒドリンゴムは、耐オゾン性及び接着性に優れる点で好ましい。
ブタジエンゴム(BR)としては、ビニル・シス−ポリブタジエンゴム(VC−BR)が好ましい。該VC−BRは、シス−1,4構造を繰り返し単位とするポリブタジエンと、1,2−ビニル構造を繰り返し単位とするポリブタジエンとで構成されたゴムである。VC−BRの1,2−ビニル構造以外のミクロ構造におけるシス−1,4構造の比率は、通常97質量%以上である。チューブ110に使用するゴム組成物にVC−BRを含有させると、チューブ110の機械的強度が向上する。
前記内層用ゴム組成物は、更にシリカを含むことが好ましく、また、該シリカの含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5〜20質量部であり、更に好ましくは5〜10質量部である。シリカの含有量が、ゴム成分100質量部に対して5〜20質量部であれば、内層111の強度が向上して、チューブ110の耐亀裂進展性が更に向上する。
前記シリカとしては、特に制限はなく、例えば、湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等が挙げられ、これらの中でも、湿式シリカが好ましい。これらシリカは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記内層用ゴム組成物は、更にシランカップリング剤を含んでもよいが、該シランカップリング剤の含有量は、前記シリカ100質量部に対して0.1質量部以下であることが好ましい。なお、前記内層用ゴム組成物は、シランカップリング剤を含まなくてもよく、即ち、シランカップリング剤の含有量は、前記シリカ100質量部に対して0〜0.1質量部の範囲が好ましい。シランカップリング剤を配合すると、シリカとゴム成分とが共有結合を形成、即ち、バウンドラバーが生成するため、ヒステリシスロスが小さくなる(低ロス化する)。亀裂の進展を抑制するためには、ヒステリシスロスを大きくする方が有利であるため、シランカップリング剤の含有量は、少ない方が好ましい。そして、シランカップリング剤の含有量が、シリカ100質量部に対して0.1質量部以下であれば、歪がかかった際に、シリカ表面からゴム成分が引き剥がされる際に、エネルギーロスが生じ、耐亀裂進展性が更に向上する。従って、前記内層用ゴム組成物は、シランカップリング剤を含まないことが特に好ましい。
前記シランカップリング剤としては、特に限定はなく、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド等が挙げられる。これらシランカップリング剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記内層用ゴム組成物は、更に、カーボンブラックを含むことが好ましい。該カーボンブラックの含有量は、前記ゴム成分100質量部に対して、5〜50質量部の範囲が好ましく、5〜45質量部がより好ましく、5〜30質量部の範囲が更に好ましい。内層用ゴム組成物がカーボンブラックを含むことにより、内層111の強度が向上して、チューブ110の耐久性が向上する。そして、カーボンブラックの含有量が、ゴム成分100質量部に対して5質量部以上であれば、内層111の強度が更に向上して、チューブ110の耐久性が更に向上し、また、50質量部以下であれば、内層111の切断時伸び(Eb)が高くなるため、チューブ110の耐久性が更に向上する。
前記カーボンブラックとしては、特に限定されるものではなく、例えば、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAFグレードのカーボンブラックが挙げられる。これらカーボンブラックは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記内層用ゴム組成物に用いるカーボンブラックは、窒素吸着比表面積が70m/g〜145m/gであることが好ましい。内層用ゴム組成物に用いるカーボンブラックの窒素吸着比表面積がこの範囲であれば、内層111の強度が更に向上する。
一方、チューブ110の外層112は、100%伸長時の引張応力(M100)が1.0MPa以上であり、2.0MPa以上であることが好ましく、また、3.0MPa以下であることが好ましい。100%伸長時の引張応力(M100)が1.0MPa以上である外層112を設けることで、内層111の切断時伸び(Eb)が500%以上であっても、チューブ110の過度の膨張を防ぐことができるため、アクチュエータの耐久性を向上させることができる。100%伸長時の引張応力(M100)が3.0MPaより大きくなると、アクチュエータが有効に作動できない可能性がある。
前記外層112は、少なくとも1種のゴム成分を含むことが好ましく、例えば、少なくとも1種のゴム成分を含むゴム組成物(以下、「外層用ゴム組成物」と称することがある。)が用いられる。外層112がゴム成分を含む場合、外層112の耐久性が向上し、アクチュエータの耐久性を更に向上させることができる。
前記外層用ゴム組成物は、前記ゴム成分として、天然ゴム(NR)、合成イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)等を含むことが好ましい。外層用ゴム組成物のゴム成分が、天然ゴム(NR)、合成イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)等を含む場合、外層112の耐亀裂性、耐摩耗性、摺動性が向上し、チューブ110の耐久性が更に向上する。
また、前記外層用ゴム組成物は、カーボンブラックを含むことが好ましい。該カーボンブラックの含有量は、前記ゴム成分100質量部に対して、5〜70質量部の範囲が好ましく、25〜50質量部の範囲が更に好ましい。外層用ゴム組成物がカーボンブラックを含むことにより、外層112の強度が向上して、チューブ110の耐久性が向上する。
前記外層用ゴム組成物に用いるカーボンブラックとしては、特に限定されるものではなく、例えば、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAFグレードのカーボンブラックが挙げられる。これらカーボンブラックは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記外層用ゴム組成物に用いるカーボンブラックは、窒素吸着比表面積が34m/g〜155m/gであることが好ましく、40m/g〜155m/gであることが好ましく、70m/g〜145m/gであることが更に好ましい。外層112に含まれるカーボンブラックの窒素吸着比表面積がこの範囲であれば、外層112の耐亀裂進展性、耐摩耗性、摺動性が更に向上する。
上述した内層用ゴム組成物及び外層用ゴム組成物は、上述したゴム成分、シリカ、シランカップリング剤、カーボンブラックの他に、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリアクリル酸亜鉛、脂肪族樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の材料を、用途に合わせて、添加することが好ましい。チューブに使用するゴム組成物が、これら材料を含む場合、チューブの機械的強度が向上する。なお、前記脂肪族樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂が挙げられる。
前記内層用ゴム組成物及び外層用ゴム組成物は、更に他の配合剤を含んでもよい。かかる他の配合剤としては、例えば、亜鉛華、ステアリン酸、老化防止剤、可塑剤、硫黄、スコーチ防止剤、加硫促進剤、有機過酸化物等が挙げられる。
前記老化防止剤としては、例えば、N−フェニル−N’1,3−ジフェニルブチル−p−フェニレンジアミン等が挙げられ、前記可塑剤としては、例えばオイル等が挙げられ、前記スコーチ防止剤としては、例えば、N−シクロヘキシルチオフタルイミド等が挙げられ、前記加硫促進剤としては、例えば、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、1,3−ジフェニルグアニジン(DPG)、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT)、ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド(MBTS)等が挙げられる。
前記内層111と前記外層112との厚さの比率(内層の厚さ:外層の厚さ)は、10:90〜90:10であることが好ましく、20:80〜80:20であることが更に好ましい。アクチュエータの駆動時に、内層111と外層112は、伸縮に伴い厚みが変化するが、内層の厚さ:外層の厚さが、10:90〜90:10であれば、チューブ110内の作動流体の流出を更に抑制でき、アクチュエータとしての耐久性が更に向上する。
なお、チューブ110の総厚みは、目的に応じて適宜設定できるが、アクチュエータの耐久性と動作長の観点から、1mm〜6mmの範囲が好ましい。また、チューブ110の直径(外径)は、目的とする用途に応じて、適宜選択できる。
チューブ110は、内層111と外層112とを有する円筒体であり、更に他の層を含んでもよい。例えば、チューブ110は、作動流体に接触する内層111と、該内層111の径方向D外側に位置する外層112と、からなる2層構造体とすることができる。また、チューブは、内層111と外層112とからなる2層構造体と、該2層構造体の外周を被覆する最外層とを有する3層構造体とすることもできる。なお、該最外層は、前述の内層用ゴム組成物や外層用ゴム組成物から構成してもよいし、他のゴム組成物や、弾性材料を適用してもよい。
前記チューブ110は、例えば、上述したゴム成分に配合剤を配合して、内層用ゴム組成物と、外層用ゴム組成物とをそれぞれ調製し、これら内層用ゴム組成物及び外層用ゴム組成物を用いて、押出し成形機により、共押出しし、加硫缶にて加硫することで製造できる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
(ゴム組成物の調製)
表1〜表2に示す配合処方に従い、ゴム成分と配合剤をバンバリーミキサーで混練りして内層用ゴム組成物1〜8と、外層用ゴム組成物1〜5を調製した。得られたゴム組成物に対して、以下の方法で、100%伸長時の引張応力(M100)及び切断時伸び(Eb)を測定した。
<100%伸長時の引張応力(M100)及び切断時伸び(Eb)の測定方法>
得られたゴム組成物を3インチロールにより押出し、さらに加硫プレスすることにより、幅75mm、長さ150mm、厚さ2mmの板状体を作製した。該板状体からJISダンベル状3号形サンプルを作製し、JIS K 6251に準拠して、25℃にて引っ張り試験を行い、100%伸長時の引張応力(M100)及び切断時伸び(Eb)を測定した。結果を表1〜表2に示す。
Figure 0006865635
Figure 0006865635
*1 NBR1(高ニトリル): アクリロニトリル−ブタジエンゴム、アクリロニトリル単位の含有量=41.5質量%、JSR株式会社製「N220S」、SP値=10.5(cal/cm1/2
*2 NBR2(中高ニトリル): アクリロニトリル−ブタジエンゴム、アクリロニトリル単位の含有量=35質量%、JSR株式会社製「N230S」、SP値=10.1(cal/cm1/2
*3 BR1: ビニルシス−ブタジエンゴム(VC−BR)、宇部興産株式会社製「UBEPOL(登録商標)BR150」、シス−1,4結合含有量98質量%、SP値=8.3(cal/cm1/2
*4 BR2: ブタジエンゴム、JSR株式会社製「BR01」、SP値=8.3(cal/cm1/2
*5 NR: 天然ゴム、RSS#3、SP値=8.2(cal/cm1/2
*6 カーボンブラック1: SAF級カーボンブラック、N134、東海カーボン株式会社製「シースト9H」、窒素吸着比表面積=145m/g
*7 カーボンブラック2: HAF級カーボンブラック、N330、東海カーボン株式会社製「シースト3」、窒素吸着比表面積=79m/g
*8 ステアリン酸: 新日本理化株式会社製「ステアリン酸50S」
*9 老化防止剤: 大内新興化学工業株式会社製「ノクラック6C」
*10 樹脂: 日本ゼオン株式会社製「クレイトン100」
*11 シリカ: 東ソー・シリカ株式会社製「Nipsil AQ」
*12 シランカップリング剤: Evonic社製「Si69」
*13 可塑剤: 新日本理化株式会社製「サンソサイザーDOA」
*14 亜鉛華: ZnO、白水化学工業株式会社製「亜鉛華3号」
*15 硫黄: 鶴見化学工業株式会社製「Sulfax Z」
*16 加硫促進剤1: 加硫促進剤CBS、大内新興化学工業株式会社製「ノクセラーCZ」
*17 加硫促進剤2: 加硫促進剤DPG、大内新興化学工業株式会社製「ノクセラーD」
*18 加硫促進剤3: 加硫促進剤TOT、大内新興化学工業株式会社製「ノクセラーTOT−N」
*19 加硫促進剤4: 加硫促進剤MTBS、大内新興化学工業株式会社製「ノクセラーDM」
(チューブの作製)
得られたゴム組成物を押出し成形機で心棒上に押出し、得られた内層用ゴム組成物と外層用ゴム組成物からなるチューブを加硫缶にて加硫することにより、長さ300mmの円筒形状のチューブを作製した。なお、作製したチューブは、図2に示すような内層と外層の2層構造のチューブである。内層と外層のそれぞれに使用したゴム組成物の配合、並びに、チューブの内径及び外径、チューブの厚みに占める内層及び外層の割合を表3に示す。
(スリーブの作製)
直径0.7mmのアラミド繊維コード64本を編み込んで作製した直径16mmの網目状のスリーブを用意した。このスリーブは、横断面において円周上にアラミド繊維コードが64本観察される網目状筒状体であった。具体的には、このスリーブは、等間隔、平行かつ螺旋状に配置された32本のアラミド繊維コードと、この32本のアラミド繊維コードと斜交するとともに、等間隔、平行かつ螺旋状に配置された他の32本のアラミド繊維コードとが交互に編み込まれてなる網目状筒状体であった。
(アクチュエータの作製)
前記チューブと前記網目状のスリーブとを用いて、図1及び図2に示す構造のアクチュエータを作製した。アクチュエータに組み込まれたチューブの作動油としては、コスモ石油ルブリカンツ株式会社製コスモスーパーエポックUF46を用いた。作製したアクチュエータの耐久性を、以下の方法で評価した。結果を表3に示す。
<アクチュエータの耐久性(耐亀裂進展性)の評価方法>
作動油をチューブ内に注入して、チューブ内の空気を作動油で十分に置換した。チューブ内の作動油の圧力が0MPaと5MPaとをそれぞれ3秒ごとに繰り返すように作動油の注入操作を行い、チューブに亀裂が入り、該亀裂が進展して、アクチュエータの機能を発現できなくなるまでの回数を測定した。実施例1の回数を100として、指数表示した。指数値が大きい程、耐久性が高いことを示す。
Figure 0006865635
表3から、本発明に従う液圧式アクチュエータは、高い耐久性を有することが分かる。
10:液圧式アクチュエータ、 20:連結部、 100:アクチュエータ本体部、 110:チューブ、 111:内層、 112:外層、 120:スリーブ、 120a:第1折り返し部、 120b:スリーブ本体部、 120c:第2折り返し部、 200,200A,200B,200C:封止機構、 210,210A,210B,210C:封止部材、 211,211A,211B,211C:胴体部、 212,212A:鍔部、 213:凹凸部、 214,214B:第1小径部、 215:通過孔、 216B:第2小径部、 220,220A,220B,220C:第1係止リング、 230,230A,230B,230C:かしめ部材、 231:圧痕、 240:接着層、 250,250A:ゴムシート、 260:ゴムシート、 270,270C:第2係止リング、 280,281:ゴムシート、 290,291:ゴムシート、 300:封止機構、 400:フィッティング、 410:通過孔、 DAX:軸方向、 D:径方向

Claims (6)

  1. 油圧によって膨張及び収縮する筒状のチューブと、所定方向に配向されたコードを編み込んだ筒状の構造体であって前記チューブの外周面を覆うスリーブと、によって構成されるアクチュエータ本体部を具え、
    前記チューブが、内層と、該内層の径方向外側に位置する外層と、を有し、
    前記内層は、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)及び水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴム(水素化NBR)からなる群から選択される少なくとも1種を含むゴム成分を含み、且つ切断時伸び(Eb)が800%以上であり、
    前記外層は、100%伸長時の引張応力(M100)が1.0MPa以上であることを特徴とする、液圧式アクチュエータ。
  2. 前記内層の厚さと、前記外層の厚さとの比率が、10:90〜90:10である、請求項1に記載の液圧式アクチュエータ。
  3. 前記外層が、少なくとも1種のゴム成分を含む、請求項1又は2に記載の液圧式アクチュエータ。
  4. 前記内層が、更に、前記ゴム成分100質量部に対して、シリカを5〜20質量部含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の液圧式アクチュエータ。
  5. 前記内層が、更に、前記シリカ100質量部に対して、シランカップリング剤を0.1質量部以下含む、請求項4に記載の液圧式アクチュエータ。
  6. 前記内層が、更に、前記ゴム成分100質量部に対して、カーボンブラックを5〜50質量部含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の液圧式アクチュエータ。
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