JP4760114B2 - ホース - Google Patents

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Description

本発明は、ホースに関し、より詳しくは、補強層を有するスパイラルホースに関する。
自動車等の車両用配管ホースにおいては、耐圧性や耐久性が要求される個所には、複数本の補強糸を用いて形成した補強層を有するホースが使用されている。
この補強層は、繊維や金属の糸をブレード編またはスパイラル状に巻きつけて編組されるものであるが、低コスト化を図る観点から、スパイラル状に巻きつけた編組構造(以下、「スパイラル編組構造」という。)が採用されることが多い。
また、このスパイラル編組構造の場合は、通常、補強糸をスパイラル状に巻き付けた第1補強層と、該第1補強層と逆方向に複数本の補強糸をスパイラル状に巻き付けた第2補強層とを積層させており、高圧ホース等においては、2つの補強層の結合性を高め、相互の摩擦を防止して耐久性を高めるために、補強層間に中間ゴム層を介在させることが知られている(例えば、特許文献1〜3参照。)
これに対し、高圧ホース等の更なる低コスト化の観点から、中間ゴム層を排除することが検討されてきているが、中間ゴム層を排除すると、補強層同士の結合性が低くなり、相互の摩擦も抑制することができず、結果的に耐久性が低下してしまうという問題があった。
一方、棚落ち防止の観点から、特許文献4には、「内面樹脂チューブと、その外周面上に設けた内側ゴム層と、その外周面上に複数本の補強糸を引き揃えてスパイラル状に巻き付けた第1補強層と、その外周上に複数本の補強糸を引き揃え前記第1補強層と逆方向にスパイラル状に巻き付けた第2補強層と、その外周上に設けた外側ゴム層とで構成され、前記内側ゴム層は温度135℃における50%モジュラスM50が20〜40kgf/cm2のゴム材料からなることを特徴とする冷媒用高圧ホース」が提案されている。
特開平7−68659号公報 特開平7−144379号公報 特開平11−325331号公報 特許第3396975号明細書
しかしながら、本発明者は、上記特許文献4に記載の冷媒用高圧ホースについて検討してみたところ、中間ゴム層がないため、やはり耐久性が不十分であることが分かった。
そこで、本発明は、中間ゴム層を排除しても良好な耐久性、具体的には、135℃下、0.5Hzの周期で0MPaおよび5.3MPaの圧力を繰返し加える試験においても40万回以上稼動する耐久性を示すスパイラル編組構造のホースを提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、内面ゴム層を形成するゴム材料の135℃における破断強度(TB)と、スパイラル編組構造の補強層を形成する補強糸の135℃における1.2cN/dtex時の中間伸びと、の比(TB/中間伸び)が所定の値以上であるホースが、中間ゴム層を排除しても耐久性が良好なホースとなることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、以下の(1)および)を提供する。
(1)少なくとも、内面ゴム層、2層以上のスパイラル編組構造の補強層および外面ゴム層を、内周側からこの順に備えるホースであって、
上記内面ゴム層を形成するゴム材料の135℃における破断強度(TB)と、
上記補強層を形成する補強糸の135℃における1.2cN/dtex時の中間伸びと、
の比(TB/中間伸び)が、1.9以上であり、
上記補強層を形成する補強糸の135℃における1.2cN/dtex時の中間伸びが、0.4〜5.0%であり、
上記内面ゴム層を形成するゴム材料の135℃における破断強度(T B )が、4.5MPa以上である、ホース。
(2)上記内面ゴム層を形成するゴム材料が、臭素化イソブチレン−コ−パラ−メチルスチレン(BIMS)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、および、水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴム(HNBR)からなる群から選ばれる少なくとも1種である、上記(1)に記載のホース
以下に説明するように、本発明によれば、中間ゴム層を排除しても良好な耐久性、具体的には、135℃下、0.5Hzの周期で0MPaおよび5.3MPaの圧力を繰返し加える試験においても40万回以上稼動する耐久性を示すスパイラル編組構造のホースを提供することができる
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明のホースは、上述したように、少なくとも、内面ゴム層、2層以上のスパイラル編組構造の補強層および外面ゴム層を、内周側からこの順に備えるホースであって、
上記内面ゴム層を形成するゴム材料の135℃における破断強度(TB)と、
上記補強層を形成する補強糸の135℃における1.2cN/dtex時の中間伸びと、
の比(以下、単に「TB/中間伸び」と略す場合がある。)が、1.7以上である、ホースである。
ここで、本発明のホースの好適な実施態様の一例を図1を用いて説明する。図1は、本発明のホースをその各層毎に一部切欠いて示す斜視図である。図1に示すように、ホース1は、内面ゴム層2と外面ゴム層5との間に、繊維材料からなる複数本の補強糸をスパイラル状に巻き付けた2層の補強層を補強糸の巻き付け向きが異なるように埋設した、ホース1の内周側に位置する内側補強層3と外周側に位置する外側補強層4とを備えている。
次に、本発明のホースを構成する内面ゴム層、スパイラル編組構造の補強層(内側補強層、外側補強層)および外面ゴム層について詳述する。
<内面ゴム層>
本発明のホースを構成する内面ゴム層は、後述する補強糸との関係において、TB/中間伸びが1.7以上となるように用いられるゴム組成物で形成されるものであれば特に限定されず、ホースに用いられる従来公知の内面ゴム層を用いることもでき、1層単独で形成されていても、複数層で形成されていてもよい。
本発明においては、上記内面ゴム層を形成するゴム材料の135℃における破断強度(TB)は、4.5MPa以上であるのが好ましく、5.5MPa以上であるのがより好ましい。破断強度(TB)がこの範囲であれば、耐疲労性が向上するため、得られるホースの耐久性がより向上する。
このような内面ゴム層を形成するゴム材料は特に限定されず、その具体例としては、ブチルゴム(IIR)、塩素化ブチルゴム(Cl−IIR)、臭素化ブチルゴム(Br−IIR)、臭素化イソブチレン−コ−パラ−メチルスチレン(BIMS)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴム(HNBR)、アクリロニトリル−ブタジエン−イソプレンゴム(NBIR)、アクリロニトリル−イソプレンゴム(NIR)等が挙げられ、1種単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
これらのうち、最適なゴム材料は用途によって異なるが、例えば、冷媒輸送用ホースの場合、耐冷媒透過性の観点から、ブチルゴム(IIR)、塩素化ブチルゴム(Cl−IIR)、臭素化ブチルゴム(Br−IIR)、臭素化イソブチレン−コ−パラ−メチルスチレン(BIMS)を用いることが好ましい。
本発明においては、上記内面ゴム層は、ゴム単独で形成されていてもよいが、本発明のホースが用いられる用途、本発明のホースに要求される物性等に応じて、各種添加剤を含有させたゴム組成物により形成されていてもよい。
必要に応じて含有させてもよい添加剤としては、具体的には、例えば、加硫剤、加硫促進剤、充填剤、補強剤、可塑剤、老化防止剤、軟化剤、粘着付与剤、滑剤、分散剤、加工助剤等を挙げることができる。
また、本発明においては、上記内面ゴム層の厚さは、本発明のホースが用いられる用途、本発明のホースに要求される物性等に応じて任意の厚さとすることができるため特に限定されないが、0.5〜4.0mm程度である。
<補強層(内側補強層、外側補強層)>
本発明のホースを構成する補強層(内側補強層、外側補強層)は、上述した内面ゴム層のゴム材料との関係において、TB/中間伸びが1.7以上となるように用いられる補強糸で形成されるものであれば特に限定されず、ホースに用いられる従来公知の補強層を用いることができる。
本発明においては、上記補強層を形成する補強糸の135℃における1.2cN/dtex時の中間伸びは、0.4〜5.0%であるのが好ましく、1.0〜3.5%であるのがより好ましい。
ここで、「1.2cN/dtex時」とは、5.3MPa程度の圧力をホースに加えた場合における、補強層を形成する補強糸1本あたりに加わる圧力を想定したものである。補強層を形成する補強糸の中間伸びが0.4〜5.0%となることにより、5.3MPa程度の圧力をホースに加えた場合のホースの外形変化が適当な範囲に制限され、ホースの連続使用等に伴う繰返し疲労による性能の劣化が防ぎ、耐久性がより良好なものとなる。
本発明のホースを構成する補強層を形成する補強糸は、繊維材料からなるものであれば特に限定されないが、具体的には、ポリエステル繊維(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等)、ナイロン繊維、レーヨン繊維、芳香族ポリアミド繊維、ポリケトン繊維等からなるコードが挙げられる。これらのうち、コスト面の観点からポリエチレンテレフタレート(PET)繊維を用いるのが好ましい。
このような補強糸の撚り合わせ構造は特に限定されず、有撚および無撚のいずれでもよい。
また、このような補強糸を、135℃における1.2cN/dtex時の中間伸びが0.4〜5.0%となる好適な補強糸とするための処理条件は、補強糸の種類によって異なるため特に限定されない。
更に、このような補強糸は、内面ゴム層および外面ゴム層との接着性の観点から、接着剤に浸漬する処理を施すのが好ましい。接着剤は特に限定されないが、コスト、種々のゴムに対する接着性等の観点から、レゾルシン・ホルマリン初期縮合物水溶液とゴムラテックスとの混合液(RFL)系接着剤が好適に用いられる。
本発明のホースを構成する補強層は、上述した補強糸を内面ゴム層の上にスパイラル状に巻きつけて形成される。
また、本発明のホースにおいては、上記補強層の厚さは、本発明のホースが用いられる用途、本発明のホースに要求される物性等に応じて任意の厚さとすることができる。
本発明のホースは、上述したように、上記内面ゴム層を形成するゴム材料の135℃における破断強度(TB)と、上記内側補強層および上記外側補強層を形成する補強糸の135℃における1.2cN/dtex時の中間伸びとの比が、1.9以上である。TB/中間伸びが1.9以上であれば、得られるホースが良好な耐久性、具体的には、135℃下、0.5Hzの周期で0MPaおよび5.3MPaの圧力を繰返し加える試験(以下、「繰返し加圧試験」という場合もある。)においても40万回以上稼動する耐久性を示す。
<外面ゴム層>
本発明のホースを構成する外面ゴム層は、ホースに用いられる従来公知の外面ゴム層を用いることができ、1層単独で形成されていても、複数層で形成されていてもよい。
このような外面ゴム層を形成するゴム材料は特に限定されず、その具体例としては、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、塩素化ブチルゴム(Cl−IIR)、臭素化ブチルゴム(Br−IIR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)等が挙げられ、1種単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
これらのうち、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)を用いることが、耐候性、耐熱性、耐水分透過性に優れる理由から好ましい。
本発明においては、上記外面ゴム層は、ゴム単独で形成されていてもよいが、本発明のホースが用いられる用途、本発明のホースに要求される物性等に応じて、各種添加剤を含有させたゴム組成物により形成されていてもよい。
必要に応じて含有させてもよい添加剤としては、内面ゴム層を形成するゴム組成物として上記で例示した各種添加剤が挙げられる。
また、本発明においては、上記内面ゴム層の厚さは、本発明のホースが用いられる用途、本発明のホースに要求される物性等に応じて任意の厚さとすることができるため特に限定されないが、0.5〜3.0mm程度である。
本発明のホースは、上述した内面ゴム層、補強層および外面ゴム層以外に、必要に応じて、以下に示す樹脂層を備えていてもよい。
(樹脂層)
本発明のホースは、上記内面ゴム層の内側に樹脂層を備えていてもよい。樹脂層は、従来公知の樹脂により形成されるものであれば特に限定されず、1層単独で形成されていても、複数層で形成されていてもよい。
このような樹脂層を形成する樹脂材料としては、具体的には、例えば、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、塩ビ系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリメタクリレート系樹脂、ポリビニル系樹脂等が挙げられ、1種単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
これらのうち、最適な樹脂材料は用途によって異なるが、例えば、自動車エアコンホース用途の場合、耐冷媒透過性に特に優れる理由からポリアミド系樹脂を用いるのが好ましく、具体的には、ナイロン6(N6)とナイロン11(N11)との混合樹脂(ブレンド)を用いるのがより好ましい。
このような本発明のホースは、上述したように、中間ゴム層がなくても耐久性に優れ、中間ゴム層を排除することよる低コスト化も図ることができるため非常に有用である。そのため、本発明のホースは、自動車用エアコンホース、パワーステアリングホースへの適用のみならず、従来より中間ゴム層を補強層間に介在させていた冷媒輸送用などの高圧ホース等にも適用することができる。
本発明のホースの製造方法は特に限定されず、ホースの製造方法として従来公知の方法を用いることができ、具体的には、マンドレル上に、上記内面ゴム層、上記内側補強層、上記外側補強層および外面ゴム層をこの順に積層させた後に、それらの層を140〜190℃下、30〜180分の条件で、プレス加硫、蒸気加硫、オーブン加硫(熱気加硫)もしくは温水加硫することにより加硫接着させて製造する方法が好適に例示される。
以下に、実施例を用いて本発明のホースについてより詳細に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(ゴム材料1〜6の調整)
内面ゴム層に用いるゴム材料1〜6として、下記表1(数値は質量部)に示す各成分を含有する組成物を調整した。
調整した各ゴム材料1〜6を160℃で30分間熱プレスし、2mm厚のシートを作製した。
このシートから3号ダンベル状の試験片を打ち抜き、引張速度500mm/分での引張試験をJIS K6251に準じて行い、135℃における、破断強度(TB)[MPa]、破断伸び(EB)[%]、50%モジュラス(M50)[MPa]を測定した。その結果を下記表1に示す。
Figure 0004760114
上記表1に示す各成分は以下に示すものを用いた。
・BIMS:Exxpro3745(Exxon化学社製)
・IIR:Exxpon Butyl 268(Exxon化学社製)
・EPDM:MITSUI EPT4070(三井化学製)
・HNBR:ZETPOL 2000(日本ゼオン社製)
・カーボンブラック(ISAF):ショウブラックN220(昭和キャボット社製)
・カーボンブラック(HAF):ショウブラックN330(昭和キャボット社製)
・カーボンブラック(SRF):#50(旭カーボン社製)
・タルク:ミストロンペーパー(日本ミストロン社製)
・臭素化アルキルフェノール樹脂:タッキロール250−I(田岡化学工業社製)
・ステアリン酸亜鉛:ステアリン酸亜鉛(正同化学工業社製)
・ステアリン酸:ルナックYA(花王社製)
・パラフィン油:マシン油22(昭和シェル石油社製)
・トリメリット酸:アデカサイザーC−8(旭電化工業社製)
・1,3−ビス−(t−ブチルペルオキシ−イソプロピル)ベンゼン:パーカドックス14(カヤクアクゾ社製)
(補強糸の作製)
下記の補強糸A〜Cのコード構造は、いずれも1100dtex//3の片撚構造(撚数:10回/10cm、S撚)とした。
(補強糸A)
ポリエチレンテレフタレートからなるコードをRFL系接着剤固形分濃度10%の浴中に浸漬(ディップ)した後に、−5%のストレッチ下で、230℃で60秒間熱処理した補強糸を用いた。
(補強糸B)
ポリエチレンテレフタレートをからなるコードをRFL系接着剤固形分濃度10%の浴中に浸漬(ディップ)した後に、−2%のストレッチ下で、230℃で60秒間熱処理した補強糸を用いた。
(補強糸C)
ポリエチレンテレフタレートをからなるコードをRFL系接着剤固形分濃度10%の浴中に浸漬(ディップ)した後に、+1%のストレッチ下で、230℃で60秒間熱処理した補強糸を用いた。
作製した各補強糸A〜Cの中間伸びを以下に示す条件で測定した。その結果を下記表2に示す。
<中間伸び>
各補強糸A〜Cについて、135℃下、1.2cN/dtex時の中間伸びを、JIS L1017:02に準じて測定した。
Figure 0004760114
(実施例1〜3、比較例1〜9)
得られた各ゴム材料1〜6、各補強糸A〜Cからなる補強層を用いたホースを以下に示すように作製した。
まず、外径12mmのマンドレル上に、厚さ0.15mmの最内層樹脂(ナイロン6)を被覆し、その上に得られた各ゴム材料1〜6よりなる内面ゴム層を厚さ2.0mmとなるように押し出し、内管を形成させた。
ついで、内管上に、得られた各補強糸A〜Cを一方向にスパイラル状に巻き付けて内側補強層を形成させ、該内側補強層の上に、それと反対の方向に各補強糸A〜Cをスパイラル状に巻き付けて外側補強層を形成させた。
その後、外側補強層の上に、下記表3に示すEPDM系ゴム組成物よりなる外面ゴム層を厚さ1.0mmとなるように押し出し、外管を形成させた。
ついで、外管を最外層樹脂(TPX、三井化学社製)で被覆し、加硫缶を用いて約150℃で60分間加熱加硫を行い、その後、最外層樹脂を除き、マンドレル抜きを行い、ホースを得た。
Figure 0004760114
上記表3に示す各成分は以下に示すものを用いた。
・EPDM:ESPRENE 505(住友化学製)
・カーボンブラック:#50(旭カーボン社製)
・亜鉛華:酸化亜鉛3種(正同化学工業社製)
・ステアリン酸:ルナックYA(花王社製)
・パラフィン油:マシン油22(昭和シェル石油社製)
・硫黄:粉末イオウ(軽井沢精錬所)
・加硫促進剤1:ジベンゾチアゾリルジスルフィド(DM)(サンセラーDM、三新化学工業社製)
・加硫促進剤2:N−シクロヘキシルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(CBS)(サンセラーCM、三新化学工業社製)
得られた各ホースについて、層間接着性、ホース破壊試験および繰返し加圧試験を以下に示す方法により評価した。その結果を下記表4に示す。
<層間接着性>
層間接着性の評価は、JIS K6330−6:98に準じて行い、135℃における、内側補強層と外側補強層との間のはく離強さを測定した。
<ホース破壊試験>
得られた各ホースを、JIS K6330−2:98に準拠したホース破壊試験に供し、ホース破壊時の破壊圧(MPa)を測定した。
<繰返し加圧試験>
得られた各ホースを、135℃下、0.5Hzの周期で0MPaおよび5.3MPaの圧力を繰返し加える繰返し加圧試験に供し、稼動回数(万)を測定した。
Figure 0004760114
表4に示す結果から、TB/中間伸びが1.7以上となる実施例1〜3は、いずれも繰返し加圧試験による結果が40万回以上稼動となり、TB/中間伸びが1.7以上の要件を満たさない比較例1〜9に比べ、良好な耐久性を示すことが分かった。
図1は、本発明のホースをその各層毎に一部切欠いて示す斜視図である。
符号の説明
1 ホース
2 内面ゴム層
3 内側補強層
4 外側補強層
5 外面ゴム層

Claims (2)

  1. 少なくとも、内面ゴム層、2層以上のスパイラル編組構造の補強層および外面ゴム層を、内周側からこの順に備えるホースであって、
    前記内面ゴム層を形成するゴム材料の135℃における破断強度(TB)と、
    前記補強層を形成する補強糸の135℃における1.2cN/dtex時の中間伸びと、
    の比(TB/中間伸び)が、1.9以上であり、
    前記補強層を形成する補強糸の135℃における1.2cN/dtex時の中間伸びが、0.4〜5.0%であり、
    前記内面ゴム層を形成するゴム材料の135℃における破断強度(T B )が、4.5MPa以上である、ホース。
  2. 前記内面ゴム層を形成するゴム材料が、臭素化イソブチレン−コ−パラ−メチルスチレン(BIMS)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、および、水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴム(HNBR)からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載のホース。
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