JP7171993B2 - アクチュエータ用ゴム組成物、アクチュエータ用加硫ゴム及びアクチュエータ - Google Patents
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また、チューブの耐久性を向上させたアクチュエータとして、SP値の異なる極性ゴム層と非極性ゴム層からなる2層以上の積層構造を有するチューブを備えたアクチュエータが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
スリーブは、ポリアミド繊維などの高張力繊維または金属のコードを編み込んだ筒状の構造体であり、チューブの膨張運動を所定範囲に規制する。
このような空気圧式アクチュエータは、様々な分野で用いられ、特に、介護・福祉用機器の人工筋肉として好適に用いられているが、初期の入力応答性及びスリーブに対する耐摩耗性に関しては改善の余地があった。
<3> 前記ゴム成分が、天然ゴムを含む<1>または<2>に記載のアクチュエータ用ゴム組成物。
<4> 前記ゴム成分100質量部に対して0.1~1.4質量部の加硫促進剤を含む<1>~<3>のいずれか1つに記載のアクチュエータ用ゴム組成物。
<5> 加硫促進剤と硫黄の合計量が、前記ゴム成分100質量部に対して2質量部以下である<1>~<4>のいずれか1つに記載のアクチュエータ用ゴム組成物。
<6> 前記硫黄の含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して1質量部未満である<1>~<5>のいずれか1つに記載のアクチュエータ用ゴム組成物。
<11> 前記チューブが複層構造である<8>に記載のアクチュエータ。
<12> <7>に記載のアクチュエータ用加硫ゴムを、前記チューブの最外層に用いた<11>に記載のアクチュエータ。
なお、以下の説明において、数値範囲を示す「A~B」の記載は、端点であるA及びBを含む数値範囲を表し、「A以上B以下」(A<Bの場合)、又は「A以下B以上」(B<Aの場合)を表す。
また、質量部及び質量%は、それぞれ、重量部及び重量%と同義である。
本発明のアクチュエータは、液圧又は空気圧によって膨張及び収縮する筒状のチューブと、所定方向に配向されたコードを編み込んだ筒状の構造体であって前記チューブの外周面を覆うスリーブと、によって構成されるアクチュエータ本体部を備え、前記チューブに、本発明のアクチュエータ用加硫ゴムを用いたアクチュエータである。
本発明のアクチュエータ用加硫ゴムは、本発明のアクチュエータ用ゴム組成物の加硫ゴムである。アクチュエータ用ゴム組成物とアクチュエータ用加硫ゴムの詳細は後述する。
図1は、本実施形態に係るアクチュエータ10の側面図である。図1に示すように、アクチュエータ10は、アクチュエータ本体部100、封止機構200及び封止機構300を具える。また、アクチュエータ10の両端には、連結部20がそれぞれ設けられる。
液圧式の場合、作動流体として液体が用いられ、該液体としては、油、水等が挙げられる。本発明のアクチュエータを液圧式アクチュエータとして用いる場合、液圧式アクチュエータは、油圧式でも、水圧式でもよい。油圧式の場合、作動油としては、従来より油圧駆動システムに使用されている作動油を使用することができる。
空気圧式の場合、作動流体として圧縮空気が用いられる。
フィッティング400は、アクチュエータ10の駆動圧力源、具体的には、作動流体のコンプレッサと接続されたホース(管路)を取り付けられるように突出している。フィッティング400を介して流入した作動流体は、通過孔410を通過してアクチュエータ本体部100の内部、具体的には、チューブ110の内部に流入する。
アクチュエータ本体部100は、前述したように、チューブ110とスリーブ120とによって構成される。
チューブ110は、単層構造であってもよいし、複層構造であってもよい。
アクチュエータ10を液圧式アクチュエータとして用いる場合、チューブ110を複層構造にすることが好ましい。流動液体に接触する内層を耐水性または耐油性の層とし、スリーブ120と接触する最外層に本発明のアクチュエータ用加硫ゴムを用いることで、流動液体に対する耐久性を有すると同時に、スリーブ120に対する耐摩耗性を有することができる。
図3に示すチューブ110は、チューブの内面側に位置する内層111と、該内層111の径方向DR外側に隣接して、チューブ110の外面側に位置する最外層112とからなる2層構造を有する。
中でも、既述のように、流動液体に接触する内層を耐水性または耐油性の層とし、スリーブ120と接触する最外層に本発明のアクチュエータ用加硫ゴムを用いることが好ましい。換言すると、最外層112が、内層111の径方向DR外側であって、チューブ110の最外側に配置されていることが好ましい。最外層112が、内層111の径方向DR外側に配置されることで、耐摩耗性に優れる最外層112がスリーブ120側からの負荷に耐え、内層111が保護され、チューブ110全体としての強度が向上し、チューブ110の耐久性が更に向上する。
一方、最外層112を、本発明のアクチュエータ用加硫ゴムを含むゴム層とすることで、スリーブ120側からの負荷に耐え、例えば、スリーブ120と接触しても、高い耐久性を有する。
そのため、チューブ110が、内層111及び最外層112からなる2層以上の積層構造を有することで、繰り返し伸縮しても、高い耐液性と耐久性を兼ね備えた、アクチュエータを実現できる。
前記アクリロニトリル-ブタジエンゴムおよび/または水素化アクリロニトリルブタジエンゴムは、アクリロニトリル単位の含有量が異なる2種類以上のアクリロニトリル-ブタジエンゴムおよび/または水素化アクリロニトリルブタジエンゴムを含むことが好ましい。2種類以上のアクリロニトリル-ブタジエンゴムおよび/または水素化アクリロニトリルブタジエンゴムを使用することで、所望のニトリル含量を容易に達成できる。
前記アクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR)及び水素化アクリロニトリルブタジエンゴム(水素化NBR)の、内層111のゴム成分中の含有割合は、50~100質量%であることが好ましく、60~90質量%であることがより好ましい。
なお、チューブ110の層厚は、チューブ110の総厚みを意味し、チューブ110が複層である場合は、全層合計の層厚を意味する。例えば、チューブ110が、図3に示す内層111と最外層112とからなる2層構造である場合、内層111と最外層112の径方向(DR方向)の層厚を、チューブ110の層厚とする。
チューブ110の層厚は、アクチュエータの入力応答性と耐摩耗性をより向上する観点から、0.3~9.0mmであることがより好ましい。
但し、このような種類の繊維コードに限定されるものではなく、例えば、PBO(ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール)繊維などの高強度繊維や、極細のフィラメントによって構成される金属製のコードを用いてもよい。
なお、熱硬化性樹脂とラテックスとの混合物中の固形分率は、15質量%以上50質量%以下が好ましく、20質量%以上40質量%以下が更に好ましい。また、熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、レゾルシン樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられ、ラテックスとしては、ビニルピリジン(VP)ラテックス、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)ラテックス、アクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR)ラテックス等が挙げられる。
本発明のアクチュエータ用ゴム組成物は、ガラス転移温度が-85℃以下のジエン系ゴムを60質量%以上100質量%未満含むゴム成分と、窒素吸着比表面積(N2SA)が75~180m2/gであり、DBP給油量が100~140cm3/100gであるカーボンブラックと、加硫促進剤と、硫黄とを含み、前記カーボンブラックの含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して30~80質量部であり、加硫ゴム特性として、25℃で300%伸長した時のモジュラス引張弾性率が8.0MPa未満である。
以下、アクチュエータ用ゴム組成物を単に「ゴム組成物」と称することがある。
アクチュエータ用ゴム組成物が上記構成であることで、ゴム組成物は作業性に優れ、加硫ゴムは耐摩耗性に優れると共に、空気圧のような微小入力に対しても敏感に膨張し、入力応答性に優れる。
かかる理由は定かではないが、次の理由によるものと推察される。
本発明ゴム組成物は、ガラス転移温度が-85℃以下のジエン系ゴムを60質量%以上100質量%未満含むゴム成分を含有する。
ゴム成分が、ガラス転移温度が-85℃以下のジエン系ゴムを60質量%以上100質量%未満含まないと、加硫ゴムが耐摩耗性に優れない。
加硫ゴムの耐摩耗性の観点から、ゴム成分中の、ガラス転移温度が-85℃以下のジエン系ゴムの含有量は、65質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、75質量%以上であることが更に好ましい。また、混練時の作業性(ゴムの纏まり性)の観点から、ゴム成分中の、ガラス転移温度が-85℃以下のジエン系ゴムの含有量は、95質量%以下であることが好ましく、90質量%以下であることがより好ましい。
ポリブタジエンゴムは、ブタジエン系単量体の重合体であれば特に制限されず、複数種のブタジエン系単量体を用いて製造したものでも構わない。
ブタジエン系単量体としては、例えば、1,3-ブタジエン、2-メチル-1,3-ブタジエン)、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、2-クロロ-1,3-ブタジエンなどが挙げられる。
なお、本願において重量平均分子量(Mw)は、テトラヒドロフランを溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により標準ポリスチレン換算で求めたものである。
Tgが-85℃を超えるジエン系ゴムとしては、例えば、天然ゴム(NR;Tg=-79℃~-69℃)、ポリイソプレンゴム(IR;Tg=-79℃~-69℃)、スチレン-ブタジエン共重合体ゴム(SBR;Tg=-55℃)、クロロプレンゴム(CR;Tg=-45℃~-43℃)、ブチルゴム(IIR;Tg=-75℃~-67℃)、ハロゲン化ブチルゴム(Br-IIR、Cl-IIR)、アクリロニリトル-ブタジエンゴム(NBR;Tg=-50℃)等が挙げられる。
Tgが-85℃を超えるジエン系ゴムは、以上の中でも、天然ゴム、及びポリイソプレンゴムが好ましく、天然ゴムがより好ましい。
Tgが-85℃を超えるジエン系ゴムは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
ゴム成分は、加硫ゴムの耐摩耗性の観点から、ブタジエンゴム及び天然ゴムを含むことが好ましく、ブタジエンゴム及び天然ゴムからなることがより好ましい。
本発明のゴム組成物は、充填剤として、窒素吸着比表面積(N2SA)が75~180m2/gであり、DBP給油量が100~140cm3/100gであるカーボンブラックを、ゴム成分100質量部に対して30~80質量部含む。
以下「窒素吸着比表面積(N2SA)が75~180m2/gであり、DBP給油量が100~140cm3/100gであるカーボンブラック」を、「本発明のカーボンブラック」と称することがある。
ゴム組成物中の本発明のカーボンブラックの含有量が、ゴム成分100質量部に対して30質量部未満であると、加硫ゴムが耐摩耗性に優れず、80質量部を超えると、混練時の作業性が大幅に悪化する。
ゴム組成物中の本発明のカーボンブラックの含有量は、加硫ゴムの耐摩耗性とアクチュエータの入力応答性をより向上する観点から、ゴム成分100質量部に対して30~70質量部であることが好ましく、40~70質量部であることがより好ましく、50~70質量部であることが更に好ましい。
窒素吸着比表面積(N2SA)は、ASTM-D3037-86に記載の方法により測定することができる。
DBP(ジブチルフタレート)吸油量は、ASTM-D-3493に記載の方法により測定され、カーボンブラック100g当りに吸収されるジブチルフタレート(DBP)の体積cm3で表示される。
ヨウ素吸着量は、JIS K6221-1982に準拠した方法により測定することができる。
以上のような物性を満足するカーボンブラックとしては、例えば、SAF、ISAFなどが挙げられ、特にISAFが好ましい。これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明のゴム組成物は、他の充填剤を含んでいてもよいが、加硫ゴムの耐摩耗性とアクチュエータの入力応答性をより向上する観点から、全充填剤中の本発明のカーボンブラックの含有量は、50質量%を超えることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることが更に好ましく、100質量%であることが特に好ましい。
他の充填剤としては、本発明のカーボンブラック以外のカーボンブラック;シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア等の金属酸化物;水酸化アルミニウム等が挙げられる。
他の充填剤を用いる場合は、上記の中でもシリカが好ましく、具体的には、湿式シリカ、焼成シリカ、沈降シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ、無水微粉ケイ酸、含水微粉ケイ酸、含水ケイ酸アルミニウム、含水ケイ酸カルシウム等、シランカップリング剤などで表面処理を施した特殊シリカなど、用途に応じて使用することができる。シリカは、湿式シリカを用いることが好ましい。
本発明のゴム組成物がシリカを含む場合、本発明のゴム組成物は更にシランカプリング剤を含んでいてもよい。
本発明のゴム組成物は、硫黄を含有する。
加硫ゴムの耐摩耗性とアクチュエータの入力応答性を向上する観点から、本発明のゴム組成物は、ゴム成分100質量部に対して、0.05~1.8質量部の硫黄を含むことが好ましい。
ゴム組成物中の硫黄の含有量がゴム成分100質量部に対して0.05質量部以上であることで、加硫ゴムの耐摩耗性を高めることができる。また、ゴム組成物中の硫黄の含有量がゴム成分100質量部に対して1.8質量部以下であることで、25℃で300%伸長した時のモジュラス引張弾性率をより小さくすることができ、空気圧のような微小入力でも応答性の高いアクチュエータが得られ易い。
本発明のゴム組成物中の硫黄の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、0.05~1.5質量部であることがより好ましく、0.1~1.0質量部であることが更に好ましく、1質量部未満であることが特に好ましい。
一方、加硫ゴムの耐摩耗性を高める観点から、硫黄と加硫促進剤の合計量は、ゴム成分100質量部に対して、0.15質量部以上であることが好ましく、0.3質量部以上であることがより好ましい。
本発明のゴム組成物は、加硫促進剤を含有する。
加硫ゴムの耐摩耗性を向上する観点から、本発明のゴム組成物は、ゴム成分100質量部に対して0.1~1.4質量部の加硫促進剤を含むことが好ましい。
ゴム組成物中の加硫促進剤の含有量がゴム成分100質量部に対して0.1質量部以上であることで、加硫ゴムの耐摩耗性を高めることができる。また、ゴム組成物中の加硫促進剤の含有量がゴム成分100質量部に対して1.4質量部以下であることで、25℃で300%伸長した時のモジュラス引張弾性率をより小さくすることができ、空気圧のような微小入力でも応答性の高いアクチュエータが得られ易い。
本発明のゴム組成物中の加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、0.2~1.2質量部であることがより好ましく、0.3~0.9質量部であることが更に好ましい。
アルデヒド・アンモニア系加硫促進剤としては、具体的には、例えば、ヘキサメチレンテトラミン(H)等が挙げられる。
グアニジン系加硫促進剤としては、具体的には、例えば、ジフェニルグアニジン等が挙げられる。
チオウレア系加硫促進剤としては、具体的には、例えば、エチレンチオウレア等が挙げられる。
チアゾール系加硫促進剤としては、具体的には、例えば、ジベンゾチアジルジスルフィド(DM)、2-メルカプトベンゾチアゾール及びそのZn塩等が挙げられる。
スルフェンアミド系加硫促進剤としては、具体的には、例えば、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CZ)、N-t-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(NS)等が挙げられる。
チウラム系加硫促進剤としては、具体的には、例えば、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等が挙げられる。
ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤としては、具体的には、例えば、Na-ジメチルジチオカーバメート、Zn-ジメチルジチオカーバメート、Te-ジエチルジチオカーバメート、Cu-ジメチルジチオカーバメート、Fe-ジメチルジチオカーバメート、ピペコリンピペコリルジチオカーバメート等が挙げられる。
加硫促進剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
各成分の混練は、全一段階で行ってもよいし、二段階以上に分けて行ってもよい。
本発明のアクチュエータ用ゴム組成物を加硫することにより、アクチュエータ用加硫ゴムが得られる。本発明のアクチュエータ用ゴム組成物は、加硫ゴム特性として、25℃で300%伸長した時のモジュラス引張弾性率が8.0MPa未満であり、従って、本発明のアクチュエータ用加硫ゴムは、25℃で300%伸長した時のモジュラス引張弾性率が8.0MPa未満である。
加硫ゴムの25℃で300%伸長した時のモジュラス引張弾性率(M300)が8.0MPa未満であることで、アクチュエータは、空気圧のような微小入力でも応答性が高く、入力応答性に優れる。
加硫ゴムの25℃で300%伸長した時のモジュラス引張弾性率(M300)は、アクチュエータの入力応答性とスリーブに対する耐摩耗性をより向上する観点から、1.5~7.5MPaであることが好ましく、3.0~5.0MPaであることがより好ましい。また、加硫ゴムの25℃で200%伸長した時のモジュラス引張弾性率(M200)は、アクチュエータの入力応答性とスリーブに対する耐摩耗性をより向上する観点から、4.5MPa未満であることが好ましい。
加硫ゴムは、本発明のゴム組成物を、例えば、140~200℃の加硫温度で加硫することにより得られる。また、加硫時間としては、例えば、5~60分が挙げられる。
表1の配合に従って各成分を配合し、バンバリーミキサーで混練りしてゴム組成物を調製した。
得られたゴム組成物を3インチロールにより押出し、さらに加硫プレスすることにより、幅75mm、長さ150mm、厚さ2mmの加硫ゴム試験片を作製した。
(1)ゴム成分
・NR:天然ゴム、RSS#4
・BR:ポリブタジエンゴム、宇部興産(株)製、商品名「UBEPOL-BR150L」
・カーボンブラック1:窒素吸着表面積(N2SA):119m2/g、DBP吸油量:114cm3/100g
・カーボンブラック2:窒素吸着表面積(N2SA):42m2/g、DBP吸油量:121cm3/100g
・カーボンブラック3:窒素吸着表面積(N2SA):29m2/g、DBP吸油量:89cm3/100g
・カーボンブラック4:窒素吸着表面積(N2SA):71m2/g、DBP吸油量:103cm3/100g
(4)酸化亜鉛:東邦亜鉛(株)製、商品名「銀嶺SR」
(5)ワックス:精工化学(株)製、商品名「サンタイトS」
(6)老化防止剤:N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、住友化学(株)製、商品名「ANTIGENE6C」
(7)加硫促進剤:NS、N-tert-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、大内新興化学工業(株)製、商品名「ノクセラーNS-F」
(8)硫黄:鶴見化学工業(株)製、商品名「サルファックス5」
(1)実施例3、6、及び7については、下記のとおりアクチュエータを作製した。
1.チューブの作製
得られたゴム組成物を押出し成形機で加工することにより、長さ300mmの円筒形状の単層チューブを作製した。
原糸として、2200dtexのアラミド繊維を2本用い、12回/10cmの下撚りをかけ、更に12回/10cmの上撚りをかけて、直径0.7mmのアラミド繊維コードを作製した。該アラミド繊維コード64本を編み込んで作製した網目状のスリーブを用意した。このスリーブは、横断面において円周上にアラミド繊維コードが64本観察される網目状筒状体であった。具体的には、このスリーブは、等間隔、平行かつ螺旋状に配置された32本のアラミド繊維コードと、この32本のアラミド繊維コードと斜交するとともに、等間隔、平行かつ螺旋状に配置された他の32本のアラミド繊維コードとが交互に編み込まれてなる網目状筒状体であり、各コードのスリーブの軸方向に対する角度は25度であった。
前記チューブと前記網目状のスリーブとを用いて、図1及び図2に示す構造のアクチュエータを作製した。なお、封止機構200と封止機構300との間の長さは250mmである。アクチュエータに組み込まれたチューブの作動油としては、コスモスーパーエポック株式会社製UF46を用いた。
1.チューブの作製
得られたゴム組成物を押出し成形機で加工することにより、長さ300mmの円筒形状の単層チューブを作製する。
原糸として、2200dtexのアラミド繊維を2本用い、12回/10cmの下撚りをかけ、更に12回/10cmの上撚りをかけて、直径0.7mmのアラミド繊維コードを作製する。該アラミド繊維コード64本を編み込んで作製した網目状のスリーブを用意する。このスリーブは、横断面において円周上にアラミド繊維コードが64本観察される網目状筒状体である。具体的には、このスリーブは、等間隔、平行かつ螺旋状に配置された32本のアラミド繊維コードと、この32本のアラミド繊維コードと斜交するとともに、等間隔、平行かつ螺旋状に配置された他の32本のアラミド繊維コードとが交互に編み込まれてなる網目状筒状体であり、各コードのスリーブの軸方向に対する角度は25度である。
前記チューブと前記網目状のスリーブとを用いて、図1及び図2に示す構造のアクチュエータを作製する。なお、封止機構200と封止機構300との間の長さは250mmである。アクチュエータに組み込まれたチューブの作動油としては、コスモスーパーエポック株式会社製UF46を用いる。
1.引張応力(M300)
加硫ゴム試験片をダンベル状8号形の試験片に加工し、JIS K 6251(2017年)に基づき、測定温度25℃で300%伸長した時のモジュラス引張弾性率を求めた。
加硫ゴム試験片について、ランボーン式摩耗試験機を用い、室温におけるスリップ率60%での摩耗量を測定した。
実施例2の加硫ゴム試験片の摩耗量の逆数を100として指数表示した。指数値が大きい程、摩耗量が少なく、耐摩耗性に優れることを示す。
調製したゴム組成物について、JIS-K6300-1:2001に準拠して、ムーニー粘度計(モンサント社製RPA)によって、L型ローターを用い、130℃の条件下で、ゴム組成物のムーニー粘度[ML1+4/130℃]を測定した。
ゴム組成物のムーニー粘度の値は、実施例2の値を100として各実施例及び比較例の指数化し、下記基準にて評価した。
(評価基準)
○:指数が100以上であり、ゴム組成物の流れ性が良く、作業性に優れる。
×:指数が100未満であり、ゴム組成物の流れ性が悪く、作業性に優れない。
(1)実施例3、6、及び7については、次のようにして、入力応答性を評価した。
実施例3、6、及び7のアクチュエータを用い、アクチュエータに内圧を付加した際の発生力を測定した。測定方法は、アクチュエータを自然長(初期長さ)で固定し、内圧を徐々に付加させた。内圧が一定以上になるとアクチュエータに力が発生した。その力が発生し始めた時の圧力を初期応答性メジャーとして規定した。用いたチューブ厚肉は1.0mmであった。
〇:0.02MPa以下の内圧で力を発生した場合
×:0.02MPa以下の内圧では力を発生しない場合
実施例1、2、4、5、8及び比較例1~9のアクチュエータを用い、アクチュエータに内圧を付加した際の発生力を測定する。測定方法は、アクチュエータを自然長(初期長さ)で固定し、内圧を徐々に付加させる。内圧が一定以上になるとアクチュエータに力が発生する。その力が発生し始める時の圧力を初期応答性メジャーとして規定する。用いるチューブ厚肉は1.0mmとする。
〇:0.02MPa以下の内圧で力を発生した場合
×:0.02MPa以下の内圧では力を発生しない場合
ゴム組成物中の本発明のカーボンブラックの含有量がゴム成分100質量部に対して80質量部を超える比較例3、ゴム成分中のガラス転移温度が-85℃以下のジエン系ゴムの含有量が100質量%となる比較例8及び、加硫促進剤を含まない比較例9のゴム組成物は、作業性に優れない。
更に、加硫ゴム特性として、25℃で300%伸長した時のモジュラス引張弾性率が8.0MPa以上となる比較例4においては、微小入力では膨張しにくく、アクチュエータの入力応答性に優れない。
一方、実施例のゴム組成物は、加硫ゴムの耐摩耗性が優れると共に、微小入力でも膨張し易く、アクチュエータの入力応答性にも優れることがわかる。
20:連結部
100:アクチュエータ本体部
110:チューブ
111:内層
112:最外層
120:スリーブ
200:封止機構
210:封止部材
211:胴体部
212:鍔部
213:凹凸部
214:小径部
215:通過孔
220:係止リング
230:かしめ部材
231:圧痕
300:封止機構
400:フィッティング
410:通過孔
DAX:軸方向
DR:径方向
Claims (11)
- ガラス転移温度が-85℃以下のジエン系ゴムを60質量%以上100質量%未満含むゴム成分と、
窒素吸着比表面積が75~180m2/gであり、DBP給油量が100~140cm3/100gであるカーボンブラックと、
加硫促進剤と、
硫黄と
を含み、
前記カーボンブラックの含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して30~80質量部であり、加硫ゴム特性として、25℃で300%伸長した時のモジュラス引張弾性率が8.0MPa未満であるアクチュエータ用ゴム組成物であって、
前記加硫促進剤と前記硫黄の合計量が、前記ゴム成分100質量部に対して2質量部以下である アクチュエータ用ゴム組成物。 - 前記ジエン系ゴムがブタジエンゴムである請求項1に記載のアクチュエータ用ゴム組成物。
- 前記ゴム成分が、天然ゴムを含む請求項1又は2に記載のアクチュエータ用ゴム組成物。
- 前記ゴム成分100質量部に対して0.1~1.4質量部の加硫促進剤を含む請求項1~3のいずれか1項に記載のアクチュエータ用ゴム組成物。
- 前記硫黄の含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して1質量部未満である請求項1~4のいずれか1項に記載のアクチュエータ用ゴム組成物。
- 請求項1~5のいずれか1項に記載のアクチュエータ用ゴム組成物を用いたアクチュエータ用加硫ゴム。
- 液圧又は空気圧によって膨張及び収縮する筒状のチューブと、所定方向に配向されたコードを編み込んだ筒状の構造体であって前記チューブの外周面を覆うスリーブと、によって構成されるアクチュエータ本体部を備え、前記チューブに、請求項6に記載のアクチュエータ用加硫ゴムを用いたアクチュエータ。
- 前記チューブが単層構造である請求項7に記載のアクチュエータ。
- 前記チューブの層厚が、0.2~10.0mmである請求項7又8に記載のアクチュエータ。
- 前記チューブが複層構造である請求項7に記載のアクチュエータ。
- 請求項6に記載のアクチュエータ用加硫ゴムを、前記チューブの最外層に用いた請求項10に記載のアクチュエータ。
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