WO2024009664A1 - 歯付ベルト - Google Patents

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Abstract

歯付ベルト(B)は、ベルト本体(11)がゴム組成物で形成されている。そのゴム組成物は、結合アクリロニトリル量が15質量%以上30質量%以下の水素化ニトリルゴムを含有するとともに、試験温度25℃での硬さがA70以上A80以下であり、且つ140℃の温度雰囲気に144時間暴露して熱老化させた後の下記式(I)で定義される耐寒指標が0.25以下である。 耐寒指標=試験温度-40℃での5%モジュラス/試験温度25℃での硬さ (I)

Description

歯付ベルト
 本発明は、歯付ベルトに関する。
 ベルト本体が水素化ニトリルゴムのゴム組成物で形成された歯付ベルトが知られている(例えば特許文献1)。
特許第5465346号公報
 本発明は、ベルト本体がゴム組成物で形成された歯付ベルトであって、前記ゴム組成物は、結合アクリロニトリル量が15質量%以上30質量%以下の水素化ニトリルゴムを含有するとともに、試験温度25℃での硬さがA70以上A80以下であり、且つ140℃の温度雰囲気に144時間暴露して熱老化させた後の下記式(I)で定義される耐寒指標が0.25以下である。
 耐寒指標=試験温度-40℃での5%モジュラス/試験温度25℃での硬さ (I)
実施形態に係る歯付ベルトの一片の斜視図である。 図1Aにおける矢視Xの正面図である。 図1Aにおける矢視Yの正面図である。 図1BにおけるID-ID断面図(歯部2個分)である。 ベルト成形型の一部分の断面図である。 実施形態に係る歯付ベルトの製造方法の第1の説明図である。 実施形態に係る歯付ベルトの製造方法の第2の説明図である。 実施形態に係る歯付ベルトの製造方法の第3の説明図である。 静的スキップトルク測定装置のプーリレイアウトを示す図である。 耐寒ベルト走行試験用のベルト走行試験機のプーリレイアウトを示す図である。
 以下、実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。
 図1A乃至Dは、実施形態に係る歯付ベルトBを示す。実施形態に係る歯付ベルトBは、例えば自動車の電動パワーステアリング装置に組み付けられるエンドレスの噛み合い伝動ベルトである。
 実施形態に係る歯付ベルトBは、内周側にベルト周方向に所定ピッチで間隔をおいて複数の歯部10Aが配設されている。歯部10Aは、ベルト幅方向に対して傾斜する方向に延びるように形成された突条で構成されたいわゆるハス歯である。歯部10Aは、断面形状が半円形のいわゆる丸歯である。なお、歯部10Aは、ベルト幅方向に延びるように形成された突条で構成されていてもよく、また、断面形状が台形の台形歯等のその他の形状のものであってもよい。
 実施形態に係る歯付ベルトBのベルト周長(ベルトピッチラインLにおけるベルト長さ)は、例えば100mm以上400mm以下である。ベルト幅は、例えば4mm以上40mm以下である。ベルト最大厚さは、例えば1.1mm以上3.0mm以下である。
 歯部10AのピッチPは、例えば0.50mm以上3.0mm以下である。歯部10Aの高さは、ベルト周方向に相互に隣接する一対の歯部10A間の歯底部10Bから歯部10Aの先端までの寸法で規定され、例えば0.50mm以上2.0mm以下である。歯部10Aの幅は、ベルト周方向の歯部10Aを挟んだ相互に隣接する一対の歯底部10Bの端間の寸法で規定され、例えば0.8mm以上3.3mm以下である。歯部10Aのベルト幅方向に対する傾斜角度は例えば0°より大きく15°以下である。
 実施形態に係る歯付ベルトBは、ベルト本体11、心線12、及び補強布13を備える。
 ベルト本体11は、平帯状の背ゴム部111と、背ゴム部111の内周側にベルト周方向に所定ピッチで間隔をおいて配設された複数の歯ゴム部112とを有する。背ゴム部111の厚さは、例えば0.30mm以上1.6mm以下である。複数の歯ゴム部112は、各々が背ゴム部111に一体に設けられている。歯ゴム部112の高さは、背ゴム部111に埋設された心線12の最内周部から歯ゴム部112の先端までの寸法で規定され、例えば0.50mm以上2.0mm以下である。
 ベルト本体11は、ゴム成分に各種のゴム配合剤が配合された未架橋ゴム組成物が加熱及び加圧されてゴム成分が架橋剤により架橋したゴム組成物Xで形成されている。
 ゴム組成物Xは、ゴム成分として、結合アクリロニトリル量が15質量%以上30質量%以下の水素化ニトリルゴム(以下「特定H-NBR」という。)を含有する。特定H-NBRの結合アクリロニトリル量は、優れた耐熱性及び耐寒性を得る観点から、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下である。特定H-NBRのヨウ素価は、同様の観点から、好ましくは8mg/100mg以上20mg/100mg以下、より好ましくは12mg/100mg以上18mg/100mg以下である。
 ゴム成分における特定H-NBRの含有量は、優れた耐熱性及び耐寒性を得る観点から、好ましくは50質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは100質量%である。ゴム成分は、特定H-NBR以外の水素化ニトリルゴムを含んでいてもよい。ゴム成分は、水素化ニトリルゴム以外のクロロプレンゴムやエチレンプロピレンジエンターポリマー(EPDM)などのエチレン-α-オレフィンエラストマー等を含んでいてもよい。
 ゴム組成物Xは、優れた機械的強度や耐熱性及び耐寒性を得る観点から、ゴム配合剤として、カーボンブラックを含有することが好ましい。
 カーボンブラックとしては、例えば、チャネルブラック;SAF、ISAF、N-339、HAF、N-351、MAF、FEF、SRF、GPF、ECF、N-234などのファーネスブラック;FT、MTなどのサーマルブラック;アセチレンブラック等が挙げられる。カーボンブラックは、これらのうちの1種又は2種以上を含むことが好ましく、優れた機械的強度や耐熱性及び耐寒性を得る観点から、平均粒子径が30nm以下のカーボンブラックを含むことがより好ましく、HAFを含むことが更に好ましい。
 架橋前の未架橋ゴム組成物におけるカーボンブラックの配合量は、優れた機械的強度や耐熱性及び耐寒性を得る観点から、特定H-NBR100質量部に対して、好ましくは40質量部以上80質量部以下、より好ましくは55質量部以上65質量部以下である。
 ゴム組成物Xは、優れた耐熱性及び耐寒性を得る観点から、ゴム配合剤として、可塑剤を含有することが好ましい。
 可塑剤としては、例えば、トリメリット酸イソノニルエステル、ポリエーテルエステル、ジオクチルセバケート(DOS)などのジアルキルセバケート、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)などのジアルキルフタレート、ジオクチルアジペート(DOA)などのジアルキルアジペート等が挙げられる。可塑剤は、これらのうちの1種又は2種以上を含むことが好ましく、優れた耐熱性及び耐寒性を得る観点から、トリメリット酸イソノニルエステル及び/又はポリエーテルエステルを含むことがより好ましく、トリメリット酸イソノニルエステルを含むことが更に好ましい。
 架橋前の未架橋ゴム組成物における可塑剤の配合量は、優れた耐熱性及び耐寒性を得る観点から、特定H-NBR100質量部に対して、好ましくは15質量部以上40質量部以下、より好ましくは20質量部以上30質量部以下である。
 ゴム組成物Xの特定H-NBRは、優れた耐熱性及び耐寒性を得る観点から、架橋剤として有機過酸化物が用いられて架橋していることが好ましい。
 有機過酸化物としては、例えば、α,α’-ジ(t-ブチルペロキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、1,3-ビス(t-ブチルペロキシイソプロピル)ベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペロキシ)ヘキサン等が挙げられる。有機過酸化物は、これらのうちの1種又は2種以上を含むことが好ましく、優れた耐熱性及び耐寒性を得る観点から、α,α’-ジ(t-ブチルペロキシ)ジイソプロピルベンゼンを含むことがより好ましい。
 架橋前の未架橋ゴム組成物における架橋剤の有機過酸化物の配合量は、優れた耐熱性及び耐寒性を得る観点から、特定H-NBR100質量部に対して、好ましくは1.6質量部以上3.2質量部以下、より好ましくは2質量部以上2.8質量部以下である。
 ゴム組成物Xの特定H-NBRは、優れた耐熱性及び耐寒性を得る観点から、架橋剤として有機過酸化物に加えて硫黄が用いられて架橋していることが好ましい。この場合、架橋前の未架橋ゴム組成物における架橋剤の硫黄の配合量は、同様の観点から、特定H-NBR100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上0.5質量部以下である。硫黄の配合量は、同様の観点から、有機過酸化物の配合量よりも少ないことが好ましい。
 なお、ゴム組成物Xの特定H-NBRは、架橋剤として硫黄のみが用いられて架橋していてもよい。
 ゴム組成物Xの特定H-NBRは、架橋剤として有機過酸化物が用いられている場合、優れた耐熱性及び耐寒性を得る観点から、共架橋剤によっても架橋していることが好ましい。
 共架橋剤としては、例えば、トリメチロールプロパントリメタクリレート、m-フェニレンマレイミド、トリアリルイソシアヌレート、エチレングリコールジメタクリレート、液状ポリブタジェエン等が挙げられる。共架橋剤は、これらのうちの1種又は2種以上を含むことが好ましく、優れた耐熱性及び耐寒性を得る観点から、トリメチロールプロパントリメタクリレートを含むことがより好ましく、トリメチロールプロパントリメタクリレートに加えてm-フェニレンマレイミドを含むことが更に好ましい。
 架橋前の未架橋ゴム組成物における共架橋剤の配合量は、優れた耐熱性及び耐寒性を得る観点から、特定H-NBR100質量部に対して、好ましくは10質量部以下である。共架橋剤がトリメチロールプロパントリメタクリレートを含む場合、架橋前の未架橋ゴム組成物におけるトリメチロールプロパントリメタクリレートの配合量は、同様の観点から、特定H-NBR100質量部に対して、好ましくは2質量部以上4質量部以下である。共架橋剤がトリメチロールプロパントリメタクリレート及びm-フェニレンマレイミドを含む場合、架橋前の未架橋ゴム組成物におけるm-フェニレンマレイミドの配合量は、同様の観点から、特定H-NBR100質量部に対して、好ましくは1質量部以上6質量部以下である。トリメチロールプロパントリメタクリレートの配合量は、同様の観点から、m-フェニレンマレイミドの配合量よりも少ないことが好ましい。
 ゴム組成物Xは、ゴム配合剤として、その他に酸化亜鉛(亜鉛華)などの加硫促進助剤、老化防止剤、シリカなどの無機充填材等を含有していてもよい。
 ゴム組成物Xは、試験温度25℃での硬さがA70以上A80以下である。ゴム組成物Xの硬さは、優れた耐熱性及び耐寒性を得る観点から、好ましくはA71以上A78以下である。ここで、このゴム組成物Xの硬さは、JIS K6253-3:2012に基づいて、試験温度25℃において、タイプAデュロメータで測定されるものである。
 ゴム組成物Xは、140℃の温度雰囲気に144時間暴露して熱老化させた後の耐寒指標が0.25以下である。ゴム組成物Xの耐寒指標は、優れた耐熱性及び耐寒性を得る観点から、好ましくは0.2以下、より好ましくは0.15以下である。
 ここで、ゴム組成物Xの熱老化は、JIS K6257:2017のA法に基づいて行われる。
 ゴム組成物Xの耐寒指標は、下記式(I)で定義される。
 耐寒指標=試験温度-40℃での5%モジュラス/試験温度25℃での硬さ (I)
 ゴム組成物Xの5%モジュラスは、JIS K6251:2010に基づいて行われる試験温度40℃での引張試験の試験結果から求められる5%伸び時の引張応力である。ゴム組成物Xの硬さは、JIS K6253-3:2012に基づいて、試験温度25℃において、タイプAデュロメータで測定されるものである。
 心線12は、ベルト本体11の背ゴム部111の内周側部分にベルト幅方向にピッチを有する螺旋を形成するように配されて埋設されている。心線12の外径は、例えば0.15mm以上0.80mm以下である。
 心線12は、ガラス繊維、アラミド繊維、カーボン繊維、金属繊維等の撚り糸で構成されている。心線12は、S撚り糸及びZ撚り糸が二重螺旋を形成するように設けられていることが好ましいが、単一のS撚り糸又はZ撚り糸で構成されていてもよい。心線12には、ベルト本体11との接着のため、いわゆるRFL水溶液に浸漬した後に加熱するRFL処理及びゴム糊に浸漬した後に乾燥させるゴム糊処理のうちの少なくとも一方の接着処理が施されていることが好ましい。心線12には、接着処理の前に、エポキシ溶液又はイソシアネート溶液に浸漬した後に加熱する下地処理が施されていてもよい。
 補強布13は、ベルト本体11の複数の歯ゴム部112が設けられた内周側の表面を被覆するように貼設されている。したがって、歯ゴム部112が補強布13で被覆されて各歯部10Aが構成されている。歯底部10Bでは、ベルト本体11の背ゴム部111の内周側部分に埋設された心線12が補強布13のすぐ内側に配置されている。補強布13の厚さは例えば0.050mm以上0.30mm以下である。
 補強布13は、例えば、ナイロン繊維(ポリアミド繊維)、ポリエステル繊維、アラミド繊維、綿等の糸で形成された織布、編物、不織布等で構成されている。補強布13は、これらのうちのナイロン繊維の織布で構成されていることが好ましい。補強布13は、例えば、緯糸にウーリー加工等が施された織布のように伸縮性を有することが好ましい。補強布13には、ベルト本体11との接着のため、いわゆるRFL水溶液に浸漬した後に加熱するRFL処理、低粘度のゴム糊に浸漬した後に乾燥させるソーキング処理、及び高粘度のゴム糊をベルト本体11側の表面に塗布して乾燥させるコーティング処理のうちの1種又は2種以上の接着処理が施されていることが好ましい。補強布13には、接着処理の前に、エポキシ溶液又はイソシアネート溶液に浸漬した後に加熱する下地処理が施されていてもよい。
 以上の構成の実施形態に係る歯付ベルトBによれば、ベルト本体11を形成するゴム組成物Xが、結合アクリロニトリル量が15質量%以上30質量%以下の特定H-NBRを含有するとともに、試験温度25℃での硬さがA70以上A80以下であり、且つ140℃の温度雰囲気に144時間暴露して熱老化させた後の耐寒指標が0.25以下であることにより、優れたプーリとの噛合性及び耐寒性を得ることができる。
 次に、実施形態に係る歯付ベルトBの製造方法について図2及び図3A乃至Cに基づいて説明する。実施形態に係る歯付ベルトBの製造方法は、材料準備工程、成形工程、架橋工程、及び仕上げ工程を有する。
 <材料準備工程>
 特定H-NBRを含むゴム成分を素練りし、そこに各種のゴム配合剤を投入して混練することにより未架橋ゴム組成物を作製する。この未架橋ゴム組成物をカレンダー成形により未架橋ゴム組成物シート11’に加工する。心線12に接触処理を施す。補強布13に接触処理を施した後に筒状に形成する。
 <成形工程>
 図2は、ベルト成形型20を示す。このベルト成形型20は、円筒状であって、その外周面には、各々、軸方向に対して傾斜する方向に延びるように形成された複数の歯部形成溝21が周方向に間隔をおいて配設されている。
 図3Aに示すように、ベルト成形型20の外周面上に筒状の補強布13を被せる。その上から心線12を螺旋状に巻き付ける。さらにその上に未架橋ゴム組成物シート11’を巻き付ける。これにより、ベルト成形型20上に未架橋スラブS’を成形する。
 <架橋工程>
 図3Bに示すように、ベルト成形型20上の未架橋スラブS’にゴムスリーブ22を被せる。それを加硫缶内に配置して密閉する。加硫缶内に高温及び高圧の蒸気を充填し、その状態を所定時間保持する。このとき、未架橋スラブS’がベルト成形型20側に押圧されるとともに加熱される。未架橋ゴム組成物シート11’は、心線12間を通って補強布13を押圧しながらベルト成形型20の複数の歯部形成溝21のそれぞれに流入するとともに架橋する。それと同時に、心線12及び補強布13が複合一体化する。最終的に、図3Cに示すように、ベルト成形型20上に円筒状のベルトスラブSが成型される。
 <仕上げ工程>
 加硫缶の内部を減圧して密閉を解く。ベルト成形型20とゴムスリーブ22との間に成型されたベルトスラブSを取り出して脱型する。ベルトスラブSを所定幅に輪切りすることにより実施形態に係る歯付ベルトBを得る。
 (歯付ベルト)
 以下の実施例1乃至6及び比較例1乃至3の歯付ベルトを作製した。それぞれの構成については表1にも示す。
 <実施例1>
 密閉式のバンバリーミキサーのチャンバーに、ゴム成分の結合アクリロニトリル量が18.6質量%のH-NBR(Zetpol4310 日本ゼオン社製、ヨウ素価:15mg/100mg)を投入して素練りし、次いで、このH-NBR100質量部に対して、加硫促進助剤の酸化亜鉛(酸化亜鉛2種 堺化学工業社製)5質量部、ベンズイミダゾール系老化防止剤(ノクラックMB 大内新興化学社製)2質量部、芳香族第二級アミン系老化防止剤(ノクラックCD 大内新興化学社製)0.5質量部、カーボンブラックのHAF(シースト3 東海カーボン社製、平均粒子径:28μm)51.9質量部、可塑剤のトリメリット酸イソノニルエステル(アデカサイザーC-9N ADEKA社製)17.5質量部、共架橋剤のトリメチロールプロパントリメタクリレート(ハイクロスM 精工化学社製)3質量部、共架橋剤のm-フェニレンジマレイミド(バルノックPM 大内新興化学社製)2質量部、架橋剤の有機過酸化物(ペロキシモンF40 日本油脂社製 純度:40質量%)6.0質量部(有効成分:2.4質量部)、及び架橋剤の硫黄(オイルサルファー 日本乾溜工業社製)0.3質量部を投入配合して混練することにより未架橋ゴム組成物を得た。
 この未架橋ゴム組成物を架橋させたゴム組成物によりベルト本体を形成した上記実施形態と同様の構成の歯付ベルトを作製し、それを実施例1とした。なお、心線には、接着処理を施したガラス繊維の撚り糸を用いた。補強布には、接着処理を施したナイロン6,6繊維の織布を用いた。実施例1の歯付ベルトは、ベルト周長が330mm、ベルト幅が25mm、及び歯部のピッチが2mmである。
 <実施例2>
 未架橋ゴム組成物におけるカーボンブラックのHAF及び可塑剤のトリメリット酸イソノニルエステルの配合量を、H-NBR100質量部に対して、それぞれ63.1質量部及び15.3質量部としたことを除いて実施例1と同一構成の歯付ベルトを作製し、それを実施例2とした。
 <実施例3>
 未架橋ゴム組成物におけるカーボンブラックのHAF及び可塑剤のトリメリット酸イソノニルエステルの配合量を、H-NBR100質量部に対して、それぞれ70質量部及び21質量部としたことを除いて実施例1と同一構成の歯付ベルトを作製し、それを実施例3とした。
 <実施例4>
 未架橋ゴム組成物における可塑剤のトリメリット酸イソノニルエステルの配合量を、H-NBR100質量部に対して26.7質量部としたことを除いて実施例2と同一構成の歯付ベルトを作製し、それを実施例4とした。
 <実施例5>
 未架橋ゴム組成物におけるカーボンブラックのHAFの配合量を、H-NBR100質量部に対して60質量部としたことを除いて実施例3と同一構成の歯付ベルトを作製し、それを実施例5とした。
 <実施例6>
 未架橋ゴム組成物に、可塑剤のトリメリット酸イソノニルエステルに代えて、ポリエーテルエステル系可塑剤1(アデカサイザーRS-700 ADEKA社製)を、H-NBR100質量部に対して36質量部配合するとともに、無機充填材のシリカ(ウルトラジルVN3 エボニックジャパン社製)を、H-NBR100質量部に対して20質量部配合し、且つ未架橋ゴム組成物における共架橋剤のm-フェニレンジマレイミドの配合量を、H-NBR100質量部に対して6質量部としたことを除いて実施例5と同一構成の歯付ベルトを作製し、それを実施例6とした。
 <比較例1>
 未架橋ゴム組成物におけるカーボンブラックのHAF、ポリエーテルエステル系可塑剤、及び共架橋剤のm-フェニレンジマレイミドの配合量を、H-NBR100質量部に対して、それぞれ20質量部、8質量部、及び2質量部としたことを除いて実施例6と同一構成の歯付ベルトを作製し、それを比較例1とした。
 <比較例2>
 未架橋ゴム組成物におけるカーボンブラックのHAFの配合量を、H-NBR100質量部に対して30質量部とするとともに、未架橋ゴム組成物に、ポリエーテルエステル系可塑剤1に代えて、ポリエーテルエステル系可塑剤2(アデカサイザーRS-966 ADEKA社製)を、H-NBR100質量部に対して15質量部配合したことを除いて比較例1と同一構成の歯付ベルトを作製し、それを比較例2とした。
 <比較例3>
 未架橋ゴム組成物における可塑剤のトリメリット酸イソノニルエステルの配合量を、H-NBR100質量部に対して24.5質量部としたことを除いて実施例1と同一構成の歯付ベルトを作製し、それを比較例3とした。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 (試験評価方法及び結果)
 実施例1乃至6及び比較例1乃至3のそれぞれについて、以下の試験評価を行った。その結果を表2に示す。
 <硬さ>
 実施例1乃至6及び比較例1乃至3のそれぞれの歯付ベルトのベルト本体を形成するゴム組成物について、JIS K6253-3:2012に基づいて、試験温度25℃において、タイプAデュロメータで硬さを測定した。
 各ゴム組成物について、JIS K6257:2017のA法に基づいて、140℃の温度雰囲気に144時間暴露して熱老化させた後、同様に、試験温度25℃において、タイプAデュロメータで硬さを測定した。
 <5%モジュラス>
 実施例1乃至6及び比較例1乃至3のそれぞれの歯付ベルトのベルト本体を形成するゴム組成物について、JIS K6251:2010に基づいて、試験温度-40℃において引張試験を行い、その試験結果における5%伸び時の引張応力を5%モジュラスとした。
 <耐寒指標>
 実施例1乃至6及び比較例1乃至3のそれぞれの歯付ベルトのベルト本体を形成するゴム組成物について、下記式(I)で定義される耐寒指標を算出した。
 耐寒指標=試験温度-40℃での5%モジュラス/試験温度25℃での硬さ (I)
 <静的スキップトルク>
 図4は、歯付ベルトのプーリとの噛合性を試験評価するための静的スキップトルク測定装置30のプーリレイアウトを示す。この静的スキップトルク測定装置30は、横方向に間隔をおいて設けられた歯数が40歯の駆動プーリ31及び歯数が110歯の従動プーリ32を有する。従動プーリ32は、横方向に可動に設けられている。
 実施例1乃至6及び比較例1乃至3のそれぞれの歯付ベルトBについて、静的スキップトルク測定装置30の駆動プーリ31及び従動プーリ32に巻き掛けた。歯付ベルトBに100Nのベルト張力が負荷される位置まで従動プーリ32を横方向に移動させて固定した。そして、従動プーリ32をロックして回転不能とする一方、駆動プーリ31にトルクを入力して上昇させ、従動プーリ32上での歯部のスキップ、つまり、歯飛びが生じたときのトルクを静的スキップトルクとした。静的スキップトルクが13.0N・m以上をA評価及び13.0N・m未満をB評価とした。
 <耐寒ベルト走行試験>
 図5は、耐寒ベルト走行試験用のベルト走行試験機40のプーリレイアウトを示す。このベルト走行試験機40は、横方向に間隔をおいて設けられた歯数が40歯の駆動プーリ41及び歯数が110歯の従動プーリ42を有する。従動プーリ42には、側方に軸荷重(SW)を負荷できるように構成されている。
 実施例1乃至6及び比較例1乃至3のそれぞれの歯付ベルトBについて、140℃に温度設定したオーブンに144時間保持して熱老化させた。熱老化させた歯付ベルトBを、ベルト走行試験機40の駆動プーリ41及び従動プーリ42に巻き掛けた。歯付ベルトBに100Nのベルト張力が負荷されるように従動プーリ42に軸荷重(SW)を負荷した。そして、-40℃の温度雰囲気下、無負荷で駆動プーリ41を回転数1000rpmで回転させる1分間のベルト走行と30分間の停止とを1サイクルとする操作を500サイクル行った後、歯付ベルトBの外周面におけるクラックの有無を目視確認した。そして、クラックが認められないものをA評価及びクラックが認められたものをB評価とした。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
 本発明は、歯付ベルトの技術分野について有用である。
B 歯付ベルト
S’ 未架橋スラブ
S ベルトスラブ
10A 歯部
10B 歯底部
11 ベルト本体
11’ 未架橋ゴム組成物シート
111 背ゴム部
112 歯ゴム部
12 心線
13 補強布
20 ベルト成形型
21 歯部形成溝
22 ゴムスリーブ
30 静的スキップトルク測定装置
31 駆動プーリ
32 従動プーリ
40 ベルト走行試験機
41 駆動プーリ
42 従動プーリ

Claims (15)

  1.  ベルト本体がゴム組成物で形成された歯付ベルトであって、
     前記ゴム組成物は、結合アクリロニトリル量が15質量%以上30質量%以下の水素化ニトリルゴムを含有するとともに、試験温度25℃での硬さがA70以上A80以下であり、且つ140℃の温度雰囲気に144時間暴露して熱老化させた後の下記式(I)で定義される耐寒指標が0.25以下である歯付ベルト。
     耐寒指標=試験温度-40℃での5%モジュラス/試験温度25℃での硬さ (I)
  2.  請求項1に記載された歯付ベルトにおいて、
     前記水素化ニトリルゴムのヨウ素価が8mg/100mg以上20mg/100mg以下である歯付ベルト。
  3.  請求項1又は2に記載された歯付ベルトにおいて、
     前記ゴム組成物が、平均粒子径が30nm以下のカーボンブラックを含有する歯付ベルト。
  4.  請求項3に記載された歯付ベルトにおいて、
     前記カーボンブラックがHAFを含む歯付ベルト。
  5.  請求項3又は4に記載された歯付ベルトにおいて、
     前記ゴム組成物の架橋前の未架橋ゴム組成物における前記カーボンブラックの配合量が、前記水素化ニトリルゴム100質量部に対して40質量部以上80質量部以下である歯付ベルト。
  6.  請求項1乃至5のいずれかに記載された歯付ベルトにおいて、
     前記ゴム組成物が可塑剤を含有する歯付ベルト。
  7.  請求項6に記載された歯付ベルトにおいて、
     前記可塑剤がトリメリット酸イソノニルエステル及び/又はポリエーテルエステルを含む歯付ベルト。
  8.  請求項1乃至7のいずれかに記載された歯付ベルトにおいて、
     前記ゴム組成物の前記水素化ニトリルゴムが、有機過酸化物が用いられて架橋している歯付ベルト。
  9.  請求項8に記載された歯付ベルトにおいて、
     前記有機過酸化物がα,α’-ジ(t-ブチルペロキシ)ジイソプロピルベンゼンを含む歯付ベルト。
  10.  請求項8又は9に記載された歯付ベルトにおいて、
     前記ゴム組成物の前記水素化ニトリルゴムが、前記有機過酸化物に加えて硫黄が用いられて架橋している歯付ベルト。
  11.  請求項10に記載された歯付ベルトにおいて、
     前記ゴム組成物の架橋前の未架橋ゴム組成物における前記硫黄の配合量が前記有機過酸化物の配合量よりも少ない歯付ベルト。
  12.  請求項8乃至11のいずれかに記載された歯付ベルトにおいて、
     前記ゴム組成物の前記水素化ニトリルゴムが、共架橋剤によっても架橋している歯付ベルト。
  13.  請求項12に記載された歯付ベルトにおいて、
     前記共架橋剤がトリメチロールプロパントリメタクリレートを含む歯付ベルト。
  14.  請求項13に記載された歯付ベルトにおいて、
     前記共架橋剤が前記トリメチロールプロパントリメタクリレートに加えてm-フェニレンマレイミドを含む歯付ベルト。
  15.  請求項14に記載された歯付ベルトにおいて、
     前記ゴム組成物の架橋前の未架橋ゴム組成物における前記トリメチロールプロパントリメタクリレートの配合量が前記m-フェニレンマレイミドの配合量よりも少ない歯付ベルト。
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