JP2006170357A - 動力伝達ベルト - Google Patents

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俊治 島井
Akihiro Hironaka
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Abstract

【課題】 動力伝達ベルトの耐寒性を改善させ、耐熱性及び耐久性を従来の動力伝達ベルトと同じレベルに維持する。
【解決手段】 歯付きベルト10は本体ゴム層12と帆布11とを備える。本体ゴム層12は、低温ねじり試験による測定における比モジュラスの値10に対する温度が−36℃以下である耐寒性の水素化ニトリルゴムをゴム成分とする。本体ゴム層12に、ゴム成分100重量部に対して10〜60重量部の充填剤を配合する。本体ゴム層12に過酸化物加硫剤を配合して、歯付きベルト10の加硫処理を行う。本体ゴム層12に耐寒性を有する可塑剤を配合する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば自動車内部に用いられる耐寒性、耐熱性、及び耐久性を改良した動力伝達ベルトに関する。
自動車内部に用いられる動力伝達ベルトは、高い耐熱性を有することが求められ、水素化ニトリルゴムがベルトの原料ゴムとして用いられている。一方、このような動力伝達ベルトは寒冷地等でも使用されるため、耐寒性も有することが求められる。
そこで、耐寒性が改良された水素化ニトリルゴム組成物(特許文献1、特許文献2参照)、や耐寒性、耐熱性が改良された水素化ニトリルゴム組成物(特許文献3)が提案されている。
これらのゴム組成物は耐寒性、耐熱性を備えているが、動力伝達ベルトとしてはゴムの硬さ、引張り強度、引裂き強度などが小さく、動力伝達ベルトとして求められる耐久性を満足させることが難しかった。
特開平3−109448号公報 特公平7−88440号公報 特開平3−109449号公報
したがって、本発明では高い耐寒性を有し、従来と同様の耐熱性及び耐久性を備える動力伝達ベルトの提供を目的とする。
本発明の動力伝達ベルトは、水素化ニトリルゴム100重量部に対して10〜60重量部の充填剤を配合した第1ゴム組成物を加硫させたゴム加硫物よって形成され、ゴム加硫物のゲーマンねじり試験におけるt10が−36℃以下であることを特徴としている。
また、充填剤の配合量が水素化ニトリルゴム100重量部に対して10〜45重量部であることが好ましく、20〜40重量部であることがさらに好ましい。また、充填剤がカーボンブラックであることが好ましい。又は、充填剤がシリカであることが好ましい。
また、水素化ニトリルゴムに過酸化物加硫剤を配合した第2ゴム組成物を加硫することにより形成されることが好ましく、過酸化物加硫剤の配合が水素化ニトリルゴム100重量部に対して5〜15重量部であることが好ましい。さらに、過酸化物加硫剤は有機過酸化物であることが好ましい。
また、水素化ニトリルゴムに耐寒性を有する可塑剤を配合することが好ましく、耐寒性を有する可塑剤はエーテルエステル系可塑剤であることが好ましい。
本発明によれば、従来の動力伝達ベルトと同様な耐熱性及び耐久性を備えながら耐寒性を改善させた動力伝達ベルトの提供が可能となる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態を適用した歯付きベルト10の断面図を示す。歯付きベルト10は、帆布11と本体ゴム層12によって構成される。
本体ゴム層12の一方の面には、長手方向に沿って歯部13、および歯底部14が交互に一体的に形成され、その表面は帆布11により覆われる。本体ゴム層12には、長手方向に延びる心線15が互いに離間するように埋設される。
帆布11はポリアミド繊維、アラミド繊維、PBO繊維、ガラス繊維、或いはカーボン繊維等の繊維を用いて織られた帆布本体にゴム糊、RFL液、イソシアネート溶液、或いはエポキシ溶液を含浸処理させることにより形成される。
本体ゴム層12は、耐寒性の水素化ニトリルゴムをゴム成分とし、JIS K6261における低温ねじり試験(ゲーマンねじり試験)による測定において比モジュラスの値10に対する温度(t10)が−36℃以下である。このような耐寒性の水素化ニトリルゴムはゴム成分中のアクリロニトリルを15〜25%に調整することにより得ることが出来る。
本体ゴム層12の原料ゴムには、耐寒性の水素化ニトリルゴム100重量部に対して、カーボンブラックまたはシリカである充填剤が10〜60重量部配合される。
耐寒性の水素化ニトリルゴムの硬度、引張り破断強度、引裂き強度は何れも通常の水素化ニトリルゴムより小さく、歯付きベルト10として要求される耐久性を満たすことが難しい。しかし、水素化ニトリルゴムに対するブラックカーボンやシリカ等の充填剤を10重量部以上配合することにより、配合ゴムの硬度、引張り破断強度、及び引裂き強度を向上させることが可能となり、その結果歯付きベルト10の耐久性が向上する。
しかし、充填剤の配合量を増やしていくと、配合ゴムの引裂き強度は配合量に応じて増加して極大値に達し、さらに配合量を増やしていくと引裂き強度は減少する。60重量部を超えて充填剤を配合すると、結果として歯付きベルト10は要求される耐久性を満たすことが難しい。
従って、耐寒性の水素化ニトリルゴム100重量部に対して充填剤の配合量が60重量部以下の範囲では、ブラックカーボン、或いはシリカであっても歯付きベルト10として要求される引裂き強度を満足させる。
以上のように、耐寒性の水素化ニトリルゴム100重量部に対して充填剤の配合量が10〜60重量部であって後述する過酸化物加硫剤により加硫した配合ゴムは、大きな硬度、引張り強度、及び引裂き強度を備え、そのような配合ゴムを本体ゴム層12とする歯付きベルト10は十分な耐久性を得ることが可能となる。
特に、耐寒性の水素化ニトリルゴム100重量部に対して充填剤の配合量が、10〜45重量部、さらには20〜45重量部配合した配合ゴムを本体ゴム層12とする歯付きベルト10は、さらに大きな耐久性を得ることが可能になる。
また、本体ゴム層12には過酸化物加硫剤が配合され、歯付きベルト10の製造時に加硫される。過酸化物加硫剤は、通常、ゴム或いは樹脂の架橋に用いられる有機過酸化物であって、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、ジアリルパーオキサイド、ジ‐t‐ブジ‐t‐ブチルパーオキサイド、t‐ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(t‐ブチルパーオキシ)‐ヘキサン‐3、1,1‐ビス(t‐ブチルパーオキシ‐イソプロピル)ベンゼン等であり、この中から一つの、或いは複数の過酸化物加硫剤が選択される。
上述したように、耐寒性の水素化ニトリルゴムの硬度、及び引張り強度は通常の水素化ニトリルゴムより小さく、結果として歯付きベルト10として要求される耐久性を満たすことが難しい。しかし、水素化ニトリルゴムに硫黄の代わりに過酸化物加硫剤を配合して加硫することにより配合ゴムの硬さ、引張り強度、を向上させ、歯付きベルト10全体としての耐久性を向上させることが可能になる。
また本体ゴム層12には、耐寒性を有する可塑剤が配合される。耐寒性を有する可塑剤を配合することにより、配合ゴム全体として低温においても可塑性を維持することが可能となり、耐寒性が改善される。なお、耐寒性を有する可塑剤としてトリメリット酸イソノニルエステル等の従来公知のエーテルエステル系の可塑剤が用いられる。
以上のように、本実施形態の歯付きベルト10によれば、耐寒性、耐熱性、及び耐久性の高いベルトを得ることが可能となる。例えば、自動車のエンジンカム駆動用、サンルーフ駆動用、パワーシート駆動用、又はミラー駆動用の動力伝達ベルトのように高い耐久性を求められ、広い温度領域において使用される場合であっても、従来のベルトに比べて故障を長期間防ぐことが可能である。
次に本実施形態を適用した歯付きベルト10を製造する工程を説明する。まず、図2(A)に示すように、歯付きベルト成型ドラム20に順次、歯付きベルト10の帆布11となる帆布材料16、歯付きベルト10の心線15となる心線コード17、および歯付きベルト10の本体ゴム層12となる配合ゴムシート18が巻付けられる。
その後、ベルト構成部品である、帆布材料16、心線コード17、および配合ゴムシート18を巻きつけた歯付きベルト成型ドラム20は図示されない加硫釜(図示せず)に入れられ、そこで所定の温度および所定の圧力下で加硫処理を受ける。
所定の圧力下での加硫処理により、歯付きベルト成型ドラム20の外周形状に沿って、図2(C)に示すように、円筒形の中間製品には歯部13が形成される。図2(B)に示すように、配合ゴムシート18は心線コード17と隣接する心線コード17の隙間から帆布材料16と心線コード17間に流入して、歯部13が形成される。同時に帆布材料16、心線コード17、および配合ゴムシート18の間にある隙間が加硫処理により除去される。このようにして得られる円筒形の中間製品を適当な幅に切断することにより、歯付きベルト10が得られる。
なお、本発明の一実施形態として歯付きベルトである歯付きベルトについて説明したが、これはVベルト、Vリブドベルト、または平ベルトに適用することも可能である。
以下、図3を参照して実施例を挙げて本発明を説明する。なお、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
〔ゴムの配合〕以下の表1〜表3に示すように、走行試験のための歯付きベルトの製造に使用するべき20種類の配合ゴムA〜配合ゴムTを調整する。
Figure 2006170357
Figure 2006170357
Figure 2006170357
上記表1〜3において、※1は以下の事項を示す。
※1 配合材料の種類およびゴム成分100重量部に対する配合材料の重量部(単位はphr)。
また、表中の−−−は、未配合を示す。
なお、配合ゴムの物性の測定において、配合ゴムA〜配合ゴムTをそれぞれ14.7MPaの圧力をかけて20分間プレス加硫することにより、各物性の測定のためのゴム片を調整した。なお、配合ゴムA〜配合ゴムSは160℃の温度で、配合ゴムTは150℃の温度でプレス加硫した。プレス加硫したゴム片を幅150mm、長さ120mm、厚さ2.0±0.2mmに切抜くことにより試料片を得た。
前述のようにして得られた各試料片の硬度、50%モジュラス、引張り破断強度、引張り破断伸び、引裂き強度、及びゲーマンねじり試験におけるt10を測定した。測定結果を表1〜3に示した。
なお、硬度は、ゴム硬さ試験装置(株式会社島津製作所製・商品名:DUROMETER A(JIS K6253))により測定した。試験条件はJIS(K6253)と同様とした。
配合ゴムA〜配合ゴムH、及び配合ゴムI〜配合ゴムOの硬度から、ブラックカーボン、或いはシリカである充填剤の配合量に応じて、ゴムの硬度は大きくなることがわかる。また、配合ゴムD、及び配合ゴムP〜配合ゴムTの硬度から、硫化剤として硫黄より有機過酸化物を用いる方が、ゴムの硬度は大きくなること、及び、ゴムの硬度は有機過酸化物の配合量を増加させると大きくなり、極大値に達した後に減少することがわかる。
また、50%モジュラス、引張り破断強度、引張り破断伸び、及び引裂き強度は、破断伸び測定装置(株式会社島津製作所製・商品名:島津オートグラフAG−1(5kN)、及び商品名:レーザ式非接触伸び計SLE−01)を用いて測定した。引張り試験の試験条件はJIS(K6251)、引裂き試験の試験条件はJIS(K6251)と同様とした。
配合ゴムA〜配合ゴムH、及び配合ゴムI〜配合ゴムOの50%モジュラスから、ブラックカーボン、或いはシリカである充填剤の配合量に応じて、ゴムの50%モジュラスは大きくなることがわかる。また、配合ゴムD、及び配合ゴムP〜配合ゴムTの50%モジュラスから、硫化剤として硫黄より有機過酸化物を用いる方がゴムの50%モジュラスは大きくなること、及び、ゴムの50%モジュラスは有機過酸化物の配合量に応じて大きくなることがわかる。
配合ゴムA〜配合ゴムHの引張り破断強度から、30重量部近辺まではブラックカーボンの配合量に応じてゴムの引張り破断強度は大きくなり、その後に減少することがわかる。また、配合ゴムI〜配合ゴムOの引張り破断強度から、シリカを配合する場合はゴムの引張り破断強度が全体的に大きいが、配合量に応じて小さくなることがわかる。
また、配合ゴムD、及び配合ゴムP〜配合ゴムTの引張り破断強度から、硫化剤として硫黄より有機過酸化物を用いる方がゴムの引張り破断強度は大きくなること、及び、有機過酸化物の配合量が10重量部までは配合量に応じて引張り破断強度が大きくなり、その後に減少に転じることがわかる。
配合ゴムA〜配合ゴムH、及び配合ゴムI〜配合ゴムOの引張り破断伸びから、ブラックカーボン、或いはシリカである充填剤の配合量に応じて、ゴムの引張り破断伸びは小さくなることがわかる。また、配合ゴムD、及び配合ゴムP〜配合ゴムTの引張り破断伸びから、硫化剤として硫黄より有機過酸化物を用いる方がゴムの引張り破断伸びは小さいこと、及び、引張り破断伸びは有機過酸化物の配合量に応じて小さくなることがわかる。
配合ゴムA〜配合ゴムHの引裂き強度から、30重量部近辺まではブラックカーボンの配合量に応じてゴムの引裂き強度は大きくなり、その後に減少することがわかる。また、配合ゴムI〜配合ゴムOの引裂き強度から、50重量部近辺まではシリカの配合量に応じてゴムの引裂き強度は大きくなり、その後に減少することがわかる。
また、配合ゴムD、及び配合ゴムP〜配合ゴムTの引裂き強度から、5重量部近辺までは有機過酸化物の配合量に応じて引裂き強度が大きくなり、その後に減少に転じることがわかる。また、有機過酸化物の配合量が5〜10重量部において、ゴムの引裂き強度は、硫黄により硫化したゴムの引裂き強度より大きいことがわかる。
また、ゲーマンねじり試験におけるt10は、低温ねじり装置(株式会社上島製作所製・商品名:冷凍機付自動ゲーマン捩じり試験機TM‐2530)を用いて測定した。試験条件はJIS(K6261)と同様とした。
上述の配合ゴムA〜配合ゴムTを用いて、耐久試験用の歯付きベルトを作成し、それぞれの歯付きベルトを用いて第1、第2の走行試験を行った。
〔第1の走行試験用の歯付きベルト〕歯付きベルトの製造は前述した歯付きベルト製造方法に倣った。実施例および比較例の原料に用いた配合ゴムを表4、表5に示した。なお、製造した歯付きベルトはベルトピッチが3mmで歯数を100歯に調節した。
Figure 2006170357
Figure 2006170357
上記表4、表5において、※1は以下の事項を示す。
※1 ゴム成分100重量部に対する充填剤の重量部(単位はphr)。
また、表中の−−−は、未配合を示す。
〔第1の走行試験およびその評価〕図3は走行試験の概略構成を示す図である。走行試験装置42は、歯付きプーリ43、44、及びモータ(図示せず)により構成される。歯付きプーリ43、44は1周で20歯を有し、走行試験装置42の筐体(図示せず)に回動自在に軸支される。歯付きプーリ44の回転軸はモータに接続され、モータにより回転させることが可能である。
被試験歯付きベルト32を歯付きプーリ43、44に架け渡し、歯付きプーリ44を回転速度3000rpmで回転させて走行試験を行った。被試験用歯付きベルトが歯欠けや背面にクラック等により損傷して、走行不能になるまでの走行時間を試験結果として測定した。試験結果を表4、表5に示した。
比較例歯付きベルト1に比べて、実施例歯付きベルト1〜11の走行時間は何れも長かった。従って、充填剤を10重量部以上配合することにより、耐久性の大きな歯付きベルトが得られることがわかる。特に、カーボンブラックの場合は配合量が20重量部以上、或いは45重量部以下である場合(実施例歯付きベルト2〜4)に、シリカの場合は配合量が20重量部以上、或いは50重量部以下である場合(実施例歯付きベルト7〜10)に、走行時間が長くなることがわかる。
一方、比較例歯付きベルト2〜4は、比較例歯付きベルト1に比べると走行時間は長かったが、歯付きベルトとして求められる耐久性を満たさなかった。従って、充填剤の配合量が60重量部を超えると歯付きベルトの耐久性が減少することがわかる。
歯付きベルトの耐久性は、原料である配合ゴムの硫化物の硬度、50%モジュラス、引張り破断強度、引張り破断伸び、及び引裂き強度と相関性がある。前述のようにそれぞれの物性を大きくする充填剤の配合量は異なるが、充填剤を10〜60重量部配合したゴムの物性は全体のバランスとして、歯付きベルトに優れた耐久性を与えることがわかる。
〔第2の走行試験用の歯付きベルト〕第1の走行試験用の歯付きベルトと同様にして第2の走行試験用の歯付きベルトを製造した。実施例および比較例の原料に用いた配合ゴムを表6に示した。
Figure 2006170357
上記表6において、※1は以下の事項を示す。
※1 ゴム成分100重量部に対する硫化剤の重量部(単位はphr)。
また、表中の−−−は、未配合を示す。
〔第2の走行試験およびその評価〕第1の走行試験と同じ走行試験装置を用い、同じ条件で走行試験を行った。第1の走行試験と同様に、被試験用歯付きベルトが歯欠けや背面にクラック等により損傷して、走行不能になるまでの走行時間を試験結果として測定した。試験結果を表6に示した。
比較例歯付きベルト7に比べて、実施例歯付きベルト3、12、13の走行時間は何れも長かった。従って、有機過酸化物により加硫させた歯付きベルト(実施例歯付きベルト3、12、13)の耐久性は、硫黄により加硫させた歯付きベルト(比較例歯付きベルト7)に比べて長いことがわかる。
前述のように有機過酸化物により加硫したゴム(配合ゴムD、配合ゴムQ、及び配合ゴムR)の引張り破断伸びは、硫黄により加硫したゴム(配合ゴムT)に比べて小さかった。一方、有機過酸化物により加硫したゴムの硬度、50%モジュラス、引張り破断強度、及び引裂き強度は、硫黄により加硫したゴムと比べて大きかった。これらの物性の全体のバランスとしては、有機過酸化物により加硫したゴムを原料とする歯付きベルトの耐久性が、硫黄により加硫したゴムを原料とする歯付きベルトより長いことがわかる。
また、有機過酸化物の配合量を増加させるにつれて、歯付きベルトの耐久性は長くなった後、減少に転じた。ゴム成分100重量部に対して5〜15重量部の有機過酸化物を配合して加硫させた歯付きベルト(実施例歯付きベルト3、12、13)は求められる耐久性を満たしたが、3、20重量部の有機過酸化物を配合して加硫させた歯付きベルト(比較例歯付きベルト5、6)は求められる耐久性を満たさなかった。
配合ゴムPを配合ゴムQと比べると、引張り破断伸びは大きいが、硬度、50%モジュラス、引張り破断強度、及び引裂き強度はすべて小さく、有機過酸化物の配合量が3重量部である歯付きベルト(比較例歯付きベルト5)の耐久性は、配合量が5重量部である歯付きベルト(実施例歯付きベルト12)に比べて低いことがわかる。
また、配合ゴムSを配合ゴムQと比べると、硬度、及び50%モジュラスは大きいが、引張り破断強度、引張り破断伸び、及び引裂き強度はすべて小さく、有機過酸化物の配合量が20重量部である歯付きベルト(比較例歯付きベルト6)の耐久性は、配合量が5重量部である歯付きベルト(実施例歯付きベルト12)に比べて低いことがわかる。
本発明の一実施形態を適用した歯付きベルトの断面図である。 歯付きベルトの製造における加硫工程を示す図である。 走行試験の概略構成を示す図である。
符号の説明
10 歯付きベルト
11 帆布
12 本体ゴム層
15 心線

Claims (10)

  1. 水素化ニトリルゴム100重量部に対して10〜60重量部の充填剤を配合した第1ゴム組成物を加硫させたゴム加硫物よって形成され、前記ゴム加硫物のゲーマンねじり試験におけるt10が−36℃以下であることを特徴とする動力伝達ベルト。
  2. 前記充填剤の配合量が、前記水素化ニトリルゴム100重量部に対して10〜45重量部であることを特徴とする請求項1に記載の動力伝達ベルト。
  3. 前記充填剤の配合量が、前記水素化ニトリルゴム100重量部に対して20〜45重量部であることを特徴とする請求項1に記載の動力伝達ベルト。
  4. 前記充填剤がカーボンブラックであることを特徴とする請求項1に記載の動力伝達ベルト。
  5. 前記充填剤がシリカであることを特徴とする請求項1に記載の動力伝達ベルト。
  6. 前記水素化ニトリルゴムに過酸化物加硫剤を配合した第2ゴム組成物を加硫することにより形成されることを特徴とする請求項1に記載の動力伝達ベルト。
  7. 前記過酸化物加硫剤の配合が、前記水素化ニトリルゴム100重量部に対して5〜15重量部であることを特徴とする請求項6に記載の動力伝達ベルト。
  8. 前記過酸化物加硫剤が、有機過酸化物であることを特徴とする請求項6に記載の動力伝達ベルト。
  9. 前記水素化ニトリルゴムに、耐寒性を有する可塑剤が配合されることを特徴とする請求項1に記載の動力伝達ベルト。
  10. 前記耐寒性を有する可塑剤が、エーテルエステル系可塑剤であることを特徴とする請求項9に記載の動力伝達ベルト。

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