JP2006282967A - 変性ポリビニルアセタール樹脂 - Google Patents

変性ポリビニルアセタール樹脂 Download PDF

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Abstract

【課題】小粒径の無機粉末の分散性に優れ、塗工用のペーストとして用いた場合に充分な強度を有する薄膜を得ることが可能な変性ポリビニルアセタール樹脂、導電ペースト及びセラミックペーストを提供する。
【解決手段】エチレン単位含有量が1〜20モル%、ケン化度が80モル%以上の変性ポリビニルアルコールのビニルアルコール単位に対して、少なくともジアルデヒドを0.005〜2モル%の割合で添加してアセタール化してなる変性ポリビニルアセタール樹脂。
【選択図】 なし

Description

本発明は、小粒径の無機粉末の分散性に優れ、塗工用のペーストとして用いた場合に充分な強度を有する薄膜を得ることが可能な変性ポリビニルアセタール樹脂、導電ペースト及びセラミックペーストに関する。
種々の分野において導電粉末、セラミック粉末等の無機粉末を分散させた塗工ペーストを塗工した後、焼成することにより、精密な導電膜、セラミック膜等を調製する方法が行われており、例えば、このような塗工ペーストを使用した積層セラミックコンデンサ等の積層型の電子部品は、特許文献1又は特許文献2に開示されているように、一般に次のような工程を経て製造されている。
まず、ポリビニルブチラール樹脂やポリ(メタ)アクリル酸エステル系樹脂等のバインダー樹脂を有機溶剤に溶解した溶液に、可塑剤、分散剤等を添加した後、セラミック原料粉末を加え、ボールミル等により均一に混合し、脱泡後に一定粘度を有するセラミックスラリー組成物を得る。得られたセラミックスラリー組成物をドクターブレード、リバースロールコーター等を用いて、離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルム又はSUSプレート等の支持体面に流延成形し、加熱等により有機溶剤等の揮発分を溜去させた後、支持体から剥離してセラミックグリーンシートを得る。
次いで、得られたセラミックグリーンシート上に内部電極となる導電ペーストをスクリーン印刷等により塗布したものを交互に複数枚積み重ね、加熱圧着して積層体を製造し、この積層体中に含まれるバインダー樹脂成分等を熱分解して除去する処理、いわゆる脱脂処理を行った後、焼成して得られるセラミック焼成物の端面に外部電極を焼結する工程を経て、積層セラミックコンデンサが得られる。
近年では、積層セラミックコンデンサの小型化、高容量化に伴い、セラミックグリーンシートや導電層の薄膜化が進められている。
しかしながら、薄膜化が進むにつれて、セラミックグリーンシート上で内部電極の厚みによる段差の影響が大きくなり、この段差が累積することによって、積層体を圧着する工程で、均一に圧力を加えることができず、デラミネーションが発生する原因となっていた。また、積層セラミックコンデンサの端部で誘電層や導電層に変形が生じて平面とならず、性能が低下するという問題があった。
これに対して、例えば、特許文献3には、セラミックグリーンシート上に導電ペーストをスクリーン印刷した後、内部電極が形成されていない部分にセラミックペーストを塗布することによって、このような段差を埋める方法が開示されている。この方法により、内部電極の厚みに起因するデラミネーションの発生等の問題を改善することができる。
また、このような薄膜を得るために、例えば、特許文献4には、重合度1200〜2400のポリビニルアセタール樹脂を用いる方法が開示されている。この方法により、接着性、塗工性に優れる塗工ペーストが得られ、厚さ5μm以下の薄膜としてセラミックグリーンシートを作製することができる。
しかしながら、セラミックコンデンサの一層の高性能化に伴い、導電ペースト、セラミックペースト等の塗工ペーストに用いられる導電粉末、セラミック粉末等の無機粉末はますます小粒径化しており、上記範囲の重合度を有するポリビニルアセタール樹脂では、溶液粘度が充分高くならず、無機粉末を充分に分散することができないという問題が顕在化してきた。
これに対して、ポリビニルアセタール樹脂の添加量を増加させることにより、バインダー樹脂溶液の粘度を向上させる方法が検討されている。しかしながら、この方法では、バインダー樹脂溶液の粘度が高くなり過ぎるため、均一な薄膜を得ることが困難となったり、焼成工程での脱脂性が低下し、セラミックコンデンサの電気特性が低下したりする問題があった。
更に、高重合度のポリビニルアセタール樹脂を用いることにより、樹脂溶液の粘度を増加させる方法が検討されている。しかしながら、この方法では、原料となる高重合度のポリビニルアルコールの製造が困難であったり、高重合度のポリビニルアルコールは水溶性が低いため、ポリビニルアセタール樹脂の製造が困難となったりする問題があった。また、アセタール化する際の溶液の粘度が高くなり過ぎるため、アルデヒドや触媒が分散されにくくなり、アセタール化が困難になるという問題があった。
従って、近年の積層セラミックコンデンサの小型化、高容量化における導電粉末、セラミック粉末等の小粒径化に伴い、小粒径の無機粉末の分散性に優れ、塗工後に充分な強度を有する薄膜を得ることができる塗工ペースト、及び、このような塗工ペーストを得ることができる変性ポリビニルアセタール樹脂が必要とされていた。
特公平3−35762号公報 特公平4−49766号公報 特開2002−280250号公報 特許第3193022号公報
本発明は、上記現状に鑑み、小粒径の無機粉末の分散性に優れ、塗工用のペーストとして用いた場合に充分な強度を有する薄膜を得ることが可能な変性ポリビニルアセタール樹脂、導電ペースト及びセラミックペーストを提供することを目的とする。
本発明は、エチレン単位含有量が1〜20モル%、ケン化度が80モル%以上の変性ポリビニルアルコールのビニルアルコール単位に対して、少なくともジアルデヒドを0.005〜2モル%の割合で添加してアセタール化してなる変性ポリビニルアセタール樹脂である。
以下、本発明につき、詳細に説明する。
本発明者らは、鋭意検討の結果、エチレン単位を一定量含有する変性ポリビニルアルコールに、ジアルデヒドを所定の割合で添加してアセタール化したポリビニルアセタール樹脂をバインダー樹脂として用いることによって、樹脂溶液の粘度が向上するため、小粒径の導電粉末、セラミック粉末に効率よく剪断力を与えることができ、分散性に優れる塗工ペーストが得られ、かつ、塗工後に充分な強度を有する薄膜が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
上記変性ポリビニルアルコールのエチレン単位含有量の下限は1モル%、上限は20モル%である。
上記変性ポリビニルアルコールは、エチレン単位を含有することによって、アセタール化して得られる変性ポリビニルアセタール樹脂の溶液粘度が増大するため、無機粉末の分散性や、塗工用のペーストとして用いた場合に塗膜の強度が向上する。
上記エチレン単位含有量が1モル%未満であると、導電粉末、セラミック粉末等の無機粉末の分散性、塗工ペーストの印刷性や塗膜の強度が低下する。20モル%を超えると、上記変性ポリビニルアルコールの水溶性が低下するため、アセタール化が困難になったり、得られる変性ポリビニルアセタール樹脂の有機溶剤への溶解性が低下するため、塗工ペースト作製に支障が出たり、経時粘度安定性が低下する。
なお、本明細書においてエチレン単位は、下記一般式(1)で表される単位を意味する。
Figure 2006282967
上記変性ポリビニルアルコールのケン化度の下限は80モル%である。80モル%未満であると、変性ポリビニルアルコールの水溶性が悪化するためアセタール化が困難になり、また、水酸基量が少なくなるためアセタール化自体が困難になる。好ましい下限は85モル%である。
上記変性ポリビニルアルコールは、エチレン単位含有量が上記範囲内で、かつ、ケン化度が80モル%以上であれば、上記変性ポリビニルアルコールを単独で用いてもよく、又は、2種以上の変性ポリビニルアルコールを混合して、全体としてエチレン単位含有量が上記範囲内で、かつ、ケン化度が80モル%以上の変性ポリビニルアルコールに調整してから用いてもよい。
上記変性ポリビニルアルコールは、ビニルエステルとエチレンの共重合体をケン化することにより得ることができる。上記ビニルエステルとしては特に限定されず、例えば、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル等が挙げられる。なかでも、経済的観点から酢酸ビニルが好ましい。
上記変性ポリビニルアルコールは、エチレンのみによって変性されたものが好ましい。エチレンのみによって変性された変性ポリビニルアルコールは、水溶性に優れ、得られる変性ポリビニルアセタール樹脂を有機溶剤に溶解した溶液は、経時粘度安定性に優れる。エチレン以外の共単量体により上記変性ポリビニルアルコールを更に変性する場合には、上記共単量体の含有量の好ましい上限は2.0モル%である。2.0モル%を超えると、水溶性が悪化し、得られる変性ポリビニルアセタール樹脂を有機溶剤に溶解した溶液の経時粘度安定性に劣ることがある。
上記変性ポリビニルアルコールは、本発明の効果を損なわない範囲で、エチレン性不飽和単量体を共重合したものでもよい。上記エチレン性不飽和単量体としては特に限定されず、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、(無水)フタル酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸、アクリロニトリルメタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−アンモニウムクロリド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びそのナトリウム塩、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ビニルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。また、チオール酢酸、メルカプトプロピオン酸等のチオール化合物の存在下で、酢酸ビニル等のビニルエステル系単量体とエチレンを共重合し、それをケン化することによって得られる末端変性ポリビニルアルコールも用いることができる。
上記変性ポリビニルアルコールの重合度の好ましい下限は300、好ましい上限は2400である。300未満であると、充分な強度を有する塗膜が得られず、クラック等が入り易く。2400を超えると、水溶性が低下したり、水溶液の粘度が高くなり過ぎたりするためアセタール化が困難となることがある。
上記変性ポリビニルアルコールの重合度が上記範囲内であれば、上記変性ポリビニルアルコールを単独で用いてもよく、又は、2種以上の変性ポリビニルアルコールを混合して、全体として混合後の平均重合度が上記範囲内となるように調整してから用いてもよい。
上記アセタール化の方法としては特に限定されず、従来公知の方法を用いることができ、例えば、塩酸等の酸触媒の存在下で、上記変性ポリビニルアルコールの水溶液にジアルデヒドを添加する方法等が挙げられる。
上記ジアルデヒドとしては、アルデヒド基を2個有する化合物であれば特に限定されず、例えば、グリオキザール、マロンアルデヒド、スクシンアルデヒド、グルタルアルデヒド、アジピンアルデヒド、フタルアルデヒド、イソフタルアルデヒド、テレフタルアルデヒド等が挙げられる。なかでも、グリオキザール、グルタルアルデヒドが好ましい。
上記アセタール化においては、ジアルデヒドに加え、ジアルデヒド以外のアルデヒドを併用することが好ましい。
上記ジアルデヒド以外のアルデヒドとしては特に限定されず、例えば、ホルムアルデヒド(パラホルムアルデヒドを含む)、アセトアルデヒド(パラアセトアルデヒドを含む)、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、アミルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、ヘプチルアルデヒド、2−エチルヘキシルアルデヒド、シクロヘキシルアルデヒド、フルフラール、ベンズアルデヒド、2−メチルベンズアルデヒド、3−メチルベンズアルデヒド、4−メチルベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、β−フェニルプロピオンアルデヒド等が挙げられる。なかでもアセトアルデヒド、ブチルアルデヒドが好ましい。
これらのアルデヒドは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記アセタール化のアセタール化度は、上記アルデヒドを単独で用いる場合、2種以上を併用する場合のいずれにおいても、アセタール化度の好ましい下限は40モル%、好ましい上限は80モル%である。40モル%未満であると、得られる変性ポリビニルアセタール樹脂が水溶性となり、有機溶剤に不溶となるため、ペースト作製の支障となることがある。80モル%を超えると、残存水酸基が少なくなり、変性ポリビニルアセタール樹脂の強靱性が損なわれ、ペースト印刷時の塗膜強度が低下することがある。
なお、本明細書において、アセタール化度とは、ポリビニルアルコールの水酸基数のうち、アセタール化された水酸基数の割合のことであり、アセタール化度の計算方法としては、ポリビニルアセタール樹脂のアセタール基が2個の水酸基からアセタール化されて形成されていることから、アセタール化された2個の水酸基を数える方法を採用してアセタール化度のモル%を算出する。
本発明の変性ポリビニルアセタール樹脂は、上記エチレン単位含有量が1〜20モル%、ケン化度が80モル%以上のポリビニルアルコールのビニルアルコール単位に対して、少なくとも上記ジアルデヒドを0.005〜2モル%の割合で添加してアセタール化することにより得ることができる。
本発明の変性ポリビニルアセタール樹脂は、上記エチレン単位を一定量含有する変性ポリビニルアルコールに、上記ジアルデヒドを所定の割合で添加することにより、有機溶剤に溶解した際に粘度が増大するため、小粒径の導電粉末、セラミック粉末に効率よく剪断力を与えることができ、分散性に優れる塗工ペーストが得られ、かつ、塗工後に充分な強度を有する薄膜が得られる。
なお、本明細書においてビニルアルコール単位は、下記一般式(2)で表される単位を意味する。
Figure 2006282967
上記ジアルデヒドを添加する割合の下限は0.005モル%、上限は2モル%である。0.005モル%未満であると、粘度を増加させる効果が充分に現れないため、樹脂溶液の分散性が劣り、かつ、充分な強度を有する塗膜が得られない。2モル%を超えると、分子間架橋が過密になり、得られるポリビニルアセタール樹脂が有機溶剤に不溶となる。より好ましい下限は0.01モル%、より好ましい上限は1モル%である。
本発明の変性ポリビニルアセタール樹脂の製造方法としては特に限定されず、例えば、上記変性ポリビニルアルコールを水に溶解し、塩酸等の酸触媒の存在で、所定の割合のアルデヒドを添加しアセタール化した後、水酸化ナトリウム等のアルカリで中和し、水洗、乾燥を行う方法が挙げられる。
本発明の変性ポリビニルアセタール樹脂を、有機溶剤に溶解し、導電粉末、セラミック粉末等の無機粉末を分散させることで、無機粉末が極めて良好に分散された塗工ペーストを得ることができる。このようにして得られた塗工ペーストは、接着性に優れ、デラミネーショ防止することができ、積層セラミックコンデンサの製造に好適に用いられる。
本発明の変性ポリビニルアセタール樹脂は、単独でバインダー樹脂として用いてもよく、本発明の効果を損なわない範囲で、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリビニルアセタール樹脂等との混合樹脂をバインダー樹脂として用いてもよい。上記混合樹脂とする場合、例えば、ポリビニルブチラール樹脂等のポリビニルアセタール樹脂との混合樹脂では、バインダー樹脂全体に占める上記変性ポリビニルアセタール樹脂の含有量の好ましい下限は30重量%である。30重量%未満であると、充分な溶液粘度が得られないことがある。
上記有機溶剤としては、本発明の変性ポリビニルアセタール樹脂を溶解できるものであれば特に限定されず、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、ブタン酸メチル、ブタン酸エチル、ブタン酸ブチル、ペンタン酸メチル、ペンタン酸エチル、ペンタン酸ブチル、ヘキサン酸メチル、ヘキサン酸エチル、ヘキサン酸ブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酪酸2−エチルヘキシル等のエステル類;メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、テルピネオール、ジヒドロテルピネオール、ブチルセルソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート、テルピネオールアセテート、ジヒドロテルピネオールアセテート等が挙げられる。
上記無機粉末として、導電粉末を用いる場合、上記塗工ペーストは導電ペーストとして使用することができる。得られた導電ペーストは、接着性に優れ、デラミネーションを防止することができ、積層セラミックコンデンサの製造に好適に用いられる。
このような導電ペーストもまた、本発明の一つである。
上記導電粉末としては充分な導電性を示すものであれば特に限定されず、例えば、ニッケル、パラジウム、白金、金、銀、銅、これらの合金等からなる粉末が挙げられる。これらの導電粉末は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記無機粉末として、セラミック粉末を用いる場合、上記塗工ペーストはセラミックペーストとして使用することができる。得られたセラミックペーストは、接着性に優れ、デラミネーションを防止することができ、積層セラミックコンデンサの製造の際に、導電ペーストをスクリーン印刷した後に生じる段差を埋める目的で、導電層が形成されていない部分に塗工するセラミックペーストとしても好適に用いることができる。
このようなセラミックペーストもまた、本発明の一つである。
上記セラミック粉末としては特に限定されず、例えば、アルミナ、ジルコニア、ケイ酸アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、チタン酸バリウム、マグネシア、サイアロン、スピネムルライト、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等が挙げられる。
本発明の導電ペースト及びセラミックペーストは、本発明の効果を損なわない範囲で、適宜、可塑剤、潤滑剤、分散剤、帯電防止剤等を添加してもよい。
本発明の導電ペースト及びセラミックペーストを製造する方法としては特に限定されず、例えば、上記変性ポリビニルアセタール樹脂、有機溶剤及び無機粉末をブレンダーミル、3本ロール等の各種混合機を用いて混合する方法が挙げられる。
本発明によれば、小粒径の無機粉末の分散性に優れ、塗工用のペーストとして用いた場合に充分な強度を有する薄膜を得ることが可能な変性ポリビニルアセタール樹脂、導電ペースト及びセラミックペーストが提供できる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
重合度1700、エチレン単位含有量10モル%、ケン化度88モル%の変性ポリビニルアルコール193gを純水2900gに加え、90℃で約2時間攪拌し溶解させた。この溶液を28℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸20g、n−ブチルアルデヒド115g及びグルタルアルデヒド0.2gを添加し、更に10℃に冷却、保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。その後、溶液を30℃で5時間保持して反応を完了させ、中和、水洗及び乾燥工程を経て、変性ポリビニルアセタール樹脂の白色粉末を得た。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いてアセタール化度を測定したところ、ブチラール化度は65モル%であった。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をα−テルピネオールに加え、攪拌溶解し、5重量%溶液とした後、回転式粘度計(Gemini150、Bohlin社製)とコーンプレート(直径40mm、コーン角度1°)とを用い、測定温度:25℃、剪断速度:10(1/s)の条件で粘度を測定したところ、25.2Pa・sであった。
(導電ペーストの作製)
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂7重量部とα−テルピネオール60重量部とを混合し、導電粉末としてニッケル粉末(2020SS、三井金属社製)100重量部を加え、三本ロールで混練して導電ペーストを得た。
(セラミックペーストの作製)
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂7重量とα−テルピネオール60重量部とを混合し、セラミック粉末としてのチタン酸バリウム(BT−03、平均粒子径0.3μm、堺化学工業社製)100重量部を加え、ボールミルで48時間混練してセラミックペーストを得た。
(実施例2)
重合度1500、エチレン単位含有量4モル%、ケン化度96モル%の変性ポリビニルアルコール193g、ブチルアルデヒド160g、グルタルアルデヒド0.3gを用いた以外は実施例1と同様の方法により、変性ポリビニルアセタール樹脂、導電ペースト及びセラミックペースト得た。
得られた変性ポリビニルブチラール樹脂のブチラール化度は76モル%であった。
また、測定された粘度は20.3Pa・sであった。
(実施例3)
重合度1700、エチレン単位含有量10モル%、ケン化度88モル%の変性ポリビニルアルコール185g、ブチルアルデヒド65g、アセトアルデヒド46g、グルタルアルデヒド0.2gを用いた以外は実施例1と同様の方法により、変性ポリビニルアセタール樹脂、導電ペースト及びセラミックペースト得た。
得られた変性ポリビニルブチラール樹脂のブチラール化度は71モル%であった。
また、測定された粘度は21.5Pa・sであった。
(比較例1)
重合度1700、エチレン単位含有量10モル%、ケン化度88モル%の変性ポリビニルアルコール193g、n−ブチルアルデヒド115gを用い、ジアルデヒドを添加しなかった以外は実施例1と同様の方法により、変性ポリビニルアセタール樹脂、導電ペースト及びセラミックペースト得た。
得られた変性ポリビニルブチラール樹脂のブチラール化度は65モル%であった。
また、測定された粘度は10.3Pa・sであった。
(比較例2)
重合度1500、エチレン単位含有量4モル%、ケン化度96モル%の変性ポリビニルアルコール193g、ブチルアルデヒド160gを用い、ジアルデヒドを添加しなかった以外は実施例1と同様の方法により、変性ポリビニルアセタール樹脂、導電ペースト及びセラミックペースト得た。
得られた変性ポリビニルブチラール樹脂のブチラール化度は76モル%であった。
また、測定された粘度は6.5Pa・sであった。
(比較例3)
重合度1700、エチレン単位含有量10モル%、ケン化度88モル%の変性ポリビニルアルコール185g、ブチルアルデヒド65g、アセトアルデヒド46gを用い、ジアルデヒドを添加しなかった以外は実施例1と同様の方法により、変性ポリビニルアセタール樹脂、導電ペースト及びセラミックペースト得た。
得られた変性ポリビニルブチラール樹脂のブチラール化度は71モル%であった。
また、測定された粘度は8.2Pa・sであった。
(分散性評価)
実施例1〜3及び比較例1〜3で得られた導電ペースト及びセラミックペーストを、乾燥後の膜厚が10μmとなるようにポリエチレンテレフタレート上に塗工した。乾燥後の塗膜の表面及び断面を電子顕微鏡で観察し、以下の基準で分散性の評価を行った。
結果は、表1に示した。
○:ニッケル粉及びセラミック粉の凝集物がほとんど観察されなかった。
×:ニッケル粉及びセラミック粉の凝集物が観察された。
Figure 2006282967
本発明によれば、小粒径の無機粉末の分散性に優れ、塗工用のペーストとして用いた場合に充分な強度を有する薄膜を得ることが可能な変性ポリビニルアセタール樹脂、導電ペースト及びセラミックペーストが提供できる。

Claims (6)

  1. エチレン単位含有量が1〜20モル%、ケン化度が80モル%以上の変性ポリビニルアルコールのビニルアルコール単位に対して、少なくともジアルデヒドを0.005〜2モル%の割合で添加してアセタール化してなることを特徴とする変性ポリビニルアセタール樹脂。
  2. ジアルデヒドは、グリオキザール及び/又はグルタルアルデヒドであることを特徴とする請求項1記載の変性ポリビニルアセタール樹脂。
  3. 更にブチルアルデヒド及び/又はアセトアルデヒドを添加してアセタール化してなることを特徴とする請求項1又は2記載の変性ポリビニルアセタール樹脂。
  4. アセタール化度が40〜80モル%であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の変性ポリビニルアセタール樹脂。
  5. 請求項1、2、3又は4記載の変性ポリビニルアセタール樹脂、有機溶剤及び導電粉末を含有することを特徴とする導電ペースト。
  6. 請求項1、2、3又は4記載の変性ポリビニルアセタール樹脂、有機溶剤及びセラミック粉末を含有することを特徴とするセラミックペースト。
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