JP2003340934A - Vリブドベルトの製造方法およびvリブドベルト - Google Patents

Vリブドベルトの製造方法およびvリブドベルト

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JP2003340934A
JP2003340934A JP2002156697A JP2002156697A JP2003340934A JP 2003340934 A JP2003340934 A JP 2003340934A JP 2002156697 A JP2002156697 A JP 2002156697A JP 2002156697 A JP2002156697 A JP 2002156697A JP 2003340934 A JP2003340934 A JP 2003340934A
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belt
ribbed belt
rubber layer
metal
reinforcing layer
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English (en)
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Muneo Tsukamoto
宗夫 塚本
Yosuke Suefuji
陽介 末藤
Mamoru Sawada
守 澤田
Takayuki Tagawa
孝之 田川
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Mitsuboshi Belting Ltd
Original Assignee
Mitsuboshi Belting Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 研削や研磨といった表面処理を施さなくと
も、高い耐摩耗性、耐寒性を有するVリブドベルトの製
造方法およびVリブドベルトを提供する。 【解決手段】 可撓性ジャケット22を装着した内型円
筒ドラム21に、ゴム付帆布15、未加硫接着ゴムシー
ト12を巻き、更にその上に抗張体ロープ13、そして
金属または/そしてセラミクス補強層16を設けた未加
硫圧縮ゴムシート20、を順次無端状に捲き付けた未加
硫ベルトスリーブ11を配置する。そして可撓性ジャケ
ット22の内部にエアーを送入し、可撓性ジャケット2
2を半径方向に均一に膨張させて、未加硫ベルトスリー
ブ11をV形溝が刻設された外型モールド26に密着せ
しめて加硫する。得られた加硫ベルトスリーブを所望の
幅にカットすることにより、圧縮ゴム表面に補強層を設
けたVリブドベルトが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はVリブドベルトの製
造方法およびVリブドベルトに係り、詳しくは研削や研
磨といった表面処理を施さなくとも、高い耐摩耗性を付
与することが可能であって、しかも優れた耐屈曲性、耐
側圧性、耐寒性を有するVリブドベルトの製造方法およ
びVリブドベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用部品に用いられるゴム製品のな
かに動力伝動用Vリブドベルトがあり、例えば自動車の
エアーコンプレッサーやオルタネータ等の補機駆動の動
力伝動に広く利用されている。この種のベルトでは、リ
ブ部に綿、ナイロン、ビニロン、レーヨン、アラミド繊
維などの短繊維群をベルト幅への配向性を保って埋設す
ることにより、ベルトの摩擦伝動部の耐側圧性を高め、
更に埋設した短繊維の一部をベルト側面より意図的に突
出させることによって、リブ部の摩擦性能および粘着に
よる発音の抑止効果を狙っている。
【0003】しかし、上記対策によりベルト幅方向のモ
ジュラスを高めると、圧縮ゴム層はベルト長手方向に対
する伸度が低下し、その結果、耐屈曲性の低下が生じて
早期に圧縮ゴム層にクラックが発生することが指摘され
ている。特に多軸レイアウトによる背面走行においてそ
の現象は顕著であった。
【0004】近年における自動車業界の動向として、こ
れら動力伝動ベルトは排気量がより大きいエンジンに適
用される傾向にある。また省エネルギー化、コンパクト
化の社会的要請を背景に、より使用条件が厳しくなって
いるのが現状であり、耐摩耗性、耐圧縮性に加えて、耐
屈曲性の要求がすすんでいる。また寒冷地での使用も想
定して耐寒性も具備する必要があり、これら近年求めら
れる要求では、耐摩耗性に優れるといわれるアラミド繊
維を配合した動力伝動ベルトでも不十分である場合があ
った。こういった問題を背景に、従来の短繊維の代替と
なる新規の補強材の開発が望まれている。また短繊維を
配合したベルトは、表面を毛羽立たせる為に研磨する工
程が必要であり、コスト低減という観点から生産工程の
簡略化が求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これら上記問題に鑑み
て鋭意研究を重ねた結果、本発明を提案するものであ
り、従来必須とされた研削や研磨といった表面処理を施
さなくとも、高い耐摩耗性を付与することが可能であっ
て、しかも優れた耐屈曲性、耐寒性を有するVリブドベ
ルトの製造方法およびVリブドベルトに関する。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本願請求項1記載
の発明は、接着ゴム層にベルト長手方向に沿って心線が
埋設され、接着ゴム層の下部に圧縮ゴム層を配置したV
リブドベルトの製造方法にあって、内周面に金属または
/そしてセラミクス補強層を設けた無端状未加硫ゴムス
リーブを、外型及びベルトのVリブ形状に対応した複数
本の溝を設けた内型とで密着加硫し、得られた無端状加
硫スリーブを所望の幅にカットすることを特徴とする。
【0007】本願請求項2記載の発明は、請求項1記載
のVリブドベルトの製造方法にあって、補強層が金属ま
たは/そしてセラミクス粉を配合したゴム組成物で構成
されていることを特徴とする。
【0008】本願請求項3記載の発明は、請求項1記載
のVリブドベルトの製造方法にあって、補強層が金属ま
たは/そしてセラミクスを溶射被覆して形成されてなる
ことを特徴とする。
【0009】本願請求項4記載の発明は、接着ゴム層に
ベルト長手方向に沿って心線が埋設され、接着ゴム層の
下部に圧縮ゴム層を配置したVリブドベルトの製造方法
にあって、外周面に金属または/そしてセラミクス補強
層を設けた無端状未加硫ゴムスリーブを、内型及びベル
トのVリブ形状に対応した複数本の溝を設けた外型とで
密着加硫し、得られた無端状加硫スリーブを所望の幅に
カットすることを特徴とする。
【0010】本願請求項5記載の発明は、請求項4記載
のVリブドベルトの製造方法にあって、内型は外周面に
可撓性ジャケットが装着されてなり、可撓性ジャケット
を介して内型に巻き付けられた無端状未加硫ゴムスリー
ブを、内型と可撓性ジャケットとの間に圧力媒体を送入
することにより可撓性ジャケットを介して膨張加熱せし
めて、外型と密着加硫させてなることを特徴とする。
【0011】本願請求項6記載の発明は、請求項4記載
のVリブドベルトの製造方法にあって、補強層が金属ま
たは/そしてセラミクス粉を配合したゴム組成物で構成
されていることを特徴とする。
【0012】本願請求項7記載の発明は、請求項4記載
のVリブドベルトの製造方法にあって、補強層が金属ま
たは/そしてセラミクスを溶射被覆して形成されてなる
ことを特徴とする。
【0013】本願請求項8記載の発明は、接着ゴム層に
ベルト長手方向に沿って心線が埋設され、接着ゴム層の
下部に圧縮ゴム層を配置したVリブドベルトにおいて、
圧縮ゴム層の表面に金属または/そしてセラミクス補強
層が設けられていることを特徴とする。
【0014】本願請求項9記載の発明は、請求項8記載
のVリブドベルトにあって、補強層が金属または/そし
てセラミクス粉を配合したゴム組成物で構成されている
ことを特徴とする。
【0015】本願請求項10記載の発明は、請求項8記
載のVリブドベルトにあって、補強層が金属または/そ
してセラミクスを溶射被覆して形成されてなることを特
徴とする。
【0016】本願請求項11記載の発明は、接着ゴム層
にベルト長手方向に沿って心線が埋設され、接着ゴム層
の下部に圧縮ゴム層を配置したVリブドベルトにおい
て、請求項1乃至3のいずれかの製造方法によって得ら
れたことを特徴とする。
【0017】本願請求項12記載の発明は、接着ゴム層
にベルト長手方向に沿って心線が埋設され、接着ゴム層
の下部に圧縮ゴム層を配置したVリブドベルトにおい
て、請求項4乃至7のいずれかの製造方法によって得ら
れたことを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明に係るVリブドベルトの製
造方法を以下に示す。はじめに、片表面に金属または/
そしてセラミクス補強層16を設けた未加硫圧縮ゴムシ
ート20を準備する。具体的には(イ)未加硫ゴムシー
ト14に金属または/そしてセラミクス粉を配合したゴ
ム組成物を積層する、(ロ)未加硫ゴムシート14表面
に金属または/そしてセラミクスを溶射被覆する、等に
より、金属または/セラミクス補強層16を設けた未加
硫圧縮ゴムシート20を得る。
【0019】(イ)補強層16を構成するゴム組成物に
配合するセラミクス粉としては、粒径が0.01μm〜
100μmの炭化珪素、炭化チタン、炭化ホウ素、炭化
タングステン等の炭化物、窒化珪素、窒化アルミニウ
ム、窒化ホウ素、窒化チタン等の窒化物、そしてアルミ
ナ、ジルコニア、ベリリア等の酸化物が挙げられる。ま
た金属粉としては、粒径が0.01μm〜100μmの
鉄粉、モリブデン粉、銅粉、亜鉛粉、ニッケル粉、アル
ミニウム粉、鋼粉などが例示できる。これらは単体に限
らず、併用することが可能である。
【0020】金属または/そしてセラミクス粉は、ゴム
100質量部に対して10〜150質量部の割合で配合
されることが好ましい。10質量部未満では、耐摩耗
性、耐粘着性などの改善効果が低く、一方、150質量
部を超えると、ムーニー粘度が高くなり加工上の問題が
生じる。金属または/そしてセラミクス粉はそのまま混
練り時に添加しても差し支えないが、より分散性、補強
性を得るベく、混練り前もしくは混練り時にシランカッ
プリング剤やチタンカップリング剤などの処理剤を使用
することも可能である。この金属または/そしてセラミ
クス粉を配合したゴム組成物はシート状に成形され、金
属または/そしてセラミクス粉が配合されていない未加
硫ゴムシート14に積層して未加硫圧縮ゴムシート20
とすることができる。
【0021】(ロ)未加硫ゴムシート14表面に金属ワ
イヤー、金属パウダー、セラミクスなどを溶射により層
成せしめることで補強層16を形成する。金属または/
そしてセラミクスとしては上述のような物質が使用可能
である。
【0022】上記未加硫圧縮ゴムシートを構成する主材
ゴムとしては、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブ
タジエンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、ク
ロロプレンゴム、エチレン−プロピレンゴムのようなエ
チレン−α−オレフィン系共重合体ゴム、ニトリルゴム
(NBR)、水素化ニトリルゴム(H−NBR)に不飽
和カルボン酸金属塩を添加したもの、アルキル化クロロ
スルフォン化ポリエチレン(ACSM)、クロロスルフ
ォン化ポリエチレンゴム(CSM)等を主成分とし、こ
れにカーボンブラックのような補強剤、充填剤、軟化
剤、老化防止剤、加硫助剤、硫黄あるいは有機過酸化物
のような加硫剤等が添加混合される。尚、ゴム配合物の
混練り方法としては、例えばバンバリーミキサー、ロー
ル、ニーダー、そして押出機等限定するものでなく、適
宜公知の手段、方法によって混練することができる。
【0023】前記方法で得られた補強層16付き未加硫
圧縮ゴムシート20を用いて伝動ベルトを製造する。そ
の工程を添付図面により順次説明する。第1図は本発明
で使用するベルト加硫機の加硫前の状態を示す横断図、
第2図は同じく加硫後の状態を示す横断図で、これら各
図において、21は基台上に載置された鉄製の内型円筒
ドラムである。この内型円筒ドラム21の中央部には後
述する圧力媒体送入、排出のための媒体流通口Aが設け
られている。そして、前記ドラム21の外周には弾性体
よりなる膨張収縮可能な円筒状可撓性ジャケット22が
装着されており、可撓性ジャケット22は夫々の上下部
において内型円筒ドラム21と固定されていて、本体部
が内型円筒ドラム21と密着された状態となっている。
【0024】又、前記内型円筒ドラム21の中央付近に
設けられた媒体流通口Aは、ジョイントJ、パイプ又は
可撓性ホースかなる媒体送入排出路Bを通じて、高圧蒸
気又は高圧空気のような媒体送入機(図示せず)と連結
されてなる。また媒体送入排出路Bは、切換えバルブに
よって真空ポンプとも連結されている。
【0025】以上が、内型円筒ドラム21の構成である
が、この外周には外型円筒モールド26が内型ドラム2
1から一定の間隔をおいて包囲するように基台に固定さ
れている。外型円筒モールド26は、その内周面に周方
向に延びる複数横条のV形溝が刻設されていると共に、
内部に加熱ヒーター、スチームバイブなどの加熱機構
(図示せず)が設置されてなる。この外型円筒モールド
26は、通常は分割不可能な円筒体であるが、軸方向に
数個(例えば2分割)に分割可能にすることもできる。
【0026】本発明で用いるベルト加硫機は以上のよう
な構成によりなるものであり、次にこのベルト加硫機を
使用して実施する未加硫ベルトスリーブの加硫方法につ
いて説明する。
【0027】先ず、前記内型ドラム21に装着された可
撓性ジャケット22の外周面に、帆布15、未加硫接着
ゴムシート12、ポリエステル、ポリアミド繊維等より
なる低伸度高強力の抗張体ロープ13、未加硫圧縮ゴム
シート20を順次無端状に捲き付けたフラット状の広幅
未加硫ベルトスリーブ11を配置する。尚、未加硫圧縮
ゴムシート20は補強層16が外周面となるよう巻き付
けられてなる。
【0028】帆布15は、織物、編物、不織布から選択
され、構成する繊維素材としては、例えば綿、麻等の天
然繊維や、金属繊維、ガラス繊維等の無機繊維、そして
ポリアミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリウレタ
ン、ポリスチレン、ポリフロルエチレン、ポリアクリ
ル、ポリビニルアルコール、全芳香族ポリエステル、ア
ラミド等の有機繊維が挙げられる。上記帆布15は、公
知技術に従ってレゾルシン−ホルマリン−ラテックス液
(RFL液)に浸漬後、未加硫ゴムを基布5に擦り込む
フリクションを行ったり、またRFL液に浸漬後にゴム
を溶剤に溶かしたソーキング液に浸漬処理する。
【0029】未加硫接着ゴムシート12は未加硫圧縮ゴ
ムシート20と同種のゴムが使用可能である。配合物と
して、必要に応じてカーボンブラック、シリカのような
増強剤、炭酸カルシウム、タルクのような充填剤、可塑
剤、安定剤、加工助剤、着色剤のような通常のゴム配合
に用いるものが使用される。
【0030】心線13としては、ポリエステル繊維、ア
ラミド繊維、ガラス繊維が使用され、中でもエチレン−
2,6−ナフタレートを主たる構成単位とするポリエス
テル繊維フィラメント群を撚り合わせた総デニール数が
4,000〜8,000の接着処理したコードが、ベル
トスリップ率を低くでき、ベルト寿命を延長させるため
に好ましい。また、心線13にはゴムとの接着性を改善
する目的で接着処理が施される。このような接着処理と
しては繊維をレゾルシン−ホルマリン−ラテックス(R
FL)液に浸漬後、加熱乾燥して表面に均一に接着層を
形成するのが一般的である。しかし、これに限ることな
くエポキシ又はイソシアネート化合物で前処理を行なっ
た後に、RFL液で処理する方法等もある。
【0031】尚、心線は、スピニングピッチ、即ち心線
の巻き付けピッチを1.0〜1.3mmにすることで、
モジュラスの高いベルトに仕上げることができる。1.
0mm未満になると、コードが隣接するコードに乗り上
げて巻き付けができず、一方1.3mmを越えると、ベ
ルトのモジュラスが徐々に低くなる。
【0032】次いでこの未加硫ベルトスリーブ11を内
型円筒ドラム21に捲き付けた状態のままで、外型モー
ルド26の内側に一定の空隙部を形成するよう基台上に
載置固定する。この場合、内型ドラム21は別の成形工
程より移動してくる関係上、媒体流通口Aと媒体送入排
出路Bとは分離しており、内型円筒ドラム21を基台に
載置後、媒体流通口AをジョイントJでパイプと連結す
る。
【0033】次いで、媒体送入機を作動して高圧空気も
しくは高圧蒸気を媒体送入排出路B、媒体流通口Aを経
て、可撓性ジャケット22の内部に送入する。可撓性ジ
ャケット22は、その上下部が内型円筒ドラム21上に
密閉固定されているため、可撓性ジャケット22の内面
と内型円筒ドラム21の外面の間にエアーが充満し、可
撓性ジャケット22は次第に膨張する。そして、その外
周面に装着されている未加硫ベルトスリーブ11を半径
方向に均一に膨張させ、加熱ヒーター若しくは高温蒸気
で加熱した外型モールド26のV形突起と接触せしめ
る。
【0034】このとき、可撓性ジャケット22の膨張押
圧力により、未加硫ベルトスリーブ11表面の未加硫圧
縮ゴムは、外型モールド26の熱で次第に流動状態を呈
しながら加硫されると共に、外型モールド26のV溝中
に食い込み、第2図のような表面に複数のV型突起を有
する加硫ベルトスリーブ11’を形成するに至る。
【0035】そして、加硫後はバルブを真空ポンプの方
へ切替えて、真空ポンプを作動させて可撓性ジャケット
22内に充満しているエアーを排気し、次いで吸引作用
で可撓性ジャケット22を第1図に示す元の位置に収縮
復帰せしめる。
【0036】次いで、内型円筒ドラム21、加硫ベルト
スリーブ11’を取り出すが、取り出された加硫ベルト
スリーブ12’は、以後別のドラムに挿入し、加硫ベル
トスリーブ11’を円周方向に所定幅に切断し、ドラム
より取出して反転することにより、周長が一定で、V形
リブが正確に型付形成された第2図のようなVリブドベ
ルト1が複数本得られる。尚、外型円筒モールド26を
前述のような分割式モールドを使用した場合、未加硫ス
リーブの挿入ならびに加硫スリーブの取り外しが容易に
でき、かつこの分割面が一種のエアー抜きの機能を果
し、V型リブをより一層正確に形成することができる。
【0037】以上は、本発明の実施の一形態であって、
これに限定されるものではない。例えば、事前に未加硫
圧縮ゴムシートに補強層を設ける必要はなく、可撓性ジ
ャケット外周面に、ゴム付き帆布、未加硫接着ゴムシー
ト、ポリエステル又はポリアミド繊維よりなる低伸度高
強力の抗張体ロープ、補強層を設けていない未加硫圧縮
ゴムシートを順次無端状に捲き付けた後、金属を溶射被
覆して未加硫圧縮ゴムシート表面に補強層を設けたり、
未加硫補強ゴムシートを無端状に捲き付けるなどして補
強層を設けた未加硫ベルトスリーブを用いて、動力伝動
ベルトを製造してもよい。またフラットな圧縮ゴムシー
トの代わりに、リブ型を予備成形した圧縮ゴムシートを
用いることも可能である。
【0038】また、本発明に係る別の製造方法を下記に
示す。前記の如き方法により得られた補強層付き未加硫
圧縮ゴムシートを、補強層が内周面となるように、表面
にリブ溝を設けた円筒状の成形ドラムの周面に巻き付け
た後、接着ゴムを巻き付けて、次にロープからなる心線
を螺旋状にスピニングし、更に基布を順次捲き付けて未
加硫ベルトスリーブを得た後、これを外型と密着加硫さ
せてリブ付きの加硫ベルトスリーブを得る。得られた加
硫ベルトスリーブを駆動ロールと従動ロールから取り外
し、該加硫スリーブを他の駆動ロールと従動ロールに掛
架して走行させ、カッターによって所定に幅に切断して
個々のVリブドベルトに仕上げることができる。
【0039】上述の如き製造方法により、切断後に表面
を研磨させるなどの複雑な工程を必要とせず、圧縮ゴム
層表面に補強性を付与して耐側圧性を向上させ得るとと
もに、プーリと接する面となる圧縮ゴム層の摩擦係数を
低下させて、ベルト走行時の騒音を軽減することができ
る。またベルト補強効果に優れると共に耐摩耗効果があ
る。
【0040】このようにして得られたVリブドベルト1
は、接着ゴム層2内にベルト長手方向に沿って心線3が
埋設され、接着ゴム層2の下部に、ベルト長手方向に複
数のリブを設けた圧縮ゴム層4を有している。圧縮ゴム
層の表面には補強層16が設けられ、また接着ゴム層2
の上部には、伸張層として基布5が積層した構造を有す
る。
【0041】尚、Vリブドベルトの製造方法としては、
リブ溝を設けていない金型を用いてフラットな加硫スリ
ーブを形成した後、V溝を切削してリブ部を形成すると
いった手法も存在するが、補強層を設けたフラットな加
硫スリーブにV溝を切削した場合、リブ側面に補強層で
覆われていない圧縮ゴムが露出するため、得られたベル
トは耐摩耗性、補強効果に乏しいといった問題がある。
また、加硫後に補強層を圧縮ゴム表面に設けた場合、加
硫前に該層を設けた場合と比べて、ベルト表面が摩耗し
易いといった欠点がある。
【0042】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
する。 実施例1 可撓性ジャケットを装着した円筒状モールドに、経糸と
緯糸とが綿糸からなる平織物にゴムをフリクションした
ゴム付帆布を1プライ巻き付けた後、接着ゴムシートを
巻き、更にその上にポリエステルからなるコードをスピ
ニングする。そして、圧縮ゴムシートとして、表面にニ
ッケル粉を配合したゴム組成物を積層したクロロプレン
ゴムシートを、該層が外周面となるよう巻き付けて、未
加硫ゴムスリーブを成形した。これを複数横条のV形溝
が刻設された外型を用いて、160°C、30分で密着
加硫して円筒状の加硫ベルトスリーブを得た。この加硫
ベルトスリーブを所望の幅にカットして、Vリブドベル
トを作製した。
【0043】実施例2 圧縮ゴムシートとして、表面にニッケルを溶射被覆した
クロロプレンゴムシートを用いた以外は実施例1と同様
にしてVリブドベルトを作製した。
【0044】比較例1 圧縮ゴムシートとして、ゴムシート全体に短繊維を配合
したクロロプレンゴムシートを用いた以外は実施例1と
同様にしてVリブドベルトを作製した。
【0045】比較例2 圧縮ゴムシートとして、表面に短繊維を配合したゴム組
成物を積層したクロロプレンゴムシートを、該層が外周
面となるよう巻き付けて、未加硫ゴムスリーブを成形し
た。これを複数横条のV形溝が刻設された外型を用い
て、160°C、30分で密着加硫して円筒状の加硫ベ
ルトスリーブを得た。この加硫ベルトスリーブを所望の
幅にカット、研磨して、Vリブドベルトを作製した。
【0046】比較例3 圧縮ゴムシートとして、クロロプレンゴムシートを巻き
付けて、未加硫ゴムスリーブを成形した。これを複数横
条のV形溝が刻設された外型を用いて、160°C、3
0分で密着加硫して円筒状の加硫ベルトスリーブを得
た。この加硫ベルトスリーブ外表面にニッケルを溶射被
覆した後、所望の幅にカットして、Vリブドベルトを作
製した。
【0047】作製したVリブドベルトは、心線が接着ゴ
ム層内に埋設され、その上側にゴム付綿帆布を1プライ
積層し、他方接着ゴム層の下側にはゴム圧縮部があって
複数個のリブがベルト長手方向に設けられている。この
VリブドベルトはRMA規格による長さ1100mmの
KD型3PK1100であった。
【0048】1.摩擦係数測定 Vリブドベルトの片一端を固定した状態でプーリ(直径
60mm)に巻き付け角度が90℃になるよう捲きかけ
た後、前記ベルトのもう片一端に1.75kgfの荷重
を与える。そして、プーリを43rpmで回転させなが
らベルト張力を測定し、次式により摩擦係数を算出し
た。結果を表1に記す。 摩擦係数=2×ln(T/17.2)/π (T:ベル
ト張力)
【0049】2.6%強制スリップ耐摩耗試験 Vリブドベルトを室温下で駆動プーリ(直径80mm)
従動プーリ(直径80mm)これにアイドラープーリ
(直径120mm)からなる3軸のプーリに懸架し、従
動プーリにトルク0.7kg・m、雰囲気温度23℃、
駆動プーリの回転数3,000rpm、6%のスリップ
率で24時間走行させた後におけるベルト表面の粘着摩
耗量を測定した。結果を表1に併記する。摩耗率(%)
は走行前後のベルト重量差を走行前のベルト重量で除し
た値である。
【0050】3.−30℃耐寒走行試験 Vリブドベルトを、駆動プーリ(直径60mm)、従動
プーリ(直径60mm)からなる2軸試験機に懸架し、
−30℃で24時間放置後、初荷重294N、駆動プー
リの回転数1,800rpmの条件の下、5分走行、2
5分停止を繰り返し、ベルト寿命を測定した。結果を表
1に併記する。
【0051】
【表1】
【0052】結果、実施例では研磨や研削等を行なわな
くとも耐寒性、耐摩耗性に優れるものの、短繊維を配合
した比較例1,2では耐寒性が低いことが判明した。な
かでも、圧縮ゴム層全体に短繊維を配合した比較例1で
は、耐摩耗性については優れた性質を有するものの、耐
寒性に非常に劣ることが知見できた。一方、表面層のみ
短繊維を配合し、研磨や研削を行なわなかった比較例2
では、摩耗率が格段に高いといった不具合もあった。ま
た、加硫後に金属を溶射被覆した比較例3では、比較例
1,2よりは耐寒性、耐摩耗性のバランスが良いもの
の、実施例に比べて耐摩耗性、耐寒性に劣ることが判っ
た。
【0053】
【発明の効果】以上のように本願請求項記載の発明で
は、従来必須とされた研削や研磨といった表面処理を施
さなくとも、高い耐摩耗性を付与したVリブドベルトを
提供することが可能であった。しかも得られたベルト
は、寒冷温度下においても高い耐久性を有することが知
見できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用するベルト加硫機の加硫前の状態
を示す横断図である。
【図2】本発明で使用するベルト加硫機の加硫後の状態
を示す横断図である。
【図3】本発明に係るVリブドベルトの断面斜視図であ
る。
【符号の説明】
11 未加硫ベルトスリーブ 12 未加硫接着ゴムシート 13 抗張体ロープ 15 ゴム付帆布 16 金属または/そしてセラミクス補強層 20 未加硫圧縮ゴムシート 21 内型円筒ドラム 22 可撓性ジャケット 26 外型円筒モールド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 21:00 B29K 21:00 105:16 105:16 105:24 105:24 B29L 9:00 B29L 9:00 29:00 29:00 (72)発明者 田川 孝之 兵庫県神戸市長田区浜添通4丁目1番21号 三ツ星ベルト株式会社内 Fターム(参考) 4F202 AA45 AB16 AG03 AG05 AG16 AH12 CA27 CB22 CK11 CN01 4F203 AA45 AB16 AG03 AG05 AG16 AH12 DA11 DB01 DC01 DJ01 DL10 4F213 AA45 AD03 AD04 AG17 AH12 WA41 WA53 WA63 WA87 WB01 WB22 WC01

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接着ゴム層にベルト長手方向に沿って心
    線が埋設され、接着ゴム層の下部に圧縮ゴム層を配置し
    たVリブドベルトの製造方法にあって、内周面に金属ま
    たは/そしてセラミクス補強層を設けた無端状未加硫ゴ
    ムスリーブを、外型及びベルトのVリブ形状に対応した
    複数本の溝を設けた内型とで密着加硫し、得られた無端
    状加硫スリーブを所望の幅にカットすることを特徴とす
    るVリブドベルトの製造方法。
  2. 【請求項2】 補強層が金属または/そしてセラミクス
    粉を配合したゴム組成物で構成されている請求項1記載
    のVリブドベルトの製造方法。
  3. 【請求項3】 補強層が金属または/そしてセラミクス
    を溶射被覆して形成されてなる請求項1記載のVリブド
    ベルトの製造方法。
  4. 【請求項4】 接着ゴム層にベルト長手方向に沿って心
    線が埋設され、接着ゴム層の下部に圧縮ゴム層を配置し
    たVリブドベルトの製造方法にあって、外周面に金属ま
    たは/そしてセラミクス補強層を設けた無端状未加硫ゴ
    ムスリーブを、内型及びベルトのVリブ形状に対応した
    複数本の溝を設けた外型とで密着加硫し、得られた無端
    状加硫スリーブを所望の幅にカットすることを特徴とす
    るVリブドベルトの製造方法。
  5. 【請求項5】 内型は外周面に可撓性ジャケットが装着
    されてなり、可撓性ジャケットを介して内型に巻き付け
    られた無端状未加硫ゴムスリーブを、内型と可撓性ジャ
    ケットとの間に圧力媒体を送入することにより可撓性ジ
    ャケットを介して膨張加熱せしめて、外型と密着加硫さ
    せてなる請求項4記載のVリブドベルトの製造方法。
  6. 【請求項6】 補強層が金属または/そしてセラミクス
    粉を配合したゴム組成物で構成されている請求項4記載
    のVリブドベルトの製造方法。
  7. 【請求項7】 補強層が金属または/そしてセラミクス
    を溶射被覆して形成されてなる請求項4記載のVリブド
    ベルトの製造方法。
  8. 【請求項8】 接着ゴム層にベルト長手方向に沿って心
    線が埋設され、接着ゴム層の下部に圧縮ゴム層を配置し
    たVリブドベルトにおいて、圧縮ゴム層の表面に金属ま
    たは/そしてセラミクス補強層が設けられていることを
    特徴とするVリブドベルト。
  9. 【請求項9】 補強層が金属または/そしてセラミクス
    粉を配合したゴム組成物で構成されている請求項8記載
    のVリブドベルト。
  10. 【請求項10】 補強層が金属または/そしてセラミク
    スを溶射被覆して形成されてなる請求項8記載のVリブ
    ドベルト。
  11. 【請求項11】 接着ゴム層にベルト長手方向に沿って
    心線が埋設され、接着ゴム層の下部に圧縮ゴム層を配置
    したVリブドベルトにおいて、請求項1乃至3のいずれ
    かの製造方法によって得られたことを特徴とするVリブ
    ドベルト。
  12. 【請求項12】 接着ゴム層にベルト長手方向に沿って
    心線が埋設され、接着ゴム層の下部に圧縮ゴム層を配置
    したVリブドベルトにおいて、請求項4乃至7のいずれ
    かの製造方法によって得られたことを特徴とするVリブ
    ドベルト。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009533609A (ja) * 2006-04-07 2009-09-17 ザ ゲイツ コーポレイション 動力伝達ベルト
JP2009279823A (ja) * 2008-05-21 2009-12-03 Gates Unitta Asia Co ベルト製造用金型
CN101518929B (zh) * 2009-03-27 2011-05-18 河北佰特橡胶有限公司 精密齿槽模具及用其生产切边v带成型硫化工艺
US10518492B2 (en) 2015-06-24 2019-12-31 Bridgestone Corporation Method for manufacturing rubber crawler

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