JP2014234838A - 弾性収縮体 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐久性を確保しつつ製造コストを削減できる弾性収縮体を提供すること。【解決手段】管状体2の軸方向の1箇所以上において規制材4が管状体2の周方向に亘って円環状に埋設される。規制材4により管状体2の径方向の膨張を規制し、管状体2の軸線に沿う補強材3の繊維間の伸び(ゴム状弾性体の伸び)を低減できるので、管状体2の耐疲労性を確保できる。補強材3及び規制材4を構成する繊維は管状体2に接着されるので、管状体2を成形するときに、補強材3及び規制材4を接着すると同時に、それらを管状体2に埋設できる。管状体2の外周部に膨張規制用部材を固着するという従来は必要であった作業を廃止できるので、製造コストを削減できる。【選択図】図1
Description
本発明は弾性収縮体に関し、特に耐久性を確保しつつ製造コストを削減できる弾性収縮体に関するものである。
弾性体から構成される管状体の両端を閉鎖し、閉鎖された管状体内に流体を注入することで管状体を径方向に膨張させつつ軸方向に収縮させて、軸方向の推力を得る流体注入式アクチュエータ(弾性収縮体)が知られている(特許文献1)。特許文献1に開示される技術では、複数の繊維が管状体の軸方向に沿って埋設され、管状体の外周部にリング状の膨張規制用部材が設けられる。膨張規制用部材は管状体の径方向への膨張を制限するための部材であり、金属製や合成樹脂製とされる。膨張規制用部材は、軸方向に移動しないように管状体の外周部に接着剤によって固着される。膨張規制用部材によって管状体の径方向の膨張量が制限されるので、管状体の耐久性(耐疲労性)を向上させることができる。
しかしながら上述した従来の技術では、繊維が埋設された管状体を製造した後、管状体の外周部に膨張規制用部材を固着する作業を必要とするので、その作業の分だけ製造コストが増加するという問題がある。
本発明は上述した問題を解決するためになされたものであり、耐久性を確保しつつ製造コストを削減できる弾性収縮体を提供することを目的としている。
請求項1記載の弾性収縮体によれば、管状体はゴム状弾性体から、補強材は複数の繊維により構成され、管状体の軸線に沿って補強材が埋設される。管状体の両端が閉鎖部材によってそれぞれ閉鎖され、閉鎖部材および管状体により形成される空間に流体が供給される。その流体の圧力によって管状体が径方向に膨張されて軸方向に収縮され、軸方向の推力が得られる。管状体の軸方向の1箇所以上において、繊維により構成される規制材が、管状体の周方向に亘って円環状に埋設され、管状体の径方向の膨張が規制される。その結果、管状体の軸線に沿う補強材の繊維間の伸び(ゴム状弾性体の伸び)を低減できるので、管状体の耐疲労性(耐久性)を確保できる。
補強材および規制材を構成する繊維は管状体に接着されるので、管状体を成形するときに、補強材および規制材を接着すると同時に補強材および規制材を管状体に埋設できる。その結果、管状体の外周部に膨張規制用部材を固着するという従来は必要であった作業を廃止できるので、製造コストを削減できる効果がある。
請求項2記載の弾性収縮体によれば、規制材は、補強材を構成する繊維と同一種類の繊維により構成される。補強材および規制材を構成する繊維が共通化されるので、請求項1の効果に加え、部品点数が増加することを防止できる効果がある。
請求項3記載の弾性収縮体によれば、補強材は、規制材に対して管状体の軸線側に埋設されるので、管状体が径方向に膨張することによって径方向に拡がる補強材を、規制材によって拘束できる。その結果、補強材の繊維間の伸び(ゴム状弾性体の伸び)が規制材に拘束されるので、請求項1又は2の効果に加え、弾性収縮体の耐疲労性を確保できる効果がある。
請求項4記載の弾性収縮体によれば、無負荷のときの軸方向における規制材間の距離および管状体の端部とその端部に最も近接する規制材との距離のうち最も大きい距離Loを、無負荷のときの管状体の内径φoで除した比率Lo/φoが1.2〜2.3とされる。比率Lo/φoが大きくなるにつれ、弾性収縮体の軸方向の収縮率を大きくできるが、径方向の膨張量が大きくなるので、耐疲労性は低下する。一方、比率Lo/φoが小さくなるにつれ、径方向の膨張量を小さくできるので耐疲労性は向上するが、弾性収縮体の軸方向の収縮率は小さくなる。比率Lo/φoを1.2〜2.3とすることによって、請求項1から3のいずれかの効果に加え、収縮率と耐疲労性とをバランス良く両立できる効果がある。
以下、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照して説明する。まず、図1を参照して第1実施の形態について説明する。図1は本発明の第1実施の形態における弾性収縮体1の部分断面図である。図1に示すように、弾性収縮体1は、ゴム状弾性体から管状に形成される管状体2と、管状体2の両端に固着される閉鎖部材5,12とを備えて構成される。管状体2は、シリコーンゴムやその他の合成ゴム、天然ラテックスゴム等のゴム状弾性体から管状に構成される部材であり、補強材3が管状体2の長手方向に沿って埋設され、規制材4が管状体2の軸方向中央部に埋設されている。
図2を参照して管状体2について説明する。図2は管状体2の部分断面図である。補強材3は複数の繊維により構成されており、管状体2の長手方向(軸線O方向)に沿って管状体2の厚さ方向の略中央に埋設される。補強材3は、管状体2の周方向に略均等に配置され、全体として筒状の繊維群として管状体2に埋設される。
補強材3を構成する繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、ナイロン、ポリアミド系繊維やポリオレフィン系繊維、金属繊維等を適宜選択して用いることができる。また、繊維はフィラメント、ヤーン(スパン・ヤーン及びフィラメント・ヤーン)、ストランドのいずれも用いることができ、さらに、撚りをかけずに収束させた無撚繊維、これらの繊維を複数本撚って作成した繊維を用いることも可能である。繊維の種類にもよるが、二種類以上の種類の異なる繊維を組み合わせても良い。
規制材4は繊維により構成されており、管状体2の周方向に亘って埋設される。規制材4は、管状体2に埋設される補強材3の外周側に、円環状に配置される。即ち、補強材3は、円環状にされた規制材4に対して管状体2の軸線O側に位置する。規制材4を構成する繊維としては、補強材3を構成する繊維と同様に、ガラス繊維、炭素繊維、ポリオレフィン系繊維、金属繊維等が用いられるので、重複する説明を省略する。
規制材4を構成する繊維は、1本の繊維を補強材3の周りに複数回巻き付けることができる。また、1本の繊維を複数回巻き付けるのに代えて、複数本の繊維を束にして補強材3の周りに巻くことができる。補強材3及び規制材4を構成する繊維の1本1本は、管状体2を構成するゴム状弾性体によって覆われている。なお、本実施の形態では、規制材4は、補強材3を構成する繊維と同一種類の繊維により構成されている。
ここで、管状体2の製造方法について説明する。管状体2の成形型(図示せず)内に、成形型の軸線に沿って軸線の周りに補強材3(金属繊維)を筒状に配置する。次いで、筒状に配置された補強材3の軸方向の所定箇所に、規制材4(金属繊維)を筒状の補強材3の外周に巻き付けるように配置する。次に、ゴム状弾性材により管状体2を加硫成形すると同時に補強材3及び規制材4を加硫接着して、ゴム状弾性体に補強材3及び規制材4を埋設する。成形されたゴム状弾性体を成形型から取り出した後、所定の長さに切断する。これにより、補強材3及び規制材4が埋設された管状体2を得ることができる。
以上のように、補強材3及び規制材4を構成する繊維は管状体2に接着されるので、補強材3に管状体2を接着する作業と同時に規制材4を管状体2に接着し、補強材3及び規制材4を管状体に埋設できる。従って、管状体2に規制材4を設ける作業の作業性を向上できる。従来は、補強材3が埋設された管状体2を製造した後、その管状体2の外周部に膨張規制用部材を固着していたので極めて作業効率が悪かった。本実施の形態によれば、管状体2の外周部に膨張規制用部材を固着するという従来は必要であった作業を廃止できるので、弾性収縮体1の製造コストを削減できる。
特に、本実施の形態によれば、管状体2を加硫成形すると同時に補強材3及び規制材4(金属繊維)を加硫接着するので、加硫成形を要しないシリコーンゴム等のゴム状弾性体に補強材3及び規制材4を接着する場合と比較して、生産性を向上できる。そのため、加硫接着を要しない場合と比較して、さらに製造コストを削減できる。
図1に戻って説明する。管状体2の両端に閉鎖部材5,12が固着される。閉鎖部材5,12は、管状体2の両端を閉鎖するための部材である。閉鎖部材5は、管状体2の端部に圧入されるパイプ状の嵌挿部6と、嵌挿部6の端部に形成され管状体2の端部に当接するフランジ7と、嵌挿部6及びフランジ7に貫通形成されると共に管状体2の内部と連通する孔部5aを閉鎖するための部材端部8とを備えている。かしめ部9は、嵌挿部6が嵌挿された管状体2の外周側に位置する。かしめ部9が縮径されることにより、かしめ部9及び嵌挿部6により管状体2が挟圧され、管状体2が封止される。
閉鎖部材5は、孔部5aと連通する流体圧供給管10が部材端部8に固着され、流体圧供給管10は、流体圧供給装置11に接続される。流体圧供給装置11は、電磁弁(図示せず)により流体圧供給管10に加圧流体(圧縮空気)を供給するか又は流体圧供給管10を大気開放するかを切り換え可能に構成されている。なお、閉鎖部材12は、流体圧供給管10が設けられていない以外は閉鎖部材5と同一に構成されており、管状体2の一端を閉鎖する。
次に図3を参照して、弾性収縮体1の動作について説明する。図3(a)は内圧が大気圧と同一のときの弾性収縮体1の側面図であり、図3(b)は内圧が上昇したときの弾性収縮体1の側面図である。
図3(a)に示すように、弾性収縮体1は、閉鎖部材5,12が固着された管状体2の端部と規制材4との間の軸方向長さ(自然長)がLoに設定され、内圧がかかっておらず軸方向の外力(引張力)も作用していないときの管状体2の内径がφoに設定される。弾性収縮体1は、流体圧供給装置11(図1参照)により管状体2の内部に加圧流体を供給することによって、図3(b)に示すように、管状体2を径方向に膨張させ、軸方向に収縮させることができる。管状体2を径方向に膨張させた状態から、流体圧供給装置11により管状体2の内部を大気開放することによって、図3(a)に示すように、管状体2は元の状態に復元される。
補強材3(図2参照)は管状体2の軸線Oに沿って埋設されているので、管状体2の内圧を上昇させると、補強材3間の距離が広がることによって管状体2が径方向に膨張される。補強材3は管状体2の軸方向に沿って埋設されており、繊維の配向に異方性を有している。そのため、管状体2に対する補強材3による周方向の拘束力は、軸方向の拘束力と比較して圧倒的に小さい。従って、管状体2を径方向に膨張させ易くできるので、軸方向の収縮率を確保できる。
一方、補強材3は管状体2に対する周方向の拘束力が小さいので、補強材3間の伸び量が大きくなるにつれ、弾性収縮体1の耐疲労性が低下してしまう。そこで、規制材4によって管状体2の径方向の膨張を抑制し、管状体2の軸方向の1箇所以上(本実施の形態では管状体2の軸方向の中央部)に節2aとなる部分を設ける(図3(b)参照)。節2aによって管状体2の軸方向の長さが二分されるので、節2aが設けられていないときに膨張する管状体e(図3(b)参照)と比較して、膨張する管状体2の最大径を小さくできる。そのため、補強材3間のゴム状弾性体の周方向の伸びの最大値を小さくすることができるので、弾性収縮体1の耐疲労性(耐久性)を確保できる。
また、補強材3(図2参照)は、円環状に形成される規制材4に対して管状体2の軸線O側に埋設されるので、補強材3が埋設された管状体2が径方向に膨張するときに、補強材3間のゴム状弾性体の周方向の伸びを規制材4に拘束させることができる。また、補強材3と規制材4との間に位置するゴム状弾性体に径方向の圧縮力を作用させることができるので、弾性収縮体1の耐疲労性(耐久性)を確保できる。
これに対し、規制材4が補強材3の内周側に配置される場合には、補強材3が埋設された管状体2が径方向に膨張するときに、補強材3と規制材4との間に位置するゴム状弾性体に径方向の引張力が作用する。そのため、補強材3と規制材4との距離が広がるようにゴム状弾性体が膨張する。その結果、補強材3間のゴム状弾性体の周方向の伸びが規制材4に拘束されなくなるので、弾性収縮体1の耐疲労性を確保できなくなる。本実施の形態によれば、この問題を上述したように解決できる。
次に図4を参照して、第2実施の形態について説明する。第1実施の形態では、管状体2の軸方向の中央部の1箇所に規制材4が配置され、節2aが1箇所に形成される弾性収縮体1について説明した。これに対し第2実施の形態では、管状体22の軸方向の2箇所に節22aが形成される弾性収縮体21について説明する。なお、第1実施の形態で説明した部分と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図4は第2実施の形態における弾性収縮体21の側面図である。
図4に示す弾性収縮体21は、管状体22の軸線に沿って埋設される補強材23の軸方向の2箇所(内圧がかかっていないときの管状体21の軸方向長さ(自然長)を3等分する位置)に規制材24が埋設される。補強材23及び規制材24は繊維により構成され、管状体2に接着され埋設される。管状体2の軸方向の2箇所に規制材24が埋設されることによって、管状体2の2箇所に節22aが形成される。
これにより、第1実施の形態で説明した弾性収縮体1と比較して、節22aと閉鎖部材5,12との間の軸方向長さ、及び、節22a間の軸方向長さを小さくできるので、管状体22の周方向の膨張量を小さくできる。第1実施の形態で説明した弾性収縮体1と比較して、管状体22を構成するゴム状弾性体の周方向の伸びを小さくできるので、弾性収縮体21の耐疲労性をさらに向上できる。
以下、実験例により本発明を具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実験例に限定されるものではない。
(実験例1)
第1実施の形態で説明した弾性収縮体1を製造して性能評価を行った(図3(a)及び図3(b)参照)。まず、管状体2を加硫成形して、軸方向の中央部の1箇所に節2aが形成されるように補強材3及び規制材4を管状体2に埋設した。補強材3及び規制材4は金属繊維により構成し、管状体2の内径φoは20mmとした。なお、補強材3を構成する金属繊維は管状体2の軸線Oに沿って配置され、規制材4を構成する金属繊維は、補強材3の周りに円環状に配置される。即ち、補強材3は規制材4に対して管状体2の軸線O側に位置する。
第1実施の形態で説明した弾性収縮体1を製造して性能評価を行った(図3(a)及び図3(b)参照)。まず、管状体2を加硫成形して、軸方向の中央部の1箇所に節2aが形成されるように補強材3及び規制材4を管状体2に埋設した。補強材3及び規制材4は金属繊維により構成し、管状体2の内径φoは20mmとした。なお、補強材3を構成する金属繊維は管状体2の軸線Oに沿って配置され、規制材4を構成する金属繊維は、補強材3の周りに円環状に配置される。即ち、補強材3は規制材4に対して管状体2の軸線O側に位置する。
得られた管状体2の両端に閉鎖部材5,12を固着し、管状体2の両端を閉鎖して実験例1における弾性収縮体を得た。実験例1における弾性収縮体は、閉鎖部材5,12が固着された管状体2の端部と規制材4との間の軸方向長さ(自然長)Loを内径φoで除した比率Lo/φoが1.00に設定されている。
(実験例2)
比率Lo/φoを1.25(内径φo=20mm)に設定した以外は実験例1と同様にして、実験例2における弾性収縮体を得た。
比率Lo/φoを1.25(内径φo=20mm)に設定した以外は実験例1と同様にして、実験例2における弾性収縮体を得た。
(実験例3)
比率Lo/φoを1.75(内径φo=20mm)に設定した以外は実験例1と同様にして、実験例3における弾性収縮体を得た。
比率Lo/φoを1.75(内径φo=20mm)に設定した以外は実験例1と同様にして、実験例3における弾性収縮体を得た。
(実験例4)
比率Lo/φoを2.00(内径φo=20mm)に設定した以外は実験例1と同様にして、実験例4における弾性収縮体を得た。
比率Lo/φoを2.00(内径φo=20mm)に設定した以外は実験例1と同様にして、実験例4における弾性収縮体を得た。
(実験例5)
比率Lo/φoを2.25(内径φo=20mm)に設定した以外は実験例1と同様にして、実験例5における弾性収縮体を得た。
比率Lo/φoを2.25(内径φo=20mm)に設定した以外は実験例1と同様にして、実験例5における弾性収縮体を得た。
(比較例)
管状体に規制材を埋設することを省略して、管状体に節が形成されないようにした以外は実験例1と同様にして、比較例における弾性収縮体(内径φo=20mm)を得た。なお、管状体の軸方向長さLo(閉鎖部材5,12間の軸方向長さ(自然長))は60mmである。
管状体に規制材を埋設することを省略して、管状体に節が形成されないようにした以外は実験例1と同様にして、比較例における弾性収縮体(内径φo=20mm)を得た。なお、管状体の軸方向長さLo(閉鎖部材5,12間の軸方向長さ(自然長))は60mmである。
(弾性収縮体の動作試験)
弾性収縮体に圧縮空気を注入して管状体の内圧を大きくすると、径方向に管状体が膨張することで軸方向に収縮するので、軸方向の推力が発生する。弾性収縮体の推力は、受圧面積の関係により管状体が収縮すればするほど大きくなるが、推力が大きくなると、逆に管状体(ゴム状弾性体および補強材)が元に戻ろうとする復元力も大きくなる。その結果、推力と復元力とが釣り合う位置で管状体の収縮が停止する。この操作を行うと管状体に径方向のクリープ変形が生じるので、この操作を3回繰返し、3回目の操作のときの弾性収縮体の収縮率を最大収縮率とした。収縮が停止したときの管状体の端部と節(規制材)との間の軸方向長さをLとすると、最大収縮率(%)は(Lo−L)/Lo×100で表すことができる。このようにして、実験例1〜5及び比較例の弾性収縮体の最大収縮率を測定した。
弾性収縮体に圧縮空気を注入して管状体の内圧を大きくすると、径方向に管状体が膨張することで軸方向に収縮するので、軸方向の推力が発生する。弾性収縮体の推力は、受圧面積の関係により管状体が収縮すればするほど大きくなるが、推力が大きくなると、逆に管状体(ゴム状弾性体および補強材)が元に戻ろうとする復元力も大きくなる。その結果、推力と復元力とが釣り合う位置で管状体の収縮が停止する。この操作を行うと管状体に径方向のクリープ変形が生じるので、この操作を3回繰返し、3回目の操作のときの弾性収縮体の収縮率を最大収縮率とした。収縮が停止したときの管状体の端部と節(規制材)との間の軸方向長さをLとすると、最大収縮率(%)は(Lo−L)/Lo×100で表すことができる。このようにして、実験例1〜5及び比較例の弾性収縮体の最大収縮率を測定した。
最大収縮率が大きくなるにつれ、推力と復元力とが釣り合って収縮が停止したとき(収縮が最大となるとき)の管状体(ゴム状弾性体)の周方向の伸びは大きくなるので、耐疲労性は低下する。そこで、まず、弾性収縮体の収縮が最大となるときの実験例2における弾性収縮体の管状体の周方向の最大伸びと、実験例1,3〜5及び比較例における弾性収縮体の管状体の周方向の最大伸びとの比率を算出した。次に、その結果を基に、実験例2における弾性収縮体の耐疲労性を100としたときの実験例1,3〜5及び比較例における弾性収縮体の耐疲労性を算出した。
表1に、実験例1〜5及び比較例における弾性収縮体の比率Lo/φo、最大収縮率(%)及び耐疲労性、収縮性能および耐疲労性の評価、並びに総合評価を記載した。表1に記載した収縮性能の評価基準は、25%以上:○、20%以上25%未満:△、20%未満:×である。耐疲労性の評価基準は、50以上:○、20以上50未満:△、20未満:×である。総合評価の欄には、収縮性能および耐疲労性の評価のうち低い方の評価を記載した。
特に、比率Lo/φoを1.75〜2.00に設定することにより(実験例3及び4)、最大収縮率を25%以上にすることができるので、ストロークの大きな弾性収縮体を得ることができることが確認された。なお、この関係は、内径φoが20mm以外(例えば10mm及び40mm)の管状体を用いた弾性収縮体においても成立することが確認された。
(耐久性試験)
次に、実験例2及び3における弾性収縮体、並びに比較例における弾性収縮体について室温下で耐久性試験を実施した。耐久性試験は、各弾性収縮体の最大収縮率となるまで各弾性収縮体に圧縮空気を注入して加圧した後、加圧された各弾性収縮体内を大気開放し、その後、再び加圧することを繰り返す試験である。この耐久性試験において、比較例における弾性収縮体は、加圧−大気開放の繰り返し数が1万回で破壊された。
次に、実験例2及び3における弾性収縮体、並びに比較例における弾性収縮体について室温下で耐久性試験を実施した。耐久性試験は、各弾性収縮体の最大収縮率となるまで各弾性収縮体に圧縮空気を注入して加圧した後、加圧された各弾性収縮体内を大気開放し、その後、再び加圧することを繰り返す試験である。この耐久性試験において、比較例における弾性収縮体は、加圧−大気開放の繰り返し数が1万回で破壊された。
これに対し、実験例2及び3における弾性収縮体は、加圧−大気開放の繰り返し数が10万回を超えても破壊されなかった。この試験から、実験例における弾性収縮体によれば、管状体に節を形成することにより管状体を構成するゴム状弾性体の周方向の伸びを小さくできるので、弾性収縮体の耐疲労性を向上できることが明らかとなった。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、上記実施の形態で挙げた数値や形状(例えば各構成の数量や寸法、形状等)は一例であり、他の数値や形状を採用することは当然可能である。また、補強材3,23や規制材4,24を構成する繊維の量を増減することは当然可能である。
上記各実施の形態では、管状体2,22が加硫成形され、金属繊維により構成される補強材3,23及び規制材4,24が管状体2,22に加硫接着される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。加硫成形を要しないシリコーンゴム等のゴム状弾性体から管状体2,22を構成することは当然可能である。また、補強材3,23及び規制材4,24は金属繊維に限られるものではなく、ガラス繊維や炭素繊維、合成樹脂製繊維等の各種繊維を採用することは当然可能である。
上記各実施の形態では、補強材3,23及び規制材4,24が同一種類の繊維により構成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、補強材3,23及び規制材4,24を異種の繊維により構成することは当然可能である。
上記各実施の形態では、弾性収縮体1,12は流体圧供給装置11から圧縮空気が供給される場合について説明した。しかし、空気等の圧縮性流体が供給される弾性収縮体1,21に限定するものではなく、弾性収縮体1,21に水や油等の非圧縮性流体が供給されるようにすることは当然可能である。
上記第1実施の形態では管状体2に節2aが1箇所に形成され、上記第2実施の形態では管状体22に節22aが2箇所に形成される場合について説明した。しかし、節の数はこれらに限定されるものではなく、規制材4,24が埋設される箇所を増やすことによって、管状体に3つ以上の節が形成されるようにすることは当然可能である。
上記各実施の形態では、管状体2,22を等分する位置に規制材4,24が埋設される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、管状体2,22の軸方向の任意の位置に規制材4,24を埋設することは当然可能である。なお、管状体2,22を等分する位置ではないところに規制材4,24が埋設される場合には、距離Loは、無負荷のときの軸方向における規制材24間の距離(節22a間の距離)、及び、管状体2,22の端部(閉鎖部材5,12)とその端部に最も近接する規制材4,24との距離のうち最も大きい距離とされる。管状体2,22は、閉塞部材5,12及び規制材4,24によって径方向の膨張が規制されるので、閉塞部材5,12及び規制材4,24の間の軸方向長さ(距離)の大きい部分(管状体)の膨張量が大きくなる。その軸方向長さの大きい部分が、耐疲労性や収縮率に大きな影響を与えるからである。
上記実施の形態では説明を省略したが、規制材4,24に、複数本を撚って作成した繊維を採用することにより、撚りが戻る範囲内(例えば5%程度)で管状体2,22の周方向に規制材4,24を伸縮可能にできる。即ち、規制材4,24は、管状体2,22の周方向に伸縮不能なものに限定されず、管状体2,22の周方向に伸縮可能なものも含まれる。
上記実施の形態では説明を省略したが、複数の弾性収縮体1,21を用いて、弾性収縮体1,21の両端に設けられた閉鎖部材5,12同士を軸方向に連結することは当然可能である。閉鎖部材5,12同士を軸方向に連結する場合には、軸方向に貫通する貫通孔を閉鎖部材5,12に形成し、その貫通孔を介して、複数の弾性収縮体1,21を連通させるようにすることは当然可能である。
1,21 弾性収縮体
2,22 管状体
3,23 補強材
4,24 規制材
5,12 閉鎖部材
O 軸線
2,22 管状体
3,23 補強材
4,24 規制材
5,12 閉鎖部材
O 軸線
Claims (4)
- ゴム状弾性体から構成される管状体と、複数の繊維により構成されると共に前記管状体の軸線に沿って埋設される補強材と、前記管状体の両端をそれぞれ閉鎖する閉鎖部材とを有し、前記閉鎖部材および前記管状体により形成される空間に供給される流体の圧力によって前記管状体を径方向に膨張させて軸方向に収縮させる弾性収縮体において、
繊維により構成されると共に前記管状体の軸方向の1箇所以上において前記管状体の周方向に亘って円環状に埋設され、前記管状体の径方向の膨張を規制する規制材を備え、
前記補強材および前記規制材を構成する繊維は、前記管状体に接着されていることを特徴とする弾性収縮体。 - 前記規制材は、前記補強材を構成する繊維と同一種類の繊維により構成されることを特徴とする請求項1記載の弾性収縮体。
- 前記補強材は、前記規制材に対して前記管状体の軸線側に埋設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の弾性収縮体。
- 無負荷のときの軸方向における前記規制材間の距離および前記管状体の端部とその端部に最も近接する前記規制材との距離のうち最も大きい距離Loを、無負荷のときの前記管状体の内径φoで除した比率Lo/φoは、1.2〜2.3であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の弾性収縮体。
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