JP2018165514A - 歯付ベルト - Google Patents

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洋介 鍵
Yosuke KAGI
洋介 鍵
圭一郎 松尾
Keiichiro Matsuo
圭一郎 松尾
草野 隆行
Takayuki Kusano
隆行 草野
宣考 目木
Noritaka Meki
宣考 目木
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Abstract

【課題】高い耐油性及び耐寒性を有する小型の歯付ベルトを提供する。【解決手段】内周側に複数の歯部10Aがベルト周方向に0.50mm以上5.0mm以下のピッチPで配設されたベルト周長が400mm以下のエンドレスの歯付ベルトBは、平帯状の背ゴム部111とその内周側に配設されて各々が背ゴム部111に一体に設けられて歯部10Aを構成する複数の歯ゴム部112とを有し、水素化ニトリルゴムをゴム成分の主体とするゴム組成物で形成されたベルト本体11と、背ゴム部111の内周側の部分111aにベルト幅方向にピッチを有する螺旋を形成するように配されて埋設された心線12とを備える。背ゴム部111における心線12よりも外周側の部分111bの厚さtが、心線12のベルト厚さ方向の外径φT以下である。【選択図】図1B

Description

本発明は歯付ベルトに関する。
同期動力伝達手段として歯付ベルトを用いることが知られている。例えば、特許文献1には、ベルト本体が水素化ニトリルゴムで形成され、且つ歯部側表面を被覆する補強布の厚さが0.57mm以上0.75mm以下であると共に、その補強布の厚さに対する心線の外径の比が1.8未満である自動車エンジン用の歯付ベルトが開示されている。
特許第4852142号公報
自動車の電動パワーステアリング装置、リアステアリング装置、パーキングブレーキシステム、或いは、冷凍庫用の一般産業機器等において、比較的小型の歯付ベルトが用いられている。そして、かかる小型の歯付ベルトでは、潤滑油の存在下で使用されることから高い耐油性が求められると共に、−20℃以下の極低温環境下で使用されることから高い耐寒性が求められる。
本発明の課題は、高い耐油性及び耐寒性を有する小型の歯付ベルトを提供することである。
本発明は、内周側に複数の歯部がベルト周方向に0.50mm以上5.0mm以下のピッチで配設されたベルト周長が400mm以下のエンドレスの歯付ベルトであって、平帯状の背ゴム部と、前記背ゴム部の内周側に配設されて各々が前記背ゴム部に一体に設けられて前記歯部を構成する複数の歯ゴム部とを有し、水素化ニトリルゴムをゴム成分の主体とするゴム組成物で形成されたベルト本体と、前記背ゴム部の内周側の部分にベルト幅方向にピッチを有する螺旋を形成するように配されて埋設された心線とを備え、前記背ゴム部における前記心線よりも外周側の部分の厚さが、前記心線のベルト厚さ方向の外径以下である。
本発明によれば、ベルト本体が耐油性の高い水素化ニトリルゴムをゴム成分の主体とするゴム組成物で形成されていると共に、背ゴム部における心線よりも外周側の部分の厚さが、心線のベルト厚さ方向の外径以下であることにより、歯部のピッチが0.50mm以上5.0mm以下のベルト周長が400mm以下である小型の歯付ベルトにおいて、高い耐油性及び耐寒性を得ることができる。
実施形態の歯付ベルトの一片の斜視図である。 図1Aにおける矢視Xの正面図である。 図1Aにおける矢視Yの正面図である。 図1BにおけるID-ID断面図(歯部2個分)である。 ベルト成形型の一部分の断面図である。 実施形態の歯付ベルトの製造方法の第1の説明図である。 実施形態の歯付ベルトの製造方法の第2の説明図である。 実施形態の歯付ベルトの製造方法の第3の説明図である。 往復走行屈曲試験用ベルト走行試験機のプーリレイアウトを示す図である。
以下、実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。
図1A〜Dは、実施形態に係る歯付ベルトBを示す。実施形態に係る歯付ベルトBは、例えば自動車の電動パワーステアリング装置に組み付けられるエンドレスの噛み合い伝動ベルトである。
実施形態に係る歯付ベルトBは、内周側に周方向に所定ピッチで間隔をおいて複数の歯部10Aが配設されている。歯部10Aは、ベルト幅方向に対して傾斜する方向に延びるように形成された突条で構成されたいわゆるハス歯である。歯部10Aは、断面形状が半円形のいわゆる丸歯である。なお、歯部10Aは、ベルト幅方向に延びるように形成された突条で構成されていてもよく、また、断面形状が台形の台形歯等のその他の形状のものであってもよい。
実施形態に係る歯付ベルトBは、ベルト周長(ベルトピッチラインLにおけるベルト長さ)が400mm以下で且つ歯部10AのピッチPが0.50mm以上5.0mm以下の比較的小型のものである。
実施形態に係る歯付ベルトBのベルト周長は、好ましくは100mm以上400mm以下、より好ましくは150mm以上380mm以下である。ベルト外周長は、好ましくは100mm以上400mm以下、より好ましくは150mm以上380mm以下である。ベルト幅は、例えば4mm以上30mm以下である。ベルト最大厚さは例えば1.1mm以上3.0mm以下である。歯部10AのピッチPは、好ましくは0.50mm以上3.0mm以下である。歯部10Aの高さは、ベルト周方向に相互に隣接する一対の歯部10A間の歯底部10Bから歯部10Aの先端までの寸法で規定され、例えば0.50mm以上2.0mm以下である。歯部10Aの幅は、ベルト周方向の歯部10Aを挟んだ相互に隣接する一対の歯底部10Bの端間の寸法で規定され、例えば0.8mm以上3.3mm以下である。歯部10Aのベルト幅方向に対する傾斜角度は例えば0°より大きく15°以下である。
実施形態に係る歯付ベルトBは、ベルト本体11、心線12、及び歯部補強布13を備えている。
ベルト本体11は、平帯状の背ゴム部111と、背ゴム部111の内周側に配設された複数の歯ゴム部112とを有する。背ゴム部111の厚さは、好ましくは0.30mm以上1.6mm以下、より好ましくは0.50mm以上0.95mm以下である。複数の歯ゴム部112は、各々が背ゴム部111に一体に設けられて歯部10Aを構成している。歯ゴム部112の高さは、後述するように背ゴム部111に埋設された心線12の最内周部から歯ゴム部112の先端までの寸法で規定され、例えば0.50mm以上2.0mm以下である。
ベルト本体11は、ゴム成分に各種のゴム配合剤が配合された未架橋ゴム組成物が加熱及び加圧されてゴム成分が架橋剤により架橋したゴム組成物で形成されている。
ベルト本体11を形成するゴム組成物のゴム成分は、水素化ニトリルゴム(以下「H−NBR」という。)を主体とする。ゴム成分のH−NBRは、メタクリル酸亜鉛等の不飽和金属塩を微分散させて補強したH−NBRを含んでいてもよい。ゴム成分におけるH−NBRの含有量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、最も好ましくは100質量%である。なお、H−NBR以外のゴム成分としては、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンジエンターポリマー(EPDM)などのエチレン−α−オレフィンエラストマー等が挙げられる。
H−NBRの結合アクリロニトリル量は、好ましくは15質量%以上25質量%以下、より好ましくは17質量%以上20質量%以下である。H−NBRのヨウ素価は、好ましくは5mg/100mg以上25mg/100mg以下、より好ましくは12mg/100mg以上20mg/100mg以下である。H−NBRの100℃におけるムーニー粘度は、好ましくは50ML1+4(100℃)以上80ML1+4(100℃)以下、より好ましくは60ML1+4(100℃)以上70ML1+4(100℃)以下である。
ゴム配合剤としては、加硫促進助剤、老化防止剤、補強材、可塑剤、共架橋剤、架橋剤等が挙げられる。
加硫促進助剤としては、例えば、酸化亜鉛(亜鉛華)や酸化マグネシウムなどの金属酸化物、金属炭酸塩、脂肪酸及びその誘導体等が挙げられる。加硫促進助剤は、これらのうちの1種又は2種以上を用いることが好ましく、酸化亜鉛を用いることがより好ましい。加硫促進助剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して例えば3質量部以上15質量部以下である。
老化防止剤としては、例えば、ベンズイミダゾール系、芳香族第二級アミン系、アミン−ケトン系のもの等が挙げられる。老化防止剤は、これらのうちの1種又は2種以上を用いることが好ましく、ベンズイミダゾール系及び芳香族第二級アミン系のものを併用することがより好ましい。老化防止剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して例えば1.5質量部以上3.5質量部以下である。
補強材としては、カーボンブラック、シリカ等が挙げられる。カーボンブラックとしては、例えば、チャネルブラック;SAF、ISAF、N−339、HAF、N−351、MAF、FEF、SRF、GPF、ECF、N−234などのファーネスブラック;FT、MTなどのサーマルブラック;アセチレンブラック等が挙げられる。カーボンブラックは、これらのうちの1種又は2種以上を用いることが好ましく、HAFを用いることがより好ましい。補強材は、カーボンブラック及びシリカを併用することが好ましい。補強材としてカーボンブラックを用いる場合、その含有量は、ゴム成分100質量部に対して例えば10質量部以上30質量部以下である。補強材としてシリカを用いる場合、その含有量は、ゴム成分100質量部に対して例えば10質量部以上30質量部以下である。
可塑剤としては、例えば、ポリエーテルエステル、ジオクチルセバケート(DOS)などのジアルキルセバケート、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)などのジアルキルフタレート、ジオクチルアジペート(DOA)などのジアルキルアジペート等が挙げられる。可塑剤は、これらのうちの1種又は2種以上を用いることが好ましく、ポリエーテルエステルを用いることがより好ましい。可塑剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して例えば5質量部以上15質量部以下である。
共架橋剤としては、例えば、トリメチロールプロパントリメタクリレート、m−フェニレンジマレイミド、亜鉛ジメタクリレート、トリアリルイソシアヌレート等が挙げられる。共架橋剤は、これらのうちの1種又は2種以上を用いることが好ましく、トリメチロールプロパントリメタクリレート及びm−フェニレンジマレイミドを併用することがより好ましい。共架橋剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して例えば3質量部以上8質量部以下である。
架橋剤としては、硫黄及び有機過酸化物が挙げられる。架橋剤は、硫黄のみを用いてもよく、また、有機過酸化物のみを用いてもよく、更には、それらを併用してもよい。これらのうち硫黄及び有機過酸化物の併用が好ましく、その場合、架橋剤の配合量は、例えば、ゴム成分100質量部に対して、硫黄が0.1質量部以上0.7質量部以下であり、有機過酸化物が1質量部以上5質量部以下である。
心線12は、ベルト本体11の背ゴム部111の内周側の部分111aにベルト幅方向にピッチを有する螺旋を形成するように配されて埋設されている。心線12のベルト厚さ方向の外径φは、ベルト幅方向の外径φと同一であってもよく、また、ベルト幅方向の外径φよりも小さくてもよい。心線12のベルト厚さ方向及びベルト幅方向の外径φ,φは、好ましくは0.15mm以上0.80mm以下、より好ましくは0.25mm以上0.50mm以下である。
心線12は、ガラス繊維、アラミド繊維、カーボン繊維、金属繊維等で形成された撚り糸で構成されている。心線12は、S撚り糸及びZ撚り糸が二重螺旋を形成するように設けられていることが好ましいが、単一のS撚り糸又はZ撚り糸で構成されていてもよい。心線12には、ベルト本体11との接着のため、いわゆるRFL水溶液に浸漬した後に加熱するRFL処理及びゴム糊に浸漬した後に乾燥させるゴム糊処理のうちの少なくとも一方の接着処理が施されていることが好ましい。心線12には、接着処理の前に、エポキシ溶液又はイソシアネート溶液に浸漬した後に加熱する下地処理が施されていてもよい。
歯部補強布13は、ベルト本体11の複数の歯ゴム部112が設けられた内周側の表面を被覆するように貼設されている。従って、歯ゴム部112が歯部補強布13で被覆されて各歯部10Aが構成されている。歯底部10Bでは、ベルト本体11の背ゴム部111の内周側の部分111aに埋設された心線12が歯部補強布13のすぐ内側に配置されている。歯部補強布13の厚さは例えば0.050mm以上0.30mm以下である。
歯部補強布13は、例えば、ナイロン繊維(ポリアミド繊維)、ポリエステル繊維、アラミド繊維、綿等の糸で形成された織布、編物、不織布等で構成されている。歯部補強布13は、これらのうちのナイロン繊維の織布で構成されていることが好ましい。歯部補強布13は、例えば、緯糸にウーリー加工等が施された織布のように伸縮性を有することが好ましい。歯部補強布13には、ベルト本体11との接着のため、いわゆるRFL水溶液に浸漬した後に加熱するRFL処理、低粘度のゴム糊に浸漬した後に乾燥させるソーキング処理、及び高粘度のゴム糊をベルト本体11側の表面に塗布して乾燥させるコーティング処理のうちの1種又は2種以上の接着処理が施されていることが好ましい。歯部補強布13には、接着処理の前に、エポキシ溶液又はイソシアネート溶液に浸漬した後に加熱する下地処理が施されていてもよい。
この実施形態に係る歯付ベルトBでは、ベルト本体11の背ゴム部111における心線12よりも外周側の部分111bの厚さtが、心線12のベルト厚さ方向の外径φ以下である、つまり、心線12のベルト厚さ方向の外径φと同一、又は、それよりも小さい。このような実施形態に係る歯付ベルトBによれば、ベルト本体11が耐油性の高いH−NBRをゴム成分の主体とするゴム組成物で形成されていると共に、背ゴム部111における心線12よりも外周側の部分111bの厚さtが、心線12のベルト厚さ方向の外径φ以下であることにより、歯部10Aのピッチが0.50mm以上5.0mm以下のベルト周長が400mm以下である小型の歯付ベルトBにおいて、高い耐油性及び耐寒性を得ることができる。
ベルト本体11の背ゴム部111における心線12よりも外周側の部分111bの厚さtは、高い耐油性及び耐寒性を得る観点から、好ましくは0.050mm以上0.80mm以下、より好ましくは0.25mm以上0.50mm以下である。外周側の部分111bの厚さtと心線12のベルト厚さ方向の外径φとの差は、同様の観点から、好ましくは0.75mm以下、より好ましくは0.45mm以下である。外周側の部分111bの厚さtの心線12のベルト厚さ方向の外径φに対する比は、同様の観点から、好ましくは0.060以上1.0以下、より好ましくは0.1以上1.0以下である。
また、ベルト外周長とベルト周長との差は、高い耐油性及び耐寒性を得る観点から、好ましくは0.47mm以上7.5mm以下、より好ましくは0.47mm以上4.7mm以下である。ベルト外周長のベルト周長に対する比は、同様の観点から、ベルト直径をDとして、好ましくは(1+0.15/D)以上(1+2.4/D)以下、より好ましくは(1+0.15/D)以上(1+1.5/D)以下である。ここで、「ベルト直径」とは、ベルト周長を円周の長さとする円の直径である。
次に、実施形態に係る歯付ベルトBの製造方法について図2及び図3A〜Dに基づいて説明する。実施形態1に係る歯付ベルトBの製造方法は、材料準備工程、成形工程、架橋工程、及び仕上げ工程を有する。
<材料準備工程>
所定のゴム成分を素練りし、そこに各種のゴム配合剤を投入して混練することにより相対的にゴム硬さの高い未架橋ゴム組成物を得る。そして、得られた未架橋ゴム組成物をカレンダー成形等することにより未架橋ゴム組成物シート11’を作製する。
心線12及び歯部補強布13のそれぞれに接触処理を施す。また、歯部補強布13を筒状に成形する。
<成形工程>
図2はベルト成形型20を示す。
このベルト成形型20は、円筒状であって、各々、軸方向に対して傾斜する方向に延びるように形成された複数の歯部形成溝21が周方向に間隔をおいて配設された外周面を有する。
図3Aに示すように、ベルト成形型20の外周面上に筒状の歯部補強布13を被せ、その上から心線12を螺旋状に巻き付ける。
そして、その上に未架橋ゴム組成物シート11’を巻き付け、ベルト成形型20上に未架橋スラブS’を成形する。なお、未架橋ゴム組成物シート11’は、列理方向がベルト長さ方向に対応するように使用することが好ましい。
<架橋工程>
図3Bに示すように、ベルト成形型20上の未架橋スラブS’にゴムスリーブ22を被せ、それを加硫缶内に配置して密閉すると共に、加硫缶内に高温及び高圧の蒸気を充填して所定の成型時間だけ保持する。こうして未架橋スラブS’をベルト成形型20側に押圧すると共に加熱することにより、未架橋ゴム組成物シート11’を心線12間に通して歯部補強布13を押圧させながらベルト成形型20の複数の歯部形成溝21のそれぞれに流入させると共に架橋させる。それと同時に、心線12及び歯部補強布13を複合一体化させ、最終的に、図3Cに示すように、円筒状のベルトスラブSを成型する。
<仕上げ工程>
加硫缶の内部を減圧して密閉を解き、ベルト成形型20とゴムスリーブ22との間に成型されたベルトスラブSを取り出して脱型し、所定幅に輪切りすることにより実施形態に係る歯付ベルトBを得る。
(歯付ベルト)
以下の実施例及び比較例1〜3の歯付ベルトを作製した。それらの構成は表1にも示す。
<実施例1>
密閉式のバンバリーミキサーのチャンバーにゴム成分としてのH−NBR(Zetpol4310 日本ゼオン社製、結合アクリロニトリル量:18.6質量%、ヨウ素価:15mg/100mg、ムーニー粘度:62ML1+4(100℃))を投入して素練りし、次いで、このゴム成分100質量部に対して、加硫促進助剤の酸化亜鉛(酸化亜鉛2種 堺化学工業社製)5質量部、ベンズイミダゾール系老化防止剤(ノクラックMB 大内新興化学社製)2.0質量部、芳香族第二級アミン系老化防止剤(ノクラックCD 大内新興化学社製)0.5質量部、補強材のHAFカーボンブラック(シースト3 東海カーボン社製)20.0質量部、補強材のシリカ(ウルトラジルVN3 エボニックジャパン社製)20.0質量部、ポリエーテルエステル系可塑剤(アデカサイザーRS−700 ADEKA社製)8.0質量部、共架橋剤のトリメチロールプロパントリメタクリレート(ハイクロスM )、共架橋剤のm−フェニレンジマレイミド(バルノックPM 大内新興化学社製)2.0質量部、架橋剤の硫黄(オイルサルファー 日本乾溜工業社製)0.3質量部、及び架橋剤の有機過酸化物(ペロキシモンF40 日本油脂社製)6.0質量部(有効成分:2.4質量部)を投入配合して混練して未架橋ゴム組成物を得て、これをカレンダー成形によってベルト本体形成用の未架橋ゴム組成物シートを調製した。
200本のEガラス繊維フィラメント束を3束集めてRFL水溶液に浸漬した後に加熱するRFL処理を施してZ方向に撚糸し、それを塩素系ゴム糊に浸漬した後に乾燥させるゴム糊処理を施して心線を調製した。また、ナイロン6,6繊維の織布をRFL水溶液に浸漬した後に加熱するRFL処理、低粘度の塩素系ゴム糊に浸漬した後に乾燥させるソーキング処理、及び高粘度のH−NBR系ゴム糊をベルト本体側の表面に塗布して乾燥させるコーティング処理を施して歯部補強布を調製した。
これらのベルト本体形成用の未架橋ゴム組成物シート、心線、及び歯部補強布を用いて上記実施形態と同様の構成の歯部がハス歯の歯付ベルトを作製し、それを実施例とした。
実施例1の歯付ベルトは、ベルト周長が266mm、ベルト外周長が269mm、ベルト幅が10mm、ベルト最大厚さが1.5mmであった。歯部のピッチPは2.0mm、歯部の高さは0.74mm、歯部の幅は1.3mm、歯部のベルト幅方向に対する傾斜角度は9°であった。
背ゴム部の厚さは0.66mm、歯ゴム部の高さは0.84mm、心線のベルト厚さ方向の外径φは0.33mm、歯部補強布の厚さは0.10mmであった。ベルト本体の背ゴム部における心線よりも外周側の部分の厚さtは0.33mm、外周側の部分の厚さtと心線のベルト厚さ方向の外径φとの差は0mm、外周側の部分の厚さtの心線のベルト厚さ方向の外径φに対する比は1.0であった。ベルト外周長とベルト周長との差は3mm、ベルト外周長のベルト周長に対する比は1.01であった。
<比較例1>
ベルト最大厚さを1.8mmとして背ゴム部における心線よりも外周側の部分の厚さtを0.63mmとしたことを除いて実施例と同様の構成の歯付ベルトを作製し、それを比較例1とした。
比較例1では、背ゴム部の厚さは0.96mmであった。外周側の部分の厚さtと心線のベルト厚さ方向の外径φとの差は0.30mm、外周側の部分の厚さtの心線のベルト厚さ方向の外径φに対する比は1.9であった。ベルト外周長とベルト周長との差は5mm、ベルト外周長のベルト周長に対する比は1.02であった。
<比較例2>
ベルト最大厚さを2.1mmとして背ゴム部における心線よりも外周側の部分の厚さtを0.93mmとしたことを除いて実施例と同様の構成の歯付ベルトを作製し、それを比較例2とした。
比較例2では、背ゴム部の厚さは1.26mmであった。外周側の部分の厚さtと心線のベルト厚さ方向の外径φとの差は0.60mm、外周側の部分の厚さtの心線のベルト厚さ方向の外径φに対する比は2.8であった。ベルト外周長とベルト周長との差は7mm、ベルト外周長のベルト周長に対する比は1.03であった。
<比較例3>
ベルト最大厚さを2.4mmとして背ゴム部における心線よりも外周側の部分の厚さtを1.23mmとしたことを除いて実施例と同様の構成の歯付ベルトを作製し、それを比較例3とした。
比較例3では、背ゴム部の厚さは1.56mmであった。外周側の部分の厚さtと心線のベルト厚さ方向の外径φとの差は0.90mm、外周側の部分の厚さtの心線のベルト厚さ方向の外径φに対する比は3.7であった。ベルト外周長とベルト周長との差は9mm、ベルト外周長のベルト周長に対する比は1.03であった。
Figure 2018165514
(試験方法)
図4は、往復走行屈曲試験用ベルト走行試験機30のプーリレイアウトを示す。
この往復走行屈曲試験用ベルト走行試験機30は、外周に30個のハス歯溝が設けられたプーリ径が19.1mmの駆動プーリ31とその側方に設けられた外周に112個のハス歯溝が設けられたプーリ径が71.3mmの従動プーリ32とを備える。従動プーリ32は横方向に可動に設けられている。
実施例及び比較例1〜3のそれぞれの歯付ベルトBについて、往復走行屈曲試験用ベルト走行試験機30の駆動プーリ31及び従動プーリ32に巻き掛け、従動プーリ32を横方向に移動させて70Nのベルト張力が負荷されるようにセットウエイトSWを固定した。−30℃の温度雰囲気下において、駆動プーリ31を揺動駆動して歯付ベルトBを10万回往復走行屈曲させた。そして、歯付ベルトBのベルト背面の形態を目視で確認し、クラックの認められないものをA評価、クラックの認められるものをB評価とした。
(試験結果)
試験結果を表1に示す。これによれば、背ゴム部における心線よりも外周側の部分の厚さtが心線のベルト厚さ方向の外径φよりも小さい実施例では、ベルト背面のクラックが認められなかったのに対し、背ゴム部における心線よりも外周側の部分の厚さtが心線のベルト厚さ方向の外径φよりも大きい比較例1〜3では、ベルト背面のクラックが認められた。このことから、実施例は、比較例1〜3に比べて耐寒性が優れることが分かる。
本発明は歯付ベルトの技術分野について有用である。
B 歯付ベルト
S’ 未架橋スラブ
S ベルトスラブ
10A 歯部
10B 歯底部
11 ベルト本体
11’ 未架橋ゴム組成物シート
111 背ゴム部
111a 内周側の部分
111b 外周側の部分
112 歯ゴム部
12 心線
13 歯部補強布
20 ベルト成形型
21 歯部形成溝
22 ゴムスリーブ

Claims (5)

  1. 内周側に複数の歯部がベルト周方向に0.50mm以上5.0mm以下のピッチで配設されたベルト周長が400mm以下のエンドレスの歯付ベルトであって、
    平帯状の背ゴム部と、前記背ゴム部の内周側に配設されて各々が前記背ゴム部に一体に設けられて前記歯部を構成する複数の歯ゴム部とを有し、水素化ニトリルゴムをゴム成分の主体とするゴム組成物で形成されたベルト本体と、
    前記背ゴム部の内周側の部分にベルト幅方向にピッチを有する螺旋を形成するように配されて埋設された心線と、
    を備え、
    前記背ゴム部における前記心線よりも外周側の部分の厚さが、前記心線のベルト厚さ方向の外径以下である歯付ベルト。
  2. 請求項1に記載された歯付ベルトにおいて、
    前記背ゴム部における前記心線よりも外周側の部分の厚さが0.050mm以上0.80mm以下である歯付ベルト。
  3. 請求項1又は2に記載された歯付ベルトにおいて、
    前記心線のベルト厚さ方向の外径が0.15mm以上0.80mm以下である歯付ベルト。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載された歯付ベルトにおいて、
    前記背ゴム部における前記心線よりも外周側の部分の厚さの前記心線のベルト厚さ方向の外径に対する比が0.060以上1.0以下である歯付ベルト。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載された歯付ベルトにおいて、
    ベルト外周長のベルト周長に対する比が、ベルト直径をDとして、(1+0.15/D)以上(1+2.4/D)以下である歯付ベルト。
JP2017062279A 2017-03-28 2017-03-28 歯付ベルト Pending JP2018165514A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022230762A1 (ja) 2021-04-27 2022-11-03 三ツ星ベルト株式会社 歯付ベルト及びベルト伝動機構

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